JP3800422B2 - 特定薬物の探知方法及び探知装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、爆発物等の火薬類、可燃性物質等の危険物、毒ガス、麻薬等の禁制薬物(以下、適宜、特定薬物と総称する。)の探知技術に係り、例えば手荷物等の荷物、貨物、不審物等に特定薬物が存在するか否かを質量分析計を用いて探知する探知方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、空港やイベント会場等のように多くの人が集まる場所においては、乗客やイベント参加者の安全を図るため、あるいは治安維持のために、爆発物等の特定薬物を探知する探知装置が必要になっている。また、郵便物、宅配便、銀行の貸し金庫等における不審物の検査にも探知装置の要請がある。この種の探知装置として、X線透過装置や金属探知機等を用いた手荷物検査装置が空港を中心に広く用いられている。ここで、X線探知装置などは、対象とする特定薬物を塊として認識し、形状等の情報に基づいて判別する方式であり、バルク検出と呼ばれている。また、ガス分析をベースとした探知法は、トレース検出と呼ばれ、化学分析情報から物質の同定を行う。トレース検出には、カバンなどに付着した極微量の成分を探知できるという特徴がある。特に、社会的にセキュリティ強化が求められる中、バルク検出とトレース検出とを組み合わせて、より高精度に危険物を探知する装置が望まれている。
【0003】
一方、様々なルートで持ち込まれる禁制薬物の発見のため、税関等でも探知装置が使用される。税関では主にバルク検出装置と麻薬探知犬が使用されているが、麻薬探知犬に代わる禁制薬物用のトレース分析装置の実現が要望されている。トレース検出では、イオンモビリティスペクトロスコピー、ガスクロマトグラフィ等の様々な分析方法が試みられており、探知装置として要求される探知スピード、感度、特定物質を選択的に探知できる選択性を全て兼ね備えた装置の開発および研究が進められている。
【0004】
このような状況のなかで、質量分析法は基本的に探知スピード、感度、選択性に優れているため、質量分析法をベースとした探知技術が提案されている(特許文献1)。これによれば、吸引プローブにより試料ガスを吸引してイオン源に導いてイオン化し、薬物を含む試料ガスのイオンを静電レンズなどを通して収束して検出器に導いて試料ガスの質量スペクトルを計測し、その計測結果に基づいて計算機などにより構成されるデータ処理部において、特定の薬物を示す一又は複数のm/z値(イオンの質量数/イオンの価数)を同定して質量スペクトルを作成し、これに基づいて特定薬物の有無を判定するとともに、その種類を同定するようになっている。そして、特定薬物が検出された場合は、警報などを出力表示するようにしている。
【0005】
ところが、試料ガスに特定薬物と同じm/z値を有するイオンが生成される化学物質が存在した場合、特定薬物が存在しないにもかかわらず警報を表示してしまう誤報の可能性がある。例えば、手荷物中の覚醒剤を探知している際に、手荷物に入れられた化粧品の成分に反応して誤報を発してしまうという可能性があった。これは、イオンを分析する質量分析部の選択性が低いことが原因であり、偶然同一のm/z値を有する覚醒剤由来のイオンと化粧品由来のイオンとを区別できないために起きる。
【0006】
このような質量分析の選択性を高める方法として、三連四重極質量分析計や四重極イオントラップ質量分析計を用いて、質量分析を2段階で行なうタンデム質量分析法が提案されている。つまり、1段目の質量分析ではイオン源で生成されたイオンのm/z値を測定し、次いで様々なm/z値を有するイオンの中から特定のm/z値を有するイオンを選択し、選択したイオン(プリカーサーイオン)を中性ガスなどとの衝突により解離させて分解物イオン(フラグメントイオン)を生成する。そして、2段目の質量分析においてフラグメントイオンの質量分析を行う。このようなタンデム質量分析法において、プリカーサーイオンが解離する場合、分子の中でどの部位が切れるかは、部位ごとの化学結合の強さに依存する。したがって、フラグメントイオンを分析すると、プリカーサーイオンの分子構造の情報を極めて豊富に合んだ質量スペクトルが得られることから、イオン源で生成されたイオンのm/z値が偶然同じでも、フラグメントイオンの質量スペクトルを調べることで探知の特定薬物が含まれているか否かを判別できる。
【0007】
一方、タンデム質量分析法は、通常の質量分析法に比べて検査時間がかかるため、例えば、手荷物搬送台に載って流れる手荷物の渋滞を生ずるおそれがある。そこで、ほとんどの手荷物には特定薬物が入っていないと想定されるから、タンデム質量分析法検査時間を短縮するため、第1段目の質量分析において特定薬物に由来するプリカーサーイオンが検出された場合のみ第2段目の質量分析を実行するようにして、検査時間を短縮することが提案されている(特許文献2)。
【0008】
このようにして特定薬物の質量分析にかかる時間を短縮できるが、手荷物検査等においてスーツケース、かばん、バッグ、包などを一々開いて、内部に収納された物品周りの空気を吸引するのでは検査に時間がかかり過ぎることから、手荷物等から漏れ出る気体を吸引プローブなどにより吸い込み、ホース等の管路を通して質量分析計に導入することが試みられている(特許文献1)。しかし、特定薬物の種類や梱包形態によっては、手荷物等から漏れ出る量が少な過ぎたり、室温で気体(蒸気)になり難い薬物の場合は、単に吸引プローブにより検査対象物の表面の空気を吸引するだけでは、質量分析計に導入される試料ガスの量又は濃度が十分でない場合がある。また、検査台上の検査対象物と質量分析計との距離が離れていると、試料ガスがホースなどの管路を通ってイオン源に達するのに時間がかかり、探知スピードが低下するという問題がある。
【0009】
これに対し、従来、携帯型の試料採取装置が提案されている(特許文献3、特許文献4)。特許文献3に記載の試料採取装置は、吸引ファンが内蔵されたケーシングに吸引管の先端部に着脱可能に試料捕集用のフィルタを挿入し、空気中に存在する環境汚染物質や危険物を捕集するものである。また、特許文献4によれば、検査対象の表面を加熱して表面に付着している物質を気化すると共に、間欠的に空気ジェットを噴射して表面に付着している物質の離脱を促し、気化した試料ガスをノズルの開口から吸引して試料をコレクターに補足する。このコレクターは、円筒状のハウジング内にコイル状に巻回された金属リボンを有して構成され、その金属リボンの表面に試料ガスを吸着等により補足するようにしている。コレクターに補足された試料は、試料採取装置のノズルを質量分析計の試料吸引口に接続した後、コレクターを加熱して吸着されている試料を脱着することにより、十分な量及び濃度の試料ガスを質量分析計に導入することができる。
【0010】
【特許文献1】
特開平7−134970号公報
【特許文献2】
WO 02/25265A1
