JP3800650B2 - プラズマディスプレイパネルの製造方法 - Google Patents
プラズマディスプレイパネルの製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3800650B2 JP3800650B2 JP32247295A JP32247295A JP3800650B2 JP 3800650 B2 JP3800650 B2 JP 3800650B2 JP 32247295 A JP32247295 A JP 32247295A JP 32247295 A JP32247295 A JP 32247295A JP 3800650 B2 JP3800650 B2 JP 3800650B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- forming
- anode
- layer
- photosensitive
- insulating substrate
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Gas-Filled Discharge Tubes (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、マトリックス状に配列された多数のストライプ状電極の各立体交差部にドット状の放電領域を設定し、各放電領域に設けた蛍光体を当該放電領域で生じた紫外光によって励起発光させるプラズマディスプレイパネル(以下、PDPと言う)の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
カラーPDPの原理的構成は、周知のように一対の電気絶縁基板、すなわち表示側の絶縁基板と背面側の絶縁基板とを、ヘリウムに微量のキセノンを含む混合ガス等がその間に存在し得る放電空間が形成されるように対向配置し、各絶縁基板の放電ガス空間側の面上、すなわち各基板の対向面にはそれぞれ縞状の電極群を、両方の電極群によって格子が形成されるように配列し、電極群の各交差部が各画素に対応し、その対応する放電ガス空間を隔壁によって区画し、その内部に蛍光体膜を備えた構成となっている。
【0003】
実際的なAC型PDPの構造の一例を図1、図2に示す。図1は構造断面図であり、図2は構成の概要を示す斜視図である。第1の絶縁基板であるガラス板製の前面基板11の内面上には、一方向に配列した複数の導電性ストライプ状電極である第1電極12と、その上の誘電体層13と、さらにその上の電子を放出し易くするための酸化マグネシウム層14とが配設されている。また、第2の絶縁基板であるガラス板製の背面基板15の内面上には、導電性ストライプ状の複数の第2電極16が、第1電極12と交差する方向に並列して配設されている。第1電極12と第2電極16とは誘電体製の隔壁17をスペーサとして隔離されていて、互いに複数の第1電極12と第2電極16との各立体交差部に、ドット状の放電領域18が設定されている。この放電領域18内にはキセノンを含む放電ガスが封入されている。第2電極16の上にはカラー表示のための蛍光体層19がストライプ状に配設されている。隔壁17は誘電体から形成されているので、電気に対する絶縁体であり、幅80〜120μm、厚さ100〜200μmに仕上げられている。放電ガスはキセノンおよびヘリウムを含む2元系または3元系混合ガス、またはキセノン単独ガスであり、封入ガス圧はガス組成に応じて10〜500Torrの範囲で調節されている。
【0004】
図1、2に示した構造のPDPは、従来以下のようにして作成されていた。すなわち、前面基板11上の第1電極12は、従来は厚膜回路に使用される銀インキをスクリーン印刷法で所望のパターンに形成し、これを焼成して形成していた。しかし、最近の高精細PDPにおいては、スクリーン印刷では印刷位置精度が不足するため、フォトリソグラフィの技術(以下、フォトリソ法と略す)を用いている。すなわち、スパッタリング等の真空成膜法でクロム−銅−クロムの3層構成の膜を全面に形成し、その上にフォトレジストを塗布し、所望のパターンを有するフォトマスクを通して露光し、現像し、その後エッチングすると言うフォトリソ法を用いて、3層構成の膜をパターニングして、所望のパターンを形成している。このフォトリソ法は、位置精度やパターン形状の点では優れているが、工程が長く生産コストが高いと言う欠点がある。誘電体層13は、厚膜回路に使用されるインキをスクリーン印刷で全面に印刷し、これを焼成して得ている。さらに、その上の酸化マグネシウム層14は、電子ビーム蒸着法で形成している。スパッタリングや電子ビーム蒸着と言った真空成膜法は、生産コストが高いこと、大型化にはさらに高価な装置が必要である上に、面内の均一性が低下すると言った問題点があった。背面基板15上の第2電極16は、第1電極12と同様な構成であり、同様にして形成されている。蛍光体層19は、スクリーン印刷法で形成している。隔壁17は、真空成膜法では実現できない厚さが必要であるので、スクリーン印刷を繰り返し行い、誘電体ペーストを積み上げて厚さ100〜200μmに仕上げ、その後焼成して得ている。この場合の問題点は、スクリーン印刷を繰り返し行う際に、印刷毎に乾燥工程が必要であって生産性が非常に低いことと、フォトリソ法で作成した電極部との位置の整合が難しいことであった。現在のPDPでも±30μm程度以下の位置精度が必要であり、スクリーン印刷の限界であった。さらに高精細にすることは非常に困難である。前面基板11と背面基板15それぞれに必要な加工が終了すると、両者を重ね合わせて周囲を封止し、放電用の混合ガスの封入等を行ない、PDPを組立てていた。
【0005】
次に、実際的なDC型PDPの構造の一例を図3、図4に示す。図3は構造断面図であり、図4は構成の概要を示す斜視図である。第1絶縁基板であるガラス板製の前面基板31の内面上に一方向に配列した複数のストライプ状の電極である陰極32が配設されている。また、第2絶縁基板であるガラス板製の背面基板33の内面上には複数のストライプ状の陽極母線34と補助陽極母線35とが、それぞれ陰極32と交差する方向に並列して配設されている。陽極母線34と補助陽極母線35は抵抗体36を通してそれぞれ陽極37、補助陽極38と電気的に接続している。陽極母線34、補助陽極母線35、抵抗体36はその上にほぼ全面にわたって存在する誘電体層39で被覆されている。陰極32と陽極37とは誘電体製の隔壁40をスペーサとして隔離されている。表示部は、隔壁40によって周囲から隔離された小部屋構造であり、各小部屋の内表面に蛍光体層41が形成されている。ただし、陽極37は放電空間42に露出する必要があるので、誘電体層39および蛍光体層41には、それを設けるための抵抗体36に達するスルーホールが形成されている。同様に、補助陽極38も放電空間42に露出する必要があるので、誘電体層39にはそれを設けるための抵抗体36に達するスルーホールが形成されている。
【0006】
図3、4に示した構造のPDPは、従来以下のようにして作成されていた。前面基板31上の陰極32は、透明導電体であるITOや、アルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)から形成され、そのペーストをスクリーン印刷し、これを焼成して形成する。次に、背面基板33上の陽極母線34と補助陽極母線35は、銀ペーストを同様にスクリーン印刷し、焼成して形成する。その後、抵抗体36は、酸化ルテニウム(RuO2)のペーストを同様にスクリーン印刷して焼成し形成する。抵抗体36は、抵抗値の要求精度が厳しいため、スクリーン印刷で形成することはかなり難しく、歩留り低下の一因であったが、他に適当な方法がない。次に、ほぼ全面を覆う誘電体層39も同様にスクリーン印刷によって形成するが、スルーホールの形状を一定にするためと、位置精度を仕様値内に維持するためには、高度のスクリーン印刷技術が要求される。なお、この誘電体層39も焼成する。次に、陽極37と補助陽極38はニッケルペースト等を、蛍光体層41はガラスフリットを含まない蛍光体ペーストを、それぞれスクリーン印刷によって形成する。続いて、隔壁40をスクリーン印刷により形成する。隔壁形成に使用するペーストの種類や印刷方法は、AC型PDPの場合と殆ど同じである。しかし、図4に見られるように、隔壁40の一部に切り欠き部40Aがあるため、隔壁40の重ね刷り印刷を行う際には、工程の途中で、スクリーンの版を別の物に交換しなければならない。この時、印刷位置がずれて、その下の層とうまく重ならないと言う問題が度々生じていた。隔壁40の印刷形成後に焼成して、背面基板33上の加工が終了する。このように、DC型PDPの作成には、殆どの工程でスクリーン印刷法が使用され、最近になって高精細の場合にやむを得ずフォトリソ法が使用されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従来のPDPの製造においては、上述のように絶縁基板上にスクリーン印刷を繰り返して前述のドット状の放電領域を画定するための幅が100μm程度、厚さ100〜200μmの格子状あるいはストライプ状インキパターンを形成し、それを焼成して隔壁を形成したり、あるいは同じくスクリーン印刷によって銀やニッケルや酸化ルテニウムや蛍光体を主成分とするペーストをパターン印刷し、それを焼成して、所望の要素を形成していた。また、精度等の必要性から一部フォトリソ法が使用されていた。
