JP3775137B2 - 電気光学装置の駆動方法、駆動回路及び電気光学装置並びに電子機器 - Google Patents

電気光学装置の駆動方法、駆動回路及び電気光学装置並びに電子機器 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、パルス幅変調により階調表示制御を行う電気光学装置の駆動方法、駆動回路および電気光学装置並びに電子機器に関する。
【0002】
【従来の技術】
電気光学装置、例えば、電気光学材料として液晶を用いた液晶表示装置は、陰極線管(CRT)に代わるディスプレイデバイスとして、各種情報処理機器の表示部や液晶テレビなどに広く用いられている。
【0003】
ここで、従来技術による電気光学装置は、例えば、次のように構成されている。即ち、従来の電気光学装置は、マトリクス状に配列した画素電極と、この画素電極に接続されたTFT(Thin Film Transistor:薄膜トランジスタ)のようなスイッチング素子などが設けられた素子基板と、画素電極に対向する対向電極が形成された対向基板と、これら両基板との間に充填された電気光学材料たる液晶とから構成される。そして、このような構成において、走査線を介してスイッチング素子に走査信号を印加すると、当該スイッチング素子が導通状態となる。この導通状態の際に、データ線を介して画素電極に、階調レベルに応じた電圧の画像信号を印加すると、当該画素電極および対向電極の間の液晶層に画像信号の電圧に応じた電荷が蓄積される。電荷蓄積後、当該スイッチング素子をオフ状態としても、当該液晶層における電荷の蓄積は、液晶層自身の容量性や蓄積容量などによって維持される。このように、各スイッチング素子を駆動させ、蓄積させる電荷量を階調レベルに応じて制御すると、画素毎に液晶の配向状態が変化するので、画素毎に濃度が変化することになる。このため、液晶表示装置は、階調表示が可能となる。
【0004】
この際、各画素の液晶層に電荷を蓄積させるのは一部の期間で良いため、第1に、走査線駆動回路によって、各走査線を順次選択すると共に、第2に、走査線の選択期間では、データ線駆動回路によってデータ線を順次選択し、第3に、選択されたデータ線に、階調レベルに応じた電圧の画像信号をサンプリングする構成により、走査線およびデータ線を複数の画素について共通化した時分割マルチプレックス駆動が可能となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来技術による液晶表示装置では、階調レベルに対応してデータ線に印加される画像信号は、アナログ信号である。このため、電気光学装置の周辺回路には、D/A変換回路やオペアンプなどの電気回路が必要となり、装置全体のコスト高を招致してしまう。さらに、これらのD/A変換回路、オペアンプなどの特性や、各種の配線抵抗などの不均一性に起因して、表示ムラが発生するため、高品質な表示が極めて困難である、という問題があり、特に、高精細な表示を行う場合に顕著となる。
【0006】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、高品質・高精細な階調表示可能な電気光学装置、その駆動方法、その駆動回路、さらには、この電気光学装置を用いた電子機器を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、第1の発明は、フィールド毎に1画面分の各画素の階調データを受け取り、当該階調データに基づいて各画素を駆動する電気光学装置の駆動方法であって、1フィールドを複数のサブフィールドに分け、当該サブフィールド単位で各画素をオン状態にする電圧または各画素をオフ状態にする電圧を各画素に印加し、前記画素をオン状態にする電圧値を2種類以上備え、前記サブフィールドを移行するときの前記電圧値の切換えは、先のサブフィールドにおける各画素への電圧印加が終了してから行い、前記先のサブフィールドから次のサブフィールドへの移行に伴って前記画素をオン状態にする電圧が切換わる場合、前記先のサブフィールドにおける電圧印加の終了から前記次のサブフィールドにおける電圧印加の開始までの間、前記画素をオフ状態にする電圧を各画素に印加することを特徴とする。
【0008】
この第1の発明によれば、1フィールドにおいて、画素をオン(オフ)にする信号の印加期間が、当該画素の階調データに応じてパルス幅変調される結果、電圧実効値の制御による階調表示が行われることになる。この際、各サブフィールドにおいては、画素のオンまたはオフを指示するだけで済むので、画素への指示信号として2値信号を用いることができる。従って、この発明では、画素への印加信号がディジタル信号となるため、素子特性や配線抵抗などの不均一性に起因する表示ムラが抑えられる結果、高品質かつ高精細な階調表示が可能となる。
【0009】
また、この発明では、サブフィールドにおいて画素をオンにする電圧の電圧値を2種類以上備えているから、サブフィールドの電圧値を1値で設定する場合に比べてサブフィールドの個数を少なくすることができ、最小期間にあるサブフィールドであってもその期間を比較的長く確保することができる。この結果、階調レベルに対応したデータ信号を各画素に確実に書込むことができ、当該電気光学装置による階調表示制御を正確に行うことができる。
【0010】
さらに、この発明では、サブフィールドを移行するときの前記電圧値の切換えを、先のサブフィールドにおける各画素への電圧印加が終了してから行っているから、先のサブフィールドにおいて画素に電圧を印加している途中に、電圧値が切換わるのを防止し、サブフィールド毎に決められた画素をオンにする電圧の実効電圧が変動するのを防止する。
【0011】
しかも、高階調表示を行う場合であっても、各サブフィールド毎に画素へのデータ書込時間を確保することができ、高階調表示を実現できる。
【0012】
なお、本発明では、1フィールドとは、水平走査信号および垂直走査信号に同期して水平走査および垂直走査することにより、1枚のラスタ画像を形成するのに要する期間という意味合いで用いている。従って、ノンインターレース方式等における1フレームも、本発明による1フィールドに相当している点に留意されたい。
【0013】
また、第1の発明の態様として、先のサブフィールドから次のサブフィールドへの移行に伴って前記画素をオンにする電圧が切換わる場合、先のサブフィールドにおける電圧印加終了から次のサブフィールドにおける電圧印加開始までの間、前記画素をオフにする電圧を各画素に印加することが好ましい。
【0014】
このような態様では、先のサブフィールドにおける電圧印加終了から次のサブフィールドにおける電圧印加開始までの間、前記画素をオフにする電圧を各画素に印加することによって、サブフィールド毎に階調データに基づいた画素をオンにする電圧の実効電圧が変動するのを防止することができる。
【0015】
また、第2の発明は、フィールド毎に1画面分の各画素の階調データを受け取り、これらの階調データに基づいて、複数のデータ線と複数の走査線との各交差に対応して配設された各画素を駆動する電気光学装置の駆動回路であって、
1フィールドを分割した複数のサブフィールドの各々において、各画素をオンにする電圧またはオフにする電圧の印加を指示する2値信号を階調データに基づいて生成するデータ変換回路と、
前記各サブフィールド毎に、データ線から画素への電圧印加を可能にする走査信号を、前記走査線の各々に順次供給する走査線駆動回路と、
前記走査信号が前記走査線に供給される間、前記データ変換回路によって生成される2値信号に基づいて前記画素をオンにする電圧またはオフにする電圧を印加するためのデータ信号を前記データ線に供給するデータ線駆動回路と、
前記画素をオンにする電圧を切換える電圧切換回路と、
前記サブフィールドを移行するときに前記電圧切換回路によって電圧を切換える場合、前記各走査線において先のサブフィールドにおける走査線上の各画素への電圧印加が終了してから次のサブフィールドにおける走査信号が走査線に供給されるまでの間、前記画素をオフにする電圧を印加するためのデータ信号を前記複数のデータ線に強制的に与えるデータ信号切換回路と、
を具備したことを特徴とする電気光学装置の駆動回路を提供するものである。
【0016】
この第2の発明は、上記第1の発明を電気光学装置の駆動回路として具現化したものであり、上記第1の発明と同様な効果を奏する。
【0017】
次に、第3の発明は、複数の走査線と複数のデータ線との各交差に対応して配設された複数の画素を有する電気光学装置であって、
1フィールドを分割した複数のサブフィールドの各々において、各画素をオンにする電圧またはオフにする電圧の印加を指示する2値信号を階調データに基づいて生成するデータ変換回路と、
前記各サブフィールド毎に、データ線から画素への電圧印加を可能にする走査信号を、前記走査線の各々に順次供給する走査線駆動回路と、