【特許文献3】
特開平5−332894号公報
【特許文献4】
特開平2−296128号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、特許文献3、4に記載された携帯型の試料採取装置は、検査対象物が屋外の貨物コンテナや車両等の場合でも、簡単には質量分析計による探知を行なうことができる。
【0012】
しかし、特許文献3に記載のものは、手荷物等から漏れ出る特定薬物の量が少な過ぎたり、室温で気体(蒸気)になり難い薬物の場合は、単に吸引ファンにより検査対象物の表面の空気を吸引するだけでは、採取される試料の量又は濃度が十分でない場合がある。一方、特許文献4に記載のものは、試料を補足するコレクターが採取装置本体に一体形成されているから、検査を連続的の行なう場合、先の検査の試料が十分に蒸発されずにコレクターに残っていると、後の検査の信頼度が低下してしまうという問題がある。このような問題を解決しようとすると、コレクター及びその周辺を洗浄する等の処理をしなければならず、検査スピードを上げることができないという問題がある。また、検査対象物が多い場合は、検査対象物の数に応じた試料採取装置を用意しなければならず不便である。
【0013】
本発明は、種々の検査対象物からの試料採取が簡単で、かつ採取時間及び検査時間を短縮できる特定薬物の探知方法及び装置を提供することを課題とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明の試料採取方法は、紙片、布片、又は濾紙(フィルタ)等の検査片により検査対象の表面等を拭き取って試料を採取して、或いは、携帯型の吸引プローブの吸引流路に着脱可能にフィルタ等の検査片を設け、これにより検査対象の表面又は近傍の空気を吸引して検査片に試料を採取して、採取した試料が付着した検査片を加熱して試料を気化させて質量分析計に導入するようにすることを特徴とする。
【0016】
これによれば、検査対象物の表面の拭き取り操作、或いは携帯型の吸引プローブによる検査対象物の表面又は近傍の空気を吸引することにより、試料を検査片に捕集できる。したがって、検査対象物が屋外の貨物コンテナや車両等の場合でも容易に試料を採取することができる。また、検査片は廉価であるから、これを多数用意することにより、多数の検査対象物から同一時に試料を採取することができる。また、検査片を加熱して試料ガスを発生させることにより、簡単に質量分析計に導入できるから、試料採取から質量分析計に導入する時間を短縮して、トータルの探知時間を短縮できる。
【0017】
また、本発明の特定薬物の探知方法は、検査対象から採取した試料が付着した検査片を加熱するステップと、加熱された前記検査片から発生する気体を試料ガスとして吸引するステップと、該吸引された試料ガスをイオン化するステップと、イオン化された試料ガスのイオンの質量を分析して質量スペクトルを取得する第1の分析ステップと、第1の固有のm/z値のイオンが存在するか判定する第1の判定ステップと、前記第1の判定ステップの判定結果に応じてタンデム質量分析を行う第2の分析ステップと、前記タンデム質量分析で得られた質量スペクトルで第2の固有のm/z値のイオンが存在するか判定する第2の判定ステップとを備えてなることを特徴とする。
【0018】
この場合において、第2の判定ステップの判定結果に応じて判定結果を出力するステップを更に備えることが好ましい。この判定結果の出力ステップは、警報を発動する告知ステップとすることができる。
【0019】
また、検査片を加熱するステップは、検査片を気化手段に導入して加熱するステップとすることができ、加熱された検査片から発生する試料ガスを、気化手段から周囲空気をキャリアガスとして吸引して第1の分析ステップに導くことができる。この場合の気化手段は、間隔を離して対向配置された2枚の加熱板を有して構成し、2枚の加熱板の間に検査片を挿入して加熱することが望ましい。
【0020】
なお、上記の質量分析ステップにかえて、公知の方法を適用できる。例えば、イオン化された試料ガスのイオンの質量を分析して質量スペクトルを取得するステップと、該取得された質量スペクトルに基づいて特定のm/z値のイオンの有無を判定するステップと、該判定結果を出力するステップとを備えて構成することができる。
【0021】
また、本発明の特定薬物の試料採取は、吸引ファン、該吸引ファンを駆動する駆動源、及び電源を収納するケースと、該ケースの前方に取り付けられた振動、空気噴射又は加熱の試料採取手段を内部に有する吸引ノズルと、前記ケースと前記吸引ノズルとの間に挿脱可能に配置され前記吸引ノズルにより吸引された試料が付着する試料採取用のフィルタとを備えたものにより行うことができる。
【0022】
この場合において、吸引ノズルとケースとの取り付け部にフィルタの装着部が設けられ、フィルタは、リング状の枠体の周縁に把持部が設けられ、枠体の内側の開口部は把持部から離れる方向に偏心させて形成され、その開口部を塞ぐようにフィルタが取り付けられてなるものとすることができる。また、フィルタ装着部には、吸引ノズルの外周壁の半周にわたって、フィルタの厚みの幅を有するスリットが形成され、このスリットからフィルタが挿脱可能に形成されてなるものとすることができる。
【0028】
さらに、検査対象の表面に付着した特定薬物を遊離させる方法として、検査対象の表面または近傍を局所的に加熱する方法を適用することができる。つまり、検査対象の表面にレーザ光や熱線を照射して加熱することにより、特定薬物の蒸気を発生させ、その蒸気を質量分析計に吸引させるようにすることができる。この方法は、検査対象の表面または近傍を局所的に加熱する加熱手段と、検査対象の表面または近傍の空気を試料ガスとして吸引する吸引ノズルとを設けることにより実現できる。ここで、加熱手段は、熱線により検査対象の表面を加熱する手段を適用することができる。特に、熱線により加熱する手段を吸引ノズルと一体に設けることが好ましい。特に、吸引ノズルの吸引開口の中に位置させて、加熱ヘッドを配置するとともに、吸引ノズルの開口周壁に空気を吸引し易くスリットを設けるのが好ましい。
【0029】
また、上述した加熱手段を吸引ノズルに一体的に設けて、携帯型の吸引プローブを構成することができる。この場合、吸引プローブは吸引流路に着脱自在に装着された濾紙などのフィルタを有するものとし、フィルタに試料の粉体を捕集し、又は試料の蒸気をフィルタに凝縮させて採取することができる。これによれば、試料が採取されたフィルタをイオン化手段に連通された加熱器に収納することにより、試料ガスを濃縮して質量分析計に供給することができる。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
(第1実施形態)
図1に、本発明を適用してなる一実施形態の特定薬物に係る探知装置の主要部の構成図を示す。本実施形態の外観正面図を図2に、右側面図を図3に、左側面図を図4にそれぞれ示す。図5〜図7に本発明の特徴部に係る検査片の加熱器を示す。
