JP3796759B2 - グリーンフィルター用色素、該色素を含むレジスト組成物、当該組成物を用いてグリーンフィルターを製造する方法、及び該方法により得られるグリーンフィルター - Google Patents

グリーンフィルター用色素、該色素を含むレジスト組成物、当該組成物を用いてグリーンフィルターを製造する方法、及び該方法により得られるグリーンフィルター Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、固体撮像素子及び気体センサー等の有色化に用いられるグリーンフィルター用色素、該色素を含むレジスト組成物、当該組成物を用いてグリーンフィルターを製造する方法、及び該方法により得られるグリーンフィルターに関する。
【0002】
【従来の技術】
カラーフィルターはCCD 及びLCD 等に用いられている。特にグリーンフィルターは3原色系では必須であり、又、3補色系でも良好な色再現性や画像再現性を得るために欠かせないものである。カラーフィルターの製造法としては染色法、電着法、印刷法及びレジスト法等が用いられている。例えばゼラチンを材料とするフィルターの染色では、染色むら或いは材料の膨潤、ひび割れ等の問題点がある。又、電着法及び印刷法では濃色のカラーフィルターを得る場合、カラーフィルターの厚みを大きくしなければならないという問題点や、微細度に劣るという問題点がある。一方、レジスト法ではカラーフィルターの厚みを小さくすることは一般的に可能であるが、通常のカラーフィルター用色素が有機溶剤に充分な溶解度を有しないので、濃色のカラーフィルターを得ることが難しいという問題点がある。このように、従来のカラーフィルターはその製造法に係わらず、何らかの問題点を有していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記問題点を解決して、グリーンフィルターに適用した場合に微細度、色調及び色濃度等に優れたグリーンフィルター用色素、該色素を含むレジスト組成物、当該組成物を用いてグリーンフィルターを製造する方法、並びに、CCD 及びLCD 等に適用した場合に優れた諸性能(色再現性及び画像再現性等)を与えるグリーンフィルターを提供する。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、
(1)水素原子が1個置換されたスルホンアミド基を有し且つ500nm 以下の波長領域に吸収を有する色素と、水素原子が1個置換されたスルホンアミド基を有し且つ550nm 以上の波長領域に吸収を有する色素との混合物であることを特徴とするグリーンフィルター用色素であって
水素原子が1個置換されたスルホンアミド基が
式 −SO2 NH−R
(Rはアルキル、シクロアルキル、アルキルカルボニルアミノアルキル、アルキルカルボニルアミノ、シクロヘキシルアルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アリール、アラルキルもしくはアルキルカルボニルオキシ基を表わす。)
で示される基であり、
500nm 以下の波長領域に吸収を有する色素が一般式(I)
B−A−M’ (I)
〔式中、M’は下式
Figure 0003796759
(式中、R 3 〜R 5 は各々独立して水素原子、アルキル基、ハロゲン原子、スルホン酸基、スルホン酸塩又は−SO 2 NH−R(Rは前記と同じ意味である)を表わすが、R 3 〜R 5 の少なくとも1つは−SO 2 NH−Rを表わす。)
で示される基を、Aは下式
Figure 0003796759
(式中、R 6 〜R 14 は各々独立して水素原子、アルキル基、ハロゲン原子、スルホン酸基、スルホン酸塩又は上記−SO 2 NH−Rを表わす。)で示される架橋基を、Bは上記のM’、水素原子、或いは置換されていてもよいフェニルアゾフェニル、ナフチルアゾフェニル、フェニルアゾナフチルもしくはナフチルアゾナフチル基を、それぞれ表わす。〕で示されるイエロー色素であり、
550nm 以上の波長領域に吸収を有する色素が一般式(II)
Figure 0003796759