【0008】
このように従来技術では主にスクリーン印刷を用いて電極、隔壁等を形成するので、PDPが例えばハイビジョンテレビ仕様のように高細度になり、ドットピッチや線巾が小さくなると、製造に限界があった。例えば、以前は隔壁の巾は100μm程度であったが、現在は50μm以下が要求されている。スクリーン印刷の限界は巾80μm程度である。また、その場合に膜厚均一の要求精度も非常に高くなり、スクリーン印刷では対応が困難であった。従って従来技術では、高細度のPDPを作製することが難しかった。また、DC放電型では、抵抗値のばらつきが±5%程度以内の抵抗体を各画素内に少なくとも一つ形成すること、およびその抵抗体、またはその上に形成した電極が、蛍光体層のスルーホール部を通じて、放電空間に露出している必要があるが、抵抗体の抵抗値を±5%程度に納めて形成することがスクリーン印刷では非常に困難であった。また、隔壁の形成は同一の版を使用して印刷−乾燥工程を繰り返さざるを得ず、生産効率が低い上に、高精細PDPでは線巾と印刷位置精度が共に限界を越える状態になっている。一方、フォトリソ法は装置が高価である上、生産性が低く、プラズマディスプレイ装置が高価になってしまっていた。
【0009】
本発明は、上記の製造上の技術的な難点を解消し、高細度のPDPを歩留り良く、安価に製造することができる方法を提供すると共に、製造精度を良くすることによって、動作が安定性したPDPを容易に製造し、安価なPDPを提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
そのため、本発明は、第1絶縁基板の表面に一方向に並列する複数の第1電極を形成する工程と、前記第1電極を覆う誘電体層を形成する工程と、前記誘電体層を覆う電子放出特性改善層を形成する工程と、前記電子放出特性改善層の側に併設する第2絶縁基板の前記第1絶縁基板側表面に前記一方向と交差する方向に並列する複数の第2電極を形成する工程と、前記第1電極と前記第2電極とが対向している複数の画素領域に区画する隔壁を形成する工程と、前記画素領域に蛍光体を配設する工程とを有し、それらの工程の少なくとも1工程が、支持フィルムと、この支持フィルムの上に順次積層された接着剤層、乾燥ペーストフィルム層、感光性接着剤層、保護フィルム層からなる感光性剥離現像型乾燥ペーストフィルムの露光とそれに続く剥離現像によって行われることを特徴とするプラズマディスプレイパネルの製造方法を提供する。
【0011】
また、もう一つの発明は、第1絶縁基板の表面に一方向に並列する複数の陰極を形成する工程と、前記陰極の側に併設する第2絶縁基板の前記第1絶縁基板側表面に前記一方向と交差する方向に並列する複数の陽極母線および補助陽極母線を形成する工程と、前記陽極母線に接続する抵抗体と前記補助陽極母線に接続する抵抗体とを形成する工程と、それぞれの抵抗体を介して前記陽極母線に接続する陽極と前記補助陽極母線に接続する補助陽極とを形成する工程と、前記陽極および前記補助陽極をそれぞれの開口部に収納する誘電体層を形成する工程と、前記陰極と前記陽極とが対向している複数の画素領域に区画する隔壁を設ける工程と、前記陽極を収納する開口部を備えた蛍光体を前記画素領域に配設する工程とを有し、それらの工程のうち少なくとも1工程が、支持フィルムと、この支持フィルムの上に順次積層された接着剤層、乾燥ペーストフィルム層、感光性接着剤層、保護フィルム層からなる感光性剥離現像型乾燥ペーストフィルムの露光とそれに続く剥離現像によって行われることを特徴とするプラズマディスプレイパネルの製造方法である。
【0012】
また、もう一つの発明は、第1絶縁基板の表面に一方向に並列する複数の第1電極を形成する工程と、前記第1電極を覆う誘電体層を形成する工程と、前記誘電体層を覆う電子放出特性改善層を形成する工程と、前記電子放出特性改善層の側に併設する第2絶縁基板の前記第1絶縁基板側表面に前記一方向と交差する方向に並列する複数の第2電極を形成する工程と、前記第1電極と前記第2電極とが対向している複数の画素領域に区画する隔壁を形成する工程と、前記画素領域に蛍光体を配設する工程とを有し、それらの工程の少なくとも1工程が、支持フィルムと、この支持フィルムの上に順次積層された感光性接着剤層、乾燥ペーストフィルム層、接着剤層、保護フィルム層からなる感光性剥離現像型乾燥ペーストフィルムの露光とそれに続く剥離現像によって行われることを特徴とするプラズマディスプレイパネルの製造方法である。
【0013】
また、もう一つの発明は、第1絶縁基板の表面に一方向に並列する複数の陰極を形成す る工程と、前記陰極の側に併設する第2絶縁基板の前記第1絶縁基板側表面に前記一方向と交差する方向に並列する複数の陽極母線および補助陽極母線を形成する工程と、前記陽極母線に接続する抵抗体と前記補助陽極母線に接続する抵抗体とを形成する工程と、それぞれの抵抗体を介して前記陽極母線に接続する陽極と前記補助陽極母線に接続する補助陽極とを形成する工程と、前記陽極および前記補助陽極をそれぞれの開口部に収納する誘電体層を形成する工程と、前記陰極と前記陽極とが対向している複数の画素領域に区画する隔壁を設ける工程と、前記陽極を収納する開口部を備えた蛍光体を前記画素領域に配設する工程とを有し、それらの工程のうち少なくとも1工程が、支持フィルムと、この支持フィルムの上に順次積層された感光性接着剤層、乾燥ペーストフィルム層、接着剤層、保護フィルム層からなる感光性剥離現像型乾燥ペーストフィルムの露光とそれに続く剥離現像によって行われることを特徴とするプラズマディスプレイパネルの製造方法である。
【0014】
また、もう一つの発明は、第1絶縁基板の表面に一方向に並列する複数の第1電極を形成する工程と、前記第1電極を覆う誘電体層を形成する工程と、前記誘電体層を覆う電子放出特性改善層を形成する工程と、前記電子放出特性改善層の側に併設する第2絶縁基板の前記第1絶縁基板側表面に前記一方向と交差する方向に並列する複数の第2電極を形成する工程と、前記第1電極と前記第2電極とが対向している複数の画素領域に区画する隔壁を形成する工程と、前記画素領域に蛍光体を配設する工程とを有し、それらの工程の少なくとも1工程が、支持フィルムと、この支持フィルムの上に順次積層された感光性接着剤層、乾燥ペーストフィルム層、保護フィルム層からなる感光性剥離現像型乾燥ペーストフィルムの露光とそれに続く剥離現像によって行われることを特徴とするプラズマディスプレイパネルの製造方法である。
【0015】
また、もう一つの発明は、第1絶縁基板の表面に一方向に並列する複数の陰極を形成する工程と、前記陰極の側に併設する第2絶縁基板の前記第1絶縁基板側表面に前記一方向と交差する方向に並列する複数の陽極母線および補助陽極母線を形成する工程と、前記陽極母線に接続する抵抗体と前記補助陽極母線に接続する抵抗体とを形成する工程と、それぞれの抵抗体を介して前記陽極母線に接続する陽極と前記補助陽極母線に接続する補助陽極とを形成する工程と、前記陽極および前記補助陽極をそれぞれの開口部に収納する誘電体層を形成する工程と、前記陰極と前記陽極とが対向している複数の画素領域に区画する隔壁を設ける工程と、前記陽極を収納する開口部を備えた蛍光体を前記画素領域に配設する工程とを有し、それらの工程のうち少なくとも1工程が、支持フィルムと、この支持フィルムの上に順次積層された感光性接着剤層、乾燥ペーストフィルム層、保護フィルム層からなる感光性剥離現像型乾燥ペーストフィルムの露光とそれに続く剥離現像によって行われることを特徴とするプラズマディスプレイパネルの製造方法である。
【0016】
また、もう一つの発明は、第1絶縁基板の表面に一方向に並列する複数の第1電極を形成する工程と、前記第1電極を覆う誘電体層を形成する工程と、前記誘電体層を覆う電子放出特性改善層を形成する工程と、前記電子放出特性改善層の側に併設する第2絶縁基板の前記第1絶縁基板側表面に前記一方向と交差する方向に並列する複数の第2電極を形成する工程と、前記第1電極と前記第2電極とが対向している複数の画素領域に区画する隔壁を形成する工程と、前記画素領域に蛍光体を配設する工程とを有し、それらの工程の少なくとも1工程が、支持フィルムと、この支持フィルムの上に積層された第1の感光性接着剤層、乾燥ペーストフィルム層、第2の感光性接着剤層、保護フィルム層からなり、且つ、前記第1の感光性接着剤層と前記第2の感光性接着剤層の露光時の接着力の変化が反対方向である感光性剥離現像型乾燥ペーストフィルムの露光とそれに続く剥離現像によって行われることを特徴とするプラズマディスプレイパネルの製造方法である。
【0017】
