JP3801090B2 - 界面活性剤製造法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、洗浄剤組成物に使用される対イオンとしてタウリン塩もしくはN−アルキルタウリン塩を有するアシルアルキルタウリン塩型陰イオン性界面活性剤の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に使用されている洗浄剤の成分としては、界面活性剤の中でも特にアニオン界面活性剤が広く使用されている。このアニオン界面活性剤には各種の構造ものがあるが、最近は皮膚あるいは頭皮に対する刺激性が低く、起泡性、泡質、洗浄時の感触が良好なものが望まれており、これまでに種々の提案がなされている。特開2000−109888号公報では、N−アシルメチルタウリンのタウリンアルカリ金属塩を必須成分として配合する洗浄剤組成物、もしくはN−アシルメチルタウリンのタウリン有機アルカリ塩を必須成分として配合する洗浄剤組成物、もしくはN−アシルタウリンのタウリンアルカリ金属塩を必須成分として配合する洗浄剤組成物、もしくはN−アシルタウリンのタウリン有機アルカリ塩を必須成分として配合する洗浄剤組成物について提案されている。特開2000−178590号公報では、N−アシルメチルタウリンのN−メチルタウリンアルカリ金属塩を必須成分として配合する洗浄剤組成物、もしくはN−アシルメチルタウリンのN−メチルタウリン有機アルカリ塩を必須成分とする洗浄剤組成物、もしくはN−アシルタウリンのN−メチルタウリンアルカリ金属塩を必須成分として配合する洗浄剤組成物、もしくはN−アシルメチルタウリンのN−メチルタウリン有機アルカリ塩を必須成分とする洗浄剤組成物について提案されている。また、特開2001−181675号公報では対イオンとしてタウリン塩又はN−アルキルタウリン塩を有するアシルアルキルタウレート型陰イオン性界面活性剤を含有する洗浄剤組成物について提案されている。これら開示された界面活性剤を使用することによって、泡立ちが良く、使用後にぬめり感を生じない、使用感に優れた洗浄剤組成物が得られる。
【0003】
これらの開示された界面活性剤の製造方法として、特開2001−181675号公報では、アシルメチルタウリン塩水溶液を調製し、このアシルメチルタウリン塩の水溶液に目的とする対イオンとなるアルキルタウリン塩を塩酸により中和することで得られるアルキルタウリンを仕込むか、またはアルキルタウリン塩と塩酸を個々に仕込んでアシルメチルタウリン塩と混合することで目的とする界面活性剤が得られると開示されている。また、特開2002−1086号公報ではアシルタウリン塩とタウリン塩を無機酸の存在下、反応させてアシルアルキルタウリン方陰イオン界面活性剤の製造方法が開示されている。ここではタウリン塩と無機酸を反応させた後、アシルタウリン塩と反応させるか、もしくはタウリン塩とアシルタウリン塩を混合後、無機酸を添加させ反応させるか、もしくはアシルタウリン塩と塩酸を反応後、タウリン塩と反応させる製造方法が開示されている。
【0004】
これまで開示された、対イオンとしてタウリン塩もしくはN−アルキルタウリン塩を有するアシルアルキルタウリン塩型陰イオン性界面活性剤の製造方法では、アルキルタウリン塩もしくはタウリン塩を使用し、かつ塩酸もしくは無機酸を使用し製造するとなっている。
【0005】
しかしながら、これらの製造法では目的とする界面活性剤を製造するために使用するアルキルタウリン塩もしくはタウリン塩を、一旦塩酸、もしくは無機酸を使用し、アルキルタウリンもしくはタウリンにするため、製造工程上、副生成物として無機塩が生成する問題がある。
【0006】
目的とする陰イオン活性剤の骨格を成すアシルアルキルタウリン塩及びアシルタウリン塩の従来知られている工業レベルでの製造方法として、アルカリ物質存在下、アルキルタウリン塩もしくはタウリン塩と脂肪酸ハライドを反応させるショッテン−バウマン(Schoetten−baumann)反応が知られている。この製造方法では、アシルアルキルタウリン塩及びアシルタウリン塩のほか、副生成物として塩が生成され、アシルアルキルタウリン塩及びアシルタウリン塩の水溶液中に塩が混在してしまう。
【0007】