(式中、 Pc はフタロシアニン核を表わし、h及びiは各々 SO 3 M 及び SO 2 -NH-R の平均置換数を表わし、Rは前記と同じ意味を表わし、 SO 3 M はスルホン酸基又はスルホン酸塩を表わすが、h及びiは各々h+i≦4であり、h≦3であり、且つi=1〜4を満足するものとする。)で示されるシアン色素であり、レジスト組成物に用いられる、グリーンフィルター用色素、
(2)i)(1)に記載のグリーンフィルター用色素、ii) キノンジアジド化合物、iii)アルカリ可溶性樹脂及びiv) 有機溶剤を含むことを特徴とするグリーン色ポジ型レジスト組成物であって、レジスト組成物中の前記色素、アルカリ可溶性樹脂、キノンジアジド化合物の使用量は有機溶剤中に、各々、1〜 50 、1〜 50 及び1〜 50 重量%であり、且つ溶剤が乳酸エチルを含む、グリーン色ポジ型レジスト組成物
(3)i)(1)に記載の色素、ii) 光酸発生剤、iii)架橋剤、iv) アルカリ可溶性樹脂及びv)有機溶剤を含むことを特徴とするグリーン色ネガ型レジスト組成物であって、レジスト組成物中の前記色素、アルカリ可溶性樹脂、架橋剤及び光酸発生剤の使用量は有機溶剤中に、各々、1〜 50 、1〜 50 、0〜 30 及び0〜 30 重量%であり、且つ溶剤が乳酸エチルを含む、グリーン色ネガ型レジスト組成物
(4)支持体上にグリーン色皮膜を設けたグリーンフィルターであって、該グリーン色皮膜は、アクリル又はポリイミド樹脂中に(1)に記載の色素を含有させて得られる薄膜の上にレジストパターンを形成させ、次いで当該パターンをマスクとして上記薄膜をエッチングすることにより得られるものであることを特徴とするグリーンフィルター、
(5)支持体上にグリーン色皮膜を設けたグリーンフィルターであって、該グリーン色皮膜は((2)又は(3)に記載のグリーン色レジスト組成物を紫外線又は遠紫外線リソグラフィーすることにより得られるものであることを特徴とするグリーンフィルター、
(6)支持体上に、上記(2)に記載のグリーン色ポジ型レジスト組成物をリソグラフィーすることにより得られるグリーン色皮膜を設けたグリーンフィルターの製造方法であって、上記リソグラフィーが
支持体上に上記グリーン色ポジ型レジスト組成物を塗布後、乾燥させて付着層を形成する工程、
上記付着層の予め定められた部分を紫外線又は遠紫外線に露光する工程、
及び
露光領域をアルカリ性現像液で現像してグリーン色ポジ型パターンを形成する工程を含む、グリーンフィルターの製造方法、
(7)支持体上に、(2)に記載のグリーン色ポジ型レジスト組成物中にさらに架橋剤を添加した組成物をリソグラフィーすることにより得られるグリーン色皮膜を設けたグリーンフィルターの製造方法であって、上記リソグラフィーが
支持体上に上記グリーン色ポジ型レジスト組成物を塗布後、乾燥させて付着層を形成する工程、
上記付着層の予め定められた部分を紫外線又は遠紫外線に露光する工程、
露光後に加熱する工程、
露光領域をアルカリ性現像液で現像してグリーン色ポジ型パターンを形成する工程、
得られたグリーン色ポジ型パターンを全面露光する工程
及び
全面露光後、さらに加熱する工程
を含む、グリーンフィルターの製造方法、
並びに、
(8)支持体上に、(3)に記載のグリーン色ネガ型レジスト組成物をリソグラフィーすることにより得られるグリーン色皮膜を設けたグリーンフィルターの製造方法であって、上記リソグラフィーが
支持体上に上記グリーン色ネガ型レジスト組成物を塗布後、乾燥させて付着層を形成する工程、
上記付着層の予め定められた部分を紫外線又は遠紫外線に露光する工程、
露光後に加熱する工程、及び
非露光領域をアルカリ性現像液で現像してグリーン色ネガ型パターンを形成する工程を含む、グリーンフィルターの製造方法
である。
【0005】
前記の500nm 以下の波長領域に吸収を有する色素としては、一般式(I)
B−A−M’ (I)
〔式中、M’は下式
【0006】
Figure 0003796759
【0007】
(式中、R3 〜R5 は各々独立して水素原子、アルキル基、ハロゲン原子、スルホン酸基、スルホン酸塩又は−SO2 NH−R(Rは前記と同じ意味である)を表わすが、R3 〜R5 の少なくとも1つは−SO2 NH−Rを表わす。)