また、もう一つの発明は、第1絶縁基板の表面に一方向に並列する複数の陰極を形成する工程と、前記陰極の側に併設する第2絶縁基板の前記第1絶縁基板側表面に前記一方向 と交差する方向に並列する複数の陽極母線および補助陽極母線を形成する工程と、前記陽極母線に接続する抵抗体と前記補助陽極母線に接続する抵抗体とを形成する工程と、それぞれの抵抗体を介して前記陽極母線に接続する陽極と前記補助陽極母線に接続する補助陽極とを形成する工程と、前記陽極および前記補助陽極をそれぞれの開口部に収納する誘電体層を形成する工程と、前記陰極と前記陽極とが対向している複数の画素領域に区画する隔壁を設ける工程と、前記陽極を収納する開口部を備えた蛍光体を前記画素領域に配設する工程とを有し、それらの工程のうち少なくとも1工程が、支持フィルムと、この支持フィルムの上に積層された第1の感光性接着剤層、乾燥ペーストフィルム層、第2の感光性接着剤層、保護フィルム層からなり、且つ、前記第1の感光性接着剤層と前記第2の感光性接着剤層の露光時の接着力の変化が反対方向である感光性剥離現像型乾燥ペーストフィルムの露光とそれに続く剥離現像によって行われることを特徴とするプラズマディスプレイパネルの製造方法である。
【0018】
【発明の実施の形態】
先ず、本発明において感光性剥離現像型乾燥ペーストフィルムと呼ぶものを以下に説明する。その基本構造を図5に示す。支持フィルム51は、例えばポリエチレンテレフタレートフィルムのように露光時の光を透過し、且つ、感光性剥離現像型乾燥ペーストフィルム50を製造する際や剥離現像時の引っ張りに強く、伸びが少なく、また加熱されても引っ張り強度の減少や伸びが少ない素材を使用する。この支持フィルム51の上に、接着剤層52を介して乾燥ペーストフィルム層53を設け、さらにこの上に感光性接着剤層54を積層し、この感光性接着剤層54を保護フィルム55で被覆してある。
【0019】
乾燥ペーストフィルム層53は、基本的にはペーストフィルムから溶剤成分を乾燥除去した乾燥フィルム層である。本発明に使用するペーストは、例えば導電パターンを形成する際に使用するものの場合には、厚膜回路形成等に使用される焼成型導電性ペーストに類似の組成のものを使用する。また、誘電体層や隔壁を形成する際に使用するものでは、同様に厚膜回路の形成等に使用される誘電体層形成用焼成型ペーストに類似の成分のものを使用する。抵抗体層についても同様である。
【0020】
感光性接着剤層54は、紫外線等の光線を照射すると、接着性が変化するものである。例えば、初期に接着性があるものであって、紫外線照射によって、この層内の感光性成分が重合すると、硬化して表面接着性が低下し、場合によっては接着性が全くなくなるものである。また、逆に感光によって接着力が向上するものも使用する。
【0021】
保護フィルム55は、例えばポリエチレンフィルムのように平滑で柔軟性があり、保護機能を有すると共に、この下に設ける感光性接着剤層54との接着性が少なくてこれを傷めることなく剥離できるものである。
【0022】
接着剤層52は、支持フィルム51と乾燥ペーストフィルム層53との接着力Xを調整するためのものである。その接着力Xは、保護フィルム55を剥がしてガラス基板61に貼り合わせる感光性接着剤層54の感光した部分と前記基板との間の接着力Yと、この未感光部分と前記基板との間の接着力Zとの中間の値に設定される。すなわち、
感光によって接着力が向上するY>Z の場合には Y>X>Z
感光によって接着力が低下するZ>Y の場合には Z>X>Y
となるように設定される。
接着力の調整方法は、当業者において周知の方法、例えば重合度の調整、化学組成の調整等によって行うことができる。
【0023】
次に、実際の露光・現像工程の例を、例えば感光によって接着力が低下するタイプの感光性接着剤層54を用いた図5の構造の感光性剥離現像型乾燥ペーストフィルム50について、図6に基づいて述べる。先ず、保護フィルム55を剥がして、感光性接着剤層54を目的のガラス基板61に圧着する(図6(a))。圧着するには通常はロールラミネータを用いる。感光性接着剤層54が接着性を有する場合には、単に密着するだけで良い場合があるが、通常は加熱して接着性を発現させながら密着して貼りつける。次に、所望のパターンを有するフォトマスク62を支持フィルム51に密着して、所定の露光量に達するまで露光する(図6(b))。露光後、支持フィルム51の端から持ち上げ、支持フィルム51をガラス基板61から引き離す。この操作には、ロールを使用することが多い。するとガラス基板61と感光性接着剤層54の間の接着力は、感光性接着剤層54の露光部分54Bでは低下し、未露光部分54Aは高いままであるので、感光性剥離現像型乾燥ペーストフィルム50は図6(c)のように支持フィルム51とガラス基板61の両側に分裂して現像される。場合によっては、所定の温度(例えば、60℃程度)まで加熱して、この剥離現像を行う。加熱する理由は接着力の差を大きくして、剥離現像が確実に行われるようにするためである。加熱する場合は、この現像方法を感熱剥離現像と呼ぶ。ただし、実際には加熱しないで剥離現像する場合でも、構成が感熱剥離現像が可能なものであれば、感熱剥離現像フィルムと呼ぶ。剥離現像後のガラス基板61を焼成して、焼結ペースト63を基板上に残存形成する(図6(d))。
【0024】
次に、図5の構造の感光性剥離現像型乾燥ペーストフィルム50の製法の概略について以下に記す。詳しくは、実施の形態の項で示す。先ず、支持フィルム51の上に接着剤を塗布する。塗布には、ロールコート、カーテンコート、グラビアコート等の塗布方法を接着剤塗料の粘度に合わせて適宜使用する。接着剤の溶剤を乾燥した後、ペーストを塗布する。塗布方法は前記の方法以外にスクリーン印刷法も使用可能である場合がある。ペーストの溶剤を乾燥した後、その上に、感光性接着剤を塗布する。塗布方法は前記に同じである。乾燥後、その上に保護フィルム55を貼着する。
【0025】
次に、感光性剥離現像型乾燥ペーストフィルム50の各構成要素に必要な特性・物性・組成・調整方法を述べる。先ず、支持フィルム51としては、平滑で熱、溶剤等の化学薬品、光等に対して安定であり、同時に露光時の光線を透過する性質を備えている必要がある。また、接着剤層52の形成や剥離現像時の張力によって伸びないだけの抗張力があるものが必要である。さらに、加熱しながら前記処理を行う場合には耐熱性があるものを使用する。実際には、ポリエチエレンテレフタレート、ポリプロピレン、トリアセテート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニール、ポリカーボネート等を使用する。表面にプライマー処理、コロナ放電処理、剥離剤処理等を施して、接着力の調整を行っても良い。厚さは特に限定しないが、取扱の容易さから10〜100μmが好適である。
【0026】
接着剤層52に用いる接着剤としては、焼成時に完全燃焼して炭化物の残渣を残さないものであることが必要であり、アクリル系のものが一般的である。また、アクリル系接着剤は種類や重合度を変えることによって、必要な接着力を広範囲の中から選択することができる。
【0027】
乾燥ペーストフィルム層53は、基本的にはペーストフィルムから溶剤成分を乾燥除去した乾燥フィルム層である。本発明に使用するペーストの一般的成分は、焼成・結着用のガラスフリット、所望の特性を得るための成分の粉末、例えば導電性を得るための銀、金等の粉末、電気抵抗性を得るための酸化ルテニウムの粉末、高誘電性を持たせるためのチタン酸バリウム等の誘電率の高い物質の粉末、電子放出係数を高めるための酸化マグネシウムの粉末、蛍光性を持たせるための蛍光体の粉末等である。さらに、焼成時の収縮を減少するためにアルミナ等の高融点物質を添加したり、着色するために酸化第二クロム(Cr2O3)等の粉末を添加することができる。また、酸化マグネシウムペーストや蛍光体ペーストにはガラスフリットを添加しない場合が多い。
【0028】
これをスクリーン印刷による印刷やコーターによる塗布を可能とするためにペースト化(インキ化)する。そのため、バインダーと呼ばれる樹脂分と溶剤を加え、混練する。焼成用のペーストに使用される樹脂分としては、従来周知の焼成ペースト用バインダーを使用することができる。例えば、エチルセルロースのようなセルロース系樹脂、ポリスチレン、ポリビニルアセテート、ポリビニルブチラール、アクリル系樹脂、メタクリル系樹脂等である。また、これらの混合物も使用される。
【0029】
なお、剥離現像が円滑に行われるためには、乾燥ペーストフィルム層53の凝集力Uは接着力YとZの内の小さな方より大きく、且つ、Xより小さいことが必要である。万一、凝集力が低すぎると剥離現像時に層内で凝集破壊が発生し、現像パターンに欠陥が発生する。凝集力Uの調整は主にバインダーの種類と量で行うが、粉末の粒度・分散度・バインダーとの結合度によっても変化するので、分散剤の添加や粒度・分散度の調整も行う。
【0030】
感光性接着剤層54としては、焼成時に完全燃焼して炭化物等が残存しないことが挙げられる。この条件に適した樹脂の基本成分は、焼成用ペーストでは良く知られている。本発明においては、この樹脂系で感光性と接着性を併有せしめることが可能なものの内から、必要な特性を得ることができるものを選定して使用する。
【0031】
感光性接着剤の内、感光硬化型のものの1例としては、露光時に光重合開始剤と反応する部分を有するアクリル系オリゴマーに光重合開始剤を添加したものを主要成分するものが使用される。例えば、ブチルアクリレートオリゴマー、ヒドロキシメチルアクリレートオリゴマー、メチルアクリレートオリゴマー等がある。目的に応じて、これらを単独に、または混合して使用する。
【0032】
