JP3799363B2 - 空気入りタイヤの製造方法及びそれに使用されるタイヤ成形ドラム装置 - Google Patents

空気入りタイヤの製造方法及びそれに使用されるタイヤ成形ドラム装置 Download PDF

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Description

【技術分野】
【0001】
本発明は、空気入りタイヤの製造方法及びそれに使用されるタイヤ成形ドラム装置に関し、さらに詳しくは、グリーンタイヤ成形時の熱可塑性エラストマーからなるインナーライナー層の剥離を抑制し、かつインナーライナー層のハンドリング性を改善するようにした空気入りタイヤの製造方法及びそれに使用されるタイヤ成形ドラム装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、空気入りタイヤは、空洞部内に充填した空気の透過を防止するため、ブチルゴムなどのゴムからなるインナーライナー層をタイヤ内側に備えている。近年、タイヤを軽量化するため、インナーライナー層にゴムに代えて熱可塑性エラストマーを用いることが提案されている(例えば、特許文献1,2参照)。熱可塑性エラストマーからなるインナーライナー層は、ゴムのものより薄いフィルム状にすることができるので、タイヤの軽量化に寄与する。
【0003】
上記熱可塑性エラストマーからなるフィルム状のインナーライナー層は、その外周側に配置されるカーカス層などのタイヤ構成部材との接着性を確保するため、外周面に接着剤を塗布するようにしている。そのため、グリーンタイヤ成形時に、接着剤を塗布したインナーライナー層をタイヤ成形ドラムに取り付ける際に、インナーライナー層の外周面の部分同士が互いにくっつくなど、ハンドリングに難があるという問題があった。そこで、ハンドリングをし易くするために、接着剤の粘着性を下げると、グリーンタイヤ成形後にインナーライナー層が剥離するという問題が生じる。
【特許文献1】
日本国特開平10−25375公報
【特許文献2】
日本国特開平11−199713公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、グリーンタイヤ成形時の熱可塑性エラストマーからなるインナーライナー層の剥離を抑制し、かつインナーライナー層のハンドリング性を改善することが可能な空気入りタイヤの製造方法及びそれに使用されるタイヤ成形ドラム装置を提供することにある。
【発明を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成する本発明の空気入りタイヤの製造方法は、熱可塑性エラストマーからなるインナーライナー層を有する空気入りタイヤを製造する方法であって、タイヤ成形ドラムの表面を予め加熱する工程と、加熱したタイヤ成形ドラムの表面に接着剤を外周面に塗布した筒状のインナーライナー層を配置する工程と、該インナーライナー層の外周側に未加硫のタイヤ構成部材を配置してグリーンタイヤを成形する工程と、グリーンタイヤを加硫する工程とからなることを特徴とする。
【0006】
本発明のタイヤ成形ドラム装置は、拡縮可能なタイヤ成形ドラムを備えたタイヤ成形ドラム装置において、タイヤ成形ドラムの表面を加熱可能な加熱手段を有し、該加熱手段がタイヤ成形ドラムの表面に赤外線を照射する複数の光源を備えた赤外線照射装置からなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
上述した本発明によれば、タイヤ成形ドラムの表面を予め加熱するようにしたので、インナーライナー層の外周面に塗布する接着剤に、室温時には凝集力が高くて粘着性が低く、加熱時に高い粘着性を有するものを使用することが可能になる。
【0008】
そのため、インナーライナー層をタイヤ成形ドラムに取り付ける時にインナーライナー層の接着剤を塗布した外周面の部分同士がくっついても容易に剥がすことができるので、ハンドリングが容易となる。また、接着剤を高い粘着状態にいてインナーライナー層をタイヤ構成部材と貼り合わせることができる一方、加熱された接着剤がグリーンタイヤの成形中に自然に冷却されて再び凝集力が高くなるので、成形されたグリーンタイヤにおいて、インナーライナー層がタイヤ構成部材から剥離するのを抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態について添付の図面を参照しながら詳細に説明する。各図において共通する構成要素には同一の符合を付し、重複する説明を省略する。
【0010】
図1は、本発明の空気入りタイヤの製造方法により製造された空気入りタイヤの一例を示し、1は空気入りタイヤ、2はトレッド部、3はサイドウォール部、4はビード部である。
【0011】
タイヤ内部には左右のビード部4間に延在する、ゴム層内にタイヤ径方向に延在する補強コードをタイヤ周方向に所定の間隔で配置したカーカス層5が設けられている。トレッド部1のカーカス層5の外周側には、ゴム層内にタイヤ周方向に傾斜して延在する補強コードをタイヤ周方向に所定の間隔で配置した複数のベルト層6が配置されている。ベルト層6の外周側にはトレッドゴム層7が配設されている。
【0012】
左右のビード部2にはビードコア8がそれぞれ埋設され、カーカス層5の両端部5aがビードコア8の周りにタイヤ内側から外側に折り返されている。カーカス層5の内側には、熱可塑性エラストマーからなるフィルム状のインナーライナー層9が設けられている。サイドウォール部2のカーカス層5の外側にはサイドゴム層10が配設されている。11はビードコア8の外周側に配置されたビードフィラーである。
【0013】
図2,3に、本発明の空気入りタイヤの製造方法に使用されるタイヤ成形ドラム装置の参考例を示し、20はタイヤ成形ドラム装置である。
【0014】
このタイヤ成形ドラム装置20は、支持部21と、支持部21に支持された、水平方向に延在する回転軸22と、この回転軸22に取り付けられたタイヤ成形ドラム23を備えている。回転軸22には支持部21内に設置した駆動手段(不図示)が連結されている。支持部21に回転軸22を介して回転可能に支持されたタイヤ成形ドラム23は、駆動手段の作動により、回転するようになっている。
【0015】
タイヤ成形ドラム23は、図3に示すように、金属製の複数のドラムセグメント23Xから円筒状に形成されている。ドラムセグメント23Xが二点鎖線で略して示す従来公知の拡縮機構24を介して回転軸22にドラム径方向に拡縮可能に取り付けられている。
【0016】
タイヤ成形ドラム23の内側には、タイヤ成形ドラム23の表面(外周面)23aを加熱可能な加熱手段25が設けられている。加熱手段25は、複数のリング状の電気ヒータ26から構成されている。複数の電気ヒータ26は、ドラム幅方向に所定の間隔で配置されると共に、回転軸22に突設した支持部材27により支持されており、回転軸22と共に回転可能になっている。
【0017】
回転軸22の内部22aは中空状に形成され、その中空の内部22aに電気ヒータ26に接続される2本の配線28が配置されている。図示せぬが、1つのドラムセグメント23Xに熱電対などからなる温度センサが取り付けられ、この温度センサで検出した温度に基づいて電気ヒータ26に流す電流の強度が調整され、それにより加熱されるタイヤ成形ドラム23の表面23aの温度を調整できるようにしている。
【0018】
図4は、本発明の空気入りタイヤの製造方法に使用されるタイヤ成形ドラム装置の他の参考例を示す。このでは、加熱手段25の電気ヒータ26を上述したリング状に代えて、棒状にしたものである。ドラム幅方向に延びる棒状の電気ヒータ26がドラム周方向に所定の間隔で配置されている。
【0019】
図5は、本発明の空気入りタイヤの製造方法に使用されるタイヤ成形ドラム装置の実施形態を示す。この実施形態では、上述した加熱手段25を、タイヤ成形ドラム23の表面23aに赤外線を照射する複数の赤外線ランプなどの光源29を備えた赤外線照射装置30から構成したものである。
【0020】
一対の円弧状支持部材31に光源29が所定の間隔を隔てて取り付けられている。一対の円弧状支持部材31は、図に示す表面23aに近づいた照射位置と、表面23aが離間した待機位置との間を移動できるようにしている。各光源29は電源(不図示)に電気的に接続され、照射位置で光源29をオンにして、タイヤ成形ドラム23の表面23aに赤外線を照射し、表面23aを加熱できるようにしている。
【0021】
このように加熱手段25に赤外線照射装置30を使用する場合、赤外線によりタイヤ成形ドラム23の表面23aを効率良く加熱するため、タイヤ成形ドラム23の表面23aを黒色にすることが好ましい。表面23a全体を黒色にしてもよく、またインナーライナー層9を取り付ける領域のみ黒色にしてもよい。タイヤ成形ドラム23の表面23aを黒色にするには、例えば、黒色の塗料を表面23aに塗装することにより行う。
【0022】
図6は、本発明の空気入りタイヤの製造方法に使用されるタイヤ成形ドラム装置の更に他の参考例を示す。このでは、加熱手段25を、タイヤ成形ドラム23の表面23aを加熱する加熱媒体を循環させる循環路32をタイヤ成形ドラム23の内側に設けた媒体加熱装置33から構成したものである。
【0023】
タイヤ成形ドラム23の内側に、ドラム幅方向に延在する複数の第1パイプ34がドラム周方向に所定の間隔で配置されている。また、回転軸22の中空の内部22aには、加熱媒体供給源(不図示)から第1パイプ34に加熱媒体を供給する第2パイプ35と、第1パイプ34から加熱媒体を加熱媒体供給源に戻す第3パイプ36が配設されている。第2パイプ35には複数の分岐パイプ部37を有する接続パイプ38が接続され、各分岐パイプ部37が第1パイプ34の一端に接続されている。
【0024】
第3パイプ36にも複数の分岐パイプ部39を有する接続パイプ40が接続され、各分岐パイプ部39が第1パイプ34の他端に接続されている。加熱媒体供給源から供給された加熱媒体は、第2パイプ35、接続パイプ38、第1パイプ34、接続パイプ40、第パイプ36を経て加熱媒体供給源に戻るようになっている。第2パイプ35、接続パイプ38、第1パイプ34、接続パイプ40、第パイプ36の内側に、タイヤ成形ドラム23の表面23aを加熱する加熱媒体を循環させる循環路32が形成されている。
【0025】
循環路32は、上記のようにタイヤ成形ドラム23の表面23aの近くを循環するように構成するのが、表面23aを迅速に加熱する上で好ましいが、回転軸22の中空の内部22aにのみ、循環路32を形成するようにしてもよい。
【0026】
加熱媒体としは、タイヤ成形ドラム23の表面23aを加熱可能であれば、いずれの加熱媒体を用いてもよく、例えば、温水や加熱した油などを好ましく挙げることができる。
【0027】
以下、図7a〜7dを参照しながら、本発明の空気入りタイヤの製造方法を説明する。
【0028】
先ず、加熱手段25をオンにし、タイヤ成形ドラム23の表面23aを予め加熱する。表面23aの加熱温度としては、後述する室温時に粘着性の低い接着剤を使用する場合、40〜60℃の範囲にする。加熱手段25による加熱は、後述する未加硫のカーカス層5’を巻き付けるまで、少なくとも行われる。
【0029】
次いで、図7aに示すように、接着剤を外周面9aに塗布した、熱可塑性エラストマーからなる筒状フィルム状のインナーライナー層9をタイヤ成形ドラム23の外周側に挿入する。ここで使用される接着剤は、ガラス転移点が−20〜30℃の範囲のものである。ガラス転移点がこの範囲にある接着剤は、室温では凝集力が高くて粘着性が低いため、接着剤を塗布したインナーライナー層9のハンドリングが容易となる。また、40〜60℃の範囲に加熱することより十分な粘着性を接着剤が示すため、未加硫のカーカス層5’が貼り付き易くなる。
【0030】
ガラス転移点が−20℃より低いと、室温での接着剤の粘着性が強くなり過ぎてハンドリング性が悪くなる。逆にガラス転移点が30℃より高いと、十分な粘着性を得るためには、60℃を超える温度まで加熱する必要があり、加熱時間が増加して、生産性上好ましくない。
【0031】
インナーライナー層9の挿入後、タイヤ成形ドラム23を拡径して、図7bに示すように、タイヤ成形ドラム23の表面23aに筒状のインナーライナー層9を取り付ける。なお、図7bにおいて、30はインナーライナー層9の外周面9aに塗布した接着剤の層を示す。
【0032】
インナーライナー層9の取り付けにより、接着剤層30が加熱され、十分な粘着性を示す。この状態で、従来と同様にして、各未加硫のタイヤ構成部材を取り付けてグリーンタイヤを成形する。即ち、接着剤層30を有するインナーライナー層9の外周側に未加硫のシート状のカーカス層5’を貼り付け、その周方向両端部を重ね合わせ接合する。次いで、未加硫のビードフィラー11’を予め取り付けたビードコア8を未加硫のカーカス層5’の外周側に配置する。未加硫のカーカス層5’の両端部5’aを未加硫のビードフィラー11’とビードコア8を包み込むようにして折り返し、次いでその外周側に未加硫のサイドゴム層10’を配置して、カーカス組立体40を成形する(図7c参照)。
【0033】
タイヤ成形ドラム23を縮径させて、円筒状のカーカス組立体40をタイヤ成形ドラム23から取り外す。タイヤ成形ドラム23からカーカス組立体40を外すと、加熱された接着剤層30の温度が低下して自然に冷却されるが、その冷却により接着剤層30の凝集力が再び高くなるため、インナーライナー層9が未加硫のカーカス層5’から容易に剥離することがない。加熱された接着剤層30は、グリーンタイヤの成形工程において、室温まで自然に冷却されるので、特に冷却する工程を設ける必要はないが、成形時間を短縮するために、強制的に冷却する工程を設けるようにしてもよい。
【0034】
次いで、タイヤ成形ドラム23から外したカーカス組立体40を、図7dに示すようにトロイダル状にインフレートし、予め成形した未加硫のベルト層6’と未加硫のトレッドゴム層7’からなる円筒状のベルト・トレッド組立体50の内周側に圧着する。次いで、圧着ローラ(不図示)によりベルト・トレッド組立体50を押圧してカーカス組立体40に圧着してグリーンタイヤを成形する。このグリーンタイヤを加熱して加硫することにより、図1に示す空気入りタイヤ1が得られる。
【0035】
上述した本発明によれば、タイヤ成形ドラム23の表面23aを予め加熱するようにしたので、インナーライナー層9の外周面9aに塗布する接着剤に、室温時に凝集力が高くて粘着性が低く、加熱時に高い粘着性を有するものが使用可能になる。
【0036】
そのため、熱可塑性エラストマーからなるフィルム状のインナーライナー層9をタイヤ成形ドラム23に取り付ける時に、インナーライナー層9の接着剤を塗布した外周面9aの部分同士がくっついても容易に剥がすことができるので、インナーライナー層9のハンドリングを容易にすることができる。また、接着剤層30を高い粘着状態にしてインナーライナー層9と未加硫のカーカス層5’とを貼り合わせることができる一方、加熱された接着剤30がグリーンタイヤの成形中に自然に冷却されて再び凝集力が高くなるので、成形したグリーンタイヤにおいて、インナーライナー層9が未加硫のカーカス層5’から剥離するのを抑制することができる。
【0037】
本発明において、インナーライナー層9の厚さとしては、80μm 〜300μm の範囲にするのがよい。厚さが80μm より薄いと、空気透過防止層としての機能が不十分となる。逆に厚さが300μm より厚いと、接着剤を加熱するのに時間がかかり、生産性が低下する。
【0038】
インナーライナー層9を構成する熱可塑性エラストマーとしては、従来インナーライナー層9に使用される公知のものが使用でき、好ましくは、熱可塑性樹脂成分にゴム成分を分散させた熱可塑性エラストマー、例えば、日本国特開平11−199713公報に開示される熱可塑性エラストマー組成物などを挙げることができる。
【0039】
インナーライナー層9の外周面に塗布する接着剤としても、従来公知のものが使用でき、例えば、スチレン系熱可塑性エラストマー系接着剤などを好ましく挙げることができる。
【0040】
本発明の空気入りタイヤの製造方法は、上述したようにタイヤ成形ドラム23の表面23aを予め加熱した後、接着剤を外周面に塗布した筒状のインナーライナー層9を配置するのが、生産性の点から好ましいが、接着剤を外周面に塗布したインナーライナー層9をタイヤ成形ドラム23に取り付けた後、加熱手段25によりタイヤ成形ドラム23の表面23aを加熱することにより、接着剤を加熱するようにしてもよい。
【実施例】
【0041】
熱可塑性エラストマーからなるインナーライナー層のフィルムの外面に、表1に示す配合割合とガラス転移点を有する接着剤A〜Eをそれぞれ塗布した試験フィルム1〜5を作製し、各試験フィルムのハンドリング性を◎、○、△、×の4段階で評価した。
【0042】
◎は試験フィルムの接着剤を塗布した外面の部分同士を押し付けても殆ど着かないことを意味する。○は試験フィルムの接着剤を塗布した外面の部分同士を押し付けるとくっつくが、容易に剥がれることを意味する。△は試験フィルムの接着剤を塗布した外面の部分同士を押し付けるとくっつくが、素早く剥がすと剥がれることを意味する。×は試験フィルムの接着剤を塗布した外面の部分同士を押し付けるとくっつき、剥がそうとすると、剥がれずに試験フィルムが伸びたこと意味する。◎、○、△が許容範囲である。その結果を表2に示した。
【0043】
また、接着剤A〜Eを使用して、上述した本発明の方法により図1に示す構成を有する試験グリーンタイヤ1〜5をそれぞれ成形した。タイヤ成形ドラムの表面の温度は約50℃である。各試験グリーンタイヤを以下に示す方法により、インナーライナー層の耐剥離性を調べたところ、表3に示す結果を得た。
【0044】
耐剥離性
各試験グリーンタイヤを切断し、インナーライナー層と未加硫のカーカス層との剥離状態を目視により観察し、その結果を◎、○、△、×の4段階で評価した。
【0045】
◎は剥離なし、○は問題にならない程度の僅かな剥離が未加硫のカーカス層の接合部にあり、△は剥離が未加硫のカーカス層の接合部以外の領域にもあるが圧着作業により修復が可能、×は全周に渡って剥離が発生し、修復が不可能であることを意味する。◎、○が許容範囲である。
【0046】
【表1】
Figure 0003799363
【表2】
Figure 0003799363
【表3】
Figure 0003799363
表1より、接着剤のガラス転移点を−20〜30℃にするのがよいことがわかる。
【産業上の利用可能性】
【0047】
上述した優れた効果を有する本発明は、車両に装着する空気入りタイヤを製造するのに極めて有効に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明の空気入りタイヤの製造方法により成形された空気入りタイヤの一例を示す部分断面図である。
【図2】本発明の空気入りタイヤの製造方法に使用されるタイヤ成形ドラム装置の参考例を示す正面図である。
【図3】図2のIII-III 矢視拡大断面図である。
【図4】本発明の空気入りタイヤの製造方法に使用されるタイヤ成形ドラム装置の他の参考例を示す拡大断面図である。
【図5】本発明の空気入りタイヤの製造方法に使用されるタイヤ成形ドラム装置の実施形態を示す拡大断面図である。
【図6】本発明の空気入りタイヤの製造方法に使用されるタイヤ成形ドラム装置の更に他の参考例を示す拡大断面図である。
【図7a】加熱したタイヤ成形ドラムに接着剤を外周面に塗布したインナーライナー層を取り付ける工程を説明する正面図である。
【図7b】拡径したタイヤ成形ドラムの外周面にインナーライナー層が取り付けられた状態を示す半断面図である。
【図7c】カーカス組立体を成形する工程を説明する概略図である。
【図7d】カーカス組立体をインフレートしてベルト・トレッド組立体に圧着する工程を説明する概略図である。

Claims (8)

  1. 熱可塑性エラストマーからなるインナーライナー層を有する空気入りタイヤを製造する方法であって、
    タイヤ成形ドラムの表面を予め加熱する工程と、加熱したタイヤ成形ドラムの表面に接着剤を外周面に塗布した筒状のインナーライナー層を配置する工程と、該インナーライナー層の外周側に未加硫のタイヤ構成部材を配置してグリーンタイヤを成形する工程と、グリーンタイヤを加硫する工程とからなる空気入りタイヤの製造方法。
  2. 未加硫のタイヤ構成部材を配置する工程が、前記タイヤ成形ドラム上で接着剤を外周面に塗布したインナーライナー層の外周側に、未加硫のカーカス層とビードコアと未加硫のサイドゴム層を配置してカーカス組立体を成形する工程と、前記カーカス組立体をトロイダル状にインフレートして、未加硫のベルト層と未加硫のトレッドゴム層を有する円筒状のベルト・トレッド組立体の内周側に圧着する工程を含む請求項に記載の空気入りタイヤの製造方法。
  3. 接着剤のガラス転移点が−20℃〜30℃の範囲である請求項1または2に記載の空気入りタイヤの製造方法。
  4. タイヤ成形ドラムの加熱工程において、タイヤ成形ドラムの表面を40℃〜60℃の温度に加熱する請求項3に記載の空気入りタイヤの製造方法。
  5. インナーライナー層の厚さが80μm 〜300μm である請求項1乃至4のいずれか1項に記載の空気入りタイヤの製造方法。
  6. 拡縮可能なタイヤ成形ドラムを備えたタイヤ成形ドラム装置において、タイヤ成形ドラムの表面を加熱可能な加熱手段を有し、該加熱手段がタイヤ成形ドラムの表面に赤外線を照射する複数の光源を備えた赤外線照射装置からなるタイヤ成形ドラム装置。
  7. タイヤ成形ドラムの表面が黒色である請求項6に記載のタイヤ成形ドラム装置。
  8. タイヤ成形ドラムが金属製の複数のドラムセグメントからなる請求項6または7に記載のタイヤ成形ドラム装置。
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