JP3800962B2 - 電気光学装置および電子機器並びに投射型表示装置 - Google Patents

電気光学装置および電子機器並びに投射型表示装置 Download PDF

Info

Publication number
JP3800962B2
JP3800962B2 JP2001007911A JP2001007911A JP3800962B2 JP 3800962 B2 JP3800962 B2 JP 3800962B2 JP 2001007911 A JP2001007911 A JP 2001007911A JP 2001007911 A JP2001007911 A JP 2001007911A JP 3800962 B2 JP3800962 B2 JP 3800962B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
line
light
electro
optical device
pixel
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2001007911A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2002215106A (ja
Inventor
孝 胡桃澤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seiko Epson Corp filed Critical Seiko Epson Corp
Priority to JP2001007911A priority Critical patent/JP3800962B2/ja
Publication of JP2002215106A publication Critical patent/JP2002215106A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3800962B2 publication Critical patent/JP3800962B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像情報の表示に用いて好適な電気光学装置および電子機器並びに投射型表示装置に関する。
【0002】
【背景技術】
電気光学装置、例えば、電気光学材料として液晶を用いた液晶表示装置は、陰極線管(CRT)に代わるディスプレイデバイスとして、各種情報処理機器の表示部や液晶テレビなどに広く用いられている。ここで、従来の電気光学装置は、例えば、次のように構成されている。すなわち、従来の電気光学装置は、マトリクス状に配列した画素電極と、この画素電極に接続されたTFT(Thin Film Transistor:薄膜トランジスタ)のようなスイッチング素子などが設けられた素子基板と、画素電極に対向する対向電極が形成された対向基板と、これら両基板との問に充填された電気光学材料たる液晶とから構成される。
【0003】
そして、このような構成において、走査線を介してスイッチング素子に走査信号を印加すると、当該スイッチング素子が導通状態となる。この導通状態の際に、データ線を介して画素電極に、階調に応じた電圧の画像信号を印加すると、当該画素電極および対向電極の間の液晶層に画像信号の電圧に応じた電荷が蓄積される。電荷蓄積後、当該スイッチング素子をオフ状態としても、当該液晶層における電荷の蓄積は、液晶層自身の容量性や蓄積容量などによって維持される。このように、各スイッチング素子を駆動させ、蓄積させる電荷量を階調に応じて制御すると、画素毎に液晶の配向状態が変化するので、画素毎に光が変調され表示する濃度が変化することになる。このため、階調を表示することが可能となるのである。
【0004】
この際、各画素の液晶層に電荷を蓄積させるのは1画面を表示するための期間に対して、その一部の期間で良いため、第1に、走査線駆動回路によって、各走査線を順次選択するとともに、その走査線の選択期間において、第2に、データ線駆動回路によって、データ線を順次選択し、第3に、選択されたデータ線に、階調に応じた電圧の画像信号をサンプリングする構成により、走査線およびデータ線を複数の画素について共通化した時分割マルチプレックス駆動が可能となる。
【0005】
これにより、各画素毎に着目すると、液晶層に印加される電圧は、理想的には1画面を表示するために必要なフレーム周期の周期を半周期とする方形波状になる。しかし、実際にはTFTにおいてリーク電流が生じるため、液晶層への印加電圧は完全な方形波状にならず、フレーム周期内で徐々にその絶対値が低下する。このため、予めリーク電流の影響を加味して、液晶層に印加される電圧を補正しておくことが一般的である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このリーク電流は、液晶層に照射される光の照度に応じて大きく変動し、またTFTの経年変化によっても変動するため、画一的に補正を行うことは困難である。特に、液晶プロジェクタ等においては、液晶パネルに対する照度が強く、しかもランプ温度、連続点灯時間に応じてランプの輝度変化があり、個々の機器でも照度が異なり、さらにRGB各色によって(光の波長が異なるため)TFTへの照射エネルギーが異なるため、TFTのリーク電流の大きさが異なる。このような様々な状況に対応して階調特性を調整することは、きわめて煩雑であった。なお、液晶プロジェクタのランプの輝度を自動測定し階調特性を補正する技術は知られている(特開平10−55030号公報)が、かかる技術ではTFTの経年変化等に対応できないという問題がある。
この発明は上述した事情に鑑みてなされたものであり、TFT等スイッチング素子のリーク電流に対して階調特性を自動的に補正できる電気光学装置および電子機器並びに投射型表示装置を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため本発明にあっては、下記構成を具備することを特徴とする。なお、括弧内は例示である。
素子基板(101)上に配置され、画素電圧が印加される複数の画素電極(118)と、選択期間に導通状態になることにより、前記画素電圧を前記画素電極に印加し、非選択期間に非導通状態となることにより、前記画素電圧を前記画素電極に保持するスイッチング素子(116)と、前記スイッチング素子(116)のダミー素子(302)を含む電流源と、前記電流源に流れる電流に応じて前記画素電圧を補正する補正回路(二次ガンマ補正回路202)とを有し、前記電流源は、所定の電圧が印加された端子と前記補正回路との間に並列接続された複数の前記ダミー素子を有することを特徴とする。
また、素子基板上に配置され、画素電圧が印加される複数の画素電極と、選択期間に導通状態になることにより、前記画素電圧を前記画素電極に印加し、非選択期間に非導通状態となることにより、前記画素電圧を前記画素電極に保持するスイッチング素子(116)と、前記スイッチング素子を光照射から遮光する遮光膜(データ線114)と、前記スイッチング素子のダミー素子(302)を含む電流源と、前記電流源に流れる電流に応じて前記画素電圧を補正する補正回路(二次ガンマ補正回路202)とを有することを特徴とする。
さらに、請求項2記載の電気光学装置において、前記ダミー素子を光照射から遮光する遮光膜(遮光ライン382)を有することを特徴とする。
さらに、前記スイッチング素子は、TFTからなることを特徴とする。
さらに、前記ダミー素子は前記スイッチング素子と同一工程で製造されることを特徴とする。
さらに、前記電流源は、前記素子基板(101)上に配設された第1のライン(360)と、該第1のライン(360)に略平行に配設された第2のライン(364)と、該第1および第2のラインの間に介挿された第3のライン(362)と、該第3のライン(362)上に形成された複数のダミー素子(302)と、前記第1または第2のラインの何れかと前記第3のライン(362)とを接続する第1のリード線(380)と、前記第1のライン(360)と前記複数のダミー素子の入力端とを接続する第2のリード線(368,……,368)と、前記第2のライン(360)と前記複数のダミー素子の出力端とを接続する第3のリード線(374,……,374)とを有し、前記第1のラインと前記所定の電圧が印加された端子とが接続されるとともに、前記第2のラインと前記補正回路とが接続されることを特徴とする。