前記走査信号が前記走査線に供給される間、前記データ変換回路によって生成される2値信号に基づいて前記画素をオンにする電圧またはオフにする電圧を印加するためのデータ信号を前記データ線に供給するデータ線駆動回路と、
前記画素をオンにする電圧を切換える電圧切換回路と、
前記サブフィールドを移行するときに前記電圧切換回路によって電圧を切換える場合、前記各走査線において先のサブフィールドにおける走査線上の各画素への電圧印加が終了してから次のサブフィールドにおける走査信号が走査線に供給されるまでの間、前記画素をオフにする電圧を印加するためのデータ信号を前記複数のデータ線に強制的に与えるデータ信号切換回路と、
を具備したことを特徴とする電気光学装置を提供するものである。
【0018】
この第3の発明は、上記第1の発明を電気光学装置として具現化したものであり、上記第1の発明と同様な効果を奏する。
【0019】
この第3の発明の態様において、前記画素は、
画素電極と、
前記画素電極に対向した対向電極と、
前記画素電極および対向電極間に挟持された電気光学材料と、
前記走査線を介して走査信号が与えられることにより前記データ線を介して供給されるデータ信号を記憶するメモリと、
前記メモリに記憶されたデータ信号に従って、前記画素をオンにする電圧またはオフにする電圧の一方を選択して前記画素電極に印加する選択回路と、
を具備するものである。
【0020】
この発明に係る電気光学装置においては、前記対向電極に印加されるレベルに応じて、前記2値信号をレベル反転することが好ましい。
【0021】
このような構成とすることにより、画素に印加される電圧を交流化することができ、画質の劣化を防止することができる。
【0022】
この発明は、上記電気光学装置自体を単体で製造または販売する他、この電気光学装置を表示装置として備えた電子機器として製造または販売するという態様で実施することも可能である。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。まず、本実施形態に係る電気光学装置は、電気光学材料として液晶を用いた液晶装置であり、後述するように素子基板と対向基板とが、互いに一定の間隙を保って貼付され、この間隙に電気光学材料たる液晶が挟持される構成となっている。また、本実施形態に係る電気光学装置では、素子基板として半導体基板が用いられ、ここに、画素を駆動するトランジスタと共に、周辺駆動回路などが形成されたものである。
【0024】
<本実施形態における電気光学装置の駆動方法>
まず、本実施形態に係る装置の理解を容易にするため、本実施形態による電気光学装置の駆動方法について説明する。
【0025】
一般に、電気光学材料として液晶を用いた液晶装置において、液晶層に印加される電圧と透過率(または反射率)との関係は、電圧無印加状態において黒表示を行うノーマリーブラックモードを例にとれば、図7に示されるような関係にある。即ち、液晶層への印加電圧が増すにつれて、透過率が非線形に増加して飽和する。なお、ここでいう透過率とは、透過光量の最低値および最高値を、それぞれ0%および100%として正規化したものである。
【0026】
ここで、本実施形態に係る電気光学装置が16階調表示を行うものとし、4ビットで示される階調(濃淡)データが、それぞれ同図に示される透過率を指示するものとする。この際、各透過率において液晶層に印加される電圧を、それぞれV0〜V15とすると、従来ではこれらの電圧V0〜V15自体を、液晶層に印加する構成となっていた。このため、特に、中間階調に対応する電圧V1〜V14については、D/A変換回路やオペアンプなどのアナログ回路の特性や、各種の配線抵抗などのばらつきによる影響によって、画素間に亘って不均一となり易い。従って、従来の構成では、高品質かつ高精細な階調表示が困難であった。
【0027】
そこで、本実施形態では、次のようにして液晶層に対する電圧の印加を行う。
【0028】
(1)1フィールドを複数のサブフィールドに分割し、各サブフィールド単位で液晶層に対する電圧印加を行う。
【0029】
各サブフィールドにおいて液晶層に印加する電圧は、Von、Voffの2種類のいずれかである。ここで、電圧Vonは、画素をオンにする電圧、即ち、液晶層の透過率を高めることに寄与し得る電圧である。また、電圧Voffは画素をオフにする電圧、即ち、液晶層の透過率を高めることに全く寄与しない電圧である。
【0030】
(2)いずれのサブフィールドにおいて電圧印加を行うかは、画素に対応した階調データにより決定する。
【0031】
電圧Vonが液晶層の透過率の上昇にどの程度寄与するかは、その印加時間に依存することとなる。従って、電圧Vonの印加を行うサブフィールドを階調データに応じて選択し、階調データが小さい場合には電圧Vonの印加時間を短くして、液晶層に対する実効印加電圧を小さくし、階調データが大きい場合には電圧Vonの印加時間を長くして、液晶層に対する実効印加電圧を大きくするのである。
【0032】
(3)1フィールドを複数のサブフィールドに分割する際、各サブフィールドの長さを不均一にしてもよい。
【0033】
即ち、時間長が長く、電圧Vonの印加が液晶透過率の上昇に寄与する度合いが大きいサブフィールドと、時間長が短く、電圧Vonの印加が液晶透過率の上昇に寄与の度合いが小さいサブフィールドを設けてもよい。この場合において、各サブフィールドの長さを階調データの各ビットの重みに対応させてもよい。
【0034】
(4)電圧Vonは、一部のサブフィールドにおいて他のサブフィールドのものよりも低い電圧値とする。
【0035】
これは多階調表示を行う際に生じるデータ書込時間の不足の問題を回避するためである。即ち、次の通りである。
【0036】
本実施形態のように、印加時間の長短により階調の高低を制御する方法を採った場合、階調を細かな刻み幅で変化させるためには、極めて時間長の短いサブフィールドを設ける必要がある。
【0037】
しかし、液晶パネルのような電気光学装置は、縦横に並んだ多数の画素に電圧VonまたはVoffを与えて画像表示を行うものであり、全ての画素への電圧印加を行うためには、ある程度の時間を要してしまう。そして、サブフィールドがあまりに短いと、このサブフィールドの期間内に全ての画素への電圧印加が行うことができなくなる。このようにサブフィールドを短くするのに限界があることから、サブフィールドの時間長を短くするのみでは高階調表示を実現することが困難なのである。
【0038】
そこで、本実施形態では、液晶の透過率の情報に対する寄与度の低いサブフィールドを設けるに当たり、そのサブフィールドにおける電圧Vonを他のサブフィールドのものよりも低い電圧値とし、その代わりに、当該サブフィールドの時間長を本来の時間長(すなわち、他のサブフィールドと同じ電圧Vonを用いた場合の時間長)よりも長くした。
【0039】
具体的には、本実施形態において、階調データの上位ビットに対応したサブフィールドでは図5における電圧値Vcを電圧Vonとして印加するが、下位ビットに対応したサブフィールドでは電圧値VaまたはVbを電圧Vonとして印加する。電圧Voffは、いずれのサブフィールドでも、V0(=0V)を用いる。
【0040】
なお、電圧Vonは、3種類に限らず、2種類或いは4種類以上としてもよい。
【0041】
(5)電圧Vonの電圧値が切換わるとき、オフ電圧印加期間fxを設けている。
【0042】
即ち、各画素へのデータ信号の書込みは、走査信号を走査線毎に順次供給している間に、データ線にデータ信号を供給して行っているため、走査線毎に各画素への書込むを行うことになる。そこで、オフ電圧印加期間fxを設けることにより、先のサブフィールドにおける各画素への電圧印加を終了して電圧値の切換えを行うことができ、サブフィールドにおける実効電圧を、階調データに対応した値にすることができる。なお、理由について後で詳述する。
【0043】
<電気的な構成>
次に、本実施形態に係る電気光学装置の電気的な構成について説明する。図1は、素子基板に形成された回路の構成が示されている。
【0044】
図1に示すように、素子基板上における表示領域101aには、例えばm本の走査線112がX(行)方向に延在して形成され、n本のデータ線114a,114bがY(列)方向に沿って延在して形成され、さらにm本のVon線113aとVoff線113bがX(行)方向に延在して形成されている。そして、画素110は、走査線112と一対のデータ線114a,114b(以下、説明の都合上合わせてデータ線114ともいう)との各交差に対応して設けられて、マトリクス状に配列されている。
【0045】
また、各データ線114aとデータ線114bとの間にはインバータ115がそれぞれ接続され、一方のデータ線114aにはデータ信号djが他方のデータ線114bにはレベルを反転したデータ信号/djが入力される。さらに、各Von線113aには、走査線駆動回路130から出力される走査信号Giを受けて電圧Vonの電圧値をVa,Vb,Vcに切換える電圧切換回路160が接続されている。
【0046】