感光性接着剤の内、感光硬化型のものの別例としては、ポリマーの主鎖または側鎖に、1個の炭素−炭素二重結合またはエポキシ基を有する光重合基を有するものを使用することができる。主鎖となるポリマーとしてはアクリル酸エステルを主たる構成単量体単位とする単独重合体および共重合体から選定されたアクリル系重合体、その他の官能基を有する単量体との共重合体の混合物が使用される。例えば、炭素数1〜10のアルキルアルコールのアクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、酢酸ビニルエステル、アクリロニトリル、ビニルエチルエーテルが好適である。上記アクリル系ポリマーは1種単独で、または2種以上を組み合わせて用いる。
【0033】
また、硬度を調整する目的でアクリル系モノマー、アクリル系ポリマー、メタクリル系モノマー、メタクリル系ポリマー、およびそれらの共重合系、また酢酸ビニールポリマー、ビニルピロリドンポリマー、セルロース系樹脂(ニトロセルロース、エチルセルロース、メチルセルロース等)、スチロール系樹脂、エポキシ系樹脂等を添加する。
【0034】
さらに、硬化後の硬度を調整するために、可塑剤を添加することができる。その例としては、フタル酸ジフェニル、フタル酸ジヘキシル、フタル酸ジシクロヘキシル、イソフタル酸ジメチル、安息香酸スクロース、三安息香酸トリメチルエタン、クエン酸トリシクロヘキシル等がある。なお、これらをペースト層に添加することによって、その層の凝集力を調整することができる。
【0035】
光重合性モノマーとしては、2官能、3官能、多官能モノマーがある。2官能モノマーとしては、1,6−ヘキサジオールアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグルコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート等があり、3官能モノマーとしては、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールアクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアネート等がある。多官能モノマーとしては、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ジペンタエリスリトール、ヘキサアクリレート等がある。
光重合性モノマーの添加量は、露光硬化前後の接着力、層内の凝集力が前記の条件を満たすことを第一条件として決定する。通常は、20〜80重量部である。
【0036】
感光性を発現させるための光重合開始剤には、トリアジン系化合物として、2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−クロロフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン等があり、また、イミダゾール系化合物として、2−(2,3−ジクロロフェニル)−4,5−ジフェニル−イミダゾール2量体、2−(2,3−ジクロロフェニル)−4,5−ビス(3−メトキシフェニル)−イミダゾール2量体、2−(2,3−ジクロロフェニル)−4,5−ビス(4−クロロフェニル)−イミダゾール2量体、HB−22(保土ヶ谷化学製)等がある。また、さらにイルガキュア907,651(ベンジルジメチルケタール)、184(チバガイギー社製)やジエチルチオキサンソン(日本化薬製)、ベンゾフェノン等を使用することができる。また、これらを混合して使用することもできる。さらに、光反応を促進するために、例えばアミン系の、光重合開始助剤を使用することもできる。
【0037】
一方、感光性接着剤の内、初期は接着性がなく、紫外線によって感光性成分が分解して、柔軟になって接着性が発現するものの一例としてはフォトタッキングレジスト PTR(登録商標;富士薬品工業製)がある。
【0038】
この、初期に接着性がなく、紫外線照射によって感光性成分が分解して柔軟になり、接着性を発現するタイプのものを使用した場合には、露光・現像後にPDPのガラス基板61側に残るパターンは、露光によって接着性が低下または消滅してしまうものの場合とは逆になる。すなわち、この感光性接着剤層54を、PDPのガラス基板61に接する側に設けた場合は、露光して感熱剥離現像を行うと、露光部54BがPDPのガラス基板61の方に残る。逆に、この感光性接着剤層54を支持フィルム51側に設けた場合に、露光・現像してPDPの基板の側に残るのは、未露光部54Aである。本発明においては、これらのどちらの特性の感光性接着剤も使用する。また、構造としても前記のどちらも必要に応じて適宜使用する。
【0039】
本発明において、感光性剥離現像型乾燥ペーストフィルムとは、前記の、支持フィルム51、接着剤層52、乾燥ペーストフィルム層53、感光性接着剤層54、保護フィルム55を合わせたものを言う。支持フィルム51は剥離現像に必要である。
【0040】
この感光性剥離現像型乾燥ペーストフィルムの他の構造として、図7(A)、(B)に示したものがある。図7(A)においては、支持フィルム51の上に感光性接着剤層54、乾燥ペーストフィルム層53、接着剤層52、保護フィルム55の順に積層されている。この構造では、支持フィルム51側に感光性接着剤層54があり、支持フィルム51側から露光するので、解像力が良いことが特徴である。また、乾燥ペーストフィルム層53が厚くなっても露光時間を長くする必要はなく、また厚くなっても解像力が低下しないことが特徴である。図7(B)は、支持フィルム51の上に第1の感光性接着剤層54a、乾燥ペーストフィルム層53、第2の感光性接着剤層54b、保護フィルム55の順に積層されていて、且つ、第1の感光性接着剤層54aと第2の感光性接着剤層54bにおける露光時の接着力の変化を反対向きにしたものである。すなわち、保護フィルム55側の感光性接着剤層54bが露光によって接着性を失うものの場合には、支持フィルム51側の感光性接着剤層54aは露光によって接着性が発現するのものを使用する。逆に、保護フィルム55側の感光性接着剤層54bが露光によって接着性を発現するものである場合には、支持フィルム51側の感光性接着剤層54aは露光によって、接着性を失うものを使用する。このような構造では構造が複雑になるが、乾燥ペーストフィルム層53の厚さを、そうでない構造のものより厚くしても、剥離現像をすることができるメリットがある。
【0041】
なお、前記の接着性は室温で発現するものだけでなく、室温より高い温度、例えば60℃で発現するものも含まれる。この場合には、基板と貼着する際や剥離現像する際に接着力が発現する温度まで加熱する。さらに、室温で接着力を発現している場合にも、そうでない場合にも、良好な剥離現像が達成できる温度条件を選定して、その温度で剥離現像を行うことが多い。一般的には、その温度とは感光した部分の接着力と未感光部分の接着力の差が最大になる温度である。その意味で、この現像方法を単に剥離現像と呼ばずに、加熱剥離現像と呼ぶことがある。
【0042】
上記本発明のPDPの製造方法によれば、プラズマディスプレイ用の基板の上に形成すべきパターン部が、露光によって基板との相対的接着力が他部分と相違してくるため、剥離現像によって接着力の弱い部分は剥離し、接着力の強い部分が基板上に残る。例えば、感光性剥離現像型乾燥ペーストフィルムが支持フィルムの上に接着剤層、乾燥ペーストフィルム層、感光性接着剤層、保護フィルムの順に積層してなる構造であり、さらに感光性接着剤層が露光によって接着力が低下するものの場合には、基板と感光性接着剤層の感光部との間の接着力Yと、基板と感光性接着剤層の未感光部との間の接着力Zと、支持フィルム−接着剤層−乾燥ペーストフィルム層の間の最小の接着力Xの3者の間の関係が、
Z>X>Y
となるように調整する。そのため、剥離現像すると、未露光部では支持フィルム−接着剤層−乾燥ペーストフィルム層の間の最小の接着力Xの部分から剥がれ、乾燥ペーストフィルム層が基板上に残る。一方、露光部では基板−感光性接着剤層−乾燥ペーストフィルム層の間の最小の接着力Yの部分から剥がれ、基板上には乾燥ペーストフィルム層は残らない。このようにして乾燥ペーストフィルム層の所要のパターンがPDP用の基板の上に形成される。
【0043】
感光性剥離現像型乾燥ペーストフィルムが支持フィルムの上に感光性接着剤層、乾燥ペーストフィルム層、接着剤層、保護フィルム層の順に積層してなる構造の場合、露光によって基板との接着力が低下する場所は、支持フィルムと感光性接着剤層の間の接着力が増加する。逆に、露光によって基板との接着力が増加する場所は、支持フィルムと感光性接着剤層の間の接着力が減少する。したがって、剥離現像がより確実に進行する。この場合、乾燥ペーストフィルム層自体も感光硬化するものであれば、乾燥ペーストフィルム層中の分裂も感光−未感光の境界部分で硬度が異なるため、現像が確実に進行することを補助する。
【0044】
本発明を、以下に示す実施例1〜実施例7に基づいてさらに詳細に説明する。
【0045】
(実施例1)
2種のペーストを処方した。隔壁形成用ペーストと蛍光体ペーストである。隔壁形成用ペーストは誘電体ペーストとして絶縁層の形成にも使用した。
隔壁形成用ペースト;
ガラスA 16.0g
ガラスB 0.9g
アルミナA 7.8g