また、光源(1431)と、前記光源からの光を変調する光変調装置(100R,100G,100B)と、前記光変調装置により変調された光を投射する投射レンズ(1437)を有する投射型表示装置(1430)において、前記光変調装置は、素子基板(101)上に配置され、画素電圧が印加される複数の画素電極(118)と、選択期間に導通状態になることにより、前記画素電圧を前記画素電極に印加し、非選択期間に非導通状態となることにより、前記画素電圧を前記画素電極に保持するスイッチング素子(116)と、前記スイッチング素子を光照射から遮光する遮光膜(データ線114)と、前記スイッチング素子のダミー素子(302)を含む電流源と、前記電流源に流れる電流に応じて前記画素電圧を補正する補正回路(二次ガンマ補正回路202)とを有し、前記電流源は、所定の電圧が印加された端子と前記補正回路との間に並列接続された複数の前記ダミー素子を有することを特徴とする。
さらに、投射型表示装置において、前記電流源は、前記素子基板(101)上に配設された第1のライン(360)と、該第1のライン(360)に略平行に配設された第2のライン(364)と、該第1および第2のラインの間に介挿された第3のライン(362)と、該第3のライン(362)上に形成された複数のダミー素子(302)と、前記第1または第2のラインの何れかと前記第3のラインとを接続する第1のリード線(380)と、前記第1のラインと前記複数のダミー素子の入力端とを接続する第2のリード線(368,……,368)と、前記第2のラインと前記複数のダミー素子の出力端とを接続する第3のリード線(374,……,374)とを有し、前記第1のラインと前記所定の電圧が印加された端子とが接続されるとともに、前記第2のラインと前記補正回路とが接続されることを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
1.実施形態の構成
1.1.全体構成
次に、本発明の一実施形態の電気光学装置の構成を図1,図2を参照し説明する。
なお、図2は主として電気光学装置の素子基板に実装される部分、図1は主として素子基板とは別体として実装される回路部分のブロック図である。図1において電気光学装置には、図示せぬ上位装置から8ビットのビデオデータ、その垂直同期信号Vsync、水平同期信号Hsync、画素クロックCLKおよびI2C BUS(登録商標)制御信号が供給される。202は二次ガンマ補正回路であり、該ビデオデータの階調特性を補正し、9ビットのバス幅で、階調補正された補正ビデオデータを出力する。
【0009】
204は多相展開回路であり、該補正ビデオデータを、多相展開(ここでは6層展開)する。すなわち、補正ビデオデータにおける各ドットの画素値の持続時間が6倍に伸張され、6ドットの画素値を同時にラッチできるようにこれらのタイミングが補正される。次に、206はデータ反転・非反転選択回路であり、1ドット毎に画素値の極性が反転するように、これら画素値の一部を反転させる。208はデジタル/アナログ(D/A)コンバータであり、データ反転・非反転選択回路206から出力された画素値をアナログ信号である多相ビデオデータVID1〜6に変換し出力する。この多相ビデオデータVID1〜6は、ビデオアンプ210−1〜6を介して増幅される。
【0010】
212はIC制御回路であり、IC BUS制御信号に基づいて、電気光学装置内の各部を制御する。214はLCDタイミング発生回路であり、水平同期信号Hsync、垂直同期信号Vsyncに基づいて、各種タイミング信号を生成する。これらタイミング信号のうち、主要なものについて説明しておく。なお、これらタイミング信号の波形例を図8に示しておく。
【0011】
まず、CLXは、電気光学装置の表示用のクロック信号であり、画素クロックCLKの相数倍(ここでは6倍)のクロック周期を有し、デューティ比50%の信号である。/CLXはその反転信号である(なお、本明細書において、反転信号には信号名の先頭に「/」を付すこととする)。
DXはラインスタートパルスであり、電気光学装置における各ラインの先頭において立ち上がる。
NRGはプリチャージ信号であり、プリチャージを行うべきタイミングすなわちラインスタートパルスDXよりも若干早く立ち上がる。
ENB1,ENB2はラッチイネーブル信号であり、多相ビデオデータVID1〜6が安定するタイミングにおいて交互にHレベルに立ち上がる信号である。
CLYは電気光学装置のラインクロック信号であり、所定のラインクロック周期を有し、デューティ比50%の信号である。
DYはフレームスタートパルスであり、電気光学装置における各フレームの先頭において立ち上がる。
BIASOおよびBIASEは奇数ドット極性信号および偶数ドット極性信号であり、対応する画素に対する液晶層への印加電圧の極性(換言すれば対応するビデオデータVID1〜6の極性)を示す信号である。すなわち、印加電圧の極性は、これらの信号がLレベルであれば正極性、Hレベルであれば負極性であることを示す。
【0012】
216はD/Aコンバータであり、IC BUS制御信号から必要なアナログ信号を生成する。Sub Brightnessは輝度調整信号であり、ユーザのパネル操作等に基づく輝度調整指令を示す信号である。Bias_COMは輝度調整信号Sub Brightnessの基準電位信号である。NRSHはプリチャージ電位最大値信号、NRSLはプリチャージ電位最小値信号であり、各々プリチャージ電位の最大値と最小値とを示す。LCCOMは対向電極電位であり、対向電極に印加される。
【0013】
222は差動アンプであり、輝度調整信号Sub Brightnessおよび基準電位信号Bias_COMの差分を増幅し、その結果をゲイン信号として奇数ドットのビデオデータVID1,3,5を出力するビデオアンプ210−1,3,5に与える。同様に、差動アンプ224は、輝度調整信号Sub Brightnessおよび基準電位信号Bias_COMの差分を増幅し、その結果をゲインとして偶数ドットのビデオデータVID2,4,6を出力するビデオアンプ210−2,4,6に与える。
【0014】
218,220はスイッチング回路であり、輝度調整信号Sub Brightnessおよび基準電位信号Bias_COMをストレート接続またはクロス接続して差動アンプ222,224に供給する。スイッチング回路218,220の接続状態(ストレートまたはクロス)は、極性信号BIASO,BIASEに応じて相補的に切り換えられる。これにより、ビデオアンプ210−1,3,5およびビデオアンプ210−2,4,6には、それぞれ極性が異なり絶対値の等しいゲイン信号が供給されることになる。
【0015】
次に、230,232は差動アンプであり、プリチャージ電位最大値信号NRSHおよびプリチャージ電位最小値信号NRSLの差分を増幅し、各々奇数ドットプリチャージ電位NRS1および偶数ドットプリチャージ電位NRS2を出力する。226,228はスイッチング回路であり、スイッチング回路218,220と同様に、極性信号BIASO,BIASEに応じて相補的に接続状態(ストレートまたはクロス)を切り換えてプリチャージ電位最大値信号NRSHおよびプリチャージ電位最小値信号NRSLを差動アンプ230,232に供給する。これにより、プリチャージ電位NRS1,NRS2は、それぞれ極性が異なり絶対値の等しい電位になる。
【0016】
次に、図2において、素子基板上における表示領域101aには、図においてX(行)方向に延在して複数本の走査線112が形成されている。また、複数本のデータ線114が、Y(列)方向に沿って延在して形成されている。そして、画素110は、走査線112とデータ線114との各交差に対応して設けられて、マトリクス状に配列されている。ここで、説明の便宜上、本実施形態では、走査線112の総本数をm本とし、データ線114の総本数をn本として(m、nはそれぞれ2以上の整数)、m行×n列のマトリクス型表示装置として説明する。
【0017】
1.2.画素の構成
画素110の具体的な構成としては、例えば、図3(a)に示されるものが挙げられる。この構成では、トランジスタ(MOS型FET)116のゲート端が走査線112に、ソース端がデータ線114に、ドレイン端が画素電極118に、それぞれ接続されるとともに、画素電極118と対向電極108との間に電気光学材料たる液晶105が挟持されて液晶層が形成されている。ここで、対向電極108は、後述するように、実際には画素電極118と対向するように対向基板に一面に形成される透明電極である。また、画素電極118は蓄積容量119の一端に接続され、蓄積容量119の他端には所定電圧VSSX,VSSYが印加され、液晶層に蓄積される電荷のリークを防止している。なお、この実施形態では、蓄積容量119を画素電極118と所定電圧VSSX,VSSYとの間に形成したが、画素電極118と対向電極108間、画素電極118と接地電位GND間、あるいは画素電極118とゲート線間等に形成しても良い。
【0018】
ここで、図3(a)に示される構成では、トランジスタ116として一方のチャネル型のみが用いられているために、オフセット電圧が必要となるが、図3(b)に示されるように、Pチャネル型トランジスタとNチャネル型トランジスタとを相補的に組み合わせた構成とすれば、オフセット電圧の影響をキャンセルすることができる。ただし、この相補型構成では、走査信号として互いに排他的レベルを供給する必要が生じるため、1行の画素110に対して走査線112a,112bの2本の走査線が必要となる。
【0019】
1.3.二次ガンマ補正回路202の構成
次に、二次ガンマ補正回路202の詳細構成を図5を参照し説明するが、その前提としてトランジスタ(MOS型FET)を用いた照度測定の原理について説明しておく。トランジスタのゲート端とドレイン端(ソース端でもよい)を接続し、ソース−ドレイン間に0.3〜2[V]程度の電圧VDDを印加すると、ドレイン端にはほとんど電流が流れない。しかし、ここでトランジスタに光を照射すると、照度に応じたリーク電流がドレイン端に流れる。
【0020】
電流の大きさはトランジスタの生成プロセス等に応じて異なるが、ポリシリコンプロセスによって形成されたトランジスタの一例では、500[lx]で20[fA],500[klx]で20[pA],1[Mlx]で150[pA]程度のリーク電流が発生する。従って、ドレイン電流を測定することにより、照度を測定することが可能になる。但し、トランジスタ1個あたりのリーク電流はきわめて低いレベルであるため、数百〜数千個程度のトランジスタを並列接続してリーク電流を測定すると好適である。
【0021】
図5において302,……,302は画素ドライブ用トランジスタ116と同一プロセスにおいて素子基板内に形成された測定用トランジスタであり、数百〜数千個程度並列接続されている。従って、素子基板に光が照射されると、これら測定用トランジスタの並列回路にリーク電流Idlが流れる。304,306は抵抗器、308はオペアンプであり、これらによって増幅器が形成されている。すなわち、リーク電流Idlに対して、該増幅器より「−Idl・R2」の電圧が出力される。
【0022】
310はアナログ/デジタル(A/D)コンバータであり、この増幅結果に基づいて、リーク電流Idlの測定値をデジタル値として出力する。312はルックアップテーブルであり、リーク電流Idlが所定の基準値であると仮定した状態におけるビデオデータの階調補正特性が記憶されている。すなわち、液晶の透過率は印加電圧に応じて図7(a)に示すようにノンリニアに変化する(ノーマリーホワイトの場合)ため、同図(b)に示すように、ビデオデータの階調に応じて透過率がリニアに変化するように、ビデオデータの階調に対応して液晶層に印加すべき電圧指令値がルックアップテーブル312に記憶されているのである。但し、リーク電流の増加に応じて、同図(a)の特性は同図(c)のように変化する。すなわち、リーク電流が増加すると、同一の透過率を得るためにより高い電圧を印加する必要が生じる。図5において314はリーク補正回路であり、リーク電流Idlの測定値に基づいて上記電圧指令値を補正し、その結果を多相展開回路204に供給する。この補正は、具体的には液晶への印加電圧の増幅率を変化させるものであり、デジタル的な演算によって可能である。
また図5では、デジタル的な演算による例を挙げたが、オペアンプ308からの電圧値を用い、アナログ増幅することによっても補正できる。ただし、デジタル演算では非線型な演算が可能であり、液晶の非線型特性も加味したより細かい調整が可能であること、液晶材料が変更された場合にも演算データを簡単に変更可能である利点を有する。
【0023】
1.4.ドライバ等の構成
説明を再び図2に戻す。252,254はYドライバであり、m個(走査線112の本数)のラッチ回路から構成されている。Yドライバ252,254においては、フレームの最初に供給されるフレームスタートパルスDYがラインクロック信号CLYの立上がりおよび立下がりタイミングに同期して各ラッチ回路に順次転送され、ラッチされた結果が走査線112の各々に走査信号G1,G2,G3,…,Gmとして順次排他的に供給される。なお、Yドライバ252,254は全く同一の走査信号G1,G2,G3,…,Gmを走査線112の両端から供給するが、これは走査線112上のインピーダンスや寄生容量等の影響を最小限に抑制するためである。
【0024】
次に、250はXドライバであり、k個(データ線114の本数/6)のラッチ回路(図示せず)から構成されている。Xドライバ250においては、各ラインの最初に供給されるラインスタートパルスDXがクロック信号CLXの立上がりおよび立下がりタイミングに同期して各ラッチ回路に順次転送され、ラッチされた結果が信号P1,P2,P3,…,Pkとして出力される。図8に示すように、信号P1,P2,P3,…,Pkはクロック信号CLXの1/2周期づつオーバーラップしている。
【0025】
258−1〜kはアンド回路であり、上記信号Pi(但し、i=1,2,3, …,k)の添字iが奇数である場合は信号Piとラッチイネーブル信号ENB1との論理積をラッチ信号Qiとして出力する一方、添字iが偶数である場合は信号Piとラッチイネーブル信号ENB2との論理積をラッチ信号Qiとして出力する。この結果、ラッチ信号Qiは、順次排他的に出力される。
【0026】
256はサンプルホールド回路であり、データ線114毎に設けられたトランジスタによって構成されている。各トランジスタは、順次6個づつ組になっており、各組を成すトランジスタのゲート端には、ラッチ信号Q1,Q2,……,Qkが印加される。これにより、その時点におけるビデオデータVID1〜6が、対応する6本のデータ線114に印加される。260はプリチャージ回路であり、データ線114毎に設けられた複数のトランジスタから構成されている。これらトランジスタのゲート端に、プリチャージ信号NRGが印加されると、奇数ドットに対応するデータ線114には奇数ドットプリチャージ電位NRS1が、偶数ドットに対応するデータ線114には偶数ドットプリチャージ電位NRS2が同時に印加される。
【0027】
1.5.液晶装置の構成
次に、上述した電気光学装置の構造について、図4(a),(b)を参照して説明する。ここで、同図(a)は、電気光学装置100の構成を示す平面図であり、同図(b)は、同図(a)におけるA−A´断面図である。これらの図において101は素子基板であり、その上面に画素電極118などが形成されている。102は対向基板であり、その下面に対向電極108が形成されている。素子基板101および対向電極108は、互いにシール材104によって一定の間隙を保って貼り合わせられ、この間隙に電気光学材料としての液晶105が挟持されている。なお、実際には、シール材104には切欠部分があって、ここを介して液晶105が封入された後、封止材により封止されるが、これらの図においては省略されている。ここで、素子基板101および対向基板102はガラスや石英などの非晶質基板である。そして、画素電極118等は、素子基板101に半導体簿膜を堆積して成るTFTによって形成されている。すなわち、電気光学装置100は、透過型として用いられることになる。
【0028】
さて、素子基板101において、シール材104の内側かつ表示領域101aの外側領域には、各種回路が形成されている。すなわち、図上で表示領域101aの左右にはYドライバ252,254が形成され、上方にはプリチャージ回路260が、また下方にはXドライバ250が形成されている。さらに、表示領域101aの右上,左上,右下,左下方向の領域302aにおいては、多数の測定用トランジスタ302,……,302が形成されている。
【0029】
また、素子基板101において、Xドライバ250が形成される領域の外側であって、シール材104を隔てた領域107には、複数の接続端子が形成され、ここから外側からの制御信号や電源電圧などが入力される。一方、対向基板102の対向電極108は、基板貼合部分における4隅のうち少なくとも1箇所において設けられた導通材(図示省略)と、領域107に設けられた接続端子とを介して、対向電極電位LCCOMが対向電極108に印加される。
【0030】
ほかに、対向基板102には、電気光学装置100の用途に応じて、例えば、直視型であれば、第1に、ストライプ状や、モザイク状、トライアングル状等に配列したカラーフィルタが設けられ、第2に、例えば、金属材料や樹脂などからなる遮光膜(ブラックマトリクス)が設けられる。なお、色光変調の用途の場合には、例えば、後述するプロジェクタのライトバルブとして用いる場合には、カラーフィルタは形成されない。また、直視型の場合、電気光学装置100に光を素子基板101側から照射するバックライトが必要に応じて設けられる。
【0031】
さらに、素子基板101およげ対向基板102の電極形成面には、それぞれ所定の方向にラビング処理された配向膜(図示省略)など設けられて、電圧無印加状態における液晶分子の配向方向を規定する一方、対向基板102の側には、配向方向に応じた偏光子(図示省略)が設けられる。ただし、液晶105として、高分子中に微小粒として分散させた高分子分散型液晶を用いれば、前述の配向膜や偏光子などが不要となる結果、光利用効率が高まるので、高輝度化や低消費電力化などの点において有効である。
【0032】
1.6.トランジスタの素子構造
次に、素子基板101上における画素用のトランジスタ116の構造を図6(a)を参照し説明する。
図6(a)においてデータ線114は縦方向に延在して設けられ、走査線112はデータ線114から絶縁されつつ横方向に延在して設けられている。そして、両者の交差箇所において走査線112の上部にトランジスタ116が形成され、同時にトランジスタ116のゲート端が走査線112に接続されている。また、交差箇所近傍においてデータ線114にはコンタクト352が形成され、ここからトランジスタ116の上方に向かってリード線354が形成され、該リード線354の先端がトランジスタ116のソース端に接続されている。
【0033】
また、画素電極118においてもコンタクト356が形成され、ここからデータ線114に向かい途中で折れ曲がってトランジスタ116の上方に向かうリード線358が形成されている。そして、該リード線358の先端がトランジスタ116のドレイン端に接続されている。電気光学装置100が後述するプロジェクタのライトバルブとして用いられる場合には、素子基板101側から光が照射される。従って、データ線114はトランジスタ116に照射される光を減衰させ、リーク電流を低減させる遮光膜としての役割を兼ねている。
【0034】
次に、測定用トランジスタ302,……,302の構造を同図(b)を参照し説明する。図において360はソースライン、362はゲートライン、364はドレインラインであり、平行に延在して形成されている。ゲートライン362およびドレインライン364の端部には、各々コンタクト376,378が形成され、両ラインはリード線380を介して結合されている。ゲートライン362上には、ほぼ等間隔に測定用トランジスタ302,……,302が形成されている。
【0035】
これら測定用トランジスタ302,……,302の形成位置を挟むように、ソースライン360およびドレインライン364には、コンタクト366,……,366および372,……,372が形成されている。そして、コンタクト366,……,366および372,……,372から測定用トランジスタ302,……,302の上方に向かって、リード線368,……,368および374,……,374が形成されている。リード線368,……,368の先端は測定用トランジスタ302,……,302のソース端に接続され、リード線374,……,374の先端はこれらトランジスタのドレイン端に接続されている。
【0036】
そして、ソースライン360には、電圧VDDが印加され、図5に示した測定用トランジスタ302,……,302の並列回路が実現されている。また、各測定用トランジスタ302,……,302の下方には、ゲートライン362等と直交する方向に遮光ライン382,……,382が形成されている。これら遮光ライン382,……,382は、図6(a)におけるデータ線114に代えて照射光を減衰させるために設けられたものであり、測定用トランジスタ302のリーク電流と画素用トランジスタ116のリーク電流特性との間にほぼリニアな比例関係を付与することが可能になる。
【0037】
2.実施形態の動作
次に、上述した実施形態に係る電気光学装置の動作について説明する。図8は、この電気光学装置の動作を説明するためのタイミングチャートである。まず、フレームスタートパルスDYがYドライバ252,254に供給されると、クロック信号CLYにしたがった転送によって、走査信号G1,G2,G3,…,Gmが1フレーム内で順次排他的に出力される。
【0038】
さて、走査信号G1,G2,G3,…,Gmは、それぞれクロック信号CLYの半周期に相当するパルス幅を有し、また、上から数えて1本目の走査線112に対応する走査信号G1は、スタートパルスDYが供給された後、クロック信号CLYが最初に立ち上がってから、少なくともクロック信号CLYの半周期だけ遅延して出力される。そして、各走査信号G1,G2,G3,…,Gmが立ち上がると、プリチャージ信号NRGおよびラインスタートパルスDXが順次立ち上がる。
【0039】
まず、上から1本目の走査線112に走査信号G1が供給されると、表示領域101a内の1段目の画素110内のトランジスタ116は全てオン状態になるが、各データ線114は全てハイインピーダンス状態になっているため、蓄積容量119および画素電極118の電位は変化しない。ここでプリチャージ信号NRGが立ち上がると、プリチャージ回路260内のトランジスタが全てオン状態に設定される。これにより、奇数ドットに対応するデータ線114には奇数ドットプリチャージ電位NRS1が、偶数ドットに対応するデータ線114には偶数ドットプリチャージ電位NRS2が同時に印加される。従って、1段目の全ての画素110には、プリチャージ電位NRS1またはNRS2が書き込まれる。
【0040】
次に、ラインスタートパルスDXがXドライバ250に供給されると、クロック信号CLXに同期して該ラインスタートパルスDXがXドライバ250内でシフトされてゆく。そして、クロック信号CLXの1/2周期づつオーバーラップする信号P1,P2,P3,…,Pkが、該シフトされたラインスタートパルスDXに基づいて順次出力される。一方、LCDタイミング発生回路214から出力されるラッチイネーブル信号ENB1,ENB2は、多相ビデオデータVID1〜6が安定するタイミングにおいて交互にHレベルに立ち上がる。
【0041】
また、アンド回路258−1〜kにおいては、上記信号Pi(但し、i=1,2,3,…,k)の添字iが奇数である場合は信号Piとラッチイネーブル信号ENB1との論理積をラッチ信号Qiとして出力する一方、添字iが偶数である場合は信号Piとラッチイネーブル信号ENB2との論理積をラッチ信号Qiとして出力する。この結果、ラッチ信号Qiは、ビデオデータVID1〜6が安定する期間、順次排他的に出力される。
【0042】
ここで、走査信号G1が立ち上がり、さらに信号P1が立ち上がる期間の動作についてさらに詳細に説明しておく。信号P1が立ち上がった後暫くするとラッチイネーブル信号ENB1が立ち上がり、これと同期してラッチ信号Q1が立ち上がる。これにより、図2のサンプルホールド回路256内で最左端ないし左から6番目のトランジスタがオン状態になり、ビデオデータVID1〜6が左から1本目ないし6本目のデータ線114に印加される。
【0043】
その際、上から1本目の走査線112にはHレベルの電圧が印加されているから、該走査線112と左から1本目ないし6本目のデータ線114との交差に対応する6個のトランジスタ116を介して、蓄積容量119および画素電極118にビデオデータVID1〜6すなわち電圧が印加され、蓄積容量119および画素電極118が充電される。なお、1本目の走査線112と、左から7本目以降のデータ線114との交差に対応するトランジスタ116もオン状態になるが、これらデータ線114はハイインピーダンス状態になっているため、蓄積容量119および画素電極118の電位は変化しない。
【0044】
以後、同様にラッチ信号Q2,Q3,……,Qkが順次立ち上がってゆくと、データ線114に6本づつ排他的にビデオデータVID1〜6が供給され、上から1段目のトランジスタ116の6個づつにこれらビデオデータVID1〜6が書き込まれてゆく。そして、1段目の画素110に対する書き込みが全て終了すると、上から2本目の走査線112には走査信号G2が供給され(Hレベルの電圧が印加され)、2段目の画素110に対して、2段目のビデオデータVID1〜6が順次書き込まれてゆく。以降同様な動作が、m本目の走査線112に対応する走査信号Gmが出力されるまで繰り返され、表示領域101a全体に渡ってビデオデータが書き込まれる。さらに、フレームスタートパルスDYが再び供給されると、表示領域101a全体に渡ってビデオデータが書き込まれる。以下同様な動作が、フレームスタートパルスDYが供給される毎に繰り返される。
【0045】
なお、画素110に書き込まれたビデオデータ(画素電圧)は、次のフレームでプリチャージされるまで保持されると理想的であるが、実際には図8の最下段に示すように、リーク電流によって画素電圧の絶対値が低下してゆく。ここで、実線はリーク電流が少ない場合の画素電圧特性であり、一点鎖線はリーク電流が多い場合の画素電圧特性である。本実施形態においては、画素用トランジスタ116に生ずるリーク電流にほぼ比例するリーク電流が測定用トランジスタ302,……,302を介して検出され、リーク補正回路314によって階調のずれを補償するように信号レベルが補正されるから、リーク電流の増減が生じたとしても、高品質な画像を得ることが可能である。
【0046】
3.電子機器の具体例
3.1.<プロジェクタ>
次に、上述した電気光学装置を具体的な電子機器に用いた例のいくつかについて説明する。
まず、上記実施形態に係る電気光学装置をライトバルブとして用いた投射型表示装置であるプロジェクタ1430について説明する。
図12は、投射型表示装置の要部を示す概略構成図である。図中、1431は光源、1442,1444はダイクロイックミラー、1443,1448,1449は反射ミラー、1445は入射レンズ、1446はリレーレンズ、1447は出射レンズ、100R,100G,100Bは上記電気光学装置による液晶光変調装置、1451はクロスダイクロイックプリズム、1437は投射レンズを示す。光源1431はメタルハライド等のランプ1440とランプの光を反射するリフレクタ1441とからなる。青色光・緑色光反射のダイクロイックミラー1442は、光源1431からの光束のうちの赤色光を透過させるとともに、青色光と緑色光とを反射する。透過した赤色光は反射ミラー1443で反射されて、赤色光用液晶光変調装置100Rに入射される。一方、ダイクロイックミラー42で反射された色光のうち緑色光は緑色光反射のダイクロイックミラー1444によって反射され、緑色光用液晶光変調装置100Gに入射される。一方、青色光は第2のダイクロイックミラー1444も透過する。青色光に対しては、長い光路による光損失を防ぐため、入射レンズ1445、リレーレンズ1446、出射レンズ1447を含むリレーレンズ系からなる導光手段が設けられ、これを介して青色光が青色光用液晶光変調装置100Bに入射される。各光変調装置により変調された3つの色光はクロスダイクロイックプリズム1451に入射する。このプリズムは4つの直角プリズムが貼り合わされ、その内面に赤光を反射する誘電体多層膜と青光を反射する誘電体多層膜とが十字状に形成されている。これらの誘電体多層膜によって3つの色光が合成されて、カラー画像を表す光が形成される。合成された光は、投射光学系である投射レンズ1437によってスクリーン1452上に投射され、画像が拡大されて表示される。
【0047】
次に、図9(a)は、反射型の上記実施形態に係る電気光学装置をライトバルブとして用いたプロジェクタの構成を示す平面図である。この図に示されるように、プロジェクタ1100内部には、偏光照明装置1110がシステム光軸PLに沿って配置されている。この偏光照明装置1110において、ランプ1112からの出射光は、リフレクタ1114による反射で略平行な光束となって、第1のインテグレータレンズ1120に入射する。これにより、ランプ1112からの出射光は、複数の中間光束に分割される。この分割された中間光束は、第2のインテグレータレンズを光入射側に有する偏光変換素子1130によって、偏光方向がほぼ揃った一種類の偏光光束(s偏光光束)に変換されて、偏光照明装置1110から出射されることとなる。
【0048】
さて、偏光照明装置1110から出射されたs偏光光束は、偏光ビームスプリッタ1140のs偏光光束反射面1141によって反射される。この反射光束のうち、青色光(B)の光束がダイクロイックミラー1151の青色光反射層にて反射され、反射型の電気光学装置100Bによって変調される。また、ダイクロイックミラー1151の青色光反射層を透過した光束のうち、赤色光(R)の光束は、ダイクロイックミラー1152の赤色光反射層にて反射され、反射型の電気光学装置100Rによって変調される。一方、ダイクロイックミラー1151の青色光反射層を透過した光束のうち、緑色光(G)の光束は、ダイクロイックミラー1152の赤色光反射層を透過して、反射型の電気光学装置100Gによって変調される。
【0049】
このようにして、電気光学装置100R,100G,100Bによってそれぞれ色光変調された赤色、緑色、青色の光は、ダイクロイックミラー1152、1151、偏光ビームスプリッタ1140によって順次合成された後、投写光学系1160によって、スクリーン1170に投写されることとなる。なお、電気光学装置100R、100Bおよび100Gには、ダイクロイックミラー1151、1152によって、R、G、Bの各原色に対応する光束が入射するので、カラーフィルタは必要ない。
【0050】
3.2.<モバイル型コンピュータ>
次に、上記電気光学装置を、モバイル型のパーソナルコンピュータに適用した例について説明する。図9(b)は、このパーソナルコンピュータの構成を示す正面図である。図において、モバイル型コンピュータ1200は、キーボード1202を備えた本体部1204と、表示ユニット1206とから構成されている。この表示ユニット1206は、先に述べた電気光学装置100の後方にバックライトを付加することにより構成されている。
【0051】
3.3.<携帯電話器>
さらに、上記電気光学装置を、携帯電話器に適用した例について説明する。図9(c)は、この携帯電話器の構成を示す斜視図である。図において、携帯電話器1300は、複数の操作ボタン1302のほか、受話口1304、送話口1306とともに、電気光学装置100を備えるものである。この電気光学装置100にも、必要に応じてその後方にバックライトが設けられる。
【0052】
3.4.<その他>
電子機器としては、以上説明した他にも、液晶テレビや、ビューファインダ型、モニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルを備えた機器等などが挙げられる。そして、これらの各種電子機器に対して、上述した電気光学装置が適用可能なのは言うまでもない。
【0053】
4.変形例
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、例えば以下のように種々の変形が可能である。
(1)上記実施形態においては、測定用トランジスタ302,……,302の下方に遮光ライン382,……,382を設け、測定用トランジスタ302,……,302のリーク電流特性が画素用トランジスタ116の特性に略比例するようにした(図6(b)参照)。しかし、測定用トランジスタ302,……,302のリーク電流とトランジスタ116のリーク電流との関係が既知であるならば、同図(c)に示すように遮光ライン382,……,382を除去してもよい。かかる構成によれば、測定用トランジスタ302,……,302に光が直接照射されるため、より大きなリーク電流を得ることが可能になる。
【0054】
(2)また、測定用トランジスタ302,……,302を配置する領域302aも、図4に示す位置に限定されるものではない。例えば、図11に示すように、シール材104の内側であって、Yドライバ252,254、プリチャージ回路260およびXドライバ250の外側の領域に領域302aを設け、ここに測定用トランジスタ302,……,302を形成してもよい。
【0055】
(3)電気光学装置100の駆動回路は、図1,図2に示すものに限られず、種々の方式の駆動回路を用いることができる。その一例を図10に示す。図において二次ガンマ補正回路202は、上記実施形態のものと同様に構成されている。404は1相/2相展開回路であり、二次ガンマ補正回路202から出力されたビデオデータを2相のビデオデータに展開する。406はデータ反転・非反転選択回路であり、該2相のビデオデータのうち一方を反転し、他方を非反転状態に設定する。
【0056】
408,410はD/Aコンバータであり、406から出力された2相のビデオデータをそれぞれアナログ信号に変換する。変換されたビデオデータは、差動アンプ412,424を介してサンプルホールド回路416に供給される。サンプルホールド回路416はこれらビデオデータをラッチし、多相ビデオデータVID1〜6として出力する。この変形例においても、測定用トランジスタ302,……,302から出力されるリーク電流Idlに基づいて、リーク補正回路314によって信号レベルが補正される。この信号レベルの補正は、2次ガンマ補正202において行われる。これにより、上記実施形態と同様にリーク電流の増減が生じたとしても、高品質な画像を得ることが可能である。
【0057】
(4)また、上記実施形態においては、電気光学装置を構成する素子基板101をガラスや石英などの非晶質基板とし、ここに半導体簿膜を堆積してTFTを形成したが、本発明は、これに限られない。例えば、素子基板101を不透明な半導体基板によって構成し、画素電極118をアルミニウムなどの反射性金属から形成し、対向基板102をガラスなどから構成すると、電気光学装置100を反射型として用いることができる。
【0058】
(5)さらに、上記実施形態は本発明を液晶を用いた電気光学装置に適用した例を説明したが、他の電気光学装置、特に、画素に印加する電圧等に応じて階調表示を行う電気光学装置のすべてに適用可能である。このような電気光学装置としてはエレクトロルミネッセンス(EL)装置やプラズマディスプレイ(PDP)装置などが考えられる。特に有機ELの場合は、液晶のような交流駆動をする必要が無く、極性反転をしなくて良い。ELやPDPの場合、自発光素子であるため外部から強烈な光は入力されないが、自発光素子に近い位置にTFTが配置されているため、この光によってスイッチング素子(TFT)に光リークが発生する。この場合、先の実施例のようにパネルの周辺に光リーク検出素子を設けても良いが、より高精度な表示を実現するためには画素毎に光リーク検出素子を作り、制御することによって光リークによる画質劣化のない高画質な表示が可能である。
【0059】
(6)上記実施形態においては、走査信号G1,G2,G3,…,Gmを順次排他的に出力することによって走査線112を上から順に選択する例を挙げたが、走査線112の選択順序はこれに限定されるものではなく、例えば走査信号を「G1,G11,G21,…,G2,G12,G22,…,G3,G13,G23,…」の如く、複数ライン毎に飛ばしながら出力し、1フレーム内で全ラインの走査線112を選択するようにしてもよい。また、2系統のYドライバ252,254が必ずしも同一の走査信号を出力する必要はなく、例えばYドライバ252は奇数ライン、Yドライバ254は偶数ラインの走査信号を交互に出力するようにしてもよい。
【0060】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、素子基板101上に配設された電流源から第1のリーク電流に対応する第2のリーク電流が出力され、この第2のリーク電流に基づいて、補正回路が画素電圧を補正するから、スイッチング素子の第1のリーク電流に対して、階調特性を自動的に補正することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態の電気光学装置の電気的構成を示すブロック図(1/2)である。
【図2】 本発明の一実施形態の電気光学装置の電気的構成を示すブロック図(2/2)である。
【図3】 上記実施形態における画素の構成例を示す図である。
【図4】 上記実施形態における電気光学装置の構造図である。
【図5】 二次ガンマ補正回路202の詳細構成を示すブロック図である。
【図6】 画素用のトランジスタ116、測定用トランジスタ302,……,302およびその周辺部分の構造図である。
【図7】 二次ガンマ補正回路202の動作説明図である。
【図8】 上記実施形態の電気光学装置のタイミングチャートである。
【図9】 同電気光学装置を適用した各種電子機器の例を示す図である。
【図10】 上記実施形態の変形例における要部のブロック図である。
【図11】 上記実施形態の他の変形例における電気光学装置の構造図である。
【図12】 上記電気光学装置を適用したプロジェクタの概略構成図である。
【符号の説明】
100……電気光学装置
100R,100G,100B……液晶光変調装置
101……素子基板
101a……表示領域
102……対向基板
104……シール材
105……液晶
107……領域
108……対向電極
110……画素
112……走査線
114……データ線
116……画素用トランジスタ(スイッチング素子)
118……画素電極
119……蓄積容量
202……二次ガンマ補正回路
204……多相展開回路
206……データ反転・非反転選択回路
208……D/Aコンバータ
210−1〜6……ビデオアンプ
212……IC制御回路
214……LCDタイミング発生回路
216……D/Aコンバータ
218,220……スイッチング回路
222,224……差動アンプ
226,228……スイッチング回路
230,232……差動アンプ
250……Xドライバ
252,254……Yドライバ
256……サンプルホールド回路
258−1〜k……アンド回路
260……プリチャージ回路
302,……,302……測定用トランジスタ(電流源)
302a……領域
304,306……抵抗器
308……オペアンプ
310……A/Dコンバータ
312……ルックアップテーブル
314……リーク補正回路
352……コンタクト
354……リード線
356……コンタクト
358……リード線
360……ソースライン(第1のライン)
362……ゲートライン(第3のライン)
364……ドレインライン(第2のライン)
366,……,366……コンタクト
368,……,368……リード線
372,……,372……コンタクト
374,……,374……リード線
376,378……コンタクト
380……リード線
382,……,382……遮光ライン
406……データ反転・非反転選択回路
408,410……D/Aコンバータ
412,424……差動アンプ
416……サンプルホールド回路
1430……プロジェクタ
1431……光源
1437……投射レンズ

Claims (9)

  1. 素子基板上に配置され、画素電圧が印加される複数の画素電極と、
    選択期間に導通状態になることにより前記画素電圧を前記画素電極に印加し、非選択期間に非導通状態となることにより前記画素電圧を前記画素電極に保持するスイッチング素子と、
    前記スイッチング素子のダミー素子を含む電流源と、
    前記電流源に流れる電流に応じて前記画素電圧を補正する補正回路と、
    を有し、
    前記電流源は、所定の電圧が印加された端子と前記補正回路との間に並列接続された複数の前記ダミー素子を有する
    ことを特徴とする電気光学装置。
  2. 前記電流源は、
    前記素子基板上に配設された第1のラインと、
    該第1のラインに対して平行に配設された第2のラインと、
    該第1および第2のラインの間に介挿された第3のラインと、
    該第3のライン上に形成された複数のダミー素子と、
    前記第2のラインと前記第3のラインとを接続する第1のリード線と、
    前記第1のラインと前記複数のダミー素子の入力端とを接続する第2のリード線と、
    前記第2のラインと前記複数のダミー素子の出力端とを接続する第3のリード線と、
    を有し、
    前記第1のラインと前記所定の電圧が印加された端子とが接続されるとともに、前記第2のラインと前記補正回路とが接続される
    ことを特徴とする請求項1に記載の電気光学装置。
  3. 前記スイッチング素子を光照射から遮光する遮光膜を有することを特徴とする請求項1または2に記載の電気光学装置。
  4. 前記ダミー素子を光照射から遮光する遮光膜を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の電気光学装置。
  5. 前記スイッチング素子は、TFTからなることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の電気光学装置。
  6. 前記ダミー素子は前記スイッチング素子と同一工程で製造されることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の電気光学装置。
  7. 請求項1乃至6のいずれか1項に記載の電気光学装置を備えることを特徴とする電子機器。
  8. 光源と、前記光源からの光を変調する光変調装置と、前記光変調装置により変調された光を投射する投射レンズを有する投射型表示装置において、
    前記光変調装置は、
    素子基板上に配置され、画素電圧が印加される複数の画素電極と、
    選択期間に導通状態になることにより前記画素電圧を前記画素電極に印加し、非選択期間に非導通状態となることにより前記画素電圧を前記画素電極に保持するスイッチング素子と、
    前記スイッチング素子を光照射から遮光する遮光膜と、
    前記スイッチング素子のダミー素子を含む電流源と、
    前記電流源に流れる電流に応じて前記画素電圧を補正する補正回路と、
    を有し、
    前記電流源は、所定の電圧が印加された端子と前記補正回路との間に並列接続された複数の前記ダミー素子を有する
    ことを特徴とする投射型表示装置。
  9. 前記電流源は、
    前記素子基板上に配設された第1のラインと、
    該第1のラインに対して平行に配設された第2のラインと、
    該第1および第2のラインの間に介挿された第3のラインと、
    該第3のライン上に形成された複数のダミー素子と、
    前記第2のラインと前記第3のラインとを接続する第1のリード線と、
    前記第1のラインと前記複数のダミー素子の入力端とを接続する第2のリード線と、
    前記第2のラインと前記複数のダミー素子の出力端とを接続する第3のリード線と
    を有し、
    前記第1のラインと前記所定の電圧が印加された端子とが接続されるとともに、前記第2のラインと前記補正回路とが接続される
    ことを特徴とする請求項8に記載の投射型表示装置。
JP2001007911A 2001-01-16 2001-01-16 電気光学装置および電子機器並びに投射型表示装置 Expired - Fee Related JP3800962B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001007911A JP3800962B2 (ja) 2001-01-16 2001-01-16 電気光学装置および電子機器並びに投射型表示装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001007911A JP3800962B2 (ja) 2001-01-16 2001-01-16 電気光学装置および電子機器並びに投射型表示装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002215106A JP2002215106A (ja) 2002-07-31
JP3800962B2 true JP3800962B2 (ja) 2006-07-26

Family

ID=18875597

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001007911A Expired - Fee Related JP3800962B2 (ja) 2001-01-16 2001-01-16 電気光学装置および電子機器並びに投射型表示装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3800962B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4665328B2 (ja) * 2001-03-28 2011-04-06 セイコーエプソン株式会社 電気光学装置、電子機器および投射型表示装置
JP4569081B2 (ja) * 2003-07-08 2010-10-27 ソニー株式会社 表示装置および投射型表示装置
US20050206597A1 (en) * 2004-02-10 2005-09-22 Seiko Epson Corporation Electro-optical device, method for driving electro-optical device, driving circuit, and electronic apparatus
JP2009157306A (ja) * 2007-12-28 2009-07-16 Seiko Epson Corp 電気光学装置及び電子機器
CN108169935A (zh) * 2017-12-19 2018-06-15 武汉华星光电技术有限公司 拦截显示面板的漏电像素的方法及显示面板

Also Published As

Publication number Publication date
JP2002215106A (ja) 2002-07-31

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3832125B2 (ja) 電気光学装置及び電子機器
US8547304B2 (en) Electro-optical device, driving method of electro-optical device, and electronic apparatus
JP3876600B2 (ja) 電気光学装置の駆動方法、電気光学装置の駆動回路、電気光学装置および電子機器
KR100716480B1 (ko) 화상 보정량 검출 장치, 전기 광학 장치용 구동 회로, 전기광학 장치 및 전자기기
US7352348B2 (en) Driving circuit and driving method for electro-optical device
JP4196959B2 (ja) 電気光学装置及びその駆動回路並びに電子機器
TW564385B (en) Liquid crystal display device, picture signal correcting circuit and electronic equipment
WO2001024155A1 (fr) Technique de commande de dispositif electro-optique, circuit de commande, dispositif electro-optique et appareil electronique
JP3659103B2 (ja) 電気光学装置、電気光学装置の駆動回路および駆動方法、電子機器
TWI270048B (en) Drive circuit for electro-optical apparatus, method of driving electro-optical apparatus, electro-optical apparatus, and electronic equipment
JP3661523B2 (ja) 電気光学装置の駆動方法、駆動回路および電気光学装置ならびに電子機器
JP3800962B2 (ja) 電気光学装置および電子機器並びに投射型表示装置
JP4665328B2 (ja) 電気光学装置、電子機器および投射型表示装置
JP4466185B2 (ja) 電気光学装置及び電子機器
JP3893819B2 (ja) 電気光学装置の駆動回路、データ線駆動回路、走査線駆動回路、電気光学装置、および電子機器
US20040150600A1 (en) Liquid-crystal apparatus, driving method therefor, and electronic unit
JP3991633B2 (ja) 駆動回路、電気光学装置及び電子機器
JP4258501B2 (ja) 電気光学装置及び電子機器並びに電気光学装置の駆動方法
JP4386608B2 (ja) 電気光学装置及びその駆動方法並びに電子機器
JP2002258765A (ja) 電気光学装置および電子機器
JP4353203B2 (ja) 電気光学装置及び電子機器並びに電気光学装置の駆動方法
JP2004233807A (ja) 液晶装置及びその駆動方法並びに電子機器
JP3800952B2 (ja) 電気光学装置の駆動方法、電気光学装置の駆動回路、電気光学装置および電子機器
JP2010026201A (ja) 電気光学装置の駆動装置及び方法、並びに電気光学装置及び電子機器
JP2005215037A (ja) 電気光学装置および電子機器

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040322

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20051212

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060124

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060323

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20060411

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20060424

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100512

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110512

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120512

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130512

Year of fee payment: 7

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees