JP3797708B2 - 細胞壁溶解酵素、その製法及び用途 - Google Patents

細胞壁溶解酵素、その製法及び用途 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、オーレオバシディウム プルランス(Aureobasidium pullulans)の細胞壁の溶解活性 (以下、細胞壁溶解を溶菌ということもある) を示す、新規な微生物及びその産生する細胞壁溶解酵素、その製造法及びその微生物及び酵素の用途に関する。
【0002】
【従来の技術】
細胞壁溶解酵素は、微生物細胞壁の構造の生理機能の解析、細胞融合などによる優良株の育種などの研究に必要なプロトプラストの調製等に用いられる酵素である。またこの酵素は、実用面においては食品、医薬品における殺菌、あるいは微生物細胞内に存在する有効成分の抽出などの幅広い範囲での応用が考えられる。
一方、オーレオバシディウム プルランス(Aureobasidium pullulans)は我々の住環境でよく見られる黒色の菌であり、若いうちは乳白色であるが、次第に黒色となり毛ばってくる、いわゆるカビと酵母の中間に位置するものと考えられている。
【0003】
モルタル、コンクリート、タイルの目地、シャワーカーテン、ビニールクロス、冷蔵庫のパッキンなどが黒く汚れるのはこの菌のためであるといわれている。またプラスチックなども変質劣化させることから、合成高分子材料の成形品、組立品チューブ、シートフィルム製品のカビに対する抵抗性試験の試験菌に制定されている。更にエチルアルコールを好んで生育することから醤油、味噌、清酒などの醸造工場で良く生育する性質があり、この菌が、大気中に蔓延し周辺の住宅の瓦や軒あるいはブロック塀や庭木等が黒く汚れることもある。この菌に汚染された壁、瓦、軒の洗浄には一般に次亜塩素酸ナトリウムなどの化学薬剤による洗浄、除菌が行われているが、特に次亜塩素酸ナトリウムは特異な塩素臭を発生するだけでなく、目や口腔部等の粘膜や皮膚を強く刺激する。食品加工工場や醸造工場等においては、作業環境の観点から高濃度の次亜塩素酸ナトリウムを含有する除黴剤の使用を余儀なくされている。又近年、住居の密閉性が向上するに従い、換気不十分な場所、特にマンションの壁面等での結露により黴の発生が問題視されている。汚染菌としてはアスペルギルス属(Aspergillus sp.)、クラドスポリウム属(Cladosporium sp.)、フォーマ属(Phoma sp.)などの黴が知られているが、この事は単に美観を損なうだけでなく、住居構造体、家具等の劣化を伴い、健康面での人体の影響も問題視されている。居間以上に湿気の滞留する場所である浴室などでは、上述の次亜塩素酸ナトリウム及び界面活性剤を主成分とする除黴剤(黴取り剤)が効果的で、比較的安価に市販されている。しかしながら、水で洗い流せず、又生活時間の長い居住区内でのこのような薬剤の使用は、健康面を配慮すると制限される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは、このような事情に鑑み、新規で有用な細胞壁溶解酵素を得るべく検討したところストレプトマイセス属(Streptomyces sp.) に属する放線菌、特に本発明者等の見出したストレプトマイセス(Streptomyces) sp TM 502株が高い細胞壁溶解活性をもつ酵素を産生することを見出した。
また、この細胞壁溶解酵素がオーレオバシディウム プルランス(Aureobasidium pullulans)の細胞壁に速早く作用し、この菌を効率よく除去しうることを見出し、これを除黴剤として使用したところきわめて優れた除黴効果があることを見出した。
本発明は、これらの知見に基づいてなされたものである。
【0005】
従って、本発明は、新規で活性の優れた細胞壁溶解酵素及びその製造法を提供することを課題とする。
また、本発明は、このような活性の優れた細胞壁溶解酵素を産生することのできる微生物を提供することを課題とする。
さらに、本発明は、このような細胞壁溶解酵素を有効成分とする除黴剤及びその使用方法を提供することを課題とする。
【0006】