で示される基を、Aは下式
【0008】
Figure 0003796759
【0009】
(式中、R6 〜R14は各々独立して水素原子、アルキル基、ハロゲン原子、スルホン酸基、スルホン酸塩又は上記−SO2 NH−Rを表わす。)で示される架橋基を、Bは上記のM’、水素原子、或いは置換されていてもよいフェニルアゾフェニル、ナフチルアゾフェニル、フェニルアゾナフチルもしくはナフチルアゾナフチル基を、それぞれ表わす。〕で示されるイエロー色素等が挙げられる。
550nm 以上の波長領域に吸収を有する色素としては、一般式(II)
【0010】
Figure 0003796759
【0011】
(式中、Pcはフタロシアニン核を表わし、h及びiは各々SO3M及びSO2-NH-Rの平均置換数を表わし、Rは前記と同じ意味を表わし、SO3Mはスルホン酸基又はスルホン酸塩を表わすが、h及びiは各々h+i≦4であり、h≦3であり、且つi=1〜4を満足するものとする。)で示されるシアン色素等が挙げられる。前記の式において好ましいRとしては、例えば下式
S2S1
S2S1 OCt2t
S2S1
S2S1 CONHCt2t
(式中、s及びtは各々1以上20以下の整数を表わすが、s+t≦30である。)
等で示される基が挙げられる。
本発明のグリーンフィルター用色素の好ましい組合せは、上記一般式(I)で示されるイエロー色素と、一般式(II)で示されるシアン色素との混合物である。
本発明のグリーンフィルター用色素の各々は、例えばC.I.Acid Colour 及びC.I.Direct Colour 等に記載の染料から選ばれる色素をジメチルホルムアミド中で塩化チオニルと反応させて相当するスルホニルクロリドを得、次いで当該スルホニルクロリドを式 RNH2 (Rは上記と同じ意味を表わす。)で示される1級アミンと反応させることにより、容易に製造することができる。
【0012】
本発明のグリーンフィルター用色素を用いてグリーンフィルターを製造する方法としては、例えば特開平4−14001 号公報に記載されているように、支持体上に、上記色素をアクリル又はポリイミド樹脂中に含有させて得られる薄膜を形成させ、当該薄膜の上にレジストパターンを形成させ、次いで当該パターンをマスクとして上記薄膜をエッチングする方法等が挙げられる。より好ましいグリーンフィルターの製造方法としては、例えばアクリル系樹脂を含むネガもしくはポジ型、又はビニル重合体、ポリイミド前駆体及びノボラック樹脂等のアルカリ可溶性樹脂を含むネガもしくはポジ型レジスト組成物中に、上記色素を含有させてフォトリソグラフィーする方法が挙げられる。
アルカリ可溶性樹脂としては、例えばポリビニルフェノール、ポリイミド前駆体、ビニルフェノール共重合体等のビニル重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、当該スチレン−マレイン酸共重合体の部分エステル体、無水マレイン酸−メチルメタクリレート共重合体、当該無水マレイン酸−メチルメタクリレート共重合体のエステル体、及びノボラック樹脂等が挙げられる。ノボラック樹脂としては、例えばフェノール類とアルデヒド類とを縮合させて得られる樹脂が挙げられる。好ましいフェノール類としては、例えばm−クレゾール、p−クレゾール、2,5−キシレノール、3,4−キシレノール、及び下式
【0013】
Figure 0003796759
【0014】
で示される化合物等が挙げられる。好ましいアルデヒド類としては、例えばホルムアルデヒド等が挙げられる。好ましいビニル重合体としては、例えば下式
【0015】
Figure 0003796759
【0016】
(式中、Q1 及びQ2 は各々独立して水素原子又はアルキル基を表わし、Q3 はアルキル、アリール、アルコキシ、ヒドロキシアルキルもしくはアルキルカルボニルオキシ基を表わし、X1 〜X5 は各々独立して水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基又は水酸基を表わすが、X1 〜X5 の中少なくとも1つは水酸基である。)で示される構造を含む重合体等が挙げられる。
