JP2981093B2 - 大気圧イオン化質量分析計 - Google Patents

大気圧イオン化質量分析計

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JP2981093B2
JP2981093B2 JP5279310A JP27931093A JP2981093B2 JP 2981093 B2 JP2981093 B2 JP 2981093B2 JP 5279310 A JP5279310 A JP 5279310A JP 27931093 A JP27931093 A JP 27931093A JP 2981093 B2 JP2981093 B2 JP 2981093B2
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    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J49/00Particle spectrometers or separator tubes
    • H01J49/02Details
    • H01J49/04Arrangements for introducing or extracting samples to be analysed, e.g. vacuum locks; Arrangements for external adjustment of electron- or ion-optical components
    • H01J49/0422Arrangements for introducing or extracting samples to be analysed, e.g. vacuum locks; Arrangements for external adjustment of electron- or ion-optical components for gaseous samples

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、大気圧イオン化(Atom
ospheric Pressure Ionization)又は化学イオン化など
の分子反応を利用したイオン化機能を有する大気圧イオ
ン化質量分析計に関する。
【0002】
【従来の技術】大気圧で動作するイオン源を備え、被検
ガスを分析する大気圧イオン化質量分析計がある(例え
ば、特開昭60−127453号公報、特開昭61−5
4144号公報、特開昭62−103954号公報、特
開平3−296659号公報、特開平4−353761
号公報参照)。図は、上記大気圧イオン化質量分析計
の概略構成図である。この大気圧イオン化質量分析計
は、窒素中に含まれるNO、O2等を定性分析又は定量
分析を行う装置であり、特に、窒素を製造する工程にお
いて、どの程度の不純物のガス、例えばNO、O2ガス
等が混入しているかを測定するものである。
【0003】図において、被測定ガスであるN2ガス
は、N2ガスボンベ1からステンレス製のパイプ3を通
ってバルブ2に送られる。そして、N2ガスはバルブ2
を通ってAPI(Atomospheric Pressure Ionization)
イオン源4に導入される。APIイオン源4に導入され
たN2ガスは、針電極5の先端から発生するコロナ放電
によってイオン化される。イオン化されたN2ガスは、
2ガスの中に含まれるNO、O2等の不純物ガスと分子
反応を起こし、NO、O2ガスをイオン化する。これは
2ガスのイオン化ポテンシャルがNO、O2ガスより高
いためであり、イオン化されたN2イオンはイオン化ポ
テンシャルの低いNO、O2ガスと衝突する際にNO、
2ガスより電子を引き抜き、これらをイオン化する。
イオン化されたNO、O2ガスのイオンは第1細孔電極
6、中間圧力部7、第2細孔電極8を通り静電レンズ9
で集束された後、イオンビームとなって質量分析部10
に送られる。質量分析部10では、イオンビームが質量
ごとに分散され、NOイオンは質量数30に、O2イオ
ンは質量数32に、それぞれマススペクトルとして検出
される。
【0004】一方、定量測定を行う場合は、バルブ11
から例えばNOの含有量が既知のN2ガスを標準ガスボ