【0031】
図2に示すように、本実施形態の探知装置は、質量分析計6が収納された本体1、データ処理装置2、表示装置3等を備えて構成されている。本体の底部にはキャスタ4が設けられ可搬可能になっている。また、本体1の筐体上部に加熱器5が設けられている。また、図において、符号7は真空ポンプ(図1では符号26)、符号8は荒引きポンプ(図1では符号30)、符号9はエアーポンプ、符号10は冷却ファン、符号11はオイルミスト捕集器、符号12はマスフローメータ、符号13、14は排気流路、符号15はデータ制御部、符号16はUPS、本体1の前方にはロータリーポンプ及びターボ分子ポンプが設置されており、本体後方にはデータ処理装置2の他に、USP及びヘリウムボンベが収納されている。
【0032】
本体1に収納されている質量分析計6は、図1に示すように、四重極イオントラゾプ質量分析計(以下では、イオントラッブ質量分析計と記載する)が適用されている。イオン源20には試料ガス導入管21と、排気管22a,22bが連結されている。試料ガス導入管21の一端に加熱器5が連結され、加熱器5内で発生した試料ガスは、排気管22a,22bに連結された図示していないポンプにより吸引されてイオン源20に導入されるようになっている。イオン源20に導入された試料ガス中に含まれる成分は、一部がイオン化される。すなわち、試料ガス導入管21を通して導入されたガスは、一旦、イオンドリフト部45に導入される。このイオンドリフト部45はほぼ大気圧状態にある。イオンドリフト部45に導入された試料ガスの一部は、コロナ放電部46に導入され、残りは排気管22bを通してイオン源外に排出される。コロナ放電部46に導入された試料ガスは、針電極47に高電圧を印加することで針電極47の先端付近に生成されるコロナ放電領域48に導入されてイオン化される。このとき、コロナ放電領域48では、針電極47から対向電極49に向かってドリフトするイオンの流れにほぼ対向するような方向に試料ガスが導入される。
【0033】
コロナ放電領域48で生成したイオンは、電界により対向電極49の開口部50を通して、イオンドリフト部45に導入される。このとき、対向電極49と第1細孔23の開口する電極との間に電圧を印加することにより、イオンをドリフトさせ、効率良く第1細孔23に導くことができる。第1細孔23から導入されたイオンは、第2細孔24及び第3細孔25を通して、真空部27に導入される。つまり、イオン源20により生成されたイオンおよびイオン源20に導入された試料ガスの一部は、第1細孔23、第2細孔24、第3細孔25を介して、真空ポンプ26により排気された真空部27に取り込まれる。これらの細孔は、直径0.3mm程度であり、これらの細孔が開口された電極は、図示しないヒータによって100℃〜300℃程度に加熱されるようになっている。第1細孔23から取り込まれなかった試料ガスは、排気管22a、22bからポンプを介して装置の外部に排気されるようになっている。細孔23、24、25がそれぞれ開口された電極間の空間は、それぞれ差動排気部28、29となっていおり、差動排気部29に連通された荒引きポンプ30により排気されるようになっている。荒引きポンプ30には、通常、ロータリポンプ、スクロールポンプ、またはメカニカルブースタポンプなどが用いられるが、この領域の排気にターボ分子ポンプを使用することも可能である。また、細孔23、24、25が開口された電極には電圧が印加されるようになっており、これによりイオン透過率を向上させると同時に、残留する分子との衝突により、断熱膨張で生成したクラスタイオンの開裂を行うことができる。
【0034】
図1では、荒引きポンプ30に排気速度900リットル/分のスクロールポンプが、真空部27を排気する真空ポンプ26に排気速度300リットル/分のターボ分子ポンプを使用した。ターボ分子ポンプの背圧側を排気するポンプとして、荒引きポシプ30を兼用している。第2細孔24と第3細孔25間の圧力は約1トールである。また、第2細孔24の開口する電極を除去し、第1細孔23と第3細孔25の2つの細孔で差動排気部を構成することも可能である。この場合は、第2細孔24の開口する電極がある場合に比較して、流入するガス量が増えるので、使用する真空ポンプの排気速度を増やしたり、細孔間の距離を離すなどの工夫が必要となる。また、この場合も、両細孔間に電圧を印加することは重要である。
【0035】
イオン源20にて生成されたイオンは、第3細孔25を通過した後、収束レンズ31により収束される。この収束レンズ31には、通常3枚の電極からなるアインツエルレンズなどが用いられる。収束レンズ31によりイオンは、スリット電極32の開口部に収束し、その開口部を通過する。収束レンズ31により収束されない中性粒子などは、スリット電極32に衝突して質量分析部側に行きにくい構造となっている。このようにしてスリット電極32を通過したイオンは、多数の開口部を備えた内筒電極33と外筒電極34よりなる二重円筒型偏向器35により偏向かつ収束される。二重円筒型偏向器35では、内筒電極の開口部より滲み出した外筒電極の電界を用いて偏向かつ収束される。この詳細は、特開平7−85834号公報に開示されている。
【0036】
二重円筒型偏向器35を通過したイオンは、リング電極36とエンドキャヅプ電極37a、37bで構成されるイオントラップ質量分析計に導入される。ゲート電極38は質量分析計へのイオンの入射のタイミングを制御するために設けられている。つば電極39a、39bは、イオンがリング電極36とエンドキャップ電極37a,37bを保持する石英リング40a、40bに到達し、石英リング40a、40bが帯電するのを妨げるために設けられている。
【0037】
イオントラップ質量分析計の内部には、図示していないヘリウムガス供給管からヘリウムが供給され、10−3トール程度の圧力に保たれている。イオントラップ質量分析計は、図示していない質量分析計制御部により制御される。質量分析計内に導入されたイオンは、ヘリウムガスと衝突してエネルギを失い、エンドキャップ電極37a、37bに印加される高周波電圧によって形成された交流電界により捕捉される。捕捉されたイオンは、リング電極36とエンドキャップ電極37a、37bに印加された高周波電圧を走査することによって、イオンのm/zに応じてエンドキャップ電極37bの細孔から排出される。排出されたイオンは、イオン取り出しレンズ41を経て検出器42に達して検出される。検出された信号は増幅器43によって増幅後、データ処理装置2に入力されて処理される。
【0038】
イオントラップ質量分析計は、リング電極36とエンドキャップ電極37a、37bとで囲まれた空間にイオンを捕捉する特性を有することから、探知対象物質の濃度が低くて、生成されるイオン量が少ない場合でもイオンの導入時間を長くすることにより検出できる。したがって、試料濃度が低い場合でも、イオントラップ質量分析計のところでイオンの高倍率濃縮が可能であり、試料の前処理(濃縮など)を非常に簡便化できる。