特に本発明者らは、より安全に且つ環境汚染の伴わない、又人体に対して安全性の極めて高いオーレオバシディウム プルランス(Aureobasidium pullulans)の洗浄、除菌方法の確立を目的として、鋭意研究を重ねた結果、微生物の生産するオーレオバシディウム プルランス(Aureobasidium pullulans)細胞壁溶解酵素を用いることにより、高い洗浄、除菌効果が認められた。この細胞壁溶解酵素は、住居内に発生する黴にも除黴効果が認められた。又該オーレオバシディウム プルランス(Aureobasidium pullulans)細胞壁溶解酵素含有液に天然ゴム等の粘着性物質を添加することによりその除黴作用が増大することを見出し本発明を完成するに至った。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであって、ストレプトマイセス属(Streptomyces sp.)の放線菌から産生され、オーレオバシディウム プルランス(Aureobasidium pullulans)の細胞壁を溶解することのできる細胞壁溶解酵素に関する。
本発明の細胞壁溶解酵素は、ストレプトマイセス属(Streptomyces sp.)に属し、オーレオバシディウム プルランス(Aureobasidium pullulans)の細胞壁溶解能のある放線菌を培地に好気的に培養し、培養上澄液に硫酸アンモニウムを約80%飽和になるように加えて沈澱せしめ、この沈澱から硫酸アンモニウムを除くことによって得ることができる。
【0008】
この酵素は、次のような酵素化学的性質をもつ。
1) 次の酵素活性を示す:
プロテアーゼ活性、β-1, 3-グルカナーゼ活性、キチナーゼ活性、アミラーゼ活性、β-N- アセチルグルコサミニダーゼ活性、セルラーゼ活性。
2) 至適 pH: pH5〜6
3) 安定 pH: pH4〜9
4) 至適温度: 50℃
5) 安定温度: 45℃まで安定。70℃、10分間の加熱で完全に失活する。
6) 阻害剤: 1 mMの硫酸第一鉄、塩化水銀、塩化第二鉄により活性が阻害される。
7) 還元剤: 1 mMの2-メルカプトエタノール (還元剤) に対し安定である。
8) 糸状菌体及び酵母菌体を溶解する。
本発明における酵素は、純粋な酵素ばかりではなく粗酵素をも含むものである。
【0009】
また、本発明は、ストレプトマイセス属(Streptomyces sp.)に属し、オーレオバシディウム プルランス(Aureobasidium pullulans)の細胞壁溶解能のある細胞壁溶解酵素を産生することのできる放線菌を培地中で好気的に培養して細胞壁溶解酵素を産生せしめ、培養液からこの細胞壁溶解酵素を回収することよりなる細胞壁溶解酵素の製造法に関する。
本発明において、前記放線菌培養のさい、オーレオバシディウム プルランス(Aureobasidium pullulans)の菌体を誘導基質として培地に添加することが好ましい。
【0010】
さらに、本発明はオーレオバシディウム プルランス(Aureobasidium pullulans)の細胞壁溶解能のある細胞壁溶解酵素を産生することのできるストレプトマイセス属(Streptomyces sp.) に属する放線菌に関する。このような放線菌には、本発明者らによって鳥取県鳥取市の土壌から見出された、ストレプトマイセス(Streptomyces) sp TM 502株(FERM P-15627)またはその変異株がある。従って、本発明は、ストレプトマイセス(Streptomyces) sp TM 502 株(FERMP-15627)またはその変異株に関する。
本発明における変異株には物理化学的に変異誘発された菌株や遺伝子組換えにより育種された菌株が包含される。
【0011】
さらに本発明は、上記の放線菌または細胞壁溶解酵素を有効成分とする除黴剤及びそれを用いる除黴方法に関する。
本発明の除黴剤には、粘着性物質を併用して配合し、その除黴効果を高めてもよい。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明のストレプトマイセス属(Streptomyces sp.)に属し、オーレオバシディウム プルランス(Aureobasidium pullulans)の細胞壁を溶解することのできる細胞壁溶解酵素を産生する放線菌、特にストレプトマイセス(Streptomyces) sp TM 502 株は、本発明者らによって、鳥取県鳥取市の土壌からオーレオバシディウム プルランス(Aureobasidium pullulans)菌体を唯一の栄養源とした平板寒天培地で強い溶菌ハローを形成する菌として分離された。このストレプトマイセス(Streptomyces)sp TM 502株は、平成8年5月16日に工業技術院生命工学技術研究所に、受託番号 FERM P-15627 として寄託されている (以下、本菌を TM 502 株という) 。
【0013】
次に TM502株の性質を述べる。
(a) 形 態
胞子形成菌糸の分枝法は単純分枝であるが、疑似輪生糸を形成する。
形態はかぎ状〜環状〜不完全な螺旋状である。
