JP7201809B2 - 物質分析装置及び物質分析方法 - Google Patents

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Description

本発明は、物質分析装置及び物質分析方法の技術に関する。
世界的にテロの脅威が増している。特に爆発物は、日用品を原料とした強力な爆薬の製造方法がインターネットを介して拡散したことから、近年のテロにおいて使用されるケースが増えている。爆発物テロを防止する有効な手段の一つは、爆発物探知システムにより隠蔽されている爆発物を発見することである。爆発物の探知方法として、爆発物の塊を見つけるバルク探知と、微量の爆薬の痕跡を見つけるトレース探知との2つが知られている。バルク探知とトレース探知とでは得られる情報が異なり、かつ、バルク探知とトレース探知とを相補的に運用することができる。そのため、双方の探知方法を併用することによりセキュリティを向上することができる。
一般的に、X線検査装置に代表されるバルク探知は、主に不審物の形状等により判定しており、物質を識別するのは苦手である。一方、トレース探知は、化学分析の手法により化学物質に由来する信号を検出できるため、物質の識別を得意としている。このため、トレース探知に用いられる探知装置には、誤報を発報させることなく正確に爆発物を見分ける高い選択性が期待されている。
化学分析の中でもタンデム質量分析という手法は、高い選択性を得ることができるため、トレース探知装置の分析部として活用されている。
例えば、特許文献1には、「イオントラップ質量分析計を用いた探知方法において、質量スペクトルを取得する第1の分析ステップと、第1の固有のm/zのイオンが存在するか判定する第1の判定ステップと、前記第1の判定ステップの判定結果に応じて分析条件をデータベースから読み込むステップと、タンデム質量分析を行う第2の分析ステップと、第2の固有のm/zのイオンが存在するか判定する第2の判定ステップとを有することを特徴する」イオントラップ質量分析計を用いた探知方法及び探知装置が開示されている(請求項1参照)。
また、特許文献2には、「複数のプリカーサイオンの共鳴周波数を含まず、他のイオンの共鳴周波数を含み、周波数毎に異なる振幅を有する高周波信号を、イオントラップ型質量分析計を構成する電極に印加して、複数のプリカーサイオンの選択の制御を行なう手段と、複数のプリカーサイオンの共鳴周波数毎に個別に設定される振幅を有し、複数のプリカーサイオンの共鳴周波数を重畳した高周波信号を、上記電極に印加して、複数のプリカーサイオンの解離の制御を行なう手段とを有し、複数のプリカーサイオンを解離させて得られる複数のフラグメントイオンの質量スペクトルに基づき所望の化学物質の有無を判定する」質量分析装置が開示されている(要約参照)。
特許第3894118号公報 特開2005-108578号公報
前記したように、テロの脅威が高まっていることから、より高性能の探知機が求められている。このような背景から、特許文献1及び特許文献2に記載した技術に対し、さらに選択性を高めることが求められている。
このような背景に鑑みて本発明がなされたのであり、本発明は、物質分析の選択性を高めることを課題とする。
前記した課題を解決するため、本発明は、検査対象物の表面に付着する化学物質を採取するための媒体を加熱していく媒体加熱部と、前記媒体加熱部により加熱され、気化することで前記媒体から送られた前記化学物質に由来する蒸気を、タンデム質量分析するタンデム質量分析部と、前記媒体加熱部における前記媒体の温度を基に、前記媒体加熱部から前記タンデム質量分析部に送られた前記蒸気について、前記媒体の温度で気化する前記化学物質に関する前記タンデム質量分析を前記タンデム質量分析部に実行させる制御部と、前記媒体加熱部の昇温を一定の状態にして予め取得した前記化学物質に関するデータに基づき、前記媒体加熱部に前記媒体が挿入される時刻を基に計測される経過時間、及び、当該経過時間に、どの前記化学物質について前記タンデム質量分析を行うかに関する情報が対応付けられている分析タイミング情報を格納している記憶部と、を有し、前記制御部は、前記媒体が前記媒体加熱部に挿入された時刻を基に前記媒体加熱部の加熱時間を計測し、前記計測した加熱時間が、前記分析タイミング情報における前記経過時間になると、前記分析タイミング情報において、当該経過時間に対応付けられている前記化学物質について、前記タンデム質量分析部に前記タンデム質量分析を実行させることを特徴とする。
その他の解決手段は、実施形態において適宜記載する。
本発明によれば、物質分析の選択性を高めることができる。
第1実施形態に係る危険物探知システムの構成を示す図である。 第1実施形態で用いられる加熱器の断面図である。 加熱器の動作手順を示すフローチャートである。 加熱器における、ワイプ材の温度変化のイメージである。 イオントラップ式質量分析計の構成を示す図である。 第1実施形態で用いられる制御装置の構成を示す機能ブロック図である。 第1実施形態で用いられる分析タイミング情報の構成を示す図である。 タンデム質量分析の考え方を示す図である。 イオントラップ式質量分析計によるタンデム質量分析の工程を示すフローチャートである。 第1実施形態で行われる分析の手順を示すフローチャートである。 発生する蒸気濃度の時間変化を模式的に示したものである。 第2実施形態で用いられる加熱器の断面図である。 第3実施形態で用いられる加熱器の断面図である。 第4実施形態で行われる分析測定の手順を示すフローチャート(その1)である。 第4実施形態で行われる分析測定の手順を示すフローチャート(その2)である。 タンデム質量分析と、非タンデム質量分析の実行タイミングの例を示す図である。 第5実施形態で行われる分析測定の手順を示すフローチャート(その1)である。 第5実施形態で行われる分析測定の手順を示すフローチャート(その2)である。 第6実施形態で用いられる加熱器の断面図である。 代表的な6種類の爆薬における信号出現時間を比較した図である。
次に、本発明を実施するための形態(「実施形態」という)について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
[第1実施形態]
(システム)