本実施形態では、説明の便宜上、走査線112の総本数をm本とし、データ線114の総本数をn本として(m、nはそれぞれ2以上の整数)、m行×n列のマトリクス型表示装置として説明するが、本発明をこれに限定する趣旨ではない。
【0047】
画素110の具体的な構成としては、例えば、図2に示されるものが挙げられる。
【0048】
この構成では、画素自体に1ビットのデジタル信号を記憶するメモリと、このメモリに記憶されたデジタル信号に応じて電圧VonまたはVoffを選択して画素電極に印加する回路とが設けられている。
【0049】
画素110では、図2に示すように、インバータ121および122によって、一方の出力端子が他方の入力端子に接続することにより、全体として1ビットのメモリを構成している。
【0050】
トランジスタ116aおよび116bは、この1ビットのメモリに対して書込みを行うときにオン状態とされるスイッチングトランジスタであり、各々のドレインはインバータ121および122の各出力端子に接続され、各々のゲートは走査信号Gk(k=1〜m)またはG1、G2、…Gmを供給する走査線112に接続されている。
【0051】
本実施形態では、2本のデータ線114aおよび114bが各画素に対して配線されており、データ線114aにはトランジスタ116aのソースが接続され、データ線114bにはトランジスタ116bのソースが接続されている。そして、データ線114aには、後述するデータ線駆動回路140からデータ信号dj(j=1〜n)がそのまま出力され、データ線114bにはこの信号djをレベル反転した信号が出力される。これらの各データ線上の信号は、トランジスタ116aおよび116bを介してインバータ121および122からなるメモリに与えられ、このメモリに書込まれる。トランスミッションゲート123は、入力端が電圧Vonを供給するVon線113aに接続されており、出力端が画素電極118に接続されている。また、トランスミッションゲート124は、入力端が電圧Voffを供給するVoff線113bに接続されており、出力端が画素電極118に接続されている。これらのトランスミッションゲート123および124は、いずれもHレベルのゲート信号が与えられることによりオンになるゲートであり、これらには上記メモリにおけるインバータ121および122の各出力信号がゲート信号として供給される。さらに、画素電極118と対向電極108との間に電気光学材料たる液晶105が挟持されて液晶層が形成され、前記対向電極108は交流化駆動信号LCOMに接続されている。
【0052】
図1において、タイミング信号生成回路200は、図示せぬ上位装置から供給される垂直走査信号Vs、水平走査信号Hsおよびドットクロック信号DCLKに基づいて、各種のタイミング信号やクロック信号などを生成する装置である。このタイミング信号生成回路200によって生成される信号のうち主要なものを列挙すると次の通りである。
【0053】
a.交流化駆動論理信号FR
この交流化駆動論理信号FRは、後述する交流化駆動信号LCOMのHレベル、Lレベルを指定するものである。
【0054】
b.交流化駆動信号LCOM
この交流化駆動信号LCOMは、対向基板の対向電極108(図2参照)に印加される。本実施形態において交流化駆動信号LCOMは、VCC(Hレベル)からV0(Lレベル)へ、LレベルからHレベルへ、という具合に1フィールド毎にレベル反転を繰り返す。そして、交流化駆動信号LCOMは、交流化駆動論理信号FRに対してラッチパルスLPの1クロック分位相が遅れたものである。
【0055】
c.スタートパルスDY
このスタートパルスDYはサブフィールドの最初に出力されるパルス信号である。本実施形態では、1フィールドを4分割してサブフィールドSf0〜Sf3を設ける。従って、これらの各サブフィールドの最初において、このスタートパルス信号DYが出力されることになる。
【0056】
d.ストップパルスDYres
このストップパルスDYresは、サブフィールドを後述するオフ電圧印加期間fxに切換えるとき、最初に出力されるパルス信号である。
【0057】
e.クロック信号CLY
このクロック信号CLYは、走査側(Y側)の水平走査期間を規定する信号である。
【0058】
f.ラッチパルスLP
このラッチパルスLPは、水平走査期間の最初に出力されるパルス信号であって、クロック信号CLYのレベル遷移(即ち、立ち上がりおよび立ち下がり)時に出力されるものである。
【0059】
g.クロック信号CLX
このクロック信号CLXは、いわゆるドットクロックにより規定される信号である。
【0060】
h.リセット信号RES
このリセット信号RESは、ラッチパルスLPに同期して出力されるパルス信号であって、オフ電圧印加期間fxの開始を規定する信号である。即ち、リセット信号RESがHレベルからLレベルに切換わるときに1行目の走査信号G1をオフ電圧とし、LレベルからHレベルに切換わるときにm行目の走査信号Gmをオフ電圧とするものである。
【0061】
以上がタイミング信号生成回路200によって生成される主要な信号の概要である。
【0062】
図1において、走査線駆動回路130は、いわゆるYシフトレジスタと呼ばれるものであり、スタートパルスDYおよびストップパルスDYresをクロック信号CLYに基づいて転送し、走査線112の各々に走査信号G1、G2、G3、…、Gmとして順次排他的に供給するものである。この走査線駆動回路130の具体的な構成は、図3に示す通りである。
【0063】
図3に示すように、この走査線駆動回路130は、Yシフトレジスタ131と、該Yシフトレジスタ131に入力される信号を形成するオアゲート132とによって構成されている。
【0064】
ここで、オアゲート132の入力側にはスタートパルスDYとストップパルスDYresが入力され、このいずれかの信号がHレベルであるときに(DY+
DYres)信号をYシフトレジスタ131に出力する。
【0065】
また、Yシフトレジスタ131は、供給される(DY+DYres)信号をクロック信号CLYに基づいて転送し、走査信号G1、G2、G3、…、Gmとして走査線112の各々に順次排他的に供給するものである。
【0066】
また、データ線駆動回路140は、ある水平走査期間において2値信号Dsをデータ線114の本数に相当するn個順次ラッチした後、ラッチしたn個の2値信号Dsを、次の水平走査期間において、それぞれ対応するデータ線114にデータ信号d1、d2、d3、…、dnとして一斉に供給するものである。このデータ線駆動回路140の具体的な構成は、図4に示される通りである。
【0067】
図4に示すように、このデータ線駆動回路140は、Xシフトレジスタ1410と、第1のラッチ回路1420と、第2のラッチ回路1430とによって構成されている。
【0068】
ここで、Xシフトレジスタ1410は、水平走査期間の最初に供給されるラッチパルスLPをクロック信号CLXに基づいて転送し、ラッチ信号S1、S2、S3、…、Snとして順次排他的に供給するものである。
【0069】
第1のラッチ回路1420は、2値信号Dsをラッチ信号S1、S2、S3、…、Snの立ち下がりにおいて順次ラッチするものである。
【0070】
第2のラッチ回路1430は、第1のラッチ回路1420によりラッチされた2値信号Dsの各々をラッチパルスLPの立ち下がりにおいて一斉にラッチして信号を各々出力するものである。
【0071】
次に、データ信号切換回路150は、第2のラッチ回路1430から出力される信号とリセット信号RESとが入力されるn個のアンドゲートによって構成されている。
【0072】
そして、データ信号切換回路150は、リセット信号RESがLレベルのときには、画素をオフにする電圧を前記画素110に印加するためのデータ信号d1、d2、d3、…、dnを各々のデータ線114に供給するものであり、リセット信号RESがHレベルのときには、2値信号Dsに基づいて前記データ線駆動回路140から出力される信号、即ち画素をオンにする電圧Vonまたはオフにする電圧Voffのいずれかを印加するためのデータ信号を各データ線114に供給する。
【0073】
次に、電圧切換回路160は、図5に示すような回路によって構成されている。
【0074】
即ち、交流化駆動信号LCOMを受けて、FRのH/Lに応じた電圧値Va,Vb,Vcを発生する基準電圧値発生回路161と、サブフィールドSf0においてHレベルとなる走査信号Giの入力があるときにセット信号を出力するアンドゲート162と、サブフィールドSf1〜Sf3においてHレベルとなる走査信号Giの入力があるときにリセット信号を出力するアンドゲート163と、アンドゲート162の出力がS端子に接続され、アンドゲート163がR端子に接続されたフリップフロップ回路164と、該フリップフロップ回路164の出力信号を受けて前記基準電圧値発生回路161から出力される電圧値Va,Vbを選択するスイッチング素子165と、サブフィールドSf0〜Sf1においてHレベルとなる走査信号Giの入力があるときにセット信号を出力するアンドゲート166と、サブフィールドS2〜Sf3においてHレベルとなる走査信号Giの入力があるときにリセット信号を出力するアンドゲート167と、アンドゲート166の出力がS端子に接続され、アンドゲート167がR端子に接続されたフリップフロップ回路168と、該フリップフロップ回路168の出力信号を受けて、前記スイッチング素子165から出力される電圧値Va,Vb、前記基準電圧値発生回路161から出力される電圧値Vcを選択するスイッチング素子169とによって構成されている。
