JP2001159622A - イオントラップ質量分析方法 - Google Patents

イオントラップ質量分析方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】ガスクロマトグラフ直結イオントラップ質量分
析計を用いたダイオキシン類の分析において、化学ノイ
ズを低減する事により、分析精度の向上を図る。 【解決手段】イオン化時間中またはイオン化時間の直後
に全質量範囲に渡り励起用の補助交流を印加する。その
場合ダイオキシン類は励起解裂しないレベルの補助交流
電圧の印加を行う。ダイオキシン類はCIDによる解裂
を受けないが、それ以外の化学ノイズはCIDで解裂さ
れ低質量領域に移行し、ダイオキシン類の化学ノイズが
低下して、分析精度が上向する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はイオントラップ質量
分析計によるダイオキシン類の質量分析方法に係り、特
に共存妨害成分やカラムから溶出成分に由来するイオン
(化学ノイズ)を選択的に解裂させて分析領域外にする
事により、ダイオキシン類の高感度分析を可能にするイ
オントラップ質量分析方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ダイオキシン類はジオキシン骨格の水素
原子が塩素原子に置換されたもので多くの異性体が存在
する。ダイオキシン類の中で特に2,3,7,8位の水
素が塩素に置換されたダイオキシン類が発癌性,毒性催
奇性等の点で最強のもので、環境中への拡散が懸念され
ている。ダイオキシン類の環境への拡散の抑制のために
は、ごく微量ながら極めて危険なダイオキシン類の分析
が重要である。ダイオキシン類等の環境汚染物質は非常
に複雑な系の中に極微量しか存在しない。そのため、こ
れら物質の分析には、非常に複雑で手間と時間を必要と
する前処理が必要である。さらに、これら物質の分析は
高感度で、さらに妨害物質から分析対象物質を識別でき
る高い選択性が要求される。そのため、質量分析計の前
段に分離手段であるガスクロマトグラフが置いたガスク
ロマトグラフ直結質量分析計(GC/MS)がダイオキ
シン類の分析に用いられている。
【0003】ダイオキシン類とは現在広く使われている
が、ここではポリ塩化ジベンゾ−p−ジオキシン(PC
DDs)とポリ塩化ジベンゾフラン(PCDFs)の総
称として用いる。
【0004】短時間でより多くの試料を測定するため、
また簡便に分析するため小型の質量分析計QMS,イオ
ントラップ質量分析計による分析が試みられてきた。
【0005】イオントラップ質量分析計は、米国特許2,
939,952号や日本特許第1,321,036号や公報あるいは特公
平8−21365号公報に記載されている。また、イオントラ
ップ質量分析計については、特開平6−96727号公報に記
載されるところである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ダイオキシン類の分析
の際の最大の問題点は、妨害物質(例えば、PCBやD
DTなどの塩素系農薬など)が前処理によっても排除で
きずに試料中に多数存在する事である。図5上段(イ)
図に示すように、これら妨害物質は、ガスクロマトグラ
フのキャピラリカラムでも分離できず、ダイオキシンと
同じ保持時間に溶出し質量分析計で検出される。この妨
害物を一般に化学ノイズと呼んでいる。化学ノイズが全
質量範囲に渡り出現し、ダイオキシンの信号を識別でき
ない。ダイオキシンの分子量領域を拡大して観察すると
図5の上段のようなマススペクトルが得られる。イオン
トラップ質量分析計の分解能ではこれら化学ノイズとダ
イオキシンの信号を識別できない。即ち、ダイオキシン
の信号に化学ノイズが重畳する事になる。このマススペ
クトルにおいて、化学ノイズは白抜き、ダイオキシンの
信号は斜線を施した棒グラフで示す。化学のノイズは試
料毎,分析毎に異なるため、化学ノイズが存在する限
り、ダイオキシンの分析は不確実なものになる。この化
学ノイズとダイオキシンを識別するために、大型の磁
場,電場を用いた高分解能二重収束質量分析計が使われ
ている。この高分解能二重収束質量分析計はPCBやD
DTとダイオキシンのわずかな質量差を基に分離検出す
るものである。
【0007】以上のように、イオントラップ質量分析計
はQMSや二重収束質量分析計と異なり、時間経過に従
