JP3800952B2 - 電気光学装置の駆動方法、電気光学装置の駆動回路、電気光学装置および電子機器 - Google Patents

電気光学装置の駆動方法、電気光学装置の駆動回路、電気光学装置および電子機器 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気光学装置の駆動に用いて好適な電気光学装置の駆動方法、電気光学装置の駆動回路、電気光学装置および電子機器に関する。
【0002】
【従来の技術】
電気光学装置、例えば、電気光学材料として液晶を用いた液晶表示装置は、陰極線管(CRT)に代わるディスプレイデバイスとして、各種情報処理機器の表示部や液晶テレビなどに広く用いられている。ここで、従来の電気光学装置は、例えば、次のように構成されている。すなわち、従来の電気光学装置は、マトリクス状に配列した画素電極と、この画素電極に接続されたTFT(Thin Film Transistor:薄膜トランジスタ)のようなスイッチング素子などが設けられた素子基板と、画素電極に対向する対向電極が形成された対向基板と、これら両基板との問に充填された電気光学材料たる液晶とから構成される。
【0003】
そして、このような構成において、走査線を介してスイッチング素子に走査信号を印加すると、当該スイッチング素子が導通状態となる。この導通状態の際に、データ線を介して画素電極に、階調に応じた電圧の画像信号を印加すると、当該画素電極および対向電極の間の液晶層に画像信号の電圧に応じた電荷が蓄積される。電荷蓄積後、当該スイッチング素子をオフ状態としても、当該液晶層における電荷の蓄積は、液晶層自身の容量性や蓄積容量などによって維持される。このように、各スイッチング素子を駆動させ、蓄積させる電荷量を階調に応じて制御すると、画素毎に液晶の配向状態が変化するので、画素毎に濃度が変化することになる。このため、階調表示することが可能となるのである。
【0004】
この際、各画素の液晶層に電荷を蓄積させるのは一部の期間で良いため、第1に、走査線駆動回路によって、各走査線を順次選択するとともに、第2に、走査線の選択期間において、データ線駆動回路によって、データ線を順次選択し、第3に、選択されたデータ線に、階調に応じた電圧の画像信号をサンプリングする構成により、走査線およびデータ線を複数の画素について共通化した時分割マルチプレックス駆動が可能となる。
【0005】
しかしながら、データ線に印加される画像信号は、階調に対応する電圧、すなわちアナログ信号である。このため、電気光学装置の周辺回路には、D/A変換回路やオペアンプなとが必要となるので、装置全体のコスト高を招致してしまう。くわえて、これらのD/A変換回路、オペアンプなとの特性や、各種の配線抵抗などの不均一性に起因して、表示ムラが発生するので、高品質な表示が極めて困難である、という問題があり、特に、高精細な表示を行う場合に顕著となる。さらに、液晶等の電気光学物質において、印加電圧と透過率との関係は、電気光学物質の種類に応じて相違する。このため、電気光学装置を駆動する駆動回路としては、各種の電気光学装置に対応できる汎用のものが望まれる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述した事情により、本出願人は、1フレームを複数のサブフィールドに分割し、サブフィールド毎に各画素をオン/オフする技術を提案している(平成11年9月27日付特許願,整理番号J0075192,未公開)。この技術によれば、各サブフィールド内で画素がオン/オフされる際の印加電圧は階調に拘らず一定であり、1フレーム内で画素がオン状態になるデューティ比(または電圧実効値)によって画素の階調が決定される。
【0007】
ここで、デューティ比を0〜100%の間で変化させながら電気光学装置の階調を観察すると、デューティ比0%付近、または100%付近において、デューティ比が変化しているにもかかわらず階調が変化しない領域が存在する。この領域が発生する態様は、液晶の組成に応じて異なるが、デューティ比0%付近のみ発生する場合、100%付近のみ発生する場合、および双方において発生する場合がある。そこで、これら階調が変化しない領域に対応して、指定された階調に拘らず画素が常にオンまたはオフに設定される期間が生ずることになる。このように画素が常にオンになる期間をV_on期間と呼び、常にオフになる期間をV_off期間と呼ぶ。
【0008】
上記特許願の技術においては、各サブフィールド毎の各画素のオン/オフ状態を“1”または“0”の二値データとしてフィールドメモリに記憶し、そのデータに基づいて各画素のオン/オフ状態を制御していた。これはV_on期間およびV_off期間についても同様であり、V_on,V_off期間の各画素のオン/オフ状態も上記フィールドメモリに記憶されていた。
【0009】
しかし、上述したようにV_on期間においては画素は必ずオン状態になるから、フィールドメモリ内の対応するデータは必ず“1”または“0”の一方になり、同様にV_off期間に対応するデータ必ず“1”または“0”の他方になっていた。このように既知のデータをフィールドメモリに記憶して読み出すことはフィールドメモリの記憶容量の無駄であり、さらにメモリアクセス等のために無駄な電力が消費されることになる。
この発明は上述した事情に鑑みてなされたものであり、所要記憶容量を削減し、消費電力を削減できる電気光学装置の駆動方法、電気光学装置の駆動回路、電気光学装置および電子機器を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明にあっては、下記の構成を具備することを特徴とする。
マトリクス状に配設された複数の画素を、1フレーム内の複数のサブフィールド毎にオンまたはオフ状態として、前記1フレーム内における前記各画素の前記オン状態の電圧実効値によって、前記各画素を階調表示させる電気光学装置の駆動方法であって、各前記サブフィールドに対応して設けられたメモリの各々に対して、前記各画素の階調に応じて、各前記サブフィールドの前記各画素のオンまたはオフ状態を示すデータを記憶する過程と、前記1フレーム内の一部であり、前記複数のサブフィールドを含む第1の期間において、前記メモリに記憶されたデータに応じて前記複数のサブフィールド毎に前記各画素のオンまたはオフ状態を設定する過程と、前記1フレーム内の他の期間である第2の期間において、前記メモリに記憶されたデータにかかわらず、所定のタイミング信号に基づいて前記複数の画素をオンまたはオフ状態に設定する過程と、を有し、前記第2の期間において、前記複数の画素をオンまたはオフ状態に設定する期間の長さは、前記各画素に印加する電圧実効値を変化させたときに、前記各画素の階調の変化が現れ始める電圧実効値に応じて定められること を特徴とする。