【0075】
これにより、電圧切換回路160は、サブフィールドSf0のときには電圧値Vaを有する電圧Vonを出力し、サブフィールドSf1のときには電圧値Vbを有する電圧Vonを出力し、サブフィールドSf2、Sf3のときには電圧値Vcを有する電圧Vonを出力するものである。
【0076】
さて、このようにサブフィールドSf0〜Sf3毎に、階調レベルに応じて電圧Voff(V0)、Von(Va,Vb,Vc)を書込むためには、画素に対応する階調データを何らかの形で変換する必要がある。この変換を行うものが、図1におけるデータ変換回路300である。
【0077】
従って、データ変換回路300は、垂直走査信号Vs、水平走査信号Hsおよびドットクロック信号DCLKに同期して供給され、かつ、画素毎に対応する4ビットの階調データD0〜D3を、サブフィールドSf0〜Sf3毎に2値信号Ds(0または1)に変換する構成となっている。
【0078】
また、データ変換回路300は、交流化駆動論理信号FRのレベルに応じて、階調データD0〜D3を2値信号Dsに変換する必要がある。具体的には、データ変換回路300は、階調データD0〜D3に対応する2値信号Dsを、交流化駆動論理信号FRがLレベルである場合には、図8(a)に示される内容に基づいて出力する一方、交流化駆動論理信号FRがHレベルである場合には、図8(b)に示される内容に基づいて出力する構成となっている。
【0079】
なお、この2値信号Dsについては、走査線駆動回路130およびデータ線駆動回路140における動作に同期して出力する必要があるので、データ変換回路300には、スタートパルスDYと、水平走査に同期するクロック信号CLYと、水平走査期間の最初を規定するラッチパルスLPと、ドットクロック信号DCLKに相当するクロック信号CLXとが供給されている。また、上述したように、データ線駆動回路140では、ある水平走査期間において、第1のラッチ回路1420が点順次的に2値信号Dsをラッチした後、次の水平走査期間において、第2のラッチ回路1430が、データ信号d1、d2、d3、…、dnとして一斉に各データ線114に供給する構成となっているので、データ変換回路300は、走査線駆動回路130およびデータ線駆動回路140における動作と比較して、1水平走査期間だけ先行するタイミングで2値信号Dsを出力する構成となっている。
【0080】
次に、前述した2値信号Dsを生成するためのデータ変換回路300の具体的な構成について説明する。ここで、図7はこのデータ変換回路300の回路構成を示すブロック図である。また、図8は同データ変換回路300の機能を示す真理値表である。
【0081】
図7に示すように、データ変換回路300は、駆動パターンメモリ301と、EXORゲート302とにより構成されている。
【0082】
駆動パターンメモリ301は、サブフィールド番号と階調データの各組み合わせ毎に画素のオン/オフを指定する1ビットのオンオフデータを記憶している。そして、駆動パターンメモリ301には、サブフィールド番号と階調データとがアドレスとして与えられる。
【0083】
ここで、サブフィールド番号は、1フィールド内における各サブフィールドの番号であり、「0」〜「3」までのいずれかの値である。このサブフィールド番号を生成する方法に関しては各種考えられるが、例えば、データ変換回路300の内部に、スタートパルスDYを計数すると共に、当該カウンタ結果を交流化駆動論理信号FRのレベル遷移(立ち上がりおよび立ち下がり)でリセットするカウンタを設けて、当該カウント結果を参照することで、現状のサブフィールドを認識してサブフィールド番号を設定することも可能である。
【0084】
駆動パターンメモリ301は、このようにして得られるサブフィールド番号と階調データとの組み合わせに対応したオンオフデータを出力する。
【0085】
EXORゲート302は、この駆動パターンメモリ301から出力されるオンオフデータと交流化駆動論理信号FRとの排他的論理和を演算し、2値信号Dsとして出力する。ここで、交流化駆動論理信号FRは、交流化駆動信号LCOMよりラッチパルスLPの1クロック分速い位相でレベル反転を繰り返すデジタル信号である。
【0086】
交流化駆動論理信号FRがLレベルである場合、駆動パターンメモリ301から読み出されたオンオフデータはそのまま2値信号Dsとしてデータ線駆動回路140に出力される。これに対し、交流化駆動論理信号FRがHレベルである場合には、駆動パターンメモリ301から読み出されたオンオフデータはEXORゲート302によってレベル反転され、2値信号Dsとしてデータ線駆動回路140に出力される。いずれの場合でも、オンオフデータが“1”であるときには、画素をオン状態とする2値信号Dsがデータ線駆動回路140に供給され、オンオフデータが“0”であるときには、画素をオフ状態とする2値信号Dsがデータ線駆動回路140に供給される。
【0087】
そして、2値信号DsによってVonが選択されているとき(即ち、オンオフデータが“1”であるとき)、電圧切換回路160により、サブフィールドがSf0である場合には電圧値Vaにより重み付けされ、Sf1である場合には電圧値Vbに重み付けされ、Sf2,Sf3である場合には電圧値Vcにより重み付けされた電圧が画素に印加される。
【0088】
図8(a)および(b)は、交流化駆動論理信号FRがLレベルまたはHレベルである場合、階調データに対するサブフィールド番号および電圧値と2値信号Dsとの関係を示している。即ち、駆動パターンメモリ301には、図8に示す真理値表において“1”と“0”とからなるオンオフデータが記憶されている。
【0089】
図8から明らかなように、本実施形態によるデータ変換回路300では、各サブフィールド毎に画素のオンオフ駆動を行うための2値信号Dsをデータ線駆動回路140に向けて出力するようになっている。
【0090】
次に、階調データに対応してサブフィールド毎に印加される電圧Vonの電圧値について具体的に説明する。
【0091】
まず、階調データが(0001)である場合、当該画素の透過率を6.6(=1/15)%とすべきであり、このためには図示の実効電圧値V1を画素に対して印加する必要がある。そこで、本実施形態では、当該画素の画素電極118および対向電極108間に印加される電圧が、サブフィールドSf0においてはVon=Vaとなり、他のサブフィールドにおいてはVoff=V0(=0V)となるように、画素電極118に対する電圧の印加を行う。ここで、画素に印加される実効電圧値は、電圧瞬時値の2乗を1周期(1フィールド)に亘って平均化した平方根によって求められるから、サブフィールドSf0の長さを、1フィールド(1f)に対して(V1/Va)2 を乗じた時間とすれば、1フィールド(1f)に対応した実効電圧値V1を印加することができる。
【0092】
また、階調データが(0010)である場合、当該画素の透過率を13.3(=2/15)%とすべきであり、そのためには図示の実効電圧値V2を画素に対して印加する必要がある。そこで、本実施形態では、当該画素の画素電極118および対向電極108間に印加される電圧が、サブフィールドSf1においてはVon=Vbとなり、他のサブフィールドにおいてはVoff=V0(0V)となるように、画素電極118に対する電圧の印加を行う。ここで、画素に印加される実効電圧値は、電圧瞬時値の2乗を1周期(1フィールド)に亘って平均化した平方根によって求められるから、サブフィールドSf1の長さを、1フィールドに対して(V2/Vb)2 を乗じた時間とすれば、階調データ(0010)に対応した実効電圧値V2を画素に印加することができる。
【0093】
同様に、階調データが(0011)である場合、当該画素の透過率を20.0(=3/15)%とすべきであり、実効電圧値V3を画素に対して印加する必要がある。そこで、本実施形態では、当該画素の画素電極118と対向電極108間に印加される電圧が、サブフィールドSf0においてはVon=Vaとなり、サブフィールドSf1においてはVon=Vbとなり、他のサブフィールドにおいてはVoff=V0(=0V)となるように、画素電極118に対する電圧の印加を行う。この電圧印加によって、1フィールドに対して階調データ(0011)に対応した実効電圧値V3を画素に印加することができる。
【0094】
さらに、階調データが(1000)である場合、当該画素の透過率を53.3(=8/15)%とすべきであり、そのためには図示の実効電圧値V8を画素に対して印加する必要がある。そこで、本実施形態では、当該画素の画素電極118および対向電極108間に印加される電圧が、サブフィールドSf3においてはVon=Vcとし、他のサブフィールドにおいてはVoff=V0(=0V)となるように、画素電極118に対する電圧の印加を行う。ここで、画素に印加される実効電圧値は、電圧瞬時値の2乗を1周期(1フィールド)に亘って平均化した平方根によって求められるから、サブフィールドSf3の長さを、1フィールドに対して(V8/Vc)2 を乗じた時間とすれば、階調データ(1000)に対応した実効電圧値V8を画素に印加することができる。この電圧の印加によって、1フィールドに対して階調データ(1000)に対応した実効電圧値V8を画素に印加することができる。
【0095】
以下、同様にして、階調データに対するサブフィールドにおける電圧値を設定することにより、他の階調データについても同様な書込みが行われることとなる。
【0096】
このようにして、サブフィールドSf0〜Sf3に対して階調データに応じた書込みを行う構成とすると、当該液晶層に印加される電圧値がVa,Vb、VcおよびV0であるにもかかわらず、各透過率に対応する16階調の表示が可能となる。
【0097】
<動作>
<電気光学装置の動作>
次に、上述した実施形態に係る電気光学装置の動作について説明する。図9は、この電気光学装置の動作を説明するためのタイミングチャートである。
【0098】
まず、交流化駆動信号LCOMは、1フィールド(1f)毎にレベル反転して、対向電極108に印加される。一方、スタートパルスDYは、上述したように1フィールド(1f)を分割した各サブフィールドの開始時に供給される。
【0099】
ここで、交流化駆動信号LCOMがLレベルとなる1フィールド(1f)において、サブフィールドSf0の開始を規定するスタートパルスDYが供給されると、走査線駆動回路130(図1参照)におけるクロック信号CLYに準じた転送によって、走査信号G1、G2、G3、…、Gmが期間(1Va)に順次排他的に出力される。なお、期間(1Va)は、最も短いサブフィールドよりもさらに短い期間に設定されている。
【0100】
さて、走査信号G1、G2、G3、…、Gmは、それぞれクロック信号CLYの半周期に相当するパルス幅を有し、また、上から数えて1本目の走査線112に対応する走査信号G1は、スタートパルスDYが供給された後、クロック信号CLYが最初に立ち上がってから、少なくともクロック信号CLYの半周期だけ遅延して出力される構成となっている。従って、サブフィールドの最初にスタートパルスDYが供給されてから、走査信号G1が出力されるまでに、ラッチパルスLPの1ショット(G0)がデータ線駆動回路140に供給されることになる。
【0101】
そこで、このラッチパルスLPの1ショット(G0)が供給された場合について検討してみる。まず、このラッチパルスLPの1ショット(G0)がデータ線駆動回路140に供給されると、データ線駆動回路140(図4参照)におけるクロック信号CLXに基づいて転送され、ラッチ信号S1、S2、S3、…、Snが水平走査期間(1H)に順次排他的に出力される。なお、ラッチ信号S1、S2、S3、…、Snは、それぞれクロック信号CLXの半周期に相当するパルス幅を有している。
【0102】
この際、図4における第1のラッチ回路1420は、ラッチ信号S1の立ち下がりにおいて、上から数えて1本目の走査線112と、左から数えて1本目のデータ線114との交差に対応する画素110への2値信号Dsをラッチし、次に、ラッチ信号S2の立ち下がりにおいて、上から数えて1本目の走査線112と、左から数えて2本目のデータ線114との交差に対応する画素110への2値信号Dsをラッチし、以下、同様に、上から数えて1本目の走査線112と、左から数えてn本目のデータ線114との交差に対応する画素110への2値信号Dsをラッチする。
【0103】
これにより、まず、図1において上から1本目の走査線112との交差に対応する画素1行分の2値信号Dsが、第1のラッチ回路1420により点順次的にラッチされることになる。なお、データ変換回路300は、第1のラッチ回路1420によるラッチのタイミングに合わせて、各画素の階調データD0〜D3を2値信号Dsに変換して出力することはいうまでもない。また、ここでは、交流化駆動信号LCOM(交流化駆動論理信号FR)がLレベルの場合を想定しているので、図8(a)に示されるテーブルが参照され、さらにサブフィールドSf1に相当する2値信号Dsが、階調データD0〜D3に応じて出力されることになる。
【0104】
次に、クロック信号CLYが立ち下がって、走査信号G1が出力されると、図1において上から数えて1本目の走査線112が選択される結果、当該走査線112との交差に対応する画素110のトランジスタ116がすべてオン状態となる。一方、当該クロック信号CLYの立ち下がりによってラッチパルスLPが出力される。そして、このラッチパルスLPの立ち下がりタイミングにおいて、第2のラッチ回路1430は、第1のラッチ回路1420によって点順次的にラッチされた2値信号Dsを、対応するデータ線114の各々にデータ信号d1、d2、d3、…、dnとして一斉に供給する。このため、上から数えて1行目の画素110においては、データ信号d1、d2、d3、…、dnの書込みが同時に行われることとなる。
【0105】
この書込みと並行して、図1において上から2本目の走査線112との交差に対応する画素1行分の2値信号Dsが、第1のラッチ回路1420により点順次的にラッチされる。
【0106】
そして、以降同様な動作が、m本目の走査線112に対応する走査信号Gmが出力されるまで繰り返される。即ち、ある走査信号Gi(iは、1≦i≦mを満たす整数)が出力される1水平走査期間(1H)においては、i本目の走査線112に対応する画素110の1行分に対するデータ信号d1〜dnの書込みと、(i+1)本目の走査線112に対応する画素110の1行分に対する2値信号Dsの点順次的なラッチとが並行して行われることになる。なお、画素110に書込まれたデータ信号は、次のサブフィールドSf2において書込まれるまで保持される。
【0107】
以下同様な動作が、サブフィールドの開始を規定するスタートパルスDYが供給される毎に繰り返される。ただし、データ変換回路300は、階調データD0〜D3から2値信号Dsへの変換については、サブフィールドSf0〜Sf3のうち、対応するサブフィールドの項目が参照される。
【0108】
さらに、1フィールド経過後、交流化駆動信号LCOMがHレベルに反転した場合においても、各サブフィールドにおいて同様な動作が繰り返される。ただし、階調データD0〜D3から2値信号Dsへの変換については、図8(b)に示されるテーブルが参照されることになる。
【0109】
<画素に印加される電圧>
次に、データ駆動回路140による画素110の液晶層へ印加されるデータ信号の電圧値について検討する。図10は、階調データと、画素110における画素電極118への印加波形を示すタイミングチャートである。
【0110】
例えば、交流化駆動信号LCOMがLレベルである場合に、ある画素の階調データD0〜D3が(0000)であるとき、図8(a)に示される変換内容に従う結果、当該画素の画素電極118には、図10に示されるように、1フィールド(1f)に亘ってV0が書込まれる。ここで、当該液晶層に印加される電圧実効値はV0となる。従って、当該画素の透過率は、階調データ(0000)に対応して0%となる。
【0111】
また、ある画素の階調データD0〜D3が(0011)であるとき、図8(a)に示される変換内容に従う結果、当該画素の画素電極118には、図10に示されるように、サブフィールドSf0においては電圧値Vaが、Sf1においては電圧値Vbが、それぞれ書込まれる。従って、当該画素の画素電極118に印加される電圧実効値はV3となる。従って、当該画素の透過率は、階調データ(0011)に対応して20.0%となる。
【0112】
さらに、ある画素の階調データD0〜D3が(1111)であるとき、図8(a)に示される変換内容に従う結果、当該画素の画素電極118には、図10に示されるように、サブフィールドSf0においては電圧値Vaが、Sf1においては電圧値Vbが、Sf2,Sf3においては電圧値Vcが、それぞれ書込まれる。従って、当該画素の透過率は、階調データ(1111)に対応して100%となる。なお、他の階調データについても同様に、階調データD0〜D3は透過率に対応している。
【0113】
一方、交流化駆動信号LCOMがHレベルである場合に、Lレベルの場合と反転したレベルが画素電極118に印加される。このため、交流化駆動信号LCOMがHレベルの場合に各液晶層に印加される電圧は、交流化駆動信号LCOMがLレベルの場合となる印加電圧の極性を反転したものであり、かつ、その絶対値は等しいものとなる。従って、液晶層に直流成分が印加される事態が回避される結果、液晶105の劣化が防止されることになる。
【0114】
<画素の動作>
次に、画素110の動作について説明するに、図10に示したような階調データD0〜D3に対応した信号を画素電極118に書き込むものとする。
【0115】
走査線112にはサブフィールド毎にHレベルの走査信号Giが出力され、トランジスタ116aおよび116bがオン状態となっているときに、電圧の印加を指示するHレベルの信号djおよびそのレベルを反転したLレベルの信号がデータ線114aおよび114bに出力されたとする。この場合、インバータ121の出力信号がHレベル、インバータ122の出力信号がLレベルとなるため、トランシミッションゲート123のみがオン状態となり、このトランスミッションゲート123を介して電圧Vonが画素電極118に印加される。
【0116】
この際、サブフィールドがSf0の場合には、前述した電圧切換回路160によってVon線113aにかかる電圧値はVaとなっているから、画素電極118には電圧値Vaが書き込まれる。
【0117】
一方、サブフィールドがSf1の場合には、Von線113aにかかる電圧値はVbとなるため、画素電極118には電圧値Vbが書き込まれる。
【0118】
さらに、サブフィールドがSf2,Sf3の場合には、Von線113aにかかる電圧値はVcとなるため、画素電極118には電圧値Vcが書き込まれる。
【0119】
また、走査線112に対する走査信号GiがLレベルになると、トランジスタ116aおよび116bはオフ状態となり、インバータ121および122はそれ以前の出力信号レベルをそのまま維持する。この間、インバータ121の出力信号のみがHレベルとなるため、トランスミッションゲート123を介して電圧Vonが画素電極118に印加され続けることとなる。
【0120】
その後、走査線112に対する走査信号Giが再びHレベルとなり、トランジスタ116aおよび116bがオン状態となっているときに、電圧の印加を指示するLレベルの信号djおよびそのレベルを反転したHレベルの信号がデータ線114aおよび114bに出力されたとする。この場合、インバータ121の出力信号がLレベル、インバータの出力信号がHレベルとなるため、トランシミッションゲート124のみがオン状態となり、このトランスミッションゲート124を介して電圧Voff(FR)が画素電極118に印加される。
【0121】
そして、走査線112に対する走査信号GiがLレベルになると、上述したように、インバータ121および122はそれ以前の出力信号レベルをそのまま維持し、トランスミッションゲート124を介して電圧が画素電極118に印加され続けることとなる。
【0122】
しかも、図5に示す電圧切換回路160では、出力されるVonがLCOMがレベル反転するのに対応して反転したVa,Vb,Vcを出力するから、対向電極108がFRによってレベル反転した場合であっても、FRを基準として電圧差Va,Vb,Vcとなる信号を出力する。
【0123】
<オフ電圧印加期間>
次に、オフ電圧印加期間fxについて、図11および図13を参照しつつ説明する。なお、階調データは、(1111)とする。
【0124】
まず、図11は、オフ電圧印加期間fxを設けていない場合、行毎に書込まれる電圧のタイミングチャートを示したものである。この場合、1行目の電圧印加に対応させてVonの電圧値を切換えると、点線で示すように、2行目〜m行目において各画素110に電圧を印加している途中で電圧値が切換わることになり、実効電圧値が所望の値と異なってしまう。この結果、階調データに対応した階調表示を行うことができなくなってしまう。
【0125】
そこで、本実施形態では、図12または図13に示すようなオフ電圧印加期間fxを設けている。オフ電圧印加期間fxは、電圧Vonの電圧値が切換わるときに発生するもので、その発生動作は次の如くである。
【0126】
まず、タイミング信号生成回路200から出力されるリセット信号RESは、オフ電圧印加期間fxを開始させるためのもので、走査線駆動回路130とデータ線駆動回路140とに供給される。そして、このリセット信号RESは、電圧Vonの電圧値が切換わるときに、HレベルからLレベルに変化するものである。
【0127】
走査線駆動回路130は、図3に示すような構成となっているから、(DY+DYres)信号がLレベルからHレベルに切換わった後に、クロック信号CLYがHレベルからHレベルに切換わるとき、行に並んだ各画素110への書込みを許可する信号となる走査信号G1〜Gmを各走査線112毎に排他的に順次供給する(図12参照)。ここで、電圧値が切換わる各サブフィールドでは、スタートが順次異なるものの、ストップパルスDYresの発生による走査信号からスタートパルスDYの発生による走査信号までの時間は、各行毎に等しくなり、この期間がオフ電圧印加期間fxとなっている。
【0128】
また、データ信号切換回路150では、Hレベルのリセット信号RESが供給されている場合には、ラッチ回路1430から階調データに準じたデータ信号(画素をオンするための信号または画素をオフするための信号)をデータ線114に供給する。
【0129】
一方、Lレベルのリセット信号RESがデータ信号切換回路150に供給されている場合には、階調データによる信号に拘わらず、画素をオフするためのデータ信号をデータ線114に供給する。そして、画素110は、図2に示すような回路構成となっているから、データ線114aのデータ信号djが電圧Voff、データ線114bのデータ信号/djが電圧Von(電圧値Vc)となるため、画素電極118には電圧Voffが書込まれる。しかも、この電圧Voffを印加する期間は、先のサブフィールドにおける電圧印加終了から次のサブフィールドにおける電圧印加開始までの間印加されている。なお、図12および図13では、m行目の電圧印加が終了したとほぼ同時に次のサブフィールドにおける1行目の電圧印加を開始するように図示したが、本実施形態はこれに限らず、m行目における電圧印加の終了から次の1行目における電圧印加の開始まで時間を持たせてもよいことは勿論である。
【0130】
このように、本実施形態では、オフ電圧印加期間fxを設けることにより、あるサブフィールドから次のサブフィールドに移行するとき、Vonの電圧値の切換えを、先のサブフィールドにおける各画素への電圧印加が終了してから行うことができ、サブフィールド毎に階調データに対応した電圧を各画素に印加することができる。
【0131】
しかも、オフ電圧印加期間fxを設けずに各行毎に電圧値を切換える場合、各行毎に制御する電圧切換回路160を必要としていた。しかし、本実施形態では、電圧Vonの電圧値が切換わるとき、サブフィールド間にオフ電圧印加期間fxを設けるようにしたから、電圧切換回路160による電圧値の切換えは、m行目)の各画素にデータ信号が書込まれてから切換えることができ、各行毎に電圧値を切換えるような切換回路およびその制御は必要なく、電圧Vonの電圧値切換えを、1個の電圧切換回路160によって簡単に行うことができる。
【0132】
<実施形態の効果>
このような実施形態に係る電気光学装置によれば、1フィールド(1f)を、4個のサブフィールドSf0〜Sf3に分割し、各サブフィールド毎に、画素をオンする電圧Vonの電圧値をVa,Vb,Vcの3値によって重み付けを行って、1フィールドにおける電圧実効値を設定している。これにより、データ線114に供給されるデータ信号d1〜dnは、ディジタル信号であるため、駆動回路などの周辺回路においては、高精度のD/A変換回路やオペアンプなどのような、アナログ信号を処理するための回路は不要となる。このため、回路構成が大幅に簡略化されるので、装置全体のコストを低く抑えることが可能となる。
【0133】
また、データ線114に各々供給されるデータ信号d1〜dnはディジタル信号であるため、素子特性や配線抵抗などの不均一性に起因する表示ムラが原理的に発生しない。このため、本実施形態に係る電気光学装置によれば、高品位かつ高精細な階調表示が可能となる。
【0134】
さらに、2値信号Dsは、1フィールドを4個のサブフィールドSf0〜Sf3に分割し、4ビットの階調データD0〜D3に基づいてサブフィールドSf0〜Sf3の電圧値をV0、Va,Vb,Vcによって重み付けを行うようにしている。このため、サブフィードSf0〜Sf3のうち、比較的時間の短いサブフィールドにおいても書込時間を十分に確保することができ、各画素110にデータ信号を確実に書込むことができ、当該電気光学装置による階調表示を高精度に行うことができる。
【0135】
また、本実施形態では、電圧Vonの電圧値を切換えるとき、サブフィールド間にオフ電圧印加期間fxを設け、先のサブフィールドにおける各画素への電圧印加を終了して電圧値の切換えを行うようにしたから、各サブフィールドにおける階調データに対応した各画素への電圧印加を正確に行って、階調データに対応した階調表示を行うことができる。