アルミナB 3.3g
アルミン酸コバルト 0.1g
ポリメチルメタクリレート 5.4g
湿潤剤 1.3g
t−ブチルアントラキノン 0.5g
シェルアイオノール(シェル石油社製) 0.1g
ブチルカルビトールアセテート 15.0g
ブチルベンジルフタレート 0.8g
【0046】
ガラスAの成分;
SiO2 56.0wt%
PbO 17.0wt%
Al2O3 9.0wt%
CaO 7.5wt%
B2 O3 4.5wt%
Na2O 3.0wt%
K2O 2.0wt%
MgO 0.8wt%
ZrO2 0.2wt%
ガラスAは、約4〜4.5μmのD50を有している。粉砕し、分級して粗大部分および微細部分を除去したものを使用した。そのD10は1.6μmである。そのD90は10〜12μmである。表面積は1.5〜1.8m2 /gである。ガラスAは焼結後の骨格をなす成分である。
【0047】
ガラスBの成分;
BaO 37.5wt%
B2O3 38.0wt%
SiO2 16.5wt%
MgO 4.5wt%
ZrO2 3.5wt%
ガラスBは焼結温度を低下させるためのホウ珪酸バリウムガラスである。粉砕して、篩で分級した。400メッシュの篩を通過したものである。
【0048】
アルミナA粉末の平均粒径は1μmで、D10、D50、D90はそれぞれ約0.5、1.1、2.7μmとかなり狭い粒径分布のものである。沈降法で分級したものである。表面積は約2.7〜2.8m2/gである。アルミナB粉末は平均粒径0.4μm、表面積5m2/gである。上記ペースト組成物を厚膜材料配合業者にとって周知の方法で、分散・混合して、ペースト化した。
【0049】
蛍光体ペースト
緑色蛍光体ペーストは、緑色蛍光体Zd2 SiO4:Mn 60wt% とポリビニルアルコール 8wt%とに水32wt% を加えて作成した。なお、青色蛍光体にはBaMgAl14O23:BO3、赤色蛍光体には(Y、Gd)BO3:Eu3+を用い、ポリビニルアルコールとの組成比は同様にして、厚膜材料配合業者にとって周知の方法で、分散・混合して、ペーストを作成した。
【0050】
(実施例2)
この実施例において、感光性と接着性を併有するペーストの処方を示す。導電体ペーストの組成;
ガラスA 10.0g
ガラスB 0.9g
アルミナA 5.8g
アルミナB 1.3g
アルミン酸コバルト 0.1g
銀粉A 7.0g
銀粉B 2.0g
BMR C−1000 5.4g
ブチルメタアクリレート 1.5g
湿潤剤 1.3g
t−ブチルアントラキノン 0.5g
シェルアイオノール(シェル石油社製) 0.1g
ブチルカルビトールアセテート 15.0g
ブチルベンジルフタレート 0.8g
【0051】
ここで、BMR C−1000は、東京応化製のネガ型フォトレジストである。ガラスA、Bの組成は、実施例1に使用したものと同一である。銀粉Aは、微結晶状のもので、表面積が約1.5m2/g 、タップ密度が約1.8g/cm3のものである。銀粉Bはフレーク状のもので、表面積が約1.5m2/g 、タップ密度が約2.8g/cm3のものである。上記ペースト組成物を、厚膜材料配合業者にとって周知の方法で、分散・混合してペースト化した。この組成物は感光すると硬化して、接着力が低下するものである。
【0052】
(実施例3)
この実施例において、隔壁形成用の感光性剥離現像型乾燥ペーストフィルムを作成した工程を例示する。
支持フィルムとしてコロナ放電処理した厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートのフィルムを用い、その上に乾燥時の膜厚が2μmとなるように上記の感光性粘着剤を、バーコーターで乾燥膜厚が2μmになるように塗布し、所定の条件で乾燥した。この感光性粘着剤は感光すると硬化して接着性が低下するものである。次に、その上に上記隔壁形成用ペーストを乾燥時の膜厚が50μmとなるようにワイヤーバーコーターで塗布した後、温風乾燥器に入れ、100℃で25分間乾燥し、隔壁形成用ペーストの乾燥フィルムを得た。
【0053】
この乾燥したペースト面に前記のフォトタッキングレジストPTR(商品名;富士薬品製)をワイヤーバーコーターで塗布し、所定の条件で乾燥した。その後、ゴミ、埃の付着を防止するため、その感熱性接着剤の表面に厚さ15μmのポリエチレンフィルムを貼着し、使用時まで保存した。この状態を本発明では省略して、隔壁形成用乾燥フィルムと呼ぶこともある。
【0054】
(実施例4)
この実施例において、蛍光体形成用の感光性剥離現像型乾燥ペーストフィルムを作成した工程を例示する。
蛍光体ペーストに対しては、支持フィルムとして厚さ50μmのポリプロピレンフィルムに塩素化ポリプロピレン(山陽国策パルプ製)を5μmプライーマーコートしたものを使用した。その上に、乾燥膜厚30μmとなるように前記蛍光体ペーストをロールコート法で塗布し、乾燥した。さらに、その上に、フォトタッキングレジスト PTRRを乾燥膜厚が5μmになるようにロールコート法で塗布し、乾燥した。その上に厚さ10μmのポリエチレンフィルムを保護フィルムとして重ねて貼り、感光性剥離現像型乾燥ペーストフィルムを得た。
【0055】
(実施例5)
この実施例において、市販のペーストを使用して抵抗体形成用の感光性剥離現像型乾燥ペーストフィルムと導電体層形成用の感光性剥離現像型乾燥ペーストフィルムを作成した工程を例示する。
まず、露光すると粘接着性を失う接着剤の溶液を、以下の様にして調製した。 ポリマーとしてポリエステル(バイロン#300;東洋紡製)、モノマーとしてテトラエチレングリコールアクリレート(A−4EC;新中村化学製)とトリメチロールプロパンアクリレート(ATMPT;新中村化学製)、重合開始剤としてベンゾフェノン(KAYACUREBP;日本化薬製)を使用した。3重量部のポリマーを7重量部のメチルエチルケトンに溶解した。この溶液に、1重量部のA−4EGと3重量部のATMPTと20重量部のポリマーを添加し、溶解した。その後、ベンゾフェノンを0.81重量部添加し溶解し、所望の接着剤の溶液を得た。
支持フィルムとして厚さ38μmポリエチレンテレフタレートフィルムを使用し、その上に接着層としてバイロン#300(登録商標;東レ製)を乾燥膜厚が5μmになるようにロールコートした。乾燥した後、抵抗体形成用には酸化ルテニウム抵抗ペーストR−6610(登録商標;昭栄化学工業製)を、また、Ni導電体形成用にはNiペースト#2554(ESL社製)を、スクリーンの全面印刷で乾燥膜厚が10μmになるように塗布し乾燥した。その上に、感光層として、上記の感光性接着剤を使用し、厚さが10μmになるようにロールコ−トし乾燥した。さらに、その上に保護フィルムとして厚さ10μmのポリエチレンフィルムを貼り付けた。このように、感光性剥離現像型乾燥ペーストフィルムの各種構造の内、ペーストに感光性がない構造の場合には、市販のペーストを使用することが可能である場合があることが利点であり、特徴である。
【0056】
(実施例6)
この実施例において、銀導体形成用の感光性剥離現像型乾燥ペーストフィルムを作成した工程を例示する。乾燥ペーストフィルム層自体に接着力があり、その接着力は感光すると硬化して低下するタイプのものである。
銀導体ペーストには実施例2に示したものを使用した。支持フィルムとして厚さ38μmポリエチレンテレフタレートフィルムを使用し、その上に接着層としてバイロン#300Rを乾燥膜厚が5μmになるようにロールコートした。乾燥した後、実施例2に示したペーストをスクリーン印刷の全面印刷で乾燥膜厚が20μmになるように塗布し、乾燥した。その上に、厚さ10μmのポリエチレンテレフタレ−トを貼り付けた。
【0057】
(実施例7)
この実施例において、本発明の感光性剥離現像型乾燥ペーストフィルムを使用して、図1・図2に示した構造のPDPを作成した工程を例示する。
本発明のPDPは、前記したように第1の絶縁基板である対角25インチサイズ、厚さ3mmのガラス製の前面基板11、第2の絶縁基板である同じく対角25インチサイズ、厚さ3mmのガラス製の背面基板15、前面基板11の内面に横方向に延びた複数の第1電極12、背面基板15の内面に縦方向に延びた複数の第2電極16、放電の紫外線を可視光に変換する蛍光体層19、画素領域を区画し、さらに前面基板11と背面基板15の間隔を保つためのストライプの突起からなる隔壁17で構成されている。また、蛍光体層19は隔壁17で区画された背面基板15のストライプ状の各部分にそれぞれ所定の発光色ものが、ほぼ全面を覆う状態で層状に形成されている。すなわち、蛍光体層19としては、例えば緑(G)にはZn2SiO4:Mn,赤(R)には(Y,Gd)BO3:Eu、青(B)にはBaMgAl14O23:Eu2+等を用いる。
【0058】