また、前記第2の期間は、前記画素のオンの指示のみをする信号を供給することを特徴とする。
また、前記第2の期間は、前記画素のオンの指示をする信号を供給する期間と前記画素のオフの指示をする信号を供給する期間の両方を有することを特徴とする。
複数の走査線と複数のデータ線との各交差に対応して配設された画素電極と、前記画素電極毎に設けられ、当該走査線に走査信号が供給されると、当該データ線と当該画素電極との間を導通させるスイッチング素子とからなる画素を1フレーム内の複数のサブフィールド毎にオンまたはオフ状態として、前記1フレーム内における前記各画素の前記オン状態の電圧実効値によって、階調表示させる電気光学装置の駆動回路であって、各前記サブフィールドに対応して設けられ、前記各画素の階調に応じて、対応する各前記サブフィールドの前記各画素のオンまたはオフ状態を示すデータを記憶するメモリと、1フレームの一部であり、前記複数のサブフィールドを含む第1の期間において、前記メモリに記憶されたデータに応じて前記複数のサブフィールド毎に前記各画素のオンまたはオフ状態を設定するメモリ対応制御回路と、前記1フレーム内の他の期間である第2の期間において、前記メモリに記憶されたデータにかかわらず、所定のタイミング信号に基づいて全画素をオンまたはオフ状態に設定するメモリ非対応制御回路とを有し、前記第2の期間において、前記複数の画素をオンまたはオフ状態に設定する期間の長さは、前記各画素に印加する電圧実効値を変化させたときに、前記各画素の階調の変化が現れ始める電圧実効値に応じて定められることを特徴とする。
また、前記第2の期間は、前記画素のオン状態の指示のみをする信号を供給することを特徴とする。
また、前記第2の期間は、前記画素のオン状態の指示をする信号を供給する期間と前記画素のオフ状態の指示をする信号を供給する期間の両方を有することを特徴とする。
マトリクス状に配設された複数の画素を1フレーム内の複数のサブフィールド毎にオンまたはオフ状態として、前記1フレーム内における前記各画素の前記オン状態の電圧実効値によって、前記各画素を階調表示させる電気光学装置であって、複数の走査線と複数のデータ線との各交差に対応して配設された画素電極と、前記画素電極毎に設けられ、当該走査線を介して供給される走査信号によって、当該データ線と当該画素電極との導通を制御するスイッチング素子とを備えた素子基板と、前記画素電極に対して対向配置された対向電極を備える対向基板と、前記素子基板と前記対向基板との問に挟持された電気光学材料と、前記サブフィールド毎に前記走査信号を前記走査線の各々に順次供給する走査線駆動回路と、各前記サブフィールドに対応して設けられ、前記各画素の階調に応じて、各前記サブフィールドの前記各画素のオンまたはオフ状態を示すデータを記憶するメモリと、前記1フレームの一部であり、前記複数のサブフィールドを含む第1の期間において、前記メモリに記憶されたデータに応じて前記複数のサブフィールド毎に前記各画素のオンまたはオフ状態を設定するメモリ対応制御回路と、前記1フレーム内の他の期間である第2の期間において、前記メモリに記憶されたデータにかかわらず、所定のタイミング信号に基づいて全画素をオンまたはオフ状態に設定するメモリ非対応制御回路とを有し、前記第2の期間において、前記複数の画素をオンまたはオフ状態に設定する期間の長さは、前記各画素に印加する電圧実効値を変化させたときに、前記各画素の階調の変化が現れ始める電圧実効値に応じて定められることを特徴とする。
また、前記第2の期間は、前記画素のオン状態の指示のみをする信号を供給することを特徴とする。
また、前記第2の期間は、前記画素のオン状態の指示をする信号を供給する期間と前記画素のオフ状態の指示をする信号を供給する期間の両方を有することを特徴とする。
また、上記の電気光学装置を備えることを特徴とする電子機器である。
【0011】
【発明の実施の形態】
1.実施形態の構成
次に、本発明の一実施形態の電気光学装置の構成を図1を参照し説明する。
図において、タイミング信号生成回路200は、図示せぬ上位装置から供給される垂直走査信号Vs、水平走査信号Hsおよびドットクロック信号DCLKにしたがって、次に説明する各種のタイミング信号やクロック信号などを生成するものである。まず、交流化信号FRは、1フレーム毎にレベル反転する信号である。駆動信号LCOMは、対向基板の対向電極に印加される信号であり、本実施形態においては一定電圧(零電圧)になる。スタートパルスDYは、各サブフィールド、V_on期間およびV_off期間において最初に出力されるパルス信号である。クロック信号CLYは、走査側(Y側)の水平走査期間を規定する信号である。ラッチパルスLPは、水平走査期間の最初に出力されるパルス信号であって、クロック信号CLYのレベル遷移(すなわち、立ち上がりおよび立ち下がり)時に出力されるものである。クロック信号CLXは、いわゆるドットクロックを規定する信号である。
【0012】
−方、素子基板101上における表示領域101aには、図においてX(行)方向に廷在して複数本の走査線112が形成されている。また、複数本のデータ線114が、Y(列)方向に沿って廷在して形成されている。そして、画素110は、走査線112とデータ線114との各交差に対応して設けられて、マトリクス状に配列している。ここで、説明の便宜上、本実施形態では、走査線112の総本数をm本とし、データ線114の総本数をn本として(m、nはそれぞれ2以上の整数)、m行×n列のマトリクス型表示装置として説明するが、本発明をこれに限定する趣旨ではない。
【0013】
1.1.<画素の構成>