【0039】
ここで、コロナ放電部46に流入する試料ガスの流量は高感度かつ安定に特定薬物を探知するために重要である。このため、排気管22aには流量制御部51を設けるとよい。また、ドリフト部45やコロナ放電部46、ガス導入管21などは、試料の吸着を防ぐ観点から、ヒーター(図示せず)などにより加熱しておくとよい。ガス導入管21や排気管22bを通過するガス流量は、ダイアフラムポンプのような吸引ポンプ52の容量及び配管のコンダクタンスにより決定することができるが、ガス導入管21や排気管2bにも流量制御部51のような制御装置を設けてもよい。吸引ポンプ52を、ガスの流れから見てイオン生成部であるコロナ放電部46の下流に設けることで、吸引ポンプ52の内部の汚染(試料の吸着等)による影響が少なくなる。
【0040】
ここで、本発明の特徴部に係る加熱器5の一実施形態を、図5〜図7を参照して説明する。図5は加熱器5の全体構成を斜視図により示している。加熱器5の本体部は、図5及び図6A、Bに示すように、円板状の吸気加熱板101と、この吸気加熱板1に所定間隔離して対向保持された対向加熱板102とを有して形成されている。吸気加熱板101の中心部に貫通孔が設けられ、この貫通孔に配管106が接続されている。この配管106の他端は、図1の試料ガス導入管21に連結されている。対向加熱板102は駆動装置127によって昇降可能に保持されており、これによって吸気加熱板101との間隔を調整可能に形成されている。また、吸気加熱板101と対向加熱板102は、図示していない加熱手段と温度調節手段により、所定の高温に加熱保持されるようになっている。このように構成される吸気加熱板101と対向加熱板102の隙間に、図6Aに示すように、検査対象物の表面を拭き取って試料107を採取した検査片108を挿入するようになっている。
【0041】
本実施形態では、図5に示す搬送装置109によって、検査片8を吸気加熱板101と対向加熱板102の隙間に挿入して、連続的な加熱が可能になっている。すなわち、搬送装置109は、駆動モータ120により駆動される一対の搬送駆動プーリ121と、複数の従動プーリ22、搬送駆動プーリ121と従動プーリ22とに巻回された2本の搬送ベルト123a、bとを有して構成されている。搬送ベルト123a、bは、駆動モータ120により、例えば図示矢印110方向に回転されるようになっている。搬送ベルト123a、bの上流端に、検査対象に検査片8を供給する昇降保持装置124が設けられている。昇降保持装置124の載置面に検査片8を載置すると、検出器126で検査片8が載置されたことが検知される。このとき、検査片8が裏表逆の場合、左右前後が間違っているときは、載置が検知されないようになっている。
【0042】
昇降保持装置124の載置面は、上昇位置にて搬送ベルト123a、bの上端面よりも上方に位置され、下降位置にて搬送ベルト123a、bの上端面よりも下方に位置するように形成されている。そして、昇降保持装置124が下降することによって、検査片8が搬送ベルト123a、bに載置されるようになっている。検査片8が下降したときは、下降検出器125によって検出される。搬送ベルト123a、bの間隔は、検査片8が跨るような幅で、かつ対向加熱板102の外径よりも大きな寸法に設定されている。また、搬送ベルト123a、bの上面は、駆動装置127によって対向加熱板102が最も降下された位置において、検査片8が吸気加熱板101から十分離れるように設定されている。なお、搬送ベルト123a、bは、Oリングや帯ベルトなど、適当な摩擦が得られるゴム系の材料を用いるのが好ましい。なお、搬送装置109の駆動モータ120に代えて、ソレノイド又はエアシリンダ等の駆動装置を用いることができるが、正確な位置決めを行なう場合や複数点を制御する場合はACサーボモータやパルスモータが有効である。
【0043】
搬送ベルト123a、bに載置された検査片8は、図示矢印110方向に搬送されて、吸気加熱板101と対向加熱板102とが対向する位置に搬送され、後述するように、吸気加熱板101と対向加熱板102とによって加熱されるようになっている。また、搬送ベルト123a、bの下流端の下方に検査片回収ボックス131が設置されている。なお、搬送装置109の駆動モータ120に代えて、ソレノイド又はエアシリンダ等の駆動装置を用いることができるが、正確な位置決めを行なう場合や複数点を制御する場合はACサーボモータやパルスモータが有効である。
【0044】
このように構成される図5の加熱器5の動作について説明する。スタート時は、昇降保持装置124が上昇位置にあり、検査片8を載置できる状態で待機している。検査片8が載置されると検出器126がオンして昇降保持装置124が下降され、これにより検査片8が搬送ベルト123a、bの上に載置されて搬送が開始される。検査片8が搬送されると、検出器126がオフして昇降保持装置124の下降が停止する。この下降の終了は、検出器125により行なう。
【0045】
検査片8が図示矢印110方向に搬送されて、吸気加熱板101と対向加熱板102とが対向する位置に搬送されると、検出器130によって検知されて搬送ベルト123a、bが停止される。この停止に合わせて駆動装置127が動作し、吸気加熱板101との間隔が所定間隔になるまで対向加熱板102を上昇させる。対向加熱板102が所定位置まで上昇すると、検出器129が検知して測定を開始する。すなわち、吸気加熱板101と対向加熱板102とで検査片8が加熱され、検査片8に付着している試料7が蒸発し、その蒸発した試料ガスが配管106と試料ガス導入管21を介して負圧により図1のイオン源20に導入される。このとき、吸気加熱板101と対向加熱板102との隙間から周囲の空気がキャリアガスとして吸引される。このようにして、検査片8に付着している試料7のガスが質量分析計に導入されて、その分析が行なわれる。なお、気化が早い試料7を想定して、検出器129が検知する前に、例えば対向加熱板102が上昇を開始したときから測定を開始してもよい。
【0046】
所定の加熱(気化)時間の経過後であって、所定の分析時間の経過後、駆動装置127を駆動して対向加熱板102を下降させる。この下降完了は検出器128により確認する。対向加熱板102が下降すると、検査片8が再び搬送ベルト123a、bの上に載置されて搬送され、搬送ベルト123a、bの下流端に達すると、検査片回収ボックス131に落下し、回収される。これにより一連のシーケンスが終了する。
【0047】
ここで、図5に示すように、検査片8bの気化、測定中は、次の検査片8aを昇降保持装置124に載置して待機させておくことができ、測定が終了した検査片8bを検査片回収ボックス131に排出する工程で、次の検査片8aを加熱器本体位置まで搬送できる。これによれば、加熱工程の間隔を大幅に短縮できる。また、一旦を昇降保持装置124に検査片8をセットすれば、検査終了後に自動的に検査片回収ボックス131に回収されるから、検査の都度、検査片8を回収することなくまとめて回収できる。その結果、操作者は、検査片8をセットする操作のみを行えばよいから、スループットを向上でき、更に回収待ちが不要なので、作業効率を向上できる。