初めに、前面基板11側の加工例について説明する。第1電極の銀のストライプ状パターンの形成には、実施例6で作成した感光性剥離現像型乾燥ペーストフィルムを使用した。先ず、その感光性剥離現像型乾燥ペーストフィルムの保護フィルムを剥がしながら、60℃に加熱したロールラミネータで感光性銀乾燥ペースト面を洗浄した前面基板用のガラス基板に貼着した。次に、その感光性剥離現像型乾燥ペーストフィルムのポリエチレンテレフタレートフィルム面に、第1電極のパターン部が黒色であるフォトマスクを所定の位置に置き、密着し、露光した。ガラス基板の端部からその感光性剥離現像型乾燥ペーストフィルムを剥離した。すると、第1電極のパターンを有するその感光性剥離現像型乾燥ペーストフィルムが、そのガラス基板上に残った。この状態のガラス基板を焼成し(ピーク温度550℃に10分間保持)、銀の第1電極パターンを得た。次に、その銀パターンの上に、実施例3に示した隔壁形成用の感光性剥離現像型乾燥ペーストフィルムを使用して誘電体層を形成した。ただし、その誘電体層の厚さは20μmなので、感光性剥離現像型乾燥ペーストフィルムを作成する際、その誘電体ペースト層の塗布厚を30μmとした。この感光性剥離現像型乾燥ペーストフィルムのポリエチレン製保護フィルムを剥離しながら、ロールラミネータで貼着した。続いて、支持フィルムであるポリエチレンテレフタレートフィルムを引き剥がした。すると、そのガラス基板の全面にその誘電体乾燥ペーストフィルムが残った。この状態のガラス基板を焼成し(ピーク温度540℃に10分間保持)、誘電体層を形成した。同様にして、厚さ1μmの酸化マグネシウムの層を形成し(焼成ピーク温度530℃に10分間保持)、前面基板を加工した。
【0059】
次に、背面基板側の加工例について説明する。第2電極の材質は第1電極と同様に銀であり、同様にして背面基板上に形成した。その上に、実施例4に示した方法で形成した赤色蛍光体用の感光性剥離現像型乾燥ペーストフィルムをロールラミネータで加熱貼着した。その感光性剥離現像型乾燥ペーストフィルムのポリポロピレンフィルムの上に、赤色蛍光体パターンを透明部とした赤色蛍光体用フォトマスクを所定の位置に置き、密着して、露光した。支持フィルムであるポリプロピレンフィルムを端部から引き剥がすと、ガラス基板側にその赤色蛍光体用の感光性剥離現像型乾燥ペーストフィルムのパターンが残った。同様にして、青色用、緑色用の感光性剥離現像型乾燥ペーストフィルムのパターンを所定部分に形成した。この場合、露光部分以外は接着性がないため、貼着しても軽く接着しているだけであったので、すでに形成してある蛍光体のパターンが破壊されることはなかった。
【0060】
ひき続いて、隔壁を形成した。その方法を図8に基づいて説明する。先ず、実施例3に示した方法で形成した隔壁形成用感光性剥離現像型乾燥ペーストフィルムを、そのポリエチレンフィルム製保護フィルムを剥がしてロールラミネータにより背面基板15上に貼着した(図8a)。フォトマスク62として透明部が隔壁パターンであるものを使用し、所定の位置に密着露光した(図8b)。支持フィルム51側の感光性接着材層54aは、露光すると接着力が低下するものであり、背面基板15側はフォトタッキングレジスト PTRからなり、露光部に粘着性が発現する。支持フィルムを持ち上げると露光した部分が、基板側に残った(図8c)。この場合、フォトタッキングレジスト PTRの未露光部は接着力が殆どないため、蛍光体部が損傷することはなかった。
再度この隔壁形成用感光性剥離現像型乾燥ペーストフィルムを貼着し、同様に露光・剥離現像した(図8d,e,f)。所定の高さ(例えば、250μm)になるまで、この工程を繰り返した(この場合は3回、図8g)。そして、焼成(最高焼成温度500℃に15分間保持)することによって、巾50μm、高さ200μmの隔壁17を得た。この場合、蛍光体部分も焼成された。このようにして、背面基板15の加工を終えた。なお、DC型PDPの隔壁40には、上部に切り欠き部40Aがあるので、この場合にはフォトマスク62をそのパターンのものに交換して積層することにより、この切り欠き部40Aを形成することができる。
【0061】
以後の工程、すなわち加工済みの前面基板11と背面基板15を合わせ、封止し、内部を所定のガス組成(キセノンーヘリウム等)にする工程は、従来の方法で行った。このようにして、PDPを作成した。
【0062】
(実施例8)
この実施例において、本発明の感光性剥離現像型乾燥ペーストフィルムを使用して、図3・図4に示した構造のPDPを作成した工程を例示する。
本発明のPDPは、前記したように第1絶縁基板である対角40インチサイズ、厚さ3mmのガラス板製の前面基板31の内面上に一方向に配列した複数のストライプ状の電極である陰極32が配設されている。また、第2絶縁基板である対角40インチサイズ、厚さ3mmのガラス板製の背面基板33の内面上には複数のストライプ状の陽極母線34と補助陽極母線35とが、それぞれ陰極32と交差する方向に並列して配設されている。陽極母線34と補助陽極母線35は抵抗体36を通して、それぞれ陽極37、補助陽極38と電気的に接続している。陽極母線34、補助陽極母線35、抵抗体36はその上にほぼ全面にわたって存在する誘電体層39で被覆されている。陰極32と陽極37とは誘電体製の隔壁40をスペーサとして隔離されている。表示部は隔壁40によって周囲から隔離された小部屋構造であり、各小部屋の内表面にはそれぞれ所定の発色光をもつ蛍光体の層41が形成されている。使用する蛍光体の種類は実施例7の場合と同様である。ここで、陽極37は誘電体層および蛍光体層部をつらぬく形で形成したスルーホールを通じて、抵抗体層から放電空間まで通じている。一方、補助陽極38は誘電体層をつらぬく形で形成したスルーホールを通じて、抵抗体層から放電空間まで通じている。
【0063】
初めに、前面基板31側の加工例について説明する。陰極32のストライプ状のパターンの形成には実施例5で作成したNi導電体層形成用の感光性剥離現像型乾燥ペーストフィルムの保護フィルムを剥がしながら、60℃に加熱したロールラミネータで感光性接着剤層面を洗浄した前面基板用のガラス基板に貼着した。次に、その感光性剥離現像型乾燥ペーストフィルムのポリエチレンテレフタレートフィルム面に陰極にパターン部が黒色であるフォトマスクを所定の位置に置き、密着し、露光した。ガラス基板の端部から、その感光性剥離現像型乾燥ペーストフィルムを剥離した。すると、ガラス基板上に陰極のパターンを有するその感光性剥離現像型乾燥ペーストフィルムが残った。この状態のガラス基板を焼成し(ピーク温度550℃に10分間保持)、Niの陰極パターンを得た。このようにして前面板を作成した。
【0064】
次に、背面基板側の作成例について説明する。陽極母線34と補助陽極母線35の材質は銀であり、実施例7における第1電極の形成と同様にして、背面基板の上に形成した。その後、実施例5で作成した抵抗体36形成用の感光性剥離現像型乾燥ペーストフィルムを同様にしてロールラミネータで基板全面に貼着した。抵抗体部が黒色である抵抗体パターンを有するフォトマスクを所定の位置に密着し、露光した。ガラス基板の端部から感光性剥離現像型乾燥ペーストフィルムを引き剥がすと、ガラス基板の上に抵抗体のパターンの感光性剥離現像型乾燥ペーストフィルムが残った。その上に誘電体層形成用の感光性剥離現像型乾燥ペーストフィルムを同様に貼着し、密着し、フォトマスクを使用して露光し、引き剥がして、所定の位置に所定の形状を有する誘電体層形成用感光性剥離現像型乾燥ペーストフィルムのパターンを形成した。引き続き、実施例4で形成した蛍光体層形成用感光性剥離現像型乾燥ペーストフィルムを使用して、同様にして、所定の位置に所定の蛍光色を有する所定の形状の蛍光体層形成用感光性剥離現像型乾燥ペーストフィルムを剥離現像によって得た。次に、スクリーン印刷法で、Niペースト(#2554;ESL社製)を所定のスルーホール部に充填した。Niペーストが若干スルーホール部よりはみ出たが、そのままにした。最後に、隔壁を実施例7と同様に背面基板上に形成した。なお、5回重ねとしたが、5回目の露光に使用するフォトマスクは、それより以前のものと異なり、切き欠き部が透明となったものを用いた。この状態で、基板を焼成した(最高温度550℃に15分間放置)。
抵抗体部の抵抗値を測定した所、仕様値に対し±5%以内だった。一方、スクリーン印刷では仕様値に対し±10%程度である。抵抗値のバラツキは、駆動電圧のマージンを低下させるものであり、不点灯の場所が発生し易くなる。対策として、駆動電圧を高く設定していた。そのため、駆動電圧の高いLSIを使用するので、パネルが高価になっていた。従って、本発明の方法によって、低価格化を進めることができた。後のパネル形成工程は、実施例7と同様である。
【0065】
【発明の効果】
本発明によれば、製造が容易で多数の電極群を高精度で配列したPDPを歩留り良く製造することができる。また、製造精度が向上するので、動作の安定性が向上すると共に、容易に、且つ、安価にPDPを製造することができる。また、製造上の実際的な効果としては、乾燥工程が不要であるため、所要時間が短縮できる。また、液体を使用しないことと、粉塵が発生しないことによって、作業環境を良好に維持することが容易である。本発明は特定の構造のカラープラズマディスプレイ装置の場合について製造の実施例を2例述べたが、当業者にとって本発明の工程はモノクロプラズマディスプレイ装置を含め、各種の構造のプラズマディスプレイ装置の製造に対しても有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 AC型PDPの1構成例を示す断面図である。
【図2】 AC型PDPの1構成例を示す斜視図である。
【図3】 DC型PDPの1構成例を示す断面図である。
【図4】 DC型PDPの1構成例を示す斜視図である。