ンベ12からAPIイオン源4に導入する。この標準ガ
スは、通常N2ガスの中に100ppm程度NOが含ま
れているものを用いる。この標準ガスは、バルブ2を通
ってきた試料ガスとAPIイオン源4に導入される直前
に混合され、APIイオン源4に導入されて上述と同様
にして、コロナ放電によりイオン化される。
【0005】バルブ2及び11は、それぞれ図に示す
ようなマスフローコントローラ26を備えている。この
マスフローコントローラ26は、2つに分岐したガス流
路に配置されたバイパス261とセンサ262とを備え
ている。センサ262は、毛細管に2つの自己発熱抵抗
体が巻かれたものである。そして、センサ262の抵抗
体がブリッジ回路263に接続されている。ブリッジ回
路263からの信号は、増幅回路264を介して補正回
路265に供給される。
【0006】補正回路265からの出力電圧信号は、制
御手段(図示せず)に供給されるとともに、比較制御回
路27に供給される。すると、比較制御回路27は、上
記制御手段から供給される設定電圧信号と、補正回路2
65からの出力電圧信号とを比較し、その差が零となる
ように、コントロールバルブ28を制御する。
【0007】ここで、バルブ2からは試料ガスを流量Q
x(リットル/min)だけ流し、バルブ11からは標
準ガスをQs(リットル/min)だけ流して、試料ガ
スと標準ガスとを混合させたとする。この場合、例え
ば、標準ガス中のNOの濃度をCs(ppm)とする
と、NOの添加濃度は一次近似で(Qs/Qx)・Cs
(ppm)となる。添加濃度の調整は、標準ガスの流量
Qsを変化させて行う。
【0008】試料ガスを一定量に保ちながら標準ガスを
複数段階で添加し、この時の添加濃度を横軸にプロット
し、イオン強度を縦軸にプロットする。イオン強度と添
加濃度が直線関係にあると仮定すると、この直線がy=
ax+bであれば、添加濃度が零(x=0)の場合のイ
オン強度、すなわちbが試料ガス中に含まれるNOのイ
オン強度、Xoがその濃度と成る。この関係を図に示
す。すなわち、試料ガス中のNOの濃度は次式(1)の
ようになる。 Xo=b/a −−−(1) 大気圧イオン化質量分析計によるガス分析は次のような
特徴がある。 1.大気圧下では分子やイオンの衝突回数が多いため、
微量不純物でも衝突の機会が多く高感度に分析可能であ
る。 2.イオン化電圧の低い物質は集中的にイオン化される
ため、選択的イオン化が可能である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、大気圧イオ
ン化質量分析計は、上述のように、微量不純物でも高感
度に分析可能であるため、ボンベ等の特殊なものに収容
されたガスではなく、例えば、バッグ、小包、ポケット
のような日常的なものに収容された空気又はガスに含ま
れる不純物、特に、違法に持ち込まれる薬物の検出に使
用できれば、便利である。しかしながら、上記従来の大
気圧イオン化質量分析計にあっては、工場等で製造され
たガス中に含まれる微量な不純物の定量測定が、その目
的であり、上述のような日常的なものに収容された空気
又はガスの検出には適していなかった。
【0010】つまり、従来の大気圧イオン化質量分析計
にあっては、マスフローコントローラが用いられ、ボン
ベに充填された被測定ガスの圧力により、イオン源に被
測定ガスが導入される。したがって、バッグ、小包、ポ
ケット等の日常的な収容体に収容された空気又はガスを
イオン源に導入するためには、これら空気又はガスを適
切なボンベに充填しなければならない。これでは、ボン
ベへの充填装置が必要であるばかりでなく、薬物等の検
出までに長時間費やされてしまう。特に、測定対象が大
量な場合、例えば、飛行機に搭乗する大量の搭乗者のバ
ッグ等の検査には、適用する事はできない。
【0011】また、例えば、国外から又は国内へ持ち込
まれる麻薬等の薬物は、必ずしも精製されてはいない。
つまり、麻薬等の薬物を、例えば合成して国外から又は
国内へ持ち込み、その後、精製することも考えられる。
この場合、合成される薬物は、数十種類に及ぶと思われ
る。したがって、従来の大気圧イオン質量分析計を用い
て、これら数十種類に及ぶ薬物が合成されたガスを分析
しようしても、検出すべき薬物が含まれているか否かの