【0136】
しかも、Vonの電圧値の切換えを、最終段の電圧印加を終了してから行うことにより、1個の電圧切換回路160によって電圧値の切換えを容易に行うことができる。
【0137】
さらに、本実施形態によれば、メモリ内蔵型の画素を採用しているため、画素電極に対する印加電圧がリークによって揮発するといった事態が生じず、サブフィールド単位での各画素の駆動を高精度で実施することができる。
【0138】
なお、上述した実施形態にあっては、交流化駆動信号LCOMを1フィールドの周期でレベル反転することとしたが、本発明は、これに限られず、例えば、2フィールド以上の周期でレベル反転する構成としても良い。ただし、上述した実施形態において、データ変換回路300は、スタートパルスDYをカウントすると共に、当該カウント結果を交流化駆動信号LCOMの遷移によってリセットすることで、現状のサブフィールドを認識する構成としたので、交流化駆動信号LCOMを2フィールドの周期でレベル反転する場合には、フィールドを規定するために何らかの信号を与える必要が生じる。
【0139】
<応用形態>
上述した実施形態では、16階調表示としたが、例えば、8階調表示、32階調表示、さらには、64、128、256、512、…の階調表示に対応させることも可能である。
【0140】
<液晶装置の全体構成>
次に、上述した実施形態や応用形態に係る電気光学装置の構造について、図14および図15を参照して説明する。ここで、図14は、電気光学装置100の構成を示す平面図であり、図15は、図14におけるA−A’線の断面図である。
【0141】
これらの図に示されるように、電気光学装置100は、画素電極118などが形成された素子基板101と、対向電極108などが形成された対向基板102とが、互いにシール材104によって一定の間隙を保って貼り合わせられると共に、この間隙に電気光学材料としての液晶105が挟持された構造となっている。なお、実際には、シール材104には切欠部分があって、ここを介して液晶105が封入された後、封止材により封止されるが、各図においては省略されている。
【0142】
ここで、素子基板101は、上述したように半導体基板であるため不透明である。このため、画素電極118は、アルミニウムなどの反射性金属から形成されて、電気光学装置100は、反射型として用いられることになる。これに対して、対向基板102は、ガラスなどから構成されるので透明である。
【0143】
さて、素子基板101において、シール材104の内側かつ表示領域101aの外側領域には、遮光膜106が設けられている。この遮光膜106が形成される領域内のうち、領域130aには走査線駆動回路130が形成され、また、領域140aにはデータ線駆動回路140が形成されている。即ち、遮光膜106は、この領域に形成される駆動回路に光が入射するのを防止している。この遮光膜106には、対向電極108と共に、交流化駆動信号LCOMが印加される構成となっている。このため、遮光膜106が形成された領域では、液晶層への印加電圧がほぼゼロとなるので、画素電極118の電圧無印加状態と同じ表示状態となる。
【0144】
また、素子基板101において、データ線駆動回路140が形成される領域140a外側であって、シール材104を隔てた領域107には、複数の接続端子が形成されて、外部からの制御信号や電源などを入力する構成となっている。
【0145】
一方、対向基板102の対向電極108は、基板貼合部分における4隅のうち、少なくとも1箇所において設けられた導通材(図示省略)によって、素子基板101における遮光膜106および接続端子と電気的な導通が図られている。即ち、交流化駆動信号LCOMは、素子基板101に設けられた接続端子を介して、遮光膜106に、さらに、導通材を介して対向電極108に、それぞれ印加される構成となっている。
【0146】
ほかに、対向基板102には、電気光学装置100の用途に応じて、例えば、直視型であれば、第1に、ストライプ状や、モザイク状、トライアングル状等に配列したカラーフィルタが設けられ、第2に、例えば、金属材料や樹脂などからなる遮光膜(ブラックマトリクス)が設けられる。なお、色光変調の用途の場合には、例えば、後述するプロジェクタのライトバルブとして用いる場合には、カラーフィルタは形成されない。また、直視型の場合、電気光学装置100に光を対向基板102側から照射するフロントライトが必要に応じて設けられる。くわえて、素子基板101および対向基板102の電極形成面には、それぞれ所定の方向にラビング処理された配向膜(図示省略)などが設けられて、電圧無印加状態における液晶分子の配向方向を規定する一方、対向基板102側には、配向方向に応じた偏光子(図示省略)が設けられる。ただし、液晶105として、高分子中に微小粒として分散させた高分子分散型液晶を用いれば、前述の配向膜や偏光子などが不要となる結果、光利用効率が高まるので、高輝度化や低消費電力化などの点において有利である。
【0147】
<その他>
また、実施形態においては、電気光学装置を構成する素子基板101を半導体基板とし、ここに、画素電極118に接続されるトランジスタ116や、駆動回路の構成素子などを、MOS型FETで形成したが、本発明は、これに限られない。例えば、素子基板101を、ガラスや石英などの非晶質基板とし、ここに半導体薄膜を堆積してTFTを形成する構成としても良い。このようにTFTを用いると、素子基板101として透明基板を用いることができる。
【0148】
さらに、電気光学材料としては、液晶のほかに、エレクトロルミネッセンス素子などを用いて、その電気光学効果により表示を行う装置に適用可能である。即ち、本発明は、上述した構成と類似の構成を有する電気光学装置、特に、オンまたはオフの2値的な表示を行う画素を用いて、階調表示を行う電気光学装置のすべてに適用可能である。
【0149】
<電子機器>
次に、上述した液晶装置を具体的な電子機器に用いた例のいくつかについて説明する。
【0150】
<その1:プロジェクタ>
まず、実施形態に係る電気光学装置をライトバルブとして用いたプロジェクタについて説明する。図16は、このプロジェクタの構成を示す平面図である。この図に示されるように、プロジェクタ1100内部には、偏光照明装置1110がシステム光軸PLに沿って配置している。この偏光照明装置1110において、ランプ1112からの出射光は、リフレクタ1114による反射で略平行な光束となって、第1のインテグレータレンズ1120に入射する。これにより、ランプ1112からの出射光は、複数の中間光束に分割される。この分割された中間光束は、第2のインテグレータレンズを光入射側に有する偏光変換素子1130によって、偏光方向がほぼ揃った一種類の偏光光束(s偏光光束)に変換されて、偏光照明装置1110から出射されることとなる。
【0151】
さて、偏光照明装置1110から出射されたs偏光光束は、偏光ビームスプリッタ1140のs偏光光束反射面1141によって反射される。この反射光束のうち、青色光(B)の光束がダイクロイックミラー1151の青色光反射層にて反射され、反射型の電気光学装置100Bによって変調される。また、ダイクロイックミラー1151の青色光反射層を透過した光束のうち、赤色光(R)の光束は、ダイクロイックミラー1152の赤色光反射層にて反射され、反射型の液電気光学装置100Rによって変調される。一方、ダイクロイックミラー1151の青色光反射層を透過した光束のうち、緑色光(G)の光束は、ダイクロイックミラー1152の赤色光反射層を透過して、反射型の電気光学装置100Gによって変調される。
【0152】
このようにして、電気光学装置100R、100G、100Bによってそれぞれ色光変調された赤色、緑色、青色の光は、ダイクロイックミラー1152、1151、偏光ビームスプリッタ1140によって順次合成された後、投写光学系1160によって、スクリーン1170に投写されることとなる。なお、電気光学装置100R、100Bおよび100Gには、ダイクロイックミラー1151、1152によって、R、G、Bの各原色に対応する光束が入射するので、カラーフィルタは必要ない。
【0153】
<その2:モバイル型コンピュータ>
次に、上記電気光学装置を、モバイル型のパーソナルコンピュータに適用した例について説明する。図17は、このパーソナルコンピュータの構成を示す斜視図である。図において、コンピュータ1200は、キーボード1202を備えた本体部1204と、表示ユニット1206とから構成されている。この表示ユニット1206は、先に述べた電気光学装置100の前面にフロントライトを付加することにより構成されている。
【0154】
なお、この構成では、電気光学装置100を反射直視型として用いることになるので、画素電極118において、反射光が様々な方向に散乱するように、凹凸が形成される構成が望ましい。
【0155】
<その3:携帯電話>
