JP3796708B2 - 離型用フィルム及びプリント基板の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、プリント基板のプレス加工時に使用する離型用フィルムに係り、特にプレス加工時の作業性に優れ、焼却処分が容易な離型用フィルム及びこのフィルムを用いたプリント基板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術とその課題】
プリント基板の一般的な製造方法として、エポキシ樹脂をガラス繊維布に含浸させたプリプレグ(ガラエポ)を適宜枚数重ね、更に銅箔等の金属箔を載置し、プレス加工機により加熱、加圧して一体化する方法が行われている。
【0003】
上記プレス加工時には、プレス加工機のプレス板と基板の間や、基板同志間に離型用フィルムを介在させ、互いに引付いて作業性が悪くなることを防止している。このような離型用フィルムとして、通常、フッ素系プラスチックフィルムであるETFE(エチレンートリフルオロエチレン共重合体)やPVF(フッ化ビニル)が用いられているが、これらのフィルムは高価であり、また、使用後、焼却処分すると環境上問題となるガスが発生し易いという問題があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記問題点を解決するために種々検討の結果、特定のスチレン系フィルムを使用することにより、上記問題を解決できることを見出して完成するに至ったものである。すなわち、本発明の主旨はプリント基板プレス加工時に用いられる離型用フィルムにおいて、該離型用フィルムが無延伸または少なくとも一方向に延伸されたシンジオタクチックポリスチレンフィルムであって、しかも、上記フィルムの少なくとも片面に静電防止剤が塗布されたことを特徴とする離型用フィルム、静電防止剤が脂肪酸アミド化合物であることを特徴とする離型用フィルム、さらにはこれらのフィルムを用いてプレス加工することを特徴とするプリント基板の製造方法にある。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳しく説明する。
本発明におけるシンジオタクチックポリスチレンフィルムとは、立体規則性がシンジオタクチック構造すなわち、炭素−炭素結合からなる形成された主鎖に対して側鎖であるフェニル基や置換フェニル基が交互に反対方向に位置する立体構造を持つものである。このフィルムは無延伸または少なくとも一方向に延伸されたものが使用できる。フィルムの結晶化度としては50%以上が好適である。
【0006】
通常、プリント基板のプレス加工は自動で連続的に行われているため、離型フィルムも自動で搬送されている。この搬送工程でフィルムが静電気により互いに密着してしまい、1枚ずつ搬送することが困難になり易い。本発明の離型フィルムは上記の密着が少ないが、さらに、フィルムの少なくとも片面に静電防止剤を塗布すると帯電がより防止できるので、容易に1枚ずつの搬送ができるようになる。また帯電しないので、ゴミの付着を防止できるという利点もある。
【0007】
さらに、フィルム表面に静電防止剤を塗布することにより、プレス加工時にフィルムに塗工された静電防止剤がプリント基板表面(通常は黒化処理された銅箔表面)に転写され、プリント基板表面のぬれ性が向上する。その結果、プレス加工後のエッチング処理が容易となる。つまり、プリント基板表面のぬれ性が向上するため、プリント基板表面にエッチング液が付着し易くなり、黒化処理された銅箔を部分的に溶解させて回路を形成するエッチング処理の効率が向上する。
【0008】
上記の静電防止剤としては、脂肪酸アミド化合物が好適に使用でき、具体的な脂肪酸アミド化合物としては、次のものが例示できる。モノオキシエチレンラウリン酸モノエタノールアミド,ポリオキシエチレンラウリン酸モノエタノールアミド、モノオキシエチレンミリスチン酸モノエタノールアミド、ポリオキシエチレンミリスチン酸モノエタノールアミド、モノオキシエチレンパルミチン酸モノエタノールアミド、ポリオキシエチレンパルミチン酸モノエタノールアミド、モノオキシエチレンステアリン酸モノエタノールアミド、ポリオキシエチレンステアリン酸モノエタノールアミド、モノオキシエチレンベヘン酸モノエタノールアミド、ポリオキシエチレンベヘン酸モノエタノールアミド。
【0009】
本発明のフィルムの製造方法は特に限定されないが、スクリュー押出機等で溶融混練した後、キャスティング法またはカレンダー法で製膜する方法が例示できる。
【0010】
【実施例】
以下、実施例について説明するが、本発明は、これに限定されるものではない。なお、フィルムの特性の評価方法は以下の通りである。
[プレス加工作業性]
プレス加工時において、プレス加工機の上下プレス板間に離型フィルム/銅箔/ガラエポ/銅箔/離型フィルムの構成で載置する。各基材は自動搬送機を用いて搬送し、静電気により搬送不良(離型フィルムが引付き、作業性が悪い)が発生するかどうかを評価した。
◎ 搬送不良が全く生じなかった。
○ 僅かにフィルムが引付き作業性に劣るが問題ない。
【0011】
[エッチング処理性]
エッチング処理とはプレス加工された黒化処理済みのプリント基板の表面を強酸水溶液で洗浄し、表面の黒化処理部を溶解させ、純粋な銅表面にすることであり、黒化処理部の洗浄性(溶解性)をエッチング処理性として評価する。
◎ 黒化処理部を完全に溶解できた。
○ 黒化処理部をほぼ完全に溶解できた。
× 黒化処理部が残り実用性に劣る。
【0012】
[実施例1]
50μmの無延伸シンジオタクチックポリスチレンフィルムの表面に静電防止層として脂肪酸アミド系静電防止剤(「アミゼット 5C」、川研ファインケミカル社製)をトルエンに溶解し、この液を加熱乾燥後、2μm厚になるように塗布した。ついで、得られたフィルムを離型フィルムにして、黒化処理された銅箔、ガラス布にエポキシ樹脂を含浸させたプリプレグを用い、自動プレス機で下記条件にてプレス加工し、プリント基板(厚み1mm)を作成した。
・プレス加工条件
加熱温度:180℃
プレス圧:2.9×106
Pa加熱時間:60分
得られたプリント基板の銅箔をエッチング処理し回路を形成した。
【0013】
[比較例1]
50μmのETEFフィルムを離型フィルムに用いた以外は実施例1と同様にしてプリント基板を作成し、得られたプリント基板をエッチング処理した。
【0014】
実施例1と比較例1についてプレス加工作業性と得られたプリント基板のエッチング処理性を評価し、結果を表1に示した。
また、焼却処理性、価格及び総合評価についても表1に示した。
焼却処理性は通常の焼却処理で環境上問題となるガスの発生がないものを◎とし、環境上問題となるガスが発生し易いものを×とした。また価格は比較例の価格を100とした場合の相対価格を示した。
【0015】
【表1】
【0016】
【発明の効果】
本発明によれば、プレス加工時の作業性やエッチング処理性に優れ、焼却処分が容易な離型用フィルムが得られる。
Claims (3)
- プリント基板プレス加工時に用いられる離型用フィルムにおいて、該離型用フィルムが無延伸または少なくとも一方向に延伸されたシンジオタクチックポリスチレンフィルムであって、しかも該シンジオタクチックポリスチレンフィルムの少なくとも片面に静電防止剤が塗布されたことを特徴とする離型用フィルム。
- 請求項1における静電防止剤が脂肪酸アミド化合物であることを特徴とする離型用フィルム。
- 請求項1又は2記載の離型用フィルムを用いてプレス加工することを特徴とするプリント基板の製造方法。
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JP33249099A JP3796708B2 (ja) | 1999-11-24 | 1999-11-24 | 離型用フィルム及びプリント基板の製造方法 |
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- 1999-11-24 JP JP33249099A patent/JP3796708B2/ja not_active Expired - Fee Related
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