画素110の具体的な構成としては、例えば、図2(a)に示されるものが挙げられる。この構成では、トランジスタ(MOS型FET)116のゲートが走査線112に、ソースがデータ線114に、ドレインが画素電極118に、それぞれ接続されている。また、画素電極118と対向電極108との間に電気光学材料たる液晶105が挟持されて液晶層が形成されている。ここで、対向電極108は、後述するように、実際には画素電極118と対向するように対向基板に一面に形成される透明電極である。また、画素電極118と対向電極108との間においては蓄積容量119が形成されて、液晶層に蓄積される電荷のリークを防止している。なお、この実施形態では、蓄積容量119を画素電極118と対向電極108の間に形成したが、画素電極118と接地電位GND間や画素電極118とゲート線間等に形成しても良い。
【0014】
ここで、図2(a)に示される構成では、トランジスタ116として一方のチャネル型のみが用いられているために、オフセット電圧が必要となるが、図2(b)に示されるように、Pチャネル型トランジスタとNチヤネル型トランジスタとを相補的に組み合わせた構成とすれば、オフセット電圧の影響をキャンセルすることができる。ただし、この相補型構成では、走査信号として互いに排他的レベルを供給する必要が生じるため、1行の画素110に対して走査線112a,112bの2本が必要となる。
【0015】
1.2.<スタートパルス発生回路>
上述したように本実施形態においては、サブフィールド、V_on期間およびV_off期間(以下、本明細書において「サブフィールド等」と呼ぶ)の切り替わりはスタートパルスDYによって制御される。このスタートパルスDYはタイミング信号生成回路200の内部で生成されるが、電気光学装置に対して要求される階調数(ここでは8階調)に応じて、図3に示すようにスタートパルスDYの立上りタイミングが設定される。まず、1フレームの最初にスタートパルスDYが立ち上がり、V_on期間が開始される。
【0016】
次に、1フレーム内でスタートパルスDYが8回立ち上がり、各立上りタイミングから次の立上りタイミングまでの期間(最後のV_off期間については次のフレームまでの期間)が各々V_on期間、サブフィールドSf1〜Sf7、およびV_off期間になる。各サブフィールドSf1〜Sf7の長さは、「1フィールド長−V_on期間−V_off期間」のほぼ「1/7」に設定されるが、電気光学装置の非直線特性に応じて若干づつ増減される。
【0017】
次に、上述したスタートパルスDYを発生するスタートパルス発生回路210のブロック図を図5に示す。図5に示すように、スタートパルス発生回路210は、カウンタ211、コンパレータ212、マルチプレクサ213、リングカウンタ214、Dフリップフロップ215、オア回路216、およびデコーダ218,219から構成されている。カウンタ211はラインクロック信号LCLKをカウントするが、オア回路216の出力信号によってカウント値がリセットされるようになっている。また、オア回路216の一方の入力端には、フレームの開始において、ラインクロック信号LCLKの1周期の期間だけHレベルとなるリセット信号RSETが供給されるようになっている。したがって、カウンタ211は、少なくともフレームの開始時点において、カウント値がリセットされるようになっている。
【0018】
コンパレータ212は、カウンタ211のカウント値とマルチプレクサ213の出力データ値を比較し、両者が一致する時、Hレベルとなる一致信号を出力する。マルチプレクサ213は、スタートパルスDYの数をカウントするリングカウンタ214のカウント結果に基づいて、データD_on,DS1,DS2,…,DS7,D_offを選択出力する。ここで、データD_on,DS1,DS2,…,DS7,D_offは、図3に示す各サブフィールド等V_on, Sf1, Sf2, …,Sf7, V_offに各々対応するものである。ここで、データD_onすなわちV_on期間の長さは、液晶のしきい値電圧Vth(電圧実効値の変化に対して階調の変化が現れ始める電圧実効値)に応じて定められたものであり、可変することが可能である。
【0019】
例えば、電気光学装置の製品機種毎に予め設定してもよいし、あるいは、各製品のバラツキを補償するために、出荷時に調整するようにしてもよい。ここで、データD_on,D_offの合計は一定であり、データD_onの値が増加、減少される場合には、これに応じてデータD_offの値が変更される。このようにすると、データDS1,DS2,…,DS7を変更することなく、データD_on,D_offのみを変更してV_on期間の長さを変更することができる。このようにV_on期間を電気光学装置の温度特性に合わせて可変にすると、環境温度が変化に追随して液晶に印加する電圧の実効値を可変することができるので、温度が変化しても、表示される階調やコントラスト比を一定に保つことができる。
【0020】
また、コンパレータ212は、カウンタのカウント値が、サブフィールドの区切りに達すると一致信号を出力することになる。この一致信号は、オア回路216を介してカウンタ211のリセット端子にフイードバックされるから、カウンタ211はサブフィールドの区切りから再びカウントを開始することになる。また、Dフリップフロップ215は、オア回路216の出力信号を、ラインクロック信号LCLKによってラッチして、スタートパルスDYを生成する。デコーダ218は、リングカウンタ214のカウント結果に基づいて、V_on期間内においてHレベルになる信号S_onを出力する。同様に、デコーダ219は、リングカウンタ214のカウント結果に基づいて、V_off期間内においてHレベルになる信号S_offを出力する。
【0021】
1.3.<走査線駆動向路>
説明を再び図1に戻す。走査線駆動回路130は、いわゆるYシフトレジスタと呼ばれるものであり、サブフィールドの最初に供給されるスタートパルスDYをクロック信号CLYにしたがって転送し、走査線112の各々に走査信号G1,G2, G3, … ,Gmとして順次排他的に供給するものである。
【0022】
1.4.<データ線駆動回路>
また、データ線駆動回路140は、ある水平走査期間において2値信号Dsをデータ線114の本数に相当するn個順次ラッチした後、ラッチしたn個の2値信号Dsを、次の水平走査期間において、それぞれ対応するデータ線114にデータ信号d1’, d2’, d3’, …dn’として一斉に供給するものである。ここで、データ線駆動回路140の具体的な構成は、図6に示される通りである。すなわち、データ線駆動回路140は、Xシフトレジスタ1410と、第1のラッチ回路1420と、第2のラッチ回路1430と、電位選択回路1440とから構成されている。
【0023】
このうちXシフトレジスタ1410は、水平走査期間の最初に供給されるラッチパルスLPをクロック信号CLXにしたがって転送し、ラッチ信号S1, S2, S3, …Snとして順次俳他的に供給するものである。次に、第1のラッチ回路1420は、2値信号Dsをラッチ信号S1, S2, S3, …Snの立ち下がりにおいて順次ラッチするものである。そして、第2のラッチ回路1430は、第1のラッチ回路1420によりラッチされた2値信号Dsの各々をラッチパルスLPの立ち下がりにおいて一斉にラッチするとともに、その結果をデータ信号d1,d2,d3,…,dnとして出力する。電位選択回路1440は、交流化信号FR,信号S_on,S_offおよび図7(b)の真理値表に基づいて、データ信号d1, d2, d3, …dnをデータ信号d1’, d2’, d3’, …dn’に変換し、データ線114に印加するものである。
【0024】
1.5.<データ変換回路>
次に、データ変換回路300について説明する。サブフィールドSf1〜Sf7毎に階調に応じてHレベルまたはLレベルを書き込むためには、画素に対応する階調データを何らかの形で変換する必要がある。図1におけるデータ変換回路300はこのために設けられたものであり、その詳細構成を図4を参照し説明する。
【0025】
サブフィールドデータ生成回路302に入力された階調データPD0〜PD2は、図7(a)の真理値表に基づいて変換され、書込み制御回路301からの書込み制御信号によってフィールドメモリ304内の各フィールドの各画素に対応するメモリに“1”または“0”の論理値として書き込まれる。読出し制御回路303は、クロック信号CLXに同期して各サブフィールドの各画素の出力レベルを読出し制御信号によって順次読み出し、2値信号Dsとして出力する。どのフィールドを読み出すべきかの判断は、スタートパルスDYを計数し交流化信号FRの変化点を検出するエッジ検出回路305からの出力によってリセットされるカウンタ306のカウント値によって判別する。
【0026】
このように、階調データPD0〜PD2に基づいて、フィールドメモリ304の内容は逐次更新され、フィールドメモリ304の内容に基づいて2値信号Dsが生成され続けることになる。
【0027】
なお、この2値信号Dsについては、走査線駆動回路130およびデータ線駆動回路140における動作に同期して出力する必要があるので、読出し制御回路303には、水平走査期間を規定するラッチパルスLPと、ドットクロック信号CLXとが供給されている。また、上述したように、データ線駆動回路140では、ある水平走査期間において、第1のラッチ回路1420が点順次的に2値信号をラッチした後、次の水平走査期間において、第2のラッチ回路1430が、データ信号d1’, d2’, d3’, …dn’として、電位選択回路1440を介して一斉に各データ線114に供給する構成となっているので、読出し制御回路303は、走査線駆動回路130およびデータ線駆動回路140における動作と比較して、1水平走査期間だけ先行するタイミングで2値信号Dsを読み出すように構成されている。
【0028】
1.6.<液晶装置の構成>
上述した電気光学装置の構造について、図10(a),(b)を参照して説明する。ここで、同図(a)は、電気光学装置100の構成を示す平面図であり、同図(b)は、同図(a)におけるA−A´線の断面図である。これらの図に示されるように、電気光学装置100は、画素電極118などが形成された素子基板101と、対向電極108などが形成された対向基板102とが、互いにシール材104によって一定の間隙を保って貼り合わせられるとともに、この間隙に電気光学材料としての液晶105が挟持された構造となっている。なお、実際には、シール材104には切欠部分があって、ここを介して液晶105が封入された後、封止材により封止されるが、これらの図においては省略されている。
【0029】
ここで、素子基板101および対向基板102はガラスや石英などの非晶質基板である。そして、画素電極118等は、素子基板101に半導体簿膜を堆積して成るTFTによって形成されている。すなわち、電気光学装置100は、透過型として用いられることになる。
【0030】
さて、素子基板101において、シール材104の内側かつ表示領域101aの外側領域には、遮光膜106が設けられている。この遮光膜106が形成される領域内のうち、領域130aには走査線駆動回路130が形成され、また領域140aにはデータ線駆動回路140が形成されている。すなわち、遮光膜106は、この領域に形成される駆動回路に光が入射するのを防止している。この遮光膜106には、対向電極108とともに、駆動信号LCOMが印加される構成となっている。このため、遮光膜106が形成された領域では、液晶層への印加電圧がほほゼロとなるので、画素電極118の電圧無印加状態と同じ表示状態となる。
【0031】
また、素子基板101において、データ線駆動回路140が形成される領域140a外側であって、シール材104を隔てた領域107には、複数の接続端子が形成されて、外側からの制御信号や電源などを入力する構成となっている。一方、対向基板102の対向電極108は、基板貼合部分における4隅のうち、少なくとも1箇所において設けられた導通材(図示省略)によって、素子基板101における遮光膜106および接続端子と電気的な導通が図られている。すなわち、駆動信号LCOMは、素子基板101に設けられた接続端子を介して、遮光膜106に、さらに、導通材を介して対向電極108に、それぞれ印加される構成となっている。
【0032】
ほかに、対向基板102には、電気光学装置100の用途に応じて、例えば、直視型であれば、第1に、ストライプ状や、モザイク状、トライアングル状等に配列したカラーフィルタが設けられ、第2に、例えば、金属材料や樹脂などからなる遮光膜(ブラックマトリクス)が設けられる。なお、色光変調の用途の場合には、例えば、後述するプロジェクタのライトバルブとして用いる場合には、カラーフィルタは形成されない。また、直視型の場合、電気光学装置100に光を対向基板102側から照射するフロントライト、または素子基板101側から照射するバックライトが必要に応じて設けられる。くわえて、素子基板101および対向基板102の電極形成面には、それぞれ所定の方向にラビング処理された配向膜(図示省略)など設けられて、電圧無印加状態における液晶分子の配向方向を規定する一方、対向基板102の側には、配向方向に応じた偏光子(図示省略)が設けられる。ただし、液晶105として、高分子中に微小粒として分散させた高分子分散型液晶を用いれば、前述の配向膜や偏光子などが不要となる結果、光利用効率が高まるので、高輝度化や低消費電力化などの点において有効である。
【0033】
2.実施形態の動作
次に、上述した実施形態に係る電気光学装置の動作について説明する。図8は、この電気光学装置の動作を説明するためのタイミングチャートである。まず、交流化信号FRは、1フレーム(1f)ごとにレベル反転する信号である。一方、スタートパルスDYは、各サブフィールドの開始時に供給される。
【0034】
ここで、交流化信号FRがLレベルとなる1フレーム(1f)において、スタートパルスDYが供給されると、走査線駆動回路130(図1参照)におけるクロック信号CLYにしたがった転送によって、走査信号G1, G2, G3, … ,Gmが期間(t)に順次排他的に出力される。なお、期間(t)は、最も短いサブフィールドよりもさらに短い期間に設定されている。
【0035】
さて走査信号G1, G2, G3, … ,Gmは、それぞれクロック信号CLYの半周期に相当するパルス幅を有し、また、上から数えて1本目の走査線112に対応する走査信号G1は、スタートパルスDYが供給された後、クロック信号CLYが最初に立ち上がってから、少なくともクロック信号CLYの半周期だけ遅延して出力される構成となっている。したがって、スタートパルスDYが供給されてから、走査信号G1が出力されるまでに、ラッチパルスLPの1ショット(G0)がデータ線駆動回路140に供給されることになる。
【0036】
そこで、このラッチパルスLPの1ショット(G0)が供給された場合について検討してみる。まず、このラッチパルスLPの1ショット(G0)がデータ線駆動回路140に供給されると、データ線駆動回路140(図6参照)におけるクロック信号CLXにしたがった転送によって、ラッチ信号S1, S2, S3, …,Snが水平走査期間(1H)に順次排他的に出力される。なお、ラッチ信号S1,S2, S3, …, Snは、それぞれクロック信号CLXの半周期に相当するパルス幅を有している。
【0037】
この際、図6における第1のラッチ回路1420は、ラッチ信号S1の立ち下がりにおいて、上から数えて1本目の走査線112と、左から数えて1本目のデータ線114との交差に対応する画素110への2値信号Dsをラッチし、次に、ラッチ信号S2の立ち下がりにおいて、上から数えて1本目の走査線112と、左から数えて2本目のデータ線114との交差に対応する画素110への2値信号Dsをラッチし、以下、同様に、上から数えて1本目の走査線112と、左から数えてn本目のデータ線114との交差に対応する画素110への2値信号Dsをラッチする。
【0038】
これにより、まず、図1において上から1本目の走査線112との交差に対応する画素1行分の2値信号Dsが、第1のラッチ回路1420により点順次的にラッチされることになる。なお、データ変換回路300は、第1のラッチ回路1420のラッチのタイミングに合わせて、サブフィールド毎に記憶されたオン/オフの各画素のデータを2値信号Dsとして出力する。
【0039】
次に、クロック信号CLYが立ち下がって、走査信号G1が出力されると、図1において上から数えて1本目の走査線112が選択される結果、当該走査線112との交差に対応する画素110のトランジスタ116がすべてオンとなる。一方、当該クロック信号CLYの立ち下がりによってラッチパルスLPが出力される。そして、このラッチパルスLPの立ち下がりタイミングにおいて、第2のラッチ回路1430は、第1のラッチ回路1420によって点順次的にラッチされた2値信号Dsを、電位選択回路1440を介して、対応するデータ線114の各々にデータ信号d1’, d2’, d3’, …dn’として一斉に供給する。このため、上から数えて1行目の画素110においては、データ信号d1’, d2’, d3’, …dn’の書込が同時に行われることとなる。
【0040】
この書込みと並行して、図1において上から2本目の走査線112との交差に対応する画素1行分の2値信号Dsが、第1のラッチ回路1420により点順次的にラッチされる。そして、以降同様な動作が、m本目の走査線112に対応する走査信号Gmが出力されるまで繰り返される。すなわち、ある走査信号Gi(iは、1≦i≦mを満たす整数)が出力される1水平走査期間(1H)においては、i本目の走査繰112に対応する画素110の1行分に対するデータ信号d1’, d2’, d3’, …dn’の書込と、(i+1)本目の走査線112に対応する画素110の1行分に対する2値信号Dsの点順次的なラッチとが並行して行われることになる。なお、画素110に書き込まれたデータ信号は、次のサブフィールドSf2における書込まで保持される。
【0041】
以下同様な動作が、サブフィールドの開始を規定するスタートパルスDYが供給される毎に繰り返される。そして、データ変換回路300(図1参照)は、階調データPD0〜PD2から2値信号Dsへの変換については、サブフィールドSf1〜Sf7のうち、対応するサブフィールドの項目が参照される。但し、V_on期間およびV_off期間においては、2値信号Dsのレベルにかかわらず、図7(b)の電位選択回路1440の真理値表に基づいて、信号S_on,S_offに応じたレベルにデータ信号d1’, d2’, d3’, …dn’のレベルが設定される。
【0042】
次に、このような動作が行われることによって、画素110における液晶層への印加電圧について検討する。図9は、階調データと、画素110における画素電極118への印加波形を示すタイミングチャートである。例えば、交流化信号FRがLレベルである場合に、ある画素の階調データPD0〜PD2が「000」であるとき、図7(a),(b)に示される変換内容に従う結果、当該画素の画素電極118には、図9に示されるように、V_on期間にはHレベル(電圧V1)、各サブフィールドにはLレベル(零電圧)が書き込まれる。ここで、上述したようにサブフィールドSf0にHレベルを書き込んだ場合、当該液晶層に印加される電圧の最大値はV1、実効値はVaとなる。したがって、当該画素の透過率は、階調データ「000」に対応して0%となる
【0043】