【0048】
ここで、図7に基づいて、本実施形態の加熱器を備えた探知装置を用いて爆発物等の特定薬物を探知する方法に係る実施形態の手順を説明する。まず、手荷物等の外表面などを濾紙で拭取り、外表面の付着物を濾紙に採取する(S1)。ここで、拭取り手段は、濾紙などに限らず布片でもよい。
【0049】
次に、手荷物等の外表面を拭取った検査片8を加熱器5の昇降保持装置124にセットする。これにより、検査片8に付着している薬物等の物質が加熱(例えば、100〜300℃程度)されて気化(蒸発)する(S2)。これにより、検査片8に付着した微量の試料7を効果的に質量分析計に導入できる。このとき、検査片8から発生した試料ガスの濃度を希釈させないように、加熱器5から吸引する周囲空気(キャリアガス)の量を少なく抑えるようにする。
【0050】
このようにして気化された薬物を含む試料ガスの質量分析は、図7に示すように、質量スペクトルを取得する第1の分析ステップS3と、第1の固有のm/z値のイオンが存在するか判定する第1の判定ステップS4と、第1の判定ステップS3の判定結果に応じてタンデム質量分析法を行う第2の分析ステップS5と、第2の固有のm/z値のイオンが存在するか判定する第2の判定ステップS6と、第2の判定ステップS6の判定結果に応じて警報を出力する告知ステップS7とにより実行される。ここで、ステップS3とステップS4とからなる測定操作をスクリーニングモードと称し、ステップS5とステップS6とからなる測定操作を精査モードと称する。
【0051】
まず、探知を行う場合、試料ガスから生成されるイオンをステップS3において分析して質量スペクトルを測定する。そして、ステップS4において、探知対象である特定薬物由来のイオンに相当するm/z値を有するイオンが検出されたかどうかを判定する。例えば、覚醒剤の一種であるアンフェタミンを正の大気圧化学イオン化モードでイオン化すると、アンフェタミン分子にプロトンが付加した擬似分子イオン(M十H)+(Mは試料分子、Hはプロトン)が生成される。この擬似分子イオンのm/z値は136であるため、ステップS4ではm/z値が136のイオンが検出されたかどうかを判定する。ここで、ステップS4において判定するm/zの値は、特定薬物の種類に応じて異なることは言うまでもない。また、種々の麻薬、覚醒剤等に対応して、複数の異なるm/z値の有無を判定するようにしてもよい。
【0052】
第1の分析ステップS3における分析時間を0.1秒とした場合、ステップS3を繰り返し、それらの測定結果を積算した結果に対してステップS4の判定を行なうようにしてもよい。積算することで、ランダムノイズが平均化されるので、ステップS4において誤って判定する割合を低減できる。
【0053】
ステップS4において、予め設定しておいた第1の固有のm/z値を有するイオンが存在すると判定された場合、第2の分析ステップS5において、タンデム質量分析(以下は、MS―MSと記載する)を実行する。ステップS5では、プリカーサーイオンの選択、プリカーサーイオンの解離、フラグメントイオンの質量分析が含まれる。また、分析の精度を上げるため、ステップS5はステップS3に比べて長い時間をかけるとよい。
【0054】
ステップS5のMS−MS測定においては、分子構造情報を豊富に含んだ質量スペクトルが得られる。この質量スペクトルをステップS6において判定する。この第2の判定は、探知対象物に特有のm/z値を有するイオンが存在するかどうか判定する。存在する場合にはステップS7において警報を出力して告知する。なお、ステップS6において判定を行う際、探知対象物のタンデム質量分析法による質量スペクトルを予め測定してデータベースとし、このデータベースを参照することにより精度の高い判定が可能になる。
【0055】
手荷物検査の場合、濾紙等の検査片8による拭取り作業と、検査片8を加熱器5に装着するまでに多少の時間はかかるが、ほとんどの手荷物には特定薬物が入っていないと想定されるので、検査片8を加熱器5に装着した後は、スクリーニングモードによりおよそ1秒で探知を終了させることができる。したがって、図7に示した手順を用いることにより、まれに精査モードまで実行するために時間がかかることがあっても、探知に要する平均時間としては手荷物1つ当たり1〜2秒程度に抑えることができ、セキュリティゲートにおいて荷物の流れを著しく妨げること無く手荷物の検査を行うことができる。また、最終的には、精査モードによりタンデム質量分析法に基づく判定を行うため、選択性が高く誤報を低減させることができる。ところで、精査モードには時間がかかるため、スクリーニングモードから精査モードヘと移行した段階で、警告ランプを点灯させるなど、操作者が認識しやすい信号を出力するのが好ましい。
【0056】
以上、本発明の特徴部である加熱方法を含む試料採取方法についての第1の実施形態について説明したが、以下に本発明の他の実施形態について、図8〜図21を用いて説明する。
(第2実施形態)
図5の実施形態では、対向加熱板102を昇降可能に構成し、対向加熱板102と吸引加熱板101との間隔を広げて検査片8を挿入した後、所定の間隔に狭めて加熱、測定を行なうようにしたが、これに代えて対向加熱板102と吸引加熱板101との間隔を固定しておき、その間隙内に検査片8を挿入するようにしてもよい。
【0057】
ここで、図8A,Bを参照して、対向加熱板102と吸引加熱板101との間隔が測定に及ぼす影響を説明する。まず、説明のため試料7に同一の温度における蒸気圧が異なる2種類の物質A,Bがそれぞれ所定量だけ含まれ、物質Aは物質Bに対して相対的に蒸気圧が高いものと仮定する。まず、図8Aに示すように、対向加熱板102と吸引加熱板101との間隔をd1に固定して検査片8を挿入した場合について説明する。この場合、加熱器5から質量分析計のイオン源に導入される試料ガスの濃度の時間変化を図9(a)に示す。図9(a)において、検査片8が吸引加熱板101と対向加熱板102との間に挿入された時刻を0として表している。また、ガス濃度は、物質に応じて異なる検出下限値によって規格化して示している。この規格化により、グラフ上で一定値となる検出下限を点線で示している。また、質量分析計は、通常、間欠的にサンプリングして分析動作が行われることから、そのサンプリング周期の時刻を一点鎖線で示している。
【0058】