【図5】 感光性剥離現像型ペースト乾燥フィルムの基本構造を示す断面図である。
【図6】 感光性剥離現像型ペースト乾燥フィルムの「基板への貼着→露光→剥離現像→焼成工程」を示す説明図である。
【図7】 感光性剥離現像型ペースト乾燥フィルムの別の構造を示す断面図である。
【図8】 実施例7における隔壁形成方法例として、感光性剥離現像型ペースト乾燥フィルムの、「基板への貼着→露光→現像」工程を3回繰り返した後「焼成」を行う工程を説明する断面図である。
【符号の説明】
11 前面基板
12 第1電極
13 誘電体層
14 酸化マグネシウム層
15 背面電極
16 第2電極
17 隔壁
18 放電電極
19 蛍光体層
31 前面基板
32 陰極
33 背面基板
34 陽極母線
35 補助陽極母線
36 抵抗体
37 陽極
38 補助陽極
39 誘電体層
40 隔壁
40A 切り欠き部
41 蛍光体層
42 放電空間
50 感光性薄利現象型乾燥ペーストフィルム
51 支持フィルム
52 接着剤層
53 乾燥ペーストフィルム層
54 感光性接着剤層
54a 第1の感光性接着剤層
54b 第2の感光性接着剤層
54A 未露光部
54B 未露光部
55 保護フィルム
61 ガラス基板
62 フォトマスク
63 焼結ペースト
Claims (8)
- 第1絶縁基板の表面に一方向に並列する複数の第1電極を形成する工程と、前記第1電極を覆う誘電体層を形成する工程と、前記誘電体層を覆う電子放出特性改善層を形成する工程と、前記電子放出特性改善層の側に併設する第2絶縁基板の前記第1絶縁基板側表面に前記一方向と交差する方向に並列する複数の第2電極を形成する工程と、前記第1電極と前記第2電極とが対向している複数の画素領域に区画する隔壁を形成する工程と、前記画素領域に蛍光体を配設する工程とを有し、それらの工程の少なくとも1工程が、支持フィルムと、この支持フィルムの上に順次積層された接着剤層、乾燥ペーストフィルム層、感光性接着剤層、保護フィルム層からなる感光性剥離現像型乾燥ペーストフィルムの露光とそれに続く剥離現像によって行われることを特徴とするプラズマディスプレイパネルの製造方法。
- 第1絶縁基板の表面に一方向に並列する複数の陰極を形成する工程と、前記陰極の側に併設する第2絶縁基板の前記第1絶縁基板側表面に前記一方向と交差する方向に並列する複数の陽極母線および補助陽極母線を形成する工程と、前記陽極母線に接続する抵抗体と前記補助陽極母線に接続する抵抗体とを形成する工程と、それぞれの抵抗体を介して前記陽極母線に接続する陽極と前記補助陽極母線に接続する補助陽極とを形成する工程と、前記陽極および前記補助陽極をそれぞれの開口部に収納する誘電体層を形成する工程と、前記陰極と前記陽極とが対向している複数の画素領域に区画する隔壁を設ける工程と、前記陽極を収納する開口部を備えた蛍光体を前記画素領域に配設する工程とを有し、それらの工程のうち少なくとも1工程が、支持フィルムと、この支持フィルムの上に順次積層された接着剤層、乾燥ペーストフィルム層、感光性接着剤層、保護フィルム層からなる感光性剥離現像型乾燥ペーストフィルムの露光とそれに続く剥離現像によって行われることを特徴とするプラズマディスプレイパネルの製造方法。
- 第1絶縁基板の表面に一方向に並列する複数の第1電極を形成する工程と、前記第1電極を覆う誘電体層を形成する工程と、前記誘電体層を覆う電子放出特性改善層を形成する工程と、前記電子放出特性改善層の側に併設する第2絶縁基板の前記第1絶縁基板側表面に前記一方向と交差する方向に並列する複数の第2電極を形成する工程と、前記第1電極と前記第2電極とが対向している複数の画素領域に区画する隔壁を形成する工程と、前記画素領域に蛍光体を配設する工程とを有し、それらの工程の少なくとも1工程が、支持フィルムと、この支持フィルムの上に順次積層された感光性接着剤層、乾燥ペーストフィルム層、接着剤層、保護フィルム層からなる感光性剥離現像型乾燥ペーストフィルムの露光とそれに続く剥離現像によって行われることを特徴とするプラズマディスプレイパネルの製造方法。
- 第1絶縁基板の表面に一方向に並列する複数の陰極を形成する工程と、前記陰極の側に併設する第2絶縁基板の前記第1絶縁基板側表面に前記一方向と交差する方向に並列する複数の陽極母線および補助陽極母線を形成する工程と、前記陽極母線に接続する抵抗体と前記補助陽極母線に接続する抵抗体とを形成する工程と、それぞれの抵抗体を介して前記陽極母線に接続する陽極と前記補助陽極母線に接続する補助陽極とを形成する工程と、前記陽極および前記補助陽極をそれぞれの開口部に収納する誘電体層を形成する工程と、前記陰極と前記陽極とが対向している複数の画素領域に区画する隔壁を設ける工程と、前記陽極を収納する開口部を備えた蛍光体を前記画素領域に配設する工程とを有し、それらの工程のうち少なくとも1工程が、支持フィルムと、この支持フィルムの上に順次積層された感光性接着剤層、乾燥ペーストフィルム層、接着剤層、保護フィルム層からなる感光性剥離現像型乾燥ペーストフィルムの露光とそれに続く剥離現像によって行われることを特徴とするプラズマディスプレイパネルの製造方法。
- 第1絶縁基板の表面に一方向に並列する複数の第1電極を形成する工程と、前記第1電極を覆う誘電体層を形成する工程と、前記誘電体層を覆う電子放出特性改善層を形成する工程と、前記電子放出特性改善層の側に併設する第2絶縁基板の前記第1 絶縁基板側表面に前記一方向と交差する方向に並列する複数の第2電極を形成する工程と、前記第1電極と前記第2電極とが対向している複数の画素領域に区画する隔壁を形成する工程と、前記画素領域に蛍光体を配設する工程とを有し、それらの工程の少なくとも1工程が、支持フィルムと、この支持フィルムの上に順次積層された感光性接着剤層、乾燥ペーストフィルム層、保護フィルム層からなる感光性剥離現像型乾燥ペーストフィルムの露光とそれに続く剥離現像によって行われることを特徴とするプラズマディスプレイパネルの製造方法。
- 第1絶縁基板の表面に一方向に並列する複数の陰極を形成する工程と、前記陰極の側に併設する第2絶縁基板の前記第1絶縁基板側表面に前記一方向と交差する方向に並列する複数の陽極母線および補助陽極母線を形成する工程と、前記陽極母線に接続する抵抗体と前記補助陽極母線に接続する抵抗体とを形成する工程と、それぞれの抵抗体を介して前記陽極母線に接続する陽極と前記補助陽極母線に接続する補助陽極とを形成する工程と、前記陽極および前記補助陽極をそれぞれの開口部に収納する誘電体層を形成する工程と、前記陰極と前記陽極とが対向している複数の画素領域に区画する隔壁を設ける工程と、前記陽極を収納する開口部を備えた蛍光体を前記画素領域に配設する工程とを有し、それらの工程のうち少なくとも1工程が、支持フィルムと、この支持フィルムの上に順次積層された感光性接着剤層、乾燥ペーストフィルム層、保護フィルム層からなる感光性剥離現像型乾燥ペーストフィルムの露光とそれに続く剥離現像によって行われることを特徴とするプラズマディスプレイパネルの製造方法。
- 第1絶縁基板の表面に一方向に並列する複数の第1電極を形成する工程と、前記第1電極を覆う誘電体層を形成する工程と、前記誘電体層を覆う電子放出特性改善層を形成する工程と、前記電子放出特性改善層の側に併設する第2絶縁基板の前記第1絶縁基板側表面に前記一方向と交差する方向に並列する複数の第2電極を形成する工程と、前記第1電極と前記第2電極とが対向している複数の画素領域に区画する隔壁を形成する工程と、前記画素領域に蛍光体を配設する工程とを有し、それらの工程の少なくとも1工程が、支持フィルムと、この支持フィルムの上に積層された第1の感光性接着剤層、乾燥ペーストフィルム層、第2の感光性接着剤層、保護フィルム層からなり、且つ、前記第1の感光性接着剤層と前記第2の感光性接着剤層の露光時の接着力の変化が反対方向である感光性剥離現像型乾燥ペーストフィルムの露光とそれに続く剥離現像によって行われることを特徴とするプラズマディスプレイパネルの製造方法。
- 第1絶縁基板の表面に一方向に並列する複数の陰極を形成する工程と、前記陰極の側に併設する第2絶縁基板の前記第1絶縁基板側表面に前記一方向と交差する方向に並列する複数の陽極母線および補助陽極母線を形成する工程と、前記陽極母線に接続する抵抗体と前記補助陽極母線に接続する抵抗体とを形成する工程と、それぞれの抵抗体を介して前記陽極母線に接続する陽極と前記補助陽極母線に接続する補助陽極とを形成する工程と、前記陽極および前記補助陽極をそれぞれの開口部に収納する誘電体層を形成する工程と、前記陰極と前記陽極とが対向している複数の画素領域に区画する隔壁を設ける工程と、前記陽極を収納する開口部を備えた蛍光体を前記画素領域に配設する工程とを有し、それらの工程のうち少なくとも1工程が、支持フィルムと、この支持フィルムの上に積層された第1の感光性接着剤層、乾燥ペーストフィルム層、第2の感光性接着剤層、保護フィルム層からなり、且つ、前記第1の感光性接着剤層と前記第2の感光性接着剤層の露光時の接着力の変化が反対方向である感光性剥離現像型乾燥ペーストフィルムの露光とそれに続く剥離現像によって行われることを特徴とするプラズマディスプレイパネルの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32247295A JP3800650B2 (ja) | 1995-11-17 | 1995-11-17 | プラズマディスプレイパネルの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32247295A JP3800650B2 (ja) | 1995-11-17 | 1995-11-17 | プラズマディスプレイパネルの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09147751A JPH09147751A (ja) | 1997-06-06 |