また、ある画素の階調データPD0〜PD2が「010」であるとき、図7(a),(b)に示される変換内容に従う結果、当該画素の画素電極118には、図9に示されるように、サブフィールドSf1,Sf2においてはHレベルが、それ以外のサブフィールドSf3〜Sf7においてはLレベルが、それぞれ書き込まれる。このように、階調データPD0〜PD2が高くなるほど、1フレーム(1f)内においてHレベルになる時間割合が増加するため、これに伴って当該画素の透過率が高くなる。そして、ある画素の階調データPD0〜PD2が「111」であるとき、図7(a),(b)に示される変換内容に従う結果、当該画素の画素電極118には、図9に示されるように、V_off期間を除いて1フレーム(1f)にわたってHレベルが書き込まれる。したがって、当該画素の透過率は、階調データ「111」に対応して100%となる。
【0044】
−方、交流化信号FRがHレベルである場合においても、電位選択回路1440の前段までの動作は交流化信号FRがLレベルである場合と同様である。但し、図7(b)によれば、交流化信号FRがHレベルで信号dsがHレベルの時の出力電位ds’は+V1に設定され、交流化信号FRがLレベルで信号dsがHレベルの時の出力電位ds’は−V1に設定される。すなわち、電位+V1と電位−V1の中間値である零電位を電位の基準としてみた場合、交流化信号FRがHレベルの場合に各夜晶層の印加電圧は、交流化信号FRがLレベルの場合の印加電圧とは極性を反転したものであって、かつ、その絶対値は等しいものとなる。したがって、液晶層に直流成分が印加される事態が回避される結果、液晶105の劣化が防止されることになる。
【0045】
このような実施形態に係る電気光学装置によれば、1フレーム(1f)を、階調特性の電圧比率に応じてサブフィールドSf1〜Sf7に分割し、各サブフィールド毎に、画素にHレベルまたはLレベルを書き込んで、1フレームにおける電圧実効値が制御される。このため、データ線114に供給されるデータ信号d1’,d2’, d3’, …dn’は、電圧±V1および零電圧の3種類のみである。従って、駆動回路なとの周辺回路においては、高精度のD/A変換回路やオペアンプなとのような、アナログ信号を処理するための回路は不要となる。このため、回路構成が大幅に簡略化されるので、装置全体のコストを低く抑えることが可能となる。さらに、データ線114に供給されるデータ信号d1’, d2’, d3’, …dn’は3種類であるため、素子特性や配線抵抗などの不均一性に起因する表示ムラが原理的に発生しない。このため、本実施形態に係る電気光学装置によれば、高品位かつ高精細な階調表示が可能となる。
【0046】
また、本実施形態においては、階調にかかわらず画素をオン状態にするV_on期間を1フレーム内に割り当て、V_on期間の長さを液晶の透過率特性が立ち上がり始める電圧Vaによって調整できるようにしたので、各種の液晶を用いた電気光学装置に適用することができ、装置の汎用性を拡張することが可能である。
【0047】
特に、本実施形態においては、スタートパルス発生回路210において信号S_on,S_offが生成され、電位選択回路1440において該信号S_on,S_offと交流化信号FRとに基づいて、V_on,V_off期間のデータ信号d1’, d2’, d3’, …dn’がデータ線114に出力されるから、当該期間に対応してフィールドメモリ304になんらデータを記憶しておく必要がない。このため、フィールドメモリ304のメモリ容量を低く抑えることができ、データアクセスに必要な電力も削減できる。
【0048】
3.電子機器の具体例
3.1.<プロジェクタ>
次に、上述した電気光学装置を具体的な電子機器に用いた例のいくつかについて説明する。
まず、実施形態に係る電気光学装置をライトバルブとして用いたプロジェクタについて説明する。図11は、このプロジェクタの構成を示す平面図である。この図に示されるように、プロジェクタ1100内部には、偏光照明装置1110がシステム光軸PLに沿って配置されている。この偏光照明装置1110において、ランプ1112からの出射光は、リフレクタ1114による反射で略平行な光束となって、第1のインテグレータレンズ1120に入射する。これにより、ランプ1112からの出射光は、複数の中間光束に分割される。この分割された中間光束は、第2のインテグレータレンズを光入射側に有する偏光変換素子1130によって、偏光方向がほぼ揃った一種類の偏光光束(s偏光光束)に変換されて、偏光照明装置1110から出射されることとなる。
【0049】
さて、偏光照明装置1110から出射されたs偏光光束は、偏光ビームスプリッタ1140のs偏光光束反射面1141によって反射される。この反射光束のうち、青色光(B)の光束がダイクロイックミラー1151の青色光反射層にて反射され、反射型の電気光学装置100Bによって変調される。また、ダイクロイックミラー1151の青色光反射層を透過した光束のうち、赤色光(R)の光束は、ダイクロイックミラー1152の赤色光反射層にて反射され、反射型の電気光学装置100Rによって変調される。一方、ダイクロイックミラー1151の青色光反射層を透過した光束のうち、緑色光(G)の光束は、ダイクロイックミラー1152の赤色光反射層を透過して、反射型の電気光学装置100Gによって変調される。
【0050】
このようにして、電気光学装置100R,100G,100Bによってそれぞれ色光変調された赤色、緑色、青色の光は、ダイクロイックミラー1152、1151、偏光ビームスプリッタ1140によって順次合成された後、投写光学系1160によって、スクリーン1170に投写されることとなる。なお、電気光学装置100R、100Bおよび100Gには、ダイクロイックミラー1151、1152によって、R、G、Bの各原色に対応する光束が入射するので、カラーフィルタは必要ない。
【0051】
3.2.<モバイル型コンピュータ>
次に、上記電気光学装置を、モバイル型のパーソナルコンピュータに適用した例について説明する。図12は、このパーソナルコンピュータの構成を示す正面図である。図において、モバイル型コンピュータ1200は、キーボード1202を備えた本体部1204と、表示ユニット1206とから構成されている。この表示ユニット1206は、先に述べた電気光学装置100の前面にフロントライトを付加することにより構成されている。なお、この構成では、電気光学装置100を反射直視型として用いることになるので、画素電極118において、反射光が様々な方向に散乱するように、凹凸が形成される構成が望ましい。
【0052】
3.3.<携帯電話器>
さらに、上記電気光学装置を、携帯電話器に適用した例について説明する。図13は、この携帯電誌の構成を示す斜視図である。図において、携帯電話器1300は、複数の操作ボタン1302のほか、受話口1304、送話口1306とともに、電気光学装置100を備えるものである。この電気光学装置100にも、必要に応じてその前面にフロントライトが設けられる。また、この構成でも電気光学装置100が反射直視型として用いられることになるので、画素電極118に凹凸が形成される構成が望ましい。
【0053】
3.4.<その他>
電子機器としては、以上説明した他にも、液晶テレビや、ビューファインダ型、モニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルを備えた機器等などが挙げられる。そして、これらの各種電子機器に対して、上述した電気光学装置が適用可能なのは言うまでもない。
【0054】
4.変形例
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、例えば以下のように種々の変形が可能である。
(1)上述した実施形態にあっては、交流化信号FRを1フレームの周期でレベル反転することとしたが、本発明は、これに限られず、例えば、2フレーム以上の周期でレベル反転する構成としても良い。
【0055】
(2)上記実施形態において対向電極108に印加する駆動信号LCOMは零電圧であったが、各画素に印加される電圧はトランジスタ116の特性、蓄積容量119や液晶の容量等によって、電圧がシフトする場合がある。この様な場合には、対向電極108に印加する駆動信号LCOMのレベルを電圧のシフト量に応じてずらしてもよい。
【0056】
(3)また、上記実施形態においては、電気光学装置を構成する素子基板101をガラスや石英などの非晶質基板とし、ここに半導体簿膜を堆積してTFTを形成したが、本発明は、これに限られない。例えば、素子基板101を不透明な半導体基板によって構成し、画素電極118をアルミニウムなどの反射性金属から形成し、対向基板102をガラスなどから構成すると、電気光学装置100を反射型として用いることができる。
【0057】
(4)さらに、上記実施形態は本発明を液晶に用いた電気光学装置に適用した例を説明したが、他の電気光学装置、特に、オンまたはオフの2値的な表示を行う画素を用いて、階調表示を行う電気光学装置のすべてに適用可能である。このような電気光学装置としてはエレクトロルミネッセンス装置やプラズマディスプレイなどが考えられる。特に有機ELの場合は、液晶のような交流駆動をする必要が無く、極性反転をしなくて良い。
【0058】
(5)上記実施形態において、V_on期間の長さを規定するデータD_onの調整を使用者に委ねるように調整ツマミを設け、これを使用者が操作することによって、データD_onの値を可変できるようにしてもよい。くわえて、液晶表示装置の温度、或いは液晶表示装置周辺の温度を温度センサで検出し、検出温度に基づいて、液晶の温度特性に合わせて、データD_onの値を可変するようにしてもよい。
【0059】
ここで、データD_on,D_offの合計は一定であるから、データD_onの値を増加、減少させる場合には、これに応じてデータD_offの値を変更するとよい。このようにすると、データDS1,DS2,…,DS7を変更することなく、データD_on,D_offのみを変更してV_on,V_off期間の長さを変更することができる。このようにV_on,V_off期間を液晶の温度特性に合わせて可変にすると、環境温度が変化に追随して液晶に印加する電圧の実効値を可変することができるので、温度が変化しても、表示される階調やコントラスト比を一定に保つことができる。
【0060】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、1フレーム内の第2の期間において、メモリの内容にかかわらず、所定のタイミング信号に基づいて全画素をオンまたはオフ状態に設定するから、メモリの所要記憶容量を削減し、消費電力を削減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態の電気光学装置の電気的構成を示すブロック図である。
【図2】 上記実施形態における画素の構成例を示す図である。
【図3】 上記実施形態における各階調数におけるスタートパルスDYのタイミングチャートである。
【図4】 上記実施形態におけるデータ変換回路300のブロック図である。
【図5】 上記実施形態におけるスタートパルス発生回路210のブロック図である。
【図6】 上記実施形態におけるデータ線駆動回路140のブロック図である。
【図7】 上記実施形態のデータ変換回路300および電位選択回路1440における階調データの変換内容を示す図である。
【図8】 上記実施形態の電気光学装置のタイミングチャートである。
【図9】 上記実施形態における階調データと画素電極118への印加波形との関係を示すタイミングチャートである。
【図10】 上記実施形態における電気光学装置の構造図である。
【図11】 同電気光学装置を適用した電子機器の一例たるプロジェクタ1100の構成を示す図である。
【図12】 同電気光学装置を適用した電子機器の一例たるモバイル型コンピュータ1200の正面図である。
【図13】 同電気光学装置を適用した電子機器の一例たる携帯電話器1300の斜視図である。
【符号の説明】
100,100R,100G,100B……電気光学装置
101……素子基板
101a……表示領域
102……対向基板
105……液晶
106……遮光膜
108……対向電極
110……画素
112……走査線
114……データ線
116……トランジスタ
118……画素電極
130……走査線駆動回路
140……データ線駆動回路
200……タイミング信号生成回路
210……スタートパルス発生回路
211……カウンタ
212……コンパレータ
213……マルチプレクサ
214……リングカウンタ
215……Dフリップフロップ
216……オア回路
218,219…デコーダ
300……データ変換回路
301……書込み制御回路
302……書込みラッチ回路
303……読出し制御回路
304……フィールドメモリ
1100……プロジェクタ
1110……偏光照明装置