一般に、質量分析計に導入される物質のガス濃度が、サンプリング周期よりも長い間連続して下限値を超えていれば、いずれかのサンプリングにおいてその物質を検出できる。一方、試料の導入後、いずれのサンプリングにおいても、物質のガス濃度が検出下限値を超えない場合には、その物質を検出できない。図9(a)においては、物質Aが前者に、物質Bが後者にあたる。このように物質の蒸気圧の違いによってガス濃度の時間経過の波形が異なるのは、蒸気圧が高い物質ほど加熱器5における気化速度が速く、短い時間で高濃度のガスガ発生する一方、蒸気圧が低い物質は加熱器5における気化速度が遅く、長い時間にわたって低濃度のガスガ発生することによるものである。
【0059】
次に、対向加熱板102を動かして、図8Aに示すように、吸引加熱板101との間隔をd2に狭めて検査片8を挿入した場合について説明する。この場合の加熱器5から質量分析計のイオン源に導入される試料ガスの濃度の時間変化を図9(b)に示す。図9(a)に比べ、吸引加熱板101と対向加熱板102との間隔が狭いから、試料の加熱速度が速くなり、物質A、Bともにガス濃度の最大値が高くなる一方、発生時間が短くなっている。しかし、図9(b)においては、物質Bを検出できる。しかし、物質Aについてはサンプリング周期よりも短い時間で物質の気化が終了してしまうことから、サンプリングタイミングから外れて検出できないことがある。また、対向加熱板102が検査片8の試料7が付着していない面に接触していることが、加熱速度を最も高めることはいうまでもない。
【0060】
したがって、図5に示した実施形態において、昇降装置127により対向加熱板102を昇降させて吸引加熱板101との間隔を調整することにより、加熱器5における試料の加熱速度を変化させることができる。これにより、検査対象の物質の蒸気圧に合わせて、検出に好適な加熱速度を容易に実現できることになる。
【0061】
次に、図5に示した実施形態において、検査片8を挿入した時点で図8(a)となり、その後、昇降装置127により対向加熱板102を上昇させて図8(b)の状態になった場合について説明する。まず、吸引加熱板101と対向加熱板102の間隔の変化を図10Aに、質量分析計に導入されるガス濃度の変化を図10Bに示す。それらの図に示すように、間隔がd1となっている時点で物質Aが検出され、その後、対向加熱板102を上昇させて間隔をd2とすることにより、蒸気圧の低い物質Bが検出されている。このように、試料を導入した後に、対向加熱板102を上昇させて間隔を調整して加熱速度を上昇させることを行なえば、同一試料に蒸気圧が異なる種々の物質が含まれていても、それらを容易に検出することができる。
(第3実施形態)
図11に、図5の実施形態の吸引加熱板101と対向加熱板102とからなる加熱器本体の他の実施形態を示す。本実施形態は、吸引加熱板101と対向加熱板102とのより検査片8を挟み込んで固定して、試料を気化させるようにしたものである。すなわち、図示のように、本実施形態の吸引加熱板101の加熱面の円周部に一定高さの突起112が、中心から周方向に向けて設けられている。突起12同士の間は、周囲の雰囲気ガスを吸引可能な溝状の吸引口113が形成されている。吸引口113は、必要とされる試料ガスの流量を吸引できるように吸引加熱板101の加熱面内部に通じていれば、形状は特に問わない。検査片8が吸引加熱板101の下面位置に挿入されると、対向加熱板102を上昇させて検査片8を吸引加熱板101に接触固定させる。
【0062】
本実施形態によれば、検査片8が柔らかな材料の場合であって、保持が不安定な場合に有効である。つまり、検査片8の測定面近傍を固定することにより、試料7の部分をフラットな安定した状態で保持できるから、気化を安定にでき、ばらつきなく質量分析できる。また、対向加熱板102の加熱面を凹形状にして、吸引加熱板101との間隔を調整すれば、加熱速度を遅く調整することができる。
(第4実施形態)
図12、図13に、検査片8の保持具の実施形態を示す。本実施形態は、柔らかい材料で形成されている検査片8を、図5の実施形態の加熱器5で加熱するのに好適な検査片保持具である。検査片保持具134は上部保持具135と下部保持具136をヒンジ140によって連結して構成される。上部保持具135と下部保持具136の中央部には、吸引加熱板101と対向加熱板102の外径よりも大きい円形の開口137、138が形成されている。この開口137の縁部には突条139が形成され、上部保持具135と下部保持具136をヒンジ140によって折り畳んだときに、突条139の外周が下部保持具136の開口138内に一定の隙間を有して挿入されるように形成されている。検査片保持具135は、繰返し使用可能で、熱にも強く、図5の搬送ベルト123a、123bに対して適切な摩擦が働く材料で形成する。開口137,138の径は、吸引加熱板101と対向加熱板102により上部保持具135と下部保持具136が加熱され過ぎない程度に設定されている。なお、開口137,138は、吸引加熱板101と対向加熱板102の形状に合わせて円形でも角形でもよい。
【0063】
このように構成されることから、本実施形態の検査片保持具135によれば、柔らかい材質の検査片8を試料7が付着した面を上にして下部保持具136の上に載置して上部保持具135を畳むと、突条139と下部保持具136の開口138とによって検査片8が挟み込まれ、これによって試料拭き取り時等にできた検査片8のしわが伸ばされる。その結果、吸引加熱板101と対向加熱板102との隙間及び検査片8との間隔をコントロールすることができ、安定して精度の高い計測を行なうことができる。また、周辺を擦することによって生ずるコンタミナントの増大を防止できる。なお、開口137の全周に突条139を設ける例を示したが、突条に代えて開口137と開口138の縁部に突起を設けてもよく、また上部保持具135と下部保持具136の対向面に突起を設けて検査片8を引き伸ばすようにしてもよい。
(第5実施形態)
図14に、本発明の加熱器5の他の実施形態の全体構成を斜視図で示す。本実施形態は、図5の加熱器の検査片の搬送装置を回転系に変えたものである。すなわち、搬送ベルト132a,bに代えて回転板142を搬送媒体とするものである。回転板142はモータ141により回転駆動され、モータ141を駆動制御することにより、検査片8をセット位置から吸引加熱板101と対向加熱板102の隙間を通って検査片回収ボックス131の位置まで搬送するようになっている。この搬送動作を間欠に行ない、搬送ピッチを同一にしておけば、前述したと同様に、次から次へに検査片をセットすることにより、連続的に計測を行わせると共に、計測が終了した検査片8を検査片回収ボックス131に排出することができる。なお、同図には表れていないが、回転板142の検査片8が載置される部位には、吸引加熱板101や対向加熱板102の外径よりも大きな径の開口が設けられており、対向加熱板102が昇降して吸引加熱板101との間隙を調整可能になっている。
【0064】