胞子は10個以上螺旋状に連鎖し、表面は平滑で楕円状、大きさは 1.1〜1.3 × 1.1〜2.2 μm 程度。鞭毛胞子胞子嚢、菌核、分生子殻、不定型の粘塊は形成しない。基生菌糸は分裂しない。
【0014】
(b) 各培地における生育状態は表1に示されるとおりである。
【0015】
【表1】
Figure 0003797708
【0016】
(c) 生理的性質
生育温度範囲 15〜37℃
ゼラチン液化性 +
スターチの加水分解 +
脱脂牛乳の凝固 −
脱脂牛乳のペプトン化 +
メラニン様色素の生成 −
(+は前記生理活性を有することを、−は有さないことをそれぞれ示す。)
【0017】
(d) 各炭素源の資化性
L−アラビノース ++
D−キシロース ++
D−グルコース ++
D−フラクトース +
シュークロース ±
イノシトール ±
L−ラムノース ±
ラフィノース ±
D−マンニット ++
(++は資化性が非常に高いことを、+は資化性を有することを、±はどちらともいえないことをそれぞれ示す。)
【0018】
(e) 細胞壁
Hasegawaらの開発した簡易法(J. Gen. Appl. Microbiol., 29, 319 (1983))により全菌体のジアミノピメリン酸の有無とその異性体、糖組成の測定を行ったところ、細胞壁タイプI、全菌体糖タイプは特徴なしであった。
【0019】
(a)〜(e) の結果から本発明の微生物はバージェイズ.マニュアル.オブ.システマティック.バクテリオロジー第4版によってストレプトマイセス属(Streptomyces sp.)に属する株と同定された。本菌株は、ストレプトマイセス(Streptomyces) sp TM502 株と命名され、FERM P-15627として工業技術院生命工学工業技術研究所に寄託されている。
【0020】
本発明の細胞壁溶解酵素は、前記放線菌、特に TM502株から次のようにして得ることができる。
まず、TM502 株を酵素生産用培地(例えば、オーレオバシディウム プルランス(Aureobasidium pullulans)菌体0.5 %、酵母エキス 0.5%、リン酸1カリウム 0.1%、硫酸マグネシウム0.05%からなる pH7.1の液体培地) を用い、振とう培養又は通気攪拌培養等の好気培養を行なう。ここでオーレオバシディウム プルランス(Aureobasidium pullulans)菌体は誘導基質として用いられ、この菌体は、生菌体もしくは死菌体であってもよい。またオーレオバシディウム プルランス(Aureobasidium pullulans)以外のカビ、酵母菌体を培地に添加しても活性が得られる。なおTM 502株はかかる誘導基質を培地に添加しなくても細胞壁溶解酵素を培地に分泌しうるが、誘導基質を添加した培地での培養が酵素活性の上昇の点から好ましく、オーレオバシディウム プルランス(Aureobasidium pullulans)菌体が誘導基質として特に好ましい。また例えば、細胞壁溶解酵素の分泌生産を増大させるように、TM 502株に変異処理又は遺伝子組換えを施してもよい。
【0021】
上記のごとくし得られた培養液から、遠心分離又は濾過等公知の方法により上清を分離しこの上清を、排除分子量5000又は 10000の濾過膜を用いた限外濾過膜又は硫安により濃縮し、或いは濃縮せずに、凍結乾燥等の公知の乾燥方法を用いて乾燥粉末とし、酵素標品とすることができる。また乾燥前に濃縮液を透析してもよい。このようにして得られた酵素標品は、乾燥粉末状態であれば低温で長期保存に耐える。また、乾燥粉末としなくても酵素の使用には何ら支障をきたさない。よって、本発明の細胞壁溶解酵素は、乾燥粉末又は濃縮液のいずれの形態であってもよい。また、本発明では、このようにして得られる酵素を酵素精製に用いられる通常の手段でさらに精製してもよい。
【0022】
本発明の細胞壁溶解酵素の製造法をさらに具体的に述べると次のとおりである。
本発明の細胞壁溶解酵素の製造方法においては、通常表2 に示した培地に最初オーレオバシディウム プルランス(Aureobasidium pullulans)を植菌し30℃で96時間培養する。ついで予め24時間前培養したストレプトマイセス(Streptomyces) sp TM502株を先のオーレオバシディウム プルランス(Aureobasidium pullulans)を生育させた培地に接種し培養温度は20〜37℃、好ましくは25〜30℃、培養時間は48〜168 時間、好ましくは96〜120 時間培養を行う。培養液は遠心分離、濾過などにより除菌した後、限外濾過或いは透析により脱塩処理を行い凍結乾燥して酵素粉末を得る。また、凍結乾燥に代えて噴霧乾燥等をその活性が損なわれない限り用いることができる。この状態では粗酵素であるので、さらに塩析、イオン交換体などで適宜精製して用いることも可能である。