1112……ランプ
1114……リフレクタ
1120……第1のインテグレータレンズ
1130……偏光変換素子
1140……偏光ビームスプリッタ
1141……s偏光光束反射面
1151……ダイクロイックミラー
1152……ダイクロイックミラー
1160……投写光学系
1170……スクリーン
1200……モバイル型コンピュータ
1202……キーボード
1204……本体部
1206……表示ユニット
1300……携帯電話器
1302……操作ボタン
1304……受話口
1306……送話口
1420……第1のラッチ回路
1430……第2のラッチ回路
1440……電位選択回路

Claims (10)

  1. マトリクス状に配設された複数の画素を、1フレーム内の複数のサブフィールド毎にオンまたはオフ状態として、前記1フレーム内における前記各画素の前記オン状態の電圧実効値によって、前記各画素を階調表示させる電気光学装置の駆動方法であって、
    各前記サブフィールドに対応して設けられたメモリの各々に対して、前記各画素の階調に応じて、各前記サブフィールドの前記各画素のオンまたはオフ状態を示すデータを記憶する過程と、
    前記1フレーム内の一部であり、前記複数のサブフィールドを含む第1の期間において、前記メモリに記憶されたデータに応じて前記複数のサブフィールド毎に前記各画素のオンまたはオフ状態を設定する過程と、
    前記1フレーム内の他の期間である第2の期間において、前記メモリに記憶されたデータにかかわらず、所定のタイミング信号に基づいて前記複数の画素をオンまたはオフ状態に設定する過程と、
    を有し、
    前記第2の期間において、前記複数の画素をオンまたはオフ状態に設定する期間の長さは、前記各画素に印加する電圧実効値を変化させたときに、前記各画素の階調の変化が現れ始める電圧実効値に応じて定められること
    を特徴とする電気光学装置の駆動方法。
  2. 前記第2の期間は、前記画素のオンの指示のみをする信号を供給することを特徴とする請求項1に記載の電気光学装置の駆動方法。
  3. 前記第2の期間は、前記画素のオンの指示をする信号を供給する期間と前記画素のオフの指示をする信号を供給する期間の両方を有することを特徴とする請求項1に記載の電気光学装置の駆動方法。
  4. 複数の走査線と複数のデータ線との各交差に対応して配設された画素電極と、前記画素電極毎に設けられ、当該走査線に走査信号が供給されると、当該データ線と当該画素電極との間を導通させるスイッチング素子とからなる画素を1フレーム内の複数のサブフィールド毎にオンまたはオフ状態として、前記1フレーム内における前記各画素の前記オン状態の電圧実効値によって、階調表示させる電気光学装置の駆動回路であって、
    各前記サブフィールドに対応して設けられ、前記各画素の階調に応じて、対応する各前記サブフィールドの前記各画素のオンまたはオフ状態を示すデータを記憶するメモリと、
    1フレームの一部であり、前記複数のサブフィールドを含む第1の期間において、前記メモリに記憶されたデータに応じて前記複数のサブフィールド毎に前記各画素のオンまたはオフ状態を設定するメモリ対応制御回路と、
    前記1フレーム内の他の期間である第2の期間において、前記メモリに記憶されたデータにかかわらず、所定のタイミング信号に基づいて全画素をオンまたはオフ状態に設定するメモリ非対応制御回路と
    を有し、
    前記第2の期間において、前記複数の画素をオンまたはオフ状態に設定する期間の長さは、前記各画素に印加する電圧実効値を変化させたときに、前記各画素の階調の変化が現れ始める電圧実効値に応じて定められること
    を特徴とする電気光学装置の駆動回路。
  5. 前記第2の期間は、前記画素のオン状態の指示のみをする信号を供給することを特徴とする請求項4記載の電気光学装置の駆動回路。
  6. 前記第2の期間は、前記画素のオン状態の指示をする信号を供給する期間と前記画素のオフ状態の指示をする信号を供給する期間の両方を有することを特徴とする請求項4記載の電気光学装置の駆動回路。
  7. マトリクス状に配設された複数の画素を1フレーム内の複数のサブフィールド毎にオンまたはオフ状態として、前記1フレーム内における前記各画素の前記オン状態の電圧実効値によって、前記各画素を階調表示させる電気光学装置であって、
    複数の走査線と複数のデータ線との各交差に対応して配設された画素電極と、前記画素電極毎に設けられ、当該走査線を介して供給される走査信号によって、当該データ線と当該画素電極との導通を制御するスイッチング素子とを備えた素子基板と、
    前記画素電極に対して対向配置された対向電極を備える対向基板と、
    前記素子基板と前記対向基板との問に挟持された電気光学材料と、
    前記サブフィールド毎に前記走査信号を前記走査線の各々に順次供給する走査線駆動回路と、
    各前記サブフィールドに対応して設けられ、前記各画素の階調に応じて、対応する各前記サブフィールドの前記各画素のオンまたはオフ状態を示すデータを記憶するメモリと、
    前記1フレームの一部であり、前記複数のサブフィールドを含む第1の期間において、前記メモリに記憶されたデータに応じて前記複数のサブフィールド毎に前記各画素のオンまたはオフ状態を設定するメモリ対応制御回路と、
    前記1フレーム内の他の期間である第2の期間において、前記メモリに記憶されたデータにかかわらず、所定のタイミング信号に基づいて全画素をオンまたはオフ状態に設定するメモリ非対応制御回路とを有し、
    前記第2の期間において、前記複数の画素をオンまたはオフ状態に設定する期間の長さは、前記各画素に印加する電圧実効値を変化させたときに、前記各画素の階調の変化が現れ始める電圧実効値に応じて定められることを特徴とする電気光学装置。
  8. 前記第2の期間は、前記画素のオン状態の指示のみをする信号を供給することを特徴とする請求項7記載の電気光学装置。
  9. 前記第2の期間は、前記画素のオン状態の指示をする信号を供給する期間と前記画素のオフ状態の指示をする信号を供給する期間の両方を有することを特徴とする請求項8記載の電気光学装置。
  10. 請求項7乃至9いずれかに記載の電気光学装置を備えることを特徴とする電子機器。
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