図1は、第1実施形態に係る危険物探知システムZの構成を示す図である。
危険物探知システムZは、加熱器1、質量分析計2、制御装置3、データベース4及び発報装置5を備える。
加熱器1は、配管6を介して質量分析計2に接続されている。制御装置3は、信号ライン(実線矢印)を介して、それぞれ加熱器1、質量分析計2、データベース4、発報装置5に接続されている。危険物探知システムZでは、検査者がカバン等の検査対象を拭き取ったワイプ材W(図2参照)を加熱器1に挿入すると、制御装置3は、ワイプ材Wの温度を徐々に上げるよう加熱器1の温度制御を開始する。なお、ワイプ材Wは、耐熱性の繊維で構成されている。
ワイプ材Wに付着していた化学物質は、低温でも気化する高蒸気圧成分から順に配管6を介して質量分析計2に送られる。加熱器1の昇温条件を等しくしておけば、ワイプ材Wの挿入を起点として、加熱器1の昇温に伴い、ワイプ材Wから、蒸気圧条件(気化温度)が異なる化学物質が、それぞれの蒸気圧条件(すなわち、加熱器1の温度)で気化する。
つまり、加熱器1の昇温が一定であれば、時間毎に異なる化学物質がワイプ材Wから気化する。要するに、加熱器1の昇温が一定であれば、どの化学物質がどのタイミングでワイプ材Wから気化するかがわかる。
そこで、各々の物質が質量分析計2に到達する時間に、その物質に合わせたタンデム質量分析の分析条件が制御装置3から質量分析計2に送られる。そして、質量分析計2は送られた分析条件でタンデム質量分析を実行する。データベース4には、加熱器1へのワイプ材Wの挿入からの時間と、タンデム質量分析すべき化学物質とが対応付けられた分析タイミング情報401(図7参照)が格納されている。また、データベース4には、様々な爆薬をタンデム質量分析した結果(事前分析情報)が収納されている。
質量分析計2による分析結果は、制御装置3によってデータベース4の事前分析情報と照合される。そして、所望の信号が得られた場合は爆発物を検出したと見なして発報装置5により警報が発報される。
(加熱器1)
図2は、第1実施形態で用いられる加熱器1の断面図である。そして、図3は図2に示す加熱器1の動作手順を示すフローチャートである。
図2に示すように、加熱器1は、第1加熱部101、第2加熱部102、ヘッド部駆動部103、センサ110、質量分析計2に接続される配管6を有する。
以下、図3を参照しつつ、図2の各部の説明をする。
まず、ユーザによって分析タイミング情報401の設定が行われる(S101)。
次に、ユーザがワイプ材Wを加熱器1に挿入すると(S102)、センサ110がワイプ材Wの挿入を検知する(S103)。ワイプ材Wは、第1加熱部101と、第2加熱部102との間に形成される挿入部120(すき間)に挿入される。
そして、制御装置3の加熱器制御部311(図6参照)は、ワイプ材Wの挿入を起点として時間の計測を開始する(S104)。センサ110の例としては、図2に示すように発光部111と受光部112とを対向して配置させ、発光部111の光をワイプ材Wが遮ることによる受光部112の光量の変化を測定するもの等が考えられる。挿入部120の近傍には、予め所望の温度(例えば100℃)で加熱された第1加熱部(低温部)101が設けられている。ワイプ材Wの挿入が検知された後、所望の時間(例えば5秒)は第1加熱部101の熱によりワイプ材Wが加熱される。
次に、加熱器制御部311(図6参照)は、ステップS104の時間計測開始から時間t11が経過したか否か(経過時間がt11になったか否か)を判定する(S111)。
時間t11が経過していない場合(S111→No)、加熱器制御部311はステップS111へ処理を戻す。この間、ワイプ材Wは、第1加熱部101の熱によって加熱される。
時間t11が経過している場合(S111→Yes)、加熱器制御部311は、ヘッド部駆動部103を制御する。これにより、予め第1加熱部101よりも高い温度(例えば200℃)に加熱されていた第2加熱部(高温部)102がワイプ材Wに押し当てられる(S112)。これにより、ワイプ材Wが、さらに加熱される。ワイプ材Wに付着していた成分は熱により気化され、得られた蒸気は配管6を介して質量分析計2に送られる。
配管6は、内壁面への各成分の吸着を防止するため、180℃程度に加熱されていることが望ましい。第2加熱部102がワイプ材Wに押し当てられると、第2加熱部102の熱が第1加熱部101にも伝わる。この際、第1加熱部101の温度が上がってしまうと、次に分析を行うワイプ材Wを挿入する際に温度の初期条件が変わってしまう。そこで、第2加熱部102よりも第1加熱部101の熱容量を大きくしておき、第1加熱部101の温度上昇を抑えるとよい。
次に、加熱器制御部311は、第2加熱部102がワイプ材Wに押し当てられてから所定時間t12が経過したか否かを判定する(S121)。
所定時間t12が経過していない場合(S121→No)、加熱器制御部311はステップS121へ処理を戻す。
所定時間t12が経過している場合(S121→Yes)、加熱器制御部311は、ワイプ材Wに押し当てていた第2加熱部102を引き戻す(S122)。
このように、図9に示す加熱器1では、ワイプ材Wの温度が2段階に昇温する。
次に、ユーザは加熱器1からワイプ材Wを除去する(S131)。
その後、加熱器制御部311は、ワイプ材Wがない状態で第2加熱部102を第1加熱部101に押し当てる(S132)。なお、ワイプ材Wの除去は、センサ110によって検知される。
ステップS132の処理の意味を以下に説明する。
図2に示した加熱器1では、測定終了後に第1加熱部101の表面に低蒸気圧の成分が残留し、次に分析するワイプ材Wを挿入した際に、この残留成分の影響が出るおそれがある。このような残留成分を確実に除去するため、ワイプ材Wが取り除かれた後、加熱器制御部311は、ワイプ材Wがない状態で第2加熱部102を第1加熱部101に押し当てる。これにより、第1加熱部101の表面が瞬間的に加熱され、第1加熱部101の表面に残留している成分を気化させ、除去することができる。
次に、加熱器制御部311は、第2加熱部102が第1加熱部101に押し当てられてから所定時間t13が経過したか否かを判定する(S141)。
所定時間t13が経過していない場合(S141→No)、加熱器制御部311はステップS141へ処理を戻す。