以上説明した第1〜第5の実施形態の加熱器5によれば、吸引加熱板101と対向加熱板102を隙間を空けて対向させ、その間に被加熱体である検査片8を挿入して試料7を加熱して気化させるようにしているから、通気性を有しない検査片8に対しても適用できる。また、イオン源の負圧により吸引加熱板101と対向加熱板102の隙間から進入する空気をキャリアガスとして試料ガスを吸引するようにしているから、検査片8が吸引加熱板101と対向加熱板102の隙間に挿入された直後から試料ガスのガス流が安定するので、検出の信頼性を向上できる。また、試料7に蒸気圧が異なる複数の物質が含まれていても、それらを容易に検出できる。更に、検査片8を吸引加熱板101と対向加熱板102の隙間に自動搬送するようにしていることから、スループットを上げると共に、終了検査片8の回収待ちが不要であるから、作業効率を向上させることができる。
【0065】
なお、第1〜第5実施形態は、試料を拭き取った検査片8を加熱して気化された試料ガスを質量分析計のイオン源に導入する場合について説明したが、本発明の試料採取方法はこれに限らず、以下に述べる実施形態を採用することができる。
(第6実施形態)
図15に、本発明の試料採取方法の他の実施形態を示す。本実施形態は、図1の実施形態の加熱器5に代えて、試料ガス導入管21にホースコネクタ6を取り付け、このホースコネクタ6に吸引ホース7を接続し、吸引ホース7に試料ガスを採取する吸引プローブ8を取り付けた点が相違する。すなわち、本実施形態は、検査対象物の外表面等を濾紙などの検査片で拭取って試料を採取する方式に代えて、検査対象物の外表面等から試料を直接吸引してイオン質量分析計に供給するようにしたのである。
【0066】
吸引プローブ8の具体例は、それぞれ図16、図17、図18に示したものを用いることができる。図16(A)に示した吸引プローブ8は、振動子型の吸引プローブであり、先端が先細り状の筒体52の内部に振動発生器53を備え、その振動発生器53にスプリングなどの弾性部材54を介して接触振動子55を筒体52の軸方向に進退自由に取り付けて構成されている。また、筒体52の先端の先細り部の周面には、図16(B)に示すように、空気を吸引可能なスリット56が形成されている。
【0067】
このように構成されることから、振動発生器53を駆動して接触振動子55を検査対象物57の外表面に当接すると、検査対象物57の表面に付着している物質が振動により遊離され、吸引ガス流58に同伴して吸引プローブ8内に吸引される。吸引プローブ8内に吸引された試料ガスは、吸引ホース7と試料ガス導入管21を介して質量分析計に導入される。なお、スリット56の開口は、遊離された物質が吸引空気に同伴される程度の吸引空気流が生ずるように決めればよい。
【0068】
一方、図17に示した吸引プローブ8は、図16の振動発生器53と接触振動子55に代えて、筒体62の内部の先端部にヒータ63を設けた加熱型の吸引プローブであり、ヒータ63からの熱線64により検査対象物57の表面を加熱可能に構成されている。また、筒体62には内表面を加熱する電熱線が巻き付けられている。このように構成されることから、図17の吸引プローブ8によれば、査対象物57の表面に付着している物質が熱(例えば、80〜100℃程度)により蒸発して吸引プローブ8内に吸引されて、質量分析計に導入される。
【0069】
また、図18に示した吸引プローブ8は、図17のヒータ63に代えて、光ファイバ72により検査対象物57の表面にレーザ光などの光線64を照射して加熱するようにしたものである。図において、符号73は光ファイバ72を支持する支持部材であり、図17と同一の符号を付した部品は同一の機能構成を有するものである。このように構成されることから、図18の吸引プローブ8によれば、図17と同様に、査対象物57の表面に付着している物質が熱により蒸発し、その蒸気が質量分析計に導入される。
【0070】
図19は、図16の振動を利用して検査対象物表面の付着物を採取する方法の変形例であり、2本の搬送ベルト74からなる手荷物搬送台75のベルトコンベアの間に図示していない振動発生器により駆動される振動板76を設け、この振動板76により検査対象物57の全体を上下方向77に振動させて、検査対象物57の表面に付着している物質を振動により遊離させようとするものである。この場合の吸引プローブ8は単なる筒体でよい。
(第7実施形態)
図15〜図19に示した吸引プローブ8により試料ガスを直接イオン源20に吸引する採取法によると、高速のスクリーニングモードだけで探知を終了する場合と、精査モードまで行なう疑わしい場合とでは、探知に要する時間が異なる。したがって、検査対象物を図19のような手荷物搬送台で移動させながら探知する場合は、手荷物搬送台の搬送装置と探知装置とを連動させて、スクリーニングモード時は一定速度て搬送を行うが、精査モードに切り替わって数秒の時間をかけて探知を行う場合には、搬送速度を遅くする制御を行うことが好ましい。
(第8実施形態)
また、図15〜図19に示した吸引プローブ8により試料ガスを直接イオン源20に吸引する採取法によると、一定の速度で搬送されている検査台上の検査対象物から採取した試料ガスを吸引プローブ8により吸い込む場合、吸引プローブ8から質量分析計までの距離が長くなると、吸引された試料ガスが吸引ホース7を通ってイオン源20に達するのに時間がかかり、探知スピードが低下して、検査台上に荷物が渋滞してしまうことになる。また、検査対象物が屋外の貨物コンテナや車両等の場合は、簡単には質量分析計による探知を行なうことができない。
【0071】
このような場合に好適なポータブル型の実施形態の吸引プローブ9を図20に示す。図示のように、ポータブル型の吸引プローブ9は、ケース81の内部に吸引ファン82と、これを駆動するモータ83と、電源としてのバッテリ84を収納し、ケース81の前方壁に筒状の吸引ノズル85を取り付けてけ形成されている。吸引ノズル85が取り付けられたケース81の前方壁に吸引口86設けられ、ケース81の後方壁には排気口87が設けられている。また、ケース81の上部に取っ手88が設けられている。
【0072】
一方、吸引ノズル85とケース81との取り付け部に、試料採取用のカセットフィルタ87のフィルタ装着部が設けられている。カセットフィルタ87は、図21(C)に示すように、リング状の枠体89の周縁に把持部90が設けられ、その枠体89の内側の開口円は把持部90から離れる方向に偏心させて形成され、その開口円を塞ぐようにフィルタ91が取り付けられている。フィルタ91は、濾紙などの種々のフィルタ素材を用いることができる。フィルタ装着部は、図21(B)に示すように、吸引ノズル85の外周壁の半周にわたって、カセットフィルタ87の厚みの幅を有するスリットを形成し、このスリットからカセットフィルタ87を挿脱可能に形成されている。カセットフィルタ87は、図21(A)に示すように、フィルタ座92により保持されるようになっている。
【0073】
