JP3797841B2 - Icカードリーダライタ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、いわゆるICカードのリーダライタに係り、特に、挿入されたICカードを必要に応じて装置内へ取り込む機能を有するものに関する。
【0002】
【従来の技術】
いわゆるICカードは、種々の情報の読み書きが電気的に可能なカードとして、近年様々な場面で利用されている。
そして、かかるICカードからの情報の読み取りや情報の書き込みを行うためのものとしてICカードリーダライタがあり、様々な形態のものが提案されている(特公平4−38031号公報等参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、近年ICカードの利用の普及と共に、ICカードリーダライタにおいて、いわゆる不正使用に対する方策を講ずることが必要とされてきている。
すなわち、その最も確実な方策としては、従来のICカードリーダライタが、ICカードを取り込んでICカードとの信号の授受を終えた後は、挿入口へICカードが戻されるよう構成されたものであるのに対して、ICカードとの信号の授受によって、ICカードが不正使用されているものであると判断された場合には、ICカードリーダライタが設けられた装置内へ、そのICカードを回収するような機能が確実であり、昨今のICカードリーダライタには、そのような機能が求められている。
また、例えば、特公平4−38031等に示されたような従来のICカードリーダライタにおいては、ICカードが、ICカードリーダライタの筐体内の固定された平面状の部位を移動するために、ICカードに摺動による傷が付きやすく、特に、近年、ICカードの利用者によるICカードの美観に対する意識の変化等により、極力傷がなく見た目の良いものが求められており、ICカードリーダライタによりICカードへ傷を付けるようなことがないような工夫が必要とされつつある。
【0004】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたもので、ICカードを挿入側へ返却することなく装置内へ回収することのできるICカードリーダライタを提供するものである。
本発明の他の目的は、ICカードを極力傷つけることなく処理することができるICカードリーダライタを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記発明の目的を達成するため、本発明に係るICカードリーダライタは、
ICカードを搬送する搬送手段を有し、前記ICカードが搬送路内を前記搬送手段によって搬送されるよう構成されてなるICカードリーダライタであって、前記ICカードが載置され、当該ICカードと共に移動するよう構成されてなるスライドプレートと、
前記ICカードとの信号の授受のための接点を有し、前記スライドプレートの所定区間の移動と共に移動するよう構成されてなるコネクタ保持部材とが、前記搬送路を挟んで相対するように設けられ、
前記スライドプレートの近傍には、前記スライドプレートの移動を案内するスライドプレートガイド手段が、
前記コネクタ保持部材の近傍には、前記コネクタ保持部材の移動を案内するコネクタガイド手段が、それぞれ設けられ、
前記スライドプレートは、前記ICカードの挿入口方向に、第1の戻しばねにより常時戻し力を受け、前記ICカードの挿入前の初期状態においては、第1の初期位置に引き戻される一方、前記ICカードの先頭部分が当接されるカード当接部が設けられ、
前記コネクタ保持部材は、前記ICカードの挿入口方向に、第2の戻しばねにより常時戻し力を受け、前記ICカードの挿入前の初期状態においては、第2の初期位置に引き戻される一方、前記カード当接部が当接するスライドプレート当接部が設けられ、
前記スライドプレートガイド手段は、前記スライドプレートを、その第1の初期位置から前記ICカードの挿入方向に向かって第1の所定区間の間、水平状態に維持する一方、前記第1の所定区間以降は、前記ICカードの挿入方向に向かうに従い下降せしめ、
前記コネクタガイド手段は、前記コネクタ保持部材を、その第2の初期位置から前記ICカードの挿入方向に向かって第2の所定区間の間、前記ICカードの挿入方向に向かうに従い下降せしめ、前記第2の所定区間に続く第3の所定区間の間、水平状態に維持せしめ、
前記スライドプレート当接部は、前記カード当接部に前記ICカードの先頭部分が当接され、前記搬送手段により前記ICカードが前記スライドプレートと共に前記ICカードの挿入方向へ搬送開始された後、前記第1の所定区間の適宜な位置で、前記カード当接部と当接するような位置に設けられると共に、前記ICカードの挿入方向と逆方向に回動可能に構成されてなり、
前記スライドプレートが前記ICカードの搬送に伴い前記ICカードの挿入方向へ進み、前記第1の所定区間を越えると、前記カード当接部と前記スライドプレート当接部とは、前記スライドプレートの下降開始と共に相互の当接部分が減少するようにして除々に離間してゆき、前記カード当接部が前記スライドプレート当接部から完全に離間した際、前記コネクタ保持部材は前記第2の初期位置へ引き戻され、
前記ICカードの挿入方向への搬送の継続による前記スライドプレートのさらなる下降により前記カード当接部が前記搬送路の下側に位置し、前記ICカードが所定の位置から排出された後に、前記スライドプレートは、前記第1の初期位置へ引き戻されるよう構成されてなるものである。
【0006】
かかる構成においては、ICカードは、スライドプレートとコネクタ保持部材とに挟持されたような状態で、スライドプレートは、スライドプレートガイド手段の案内により、コネクタ保持部材は、コネクタガイド手段の案内により、共に移動できるように構成され、しかも、ICカードをICカードリーダライタのカード排出口から排出できるように、スライドプレートが所定の位置を越えてICカードリーダライタの奥へ進む場合には、スライドプレートは、スライドプレートガイド手段により、コネクタ保持部材と徐々に離間して、搬送路の下面側に下降するように構成されているので、ICカードをカード排出口へ搬送することができ、従来と異なり、ICカードと共にスライドプレートも移動するので、ICカードの移動によりICカードへ傷を付けることのないICカードリーダライタを提供することができるものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図1乃至図7を参照しつつ説明する。