JP3800650B2 true JP3800650B2 (ja) | 2006-07-26 |
Family
ID=18144027
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP32247295A Expired - Fee Related JP3800650B2 (ja) | 1995-11-17 | 1995-11-17 | プラズマディスプレイパネルの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3800650B2 (ja) |
Families Citing this family (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1998020512A1 (fr) * | 1996-11-07 | 1998-05-14 | Hitachi Chemical Co., Ltd. | Procede de fabrication de plaque de fond pour television a ecran plat a plasma |
KR19980073422A (ko) * | 1997-03-14 | 1998-11-05 | 엄길용 | 평판표시소자의 투명전극 형성방법 |
JPH11260250A (ja) * | 1998-03-13 | 1999-09-24 | Dainippon Printing Co Ltd | プラズマディスプレイパネル作製用の転写シート |
JP2001043796A (ja) * | 1999-07-30 | 2001-02-16 | Sony Corp | 感熱性転写フィルム及びその使用方法 |
WO2001020636A1 (en) * | 1999-09-13 | 2001-03-22 | 3M Innovative Properties Company | Barrier rib formation on substrate for plasma display panels and mold therefor |
US6878333B1 (en) | 1999-09-13 | 2005-04-12 | 3M Innovative Properties Company | Barrier rib formation on substrate for plasma display panels and mold therefor |
JP2002328467A (ja) | 2001-05-01 | 2002-11-15 | Tokyo Ohka Kogyo Co Ltd | プラズマディスプレイパネルの製造方法 |
KR100486915B1 (ko) * | 2002-09-12 | 2005-05-03 | 엘지전자 주식회사 | 포토필링법을 이용한 플라즈마 디스플레이 패널의 전극제조방법 |
DE10260235B4 (de) * | 2002-12-20 | 2010-10-28 | Infineon Technologies Ag | Verfahren zum Strukturieren einer Resistschicht und Negativ-Resistschicht |
-
1995
- 1995-11-17 JP JP32247295A patent/JP3800650B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH09147751A (ja) | 1997-06-06 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US6333140B1 (en) | Electrode for plasma display panel and process for producing the same | |
US5909083A (en) | Process for producing plasma display panel | |
US7510617B2 (en) | Transfer sheet | |
WO1999010909A1 (fr) | Ecran a plasma et procede de fabrication de cet ecran | |
EP1780747A2 (en) | A conductive electrode powder, a method for preparing the same, and uses thereof | |
KR20060136318A (ko) | 평면형 표시장치용 애노드 패널의 제조 방법, 평면형표시장치의 제조 방법, 평면형 표시장치용 애노드 패널과,평면형 표시장치 | |
KR20070000348A (ko) | 평면형 표시장치용 애노드 패널의 제조 방법, 평면형표시장치의 제조 방법, 평면형 표시장치용 애노드 패널과,평면형 표시장치 | |
JP3800650B2 (ja) | プラズマディスプレイパネルの製造方法 | |
EP0712149A2 (en) | Light-emitting device and method of manufacturing the same | |
JP3644775B2 (ja) | プラズマディスプレイパネルの電極形成用の転写シートおよび電極形成方法 | |
JPH09283018A (ja) | プラズマディスプレイパネルの製造方法およびプラズマディスプレイパネル | |
JP3774046B2 (ja) | 蛍光体組成物、蛍光体ペースト及び感光性ドライフイルム | |
KR100738225B1 (ko) | 플라즈마 표시 패널 전면기판용 전극 형성 방법 | |
JPH1055758A (ja) | 厚膜パターン形成方法 | |
JP2007019028A (ja) | ブラックトップグリーンシート、プラズマディスプレイパネル及びその製造方法 | |
EP1783805A2 (en) | Green sheet for black layers, plasma display panels using the green sheet and methods for fabricating the plasma display panels | |
JP2003031135A (ja) | 反射型カラープラズマディスプレイの背面板およびその製造方法 | |
CN1495825A (zh) | 利用光剥落方法制造等离子显示板的电极的方法 | |
KR19990072535A (ko) | 플라즈마디스플레이패널용배면판의제조법 | |
JP3644160B2 (ja) | プラズマディスプレイ用平面基板の製造方法及びそれに用いる感光性樹脂組成物 | |
KR100898295B1 (ko) | 플라즈마 디스플레이 패널 | |
JP4180724B2 (ja) | プラズマディスプレイパネル背面板及びその製造方法並びにそれより得られるプラズマディスプレイパネル | |
KR100709251B1 (ko) | 플라즈마 디스플레이 패널, 및 이의 제조방법 | |
JP2002025431A (ja) | 障壁形成用樹脂組成物エレメント及びこれを用いたプラズマディスプレイパネル用基板の製造法 | |
JP2004055281A (ja) | 光硬化性樹脂を用いた背面板、プラズマディスプレイパネル及びそれらの製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20040325 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20050208 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20050411 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20051220 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20060220 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20060411 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20060424 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |