JP4180724B2 - プラズマディスプレイパネル背面板及びその製造方法並びにそれより得られるプラズマディスプレイパネル - Google Patents
プラズマディスプレイパネル背面板及びその製造方法並びにそれより得られるプラズマディスプレイパネル Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、プラズマディスプレイパネル(以下、PDPと略称する)に用いる背面板及びその製造方法並びにそれにより得られるPDPに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
PDPは、プラズマ放電による発光を利用して映像や情報の表示を行なう平面ディスプレイであり、パネル構造、駆動方法によってDC型とAC型に分類される。PDPによるカラー表示の原理は、リブ(隔壁)によって離間された前面ガラス基板と背面ガラス基板に形成された対向する両電極間のセル空間(放電空間)内でプラズマ放電を生じさせ、各セル空間内に封入されているHe、Xe等のガスの放電により発生する紫外線で背面ガラス基板内面に形成された蛍光体を励起し、3原色の可視光を発生させるものである。各セル空間は、DC型PDPにおいては格子状のリブにより区画され、一方、AC型PDPにおいては基板面に平行に列設されたリブにより区画されるが、いずれにおいてもセル空間の区画は、リブによりなされている。
【0003】
図4は、フルカラー表示の3電極構造の面放電方式PDPの構造例を示している。前面ガラス基板1の下面には、放電のための透明電極3a又は3bと該透明電極のライン抵抗を下げるためのバス電極4a又は4bとからなる一対の表示電極2a、2bが形成されている。これらの表示電極2a、2bの上には、電荷を蓄積するための透明誘電体層5(低融点ガラス)が印刷、焼成によって形成され、その上に保護層(MgO)6が蒸着されている。保護層6は表示電極の保護、放電状態の維持等の役割を有している。
【0004】
一方、背面ガラス基板7の上には、放電空間を区画するストライプ状のリブ(隔壁)8と各放電空間内に配されたアドレス電極(データ電極)9が所定のピッチで形成されている。また、各放電空間の内面には、赤(10a)、緑(10b)、青(10c)の3色の蛍光体膜が規則的に配されている。フルカラー表示においては、前記のように赤、緑、青の3原色の蛍光体膜で1つの画素が構成される。
上記PDPでは、一対の表示電極2aと2bの間に交流パルス電圧を印加し、同一基板上の電極間で放電させるので、「面放電方式」と呼ばれている。また、放電により発生した紫外線は背面基板7の蛍光体膜10a、10b、10cを励起し、発生した可視光を前面基板1の透明電極3a、3bを透して見る構造となっている(反射型)。
【0005】
従来、PDPの隔壁パターンや導体パターンの形成にはスクリーン印刷によるパターン形成法が用いられていたが、大画面化、高精細化の要求への対応が困難となってきている。この高精細化に対応するため、解重合しやすい共重合系ポリマーを含有する感光性ペーストを用いてパターンを形成する方法も行なわれてきているが、部材毎に硬化又は焼成されている。
このため、PDP背面板の製造においても、各部材パターンの形成工程毎に焼成を行う方法が採られており、感光性ペーストを用いたとしても、多段階の焼成工程により基板全体の変形、収縮等が生じ、後工程の部材パターン形成時に位置ズレが起きるため、量産化、大型化の大きな障壁となっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、従来の方法のように、部材パターン形成工程毎に焼成を繰り返してPDP背面板を製造することによる基板全体の変形、収縮や各部材パターンの位置ズレの問題を生ずることがないように、背面基板を構成する部材を全て形成した後に一括焼成をして、高精細なPDP背面板を生産性良く製造できる方法を提供することにある。
さらに本発明の目的は、可視光と紫外光による硬化反応の違いを利用して選択的硬化を行なうことにより、部材パターンの乾燥工程を短縮し、作業性を向上できると共に、寸法安定性に優れたPDP背面板及びそれを用いたPDPを提供することにある。
さらに本発明の目的は、使用するペースト組成物等を無溶剤型にすることにより、環境汚染を低減できるPDP背面板の製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明の第一の側面によれば、ガラス基板上に、PDP背面板の所定パターンに従って各々ペースト組成物の硬化物から形成した、導体パターン、該導体パターンを覆う誘電体層、該誘電体層上に形成される隔壁パターン、該隔壁パターン間に配される蛍光体パターンを、一括して焼成することを特徴としているPDP背面板の製造方法が提供され、その基本的な態様は、以下の各工程を含んでいる。
【0008】
すなわち、本発明のPDP背面板の製造方法の基本的な態様は、
(1)透明な支持基板上に設けたポジ型感光層を所定のパターンに従って露光、現像し、所定のパターンの溝を形成する工程、
(2)上記工程(1)で形成された溝に、上記ポジ型感光層と感光領域を異にする光硬化性ガラスペースト組成物を埋め込み、露光して該組成物を硬化させ、隔壁パターンの硬化物を形成する工程、
(3)上記工程(1)で形成された溝以外の部分のポジ型感光層に、所定のパターンに従って露光、現像し、上記隔壁パターンに隣接する部分が深く、中間部分が浅い断面略逆U字状の深さの異なる溝を形成する工程、
(4)上記工程(3)で形成した深さの異なる溝に光硬化性蛍光体ペースト組成物を埋め込み、露光して該組成物を硬化させ、蛍光体パターンの硬化物を形成する工程、
(5)上記工程(1)〜(4)に従って支持基板上に形成された硬化物上に、硬化性ガラスペースト組成物を全面塗布し、該組成物を硬化させ、誘電体層の硬化物を形成する工程、
(6)上記工程(5)で形成された誘電体層の硬化物上に、銀ペースト組成物を用いて所定のパターンの導体パターンの硬化物を形成する工程、
(7)導体パターンを設けた面にガラス基板を張り付け、上記ポジ型感光層に光を照射した後、支持基板から硬化物を剥離してガラス基板に転写する工程、
(8)上記ポジ型感光層を除去し、一括焼成する工程
を含むことを特徴としている。なお、前記工程(6)で用いる銀ペースト組成物としては、紫外線硬化性銀ペースト組成物、可視光硬化性銀ペースト組成物、熱硬化性銀ペースト組成物、又は熱乾燥性銀ペースト組成物のいずれでもよいが、紫外線硬化性銀ペースト組成物及び可視光硬化性銀ペースト組成物を用いる場合には、露光、現像によって所定の導体パターンを形成できる。
【0009】
本発明のPDP背面板の製造方法のより好適な態様は、
(1)透明な支持基板上にポジ型感光層を設け、所定のパターンに従って紫外光を照射し、現像して所定のパターンの溝を形成する工程、
(2)上記工程(1)で形成された溝に可視光硬化性ガラスペースト組成物を埋め込み、紫外線をカットした可視光を照射して該組成物を硬化させ、隔壁パターンの硬化物を形成する工程、
(3)上記工程(1)で形成された溝以外の部分のポジ型感光層に、所定の露光パターン及び減光パターンに従って紫外光を照射して現像し、上記隔壁パターンに隣接する部分が深く、中間部分が浅い断面略逆U字状の深さの異なる溝を形成する工程、
(4)上記工程(3)で形成した深さの異なる溝に可視光硬化性蛍光体ペースト組成物を埋め込み、紫外光をカットした可視光を照射して該組成物を硬化させ、蛍光体パターンの硬化物を形成する工程、
(5)上記工程(1)〜(4)に従って支持基板上に形成された硬化物上に、硬化性ガラスペースト組成物を全面塗布し、該組成物を硬化させ、誘電体層の硬化物を形成する工程、
(6)上記工程(5)で形成された誘電体層の硬化物上に、紫外線硬化性銀ペースト組成物を塗布し、所定のパターンに従って紫外光を照射して現像し、導体パターンの硬化物を形成する工程、
(7)導体パターンを設けた面にガラス基板を張り付け、上記ポジ型感光層に紫外光を照射した後、支持基板から硬化物を剥離してガラス基板に転写する工程、
(8)上記ポジ型感光層を除去し、一括焼成する工程
を含むことを特徴としている。
【0010】
なお、前記いずれの態様においても、前記工程(5)で用いる硬化性ガラスペースト組成物は、紫外線硬化性ガラスペースト組成物、可視光硬化性ガラスペースト組成物、熱硬化性ガラスペースト組成物、又は熱乾燥性ガラスペースト組成物のいずれでもよい。
また、支持基板上に形成された硬化物を背面板となるガラス基板に張り合わせて転写する工程(7)において、該硬化物と背面板となるガラス基板との間に接着剤層を設けてもよい。
【0011】
別の好適な態様によれば、前記パターン溝形成工程(1)において、透明な支持基板上にポジ型感光性フイルム又はポジ型感光性組成物を用いてポジ型感光層を形成し、ポジ型感光性フイルム又は感光性組成物が露光(活性エネルギー線、例えば紫外線の照射)によりアルカリ水溶液に溶解可能となる特徴を利用し、露光量を調整し、露光、現像を数回繰り返し行ない、深さが階段状に変化する溝を形成し、前記工程(2)において、側面が階段状の隔壁パターンの硬化物を形成する。これにより、PDPの輝度の向上が図れる。
また、前記のようなPDP背面板の製造に有利に用いることが出来る各ペースト組成物は、各ペースト組成物中の有機成分の硬化物の焼結点の差が熱重量測定装置で測定したときに80℃以内にあることが好ましい。
各ペースト組成物としては、環境汚染の低減という観点からは無溶剤系のものの組み合わせが好ましいが、これに限定されるものではなく、ポジ型感光性フイルム又はポジ型感光性組成物の乾燥膜を侵さないものであれば溶剤を含有するものを用いることが出来る。
【0012】
さらに本発明の他の側面によれば、前記いずれかの方法によって各部材パターンを一括焼成して作製したPDPの背面板も提供され、さらにこのようにして得られる背面板を用いて作製したPDPも提供される。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明によるPDP背面板の製造は、従来の方法の部材パターン形成工程毎に焼成を繰り返してPDP背面板を製造することによる基板全体の変形、収縮や各部材パターンの位置ズレの問題を解決するために、部材パターン形成工程毎に焼成を行わず、背面基板を構成する部材を全て形成した後に一括焼成をしてPDP背面板を製造するものである。
また、可視光と紫外光による硬化反応の違いを利用して選択的硬化を行うことにより、部材パターン形成時の乾燥工程を短縮し、作業性を向上すると共に、寸法安定性に優れたPDP背面板を製造するものである。
【0014】
以下、添付図面を参照しながら本発明について詳細に説明する。
図1は、前記パターン溝形成工程(1)から断面略U字状の深さの異なる溝を形成する工程(3)までを図示したものである。
本発明で用いる透明な支持基板20としては、ガラス支持基板又はプラスチック支持基板など、紫外線、可視光線等の活性エネルギー線を透過するものであればいかなる種類のものでも使用できるが、可撓性を有する素材を用いることが転写、剥離の工程をより容易にするため好ましい。
【0015】
まず、図1(A)に示すように、透明な支持基板20上にポジ型感光性フイルム又はポジ型感光性組成物層(以下、ポジ型感光層という)21を形成し、該ポジ型感光層21に所定のパターンのポジフイルム22を介して光を照射する。次いで、露光部の現像を行ない、図1(B)に示すように所定のパターンの溝23を形成する。
なお、この際、ポジ型感光層が露光(活性エネルギー線、例えば紫外線の照射)によりアルカリ水溶液に溶解可能となる特徴を利用し、まず図3(A)に示すようにポジ型感光層21に所定のパターンのポジフイルム22を介して露光を行ない、次いで現像することによって図3(B)に示すように所定のパターンの溝23を形成し、その後露光、現像を1回又は数回繰り返しことにより、図3(C)及び図3(D)に示すように、深さが階段状に変化する溝23a又は23bを形成することもできる。これによって、側面が階段状の隔壁パターンの硬化物を形成でき、PDPの輝度の向上を図れるという利点が得られる。
【0016】
ポジ型感光層21としては、溶剤現像型のものも使用できるが、作業環境や自然環境の汚染を低減するという面から、アルカリ現像型のものが好ましい。
ポジ型感光層の組成としては、
(a)ナフトキノンジアジド系を感光性物質として用いた感光性フイルム又は感光性組成物、
(b)カルボキシル基を含有するポリマーもしくはオリゴマー、多官能ビニルエーテル及び紫外線などの活性エネルギー線を照射したときに酸を発生する化合物(以下、光酸発生剤という)を含有する感光性組成物、
(c)カルボキシル基を有するアクリル系モノマーにビニルエーテルをマイケル付加させたモノマー、又は、テトラヒドロピラニルアクリレート、t−ブチルアクリレートなどの酸による分解性を持つモノマーとアクリル系モノマーとの共重合物をベース樹脂として、光酸発生剤を添加した液状組成物又はそれをフィルム化したもの
などが使用可能である。
【0017】
光酸発生剤としては、ジアゾニウム、ホスホニウム、スルホニウム及びヨードニウムのBF4 -、PF6 -、SbF6 -、AsF6 -、ClO4 -等の塩、トリアジン系やオキサジアゾール系の有機ハロゲン化合物などが挙げられる。
【0018】
次に、図1(C)に示すように、形成された溝23に光硬化性ガラスペースト組成物24を埋め込み、ポジ型感光層21の感光波長領域の波長をカットした光を照射し、該組成物24を硬化する。例えば、形成された溝23に可視光硬化性ガラスペースト組成物24を埋め込む場合、波長分離フィルター25を介して紫外線をカットした可視光を照射して該組成物を硬化させ、隔壁パターンの硬化物を形成する。
【0019】
光硬化性ガラスペースト組成物24としては、一分子中に少なくとも1つの光硬化性の基を有するモノマー、固形又は半固形のバインダー、減粘剤としての界面活性剤、光硬化開始剤、及びガラスフリットを含有するペースト組成物が用いられる。これらのガラスペースト組成物には、必要に応じて、無機フィラー、着色顔料、レベリング剤、消泡剤、シランカップリング剤等の各種添加物を添加することが出来る。ここで掲げた無機フィラーとは、アルミナ、シリカ、ジルコン、酸化チタン等の隔壁等の焼成物パターン内部の緻密性向上、強度向上に寄与できるものをいい、固形又は半固形のバインダーとは、それ自体が光硬化性を有するもの或いは有しないものの何れでもよい。
【0020】
上記一分子中に少なくとも1つの光硬化性の基を有するモノマーとしては、ラジカル重合性のモノマー、カチオン重合性のモノマーなど、公知慣用のものが使用できる。
具体的には、ラジカル重合性のモノマーとしては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類、エチレングリコール、ジエチレングリコール等のグリコールのモノ−又はジ−(メタ)アクリレート類、N,N´−ジメチル(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド類、N,N´−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のアミノアルキル(メタ)アクリレート類、ヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリスヒドロキシイソシアヌレート等の多価アルコールの又はこれらのエチレンオキサイドもしくはプロピレンオキサイド付加物の多価(メタ)アクリレート類、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのポリエトキシジ(メタ)アクリレート等のフェノール類又はこれらのエチレンオキサイドもしくはプロピレンオキサイド付加物の(メタ)アクリレート類、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、トリグリシジルイソシアヌレート等のグリシジルエーテル類の(メタ)アクリレート類、及びメラミン(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート類等が挙げられる。なお、本明細書中において、(メタ)アクリレートとは、アクリレート、メタクリレート及びそれらの混合物を総称する用語であり、他の類似の表現においても同様である。
【0021】
また、カチオン重合性のモノマーとしては、エチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、ブタンジオールジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、t−ブチルビニルエーテル、t−アミルビニルエーテル、エチルヘキシルビニルエーテル、ドデシルビニルエーテル、エチレングリコールジビニルエーテル、エチレングリコールモノビニルエーテル、エチレングリコールブチルビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、ヘキサンジオールモノビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、トリエチレングリコールモノビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル、アミノプロピルビニルエーテル、ジエチルアミノメチルビニルエーテル、ポリエチレングリコールジビニルエーテル、ポリエチレングリコールモノビニルエーテル、さらにフェノール骨格を有する化合物とヒドロキシル基を有するビニルエーテルとの反応生成物、イソシアナート基を有する化合物とヒドロキシル基を有するビニルエーテルとの反応生成物、酸無水物を有する化合物とヒドロキシル基を有するビニルエーテルとの反応生成物等が挙げられる。
【0022】
固形又は半固形のバインダーのうち、光硬化性のバインダーとしては、ビニル基、アリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基等のエチレン性不飽和結合やプロパギル基等の感光性基を有する樹脂が挙げられる。具体的には、側鎖にエチレン性不飽和結合を有するアクリル系共重合体、不飽和カルボン酸変性エポキシ樹脂等である。
一方、光硬化性を有しないバインダーとしては、アクリル系ポリオール、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、スチレン−アリルアルコール樹脂、フェノール樹脂、オレフィン系水酸基含有ポリマー及びこれらのラクトン変性ポリマー、セルロース及びセルロース誘導体等が挙げられる。
【0023】
光硬化開始剤としては、紫外〜可視の領域の光に感応して、一分子中に少なくとも1つの光硬化性の基を有するモノマー及び光硬化性のバインダーの光重合を開始させる化合物であれば全て使用でき、従来公知の光重合開始剤の1種又は2種以上の組合せ或いは更に光増感剤との組合せなどを用いることが出来る。
光重合開始剤の代表的なものの具体例としては、ベンゾイン、ベンゾインエチルエーテル等のベンゾインアルキルエーテル類、アセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン等のアセトフェノン類、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1等のアミノアセトフェノン類、2−エチルアントラキノン等のアントラキノン類、2,4−ジエチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン等のチオキサントン類、アセトフェノンジメチルケタール、ベンジルジメチルケタール等のケタール類、ベンゾフェノン等のベンゾフェノン類又はキサントン類、2,4,6−トリメチルベンゾイル−フェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメトキシベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド等のフォスフィンオキサイド類或いはビスアシルフォスフィンオキサイド類、ジメチルチタノセン、ジフェニルチタノセン、ビス(ペンタフルオロフェニル)チタノセン、ビス(η5−シクロペンタジエニル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピル−1−イル)フェニル)チタニウム等の各種チタノセン系光重合開始剤類、フェロセニウム塩系開始剤類、アルミネート錯体系開始剤類、ハロゲン系開始剤類、ビスイミダゾール系開始剤類、有機硼素化合物類、過酸化エステル系開始剤類、ケトクマリン系開始剤類、アクリジン系開始剤類等が挙げられ、光増感剤の代表例としてはロイコ染料、N,N−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、N,N−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエステル、ペンチル−4−ジメチルアミノベンゾエート、トリエチルアミン、トリエタノールアミン等の三級アミン類等が挙げられる。
【0024】
減粘剤としての界面活性剤としては、リン酸エステル類などの酸含有化合物や、酸基を含む共重合物、水酸基含有ポリカルボン酸エステル、長鎖ポリアミノアマイドと酸エステルの塩等を用いることが出来る。
【0025】
ガラスフリットとしてはいかなるものも使用できるが、焼成温度を比較的に低く設定できるという点で低軟化点のガラスフリット、例えば酸化鉛、酸化ビスマス、又は酸化亜鉛を主成分とするものが好適に使用できる。
酸化鉛を主成分とするものの好ましい例は、酸化物換算表記の重量%で、PbO 48〜82%、B2O3 0.5〜22%、SiO2 3〜32%、Al2O3 0〜12%、BaO 0〜10%、ZnO 0〜15%、TiO2 0〜2.5%、Bi2O3 0〜25%の組成を有し、軟化点が420℃〜590℃である非結晶性フリットが挙げられる。
【0026】
酸化ビスマスを主成分とするもので好ましいものとしては、酸化物換算表記の重量%で、Bi2O3 35〜88%、B2O3 5〜30%、SiO2 0〜20%、Al2O3 0〜5%、BaO 1〜25%、ZnO 1〜20%の組成を有し、軟化点が420℃〜590℃である非結晶性フリットが挙げられる。
【0027】
酸化亜鉛を主成分とするもので好ましいものとしては、酸化物換算表記の重量%で、ZnO 25〜60% K2O 2〜15%、B2O3 25〜45%、SiO2 1〜7%、Al2O3 0〜10%、BaO 0〜20%、MgO 0〜10%の組成を有し、軟化点が420℃〜590℃である非結晶性フリットが挙げられる。
さらに、リチウム、リン、フッ素を含んだガラスも使用できる。
【0028】
ガラスペースト組成物の色調を黒にする場合、Fe、Co、Cu、Cr、Mn、Alの酸化物を主成分として含む金属酸化物からなる黒色顔料を添加することが出来る。
【0029】
本発明で用いるガラスフリット、無機フィラー、黒色顔料等の無機微粒粉体は10μm以下の粒径のものが好適に使用されるため、2次凝集防止、分散性向上を目的として有機酸、無機酸、シランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤等で予め表面処理したものやそれらの処理剤をペースト化する時点で添加したものが好ましい。
【0030】
次に、ポジ型感光層21に、所定のパターンのポジフイルムと減光用フイルムを介して紫外線を照射し、深さの異なる2つの溝を形成する。例えば、まず図1(D)に示すように、ポジフイルムを介して紫外線を照射し、現像して図1(E)に示すように隔壁パターンに隣接する部分に深い溝26を形成する。次いで、減光フィルム27を介して紫外線を照射し、現像して浅い溝28を形成することにより、図1(F)に示すような断面略逆U字状の深さの異なる溝を形成する。使用するパターン形成用のフイルムとして、ポジフイルムと減光用フイルムという2種類のフイルムを用いるだけでなく、一枚のフイルムで所定のパターンに光の透過率をかえたものを使用しても差し支えない。この場合、一段階の露光、現像により、図1(F)に示すような断面略逆U字状の深さの異なる溝を形成することができる。
【0031】
図2は、前記のように断面略逆U字状の深さの異なる溝26,28に、可視光硬化性蛍光体ペーストを埋め込んで蛍光体パターンの硬化物を形成する工程から最終のPDP背面板の形成工程までを示している。
まず、前記のように形成された深さの異なる溝26,28に、図2(A)に示すように可視光硬化性蛍光体ペースト組成物29を埋め込み、波長分離フィルター25により紫外線をカットした可視光領域の波長の光を照射し、該組成物29を硬化して、蛍光体パターンの硬化物を形成する。なお、この工程は、赤、緑、青の蛍光体パターンのそれぞれについて行なう。
【0032】
光硬化性蛍光体ペースト組成物としては、前記光硬化性ガラスペースト組成物24に蛍光体粉末を添加したものが使用出来る。該蛍光体ペースト組成物に使用する蛍光体粉末は、紫外線を照射した時に可視光線を発光するものであればいかなるものも使用できる。蛍光体の含有量としては、有機成分に対して95〜50重量%の範囲が好ましい。
【0033】
次に、図2(B)に示すように、前記のように支持基板上に形成された硬化物上に光硬化性ガラスペースト組成物30を全面塗布し、光を照射して該組成物を硬化させ、誘電体層を形成する。
光硬化性ガラスペースト組成物としては、前記光硬化性ガラスペースト組成物24の構成成分中の光硬化開始剤を感光領域の異なる開始剤に代えたものが好ましいが、前記光硬化性ガラスペースト組成物24も使用出来る。
【0034】
次に、図2(C)に示すように、形成された光硬化性ガラスペースト組成物30の硬化物上に、さらに銀ペースト組成物を用いて、所定のパターンの導体パターン31を形成する。
銀ペースト組成物の好ましいものとしては、露光、現像によって所定の導体パターン31を形成することのできる紫外線硬化性又は可視光硬化性の現像型銀ペースト組成物が挙げられるが、熱乾燥型及び熱硬化型のペースト組成物も使用することが出来る。
【0035】
次いで、図2(C)に示すように紫外線硬化型粘着剤32を塗布した後、図2(D)に示すように、形成された銀ペースト組成物の硬化物(導体パターン)31及び光硬化性ガラスペースト組成物の硬化物30と背面板となるガラス基板33とを張り合わせ、支持基板20側から光(紫外線)を照射した後、支持基板20を剥離し、図2(E)に示すようにガラス基板33に一連の硬化物を転写する(図2(E)は反転した状態を示している)。なお、図面上では銀ペースト組成物の硬化物が突出していて張り合わせが不可能なように見えるが、実際のものの厚みは数10μm程度であるため圧着することで張り合わせができる。さらに転写を良好にするために、形成された銀ペースト組成物の硬化物(導体パターン)31及び紫外線硬化性ガラスペースト組成物の硬化物30上にUV硬化型接着剤層32を塗布した後、背面板となるガラス基板33とを張り合わせ、支持基板(プラスチック基板)20側とガラス基板33側から光を照射し、支持基板20を剥離し、ガラス基板33に一連の硬化物を転写した状態を示している。
【0036】
その後、図2(F)に示すように、溝を形成していたポジ型感光層21を現像により除去した後、一括焼成してPDP用背面板を形成する。
この様に、PDP用背面板を作製するにあたり、構成する各部材パターンの形成を紫外線又は可視光線による硬化反応を利用して行ない、背面板となるガラス基板上に全ての部材パターンの硬化物を形成した後、焼成を一度行なうだけで済む工法の実現により、寸法安定性の優れたPDP用背面板を得ることができる。
【0037】
【実施例】
以下、実施例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明が下記実施例に限定されるものでないことはもとよりである。なお、実施例中に特に記載のない限り、「部」及び「%」とは重量部及び重量%を表す。
【0038】
合成例1
温度計、撹拌機、滴下ロート、及び還流冷却器を備えた三口フラスコに、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテートを300g仕込み、攪拌しながら80℃に加温し、メチルメタクリレート300gと2−エチルヘキシルメタアクリレート46gと2−ヒドロキシエチルメタアクリレート13gに触媒としてアゾビスイソブチロニトリル5gを混合した物を2時間かけて滴下し、さらに80℃で2時間反応させてポリマー(A−1)を得た。
【0039】
合成例2
温度計、撹拌機、滴下ロート、及び還流冷却器を備えた三口フラスコに、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテートを300g仕込み、攪拌しながら80℃に加温し、t−ブチルメタアクリレート284g、メタアクリル酸172g、触媒としてアゾビスイソブチロニトリル5gを混合した物を滴下して2時間反応させた後、さらに2時間反応させた。その後、サイクロマーM100(ダイセル化学(株)製)137g、トリフェニルホスフィン0.5g、安定剤としてヒドロキノン0.2gを秤取り、滴下ロートで滴下し、80℃で4時間反応させ、カルボキシル基含有感光性ポリマー(A−2)を得た。得られたカルボキシル基含有感光性ポリマーの酸価は110mgKOH/gであった。
【0040】
組成物例1
フラスコにジョンクリルJ−68(ジョンソンポリマー社製)100部とエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート400部を取り、加熱、溶解し、均一溶液を得た。得られた溶液にカチオン重合開始剤UVI−6910(ユニオンカーバイド社製)5部と2官能ビニルエーテル(ブタンジオールジビニルエーテル)50部を添加してポジ型光硬化性組成物(B−1)を調製した。
【0041】
組成物例2
前記合成例1で製造したポリマー(A−1)を用い、以下の処方の混合物を3本ロールミルで練肉し、可視光硬化性ガラスペースト(B−2)を調製した。
*)ガラスフリットとしては、PbO 70%、B2O3 1.5%、SiO2 23%、Al2O3 1.5%、BaO 4%の組成を有し、軟化点522℃、平均粒径1.8μmのものを使用した。
【0042】
組成物例3
前記合成例1で製造したポリマー(A−1)を用い、以下の処方で可視光硬化性蛍光体ペースト(B−3)を調製した。
【0043】
組成物例4
前記合成例1で製造したポリマー(A−1)を用い、以下の処方で紫外線硬化型ガラスペースト組成物(B−4)を調製した。
【0044】
組成物例5
前記合成例2で製造したカルボキシル基含有感光性ポリマー(A−2)を用い、以下の処方で紫外線硬化性の現像型銀ペースト組成物(B−5)を調製した。
*1)銀粉末;平均粒径が1μmで、脂肪酸で処理したものを用いた。
*2)ガラスフリット;PbOが70%、B203が1.5%、SiO2が23%、Al2O3が1.5%、BaOが4%の組成を有し、軟化点が522℃であり、粉砕して平均粒径2.0μmにした、非結晶性フリットを用いた。
*3)光開始剤;2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノアミノプロパン−1
*4)希釈剤;ペンタエリスリトールトリアクリレート
*5)シリコーン系消泡剤;信越化学工業(株)製KS66
*6)安定剤;マロン酸
【0045】
PDP背面板の作製:
透明なポリエステルフィルム支持基板20上に、前記組成物例1で調製したポジ型光硬化性組成物(B−1)21を、図1(A)に示すように300ミクロンの厚みで均一に塗布し、80℃で50分乾燥し、溶剤の蒸発とビニル基とカルボキシル基をマイケル付加させ、高分子塗膜を得た。
得られた高分子塗膜上に、隔壁パターンのポジ型フィルム22を当てて露光機にて紫外線を300mJ/cm2露光し、80℃で10分加温した後、0.5%の炭酸ナトリウム水溶液で現像した。これを3回繰り返して図1(B)に示すような溝23を形成した。
【0046】
次いで、前記組成物例2で調製した可視光硬化性ガラスペースト(B−2)24を、図1(C)に示すように、先に形成した溝23に埋め込み、真空脱泡を2分間行ってから波長分離フィルム25(紫外線カットフィルム)を介してハロゲンランプから照射し、紫外線をカットした可視光で硬化した。
次に、ポジフィルム22をセットした上から紫外線露光機にいて紫外線を300mJ/cm2露光し、80℃10分加温した後、0.5%の炭酸ナトリウム水溶液で現像した。これを2回繰り返して、3回目に減光フィルム27(40ミクロン厚のポリエステルフィルムを3枚重ねた)を介して紫外線を200mJ/cm2照射し、80℃で10分加温した後、0.5%の炭酸ナトリウム水溶液で現像し、溝26,28を形成した。
【0047】
その後、前記組成物例3で調製した可視光硬化性蛍光体ペースト(B−3)29を、図2(A)に示すように、先に形成した溝26,28に埋め込み、真空脱泡を2分間行ってから、波長分離フィルム25(紫外線カットフィルム)を介してハロゲンランプから照射し、紫外線をカットした可視光で硬化した。
次いで、図2(B)に示すように、前記組成物例4で調製した紫外線硬化型ガラスペースト(B−4)30を全面に塗布し、紫外線を照射し硬化させた。
【0048】
さらにその上に、図2(C)に示すように、前記組成物例5で調製した紫外線硬化性現像型銀ペースト(B−5)31を塗布し、100ミクロン幅のネガをセットし、紫外線を照射して露光した後、現像し、銀導体パターンを形成した。
さらに、大阪有機化学工業社製、紫外線硬化型接着剤ビスコタックOM−1015を塗布し、図2(D)に示すように、背面板となるガラス基板33と張り合わせて紫外線を照射し、ポリエステルフィルム支持基板20側から紫外線を照射し、図2(E)に示すように支持基板20を剥がし取り、ガラス基板上に反転させた。
その後、0.5%の炭酸ナトリウム水溶液で現像し、図2(F)に示すようにポジ型光硬化性組成物の硬化物21を除去した。
【0049】
上記で形成された基板を焼成炉に入れ、室温から3℃/分で昇温し、450℃で2時間放置し有機成分を焼成した。さらに3℃/分で昇温し、550℃で30分間放置してガラスを結合させ、徐冷をしてPDP用背面板を得た。
以上のようにして、一括焼成により寸法安定性に優れたPDP背面板を作製することができた。
【0050】
【発明の効果】
以上のように、本発明のPDP背面板の製造方法は、従来の方法のように、部材パターン形成工程毎に焼成を繰り返してPDP背面板を製造することによる基板全体の変形、収縮や各部材パターンの位置ズレの問題を生ずることがないように、背面基板を構成する部材を全て形成した後に一括焼成をするものであるため、高精細なPDP背面板を生産性良く製造できると共に、可視光と紫外光による硬化反応の違いを利用して選択的硬化を行なうものであるため、部材パターンの乾燥工程を短縮し、作業性を向上でき、寸法安定性に優れたPDP背面板及びそれを用いたPDPを製造できる。
さらに本発明に使用するペースト組成物等を無溶剤型にすることにより、環境汚染を低減できるPDP背面板の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のPDP背面板の製造方法の一部分を示す部分工程説明図である。
【図2】本発明のPDP背面板の製造方法の残りの部分を示す部分工程説明図である。
【図3】本発明のPDP背面板の製造方法のパターン溝形成工程の一例を示す部分工程説明図である。
【図4】面放電方式のAC型PDPの部分分解斜視図である。
【符号の説明】
1 前面ガラス基板
2a,2b 表示電極
3a,3b 透明電極
4a,4b バス電極
5 誘電体層
6 保護層
7 背面ガラス基板
8 リブ
9 アドレス電極
10a,10b,10c 蛍光体膜
20 透明支持基板
21 ポジ型感光層
23,26,28 溝
24 光硬化性ガラスペースト組成物
25 波長分離フィルム
27 減光フィルム
29 可視光硬化性蛍光体ペースト組成物
30 光硬化性ガラスペースト組成物
31 銀ペースト組成物
32 紫外線硬化型接着剤層
33 ガラス基板
Claims (8)
- (1)透明な支持基板上に設けたポジ型感光層を所定のパターンに従って露光、現像し、所定のパターンの溝を形成する工程、
(2)上記工程(1)で形成された溝に、上記ポジ型感光層と感光領域を異にする光硬化性ガラスペースト組成物を埋め込み、露光して該組成物を硬化させ、隔壁パターンの硬化物を形成する工程、
(3)上記工程(1)で形成された溝以外の部分のポジ型感光層に、所定のパターンに従って露光、現像し、上記隔壁パターンに隣接する部分が深く、中間部分が浅い断面略逆U字状の深さの異なる溝を形成する工程、
(4)上記工程(3)で形成した深さの異なる溝に光硬化性蛍光体ペースト組成物を埋め込み、露光して該組成物を硬化させ、蛍光体パターンの硬化物を形成する工程、
(5)上記工程(1)〜(4)に従って支持基板上に形成された硬化物上に、硬化性ガラスペースト組成物を全面塗布し、該組成物を硬化させ、誘電体層の硬化物を形成する工程、
(6)上記工程(5)で形成された誘電体層の硬化物上に、銀ペースト組成物を用いて所定のパターンの導体パターンの硬化物を形成する工程、
(7)導体パターンを設けた面にガラス基板を張り付け、上記ポジ型感光層に光を照射した後、支持基板から硬化物を剥離してガラス基板に転写する工程、
(8)上記ポジ型感光層を除去し、一括焼成する工程
を含むことを特徴とするプラズマディスプレイパネル背面板の製造方法。 - 前記(1)〜(8)の各工程が、
(1)透明な支持基板上にポジ型感光層を設け、所定のパターンに従って紫外光を照射し、現像して所定のパターンの溝を形成する工程、
(2)上記工程(1)で形成された溝に可視光硬化性ガラスペースト組成物を埋め込み、紫外線をカットした可視光を照射して該組成物を硬化させ、隔壁パターンの硬化物を形成する工程、
(3)上記工程(1)で形成された溝以外の部分のポジ型感光層に、所定の露光パターン及び減光パターンに従って紫外光を照射して現像し、上記隔壁パターンに隣接する部分が深く、中間部分が浅い断面略逆U字状の深さの異なる溝を形成する工程、
(4)上記工程(3)で形成した深さの異なる溝に可視光硬化性蛍光体ペースト組成物を埋め込み、紫外光をカットした可視光を照射して該組成物を硬化させ、蛍光体パターンの硬化物を形成する工程、
(5)上記工程(1)〜(4)に従って支持基板上に形成された硬化物上に、硬化性ガラスペースト組成物を全面塗布し、該組成物を硬化させ、誘電体層の硬化物を形成する工程、
(6)上記工程(5)で形成された誘電体層の硬化物上に、紫外線硬化性銀ペースト組成物を塗布し、所定のパターンに従って紫外光を照射して現像し、導体パターンの硬化物を形成する工程、
(7)導体パターンを設けた面にガラス基板を張り付け、上記ポジ型感光層に紫外光を照射した後、支持基板から硬化物を剥離してガラス基板に転写する工程、
(8)上記ポジ型感光層を除去し、一括焼成する工程
からなることを特徴とする請求項1に記載のプラズマディスプレイパネル背面板の製造方法。 - 前記工程(5)において用いる硬化性ガラスペースト組成物が、紫外線硬化性ガラスペースト組成物、可視光硬化性ガラスペースト組成物、熱硬化性ガラスペースト組成物、又は熱乾燥性ガラスペースト組成物であることを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
- 前記転写工程(7)において、支持基板上に形成された硬化物に背面板となるガラス基板を張り合わせる際に、該硬化物と背面板となるガラス基板との間に接着剤層を設けることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の方法。
- 前記パターン溝形成工程(1)において、透明な支持基板上にポジ型感光性フイルム又はポジ型感光性組成物を用いてポジ型感光層を形成し、露光量を調整して露光、現像を数回繰り返し行ない、深さが階段状に変化する溝を形成し、前記工程(2)において、側面が階段状の隔壁パターンの硬化物を形成することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の方法。
- 各ペースト組成物中の有機成分の硬化物の焼結点の差が熱重量測定装置で測定したときに80℃以内にあることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の方法。
- 前記請求項1乃至6のいずれか一項に記載の方法によって作製したプラズマディスプレイパネルの背面板。
- 前記請求項1乃至6のいずれか一項に記載の方法によって作製したプラズマディスプレイパネルの背面板を用いて作製したプラズマディスプレイパネル。
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