なお、以下に説明する部材、配置等は本発明を限定するものではなく、本発明の趣旨の範囲内で種々改変することができるものである。
最初に、この発明の実施の形態におけるICカードリーダライタの構成について、図1乃至図4を参照しつつ説明する。
図1及び図2には、主にこのICカードリーダライタの機構的な構成が示されており、モータ16の動作を制御するためのモータ制御回路及びICカードとの通信を行うICカード読み取り制御回路については、図示を省略してある。
まず、ICカードリーダライタの筐体1は、その外形形状がやや扁平の略直方体をなすもので、後述する搬送路5が形成される方向に長手軸を有するものとなっており、その一方の端部において、カード挿入口2が、また、他方の端部においてカード排出口3がそれぞれ設けられたものとなっている(図2参照)。
そして、筐体1内部において、カード挿入口2側からカード排出口3へ延び、後述するようにスライドプレート21とコネクタ保持部材27によって挟まれるようにしてICカード4が搬送される空間は、搬送路5となっている(図2参照)。
【0008】
また、筐体1内部の一方の側部近傍であって、かつ、カード挿入口2の近傍においては、第1の駆動プーリ6と第1の従動ローラ8が、搬送路5を挟んで、その上側に、第1の駆動プーリ6が、搬送路5の下側に、第1の従動ローラ8が、それぞれの外周面が相対するようにして設けられている(図1及び図2参照)。
第1の駆動プーリ6は、その中心で、棒状部材からなる第1の駆動軸10により軸支されており、この第1の駆動軸10の両端は、それぞれ筐体1の側部に形成された軸穴14a,14bに遊嵌されて回動自在となっており、また、第1の駆動軸10の所定の部位は、後述するようにウォーム形成用円柱部材18に形成された遊嵌穴18aに遊嵌されるようになっている(図1参照)。
第1の従動ローラ8は、その中心で棒状部材からなる第1の従動軸12により軸支されており、この第1の従動軸12の両端は、それぞれ筐体1に形成された凹溝40に遊嵌されると共に板ばね41で保持されて回動自在となっている(図2参照)。
【0009】
一方、カード排出口3の近傍であって、上述のように第1の駆動プーリ6及び第1の従動ローラ8が配設された筐体1内部の側部近傍においても、同様に搬送路5を挟んで、搬送路5の上側に第2の駆動プーリ7が、搬送路5の下側に第2の従動ローラ9が、それぞれの外周面が相対するように配設されている。
第2の駆動プーリ7は、その中心で、棒状部材からなる第2の駆動軸11により軸支されており、その両端は、筐体1のそれぞれの側壁に、それ自体では回動自在となるようにして係止されたものとなっている。
また、第2の従動ローラ9も同様に、その中心で棒状部材からなる第2の従動軸13により軸支されており、この第2の従動軸13の両端は、それぞれ筐体1に形成された凹溝40に遊嵌されると共に板ばね41で保持されて回動自在となている(図2参照)。
【0010】
そして、第1の駆動プーリ6と第2の駆動プーリ7には、例えば、ゴム等の比較的弾力性、可撓性のある部材からなるカード搬送用ベルト15が掛け渡されており、第1の駆動プーリ6の回動が第2の駆動プーリ7に伝達されるようになっている。
ICカード4が、カード挿入口2からICカードリーダライタ内へ挿入されると、その先頭部分の一方の側部が第1の駆動プーリ6及びカード搬送用ベルト15と、第1の従動ローラ8との間に挟まれるようになっている。その状態において、第1の駆動軸10がモータ16により回動されて、例えば、図2において、第1の駆動軸10を中心に右回り方向(以下、この回転状態を便宜的に「正回転」と言う)に回動する場合には、第1の駆動プーリ6及びカード搬送用ベルト15と第1の従動ローラ8とにより、ICカード4は、さらにICカードリーダライタ内部へ搬送されるようになっている。
【0011】
第1の駆動軸10は、第2の駆動軸11と同様に、その両端部は、筐体1のそれぞれの側壁に、それ自体では回動自在となるように係止されている。また、この発明の実施の形態における第1の駆動軸10は、後述するウォーム形成用円柱部材18に遊嵌される被遊嵌部10aと、それから先の部位(第1の駆動プーリ6が取着される側と反対側)である軸端係止部10bとの径が異なって形成されており、この例では、被遊嵌部10aの径が、軸端係止部10bの径より大となっている(図1及び図3参照)。
一方、筐体1の他方の側部近傍には、モータ16が設けられ、このモータ16の回動力を伝達するためのウォームギア17がモータ16と第1の駆動軸10との間に設けられている(図1参照)。
すなわち、モータ16の回動軸には、ウォーム17aが取着される一方、このウォーム17aには、ウォーム形成用円柱部材18に形成されたウォームホイール17bが螺合されている。なお、モータ16が減速機構付きモータである場合には、ウォームギア17に代えて傘歯車を用いてモータの駆動力を第1の駆動軸10へ伝達するようにしてもよい。
【0012】
ウォーム形成用円柱部材18は、第1の駆動軸10の被遊嵌部10aより大径の円柱状の部材を用いてなり、その一方の端部においては、第1の駆動軸10の被遊嵌部10aが遊嵌できるよう円筒状に遊嵌穴18aが形成されている(図3参照)。
すなわち、モータ16には、ウォーム17aが取着される一方、このウォーム17aには、ウォーム形成用円柱部材18に形成されたウォームホイール17bが螺合されている。
【0013】
また、この遊嵌穴18aが形成された側のウォーム形成用円柱部材18の端面には、その周方向でほぼ180度離れて、2つのウォーム側係止突起19a,19bがそれぞれ、軸方向に突設されたものとなっている(図3参照)。なお、この発明の実施の形態においては、ウォーム形成用円柱部材18の一部が軸方向に延設されて先のウォーム側係止突起19a,19bがそれぞれ形成されたものとなっているが、必ずしも一体的である必要はなく、ウォーム形成用円柱部材18と別体に設けられてもよいものである。
さらに、ウォーム形成用円柱部材18の他方の端部、すなわち、ウォーム側係止突起19a,19bが設けられた側と反対側の端部からは、第1の駆動軸10の軸端係止部10bが貫通できるようになっており、その端部が、先に述べたように、筐体1の他方の側壁に係止されたものとなっている。