このようにして得られた細胞壁溶解酵素の酵素化学的性質は前記したとおりである。
【0023】
【表2】
Figure 0003797708
【0024】
溶菌酵素活性の測定は、次の方法により行った。
予め表2の組成の培地で30℃、14日間静置培養したオーレオバシディウム プルランス(Aureobasidium pullulans)菌体を遠心分離により集菌し10000rpm、5分間ホモゲナイズし、遠心、生理食塩水で洗浄した菌体を酵素測定用基質とした。上記の方法で調製した菌体を20mM酢酸緩衝液 (pH 5.5) 1.0ml に懸濁させ、この基質細胞懸濁液に粗酵素液 0.5ml、20mM酢酸緩衝液 (pH 5.5) 1.5ml を加え37℃で反応させ、濁度の減少を 610nmで測定した。初発 (対照) の 610nmにおける吸光度は 1.0から 1.1とした。被試験菌懸濁液の初発濁度を30分間で1%減少させる活性を1単位とした。
【0025】
本発明の細胞壁溶解酵素は、プロテアーゼ活性、β-1, 3 グルカナーゼ活性、キチナーゼ活性、セルラーゼ活性、アミラーゼ活性、β-N- アセチルグルコサミニダーゼ活性を含有しているため、オーレオバシディウム プルランス(Aureobasidium pullulans)のみならず、カビ、酵母等の細胞壁に対して顕著な溶解作用を示す。従って、本発明の細胞壁溶解酵素は、オーレオバシディウム プルランス(Aureobasidium pullulans)細胞壁を溶解して除菌することのみならず、各種カビ、酵母のプロトプラストの調製にも使用することが出来産業上ならびに研究上の利用性が極めて高い。
【0026】
また、本発明においてこのような微生物あるいは微生物の産生する酵素を除黴剤の有効成分として使用する場合は、この微生物または酵素の濃度は通常 0.1から10%、好ましくは 0.5から2%である。このような微生物またはオーレオバシディウム プルランス(Aureobasidium pullulans)細胞壁溶解酵素に粘着性物質を併用して配合してもよい。この酵素に併用される粘着性物質には、食品の増粘剤として用いられているキサンタンガム、アラビアゴム、グアーガムなどがある。粘着性物質の添加濃度は0.05%〜2%、好ましくは 0.1%〜1%である。粘着性物質を含む放線菌またはその産生する細胞壁溶解酵素液には所望により常套の添加剤、例えば界面活性剤(アニオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両性界面活性剤)、殺菌剤、除黴剤等を適宜添加してもよい。粘着性物質を含む細胞壁溶解酵素液のpHは通常4〜9、好ましくは5〜7である。本発明を実施する場合には、被除黴処理面へ粘着性物質含有細胞壁溶解酵素液を塗布、散布又は噴霧した後、 0.5〜5時間好ましくは1〜3時間放置し酵素反応を行った後、水洗の後処理を行なうことが望ましい。
【0027】
次に実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【実施例1】
(ストレプトマイセス(Streptomyces) spTM502株の単離及び性質)
鳥取県鳥取市の土壌及び腐葉土からオーレオバシディウム プルランス(Aureobasidium pullulans)細胞壁溶解酵素生産菌のスクリーニングを行い、その中で最もこの細胞壁溶解活性が高く、カビ、酵母をも溶菌する溶菌スペクトルの広い放線菌ストレプトマイセス属(Streptomyces sp.)に属する一菌株を選抜し、TM502 株と命名した。この菌株は、前記した性質を有していた。また工業技術院生命工学技術研究所に、受託番号FERM P-15627として寄託されている。
【0028】
【実施例2】
(酵素の調製法)
表2に示した液体培地にオーレオバシディウム プルランス(Aureobasidium pullulans)を植菌して30℃で72時間振とう培養を行った。予め30℃で48時間培養したストレプトマイセス(Streptomyces) sp TM502株を前記オーレオバシディウム プルランス(Aureobasidium pullulans)の生育した培地に植菌した。30℃で 120時間培養した培養液を遠心分離により除菌した(この酵素液は本発明のオーレオバシディウム プルランス(Aureobasidium pullulans)細胞壁溶解酵素として使用出来る)。以下の操作は全て4℃以下で行った。得られた培養上澄液に対して固形硫酸アンモニウムを80%飽和になるように加え一晩放置した。生成した沈殿を遠心分離により集め水に対して一晩透析を行い、不要物を遠心分離により除き得られた上澄液を凍結乾燥を行い酵素粉末とした。収率は1L の培養液から 0.5〜0.6gであった。特に示さない限り、溶菌反応は酵素の終濃度が0.05%となるようにして活性を測定した(以下、本発明の酵素を本酵素という)。
