JP3797238B2 - 電動式射出成形機のノズルタッチ力制御方法 - Google Patents
電動式射出成形機のノズルタッチ力制御方法 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電動式射出成形機において、射出ユニットを移動させて固定盤に取り付けられた固定金型に射出ユニットのノズルを圧接する時の圧接力の制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
射出成形機に必要な駆動機構としては、型締力負荷を含む型開閉・型締機構、樹脂の可塑化・計量のためのスクリュ回転駆動機構、金型キャビティへ溶融樹脂を射出充填するためのスクリュ移動(駆動)機構、金型を開いた状態で成形品を突き出す押出(駆動)機構(エジェクタ)、金型交換時にダイハイトを調整するためのリンクハウジング駆動機構及びノズルタッチのための射出ユニット移動(駆動)機構がある。
油圧を使用しない電動式射出成形機においては、各駆動機構の動力源として、位置・速度と力(負荷荷重)を正確に制御できるサーボモータや誘導電動機をインバータ制御することにより速度制御する方式が多く使用されている。しかしながら、サーボモータは高価であるとともに制御装置が複雑であり、メンテナンスも煩雑で難しいものである。また、インバータ制御方式についても同じことが言える。
【0003】
上記の問題点を解決するために、部品(ユニット)の移動(駆動)が主体であり、正確な位置・速度と力(負荷荷重)の制御が要求されないリンクハウジング駆動機構とノズルタッチのための射出ユニット移動機構の駆動源としては、誘導電動機を使用することも多くなっている。部品(ユニット)の移動が主体の駆動機構においては、部品(ユニット)が移動中に対象物に当ると電動機の負荷電流値が急激に上昇するので、この電流値を検出してモータを停止させる制御方式を採用している。この場合に、正確な速度制御が必要とされる場合には、インバータ制御を採用しているのが実情である。これは、サーボモータ制御と誘導電動機のインバータ制御とを比較すると制御装置としてのコンパクト性、コスト面、メンテナンスの難易度において、インバータ制御方式の方が格段に優れているためである。従って、位置と力の正確な制御を要求されない箇所にはインバータ制御方式が採用されている。
ノズルタッチ用射出ユニット駆動機構として、インバータ制御を採用した先行技術としては、特開平11−151738号公報や特開昭60−259419号公報がある。
【0004】
一方、成形作業を効率化する要請が高まり、この要請に答えるために金型交換の作業性向上を目的として金型を可動盤や固定盤に取り付けるのにマグネットクランパーが採用されることが多くなってきた。このマグネットクランパーは金型を固定盤に締めつける荷重が弱いので、型開き状態でノズルを固定金型に圧接する場合は、今までよりも小さな力で圧接(押し付ける)必要がある。また、通常の成形作業においては、圧接部からの樹脂漏洩を防止するため、従来通りに大きな圧接力でノズルを固定盤に押し付けることも要求されている。
このようにして、ノズルタッチ力の制御範囲が広がったため、圧接力の正確な制御が必要となってきた。
【0005】
このような要望に対して、前記の先行技術では対応できなかった。即ち、特開平11−151738号公報においては、インバータ制御方式によりノズル移動等を短時間で行うことや単一のインバータで型厚調整用モータとノズル前後進用モータの制御を行う技術についての開示であり、ノズルタッチ力(圧接力)の広範囲に渡る正確な制御方法の開示・示唆は記載されていない。
また、特開昭60−259419号公報においては、ブレーキ付モータ回転力をスプリングを介してノズルに伝達して、スプリングに蓄積されたエネルギーによりノズルを所定の圧力で押圧する技術が開示されている。しかしながら、誘導電動機による正確な負荷制御に関する技術は一切開示されていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上述した問題点に鑑みなされたものである。即ち、ノズルタッチ力の制御範囲の拡大という時代の趨勢に対応すべく、高価で複雑な制御を必要とするサーボモータを使用せずに、簡単な検出器を使って、誘導電動機の負荷を正確に制御することにより、ノズルタッチ力を広範囲に、且つ、正確に制御できるノズルタッチ力制御方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、本発明においては、射出ユニット移動用駆動源として誘導電動機を使用した電動式射出成形機において、該射出ユニットを移動させるための該誘導電動機に印加される電流値と電圧値を検出し、該検出値から電力値を演算することにより該誘導電動機の負荷を制御することとした。
【0008】
本願発明のポイントは以下の通りである。誘導電動機の負荷特性としては、図1に示すように、低負荷時にはモータに印加される電流値は負荷率に関係なく、ほぼ一定の値となっている。マグネットクランパー使用時等においては、この低負荷域でのモータの負荷制御となるため、モータの電流値によりモータ負荷率を検出する方法では、モータ負荷を正確に制御することはできない。一方、モータ負荷率の検出を電流値から電力値に変えることにより、低負荷から高負荷まで高精度でモータの負荷制御が可能となる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。図2は本発明を適用した一実施形態である電動式射出成形機のノズルタッチ用射出ユニット駆動モータの制御装置の回路構成を示すブロック図である。