【0014】
一方、第1の駆動軸10の被遊嵌部10aの外周面には、その周方向で180度離れて、2つの駆動軸側係止突起20a,20bが外方へ突設されている(図3参照)。そして、この駆動軸側係止突起20a,20bの第1の駆動軸10の軸方向における位置は、被遊嵌部10aがウォーム形成用円柱部材18の遊嵌穴18aに遊嵌されて、かつ、第1の駆動軸10の両端が筐体1に係止された状態(換言すれば、使用状態)において、2つのウォーム側係止突起19a,19bが形成されたウォーム形成用円柱部材18の端面近傍に位置するように設定されたものとなっている。したがって、使用状態においては、2つの駆動軸側係止突起20a,20bと、2つのウォーム側係止突起19a,19bは、第1の駆動軸10の周方向(又はウォーム形成用円柱部材18の周方向)で、交互に位置する状態となり、第1の駆動軸10は、2つのウォーム側係止突起19a,19bの間で回動自在となっている(図4参照)。換言すれば、第1の駆動軸10は、周方向で2つのウォーム側係止突起19a,19bがなす角度θの範囲で回動自在となっている。
なお、この構成例においては、ウォーム側係止突起19a,19bと駆動軸側係止突起20a,20bは、それぞれ2つ設けるようにしたが、必ずしも2つづつ設ける必要はなく、それぞれ1つづつ設けるような構成であってもよいものである。
【0015】
スライドプレート21は、平板状の部材からなり、カード挿入口2の近傍で、かつ、その側縁部分がカード搬送用ベルト15と平行するように、しかも、搬送路5の直下に位置するように設けられているもので(図1及び図2参照参照)、後述するスライドプレートガイド25a,25bにより、搬送路5の長手軸方向(カード搬送用ベルト15が掛け渡されている方向)に沿って移動可能となっている。さらに、スライドプレート21には、コイル状に形成されてなる第1の戻しばね22の一端が係止され、この第1の戻しばね22の他端は、カード挿入口2側により近い筐体1の適宜な部位に係止されている。そのため、スライドプレート21は、このICカードリーダライタの動作が停止されている状態にあっては、第1の戻しばね22の戻し力を受け、所定の位置、すなわち、第1の初期位置に位置するようになっている。なお、この発明の実施の形態においては、スライドプレート21の下面(搬送路5に臨む面と反対側の面)側の適宜な部位に、第1の戻しばね22の一端が係止されたものとなっている(図2参照)。
【0016】
また、このスライドプレート21の先頭部分(カード挿入口2側と反対側の部位)には、矩形状に形成されてなるカード当接部23が搬送路5の上側に突き出るように突設されている(図2参照)。このカード当接部23は、ICカード4がICカードリーダライタ内部に挿入された際に、ICカード4の先頭部分が丁度当接されるものとなっている。
またさらに、スライドプレート21の両側部(搬送路5に沿う方向、換言すれば、カード搬送用ベルト15が掛け渡された方向に沿う側部)においては、スライドプレート21の先頭部分近傍と、後端部(カード挿入口2側の端部近傍の部分)近傍のそれぞれの側縁部において、スライドプレート突起24a〜24dが脇へ突出するように設けられている(図1及び図2参照)。
【0017】
そして、このスライドプレート突起24a〜24dは、スライドプレート21の両側部の直近に設けられたスライドプレートガイド25a,25bのプレートガイド係合部としてのプレートガイド溝26a,26bに遊嵌されるようになっている。
すなわち、スライドプレートガイド25a,25bは、スライドプレート21の両側部に近接して、筐体1の底部1aに対して垂直方向に設けられたものとなっている。なお、この発明の実施の形態においては、筐体1内の一部分に凹部1bが形成されており、この凹部1bの両側面(カード搬送用ベルト15が掛け渡された方向の面)がスライドプレートガイド25a,25bとされている(図1参照)。
また、このスライドプレートガイド25a,25bには、所定の形状のプレートガイド溝26a,26bが形成されている(図2においては、一方のプレートガイド溝26aが示されている)。すなわち、プレートガイド溝26a,26bは、カード挿入口2側からカード排出口3方向へ向かって(換言すれば、ICカード4の挿入方向へ向かって)、第1の所定の長さ水平に形成される(第1の所定区間)と共に、さらに、第1の所定区間の終点(カード排出口3側の位置)から、下方向に傾斜して直線状に形成されたものとなっている(図2参照)。
【0018】
したがって、スライドプレート21は、スライドプレート突起24a〜24dがプレートガイド溝26a,26bに遊嵌されて案内されるため、第1の初期位置からカード排出口3へ向かって、第1の所定区間の間は、水平状態に移動可能となっており、さらに、第1の所定区間以降は、カード排出口3へ向かうに従って(換言すればICカード4の挿入方向に向かうに従って)除々に、その先頭部分から下降するようになり、最終的には、カード当接部23が搬送路5の下面側に位置するまで下降可能となっている。
なお、スライドプレートガイド25a,25bは、この発明の実施の形態のように筐体1と一体に形成されても、また、別体に設けられたものでもいずれでもよく、さらに、平板状の部材を用いて筐体1の底部に対して直交するように設けてもよいものである。
【0019】
搬送路5を挟んでスライドプレート21と対向する位置には、コネクタ保持部材27が、後述するコネクタガイド33a,33bにより搬送路5に沿って移動可能なように設けられている(図1参照)。コネクタ保持部材27は、その外形平面形状(図1に示されたようにICリーダライタを上面側から見た場合に平面図として現れる形状)は、ほぼ矩形状に形成されてなるもので、その下面側、すなわち、搬送路5に臨む側には、後述するように、コネクタ保持部材27が所定の位置にある場合に、ICカード4の所定の接触部分(図示せず)と接触する複数の導電性部材からなる接点27aが設けられているものである。そして、この接点27aを介してICカード4と、図示されないICカード4との信号の授受のための回路との間で、信号の授受が可能なように構成されている(図2参照)。
【0020】