アルカリ可溶性樹脂は単独で、又は2種以上混合して用いられる。
【0017】
好ましいキノンジアジド化合物としては、例えばo−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル、o−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル及びo−ベンゾキノンジアジドスルホン酸エステル等が挙げられる。これらのキノンジアジド化合物は半導体用ポジ型レジスト組成物に感光剤として添加されているものであり、その製造方法は公知である。
本発明のグリーンフィルター用ポジ型レジスト組成物は前記色素、アルカリ可溶性樹脂、キノンジアジド化合物及び有機溶剤に加えて、さらに架橋剤を含んでいてもよい。架橋剤としては上記アルカリ可溶性樹脂を熱又は酸により硬化させるものであればよく、特に制限されない。好ましい架橋剤としては、例えば下式
−(CH2u OY
(式中、Yは水素原子又は低級アルキル基を表わし、uは1〜4の整数を表わす。)で示される基を有する化合物等が挙げられる。上式で示される基を有する化合物としては、例えば一般式(III)
【0018】
Figure 0003796759
【0019】
〔式中、Zは−N(R19)(R20)又は置換されていてもよいアリール基を表わし、R15〜R20は各々独立して水素原子又は上記−(CH2u OYを表わす。〕で示される化合物、及び下式
【0020】
Figure 0003796759
【0021】
で示される化合物等が挙げられる。これらの架橋剤は例えば特開平1−293339号公報等に記載された公知化合物である。
架橋剤は単独で、又は2種以上混合して用いられる。又、本発明のグリーンフィルター用ポジ型レジスト組成物は後述する光酸発生剤を含んでいてもよい。
【0022】
本発明のグリーンフィルター用ネガ型レジスト組成物は前記色素、アルカリ可溶性樹脂、架橋剤、光酸発生剤及び有機溶剤を含む。光酸発生剤としては光により直接もしくは間接的に酸を発生するものであればよく、特に制限されない。好ましい光酸発生剤としては、例えば、特開平4−163552号公報に記載されているトリハロメチルトリアジン系化合物、特開平1−57777 号公報に記載されているジスルホン化合物、下式
Q4-SO2-SO2-Q5-SO2-SO2-Q6
(式中、Q4及びQ6は各々独立して置換されていてもよいアリール、アラルキル、アルキル、シクロアルキル又は複素環基を表わし、Q5は置換されていてもよいアリール基を表わす。)で示される化合物、特開平1−293339号公報に記載されているスルホン酸エステル基を含む光酸発生剤、下式
CF3-SO2O-(CH2)d -Y0
(式中、Y0は置換されていてもよいアリール基を表わし、dは0又は1を表わす。)で示される化合物、下式
CF3-SO2O-[C(Y1)(Y2)]e -C(O)-Y3
(式中、Y1及びY2は各々独立して置換されていてもよいアリール、アルキル又はアルコキシ基を表わし、Y3は置換されていてもよいアリール基を表わし、eは1又は2を表わす。)で示される化合物、下式
CF3-SO2O-N(Y4)-C(O)-Y5
(式中、Y4は置換されていてもよいアルキル基を表わし、Y5は置換されていてもよいアリール基を表わす。)で示される化合物、下式
CF3-SO2O-N=C(Y6)(Y7)
(式中、Y6は水素原子又は置換されていてもよいアリールもしくはアルキル基を表わし、Y7は置換されていてもよいアリール基を表わす。)で示される化合物、下式
【0023】
Figure 0003796759
【0024】
で示されるオニウム塩等が挙げられる。
有機溶剤としては、例えばジオキサン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル及びエチレングリコールモノイソプロピルエーテル等のエーテル類、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、シクロペンタノン及びシクロヘキサノン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、乳酸エチル及び乳酸メチル等のエステル類、N,N−ジメチルホルムアミド及びN,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類、N−メチルピロリドン等のピロリドン類、γ−ブチロラクトン等のラクトン類、並びにジメチルスルホキシド等のスルホキシド類等が挙げられる。これらの有機溶剤は単独で、又は2種以上混合して用いられる。レジスト組成物中の有機溶剤量は適宜設定される。
レジスト組成物中の前記色素、アルカリ可溶性樹脂、キノンジアジド化合物、架橋剤及び光酸発生剤の好ましい使用量は有機溶剤中に、各々、1〜50、1〜50、1〜50、0〜30及び0〜30重量%である。
露光に用いられる好ましい照射線としては、例えば紫外線及び遠紫外線等が挙げられる。
【0025】
【発明の効果】
本発明のグリーンフィルター用色素は有機溶剤及びアルカリ性現像液の双方に可溶であるから、有機溶剤及びアルカリ可溶性樹脂を必須成分として含むアルカリ現像可能なポジ及びネガ型レジスト組成物中に高濃度で含有させることができる。従って、上記レジスト組成物を紫外線又は遠紫外線リソグラフィーすることにより得られるグリーンフィルターは色濃度、微細度及び色調等の性能に優れており、CCD 及び LCD等に適用した場合に色再現性及び画像再現性等の性能に優れた素子が得られる。
【0026】
【実施例】
次に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明する。例中、部は重量部を示す。尚、実施例における共通の条件は以下のとおりである。
グリーンフィルターを製造する際、アクリル系樹脂をコーテイングしたCCD (支持体)に色素、アルカリ可溶性樹脂及び有機溶剤等を含むレジスト組成物をスピンコートし、加熱して有機溶剤を蒸発させた後、マスクを通して露光を行い〔ネガ型の場合は必要に応じて加熱(180 ℃、20分)後〕現像してモザイクパターンを得た〔露光はニコン社製i線露光ステッパーNIKON NSR(NA=0.50) により行った。又、現像液は3%テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド水溶液を用いた〕。さらに、ポジ型の場合はパターンを全面露光後、加熱(180 ℃、20分)してグリーンフィルターを得た。
【0027】
合成例1
下式
【0028】
Figure 0003796759
【0029】
で示される酸性染料〔住友化学工業(株)製スミノール ミリング イエローMR〕20g 、塩化チオニル100ml 及びジメチルホルムアミド15g の混合物を還流条件で30分反応させた後、得られた反応混合物を氷水中に注いだ。析出したスルホニルクロリドを濾過後、洗浄及び乾燥後、1,5−ジメチルヘプチルアミンとテトラヒドロフラン中で反応(モル比1:2)させてイエロー色素〔λmax =約410nm (ジメチルホルムアミド中)〕を得た。
【0030】
合成例2〜5
下式
【0031】
Figure 0003796759
【0032】
で示される1級アミンを各々用いる以外は、合成例1と同様にしてイエロー色素を各々得た。
【0033】
合成例6
下式
【0034】
Figure 0003796759
【0035】
で示される染料(C.I.Acid Blue129)20g 、塩化チオニル100ml 及びジメチルホルムアミド15g の混合物を還流条件で30分反応させた後、得られた反応混合物を氷水中に注いだ。析出したスルホニルクロリドを濾過して洗浄及び乾燥後、1,5−ジメチルヘプチルアミンとテトラヒドロフラン中で反応(モル比1:1)させて青色色素〔λmax =約630nm (ジメチルホルムアミド中)〕を得た。
【0036】
実施例1
合成例1で得たイエロー色素0.7 部、オレオゾールファストブルーRL〔田岡化学(株)製の銅フタロシアニン骨格を有する染料、λmax =約680nm (ジメチルホルムアミド中)〕0.7 部、m−クレゾール/p−クレゾール/ホルムアルデヒド(モル比50/50/75)混合物から得られたクレゾールノボラック樹脂1部、下式
【0037】
Figure 0003796759
【0038】
で示されるフェノール化合物のo−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル(平均2個の水酸基がエステル化されている)0.7 部、ヘキサメトキシメチロール化メラミン0.2 部及び乳酸エチル9.5 部の混合物をメンブランフィルターを用いて加圧濾過してグリーン色ポジ型レジスト組成物を得た。前記支持体上に上記レジスト組成物をパターニングして得たグリーンフィルターは薄膜(0.6 μm)でも色濃度が濃く、微細度、パターン形状及び分光特性等の諸性能に優れていた。又、CCD は色再現性及び画像再現性等の諸性能に優れていた。
【0039】
実施例2〜5
合成例1で得たイエロー色素に代えて合成例2〜5で得たイエロー色素を用いる以外は、実施例1と同様にしてレジスト組成物、グリーンフィルター(膜厚0.6 μm)及びCCD を得た。これらのグリーンフィルター及びCCD は実施例1と同様の性能を有していた。
【0040】
実施例6
m−クレゾール/p−クレゾール/ホルムアルデヒド(モル比50/50/75)混合物から得られたクレゾールノボラック樹脂1部に代えて前記化7で示される化合物(a) 及びホルムアルデヒド(モル比95/100 )混合物から得られたノボラック樹脂0.3 部並びにマルカリンカーCST-70〔丸善石油(株)製のスチレン−ビニルフェノール共重合体〕0.7 部の混合樹脂を用いる以外は、実施例1と同様にしてレジスト組成物、グリーンフィルター(膜厚0.6 μm)及びCCD を得た。これらのグリーンフィルター及びCCD は実施例1と同様の性能を有していた。
【0041】
実施例7
オレオゾールファストブルーRLに代えて合成例6で得た青色色素を用いる以外は、実施例6と同様にしてポジ型レジスト組成物、グリーンフィルター(膜厚0.6 μm)及びCCD を得た。これらのグリーンフィルター及びCCD は実施例1と同様の性能を有していた。
【0042】
実施例8
o−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル0.7 部に代えて下式
【0043】
Figure 0003796759
【0044】
で示される光酸発生剤0.2 部を用い、且つ、乳酸エチル9.5 部に代えてジメチルホルムアミド3.5 部と乳酸エチル6部との混合有機溶剤を用いる以外は、実施例6と同様にしてネガ型レジスト組成物、グリーンフィルター(膜厚0.6 μm)及びCCD を得た。これらのグリーンフィルター及びCCD は実施例1と同様の性能を有していた。

Claims (9)

  1. 水素原子が1個置換されたスルホンアミド基を有し且つ500nm 以下の波長領域に吸収を有する色素と、水素原子が1個置換されたスルホンアミド基を有し且つ550nm 以上の波長領域に吸収を有する色素との混合物であることを特徴とするグリーンフィルター用色素であって、
    水素原子が1個置換されたスルホンアミド基が下式
    −SO 2 NH−R
    (Rはアルキル、シクロアルキル、アルキルカルボニルアミノアルキル、アルキルカルボニルアミノ、シクロヘキシルアルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アリール、アラルキルもしくはアルキルカルボニルオキシ基を表わす。)
    で示される基であり、
    500nm 以下の波長領域に吸収を有する色素が一般式(I)
    B−A−M’ (I)
    〔式中、M’は下式
    Figure 0003796759
    (式中、R 3 〜R 5 は各々独立して水素原子、アルキル基、ハロゲン原子、スルホン酸基、スルホン酸塩又は−SO 2 NH−R(Rは前記と同じ意味である)を表わすが、R 3 〜R 5 の少なくとも1つは−SO 2 NH−Rを表わす。)
    で示される基を、Aは下式
    Figure 0003796759
    (式中、R 6 〜R 14 は各々独立して水素原子、アルキル基、ハロゲン原子、スルホン酸基、スルホン酸塩又は上記−SO 2 NH−Rを表わす。)で示される架橋基を、Bは上記のM’、水素原子、或いは置換されていてもよいフェニルアゾフェニル、ナフチルアゾフェニル、フェニルアゾナフチルもしくはナフチルアゾナフチル基を、それぞれ表わす。〕で示されるイエロー色素であり、
    550nm 以上の波長領域に吸収を有する色素が一般式(II)
    Figure 0003796759
    (式中、 Pc はフタロシアニン核を表わし、h及びiは各々 SO 3 M 及び SO 2 -NH-R の平均置換数 を表わし、Rは前記と同じ意味を表わし、 SO 3 M はスルホン酸基又はスルホン酸塩を表わすが、h及びiは各々h+i≦4であり、h≦3であり、且つi=1〜4を満足するものとする。)で示されるシアン色素であり、レジスト組成物に用いられる、グリーンフィルター用色素。
  2. 請求項1に記載のグリーンフィルター用色素、キノンジアジド化合物、アルカリ可溶性樹脂及び有機溶剤を含むことを特徴とするグリーン色ポジ型レジスト組成物であって、レジスト組成物中の前記色素、アルカリ可溶性樹脂、キノンジアジド化合物の使用量は有機溶剤中に、各々、1〜 50 、1〜 50 及び1〜 50 重量%であり、且つ溶剤が乳酸エチルを含む、グリーン色ポジ型レジスト組成物
  3. キノンジアジド化合物がo−ナフトキノンジアジドスルホン酸エステルである、請求項に記載のグリーン色ポジ型レジスト組成物。
  4. さらに、架橋剤を含む、請求項又はに記載のグリーン色ポジ型レジスト組成物。
  5. 請求項1に記載のグリーンフィルター用色素、光酸発生剤、架橋剤、アルカリ可溶性樹脂及び有機溶剤を含むことを特徴とするグリーン色ネガ型レジスト組成物であって、レジスト組成物中の前記色素、アルカリ可溶性樹脂、架橋剤及び光酸発生剤の使用量は有機溶剤中に、各々、1〜 50 、1〜 50 、0〜 30 及び0〜 30 重量%であり、且つ溶剤が乳酸エチルを含む、グリーン色ネガ型レジスト組成物
  6. 支持体上にグリーン色皮膜を設けたグリーンフィルターであって、該グリーン色皮膜は請求項のいずれかに記載のグリーン色レジスト組成物を紫外線又は遠紫外線リソグラフィーすることにより得られるものであることを特徴とするグリーンフィルター。
  7. 支持体上に、請求項又はに記載のグリーン色ポジ型レジスト組成物をリソグラフィーすることにより得られるグリーン色皮膜を設けたグリーンフィルターの製造方法であって、上記リソグラフィーが
    支持体上に上記グリーン色ポジ型レジスト組成物を塗布後、乾燥させて付着層を形成する工程、
    上記付着層の予め定められた部分を紫外線又は遠紫外線に露光する工程、
    及び
    露光領域をアルカリ性現像液で現像してグリーン色ポジ型パターンを形成する工程を含む、グリーンフィルターの製造方法。
  8. 支持体上に、請求項に記載のグリーン色ポジ型レジスト組成物をリソグラフィーすることにより得られるグリーン色皮膜を設けたグリーンフィルターの製造方法であって、上記リソグラフィーが
    支持体上に上記グリーン色ポジ型レジスト組成物を塗布後、乾燥させて付着層を形成する工程、
    上記付着層の予め定められた部分を紫外線又は遠紫外線に露光する工程、
    露光後に加熱する工程、
    露光領域をアルカリ性現像液で現像してグリーン色ポジ型パターンを形成する工程、
    得られたグリーン色ポジ型パターンを全面露光する工程
    及び
    全面露光後、さらに加熱する工程
    を含む、グリーンフィルターの製造方法。
  9. 支持体上に、請求項に記載のグリーン色ネガ型レジスト組成物をリソグラフィーすることにより得られるグリーン色皮膜を設けたグリーンフィルターの製造方法であって、上記リソグラフィーが
    支持体上に上記グリーン色ネガ型レジスト組成物を塗布後、乾燥させて付着層を形成する工程、
    上記付着層の予め定められた部分を紫外線又は遠紫外線に露光する工程、
    露光後に加熱する工程、及び
    非露光領域をアルカリ性現像液で現像してグリーン色ネガ型パターンを形成する工程を含む、グリーンフィルターの製造方法。
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