判定が困難であった。
【0012】本発明の目的は、バッグ、小包、ポケット
のような日常的なものに収容された空気又はガス等の被
検気体に含まれる不純物、特に、違法に持ち込まれる薬
物を連続して容易に検出可能な大気圧イオン化質量分析
計を実現することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するため、次のように構成される。大気圧又は大気圧
に近い圧力で動作し、被検気体をイオン化するイオン化
部と、イオン化部で生成したイオンが中間圧力領域を経
て供給され、イオンを分析する質量分析部とを有する大
気圧イオン化質量分析計において、塵埃除去用のフィル
タを有する移動可能な被検気体吸入手段と、被検気体吸
入手段をイオン化部の吸入口に接続する絶縁材から形成
される可撓性の第1のパイプと、イオン化部には排気口
が設けられ、この排気口から所定の排気流量で排気する
排気手段と、質量分析部により分析された成分に所定の
薬物が含まれているか否かを判定する薬物判定部とを備
え、上記被検気体は、上記排気手段により上記被検気体
吸入手段から上記可撓性の第1のパイプを介して上記イ
オン化部に供給される
【0014】好ましくは、上記大気圧イオン化質量分析
計において、被検気体吸入手段には被検気体を吸入する
細管が装着されている。また、好ましくは、上記大気圧
イオン化質量分析計において、イオン化部の排気口は
2のパイプを介して排気手段に接続される
【0015】また、好ましくは、上記大気圧イオン化質
量分析計において、薬物判定部は、上記質量分析部によ
り分析され、得られたマススペクトルに、所定の薬物を
示す複数のM/Z値を判定し、上記質量分析部により分
析された成分に所定の薬物が含まれているか否かを判定
する。
【0016】また、好ましくは、上記大気圧イオン質量
分析計において、排気手段は、排気流量が任意に設定可
能であり、設定された排気流量を維持して、イオン化部
の内部気体を排気可能である。また、好ましくは、上記
大気圧イオン化質量分析装置において、第2のパイプ
は、絶縁材で形成されている。
【0017】
【作用】被検気体吸入手段により導入される被検気体
は、被検気体吸入手段に装着されたフィルタで塵埃が取
り除かれる。塵埃が取り除かれた被検気体は、第1の絶
縁パイプを通ってイオン化部に導入される。ここで、第
1の絶縁パイプを介して被検気体がイオン化部に導入さ
れるのは、イオン化部に高電圧が印加されているからで
ある。通常、イオン化部にはイオン加速電圧として数十
ボルトから数kボルトの高電圧が印加されている。した
がって、被検気体吸入手段に素手で触れても第1の絶縁
パイプを介することによって感電が防止される。イオン
化部に導入された被検気体の大部分は、イオン化部の排
気口から第2の絶縁パイプを介して、排気手段によって
大気中に排出される。第2の絶縁パイプにより、イオン
化部と排気手段とが電気的に絶縁される。
【0018】イオン化部に導入された被検気体に含まれ
る薬物の分子は、コロナ放電によってイオン化される。
ここでのイオン化の過程は、コロナ放電によって先ず被
検気体中に含まれる水の分子がイオン化され、この水の
分子イオンと被検気体中に含まれる薬物の分子とが衝突
し、薬物の分子がイオン化される。イオン化された薬物
の分子イオンは、質量分析部に導入される。そして、質
量分析部により分析された成分が、所定の薬物か否かが
薬物判定部により判定される。
【0019】
【実施例】図1は、本発明の第1実施例である大気圧イ
オン化質量分析計の概略構成図である。空気取り入れ用
プローブ14は、絶縁パイプ16を介してAPIイオン
源4に接続される。また、イオン源4は排気口21、絶
縁パイプ22を介して空気排気用ポンプ13に接続され
る。イオン源4は、針電極5と、第1細孔電極6と、中
間圧力部7と、第2細孔電極8とを備える。そして、針
電極5は電源30に接続され、第1細孔電極6及び第2
細孔電極8は、イオン加速電源17に接続される。ま
た、中間圧力部7は、排気口29を介して真空ポンプに
接続される。
【0020】第2細孔電極8の後段には、静電レンズ9
が配置され、この静電レンズ9の後段には、質量分析部
10及び検出器18が配置される。そして、検出器18