このコネクタ保持部材27のカード挿入口2側の適宜な部位には、コイル状に形成されてなる第2の戻しばね28の一端が係止されており、第2の戻しばね28の他端は、カード挿入口2により近い筐体1の適宜な部位に係止されている(図1及び図2参照)。そして、コネクタ保持部材27は、このICカードリーダライタの動作が停止されている状態にあっては、第2の戻しばね28による戻し力を受け、所定の位置、すなわち、第2の初期位置に位置するようになっている(図1及び図2参照)。
また、コネクタ保持部材27の先頭部分の適宜な部位には、スライドプレート当接部29が搬送路5側へ突設されている(図2参照)。この発明の実施の形態におけるスライドプレート当接部29は、板状の部材を矩形に形成してなり、厚み方向(図2においてカード搬送用ベルト15が掛け渡された方向)に比して、垂直方向(図2において搬送路5に対して直交する方向)に長く形成されてなるものである。そして、スライドプレート当接部29は、その垂直方向の一端において、両端がコネクタ保持部材27に係止された回動軸30により軸支されており、さらに、この回動軸30には、例えば、ねじりばね(図示せず)が挿着されて、そのばね力により、カード挿入口2方向へのみ回動可能に設けられたものとなっている(図2参照)。
しかも、スライドプレート当接部29の長手軸方向の長さは、後述するようにコネクタ保持部材27が、コネクタガイド33a,33bのコネクタガイド溝34a〜34dにおける第3の所定区間にある場合において、挿入されたICカード4の表面との間に間隙31を生じ、この間隙31を介して搬送路5と相対するように設定されたものとなっている(図5参照)。なお、図5において、「ΔL」の表記は、間隙31の距離を示し、「d」の表記は、ICカード4の厚みを示している。
【0021】
また、このスライドプレート当接部29が設けられる位置は、コネクタ保持部材27が第2の初期位置にあり、かつ、先のスライドプレート21が第1の初期位置にある状態において、搬送路5に沿った方向で、先のカード当接部23よりもカード排出口3へやや近く、しかも、先のプレートガイド溝26a,26bの第1の所定区間内に位置するように設定されている(図2参照)。そして、後述するように、スライドプレート21が挿入されたICカード4と共に移動を開始した後、スライドプレート21のカード当接部23がこのスライドプレート当接部29に当接して、コネクタ保持部材27をカード排出口3方向へ移動せしめるようになっている。
【0022】
さらにまた、コネクタ保持部材27の両側部(搬送路5に沿う方向、換言すれば、カード搬送用ベルト15が掛け渡された方向に沿う側部)においては、コネクタ保持部材27の先頭部分近傍と、後端部(カード挿入口2側の部位)近傍のそれぞれにおいて、ガイド突起32a〜32dが脇へ突出するように設けられている(図1及び図2参照)。
そして、このガイド突起32a〜32dは、コネクタ保持部材27の両側部の直近に設けられたコネクタガイド33a,33bのコネクタガイド係合部としてのコネクタガイド溝34a〜34dに遊嵌されるようになっている。
【0023】
すなわち、コネクタガイド33a,33bは、平板状部材を用いてなり、コネクタ保持部材27の両側部に近接して、図1において言えば紙面表裏方向に設けられたものとなっている。また、このコネクタガイド33a,33bには、所定の形状のコネクタガイド溝34a〜34dbが、それぞれ先のガイド突起32a〜32dに対応するように形成されている(図2においては、一方のコネクタガイド33aに形成されたコネクタガイド溝34a,34cが示されている)。
コネクタガイド溝34a〜34dは、カード挿入口2側からカード排出口3方向へ向かって(換言すればICカード4の挿入方向へ向かって)、第2の初期位置から第2の所定区間は、コネクタ保持部材27が除々に下降するように略円弧状に形成され、その後、第3の所定の長さ水平に形成されて(第3の所定区間)、コネクタ保持部材27が水平状態となるように構成されたものとなっている(図2参照)。
なお、図2においては、コネクタガイド33a,33bが中に浮いている如くに見受けられるが、コネクタ保持部材27等との位置関係等を理解し易くするためこのように表されており、この発明の実施の形態においては、次述するような構成となっている。すなわち、搬送路5の直ぐ上側には、筐体1と一体形成されてなる平板状の中板部材35が、搬送路5と平行するように設けられている(図1参照)。なお、図2においては、この中板部材35は現れていない。
【0024】
コネクタガイド33a,33bは、この中板部材35に対して垂直に、搬送路5が位置する部位と反対方向へ延びるように設けられているものである(図2参照)。そして、2つのコネクタガイド33a,33bの間に位置する中板部材35の部位は、矩形状に開口部36が穿設されており、先のコネクタ保持部材27が搬送路5に臨むことができるようになっている。また、この発明の実施の形態においては、搬送路5の長手軸方向に沿う中板部材35の長さは、筐体1のその方向での長さに比して短くなっており、第2の駆動プーリ7の手前までとなっている(図1参照)。
【0025】
したがって、コネクタ保持部材27は、ガイド突起32a〜32dがコネクタガイド溝34a〜34dに遊嵌されて、案内されるため、第2の初期位置からカード排出口3へ向かって、第2の所定区間の間は、カード排出口3へ向かうに従い下降するようになっており、さらに、この第2の所定区間に続く第3の所定区間の間、水平状態に移動可能となっている。
なお、コネクタガイド33a,33bは、この発明の実施の形態のように筐体1と一体に形成されても、また、別体に設けられたものでもいずれでもよいものである。
【0026】
なお、この発明の実施の形態における中板部材35には、カード挿入口2近傍からカード排出口3近傍へ向かって、ICカード4が通過する位置に対応する箇所に、矩形状に比較的小さく形成された第1乃至第3のカードセンサ用光透過穴37a〜37cが穿設されており、また、これら第1乃至第3のカードセンサ用光透過穴37a〜37cが配設された延長線上で、カード排出口3の近傍の適宜な位置には、第4のカードセンサ用光透過穴37dが同様に穿設されている(図1参照)。この第1乃至第4のカードセンサ用光透過穴37a〜37dを挟んで、その上下には、それぞれ例えばいわゆるフォトカプラ(図示せず)が配設されるようになっている。すなわち、フォトカプラは、発光素子と受光素子(図示せず)とから構成されてなるもので、発光素子(図示せず)からの光が第1乃至第4のカードセンサ用光透過穴37a〜37dを介してフォトカプラを構成する受光素子で受光されるように設けられており、このフォトカプラが設けられた箇所をICカード4が通過して発光素子からの光が遮断されることによる受光素子の出力信号の変化によってICカード4の通過が検出できるようにしてある。このフォトカプラによるICカード4の通過の有無は、後述するようにモータ16の駆動制御に用いられるモータ制御回路(図示せず)によってなされるようになっており、その検出結果に基づいてモータ16の駆動制御がなされるようになっている。なお、このモータ制御回路は、例えば、筐体1内に収納されるものであるが、図1及び図2においては、その図示が省略されている。
また、この構成例においては、スライドプレートガイド25a,25b及びスライドプレート突起24a〜24dによりスライドプレートガイド手段が、コネクタガイド33a,33b及びガイド突起32a,32bによりコネクタガイド手段が、それぞれ実現されたものとなっている。
【0027】
次に、上記構成における動作について、図2、図6及び図7を参照しつつ説明する。
まず、使用者がICカード4をカード挿入口2からICカードリーダライタ内へ挿入し、その挿入が第1のカードセンサ用光透過穴37aの上下(図1において紙面表裏方向)に設けられているフォトカプラ(図示せず)によって検出されると、モータ制御回路(図示せず)によって、モータ16の駆動が開始され、モータ16は、カード搬送用ベルト15の搬送路5に臨む部位が、図2で言えば、カード挿入口2側からカード排出口3側へ送られる方向(換言すれば、図2において、第1の駆動軸10が時計回り方向へ回動されるような方向)に回転するよう駆動されることとなる(以後、このモータ16の回転状態を「正転状態」と言う)。このモータ16が正転状態とされることにより、第1の駆動軸10は、時計回り方向に回転し始め、同時にカード搬送用ベルト15の搬送路5に臨む部位がカード挿入口2側からカード排出口3方向へ移動し始めることとなる。
【0028】
そして、使用者がICカード4をさらに挿入し、ICカード4のカード搬送用ベルト15側の側部を、第1の駆動プーリ6及びカード搬送用ベルト15と、第1の従動ローラ8との間にくわえさせるようにすると、ICカード4は、搬送力を受けて、カード排出口3方向へ移動し始め、ICカード4の先頭部分は、カード当接部23に当接することとなり、その当接後、ICカード4と共にスライドプレート21がカード排出口3方向へ移動されることとなる。
すなわち、スライドプレート21には、プレートガイド溝26a,26bに遊嵌されたスライドプレート突起24a〜24dが設けられているため、スライドプレート21は、ICカード4の移動と共に、プレートガイド溝26a,26bの案内によって移動することとなる。そして、プレートガイド溝26a,26bは、カード当接部23がコネクタ保持部材27のスライドプレート当接部29に当接し、さらに若干の距離移動した箇所までは、水平に形成されているため(図6(A)参照)、この時点では、スライドプレート21は、ICカード4と共に水平に移動することとなる。
【0029】
スライドプレート21がさらに移動すると、カード当接部23がスライドプレート当接部29に当接し、スライドプレート21の移動がコネクタ保持部材27に伝達されることとなる。そして、コネクタ保持部材27には、コネクタガイド溝34a〜34dに遊嵌されたガイド突起32a〜32dが設けられているため、スライドプレート21の移動と共に、第2の戻しばね28による戻し力に抗して、コネクタ保持部材27は、コネクタガイド溝34a〜34dの案内に沿って移動を開始することとなる(図6(B)参照)。
コネクタガイド溝34a〜34dは、コネクタ保持部材27が第2の初期位置にある箇所からカード挿入方向へ向かって若干の間(第2の所定区間)、下に凸となるような円弧状に形成されており、その第2の所定区間に続く所定長の第3の所定区間、コネクタガイド溝34a〜34dは、水平に形成されたものとなっているため、まず、最初の円弧状の部分により、移動と共に、除々に搬送路5側へ下降してゆき、第3の所定区間に入ったところで、下降は停止することとなる。このコネクタ保持部材27の下降が停止した位置において、コネクタ保持部材27に設けられた複数の接点27aが、ICカード4に形成された接点27aとの接触部分(図示せず)に接触するようになっている。
【0030】
このICカード4の移動と共に、スライドプレート21及びコネクタ保持部材27がカード排出口3方向へ共に水平に移動されて、スライドプレート21の先頭部分がプレートガイド溝26a,26bの第1の所定区間から、これに続く下降部分(カード排出口3へ向かうに従いスライドプレート21が下降するように斜め直線状に形成された部分)に入る手前の適宜な位置に設けられた第3のカードセンサ用光透過穴37cの上下(図1において紙面表裏方向)に設けられているフォトカプラ(図示せず)によって、ICカード4の通過が検出されると、モータ制御回路(図示せず)によって、モータ16の駆動が一旦停止されることとなる。
モータ16の駆動が停止されると、外部に設けられた図示されないICカード読み取り制御回路によって、接点27aを介してICカード4との通信処理が開始され、相互に種々のデータの授受がなされると共に、ICカード4がいわゆる不正使用のものであるか否かの判定が行われる。
【0031】
不正使用か否かの判定により、不正使用であると判定された場合には、ICカード読み取り制御回路(図示せず)からの制御信号によって、モータ制御回路(図示せず)がモータ16を正転状態とすることとなる。
これによって、ICカード4は、カード搬送用ベルト15によりカード排出口3方向へ搬送力を受けるため、ICカード4と共に、スライドプレート21及びコネクタ保持部材27が再びカード排出口3方向へ移動することとなる。
スライドプレート21は、その先頭部分のスライドプレート突起24a,24bが、この再度の移動開始によって第1の所定区間から、その後に続くプレートガイド溝26a,26bの斜め直線部分に入ることとなる。そのため、スライドプレート21は、ICカード4の移動に伴い先頭部分が搬送路5から離反して下方向へ除々に下降してゆくこととなる(図7(A)参照)。
このスライドプレート21の下降により、カード当接部23は、スライドプレート当接部29との当接部分が除々に小さくなるようにしてスライドプレート当接部29から除々に離間してゆくこととなる。
【0032】
そして、コネクタ保持部材27の先頭側(カード排出口3側)のガイド突起32a,32bが第3の所定区間の終点(カード排出口3に近い部位)の直前付近で、カード当接部23がスライドプレート当接部29から完全に離間した状態となるようになっている。スライドプレート当接部29がカード当接部23から完全に離間すると、コネクタ保持部材27には、第2の戻しばね28による戻し力に抗する力がなくなるため、コネクタ保持部材27は、第2の戻しばね28による戻し力によりカード挿入口2側へ引き戻されて、第2の初期位置に戻ることとなる。ここで、コネクタ保持部材27のスライドプレート当接部29の端部は、カード当接部23と離間して第2の初期位置へ戻る際、ICカード4の表面を擦ることがないように、ICカード4の表面との間に微少な間隙31が生ずるように、その長さが設定されているため(図5参照)、ICカード4の表面がスライドプレート当接部29の端部によって傷つけられることがない。
【0033】
一方、ICカード4とスライドプレート21は、さらにカード排出口3方向へ移動されることとなるが、スライドプレート21は、プレートガイド溝26a,26bの斜め直線部分の案内により、その先頭部分がさらに下降してゆき、カード当接部23が搬送路5の下面側に位置することとなる(図7(A)参照)。
そして、カード当接部23が搬送路5の下面側へ位置することで、ICカード4を介してのカード搬送用ベルト15による搬送力は、スライドプレート21へ伝達されなくなり、スライドプレート21の移動が停止する一方、ICカード4は、依然としてカード排出口3方向へ搬送されることとなる。なお、スライドプレート21は、ICカード4が上面側に位置するために、この時点では、未だ、第1の戻しばね22による戻し力により第1の初期位置へ戻ることはできない状態である。
【0034】
ICカード4の搬送が進み、後端部分(カード挿入口2側の端部)が第1の駆動プーリ6及びカード搬送用ベルト15と第1の従動ローラ8との間から抜け出たところで、丁度、ICカード4の先頭部分が、第2の駆動プーリ7及びカード搬送用ベルト15と第2の従動ローラ9との間に挟まれるようになっており(図7(A)参照)、ICカード4は、それによってさらに搬送され、ついには、カード排出口3からICカードリーダの外部(ICカードリーダが組み込まれる装置内)へ排出されることとなる(図7(B)参照)。
【0035】
この場合、モータ16は、第4のカードセンサ用光透過穴37dの上下(図1において紙面表裏方向)に設けられているフォトカプラ(図示せず)によって、ICカード4の後端部の通過が検出されると、モータ制御回路(図示せず)によって、その駆動が停止されることとなる。
そして、ICカード4の排出がなされると、スライドプレート21の第1の初期位置への戻りの障害となるICカード4が無くなるため、スライドプレート21は、第1の戻しばね22により第1の初期位置へ戻ることとなる(図7(B)参照)。ここで、スライドプレート21が第1の初期位置へ戻る途中、カード当接部23がスライドプレート当接部29に当接するが、スライドプレート当接部29は、先に説明したように、カード挿入口2方向への回動が可能となっているため、カード当接部23がスライドプレート当接部29に当接しても、スライドプレート当接部29は、カード挿入口2方向へ回動し、スライドプレート21は、スライドプレート当接部29によりその移動が阻止されることなく第1の初期位置に戻ることとなる(図7(B)参照)。そして、スライドプレート当接部29は、カード当接部23が通過した後、図示されないねじりばねの作用によって、元の位置に復帰することとなる。
【0036】
なお、ICカード4をカード排出口3へ送る場合、上述の例では、第4のカードセンサ用光透過穴37dの上下(図1において紙面表裏方向)に設けられているフォトカプラ(図示せず)によって、ICカード4の後端部(カード挿入口2側の端部)の通過が検出されることで、モータ16の駆動を停止するようにしたが、必ずしもこのような構成である必要はない。例えば、ICカード4が第2の駆動プーリ7及びカード搬送用ベルト15と第2の従動ローラ9との間を通過するに十分な時間、モータ16を正転方向へ駆動するようないわば時間制御を行うようにしてもよい。
【0037】
一方、先に述べた第3のカードセンサ用光透過穴37cの上下(図1において紙面表裏方向)に設けられているフォトカプラ(図示せず)によりICカード4の搬送が一旦停止され、ICカード4との通信が行われ、ICカード4がいわゆる不正使用のものではないと判定された場合には、必要な通信がなされた後は、次述するようにして、ICカード4は、再びカード挿入口2から使用者へ戻されることとなる。
【0038】
まず、ICカード4がICカード読み取り制御回路(図示せず)により不正使用のものでないと判定され、必要なICカード4との通信が終了すると、ICカード読み取り制御回路からモータ制御回路(図示せず)へ対してモータ駆動開始のための所定の信号が出力されるようになっている。そして、モータ16は、モータ制御回路により、ICカード4がカード挿入口2方向へ搬送される方向に駆動(逆転状態)されることとなる。すなわち、カード搬送用ベルト15の搬送路5に臨む部位が、図2で言えば、カード挿入口2方向へ送られるようモータ16が駆動され、ICカード4は、これによりカード挿入口2へ戻されることとなる。そして、第2のカードセンサ用光透過穴37bの上下(図1において紙面表裏方向)に設けられているフォトカプラ(図示せず)によって、ICカード4の先端部(カード排出口3側の端部)の通過が検出されると、モータ制御回路(図示せず)によって、その駆動が停止されることとなる。
【0039】
ここで、ICカード4がカード挿入口2まで搬送されても、ICカード4のカード搬送用ベルト15側の側部の一部が、第1の駆動プーリ6及びカード搬送用ベルト15と、第1の従動ローラ8との間に挟まれた状態であるため、ICカード4は、外へ飛び出すことはない。
使用者は、モータ16が停止した後、カード挿入口2から外部へ一部露出されているICカード4を掴んで引き抜くことができる。これは、既に述べたように、第1の駆動軸10の一部の部位が、ウォーム形成用円柱部材18に形成された遊嵌穴18aに遊嵌されて、周方向で所定の範囲の回動が可能となっており、ICカード4のカード搬送用ベルト15側の側部の一部が、第1の駆動プーリ6及びカード搬送用ベルト15と、第1の従動ローラ8との間に挟まれた状態であって、第1の駆動プーリ6が第1の駆動軸10と共に回動でき、それによって、カード搬送用ベルト15も移動できるようになっているためである。
【0040】
なお、ICカード4をカード挿入口2へ戻す場合、上述の例では、第2のカードセンサ用光透過穴37bの上下(図1において紙面表裏方向)に設けられているフォトカプラ(図示せず)によって、ICカード4の先端部(カード排出口3側の端部)の通過が検出されることで、モータ16の駆動を制御するようにしたが、必ずしもこのような構成である必要はない。例えば、ICカード4が不正使用のものではないと判定され、ICカード4との必要な通信が終了したと判定された時点から、モータ16を所定時間だけ、逆転方向へ駆動するようないわば時間制御を行うようにしてもよい。すなわち、ここで、所定時間は、ICカード4がカード挿入口2へ戻されるに適した時間であり、モータ16の回転速度を考慮して、シュミレーションや実験等によって予め定められるものである。なお、この場合、ICカード4の飛び出しを防止するために、カード排出口3の付近に、例えば、ICカード4の表面側から裏面側へ、又はICカード4の一方の側面側から他方側へICカード4を押しつけるような板ばね等の部材を設けるようにすると好適である。
【0041】
また、上述の例においては、ICカード4を搬送するために、第1及び第2の駆動プーリ6,7、第1及び第2の従動ローラ8,9、カード搬送用ベルト15を用いたが、必ずしもこのようなものである必要はない。例えば、第1及び第2の駆動プーリ6,7の代わりに、ゴム等の比較的弾力性のある部材からなるローラ(図示せず)を、それぞれ第1の駆動ローラ、第2の駆動ローラとして用い、さらに、図1及び図2に二点鎖線で示されたように第1及び第2の駆動軸10,11の一端を筐体1の外側へ延設し、その端部に、それぞれプーリ38a,38bを取着すると共に、このプーリ38a,38bに駆動用ベルト39を掛け渡すような構成としてもよい。
そして、この場合、第1の駆動ローラ及び第1の従動ローラ8と、第2の駆動ローラ及び第2の従動ローラ9との間隔は、第1の駆動ローラ及び第1の従動ローラ8との間を、ICカード4の後端部が通過する際、ICカード4の先頭部分が、第2の駆動ローラ及び第2の従動ローラ9とに挟まれるように設定すると好適である。
【0042】
【発明の効果】
以上、述べたように、本発明によれば、ICカードリーダライタ内で、ICカードの裏面側が位置する部位を移動可能として、しかも、必要に応じて、搬送路の下面側に下降できるように構成したので、ICカードの裏面側に傷を付けることがなく、しかも、ICカードの回収が必要な場合には、カード排出口へICカードを搬送することができ、ICカードを確実に回収することができるという効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態におけるICカードリーダライタの平面図である。
【図2】本発明の実施の形態におけるICカードリーダライタの縦断面図である
【図3】第1の駆動軸へのウォームの取り付け状態を示す分解斜視図である。
【図4】第1の駆動軸の回動の様子を説明する説明図である。
【図5】スライドプレート当接部とICカードとの間隙の状態示す説明図である。
【図6】ICカードの搬送状態を説明する模式図であって、図6(A)は、ICカード挿入時における状態を示す模式図、図6(B)は、通信状態の位置を示す模式図である。
【図7】ICカードの搬送状態を説明する模式図であって、図7(A)は、ICカードがカード排出口から回収される場合を示す模式図、図7(B)は、ICカードがカード排出口から排出された際の状態を示す模式図である。
【符号の説明】
2…カード挿入口
3…カード排出口
5…搬送路
21…スライドプレート
23…カード当接部
25a,25b…スライドプレートガイド
26a,26b…プレートガイド溝
27…コネクタ保持部材
27a…接点
29…スライドプレート当接部
33a,33b…コネクタガイド
34a〜34d…コネクタガイド溝
Claims (6)
- ICカードを搬送する搬送手段を有し、前記ICカードが搬送路内を前記搬送手段によって搬送されるよう構成されてなるICカードリーダライタであって、
前記ICカードが載置され、当該ICカードと共に移動するよう構成されてなるスライドプレートと、
前記ICカードとの信号の授受のための接点を有し、前記スライドプレートの所定区間の移動と共に移動するよう構成されてなるコネクタ保持部材とが、前記搬送路を挟んで相対するように設けられ、
前記スライドプレートの近傍には、前記スライドプレートの移動を案内するスライドプレートガイド手段が、
前記コネクタ保持部材の近傍には、前記コネクタ保持部材の移動を案内するコネクタガイド手段が、それぞれ設けられ、
前記スライドプレートは、前記ICカードの挿入口方向に、第1の戻しばねにより常時戻し力を受け、前記ICカードの挿入前の初期状態においては、第1の初期位置に引き戻される一方、前記ICカードの先頭部分が当接されるカード当接部が設けられ、
前記コネクタ保持部材は、前記ICカードの挿入口方向に、第2の戻しばねにより常時戻し力を受け、前記ICカードの挿入前の初期状態においては、第2の初期位置に引き戻される一方、前記カード当接部が当接するスライドプレート当接部が設けられ、
前記スライドプレートガイド手段は、前記スライドプレートを、その第1の初期位置から前記ICカードの挿入方向に向かって第1の所定区間の間、水平状態に維持する一方、前記第1の所定区間以降は、前記ICカードの挿入方向に向かうに従い下降せしめ、
前記コネクタガイド手段は、前記コネクタ保持部材を、その第2の初期位置から前記ICカードの挿入方向に向かって第2の所定区間の間、前記ICカードの挿入方向に向かうに従い下降せしめ、前記第2の所定区間に続く第3の所定区間の間、水平状態に維持せしめ、
前記スライドプレート当接部は、前記カード当接部に前記ICカードの先頭部分が当接され、前記搬送手段により前記ICカードが前記スライドプレートと共に前記ICカードの挿入方向へ搬送開始された後、前記第1の所定区間の適宜な位置で、前記カード当接部と当接するような位置に設けられると共に、前記ICカードの挿入方向と逆方向に回動可能に構成されてなり、
前記スライドプレートが前記ICカードの搬送に伴い前記ICカードの挿入方向へ進み、前記第1の所定区間を越えると、前記カード当接部と前記スライドプレート当接部とは、前記スライドプレートの下降開始と共に相互の当接部分が減少するようにして除々に離間してゆき、前記カード当接部が前記スライドプレート当接部から完全に離間した際、前記コネクタ保持部材は前記第2の初期位置へ引き戻され、
前記ICカードの挿入方向への搬送の継続による前記スライドプレートのさらなる下降により前記カード当接部が前記搬送路の下側に位置し、前記ICカードが所定の位置から排出された後に、前記スライドプレートは、前記第1の初期位置へ引き戻されるよう構成されてなることを特徴とするICカードリーダライタ。 - ICカードを搬送する搬送手段を有し、前記ICカードが搬送路内を前記搬送手段によって搬送されるよう構成されてなるICカードリーダライタであって、
前記ICカードが載置され、当該ICカードと共に移動するよう構成されてなるスライドプレートと、
前記ICカードとの信号の授受のための接点を有し、前記スライドプレートの所定区間の移動と共に移動するよう構成されてなるコネクタ保持部材とが、前記搬送路を挟んで相対するように設けられ、
前記スライドプレートの側部には、前記搬送路の長手軸方向に沿って、当該スライドプレートの移動を案内するスライドプレートガイドが設けられ、
前記コネクタ保持部材の側部には、前記搬送路の長手軸方向に沿って、当該コネクタ保持部材の移動を案内するコネクタガイドが設けられ、
前記スライドプレートは、前記ICカードの挿入口方向に、第1の戻しばねにより常時戻し力を受け、前記ICカードの挿入前の初期状態においては、第1の初期位置に引き戻される一方、前記ICカードの先頭部分が当接されるカード当接部が設けられると共に、側縁部分には、前記スライドプレートガイドの方向へ突出形成されたスライドプレート突起が設けられ、
前記コネクタ保持部材は、前記ICカードの挿入口方向に、第2の戻しばねにより常時戻し力を受け、前記ICカードの挿入前の初期状態においては、第2の初期位置に引き戻される一方、前記カード当接部が当接するスライドプレート当接部が設けられると共に、側縁部分には、前記コネクタガイドの方向へ突出形成されたガイド突起が設けられ、
前記スライドプレートガイドには、前記スライドプレート突起が係合されるプレートガイド係合部が設けられ、当該プレートガイド係合部は、前記スライドプレートを、その第1の初期位置から前記ICカードの挿入方向に向かって第1の所定区間の間、水平状態に維持する一方、前記第1の所定区間以降は、前記ICカードの挿入方向に向かうに従い下降せしめるように形成されてなり、
前記コネクタガイドには、前記ガイド突起が係合されるコネクタガイド係合部が設けられ、当該コネクタガイド係合部は、前記コネクタ保持部材を、その第2の初期位置から前記ICカードの挿入方向に向かって第2の所定区間の間、前記ICカードの挿入方向に向かうに従い下降せしめ、前記第2の所定区間に続く第3の所定区間の間、水平状態に維持せしめるよう形成されてなり、
前記スライドプレート当接部は、前記カード当接部に前記ICカードの先頭部分が当接され、前記搬送手段により前記ICカードが前記スライドプレートと共に前記ICカードの挿入方向へ搬送開始された後、前記第1の所定区間の適宜な位置で、前記カード当接部と当接するような位置に設けられると共に、前記ICカードの挿入方向と逆方向に回動可能に構成されてなり、
前記スライドプレートが前記ICカードの搬送に伴い前記ICカードの挿入方向へ進み、前記第1の所定区間を越えると、前記カード当接部と前記スライドプレート当接部とは、前記スライドプレートの下降開始と共に相互の当接部分が減少するようにして除々に離間してゆき、前記カード当接部が前記スライドプレート当接部から完全に離間した際、前記コネクタ保持部材は前記第2の初期位置へ引き戻され、
前記ICカードの挿入方向への搬送の継続による前記スライドプレートのさらなる下降により前記カード当接部が前記搬送路の下側に位置し、前記ICカードが所定の位置から排出された後に、前記スライドプレートは、前記第1の初期位置へ引き戻されるよう構成されてなることを特徴とするICカードリーダライタ。 - コネクタ保持部材が第3の所定区間内に位置する場合、接点はICカードに接触可能に位置すると共に、スライドプレート当接部の端部は、搬送路と所定間隙を介して相対するよう設けられてなることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のICカードリーダライタ。
- 搬送手段は、ICカードの挿入位置近傍において、搬送路を挟んで第1の駆動プーリと第1の従動ローラとがそれぞれ軸支されて設けられ、前記ICカードの排出位置近傍において、前記搬送路を挟んで第2の駆動プーリと第2の従動ローラとがそれぞれ軸支されて設けられ、
前記第1の駆動プーリと第2の駆動プーリには、カード搬送用ベルトが掛け渡され、
前記第1の駆動プーリがモータにより回動可能に設けられてなることを特徴とする請求項1、請求項2又は請求項3記載のICカードリーダライタ。 - 第1の駆動プーリの中心には駆動軸が取着され、当該第1の駆動プーリと反対側の前記駆動軸の端部において、ウォームギアを介してモータの回動が伝達されるよう構成されてなることを特徴とする請求項4記載のICカードリーダライタ。
- ウォームギアを構成するウォームは、駆動軸より大径のウォーム形成用円柱部材の外周面に形成されてなり、当該ウォーム形成用円柱部材のの軸方向の中心には前記駆動軸が遊嵌される遊嵌穴が形成されて、前記駆動軸が遊嵌され、
前記ウォーム形成用円柱部材には、その周方向で所定の間隔を隔てて少なくとも1つのウォーム側係止突起が前記駆動軸の軸方向に突設され、
前記駆動軸の外周面には、その周方向で所定の間隔を隔てて少なくとも1つの駆動軸側係止突起が、前記駆動軸の端部が前記遊嵌穴に遊嵌せしめられた状態において、前記ウォーム側係止突起が突設された前記ウォーム形成用円柱部材の端面の近傍に位置するように前記駆動軸の軸方向の適宜な位置に突設されてなり、前記駆動軸が所定角度の範囲で回動自在に構成されてなることを特徴とする請求項5記載のICカードリーダライタ。
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