さらに、上記電気光学装置を、携帯電話に適用した例について説明する。図18は、この携帯電話の構成を示す斜視図である。図において、携帯電話1300は、複数の操作ボタン1302のほか、受話口1304、送話口1306と共に、電気光学装置100を備えるものである。この電気光学装置100にも、必要に応じてその前面にフロントライトが設けられる。また、この構成でも、電気光学装置100が反射直視型として用いられることになるので、画素電極118に凹凸が形成される構成が望ましい。
【0156】
なお、電子機器としては、図16〜図18を参照して説明した他にも、液晶テレビや、ビューファインダ型、モニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルを備えた機器等などが挙げられる。そして、これらの各種電子機器に対して、実施形態や応用形態に係る電気光学装置が適用可能なのは言うまでもない。
【0157】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、データ線に印加されるデータ信号がディジタル化されて、高品位な階調表示が可能となる。
【0158】
また、画素をオンにする電圧の電圧値を2種類以上備え、画素の階調レベルに応じて、前記サブフィールド毎に電圧値による重み付けをしているから、例えば階調表示を64階調にした場合でも、サブフィールドの期間を比較的長くすることができ、データ信号による画素への書込みを確実に行うことができる。
【0159】
さらに、画素をオンする電圧の電圧値を切換えるとき、先のサブフィールドにおける各画素への電圧印加を終了してから行うことにより、各サブフィールドにおける階調データに対応した電圧を各画素に印加でき、階調データに対応した表示を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態に係る電気光学装置の電気的な構成を示すブロック図である。
【図2】 同電気光学装置の画素の一態様を示すブロック図である。
【図3】 同電気光学装置における走査線駆動回路の構成を示すブロック図である。
【図4】 同電気光学装置におけるデータ線駆動回路の構成を示すブロック図である。
【図5】 同電気光学装置における電圧切換回路の構成を示すブロック図である。
【図6】 同電気光学装置における電圧−透過率特性を示す説明図である。
【図7】 同電気光学装置におけるデータ変換回路の構成を示すブロック図である。
【図8】 (a)および(b)は、それぞれ同電気光学装置におけるデータ変換回路の階調データの変換内容を示すテーブルである。
【図9】 同電気光学装置の動作を示すタイミングチャートである。
【図10】 同電気光学装置において対向基板に印加される電圧、および画素電極に印加される電圧を、フィールド単位で示すタイミングチャートである。
【図11】 オフ電圧印加期間を設けない場合において、各行毎の各画素電極に印加される電圧を示すタイミングチャートである。
【図12】 オフ電圧印加期間を設けた場合において、走査線駆動回路の動作と、各行毎の各画素電極に印加される電圧とをサブフィールド単位で示すタイミングチャートである。
【図13】 オフ電圧印加期間を設けた場合において、データ線駆動かいろの動作と、各行毎の各画素電極に印加される電圧とをサブフィールド単位で示すタイミングチャートである。
【図14】 同電気光学装置の構造を示す平面図である。
【図15】 同電気光学装置の構造を示す断面図である。
【図16】 同電気光学装置を適用した電子機器の一例たるプロジェクタの構成を示す断面図である。
【図17】 同電気光学装置を適用した電子機器の一例たるパーソナルコンピュータの構成を示す斜視図である。
【図18】 同電気光学装置を適用した電子機器の一例たる携帯電話の構成を示す斜視図である。
【符号の説明】
100……電気光学装置
101……素子基板
101a……表示領域
102……対向基板
105……液晶(電気光学材料)
108……対向電極
112……走査線
114……データ線
116……トランジスタ
118……画素電極
119……蓄積容量
130……走査線駆動回路
131……Yシフトレジスタ
132……オアゲート
140……データ線駆動回路
150……データ信号切換回路
1410……Xシフトレジスタ
1420……第1のラッチ回路
1430……第2のラッチ回路
160……電圧切換回路
200……タイミング信号生成回路
300……データ変換回路
400……クロック信号供給制御回路

Claims (6)

  1. フィールド毎に1画面分の各画素の階調データを受け取り、当該階調データに基づいて各画素を駆動する電気光学装置の駆動方法であって、
    1フィールドを複数のサブフィールドに分け、当該サブフィールド単位で各画素をオン状態にする電圧または各画素をオフ状態にする電圧を各画素に印加し、
    前記画素をオン状態にする電圧値を2種類以上備え、
    前記サブフィールドを移行するときの前記電圧値の切換えは、先のサブフィールドにおける各画素への電圧印加が終了してから行い、
    前記先のサブフィールドから次のサブフィールドへの移行に伴って前記画素をオン状態にする電圧が切換わる場合、前記先のサブフィールドにおける電圧印加の終了から前記次のサブフィールドにおける電圧印加の開始までの間、前記画素をオフ状態にする電圧を各画素に印加する
    ことを特徴とする電気光学装置の駆動方法。
  2. フィールド毎に1画面分の各画素の階調データを受け取り、当該階調データに基づいて、複数のデータ線と複数の走査線との各交差に対応して設けられた各画素を駆動する電気光学装置の駆動回路であって、
    1フィールドを分割した複数のサブフィールドの各々において、各画素をオン状態にする電圧またはオフ状態にする電圧の印加を指示する2値信号を階調データに基づいて生成するデータ変換回路と、
    前記各サブフィールド毎に、データ線から画素への電圧印加を可能にする走査信号を前記走査線の各々に順次供給する走査線駆動回路と、
    前記走査信号が前記走査線に供給される間、前記データ変換回路によって生成される2値信号に基づいて前記画素をオン状態にする電圧またはオフ状態にする電圧を印加するためのデータ信号を前記データ線に供給するデータ線駆動回路と、
    前記画素をオン状態にする電圧を切換える電圧切換回路と、
    前記サブフィールドを移行するときに前記電圧切換回路によって電圧を切換える場合、前記各走査線において先のサブフィールドにおける走査線上の各画素への電圧印加が終了してから次のサブフィールドにおける走査信号が走査線に供給されるまでの間、前記画素をオフ状態にする電圧を印加するためのデータ信号を前記複数のデータ線に強制的に与えるデータ信号切換回路と、
    を具備したことを特徴とする電気光学装置の駆動回路。
  3. 複数の走査線と複数のデータ線との各交差に対応して設けられた複数の画素を有する電気光学装置であって、
    1フィールドを分割した複数のサブフィールドの各々において、各画素をオン状態にする電圧またはオフ状態にする電圧の印加を指示する2値信号を階調データに基づいて生成するデータ変換回路と、
    前記各サブフィールド毎に、データ線から画素への電圧印加を可能にする走査信号を前記走査線の各々に順次供給する走査線駆動回路と、
    前記走査信号が前記走査線に供給される間、前記データ変換回路によって生成される2値信号に基づいて前記画素をオン状態にする電圧またはオフ状態にする電圧を印加するためのデータ信号を前記データ線に供給するデータ線駆動回路と、
    前記画素をオン状態にする電圧を切換える電圧切換回路と、
    前記サブフィールドを移行するときに前記電圧切換回路によって電圧を切換える場合、前記各走査線において先のサブフィールドにおける走査線上の各画素への電圧印加が終了してから次のサブフィールドにおける走査信号が走査線に供給されるまでの間、前記画素をオフ状態にする電圧を印加するためのデータ信号を前記複数のデータ線に強制的に与えるデータ信号切換回路と、
    を具備したことを特徴とする電気光学装置。
  4. 前記画素は、
    画素電極と、
    前記画素電極に対向した対向電極と、
    前記画素電極および対向電極間に挟持された電気光学材料と、
    前記走査線を介して走査信号が与えられることにより前記データ線を介して供給されるデータ信号を記憶するメモリと、
    前記メモリに記憶されたデータ信号に従って、前記画素をオン状態にする電圧またはオフ状態にする電圧の一方を選択して前記画素電極に印加する選択回路と、
    を具備することを特徴とする請求項3記載の電気光学装置。
  5. 前記対向電極に印加されるレベルに応じて、前記2値信号をレベル反転することを特徴とする請求項3記載の電気光学装置。
  6. 請求項3乃至5のいずれか1項に記載の電気光学装置を表示装置として備えることを特徴とする電子機器。
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