【0029】
(1)本酵素の細胞壁溶解活性の至適pH及び安定pH
溶菌活性の測定に用いる緩衝液のpHを変え、その他は全て同様にして活性を測定したところ、本酵素の至適pHは 5.5〜6.5 付近であった。又pH安定性を調べるため、各pHの緩衝液 0.5mlに 1.8%の酵素水溶液を0.25ml加えて5℃で24時間静置した後、それぞれの酵素液を20mM酢酸緩衝液 (pH 5.5) で2倍に希釈し、このうち 0.5mlを酵素液として溶菌活性を測定したところ、酵素はpH 5〜10で安定であった。なお、ここで使用した緩衝液は、20mMの酢酸緩衝液 (pH4〜6)、リン酸緩衝液(pH6〜7)、トリス塩酸緩衝液(pH7〜9.5)、グリシン−水酸化ナトリウム緩衝液(pH9〜13)である。
【0030】
(2)本酵素の溶菌活性の至適温度及び熱安定性
前述の溶菌反応(pH5.5)を20〜80℃の各温度で行い、活性を測定したところ、至適温度は50℃付近であった。また、20mM酢酸緩衝液 (pH5.5)に溶解させた酵素溶液を20〜80℃の各温度で10、30分間それぞれ処理した後、溶菌活性を前述の方法で測定したところ、45℃までは安定であるが70℃、10分間の処理で完全に失活した。
【0031】
(3)本酵素の溶菌活性への金属塩、還元剤の影響
溶菌反応液中に金属塩、還元剤を添加し活性を測定した。この結果、本酵素の溶菌活性は鉄、水銀により阻害を受けるが還元剤であるL-システイン、2-メルカプトエタノールに対して安定である。
【0032】
(4)本酵素の基質特異性
溶解反応のメカニズムを解明するため、種々の酵素活性測定を行ったところ、表3に示すように本酵素は、プロテアーゼ、β1, 3- グルカナーゼ、キチナーゼ、β-N- アセチルグルコサミニダーゼ、アミラーゼ、セルラーゼの各種酵素活性を有していた。以上の結果から、各種酵素活性が溶菌反応に複合的に作用していることが示唆される。このことで本酵素が広い溶菌スペクトルを有していることが理解できる。又プロテアーゼ活性はアルカリ側でより高い活性を示した。
【0033】
【表3】
Figure 0003797708
【0034】
(5)本酵素の溶菌スペクトル
酵素の溶菌スペトクルを市販品の酵素8種と比較した結果を表4に示す。本発明の酵素は市販品の酵素と比較して糸状菌、酵母に対して広い溶菌スペクトルを示した。基質となる微生物の調製法は次のとおりである。酵母としてオーレオバシディウム プルランス(Aureobasidium pullulans)、サッカロミセス セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)、シゾサッカロミセス ポンベ(Shizosaccharomyces pombe)、ハンゼヌラ アノマラ(Hansenula anomala)、ロドトルラ ルペラ(Rhodo torula rubra)、ここから:糸状菌としては、アスペルギルス ニガー(Aspergillus niger)、フォーマ(Phoma) sp、ペニシリウム クリソゲナム(Penicillium chrysogenum)、クラドスポリウム(Cladosporium) spを用いて酵母の場合は振とう培養した培養液から集菌し、滅菌水で数回洗った後少量の滅菌水に懸濁し、糸状菌の場合は振とう培養した培養液から集菌した後ホモジナイザーにかけて菌体を破砕し、菌体破砕片を酵母と同様に処理したものを基質として使用した。
また、市販品の酵素としては、ザイモリエイス100T(生化学工業)、ノボザイム234(ノボ バイオラボ)、ファンガーゼ(ナガセ生化学工業)、ウスキザイム(協和発酵)、キチナーゼ(生化学工業)、セルラーゼ(和光純薬)、ドリセラーゼ(協和発酵)、キトサナーゼ(和光純薬)を用いた。溶菌活性は、細胞懸濁液の濁度減少と見なし、次の方法で濁度減少率を測定した。各種微生物細胞懸濁液の初発の濁度を1から 1.1に調整し酵素濃度は0.05%になるように20mM酢酸緩衝液 (pH5.5)で調整し反応溶液の濁度を測定した。コントロールとして酵素液の代わりに20mM酢酸緩衝液を加えたものの濁度も同様に測定した。溶解率は下式により求めた。
【0035】
【数1】
溶解率(%)=〔(do−dt) − (Do−Dt) 〕/do ×100
【0036】
do=o時間後の反応液の濁度
dt=t時間後の反応液の濁度
Do=o時間後のコントロールの濁度
Dt=t時間後のコントロールの濁度
【0037】
【表4】
Figure 0003797708
【0038】
(6)その他の性質
実施例2で培養した培養上清(酵素液)と、キチン分解能を有する微生物の培養上清を併用することにより、溶菌活性は上昇し、特に糸状菌に対して顕著に認められ溶菌活性は約2倍に増大した。
【0039】
【実施例3】
オーレオバシディウム プルランス(Aureobasidium pullulans)を、グルコース 2.0%、酵母エキス 0.5%、燐酸1カリウム 0.1%及び硫酸マグネシウム0.05%から成る液体培地に植菌し30℃で72時間培養を行った。ついで予め前培養を行ったストレプトマイセス(Streptomyces) sp TM 502 株を上記のオーレオバシディウム プルランス(Aureobasidium pullulans)の生育した培地に植菌し、30℃で 120時間培養を継続した。培養液を遠心分離を行うことにより上澄液を得、固形硫酸アンモニウムを80%飽和となるよう添加し一晩放置した。得られた沈殿を遠心分離により集め、緩衝液又は純水に溶解し透析した後、凍結乾燥を行いオーレオバシディウム プルランス(Aureobasidium pullulans)細胞壁溶解酵素を得た。収率は、1Lの培養液から 0.5〜0.6gであった。
(1) 得られたオーレオバシディウム プルランス(Aureobasidium pullulans)細胞壁溶解酵素(502エンザイム) 1%を酢酸緩衝液(pH5.5) に溶解して除黴剤(A) を調製した。
また、比較として各種の市販酵素剤1%を酢酸緩衝液(pH6.0)に溶解して除黴剤を調製し、対照とした。さらに 1.0%次亜塩素酸ナトリウムを除黴剤として用いた。
(2) また、同様に得られたオーレオバシディウム プルランス(Aureobasidium pullulans)細胞壁溶解酵素を1%、増粘剤としてキサンタンガムを 0.5%、及び両性界面活性剤 アンフォレックスLB−2(ミヨシ油脂株式会社製)を 0.5%となるように酢酸緩衝液(pH5.5)に溶解し除黴剤(B) を調製した。また、比較として各種市販酵素剤1% (pH5.5 酢酸緩衝液)にキサンタンガム 0.5%、両性界面活性剤 0.5%添加したもの、及び 1.0%次亜塩素酸ナトリウムを用いた。
予めオーレオバシディウム プルランス(Aureobasidium pullulans)を接種し培養を行ったガラス板、又は素焼き板をテストプレートとして用い、上記の方法で調整した除黴剤(A) 及び(B) を塗布し1時間反応を行った後水洗し、除黴率を測定した。結果を表5及び表6に示す。表5及び表6に示すように、ストレプトマイセス(Streptomyces) sp TM 502 株の生産する溶解酵素で処理することにより、オーレオバシディウム プルランス(Aureobasidium pullulans)は容易に除黴されることが分かる。更に次亜塩素酸ナトリウムなどの化学薬剤処理で必ず伴う刺激臭の発生も起こらず、健康面での人体に対する影響も問題とならないなどの有利な点も備えている。
【0040】
なお、除黴率は次の方法で算出した。
上述の液体培地で培養したオーレオバシディウム プルランス(Aureobasidium pullulans)を接種したガラス板、素焼き板に30℃で14日間培養することによって調製したテストプレートに、前記配合処方によって調製した酵素処理液を塗布し、1時間反応させた後水洗を行った。除黴効果を次式によって除黴率として求めた。
【0041】
【数2】
除黴率(%)=(RW-RS)/(RO-RS) ×100
(式中、ROは黴を接種する前のガラス板、素焼き板などのテストプレートの反射率、RSは除黴剤を用いて処理する前のテストプレートの反射率、及びRWは除黴剤を用いて処理した後のテストプレートの反射率をそれぞれ示す。)
また、反射率は測色素コンピューターSZ−Σ80(日本電色工業株式会社製)を用いて測定した。
【0042】
【表5】
Figure 0003797708
【0043】
【表6】
Figure 0003797708
【0044】
【実施例4】
(除黴効果)
実施例3で得られた除黴剤(A) 及び(B) を用いて生活環境汚染黴に対する除黴効果を検討した。居住環境を汚染する黴としては、フォーマ属(Phoma sp.)、クラドスポリウム属(Cladosporium sp.)、アスペルギルス属(Aspergillus sp.)黴を用いて行った。結果を表7及び表8に示す。これらの表に示すように、ストレプトマイセス(Streptomyces) sp TM 502株の生産するオーレオバシディウム プルランス(Aureobasidium pullulans)細胞壁溶解酵素は、生活環境汚染黴に対しても優れた除黴効果を示し、化学薬剤を使用した時に伴う刺激臭発生の問題もなく、又成分が蛋白質及び糖類であることから水で洗い流すことが出来、又易分解性であることから環境に対しても非常に安全であることが分かる。