対イオンとしてタウリン塩もしくはN−アルキルタウリン塩を有するアシルアルキルタウリン塩型陰イオン性界面活性剤を製造するために、無機塩が混在したアシルアルキルタウリン塩を使用し、これまでに開示された塩酸もしくは無機酸を使用する製造方法では、製品中の塩量が過剰になる。
【0008】
過剰の塩を含む界面活性剤溶液を使用し、シャンプー、ボディシャンプー、洗顔料などの洗浄剤組成物を処方した場合、その処方の粘度が期待以上に高くなってしまう恐れや、処方中に高分子化合物を使用した際、塩析してしまうことがあり、処方中の有効成分の高濃度化が妨げられてしまう問題が考えられる。
【0009】
それらの問題を解決するために、目的とする陰イオン性界面活性剤中の塩量を低くするには、あらかじめアシルアルキルタウリン塩溶液から塩を除去した原料を使用するか、得られた陰イオン性界面活性剤溶液から塩を除去する方法が考えられる。
【0010】
界面活性剤溶液から塩を除去する方法として、一般に電気透析方法や逆浸透膜法が知られている。これらの方法により、界面活性剤溶液から塩の除去が可能であるが、これらの方法で塩の除去を行なうには、専用設備が必要であり、また塩と同時に多量の水が系外に排出されるため、廃液の処理が必要となる。
【0011】
これまで開示された、塩酸もしくは無機酸を使用し、対イオンとしてタウリン塩もしくはN−アルキルタウリン塩を有するアシルアルキルタウリン塩型陰イオン性界面活性剤を製造することは、界面活性剤溶液中に過剰な塩の副生成を招き、無機酸を使用することによる作業工程の煩雑化が考えられる。さらに製品中より過剰の塩を除去することを考えた場合、経済性の面で問題があると考えられる。
【0012】
【本発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、N−アシルアルキルタウリン塩を骨格とする界面活性剤の製造に関し、無機酸を使用せずに簡略化することで経済性に優れた製造方法を提供しようとするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明は、無機酸を使用せず、対イオンとしてタウリン塩もしくはN−アルキルタウリン塩を有するアシルアルキルタウリン塩型陰イオン性界面活性剤を製造することを検討した結果、下記一般式(1)で表されるN−アシルアルキルタウリン塩と、下記一般式(2)で表されるアルキルタウリンを混合することで、下記一般式(3)で表される対イオンとしてタウリン塩もしくはN−アルキルタウリン塩を有するアシルアルキルタウリン塩型陰イオン性界面活性剤が得られることを見い出し、本発明に至った。
【0014】
【化4】
【化5】
【化6】
(但し、R1は炭素数7〜23の直鎖もしくは分岐鎖の飽和または不飽和脂肪酸残基を、R2およびR3は、それぞれ独立して、水素原子または炭素数1〜3のアルキル基を、Mはアルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウムまたは有機アンモニウムを示す。)
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
式中R1は炭素数7〜23の高級脂肪酸残基を表す。その具体例としては、例えば、エナント酸残基、カプリル酸残基、ペラルゴン酸残基、カプリン酸残基、ウンデシル酸残基、ラウリン酸残基、トリデシル酸残基、ミリスチン酸残基、ペンタデシル酸残基、パルミチン酸残基、マルガリン酸残基、ステアリン酸残基、ノナデシル酸残基、ベヘニン酸残基、オレイン酸残基、イソステアリン酸残基などが挙げられる。またこれらの混合物であるヤシ油脂肪酸残基、パーム油脂肪酸残基、パーム核油脂肪酸残基、牛脂脂肪酸残基なども使用できる。好ましくは、カプリン酸残基、ラウリン酸残基、ミリスチン酸残基、パルミチン酸残基、ステアリン酸残基、オレイン酸残基、ヤシ油脂肪酸残基、パーム油脂肪酸残基、パーム核油脂肪酸残基等である。
【0016】
R2はおよびR3は、それぞれ独立して、水素原子または炭素数1〜3のアルキル基である。炭素数1〜3のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基が挙げられる。好ましくは水素原子、メチル基、エチル基である。Mはアルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウムまたは有機アンモニウムを示し、例えば、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、アンモニウム、トリエタノールアンモニウム、ジエタノールアンモニウム、モノエタノールアンモニウムなどが挙げられる。