フィルタ装着部よりも吸引ノズルの先端側に円盤状の支持板93が吸引ノズル85の内壁に固定され、その支持板93の中心部から吸引ノズル85の先端方向に向かって支持棒94が延在させて設けられている。支持板93には、図21(D)に示すように、試料ガスが通流する複数の開口95が穿設されている。また、支持棒94の先端には、ヒータ96が取り付けられ、このヒータ96は図示していないスイッチを介してバッテリ84に接続されている。また、ヒータ96は、吸引ノズル85の先端部97よりも若干内側に位置させて設けられている。
【0074】
このように構成されることから、未使用のカセットフィルタ89をフィルタ装着部に挿着し、ヒータ96をオンするとともに吸引ファン82を回すと、吸引ノズル85の先端部から周囲空気が吸引される。このとき、吸引ノズル85の先端部を検査対象物の表面に近付け又は当接させると、検査対象物の表面がヒータ96により加熱され、表面に付着等している物質が蒸発して周囲空気とともに吸引される。吸引された空気中の物質蒸気は、フィルタ91にて凝縮し、捕集される。つまり、検査対象物の表面に特定薬物が付着していれば、その蒸気をフィルタ91にて凝縮させて捕集することができる。
【0075】
このようにして試料を捕集したカセットフィルタ89を、図5、図14に示した加熱器5にセットすることにより、質量分析計と探知対象物とが空間的に離れていても、また時間的に離れていても、特定薬物の探知を行なうことができる。
【0076】
ここで、図20の吸引プローブ9には、図16、図18に示した吸引プローブ8のように、振動発生器と振動子、光ファイバなどを組み合わせて構成することができる。また、同様に、吸引ノズルを85を二重筒とし、内筒から空気を噴射して付着物を遊離させ、外筒からその遊離物を吸引するように構成することができる。
【0077】
また、上記いずれの実施形態も、質量分析計としてイオントラッブ質量分析計を適用した例を説明したが、試料採取に係る吸引プローブなどの本発明を適用する場合は、イオントラッブ質量分析計に限られるものではなく、従来公知の質量分析計を適用することができるのはいうまでもない。例えば、特開2001−093461号公報に記載されているように、コロナ放電領域に対する試料の導入方向と、コロナ放電によりイオンを引出す方向をほぼ対向させることにより、イオンの生産効率を向上させた、いわゆる逆流方式の質量分析計に適用することができる。
【0078】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明の特定薬物の探知方法及び探知装置によれば、種々の検査対象物からの試料採取が簡単で、かつ採取時間及び検査時間を短縮できる。
【0079】
また、本発明の特定薬物の採取装置によれば、種々の検査対象物からの試料採取が簡単で、かつ採取時間を短縮できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用してなる一実施形態の特定薬物に係る探知装置の主要部の構成図を示す。
【図2】図1の実施形態の探知装置の外観正面図を示す。
【図3】右側面図を示す。
【図4】図1の実施形態の探知装置の左側面図を示す。
【図5】図1の実施形態の加熱器の全体構成を示す斜視図である。
【図6】図5の加熱器の吸引加熱板と対向加熱板の詳細図であり、同図(A)は断面図、同図(B)は動作時の平面図である。
【図7】本発明の特定薬物の探知方法の一実施形態の手順を示す。
【図8】図5の加熱器の吸引加熱板と対向加熱板の間隔の作用を説明する図である。
【図9】図8の吸引加熱板と対向加熱板の間隔により変化する試料ガスの濃度の時間変化を説明する線図である。
【図10】図8の吸引加熱板と対向加熱板の間隔を変化させたときの試料ガスの濃度の時間変化を説明する線図である。
【図11】図5の加熱器の吸引加熱板の他の実施形態の詳細図であり、同図(A)は側面図、同図(B)は背面図である。
【図12】検査片の保持具の一実施形態の斜視図である。
【図13】図12の検査片保持具の側断面図である。
【図14】本発明に係る加熱器の他の実施形態の全体構成を示す斜視図である。
【図15】本発明に係る特定薬物の試料の採取法に係る他の実施形態を示す図である。
【図16】本発明に係る振動子型の吸引プローブの実施形態を示す図である。
【図17】本発明に係る光加熱型の吸引プローブの実施形態を示す図である。
【図18】本発明に係る加熱型の吸引プローブの実施形態を示す図である。
【図19】本発明に係る振動型の搬送装置の実施形態を示す図である。
【図20】本発明に係るポータブル型の吸引プローブの実施形態を示す図である。
【図21】図20の各部の詳細を示す図である。
Claims (3)
- 検査対象から採取した試料が付着した検査片を加熱するステップと、加熱された前記検査片から発生する気体を試料ガスとして吸引するステップと、該吸引された試料ガスをイオン化するステップと、イオン化された試料ガスのイオンの質量を分析して質量スペクトルを取得する第1の分析ステップと、第1の固有のm/z値のイオンが存在するか判定する第1の判定ステップと、前記第1の判定ステップの判定結果に応じてタンデム質量分析を行う第2の分析ステップと、前記タンデム質量分析で得られた質量スペクトルで第2の固有のm/z値のイオンが存在するか判定する第2の判定ステップとを備え、前記検査片を加熱するステップは、間隔を離して対向配置された2枚の加熱板の間に前記検査片を挿入して加熱することを特徴とする特定薬物の探知方法。
- 検査対象物から採取した試料が付着した検査片を気化手段に導入して加熱するステップと、加熱された前記検査片から発生する試料ガスを前記気化手段から周囲空気をキャリアガスとして吸引するステップと、該吸引された試料ガスをイオン化するステップと、イオン化された試料ガスのイオンの質量を分析して質量スペクトルを取得するステップと、該取得された質量スペクトルに基づいて特定のm/z値のイオンの有無を判定するステップと、該判定結果を出力するステップとを備え、前記気化手段は、間隔を離して対向配置された2枚の加熱板を有して構成され、前記検査片を加熱するステップは、前記2枚の加熱板の間に前記検査片を挿入して加熱することを特徴とする特定薬物の探知方法。
- 検査対象から採取した試料が付着した検査片を上下に移動可能な加熱板の間に挿入し加熱する加熱器と、該加熱器に設けられ前記検査片を挿入する開口部と、該加熱器に連通されたイオン源を有し前記加熱器から試料ガスを吸引してイオン化するイオン化手段と、該イオン化手段によりイオン化された試料ガスのイオンの質量を分析する質量分析計と、前記加熱器と前記開口部と前記イオン化手段と前記質量分析計を有する本体と、前記質量分析計により分析された前記試料ガスの質量スペクトルに基づいて特定のm/z値のイオンの有無を判定するデータ処理手段と、該判定結果を出力する出力手段と、該出力結果を表示する表示手段と、前記本体と前記データ処理手段と前記出力手段とを搬送する搬送手段とを備えてなる特定薬物の探知装置。
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