からの検出信号は、増幅器19を介してデータ処理部2
3に供給される。このデータ処理部23は、質量判定部
231と、薬物A判定部232と、薬物B判定部233
と、薬物C判定部234と、警報駆動部235とを備え
る。また、警報駆動部235により駆動される警報表示
部24には、表示部241、242、243が配置され
る。ここで、上記薬物A、B、Cの例としては、覚醒
剤、大麻、麻薬がある。
【0021】図2は、プローブ14の一部破断拡大図で
ある。この図2において、プローブ14には円筒状の吸
入部25が備えられている。また、プローブ14の内部
には、フィルタ15が装着されている。このフィルタ1
5は、吸入部25を介してプローブ14に導入された空
気の中に含まれる塵埃を取り除くためのもので、イオン
源4に塵埃等の導入が防止される。イオン源4に塵埃が
入るとイオン源4を汚すばかりでなく、針電極5に塵埃
が付着すると、針電極5の先端からコロナ放電を起こさ
なくなり、導入された空気がイオン化できなくなってし
まうからである。
【0022】フィルタ15は、ステンレス製の板で構成
されるのが好ましい。通常、塵埃を取り除くための目的
であれば、例えば安価なスポンジ等が考えられるがスポ
ンジには可塑剤が含まれており、この可塑剤がガスとし
て放出されるため、プローブ14に導入された空気と混
合されてしまう。このため、例えばマススペクトルのM
/Z218にバックグラウンドとして現れることとな
る。したがって、フィルタ15は、ガスを発生しない材
質のものが好ましい。図2の例においては、ステンレス
製の板に直径が数十ミクロンから数百ミクロンの穴が形
成されたものを使用している。
【0023】次に、プローブ14とAPIイオン源4と
は、絶縁パイプ16により接続されている。これはプロ
ーブ14とAPIイオン源4を絶縁するためである。イ
オン源4にはイオン加速電源17として、通常、数十ボ
ルトから数Kボルトの電圧が印加されている。したがっ
て、プローブ14は素手で持って測定したい場所の部分
に容易に移動させることを行うため、感電を起こさない
ように絶縁が必要となる訳である。また、プローブ14
は自由に移動ができるように絶縁パイプ16はやわらか
くて細いものが良い。図2の例においては、テフロン製
のパイプを用いている。
【0024】さて、図1において、空気排気用ポンプ1
3が作動することにより吸入部25を介して、外部空気
(被検気体)がプローブ14へ導入される。プローブ1
4に導入された空気は、フィルタ15を通過した後、絶
縁パイプ16を通過して、イオン源4に達する。イオン
源4に導入された空気の大部分は排気口21、パイプ2
2を通って空気排気用ポンプ13で大気中に排気され
る。パイプ22は、排気口21と空気排気用ポンプ13
間を絶縁するため絶縁物で構成されている。図1の例に
おいては、パイプ22はテフロン製のパイプを採用して
いる。空気排気用ポンプ13はイオン源部4に安定に空
気が導入されるように、排気流量を一定に保ちしかもそ
の排気流量は任意に設定できるようになっている。これ
はイオン源4に導入される空気の流量が変化すれば、当
然のことながら測定しようとする薬物の分子の数も変化
してしまい、安定に測定することができなくなるからで
ある。
【0025】イオン源4に達した空気の中に含まれる薬
物の分子は、図1の例の場合は、従来の技術と異なり、
プロトンが薬物分子に付加したイオンとして検出され
る。この場合の薬物の分子Xのイオン化の過程は次式
(2−1)〜(2−n)のような反応と考えられる。 H2O → (コロナ放電)H2+ −−−(2−1) H2++H2O → H3++OH −−−(2−2) H3++H2O → (H2O)2+ −−−(2−3) −−−−−−−−−−−−−−−− (H2O)n-1++H2O → (H2O)n+ −−−(2−(n-1)) (H2O)n++X → XH++(H2O)n −−−(2−n) ただし、n=1、2、3・・・・・ このように、本発明の第1実施例では、先ず空気中に含
まれる水の分子がイオン化され、その後、イオン化され
た水の分子との衝突によって薬物分子Xがイオン化され
る。したがって、薬物分子Xは、薬物分子にプロトンが
付加した(M+H)+の形でイオン化される。