い動作モードが切り替わる事により質量分析する。
【0008】ダイオキシン類の分析で用いられている高
分解能二重収束質量分析計は大型の装置であり、非常に
高価である。更に、その操作は高度な技術や経験を必要
とする。スループットの点でも満足できるものではなか
った。
【0009】そのため、安価で操作が簡単である四重極
質量分析計(QMS)やイオントラップ質量分析計のよ
うな小型の質量分析計でダイオキシンを分析することが
強く要求されるようになった。しかし、これら質量分析
計の分解能が低いため、妨害物質(化学ノイズ)と分析
対象物質であるダイオキシンを分離検出できない。その
ために、イオントラップ質量分析計を用いたダイオキシ
ン分析は高分解能質量分析計を用いた分析に比して2桁
以上感度が悪い(定量下限が高い)とされている。
【0010】本発明の目的は、化学ノイズを低減し、安
価,操作が簡便なイオントラップ質量分析計によりダイ
オキシンなどの高感度分析を達成しようとするものであ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、化学ノイズと
ダイオキシンの信号を分離検出するのではなく、信号に
重畳した化学ノイズを、取り除く事により、ダイオキシ
ン分析の精度を向上させるものである。
【0012】本発明はイオントラップ質量分析計を用い
てダイオキシン類を質量分析する方法において、イオン
トラップ動作シーケンス中のイオン化,イオン蓄積の間
にエンドキャップ電極にダイオキシンが解裂する電圧よ
り低い電圧の広帯域補助交流を印加するようにした。
【0013】また、別の発明は、イオントラップ質量分
析計を用いてダイオキシン類を質量分析する方法におい
て、イオントラップ動作シーケンス中のイオン化,イオ
ン蓄積の後にエンドキャップ電極にダイオキシンが解裂
する電圧より低い電圧の広帯域補助交流を印加し、その
後に主高周波電圧の掃引を行いマススペクトルを得るよ
うにした。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明にかかる一実施例を
図面に基づいて説明する。
【0015】図1に従いイオントラップ質量分析計につ
いて説明する。
【0016】試料溶液はガスクロマトグラフ23の注入
口31に注入され、気化の後キャリアガスのHeにより
キャピラリカラム32に送られる。ここで試料ガスは、
カラム内面に塗られた液相と気体(He)との分配の違
いにより、成分毎に分離される。分離された試料成分
は、ガスガイドパイプ16を経て真空排気された容器内
に収められたイオントラップ質量分析計33に送られ
る。イオントラップ質量分析計33は、フィラメント電
源1,フィラメント2や電子ゲート5,エンドキャップ
電極6,リング電極7,エンドキャップ電極8,検出器
12,電源,データ処理装置14等で構成される。回転
放物面を持つリング電極7と、この回転対称軸の両面か
ら隣接する2つのエンドキャップ電極6,8はイオント
ラップ質量分析計の心臓部をなすものである。エンドキ
ャップ電極6,8とリング電極7の間には主高周波が印
加される。その結果、3つの電極に囲われた空間(イオ
ントラップ空間)9には、イオンをこの空間9内にトラ
ップする四重極高周波電界が生成する。
【0017】ガスクロマトグラフ直結イオントラップ質
量分析計を用いたダイオキシン類の分析の際にダイオキ
シンの妨害となる物質は、PCB類やDDT,DDEな
どの塩素系農薬とガスクロマトグラフのキャピラリカラ
ムから溶出するカラムの液相(これをカラムブリードと
呼ぶ)等である。
【0018】ダイオキシンは化学的に非常に安定な化合
物である。ダイオキシン類のイオンと化学ノイズ由来の
イオンの安定度の差を利用し、イオントラップ質量分析
計を用いた衝突誘起解離(CID)により、化学ノイズ
の削減を図る。
【0019】図1に示すように、イオントラップ質量分
析計33内のイオントラップ空間9にトラップされたイ
オン10はイオンの質量に対応した固有振動数(secula
r motion)ωで振動しながら、安定にトラップされる。
固有振動数ωは(1)式から求めることができる。
【0020】 ω=βΩ/2 (1) ここでΩはリング電極に印加する主高周波の振動数であ
り、βは質量に依存する定数である。イオントラップに
トラップできる最小の質量のイオンの場合、β=1とな
り、最大の質量のイオンの場合、β=0となる。即ちβ
は0から1の値を取る。もし、リング電極7に印加する
主高周波の周波数を1MHzとすると、(1)式からω
は0から500kHzの値を得る。質量の小さいイオン
は高い振動数で振動し、大きな質量のイオンは低い周波
数で(ゆっくりと)振動する。
【0021】いま、補助交流電源21からトランス19
を経て2つのエンドキャップ電極6,8間に、補助交流
を印加すると、イオントラップ空間9内に二重極(ダイ
ポール)電界が発生する。この二重極電界の振動数とイ
オンの固有振動数が一致するとイオンは共鳴状態とな
り、二重極電界からエネルギを吸収しイオンの固有振動
の振幅が急激に大きくなる。イオンはイオントラップ空
間内を満たした0.1Pa程度の圧力のHeガス原子と
衝突し、その運動エネルギーの一部を失う。繰り返し共
鳴,衝突を繰り返す過程で、運動エネルギの一部がイオ
ンの内部エネルギに転換蓄積される。内部エネルギが上
昇して、イオン内の原子間の結合エネルギを上回るよう
になるとイオンは解裂し、質量の小さなフラグメントイ
オン(娘イオンまたは生成物イオンと言う)になる。こ
の過程が衝突誘起解離(CollisionInduced Dissociatio
n CID)と呼ばれるものである。
【0022】CIDのため、エンドキャップ電極に印加
する補助交流電圧の電圧は0.5Vから1.5V程度であ
る。この補助交流電圧を3V以上にするとイオンは共鳴
励起されてその軌道がイオントラップ空間を超えるもの
となり、イオンはエンドキャップ電極6,8の内壁面に
衝突したり、エンドキャップ電極6,8の中央の孔から
イオントラップ外に排出される。
【0023】CIDのための補助交流の電圧値は分析対
象の化合物により異なる為、慎重に選ばれる。発明者の
実験結果から、ダイオキシン類は1.3から1.5V、P
CBは1.1から1.2V、DDT,DDEなどの塩素系
農薬のイオンやカラムブリードに由来する複数のイオン
は1V程度の補助交流の印加によりCIDが起きる。逆
にダイオキシンは1.3V未満ではCIDが起きない。
例えば、1.2Vの補助交流を印加した場合、PCBや
DDT,DDE,カラムブリード由来イオンはCIDに
より娘イオンや孫イオンになる。一方ダイオキシンの分
子イオンはほぼCIDの前と同じ強度を保っている。
【0024】図2に本発明の動作シーケンス図を示す。
図3に本発明の流れ図を示す。
【0025】イオントラップの質量分析は、時間経過に
従い分析モードを次々に変えながら進行する。
【0026】(1)イオン化ステップ(tからt
からt…)および化学ノイズのCID イオン化は先ず、主高周波の電圧を低く設定しイオント
ラップ空間9に広質量範囲のイオンをトラップできるよ
うにする。電子ゲート5に+200Vを印加して電圧を
イオントラップ空間に導く。イオントラップ空間9に導
入された試料ガスは、エンドキャップの細孔から導入さ
れた電子4と衝突してイオン化される。生成したイオン
10は四重極高周波電界により安定したイオントラップ
空間9にトラップされる。
【0027】電子ゲート5に+200Vが印加され、イ
オン化が開始される。この時主高周波電圧は低い電圧が
設定されている。これにより、イオントラップ空間9
に、広質量範囲のイオンを蓄積できる。イオントラップ
のリング電極7に印加する主高周波の振動数が1MHz
の時、イオン化の間に1から500kHzの全高周波成
分を含む補助交流(ホワイトノイズ)を印加する。これ
により、イオン化で生成しイオントラップ空間9にトラ
ップされた全てのイオン10がホワイトノイズの補助交
流により一挙に励起される。ホワイトノイズ補助交流の
電圧はPCBなど妨害物質が解裂し、ダイオキシン類が
解裂しない電圧(1.0〜1.2V)が印加される。こ
の印加は、図2において補助交流onとして表示され
る。イオン化時間は、導入される試料の量により定まる
が、1m秒から1秒程度である。この間(tからt
まで)1から500kHzに及ぶホワイトノイズの補助
交流は継続される。イオン化時間(tからtまで)
の間にダイオキシン類以外の化合物は共鳴励起を受け、
イオン内の原子間の化学結合が解裂し、娘イオンを生成
する。更に生成した娘イオンも更に補助交流により共鳴
励起を受け解裂し、次の世代である孫イオンになる。最
終的に安定なイオンになるまで解裂する。ダイオキシン
類と質量の同じ多くのイオンは以上のような広帯域共鳴
により次々に質量の小さいイオンになる。ここで主高周
波が1Mzの時、印加する補助交流に含まれる周波数の
帯域は1から500kHzとしたが、ダイオキシンの最
大分子量は456であるから質量500に相当する固有
振動数から500kHzとしてもよい。
【0028】(2)質量分析のステップ(tから
,tからt…) イオン化時間が終了し(tとなり)電子ゲート5には
−200Vが印加され、電子がイオントラップ空間9に
侵入しないようにする。補助交流をoffとする。次に
主高周波電源15から供給されリング電極に印加された
主高周波の電圧が、データ処理装置14の指示により掃
引される。イオントラップ空間9内のイオンは低質量か
ら順に質量毎に不安定となり、エンドキャップの細孔か
らトラップ外に排出される。検出器12はこのイオン1
1を検出し、直流増幅器13を経てデータ処理装置14
によりマススペクトルを得る。
【0029】このマススペクトル収集は、日本特許第1,
321,036号や特公平8−21365号に示された方法で行えば
良い。
【0030】(3)リセット 所定のマスレンジまたは掃引すれば、主高周波電源はリ
セットされ零となる。これにより、イオントラップ内に
残っていた、イオンは全て排除される。tとなり二回
目のスキャンとなり、(1)に戻り再びイオン化が開始
される。この繰り返しを行いマススペクトルを取得す
る。
【0031】ホワイトノイズの補助交流のイオン化と同
時の印加により、図4上段(イ)図のように化学ノイズ
に埋もれたダイオキシンの信号は、図4下段(ロ)図の
マススペクトルのように改善される。ダイオキシンの信
号を上回る多くの化学ノイズイオンは補助交流により励
起され解裂する。補助交流の印加後のマススペクトルを
図4の下段に示す。ダイオキシンの分子イオン,ダイオ
キシンからCOC1が脱離したフラグメントイオンが明
確になる。高質量領域の化学ノイズは解裂し娘イオンと
なり低質量領域にシフトする。これら娘イオンはダイオ
キシンのイオンと重畳しなくなり分析の妨害にならなく
なる。
【0032】ダイオキシンの分子量の領域を拡大したマ
ススペクトルを図5に示す。上段(イ)図は、補助交流
を印加しないで取得したマススペクトルを示す。ダイオ
キシンの信号に化学ノイズが重畳している。そのため、
分子イオンのパターンは塩素の同位体比を反映していな
い。当然このままでは定量分析はできない。図5下段
(ロ)図に上述のように、イオン化と同時に補助交流を
印加した場合のマススペクトルを示す。ダイオキシンに
重畳した化学ノイズは解裂しダイオキシンの分子領域か
ら低質量領域にシフトする。そのため、ここで検出され
たイオン電流はダイオキシンの濃度を反映したものとな
り高精度の定量分析が可能になるか、また、定量下限値
を下げる(高感度分析)ことも可能になる。
【0033】(第二の実施例)ダイオキシンは極めて安
定な化合物であるため、そのCIDのためには最大限の
電圧の補助交流電圧を印加しなければならない。それに
加え、ダイオキシン類のCIDのためには長時間の励起
を継続することが必要である。DDTやDDEなどの農
薬等は1V程度の補助交流を数m秒間照射すれば簡単に
解裂する。PCBの場合1.2Vの補助交流を5m秒以
上照射すれば、CIDによりPCBは塩素原子が解離す
る。一方ダイオキシン類は安定な構造のため、簡単に解
裂せず、1.5Vの補助交流の照射を20m秒以上継続
せねばならない。
【0034】この特徴を利用して、別の方式の化学ノイ
ズ削減法が可能である。
【0035】図6に本発明の別の動作シーケンス図を示
す。図7に流れ図を示す。基本的には、図2および図3
に関する説明が参照される。
【0036】(1)イオン化時間 主高周波電圧を低く設定し電子ゲート5を開き、電子を
イオントラップ空間9に導く事でイオン化が開始され
る。
【0037】(2)化学ノイズ排除 イオン化イオン蓄積のあと(t01)、電子ゲート5を
閉じイオン化を停止する。ここで1.5Vの広帯域補助
交流を10m秒以上,20m秒以下の時間照射する。
1.3Vの電圧なら20m秒以上の照射ができる。この
過程で、イオントラップ空間に存在したダイオキシン類
以外の多くのイオンは解裂する。
【0038】(3)質量分析 時刻tとなり補助交流をoffとした後、主高周波電
圧を掃引してマススペクトルを取得する。
【0039】(4)リセット 所定の質量まで掃引すれば、主高周波の電圧は零にリセ
ットされる。これによりイオントラップ内に残ったイオ
ンは排除される。
【0040】(1)から(4)で一つのマススペクトル
取得が完了する。ふたたび、(1)から(4)を繰り返
して測定を続ける。
【0041】図6に示したようにイオン化の開始と共に
補助交流は印加しなくても良いが、イオン化の間、特定
の周波数の補助交流を印加して、特定の質量の化学ノイ
ズを共鳴出射させることもできる。また、第一の実施例
の様に広帯域の補助交流を印加して、広質量範囲の化学
ノイズの低減を図っても良い。
【0042】
【発明の効果】本発明により、ダイオキシン測定の際の
化学ノイズを削減することができ、定量下限値を大幅に
さげることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例が適用されるイオントラップ
質量分析計の模式図。
【図2】本発明の一実施例を示す動作シーケンス図。
【図3】本発明の一実施例の流れ図。
【図4】マススペクトル図。
【図5】マススペクトル図。
【図6】本発明の別の実施例を示す動作シーケンス図。
【図7】本発明の別の実施例の流れ図。
【符号の説明】
1…フィラメント電源、2…フィラメント、3…グリッ
ド電極、4…電子、5…電子ゲート、6…エンドキャッ
プ電極、7…リング電極、8…エンドキャップ電極、9
…イオントラップ空間、10…トラップされたイオン、
11…イオン、12…検出器、13…直流増幅器、14
…データ処理装置、15…主高周波電源、16…ガスガ
イドパイプ、17…グリッド電源、18…電子ゲート電
源、19…トランス、20…信号線、21…補助交流電
源、22…信号線、23…ガスクロマトグラフ、31…
注入口、32…キャピラリカラム、33…イオントラッ
プ質量分析計。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】リング電極およびエンドキャップ電極を備
    えたイオントラップ質量分析計を用いてダイオキシン類
    を質量分析する方法において、イオントラップ動作シー
    ケンス中のイオン化,イオン蓄積の間にエンドキャップ
    電極にダイオキシンが解裂する電圧より低い電圧の広帯
    域補助交流を印加する事を特徴とするイオントラップ質
    量分析法。
  2. 【請求項2】請求項1の質量分析法において、印加する
    広帯域補助交流に含まれる周波数帯域が1kHzから主
    高周波振動数の1/2まである事を特徴とするイオント
    ラップ質量分析法。
  3. 【請求項3】請求項1の質量分析法において、印加する
    広帯域補助交流の周波数帯域の下限値が質量500のイ
    オンの固有振動数である事を特徴とするイオントラップ
    質量分析法。
  4. 【請求項4】請求項1の質量分析法において、印加する
    広帯域補助高周波の電圧が0.5〜1.2Vである事を
    特徴とするイオントラップ質量分析法。
  5. 【請求項5】請求項1の質量分析法において、広帯域補
    助高周波の印加時間は10m秒以上である事を特徴とす
    るイオントラップ質量分析法。
  6. 【請求項6】リング電極およびエンドキャップ電極を備
    えたイオントラップ質量分析計を用いてダイオキシン類
    を質量分析する方法において、イオントラップ動作シー
    ケンス中のイオン化,イオン蓄積の後にエンドキャップ
    電極にダイオキシンが解裂する電圧より低い電圧の広帯
    域補助交流を印加し、その後に主高周波電圧の掃引を行
    いマススペクトルを得る事を特徴とするイオントラップ
    質量分析法。
  7. 【請求項7】請求項6の質量分析法において、印加する
    広帯域補助交流の周波数帯域が1kHzから主高周波振
    動数の1/2までである事を特徴とするイオントラップ
    質量分析法。
  8. 【請求項8】請求項6の質量分析法において、印加する
    広帯域補助交流の周波数帯域の下限値が質量500のイ
    オンの固有振動数である事を特徴とするイオントラップ
    質量分析法。
  9. 【請求項9】請求項6の質量分析法において、印加する
    広帯域補助交流の電圧が1.5V 未満である事を特徴と
    するイオントラップ質量分析法。
  10. 【請求項10】請求項6の質量分析法において、広帯域
    補助高周波の印加時間は20m秒以下である事を特徴と
    するイオントラップ質量分析法。
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