【0045】
【表7】
Figure 0003797708
【0046】
【表8】
Figure 0003797708
【0047】
【実施例5】
次の組成の培地1〜5に、予め前培養を行なったストレプトマイセス(Streptomyces) sp TM 502株を接種し、30℃で 120時間振とう培養し、遠心分離してストレプトマイセス(Streptomyces) sp TM 502株を除き、培養上澄液の溶菌酵素活性を測定した。
その結果を、表9に示す。表9にみられるようにオーレオバシディウム プルランス(Aureobasidium pullulans)菌体を添加して培養する (培地4)と培養上澄の溶菌酵素活性は無添加 (培地1)のそれにくらべて約4倍高められた。
(培地の組成)
培地1:グルコース 2.0%、酵母エキス 0.5%、燐酸1カリウム 0.1%、硫酸マグネシウム0.05%(pH7.1)
培地2:グルコース 1.0%、肉エキス 1.0%、ポリペプトン 1.0%、食塩 0.3%(pH7.1)
培地3:ラミナリン 0.5%、酵母エキス 0.5%、ポリペプトン 0.3%、燐酸1カリウム 0.1%、硫酸マグネシウム0.05%(pH7.1)
培地4:オーレオバシディウム プルランス(Aureobasidium pullulans)菌体 0.5%、酵母エキス 0.5%、燐酸1カリウム 0.1%、硫酸マグネシウム0.05%(pH7.1)
培地5:アスペルギルス ニガー(Aspergillus niger)菌体 0.5%、酵母エキス 0.5%、燐酸1カリウム 0.1%、硫酸マグネシウム0.05%、(pH7.1)
【0048】
【表9】
Figure 0003797708
【0049】
【実施例6】
オーレオバシディウム プルランス(Aureobasidium pullulans)をグルコース 2.0%、酵母エキス 0.5%、燐酸1カリウム 0.1%、及び硫酸マグネシウム0.05%からなる液体培地に植菌し30℃で72時間培養を行った。次いで、予め前培養を行ったストレプトマイセス(Streptomyces) sp TM 502 株を上記のオーレオバシディウム プルランス(Aureobasidium pullulans)の生育した培地に植菌し、30℃で120 時間培養を継続した。培養液を遠心分離を行うことによりストレプトマイセス(Streptomyces) sp TM 502 株の菌体を獲得した。得られた菌体は、生理食塩水での洗浄を繰り返し行い、夾雑物を除去した。
(1) 得られたストレプトマイセス(Streptomyces) sp TM 502 株の培養菌体(0.5%) を純水に懸濁し除黴剤(C) を調製した。又比較は純水のみとした(対照(A))。
また、 (2) 同様に得られたストレプトマイセス(Streptomyces) sp TM 502 株の培養菌体(0.5%) を水に懸濁し増粘剤としてキサンタンガムを0.5 %、及び両面界面活性剤アンフォレックスLB−2(ミヨシ油脂株式会社製)を0.5 %となるように酢酸緩衝液に溶解し除黴剤(D) を調製した。また、比較として純水にキサンタンガム0.5%、両面界面活性剤0.5 %添加したものを用いた(対照(B))。
【0050】
予めオーレオバシティウム プルランス(Aureobasidium pullulans)を接種し培養を行ったガラス板、又は素焼き板をテストプレートとして用い、上記の方法で調製した除黴剤(C) 及び(D) を塗布し20時間反応を行った後水洗した。水洗後、テストプレートの一定面積中に存在するオーレオバシディウム プルランス(Aureobasidium pullulans)の菌体を顕微鏡下で計測し、除黴率を算出した。結果を表10に示す。表10に示すように、ストレプトマイセス(Streptomyces) sp TM 502 株の培養菌体を用いて処理することにより、オーレオバシディウム プルランス(Aureobasidium pullulans)は容易に除黴されることが判る。
【0051】
なお除黴率は次の方法で算出した。
上述の液体培地で培養したオーレオバシディウム プルランス(Aureobasidium pullulans)を接種したガラス板、素焼き板に30℃で14日間培養することによって調製したテストプレートに、前記配合処方によって調製した菌体処理液を塗布し、20時間反応させた後水洗を行った。除黴効果を次式によって除黴率として求めた。
除黴率 (%) =(AS−AW)/AS×100
(式中、ASは除黴剤を用いて処理する前のガラス板、素焼き板などのテストプレートのオーレオバシディウム プルランス(Aureobasidium pullulans)の菌体数、AWは除黴剤を用いて処理した後の菌体数をそれぞれ示す。)
【0052】
【表10】
Figure 0003797708
【0053】
【発明の効果】
本発明によれば、酵母、糸状菌に対して広い溶菌スペクトルを有し、特にオーレオバシディウム プルランス(Aureobasidium pullulans)細胞壁に対して高い溶菌活性を示す細胞壁溶解酵素を提供することができる。この酵素は微生物の細胞壁構造の研究やプロトプラスト化、細胞融合をはじめとして食品、医薬品、洗剤等に広く応用可能である。 特に、オーレオバシディウム プルランス(Aureobasidium pullulans)細胞壁を特異的に溶解する性質を利用して醸造工場周辺のオーレオバシディウム プルランス(Aureobasidium pullulans)の除黴や居住環境を汚染する黴の除黴を安全かつ効率的に行なうことができる。

Claims (9)

  1. ストレプトマイセス Streptomyces sp TM502株(FERM P-15627)又はその変異株を培地で好気的に培養して細胞壁溶解活性酵素を産生せしめ、培養液からこの細胞壁溶解酵素を回収して得られた、オーレオバシディウム プルランス(Aureobasidium pullulans)の細胞壁を溶解することのできる細胞壁溶解組成物。
  2. ストレプトマイセス Streptomyces sp TM502株(FERM P-15627)又はその変異株を培地に好気的に培養し、培養上澄液に硫酸アンモニウムを約80%飽和になるように加えて沈澱せしめ、この沈澱から硫酸アンモニウムを除くことによって得られたオーレオバシディウム プルランス(Aureobasidium pullulans)の細胞壁を溶解することのできる細胞壁溶解組成物。
  3. 次の酵素化学的性質をもつ請求項1又は2記載の細胞壁溶解組成物。
    1) 次の酵素活性を示す;プロテアーゼ活性、β-1, 3-グルカナーゼ活性、キチナーゼ活性、アミラーゼ活性、β-N-アセチルグルコサミニダーゼ活性、セルラーゼ活性。
    2) 至適 pH: pH 5〜6
    3) 安定 pH: pH 4〜9
    4) 至適温度: 50℃
    5) 安定温度: 45℃まで安定。70℃、10分間の加熱で完全に失活する。
    6) 阻害剤: 1mMの硫酸第一鉄、塩化水銀、塩化第二鉄により活性が阻害される。
    7) 還元剤: 1mMの2-メルカプトエタノール(還元剤)に対し安定である。
    8) 糸状菌体及び酵母菌体を溶解する。
  4. オーレオバシディウム プルランス(Aureobasidium pullulans)の細胞壁溶解能のある細胞壁溶解組成物を産生することのできるストレプトマイセス Streptomyces sp TM502株(FERM P-15627)又はその変異株を培地で好気的に培養して細胞壁溶解活性酵素を産生せしめ、培養液からこの細胞壁溶解酵素を回収することを特徴とする細胞壁溶解組成物の製造法。
  5. 培地にオーレオバシディウム プルランス(Aureobasidium pullulans)菌体を添加して培養する請求項4記載の細胞壁溶解組成物の製造法。
  6. オーレオバシディウム プルランス(Aureobasidium pullulans)の細胞壁を溶解することのできるストレプトマイセス Streptomyces sp TM502株(FERM P-15627)又はその変異株。
  7. 請求項1〜3及び6のいずれかに記載のストレプトマイセス Streptomyces sp TM502株(FERM P-15627)或いはその変異株又はそれらの産生する細胞壁溶解組成物を有効成分とする除黴剤。
  8. 請求項1〜3及び6のいずれかに記載のストレプトマイセス Streptomyces sp TM502株(FERM P-15627)或いはその変異株又はそれらの産生する細胞壁溶解組成物と粘着性物質とを併用して配合した除黴剤。
  9. オーレオバシディウム プルランス(Aureobasidium pullulans)その他の黴の発生した箇所を請求項7又は8記載の除黴剤を用いて除黴することを特徴とする除黴方法。
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