【0026】イオン化された薬物分子イオンは第1細孔
電極6、中間圧力部7、第2細孔電極8を通って静電レ
ンズ9によって集束され、イオンビームとなって質量分
析部10に導入される。そして、イオンビームは、質量
分析部10により、質量毎に分けられる。質量毎に分け
られたイオンは検出器18によって検出され、その検出
信号は増幅器19で増幅される。増幅器19によって増
幅された検出信号は、データ処理部23の質量判定部2
31に供給され、マススペクトルが得られる。
【0027】質量判定部231において、得られたマス
スペクトルを示す信号が、薬物A判定部232、薬物B
判定部233、薬物C判定部234に供給される。そし
て、これら判定部232、233、234は、供給され
たマススペクトルから薬物A、B、Cが検出されたか否
かを判定する。薬物が判定されたのであれば、判定信号
が判定部232、233、234から警報駆動部235
に供給される。警報駆動部235は、供給された判定信
号から検出された薬物に対応する信号を警報表示部24
に供給する。すると、警報表示部24は、検出された薬
物を示す表示部分241、242、243を点灯又は点
滅させるとともに、警報音を発生させる。
【0028】図3は、図1に示した大気圧イオン化質量
分析計によって、薬物の一つであるアルカロイドのカフ
ェインを測定し、得られたマススペクトルの例である。
図3において、カフェインの分子量は194であるが、
プロトンが付加してM/Z195に、50%以上のイオ
ンピーク高さが検出され、M/Z212に、5%以上の
ピーク高さが検出されている。これは、カフェインのマ
ススペクトルの特徴である。したがって、被検気体にカ
フェインが含まれているか否かは、得られたマススペク
トルに上記特徴が有るか否かを判定すればよい。
【0029】図4は、薬物A判定部232にカフェイン
の存在を判定させる場合の判断論理を示すフローチャー
トである。図4のステップ100において、質量判定部
231によって、得られたマススペクトルが、薬物A判
定部232に転送される。そして、ステップ101にお
いて、転送されたマススペクトルからピーク高さ50%
以上であるM/Z値を確認する(抽出する)。次に、ス
テップ102において、ピーク高さ50%以上のM/Z
値に、M/Z195が存在するか否かを判定し、存在し
ない場合には、ステップ100に戻り、存在する場合に
は、ステップ103に進む。
【0030】ステップ103において、マススペクトル
からピーク高さ5%以上のM/Z値を確認する。そし
て、ステップ104において、M/Z212が存在する
か否かを判定する。M/Z212が存在する場合には、
ステップ105に進み、警報駆動部235に警報点灯駆
動信号を供給する。次に、ステップ106に進み、警報
駆動部235は、警報表示部24の表示部241を点灯
させ、カフェインが存在することを表示させる。
【0031】ステップ104において、M/Z212が
存在しない場合には、ステップ107に進み、警報駆動
部235に警報点滅駆動信号を供給する。次に、ステッ
プ108に進み、警報駆動部235は、警報表示部24
の表示部241を点滅させ、カフェインが存在するかも
しれないことを表示させる。以上のように、特定の薬物
が被検気体に存在するか否かは、得られたマススペクト
ルから、その特定の薬物の特徴を示す複数のM/Z値が
存在するか否かにより判定する事ができる。
【0032】複数種の薬物が合成されている場合には、
そのマススペクトルは、図3に示したマススペクトルよ
りも複雑なものとなる。そして、判定すべき薬物の種類
によっては、上記カフェインのマススペクトルの特徴
(つまり、マススペクトルのピーク高さ50%以上にM
/Z値195が存在し、かつピーク高さ5%以上にM/
Z値212が存在する)よりも複雑な特徴となることが
考えられる。例えば、薬物Zの特徴は、ピーク50%以
上にM/Z値α、ピーク20%以上にM/Z値β、ピー
ク10%以上にM/Z値γが存在するというような複雑
な特徴となることが考えられる。この場合においても、
データ処理部23の薬物判定部232、233、234
の、それぞれに、上述したような薬物の判定論理を実行
させれば、短時間で容易に特定の薬物が、被検気体に存
在するか否かの判定を実行することができる。
【0033】以上のように、本発明の第1実施例によれ
ば、イオン源4に絶縁パイプ16を介して移動可能にプ
ローブ14が接続され、かつ、空気排気用ポンプ13に
より、被検気体がプローブ14を介してイオン源4に導
入される。そして、データ処理部23により、被検気体
のマススペクトルに、所定の薬物の特徴を示す複数種の
M/Z値が、存在するか否かが判定され、警報表示部2
4により、警報するように構成される。したがって、バ
ッグ、小包、ポケットのような日常的なものに収容され
た空気又はガスに含まれる不純物、特に、違法に持ち込
まれる薬物を連続して容易に、短時間で検出可能な大気
圧イオン化質量分析計を実現することができる。また、
例え、数十種類の薬物が合成されていても、所定の薬物
が存在しているか否かの判定を容易に判定し、警報する
ことができる。
【0034】なお、上述した例においては、判定部23
2、233、234は、それぞれ一種類の薬物を判定す
るように構成したが、一つの判定部で、二種類の薬物を
判定するように構成することもできる。図5は、本発明
の第2実施例の判定論理を示すフローチャートであり、
上述した一つの判定部で、二種類の薬物を判定する場合
の例である。なお、全体構成としては、データ処理部2
3以外の部分は、図1の例と同様となるので、図示は省
略する。また、この図5に示したステップ100から1
08は、図4に示したステップ100から108と同様
となっている。ただし、ステップ102において、M/
Z値195が存在しない場合には、ステップ110に進
む。また、ステップ106及び108に続いて、ステッ
プ109に進む。
【0035】さて、ステップ109において、マススペ
クトルのピーク高さが50%以上のM/Z値を確認す
る。そして、ステップ110において、M/Z値Bが存
在するか否かを判定し、存在しなければ、ステップ10
0に戻る。ステップ110において、M/Z値Bが存在
すれば、ステップ111において、マススペクトルのピ
ーク高さが10%以上のM/Z値を確認する。そして、
処理はステップ112に進む。
【0036】ステップ112において、マススペクトル
のピーク高さ10%以上にM/Z値Bbが存在するか否
かを判定する。M/Z値Bbが存在する場合は、警報駆
動部235に警報点灯駆動指令信号を供給する。次に、
ステップ114において、警報表示部24の表示部24
2が点灯され、薬物Bが存在することを表示させる。ま
た、ステップ112において、ピーク高さ10%以上に
M/Z値Bbが存在しない場合には、ステップ115に
進む。そして、このステップ115において、警報駆動
部235に警報点滅駆動指令信号を供給する。次に、ス
テップ116において、警報表示部24の表示部242
が点滅され、薬物Bが存在するかもしれないことを表示
させる。
【0037】以上のように、本発明の第2実施例におい
ても、第1実施例と同様な効果を得ることができる。
【0038】なお、上述した例において、薬物判定部
は、薬物A、B、Cの3種類の薬物を判定する構成とし
たが、3種類以下の薬物又は3種類以上の薬物を判定す
る構成とすることも可能である。例えば、覚醒剤、大
麻、麻薬の他に、コカイン、モルヒネ等も判定する構成
も可能である。
【0039】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成され
ているので、次のような効果がある。大気圧又は大気圧
に近い圧力で動作し、被検気体をイオン化するイオン化
部と、イオン化部で生成したイオンが中間圧力領域を経
て供給され、イオンを分析する質量分析部とを有する大
気圧イオン化質量分析計において、イオン化部の吸入口
に配置され、移動可能な被検気体吸入手段と、質量分析
部により分析された成分が所定の薬物か否かを判定する
薬物判定部とを備える。この薬物判定部においては、特
定の薬物を示す複数のM/Z値を判定し、被検気体に特
定の薬物が含まれているか否かを判定する。したがっ
て、バッグ、小包、ポケットのような日常的なものに収
容された空気、ガス等の気体に含まれる不純物を連続し
て容易に検出可能な大気圧イオン化質量分析計を実現す
ることができる。また、数十種の薬物が合成されている
場合でも、所定の薬物が存在するか否かが、薬物判定部
により容易に判定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の概略構成図である。
【図2】プローブの一部破断断面図である。
【図3】本発明の第1実施例による測定結果を示す図で
ある。
【図4】本発明の第1実施例による薬物判定論理を示す
フローチャートである。
【図5】本発明の第2実施例による薬物判定論理を示す
フローチャートである。
【図6】従来の大気圧イオン化質量計の概略構成図であ
る。
【図7】マスフローコントローラの構成を示す図であ
る。
【図8】大気圧イオン化質量分析計の測定原理を示す図
である。
【符号の説明】
4 イオン源 5 針電極 6 第1細孔電極 7 中間圧力部 8 第2細孔電極 9 静電レンズ 10 質量分析部 13 空気排気用ポンプ 14 空気取り入れ用プローブ 15 フィルタ 16 絶縁パイプ 17 イオン加速電源 18 検出器 19 増幅器 21 排気口 22 パイプ 23 データ処理部 24 警報表示部 231 質量判定部 232 薬物A判定部 233 薬物B判定部 234 薬物C判定部 235 警報駆動部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭49−106885(JP,A) 特開 昭59−81853(JP,A) 特開 昭60−250227(JP,A) 特開 昭62−103954(JP,A) 欧州特許出願公開447158(EP,A 1) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01J 49/04 G01N 27/62 H01J 49/10

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】大気圧又は大気圧に近い圧力で動作し、被
    検気体をイオン化するイオン化部と、上記イオン化部で
    生成したイオンが中間圧力領域を経て供給され、上記イ
    オンを分析する質量分析部とを有する大気圧イオン化質
    量分析計において、塵埃除去用のフィルタを有する移動可能な被検気体吸入
    手段と、 上記被検気体吸入手段を上記イオン化部の吸入口に接続
    する絶縁材から形成される可撓性の第1のパイプと、 上記イオン化部には排気口が設けられ、この排気口から
    所定の排気流量で排気する排気手段と、 上記質量分析部により分析された成分に所定の薬物が含
    まれているか否かを判定する薬物判定部と、 を備え、上記被検気体は、上記排気手段により上記被検
    気体吸入手段から上記可撓性の第1のパイプを介して上
    記イオン化部に供給されることを特徴とする大気圧イオ
    ン化質量分析計。
  2. 【請求項2】請求項1記載の大気圧イオン化質量分析計
    において、上記被検気体吸入手段には被検気体を吸入す
    細管が装着されていることを特徴とする大気圧イオン
    化質量分析計。
  3. 【請求項3】請求項1記載の大気圧イオン化質量分析計
    において、上記イオン化部の排気口は第2のパイプを介
    して上記排気手段に接続されることを特徴とする大気圧
    イオン化質量分析計。
  4. 【請求項4】請求項1記載の大気圧イオン化質量分析計
    において、上記薬物判定部は、上記質量分析部により分
    析され、得られたマススペクトルに、所定の薬物を示す
    複数のM/Z値を判定し、上記質量分析部により分析さ
    れた成分に所定の薬物が含まれているか否かを判定する
    ことを特徴とする大気圧イオン化質量分析計。
  5. 【請求項5】請求項3記載の大気圧イオン質量分析計に
    おいて、上記排気手段は、排気流量が任意に設定可能で
    あり、設定された排気流量を維持して、上記イオン化部
    の内部気体を排気可能であることを特徴とする大気圧イ
    オン化質量分析計。
  6. 【請求項6】請求項2又は3記載の大気圧イオン化質量
    分析計において、上記第2のパイプは、絶縁材で形成さ
    れていることを特徴とする大気圧イオン化質量分析計。
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