所定時間t13が経過している場合(S141→Yes)、加熱器制御部311は、ワイプ材Wに押し当てていた第2加熱部102を引き戻す(S142)。
なお、図2に示す加熱器1において、ワイプ材Wにおける付着物Hが付着している面(拭き取り面)は第2加熱部102cの側を向いている方が良好な結果を示すことが実験によって分かっている。
図2に示す構成によれば、簡易な構成で段階的にワイプ材Wを昇温することができる。
(ワイプ材W温度)
図4は、図2に示した加熱器1における、ワイプ材Wの温度変化のイメージである。
図4では、縦軸をワイプ材Wの温度、横軸を時間(秒)としている。
ワイプ材Wを加熱器1に挿入した後、第1加熱部101による加熱(輻射と対流)で、ワイプ材Wは約5秒間で100℃程度まで加熱される(図3のS111の期間に相当)。この時に、ワイプ材Wに付着している化学物質のうち、蒸気圧の高い、すなわち、蒸発しやすい化学物質が気化される(高蒸気圧成分気化領域611)。続いて、第2加熱部102がワイプ材Wに押し当てられる(図3のS112)と、ワイプ材Wの温度がさらに上昇し、蒸気圧の低い化学物質も気化される(低蒸気圧成分気化領域612)。事前に実験が行われることにより、図4に示すような温度プロファイルが得られる。ユーザは、このような温度プロファイルを基に分析タイミング情報401を設定する。これにより、それぞれの化学物質の蒸気圧の違いに応じて、気化する時間に差が設けられる。
(質量分析計2)
図5は、イオントラップ式質量分析計2aの構成を示す図である。
質量分析計2には様々な方式があるが、ここでは、図5に示すようなイオントラップ方式の質量分析計2(イオントラップ式質量分析計2a)が用いられるものとする。
イオントラップ式質量分析計2aにおいて、加熱器1で気化した化学物質は、まず、配管6を介してイオン源201に送られイオン化される。イオン源201で生成されたイオンは、細孔211、差動排気部212、細孔213を介して真空部214に導入される。真空部214に導入されるイオンの量を増やすため、差動排気部212にはイオンガイド221が設けられている。また、真空部214に導入されるイオンの量を増やすため、細孔211が開口している細孔付き電極222には電源231から配線231aを介して電圧が印加されている。同様に、細孔213が開口している細孔付き電極223には電源232から配線232aを介して電圧が印加されている。
また、差動排気部212及び真空部214は、排気装置241a,241bのそれぞれにより排気されている。真空部214に配置された質量分析部251は、4本のロッドで構成されている。これらのロッドには電源233から配線233aを介して高周波が印加されている。そして、質量分析部251には、イオンを閉じ込めるため、ヘリウムガス供給部252からヘリウムガス供給管253を介して希薄なヘリウムガスが供給されている。また、質量分析部251の両端には軸方向にイオンを閉じ込める電場を作るための閉じ込め電極254,255が配置されている。電極254には電源234から配線234aを介して電圧が印加されている。同様に、電極255には電源235から配線235aを介して電圧が印加されている。
質量分析部251に閉じ込められたイオンは、ロッドに印加する高周波の電圧を変化させることでm/zの小さな順にイオン軌道が不安定になり、質量分析部251の外に排出される。この排出されたイオンをイオン検出器261で検出することで質量スペクトルを取得する。
なお、図5に示すイオントラップ式質量分析計2aは、1台でタンデム質量分析も行うことができるし、非タンデム質量分析も行うことができる。
なお、タンデム質量分析と、非タンデム質量分析とを行うことができる質量分析計2であれば、図5に示すようなイオントラップ式質量分析計2aに限らない。
(制御装置3)
図6は、第1実施形態で用いられる制御装置3の構成を示す機能ブロック図である。
制御装置3は、メモリ310、CPU(Central Processing Unit)321、HD(Hard Disk)等の記憶装置322、キーボード、マウス等の入力装置323、ディスプレイ等の出力装置324、NIC(Network Interface Card)等の通信装置325を有している。
そして、記憶装置322に格納されているプログラムが、メモリ310にロードされ、CPU321によって実行される。これにより、加熱器制御部311、分析処理部312が具現化する。
加熱器制御部311は、加熱器1の制御を行う。
分析処理部312は、質量分析計2によるタンデム質量分析や、非タンデム質量分析の処理を行う。
(分析タイミング情報401)
図7は、第1実施形態で用いられる分析タイミング情報401の構成を示す図である。
図7に示すように、分析タイミング情報401は、経過時間(t1,t2,t3,・・・)と、化学物質(「化学物質A」、「化学物質B」、「化学物質C」、・・・)とが対応付けられて格納されている。ここで、経過時間とは加熱器1にワイプ材Wが挿入された時刻からの経過時間である。つまり、ワイプ材Wの挿入から時間(加熱時間)t1が経過すると「化学物質A」に関するタンデム質量分析が行われる。また、ワイプ材Wの挿入から時間t2が経過すると「化学物質B」に関するタンデム質量分析が行われる。さらに、ワイプ材Wの挿入から時間t3が経過すると「化学物質C」に関するタンデム質量分析が行われる。
なお、ここでは、時間t1,t2,t3,・・・のすべてを加熱器1にワイプ材Wが挿入された時刻からの経過時間としたが、これに限らない。例えば、ワイプ材Wの挿入から時間t1が経過すると「化学物質A」に関するタンデム質量分析が行われるが、「化学物質A」のタンデム質量分析が終了してから時間t2が経過すると「化学物質B」のタンデム質量分析が行われるようにしてもよい。同様に、「化学物質B」のタンデム質量分析が終了してから時間t3が経過すると「化学物質C」のタンデム質量分析が行われるようにしてもよい。
(タンデム質量分析)
図8はタンデム質量分析の考え方を示す図である。非タンデム質量分析を行うと、図8の上段に示すような、横軸がm/z(質量電荷比)、縦軸が信号強度で表される、いわゆる質量スペクトル601が得られる。
図8に示す質量スペクトル601には、所望の化学物質(この場合、「化学物質D」)に由来するイオンのほか、例えば大気中に含まれる有機物に由来するイオン等、さまざまな信号が重なって表示される。このため、所望の化学物質(本実施形態では爆薬)に由来するイオンと偶然同じm/zを有するイオンを生成する夾雑物が含まれていると、誤報を発報してしまうおそれがある。なお、非タンデム質量分析では、質量スペクトル601が得られた状態で分析を終了させる。
そこで、イオントラップ式質量分析計2aには所望のm/zのイオンを選択する機能がある。これにより、1つのm/zを有するイオンだけを選択した後に質量スペクトルを取得すると、質量スペクトル602に示すようなシンプルな質量スペクトルになる。質量スペクトル602に示すように所望のm/zのイオンを選択した後、このイオンを解離させて質量スペクトルを取得すると、質量スペクトル603に示すような複数の解離イオン(「化学物質D1」、「化学物質D2」、「化学物質D3」)の質量スペクトルが得られる。ここで、「化学物質D」のイオンから生成される所望の解離イオンを「化学物質D1」、「化学物質D2」とする。また、所望の「化学物質D」のイオンと同じm/zを有する別のイオン(所望ではなイオン)から生成される解離イオンを「化学物質D3」とする。質量スペクトル603では「化学物質D1」、「化学物質D2」及び「化学物質D3」のそれぞれが分かれて表示されるため、選択性が高まり誤報を防止することができる。
(タンデム質量分析の工程)
図9は、図5に示すイオントラップ式質量分析計2aによるタンデム質量分析の工程を示すフローチャートである。
まず、具体的なタンデム質量分析の手順を説明する前に、タンデム質量分析の概要を記載する。図5に示すイオントラップ式質量分析計2aの質量分析部251でトラップされたイオンはm/zに応じた周波数で質量分析部251内を振動している。このため、質量分析部251を構成するロッドに対し、トラップされたイオンのm/zに応じた周波数の電圧が印加されると、そのm/zを有するイオンを加速することができる。
以下、タンデム質量分析の具体的な工程を説明する。なお、図9に示す工程は、一般的なタンデム質量分析の工程である。また、タンデム質量分析を行うことができれば、図9に示す工程に限らない。
まず、分析対象となる化学物質をタンデム質量分析するための分析パラメータが設定される(S11)。ここで、分析パラメータは、分析対象となる化学物質のプリカーサイオンを選択するためにロッドに印加する電圧や、周波数等を含む情報である。
そして、イオン源201で生成したイオンが質量分析部251に導入される。質量分析部251には希薄なヘリウムガスが導入されているため、質量分析部251内に導入されたイオンはヘリウムガスとの衝突により運動量を失い、質量分析部251内にトラップされる。これにより、質量分析部251にイオンが蓄積される(S12)。なお、ステップS12の状態で質量分析が行われると、非タンデム質量分析となる。
次に、質量分析部251を構成しているロッドにプリカーサイオンのm/zと共鳴する周波数を含まず、他のイオンと共鳴する多くの周波数を含む電圧(ホワイトノイズの一種)が印加される。これにより、プリカーサイオンが質量分析部251内に残され、他のイオンが除去される。これにより、解離させるイオン(プリカーサイオン)が選択される(S13)。
続いて、プリカーサイオンのm/zと共鳴する周波数が、小さな振幅で質量分析部251を構成しているロッドに印加されることで、プリカーサイオンをヘリウムガスに衝突させることでプリカーサイオンが解離される(S14)。プリカーサイオンが解離することで、フラグメントイオンが生成される。
最後に、プリカーサイオンを解離させて得られたイオン(フラグメントイオン)の質量分析が行われる(S15)。
(分析)
図10は、第1実施形態で行われる分析の手順を示すフローチャートである。
予め、ユーザによって分析タイミング情報401の設定が行われる(S201)。
次に、ユーザによって検査対象の表面を拭き取ったワイプ材W(図2参照)が加熱器1に挿入される(S202)。すると、制御装置3の分析処理部312は、ワイプ材Wの挿入を起点として加熱時間の計測を開始する(S203)。
なお、ステップS201~S203は、図3のステップS101~S104に相当する処理である。
その後、分析処理部312は、「化学物質A」が測定される時間(加熱時間)t1がステップS203の時間計測開始から経過したか否か(経過時間がt1になったか否か)を判定する(S211)。この判定は、分析処理部312が、図7に示す分析タイミング401を参照することで行われる。
時間t1が経過していない場合(S211→No)、分析処理部312はステップS211へ処理を戻す。
時間t1が経過している場合(S211→Yes)、分析処理部312は、「化学物質A」に対するタンデム質量分析を指示する。指示を受けた質量分析計2は「化学物質A」についてのタンデム質量分析を実行する(S212)。
その後、分析処理部312は、「化学物質B」が測定される時間t2がステップS203の時間計測開始から経過したか否か(経過時間がt2になったか否か)を判定する(S221)。この判定は、分析処理部312が、図7に示す分析タイミング401を参照することで行われる。
時間t2が経過していない場合(S221→No)、分析処理部312はステップS221へ処理を戻す。
時間t2が経過している場合(S221→Yes)、分析処理部312は、「化学物質B」に対するタンデム質量分析を指示する。指示を受けた質量分析計2は「化学物質B」についてのタンデム質量分析を実行する(S222)。
その後、分析処理部312は、「化学物質C」が測定される時間t3がステップS203の時間計測開始から経過したか否か(経過時間がt3になったか否か)を判定する(S231)。この判定は、分析処理部312が、図7に示す分析タイミング401を参照することで行われる。
時間t3が経過していない場合(S231→No)、分析処理部312はステップS231へ処理を戻す。
時間t3が経過している場合(S231→Yes)、分析処理部312は、「化学物質C」に対するタンデム質量分析を指示する。指示を受けた質量分析計2は「化学物質C」についてのタンデム質量分析を実行する(S232)。
以下、同様に他の物質が測定される時間が経過すると、各々の時刻でワイプ材Wから気化する化学物質に対するタンデム質量分析が実行される。そして、設定された分析が終了するまでタンデム質量分析が繰り返される。
対象となるすべての化学物質において、タンデム質量分析が終了すると、分析処理部312は、いずれかの時刻におけるタンデム質量分析で、爆薬を示す信号が検出されたか否かを判定する(S241)。この判定は、制御装置3が、データベース4に格納されている事前分析情報を参照することで行われる。
判定の結果、爆薬を示す信号が検出されていない場合(S241→No)、分析処理部312は、ステップS202に処理を戻す。
また、判定の結果、爆薬を示す信号が検出された場合(S241→Yes)、分析処理部312は、発報装置5から警報を発報させる(S242)。このようにすることにより、ユーザに対して爆薬の疑いがある化学物質が検出されたことを確実に通知することができる。
具体的な例を挙げると、トリニトロトルエンという爆薬を負の大気圧化学イオン化でイオン化することによって、トリニトロトルエンの分子イオンであるm/z 227というイオンが得られる。このイオンをプリカーサイオンとしてタンデム質量分析を行うと、トリニトロトルエンから酸素が脱離したm/z 211等がフラグメントイオンとして観測される。従って、トリニトロトルエンのプリカーサイオンが出現する時間においてm/z 227を解離させ、制御装置3が、m/z 211等のイオンが検出されるかどうかを判定する。これにより、トリニトロトルエンがワイプ材Wに付着していたか否かを判定することができる。
図11は、発生する蒸気濃度の時間変化を模式的に示したものである。
図11では、縦軸を発生する蒸気濃度、横軸を時間(秒)としている。また、図11に示す蒸気濃度の時間変化は図17に示す加熱器1cを用いた結果である。
蒸気圧の高い「化学物質A」の濃度(符号621)は、比較的早い時間に最大になる。一方、蒸気圧の低い「化学物質D」の濃度(符号624)は比較的遅い時間に最大になる。
また、2番目に蒸気圧の高い「化学物質B」の濃度(符号622)は、「化学物質A]の次の時間に最大となる。さらに、3番目に蒸気圧の高い「化学物質C」の濃度(符号623)は、「化学物質B」の次の時間で最大となる。
このように、ワイプ材Wの温度を、複数段階で変化させることにより、蒸発する化学物質の濃度が高くなる時間に差を設けることができる。そして、各々の化学物質の濃度が高くなったタイミングで、その成分に対する好適な分析条件でタンデム質量分析を実行する。
第1実施形態に係る危険物探知システムZは、加熱されたワイプ材Wから気化した物質を、加熱時間毎に予め設定されている化学物質に関してタンデム質量分析を行う。このようにすることにより、選択性を高めることができる。なお、第1実施形態では、加熱時間(時間t1,t2,t3,・・・)に基づいてタンデム質量分析が実行されている。これは、加熱時間が経過したことにより、ワイプ材Wの温度が何℃になっているかをみていることに他ならない。
[第2実施形態]
図12は、第2実施形態で用いられる加熱器1aの断面図である。
図12において、図2と同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
図12に示す加熱器1aでは、ワイプ材Wが挿入される第1加熱部101aにヒータ121及び温度計122が備えられている。ここで、第1加熱部101aは、例えば筒状の形状を有している。ワイプ材Wが挿入部120の空間に挿入されると、ワイプ材Wの挿入を感知するセンサ110により挿入の時間の計測が開始される。挿入部120の近傍には、予め所望の温度(例えば100℃)で加熱された第1加熱部101aが設けられている。ワイプ材Wが第1加熱部101aに挿入された後、所望の時間(例えば5秒)は第1加熱部101aの熱によりワイプ材Wが加熱される。所望の時間が経過した後、第1加熱部101aがヒータ121により徐々に昇温され、ワイプ材Wの温度がさらに上がる。このようにすることで、ワイプ材Wに付着した成分のうち蒸気圧の高い化学物質から順に気化して配管6を介して質量分析計2に導入される。そして、それぞれの化学物質に応じたタンデム質量分析が行われる。すべてのタンデム質量分析後、ヒータ121への通電が切断される。そして、ユーザは、第1加熱部101aの温度が所定の温度まで戻るのを温度計122により確認した後、次のワイプ材Wを挿入する。この場合、第1加熱部101aの熱容量は、第1加熱部101aの温度が短時間で元に戻るよう、小さくしておくとよい。
なお、第2実施形態では、温度計によりワイプ材Wの温度が容易に推定されるため、図7に示すように所定の化学物質のタンデム質量分析が時間で管理されるのではなく、温度で管理されてもよい。
図12に示す構成によれば、ワイプ材Wの昇温を複数段階で行うことができる。
[第3実施形態]
図13は、第3実施形態で用いられる加熱器1bの断面図である。
図13において、図2と同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
図13に示す加熱器1bには、赤外線装置130が備えられている。赤外線装置130は、赤外線を点灯する赤外線ランプ131と、赤外線ランプ131に電力を供給する電源132とを有する。
ユーザがワイプ材Wを加熱器1bの挿入部120に挿入すると、ワイプ材Wの挿入を感知するセンサ110により挿入の時間が開始される。挿入部120の近傍には、予め所望の温度(例えば100℃)で加熱された第1加熱部101が設けられている。ワイプ材Wの挿入後、所望の時間(例えば5秒)は第1加熱部101の熱によりワイプ材Wが加熱される。所望の時間が経過した後、加熱器制御部311は、電源132から赤外線ランプ131に通電を行うことにより、赤外線ランプ131を点灯する。ワイプ材Wに赤外線が照射されることにより、ワイプ材Wは、さらに昇温される。このようにすることで、ワイプ材Wに付着した成分のうち蒸気圧の高い成分から順に気化し、配管6を介して質量分析計2に導入される。図13に示す加熱器1bでは、ワイプ材Wに赤外線を吸収しやすい素材を用いると、ワイプ材Wの温度を急速に加熱できると共に第1加熱部101への熱の伝達が少なくなり、第1加熱部101の温度上昇を抑えることができる。なお、赤外線は、ワイプ材Wに照射され、第1加熱部101には直接照射されることはないため、第1加熱部101は、それほど昇温しない。
図13に示す構成によれば、ワイプ材Wの昇温を複数段階で行うことができる。
[第4実施形態]
第1実施形態では、図10に示すように、それぞれの化学物質がワイプ材Wから気化され、質量分析計2で取得されるタイミングで、対象となる化学物質に対するタンデム質量分析が行われる。このようにすることで、当該タイミングで気化され、取得される化学物質の検出有無が判定されていた。爆薬の有無を判別するだけなら第1実施形態の手法でよい。しかし、第4実施形態では、質量分析計2が正しく動作しているかどうか等を確認するため、以下に示すようにタンデム質量分析を実行していない時間は通常の質量分析を行う。
具体的には、検査対象(カバン等)の表面が油や塗料等で非常に汚れていた場合、これを拭き取るとワイプ材Wに過剰な夾雑物が付着する。このような過剰な夾雑物が、図5に示すようなイオントラップ式質量分析計2aのイオン源201に送られると、過剰な量のイオンが生成される。イオントラップ式質量分析計2aでは、質量分析部251に過剰な量のイオンが取り込まれると、イオン自身の電荷により質量分析部251の内部の電場が変化する。これにより、質量スペクトルを取得する際の分解能の低下といった形で悪影響を及ぼすことがある。このような現象を避けるため、第4実施形態では、タンデム質量分析を実行していない時間は通常の質量分析(非タンデム質量分析)を行う。このようにすることにより、質量スペクトルを監視しておき、分解能の低下といった現象が見られた際には、イオンの蓄積の工程の時間を短くする等により、イオントラップ式質量分析計2aの性能を保つことができる。
図14A及び図14Bは、第4実施形態で行われる分析測定の手順を示すフローチャートである。
なお、図14A及び図14Bにおいて、図10と同様の処理については同一の符号を付して説明を省略する。
分析処理部312は、ステップS202の時間計測開始から時間t1が経過するまでの間、質量分析計2に非タンデム質量分析を繰り返し行わせる(図14AのS301)。
「化学物質A」に対するタンデム質量分析の終了後、ステップS202の時間計測開始から時間t2が経過するまでの間、質量分析計2に非タンデム質量分析を繰り返し行わせる(S311)。
そして、「化学物質B」に対するタンデム質量分析の終了後、ステップS202の時間計測開始から時間t3が経過するまでの間、質量分析計2に非タンデム質量分析を繰り返し行わせる(図14BのS321)。
このように、ある化学物質のタンデム質量分析と、化学物質のタンデム質量分析との間において、分析処理部312は、非タンデム質量分析を繰り返し行う。
また、ステップS241aでは、タンデム質量分析によって爆薬を示す信号が検出されるか、非タンデム質量分析によって不審な物質が検出された場合においても、分析処理部312は「Yes」と判定する。
このようにタンデム質量分析を行わない時間に非タンデム質量分析を行うことで、危険物探知システムZの健全性を確認できる。これにより、より精度の高い爆薬の探知が可能になる。また、爆薬の成分によっては質量スペクトルが環境中の夾雑物と重複しにくい(質量スペクトルだけで判定しても誤報が出にくい)ものもある。そのような成分に対しては非タンデム質量分析で得られた質量スペクトルに基づいて、爆薬成分の有無が判定されてもよい。
また、イオントラップ式質量分析計2aのように、1つの質量分析計2でタンデム質量分析及び非タンデム質量分析を行うことができることで、第4実施形態における処理を効率的に行うことができる。
(タンデム質量分析と、非タンデム質量分析との実行タイミング)
図15は、タンデム質量分析と、非タンデム質量分析の実行タイミングの例を示す図である。
図15では、縦軸を発生する蒸気濃度、横軸を時間(秒)としている。
図15において、「化学物質A」~「化学物質D」の蒸気濃度がそれぞれ符号621から624として模式的に示されている。ここで、それぞれの化学物質における蒸気圧が「化学物質A」>「化学物質B」>「化学物質C」>「化学物質D」であるとする。すると、それぞれの化学物質の濃度は、「化学物質A」(符号621)→「化学物質B」(符号622)→「化学物質C」(符号623)→「化学物質D」(符号624)の順に最大となる。
このように、加熱器1において、段階的にワイプ材Wを加熱することで、それぞれの化学成分の濃度が高くなるタイミングに差が設けられる。そして、各々の化学物質の濃度が高くなるタイミング(符号702)で、その化学物質に対する好適なタンデム質量分析の条件に切り替えてタンデム質量分析が実行される。それ以外の時間(符号701)では非タンデム質量分析が繰り返し実行される。
なお、第4実施形態では、タンデム質量分析と、タンデム質量分析とが同一の質量分析計2で行われることが前提となっている。しかし、これに限らず、タンデム質量分析と、非タンデム質量分析とが異なる質量分析計2で行われてもよい。
[第5実施形態]
図16A及び図16Bは、第5実施形態で行われる分析測定の手順を示すフローチャートである。
なお、図16A及び図16Bにおいて、図10と同様の処理については同一のステップ番号を付して説明を省略する。
図16AにおけるステップS212で「化学物質A」のタンデム質量分析が終了したのち、分析処理部312が「化学物質A」を検出したか否かを判定する(S213)。
検出しない場合(S213→No)、分析処理部312はステップS221へ処理を進める。
検出した場合(S213→Yes)、分析処理部312は、発報装置5から警報を発報させ(S214)、ステップS221へ処理を進める。
また、ステップS222で「化学物質B」のタンデム質量分析が終了したのち、分析処理部312が「化学物質B」を検出したか否かを判定する(S223)。
検出しない場合(S223→No)、分析処理部312はステップS231へ処理を進める。
検出した場合(S223→Yes)、分析処理部312は、発報装置5から警報を発報させ(S224)、ステップS231へ処理を進める。
さらに、図16BにおけるステップS232で「化学物質C」のタンデム質量分析が終了したのち、分析処理部312が「化学物質C」を検出したか否かを判定する(S233)。
検出しない場合(S233→No)、分析処理部312は、次の化学物質に関する処理を行う。
検出した場合(S233→Yes)、分析処理部312は、発報装置5から警報を発報させ(S234)、次の化学物質に関する処理を行う。
このようにして、対象となるすべての化学物質について、タンデム質量分析が行われ、対象となる化学物質が検出された場合、その都度、発報装置5から警報が発報される。
対象となるすべての化学物質についてタンデム質量分析及び検出の有無についての判定が行われると、分析処理部312は、対象となるすべての化学物質のうち、いずれかの化学物質の検出が行われたか否かを判定する(S241)。
検出が行われていない場合(S241→No)、分析処理部312はステップS202へ処理を戻す。
検出が行われている場合(S241→Yes)、分析処理部312は処理を終了する。
なお、図16の処理において、図14の処理のように、タンデム質量分析が行われていない間、非タンデム質量分析が繰り返し実行されてもよい。
[第6実施形態]
図17は、第6実施形態で用いられる加熱器1cの断面図である。
図17において、図2と同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
図17に示す加熱器1cでは、第2加熱部102cの温度が第1加熱部101cの温度より低くなっている。加熱器1cの動作は、図2に示す加熱器1の動作(つまり、図3に示す手順)と同様である。図2に示す加熱器1は、押し付けられた第2加熱部102の温度によりワイプ材Wの温度が昇温される。これに対して、図17に示す加熱器1cでは、第2加熱部102cが押し付けられる前では、第2加熱部102cと、第1加熱部101cとの中間の温度でワイプ材Wが熱せられる。その後、第2加熱部102cが押し付けられると、押し付けられた第1加熱部101cの熱によりワイプ材Wの温度がさらに昇温される。なお、図17において、ワイプ材Wにおける付着物Hが付着している面(拭き取り面)は第1加熱部101c側を向いていることが望ましい。同様に、図2において、ワイプ材Wにおける付着物Hが付着している面(拭き取り面)は第2加熱部102側を向いていることが望ましい。
図18は代表的な6種類の爆薬における信号出現時間を比較した図である。
各々の爆薬の信号強度はまちまちなので、分かりやすくするため、各々の爆薬について最大の強度を1とした相対信号強度で比較した。すなわち、図18では、縦軸を相対信号強度、横軸を時間(秒)としている。
その結果、符号631の過酸化アセトン(TATP)、符号632のニトログリセリン(NG)、符号633のトリニトロトルエン(TNT)、符号634のペンスリット(PETN)、符号635の硝安(AN)、符号636のヘキソーゲン(RDX)の信号の最大値が、約0.5秒~1秒の間隔を持って、順に出現していることが分かる。従って、図18に示した信号強度の時間変化に基づき、ワイプ材Wの挿入から1.2秒後にTATPに対するタンデム質量分析が実行される。そして、その後、NG、TNT、PETN、AN、RDXの順で適切な時間でタンデム質量分析が実行されればよい。
このように、図17に示す加熱器1cを有することにより、図18で示すように検出精度が向上することが実験により示された。
本発明は前記した実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、前記した実施形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明したすべての構成を有するものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
また、各実施形態では、ワイプ材Wが加熱器1に挿入されるものとしているが、化学物質が付着しているものであれば、その他の媒体でもよい。例えば、所定の機器で用いられたフィルタ等が加熱器1に挿入されてもよい。
また、各実施形態では、第1加熱部101が予め100℃程度に加熱されているものとしている。しかし、これに限らず、分析対象となる化学物質に応じて100℃以外の温度(例えば、80℃や、200℃等)に加熱されてもよい。第2加熱部102も同様であり、各実施形態では、200℃程度に加熱されているものとしている。しかし、これに限らず、第1加熱部101より高い温度であれば、200℃以外の温度(160℃や、300℃等)でもよい。
なお、タンデム質量分析の結果や、非タンデム質量分析の結果は、データベース4に保管されることが望ましい。これにより、分析タイミング情報401や、事前分析情報をアップデートすることができる。
また、各実施形態における質量分析計2として、特許文献2に示す複数の種類のイオンを同時に選択し、これらの選択したイオンを同時に解離させる質量分析装置が適用されてもよい。
また、前記した各構成、機能、各部311,312、データベース4、記憶装置322等は、それらの一部またはすべてを、例えば集積回路で設計すること等によりハードウェアで実現してもよい。また、図6に示すように、前記した各構成、機能等は、CPU321等のプロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウェアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、HDに格納すること以外に、メモリや、SSD(Solid State Drive)等の記録装置、または、IC(Integrated Circuit)カードや、SD(Secure Digital)カード、DVD(Digital Versatile Disc)等の記録媒体に格納することができる。
また、各実施形態において、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしもすべての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には、ほとんどすべての構成が相互に接続されていると考えてよい。
1,1a~1c 加熱器(媒体加熱部)
2 質量分析計(タンデム質量分析部、非タンデム質量分析部)
2a イオントラップ式質量分析計(タンデム質量分析部、非タンデム質量分析部)
3 制御装置(制御部)
4 データベース(記憶部)
5 発報装置(発報部)
101 第1加熱部(高温部、低温部)
101a 第1加熱部(媒体挿入部)
102 第2加熱部(高温部、低温部)
120 挿入部(すき間)
121 ヒータ(加熱部、ヒータ部)
130 赤外線装置(加熱部、赤外線照射部)
131 赤外線ランプ(加熱部、赤外線照射部)
401 分析タイミング情報
t1~t3 加熱時間(経過時間)
t11 時間計測開始からの時間(所定時間、第1の所定時間)
t12 時間計測開始からの時間
t13 所定時間(第2の所定時間)
W ワイプ材(媒体)
Z 危険物探知システム(物質分析装置)

Claims (12)

  1. 検査対象物の表面に付着する化学物質を採取するための媒体を加熱していく媒体加熱部と、
    前記媒体加熱部により加熱され、気化することで前記媒体から送られた前記化学物質に由来する蒸気を、タンデム質量分析するタンデム質量分析部と、
    前記媒体加熱部における前記媒体の温度を基に、前記媒体加熱部から前記タンデム質量分析部に送られた前記蒸気について、前記媒体の温度で気化する前記化学物質に関する前記タンデム質量分析を前記タンデム質量分析部に実行させる制御部と、
    前記媒体加熱部の昇温を一定の状態にして予め取得した前記化学物質に関するデータに基づき、前記媒体加熱部に前記媒体が挿入される時刻を基に計測される経過時間、及び、当該経過時間に、どの前記化学物質について前記タンデム質量分析を行うかに関する情報が対応付けられている分析タイミング情報を格納している記憶部と、を有し、
    前記制御部は、
    前記媒体が前記媒体加熱部に挿入された時刻を基に前記媒体加熱部の加熱時間を計測し、前記計測した加熱時間が、前記分析タイミング情報における前記経過時間になると、前記分析タイミング情報において、当該経過時間に対応付けられている前記化学物質について、前記タンデム質量分析部に前記タンデム質量分析を実行させる
    とを特徴とする物質分析装置。
  2. 前記媒体加熱部は、
    高温部と、前記高温部より温度の低い低温部とを有しており、
    前記高温部と、前記低温部との間のすき間に前記媒体が挿入されて、所定時間、前記媒体を前記すき間に維持し、前記所定時間が経過したのち、前記高温部と、前記低温部とで前記媒体を挟持する
    ことを特徴とする請求項1に記載の物質分析装置。
  3. 前記所定時間が経過した後、前記高温部が前記低温部に押し付けられることにより、前記高温部と、前記低温部とが前記媒体を挟持する
    ことを特徴とする請求項に記載の物質分析装置。
  4. 前記所定時間が経過した後、前記低温部が前記高温部に押し付けられることにより、前記高温部と、前記低温部とが前記媒体を挟持する
    ことを特徴とする請求項に記載の物質分析装置。
  5. 前記媒体加熱部は、
    前記媒体を徐々に加熱していく加熱部
    を有することを特徴とする請求項1に記載の物質分析装置。
  6. 前記媒体加熱部は、
    前記媒体が挿入される媒体挿入部と、前記加熱部として、前記媒体挿入部ともに前記媒体を加熱するヒータ部とを有し、
    前記媒体挿入部に前記媒体が挿入された後、前記ヒータ部が時間に応じて徐々に温度を上げていく
    ことを特徴とする請求項に記載の物質分析装置。
  7. 前記媒体加熱部は、
    前記加熱部として、前記媒体に赤外線を照射する赤外線照射部
    を有することを特徴とする請求項に記載の物質分析装置。
  8. 前記タンデム質量分析により、目的とする前記化学物質が検出された場合、発報を行う発報部
    を有することを特徴とする請求項1に記載の物質分析装置。
  9. 前記媒体加熱部によって気化された前記化学物質に由来する蒸気を、前記タンデム質量分析ではない非タンデム質量分析によって質量分析を行う非タンデム質量分析部
    を有し、
    前記制御部は、
    前記タンデム質量分析が行われていない間、前記非タンデム質量分析部による前記質量分析を実行させる
    ことを特徴とする請求項1に記載の物質分析装置。
  10. 前記タンデム質量分析部及び前記非タンデム質量分析部は、同一の装置に備えられている
    ことを特徴とする請求項に記載の物質分析装置。
  11. 媒体加熱部の昇温を一定の状態にして予め取得した化学物質に関するデータに基づき、前記媒体加熱部に挿入される時刻を基に計測される経過時間、及び、当該経過時間に、どの前記化学物質についてタンデム質量分析を行うかに関する情報が対応付けられている分析タイミング情報を格納している記憶部
    を有し、
    前記媒体加熱部は、
    検査対象物の表面に付着する化学物質を採取するための媒体を加熱していき、
    制御部は、
    前記媒体が前記媒体加熱部に挿入された時刻を基に前記媒体加熱部の加熱時間を計測し、前記計測した加熱時間が、前記分析タイミング情報における前記経過時間になると、前記分析タイミング情報において、当該経過時間に対応付けられている前記化学物質について、前記タンデム質量分析を実行するようタンデム質量分析部に指示することで、前記媒体加熱部における前記媒体の温度を基に、前記媒体加熱部から前記タンデム質量分析部に送られた蒸気について、前記媒体の温度で気化する前記化学物質に関する前記タンデム質量分析を前記タンデム質量分析部に実行させ、
    前記タンデム質量分析部は、
    前記経過時間に対応付けられている前記化学物質について、前記タンデム質量分析を実行することで、前記制御部によって指示された前記化学物質について前記タンデム質量分析を実行する
    ことを特徴とする物質分析方法。
  12. 前記媒体加熱部は、
    高温部と、前記高温部より温度の低い低温部とを有しており、
    前記高温部と、前記低温部との間のすき間に前記媒体が挿入されて、第1の所定時間、前記媒体を前記すき間に維持し、前記第1の所定時間が経過したのち、前記高温部と、前記低温部とで前記媒体を挟持し、
    前記タンデム質量分析が終了し、前記媒体が前記媒体加熱部から除去された後、前記高温部と、前記低温部とを第2の所定時間、接触させる
    ことを特徴とする請求項1に記載の物質分析方法。
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