【0017】
本発明の界面活性剤、一般式(3)で表される対イオンとしてタウリン塩もしくはN−アルキルタウリン塩を有するアシルアルキルタウリン塩型陰イオン性界面活性剤は、一般式(1)で表されるN−アシルアルキルタウリン塩と一般式(2)で表されるアルキルタウリンを混合することによって得られる。アルキルタウリンの使用量は、N−アシルアルキルタウリン塩に対し0.95〜1.25倍のモル当量比が望ましい。特に好ましくは1.0〜1.2倍モル当量比である。モル当量比が0.95倍より少ないか、もしくは1.25倍を超える場合には泡質が粗く、泡の持続性、洗浄時および洗いあがりの使用感が悪くなる。
【0018】
混合方法は、N−アシルアルキルタウリン塩の水溶液にアルキルタウリンを混合しても良いし、アルキルタウリンの水溶液にN−アシルアルキルタウリン塩の水溶液を混合させても良い。また混合する際、特に加熱する必要はないが、30℃〜80℃で混合することが望ましく、特に50℃〜80℃が好ましい。30℃より低いと混合時間が長くなり、生産効率が悪く、また、80℃より以上に上げても熱劣化を招くだけで、加熱エネルギーの無駄になる。
【0019】
本発明の陰イオン性界面活性剤は、シャンプー、ボディシャンプー、洗顔料、液体セッケン、衣料用液体洗剤などの各種の洗浄剤組成物及び染毛剤に含有させて使用することができる。これらの洗浄剤組成物にはアルキル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、アシルサルコシン酸塩、N−アシルアミノ酸塩、アルファオレフィンスルホン酸塩、アルファスルホ脂肪酸メチルエステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルカルボン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルアミドエーテルカルボン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルスルホコハク酸塩、アルキルリン酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルモノエタノールアミド硫酸塩、アルキルエチルエステルスルホン酸塩、アルキルスルホ酢酸塩、高級脂肪酸塩などのナトリウム、カリウム、マグネシウム、アンモニウム、トリエタノールアミン、アルギニン、リジン等のアニオン性界面活性剤、カルボキシベタイン型両性界面活性剤、アミドベタイン型両性界面活性剤、スルホベタイン型両性界面活性剤、ヒドロキシスルホベタイン型両性界面活性剤、アミドスルホベタイン型両性界面活性剤、ホスホベタイン型両性界面活性剤、アミドアミン型両性界面活性剤、アルキルイミノジカルボン酸型両性界面活性剤、アルキルアミンオキシド等の両性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、アルキルポリグルコシド、脂肪酸メチルグルカミド等の非イオン界面活性剤、カチオン化セルロース、カチオン化デンプン、カチオン化グアガム、カチオン化ローカストビーンガム、カチオン化タマリンドガム、ジアリル4級アンモニウム塩のホモポリマー、ジアリル4級アンモニウム塩/アクリルアミド共重合物、ヒドロキシエチルセルロース/ジメチルジアリルアンモニウムクロライド共重合体等の陽イオン性水溶性高分子、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等の水溶性高分子、アルキロールアミド等の増粘剤、エチレングリコール脂肪酸エステル等のパール化剤、dl−α−トコフェロール等の酸化防止剤、高級脂肪酸類、高級アルコール類、炭化水素類、高級アルコール脂肪酸エステル、シリコーン類、動植物油脂類、香料キレート剤、酵素、アミノ酸、薬効剤、保湿成分、抗炎症剤、殺菌剤、防腐剤、紫外線吸収剤、有機および無機粉体、色素、香料などを配合させ使用することができる。
【0020】
【実施例】
以下、実施例によって本発明をさらに詳細に説明する。なお、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0021】
製造例1(ヤシ油脂肪酸メチルタウリンナトリウムの合成)
1リットル容の五つ口フラスコに40%メチルタウリンナトリウム(分子量161)水溶液233g(0.58モル)、水289gを仕込み、撹拌下、内温を20〜50℃に、pHを9〜11に保ちながら、ヤシ油脂肪酸クロライド(分子量219.5)を125.1g(0.57モル)、48%水酸化ナトリウム(分子量40)52.8g(0.63モル)を2時間で滴下した。さらに同温度で1時間熟成し、塩酸を使用しpHを7.0に調整し、ヤシ油脂肪酸メチルタウリンナトリウム(分子量344)の水溶液を700g得た。分析の結果、乾燥残分が35.2重量%、ヤシ油脂肪酸メチルタウリンナトリウムが27.0重量%、食塩分が5.2重量%であった。
【0022】
製造例2(ラウリン酸タウリンナトリウムの合成)
1リットル容の五つ口フラスコにタウリン(分子量125)68.7g(0.55モル)、48%水酸化ナトリウム(分子量40)45.8g(0.55モル)、水411gを仕込み、攪拌下、内温を20〜50℃に、pHを9〜11に保ちながら、ラウリン酸クロライド(分子量218.5)を120.1g(0.54モル)、48%水酸化ナトリウム(分子量40)を45.8g(0.55モル)を2時間で滴下した。さらに同温度で1時間熟成し、塩酸を使用しpHを7.0に調整し、ラウリン酸タウリンナトリウム(分子量329)の水溶液を693g得た。分析の結果、乾燥残分が30.8重量%、ラウリン酸タウリンナトリウムが26.1重量%、食塩分が4.6重量%であった。
【0023】
製造例3(ヤシ油脂肪酸メチルタウリンナトリウムの脱塩品の製造)
製造例1で示した方法で、ヤシ油脂肪酸メチルタウリンナトリウム(分子量344)の水溶液を1400g得た。その水溶液を、電気透析装置を使用して、脱塩を行い、ヤシ油脂肪酸メチルタウリンナトリウムの脱塩品を得た。分析の結果、蒸発残分32.0重量%、ヤシ油脂肪酸メチルタウリンナトリウム30.0重量%、食塩分0.8重量%であった。
【0024】
実施例1(ヤシ油脂肪酸メチルタウリンタウリンナトリウム)
1リットル容の五つ口フラスコに、製造例1で合成したヤシ油脂肪酸メチルタウリンナトリウム水溶液500gを仕込み、50℃まで昇温し、次いでタウリン(分子量125)49.1g(1.00モル)およびイオン交換水202.8gを加え、30分攪拌し、pHを調整し、ヤシ油脂肪酸メチルタウリンタウリンナトリウム(分子量469)(化合物1)の水溶液を得た。
【0025】
実施例2(ラウリン酸タウリンタウリンナトリウム)
1リットル容の5つ口フラスコに、製造例2で合成したラウリン酸タウリンナトリウムの水溶液550.0gを加え、50℃まで昇温し、次いでタウリン(分子量125)55.0g(0.44モル)およびイオン交換水189.2gを加え、30分攪拌し、pHを調整し、ラウリン酸タウリンタウリンナトリウム(分子量454)(化合物2)の水溶液を得た。
【0026】
比較例1(ヤシ油脂肪酸メチルタウリンタウリンナトリウム)
1リットル容の5つ口フラスコに、製造例1で製造したヤシ油脂肪酸メチルタウリンナトリウム水溶液500.0gを加え、50℃まで昇温し、次いで36重量%塩酸(分子量36.5)39.8g(0.39モル)を加え、30分攪拌し、次いでタウリンナトリウム塩(分子量147)の40重量%水溶液144.2g(0.39モル)およびイオン交換水60.7gを加え、さらに30分攪拌し、pHを調整し、ヤシ油脂肪酸メチルタウリンタウリンナトリウム(分子量469)(比較化合物1)の水溶液を得た。
【0027】
比較例2(ラウリン酸タウリンタウリンナトリウム)
1リットル容の5つ口フラスコに、タウリンナトリウム塩(分子量147)の40重量%水溶液169.0g(0.46モル)を加え、50℃まで昇温し、次いで36重量%塩酸46.6g(0.46モル)を加え、30分攪拌し、次いで製造例2で製造したラウリン酸タウリンナトリウム水溶液715.2g、水44gを加え、30分攪拌し、pHを調整し、ラウリン酸タウリンタウリンナトリウム(分子量454)(比較化合物2)の水溶液を得た。
【0028】
比較例3(ヤシ油脂肪酸メチルタウリンタウリンナトリウム)
1リットル容の五つ口フラスコに製造例3で合成したヤシ油脂肪酸メチルタウリンナトリウムの脱塩品を500g仕込み、50℃まで昇温し、次いで36重量%塩酸(分子量36.5)44.2g(0.44モル)を加え、30分攪拌し、次いでタウリンナトリウム塩(分子量147)の40重量%水溶液160.2g(0.44モル)およびイオン交換水130.2gを加え、30分攪拌し、pH調整し、ヤシ油脂肪酸メチルタウリンタウリンナトリウム(分子量469)(比較化合物3)の水溶液を得た。
【0029】
上記実施例1、2および比較例1〜3で製造した化合物の水溶液の評価を下記に示す評価方法で行った。評価結果を表1に示す。
評価方法
(1)蒸発残分
サンプル約2gを重量既知の秤量瓶に採り、精秤した。ついで105℃に設定した送風乾燥機中に2時間静置した。その後、シリカゲルの入ったデシケーター中に30分間放冷した後、秤量した。次式より蒸発残分を求めた。
蒸発残分(%)={(乾燥後の秤量瓶重量(g))−(秤量瓶重量(g))/サンプル重量(g)}×100
(2)食塩分
食塩分測定は、フォルハード法に準じ、0.05mol/lチオシアン酸アンモニウム水溶液、および0.05mol/l硝酸銀水溶液を使用し滴定した。指示薬には鉄ミョウバン水溶液を使用した。
(3)pH
サンプル1%水溶液のpHを東亜電波工業(株)製pHメーター HM−16Sを使用し測定した。測定は25℃で行った。
(4)活性剤分
活性剤分は、「日本化粧品工業会連合会 化粧品原料参考規格集」 記載の一般試験法 陰イオン界面活性剤定量法の第2法に準じて測定した。
【0030】
【表1】
【0031】
表1より、本発明例の実施例1、および実施例2の化合物について、活性剤分が約25%のところ、食塩分が、約3.3%分混在していることが確認できる。これまで開示されている方法で合成した比較例1、および比較例2の化合物については、約6.3%分の食塩が混在してしまう。また、予め電気透析装置で塩を除去した場合、比較例3の化合物に示すとおり、本発明で製造した場合とほぼ同等の食塩分の活性剤水溶液が得られた。しかしながら、経済性を考えた場合、本発明で製造することは有利である事が確認された。
【0032】
(13C−NMRによる構造解析)
ヤシ油脂肪酸メチルタウリンナトリウム、タウリン、実施例1の化合物、および比較例1の化合物の100mM重水溶液をそれぞれ調製し、13C−NMRを測定した。各々のスペクトルを図1〜4に示した。
まず、ヤシ油脂肪酸メチルタウリンナトリウムとタウリンの比較において、本発明の実施方法で製造した実施例1が両者の混合物であるならば、チャート上にタウリンの窒素に対してα、β位の炭素由来のピークが存在するはずである。しかしながら、実施例1のチャート上にはそのピークは現れていない。さらに実施例1のチャート上に新たに、46.7ppmおよび34.6ppmにピークが現れている。これらのピークはタウリンの窒素に対してβ位の炭素の1.3ppmの高磁場シフトを示し、α位の炭素は1.4ppmの高磁場シフトを示している。このことからタウリンの窒素部分が+にイオン化していることが確認できる。つまり、タウリンを対イオンとする構造をとっていることが確認された。
また実施例1の化合物と比較例1の化合物のスペクトルを比較すると、スペクトル上に差が見られないことより、実施例1の化合物と比較例1の化合物はともにタウリンを対イオンとする構造をとっていることが確認され、本発明の製造方法で合成したものと無機酸を使用し合成したものは同一であることが確認された。
【0033】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の無機酸を使用せずにN−アシルアルキルタウリン塩を骨格とする界面活性剤の製造法は、従来の無機酸を使用する製造方法と比較して、工程を簡略化することにより、経済性に優れ、かつ作業工程上簡略化した製造方法である。
【図面の簡単な説明】
【図1】ヤシ油脂肪酸メチルタウリンナトリウムの13C−NMRチャートを示す。
【図2】タウリンの13C−NMRチャートを示す。
【図3】実施例1の13C−NMRチャートを示す。
【図4】比較例1の13C−NMRチャートを示す。
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