図2において、符号U、V、Wはノズルタッチ用射出ユニット駆動モータ(IM)1の交流3相電源である。3相交流電源より各相に流れる電流U、V、Wはカレントコンバータ(CC)3により検出するとともに、カレントコンバータ3に内蔵されているアンプにより増幅して、電力センサー(PS)5に出力する。また、電力センサー(PS)5は3相交流電源電圧を位相を含めて検出している。更に、この電力センサー(PS)5には検出した電圧値と電流値から電力値を演算するプログラムが内蔵されている。
【0010】
電力センサー(PS)5で演算された電力値は射出成形機の制御装置(PLC)6に送信される。この射出成形機の制御装置(PLC)6には予め所定の圧接力に相当する電力値が記憶されており、電力センサー(PS)5から送信された電力値と予め設定されている設定電力値と比較して、前者が設定電力値を越えると射出ユニット駆動モータ(IM)1に停止指令を発して射出ユニット駆動モータ(IM)1が停止することになる。
なお、予め所定の圧接力に相当する電力値を電力センサー(PS)5に記憶させておくこともできる。
【0011】
射出ユニット駆動モータ(IM)1の駆動力をスプリングに蓄積する方法は特開昭60−259419号公報等に記載されている公知技術を使用すれば良く、本願発明の主用部分ではないので省略する。
なお、図3は従来のノズルタッチ力制御方法のブロック図である。射出ユニットの移動速度の制御をインバータで行い、ノズルタッチ力(圧接力)の制御をカレントセンサーにより行うものである。本願発明によるノズルタッチ力の制御結果を図4に、従来の制御方法によるノズルタッチ力の制御結果を図5に示す。
図4と図5とを比較することにより、本願発明の優れた制御性能が理解できる。即ち、射出ユニット駆動モータ(IM)を電力値によりノズルタッチ力の制御を行うことにより、オーバシュートがなくなり、理想的なノズルタッチ力の制御が可能となった。
【0012】
また、従来の制御方法と本願発明による制御方法との比較テストを行ったので、その結果を下記に示す。即ち、従来の制御方法によるノズルタッチ力(kN)の実測値を表1に、本願発明による制御方法によるノズルタッチ力(kN)の実測値を表2に示す。本テストにおいては、カレントセンサーおよび電力センサーの設定値を定格圧接力の25%、50%、75%、100%に相当す各センサーの設定値(負荷率)について、同一の設定値に対して、3回づつ行った。
表1に従来の制御方法によるノズルタッチ力(kN)の実測値を、表2に本願発明による制御方法によるノズルタッチ力(kN)の実測値を示す。
【0013】
【表1】
【0014】
【表2】
【0015】
本テスト結果より、次のことが判る。
(1)図1に示したように、従来の方法においては低負荷域(25%〜50%)では設定値に係わらず、圧接力はほぼ一定の値であり、そのバラツキも大きな値となっている。従って、低負荷域での圧接力の制御は不可能であり、金型を固定するのにマグネットクランパーを使用することができない。
(2)一方、本願発明による制御方法においては図1に示すように低負荷域から高負荷域に渡ってほぼ直線的に変化しており、且つ、一定負荷でのバラツキも少ない。従って、マグネットクランパーのマグネット力に応じて圧接力の設定が可能となる。よって、金型固定に要する時間を大幅に短縮できる。また、通常成形時においても、高圧接力の制御も高精度で行うことが可能であり、ノズルタッチ部からの樹脂漏れを防止できる。
【0016】
更に、射出シリンダの移動速度制御にインバータ制御を採用する場合についても、本願発明は適用できる。即ち、インバータによる射出ユニットの移動速度の制御とノズルタッチ力(圧接力)の制御とは直接関係はなく、射出ユニットの移動速度制御をインバータ制御で行い、ノズルタッチ力の制御を本願発明の方法で行うことになる。この方法も本願発明の特許請求の範囲に含まれるものである。
【0017】
本発明の技術は、ダイハイト調整のためのリンクハウジング駆動装置にも適用できるが、ダイハイト調整時には広範囲に渡る型締力の制御は必要としない。言いかえれば、従来の制御方法で充分に制御可能である。即ち、リンクハウジング駆動源として誘導電動機を使用して、この誘導電動機に印加される電流値を検出する。この検出値が所定の値に達すると、誘導電動機を停止させる制御方法で行うことができる。
【0018】
【発明の効果】
本発明によれば、サーボモータやインバータ制御を採用することなく、誘導電動機を直接制御することによりノズルタッチ力(圧接力)を正確に、且つ、広範囲に制御することが可能となった。このため、ノズルタッチ力の制御装置がコンパクトとなるとともに、これらのメンテナンスも容易になる。また、安心して、マグネットクランパーを使用でき、金型交換作業を効率的に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明による誘導電動機の負荷制御方法の説明図である。
【図2】図2は本発明による一実施形態の誘導電動機の負荷制御の回路構成を示すブロック図である。
【図3】図3は従来の誘導電動機の負荷制御の回路構成を示すブロック図である。
【図4】図4は本発明による誘導電動機の負荷制御を行った場合の電力波形図である。
【図5】図5は従来の誘導電動機の負荷制御を行った場合の電流波形図である。
【符号の説明】
1 ノズルタッチ用モータ(射出シリンダ駆動用誘導電動機)
2 インバータ
3 カレントコンバータ
4 カレントセンサー
5 電力センサー
6 制御器
Claims (1)
- 射出ユニット移動用駆動源として誘導電動機を使用した電動式射出成形機において、該射出ユニットを移動させるための該誘導電動機に印加される電流値と電圧値を検出し、該検出値から電力値を演算することにより該誘導電動機の負荷を制御することを特徴とする電動式射出成形機のノズルタッチ力制御方法。
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