JP3797963B2 - サーマルヘッド - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はサーマルヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のサーマルヘッドは、図5(A)の平面図及び図5(B)の断面図に示すように、回路基板2上に発熱体7を設けた絶縁基板1を粘着材6によって固定し、発熱体7を駆動させるための駆動素子4を回路基板2上に搭載し、該駆動素子4上にはその保護のために樹脂5が塗布されている。また、前記回路基板2には、外部機器と接続するためのケーブル3が取り付けられている。
【0003】
ここで、前記回路基板2の回路パターンを図4を参照しながら説明する。
図4(A)の平面図に前記絶縁基板1の搭載範囲12と回路基板2の回路パターン10の配置を示し、図4(B)には図4(A)のD−D’部分の断面を示している。
【0004】
一般に、サーマルヘッドを駆動させることにより発熱体7から発せられた熱がその周辺の絶縁基板1の搭載範囲12に蓄熱されるが、その熱を十分に放熱させるために、前記絶縁基板1の搭載範囲12と反対の面に、接着剤9等によって熱伝導性の高い金属、例えばアルミニウム製の支持板8が貼り付けられている。
【0005】
また、前記回路基板2の回路パターン10の材料として銅などが用いられている。しかし、前記絶縁基板1を回路基板2に搭載し、その反対の面に支持板8を貼り付けても、絶縁基板1と支持板8との間に蓄熱させてしまう材料、例えばガラス布基材エポキシ樹脂等を使用した回路基板2が存在するため、絶縁基板1の搭載範囲12の熱を支持板8へ伝達させ、放熱させることは十分でなかった。
ここで、回路基板2の回路パターン10、スルーホール11を経て回路基板の裏側に設けられている回路パターン10aに伝熱する経路があるが、放熱には十分に寄与しない。
【0006】
このため、発熱体7の熱によって感熱紙等に印字を行う際、絶縁基板1の搭載範囲12の熱が他へ放熱されず感熱紙側へ伝わり不要な部分もこの熱により変色させてしまうので、印字された文字がつぶれてしまう等の不具合が生じていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、感熱紙等に適切な印字を行うために、前記絶縁基板1の搭載範囲12の放熱性を良くすることを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
発熱体を設けた絶縁基板を回路基板上に固定し、前記発熱体を駆動する駆動素子を前記
回路基板上に搭載し、前記回路基板を放熱用支持板上に固定してなるサーマルヘッドであって、
前記発熱体が形成された領域と重なる回路基板上に、発熱体の幅以上の幅とした帯状の放熱パターンを、発熱体と略平行に設けたことを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図1を参照しながら説明する。ここで、図1(A)は回路基板2の平面図であり、回路基板2上の絶縁基板搭載範囲12にある放熱パターン13を示している。また、図1(B)は、図1(A)のA−A’部分の断面を示している。
【0010】
絶縁基板1の搭載範囲12の熱を支持板8に効率良く伝達するために、回路基板2上に放熱パターン13を設ける。この放熱パターン13は熱伝導性の高い金属、例えば銅などによって形成する。
また、前記放熱パターン13は発熱体7と略平行で且つ、発熱体7の幅以上の幅とした帯状のパターンとして形成することで、絶縁基板1の搭載範囲12の熱を放熱させることができる。この放熱パターン13は支持板8とともにヒートシンクとして機能する。
【0011】
ところで、前記絶縁基板1で生じた蓄熱を放熱パターン13に効率良く伝達するには、絶縁基板1上に発熱体7が形成される領域の真下となる回路基板2上に放熱パターン13を配置する必要がある。
しかし、絶縁基板1は回路基板2に対して、精度良く位置を合わせて固定することは言うまでもないが、少なからず位置ずれは生じることがある。
これにより、発熱体7と放熱パターン13の位置がずれると熱を伝達する効果が低下することになる。
【0012】
従って、放熱パターン13の幅は前述の位置ずれを考慮して、できるだけ広く設定することが望ましい。
さらに、絶縁基板1の厚みと回路基板2の厚みをそれぞれ0.8mm以下に薄くすることで、絶縁基板1の搭載範囲12の熱をより放熱パターン13へ伝達させることができ、放熱パターン13の熱をより支持板8へ伝達させ、放熱を向上させることができる。
【0013】
この時、前記放熱パターン13は発熱体7を制御するための信号配線と接続しないパターンであってもよい。
また、発熱体7を制御するための信号配線に接続したパターン、例えば、グランド信号線または電源電圧信号線に接続されているパターンとすることで回路基板2の面積を有効に利用することができる。
【0014】
次に、本発明の第2の実施の形態を図2を参照しながら説明する。
図2(A)は本発明の回路基板2の平面図であり、回路基板2上の絶縁基板搭載範囲12にある放熱パターン13aを示している。また、図2(B)は図2(A)のB−B’部分の断面を示している。
絶縁基板搭載範囲12の熱を放熱させるために熱伝導性の高い金属パターンで放熱パターン13aを設ける。該放熱パターン13aの幅の一部を絶縁基板1の短手幅の20%以上に広げることにより、絶縁基板搭載範囲12の熱を放熱パターン13aへ伝達させ、より放熱を向上させることができる。
【0015】
この時、放熱パターン13aは発熱体7を制御するための信号配線と接続しないパターンであってもよい。
また、発熱体7を制御するための信号配線に接続したパターン、例えば、グランド信号線または電源電圧信号線に接続されているパターンとすることで回路基板2の面積を有効に利用することができる。
【0016】
図3(A)は本発明の回路基板2の平面図であり、回路基板2上の絶縁基板搭載範囲12にある放熱パターン13bを表す。また、図3(B)は図3(A)のC−C’部分の断面を表す。
絶縁基板搭載範囲12の熱を放熱させるために放熱パターン13bを設け、この放熱パターン13bに接続された一個以上のスルーホール11aを設け、絶縁基板搭載範囲12とは反対の面の回路基板2内の回路パターン10bと接続することにより、絶縁基板搭載範囲12の熱を十分に支持板8へ伝達させ、放熱させることができる。
【0017】
この時、放熱パターン13bは発熱体7を制御するための信号配線と接続しないパターンであってもよい。
また、発熱体7を制御するための信号配線に接続したパターン、例えば、グランド信号線または電源電圧信号線に接続されているパターンとすることで回路基板2の面積を有効に利用することができる。
これら実施の形態により、サーマルヘッドとして十分な放熱性を得ることができるため、最適な印字を行うことが可能となる。
【0018】
【発明の効果】
発熱体を設けた絶縁基板を搭載する回路基板に熱伝導性の高い金属パターンを発熱体の幅以上の幅で、絶縁基板上に設けた発熱体と略平行に放熱パターンを設けることにより、サーマルヘッドとして十分な放熱性を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のサーマルヘッドに用いる回路基板の平面図及び回路基板の断面図である。
【図2】本発明のサーマルヘッドに用いる他の回路基板の平面図及び回路基板の断面図である。
【図3】本発明のサーマルヘッドに用いる他の回路基板の平面図及び回路基板の断面図である。
【図4】従来のサーマルヘッドに用いる回路基板の平面図及び断面図である。
【図5】従来のサーマルヘッドの平面図及び断面図である。
【符号の説明】
1・・絶縁基板 2・・回路基板 8・・支持板 13・・回路基板に設けた放熱パターン

Claims (3)

  1. 発熱体を設けた絶縁基板を回路基板上に固定し、前記発熱体を駆動する駆動素子を前記回路基板上に搭載し、前記回路基板を放熱用支持板上に固定してなるサーマルヘッドであって、
    前記発熱体が形成された領域と重なる回路基板上に、発熱体の幅以上の幅とした帯状の放熱パターンを、発熱体と略平行に設け
    前記放熱パターンを、前記回路基板上に形成された信号配線と接続しないことを特徴とするサーマルヘッド。
  2. 発熱体を設けた絶縁基板を回路基板上に固定し、前記発熱体を駆動する駆動素子を前記回路基板上に搭載し、前記回路基板を放熱用支持板上に固定してなるサーマルヘッドであって、
    前記発熱体が形成された領域と重なる回路基板上に、発熱体の幅以上の幅とした帯状の放熱パターンを、発熱体と略平行に設け、
    前記放熱パターンの範囲内に、この放熱パターンとその反対面に配置された回路パターンと接続された少なくとも1個以上のスルーホールを設け、
    前記放熱パターンを、前記回路基板上に形成された信号配線と接続しないことを特徴とするサーマルヘッド。
  3. 前記信号配線は、前記発熱体を制御する信号配線であることを特徴とする請求項1又は2のサーマルヘッド。
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