JP2004082511A - 離型用フィルムを用いたプリント基板のプレス加工方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】プリント基板との剥離性やプリント基板への耐汚染性に優れたプリント基板のプレス加工方法を提供する。
【解決手段】離型用フィルムを用いプリント基板をプレス加工する方法において、離型用フィルムの少なくとも片面にプリント基板に転写可能な転写層を設けてなり、該転写層を構成する樹脂のガラス転移温度Tg(℃)、プレス加工後の離型用フィルム解体温度Tk(℃)、基板の間に設置された接着剤樹脂の流動開始温度Tf(℃)が式1で表される関係であることを特徴とする離型用フィルムを用いたプリント基板のプレス加工方法。
Tf ≧ Tg ≧ Tk………(式1)
【選択図】 なし
【解決手段】離型用フィルムを用いプリント基板をプレス加工する方法において、離型用フィルムの少なくとも片面にプリント基板に転写可能な転写層を設けてなり、該転写層を構成する樹脂のガラス転移温度Tg(℃)、プレス加工後の離型用フィルム解体温度Tk(℃)、基板の間に設置された接着剤樹脂の流動開始温度Tf(℃)が式1で表される関係であることを特徴とする離型用フィルムを用いたプリント基板のプレス加工方法。
Tf ≧ Tg ≧ Tk………(式1)
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は離型用フィルムを用いたプリント基板のプレス加工方法に係り、特にプリント基板との剥離性やプリント基板への耐汚染性に優れたプレス加工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
プリント基板の一般的な製造方法として、エポキシ樹脂をガラス繊維布に含浸させたプリプレグ(ガラエポ)を適宜枚数重ね、更に銅箔等の金属箔を載置し、プレス加工機により加熱、加圧して一体化する方法が行われている。
【0003】
上記プレス加工時には、プレス加工機のプレス板と基板の間や、基板同志間に離型用フィルムを介在させ、互いに引付いて作業性が悪くなることを防止している。このような離型用フィルムとして、通常、フッ素系プラスチックフィルムであるETFE(エチレンートリフルオロエチレン共重合体)やPVF(フッ化ビニル)が用いられているが、これらのフィルムは高価であり、また、使用後、焼却処分すると環境上問題となるガスが発生し易いという問題があった。
【0004】
そこで、上記以外の樹脂としてシンジオタクチックポリスチレン樹脂を使用した離型フィルムが種々検討されている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
通常、シンジオタクチックポリスチレン樹脂を使用したフィルムは樹脂自体の立体構造に起因した低靱性のため機械的強度が低くフィルムの割れや破れが発生し易い欠点を有している。
この欠点を改良する技術としてシンジオタクチックポリスチレン樹脂にスチレン−ブタジエンゴム等の他の熱可塑性樹脂を添加した組成物からなるフィルムが検討されている。
このようなフィルムでは、熱可塑性樹脂の添加により確かに機械的強度は向上するが、シンジオタクチックポリスチレン自身が有する特性を十分発揮できず、プリント基板のプレス加工時に使用すると下記のような問題を生じることが判明した。
【0006】
即ち、低靱性を改良するために熱可塑性樹脂の添加量を増加させると確実に機械的物性は向上するが、本来シンジオタクチックポリスチレン自身が持っている優れたプリント基板との剥離性が低下するだけでなく、添加した熱可塑性樹脂がプリント基板成形時に熱分解してその一部がフィルム表面に出て(ブリードする)プリント基板を汚染する原因になり、この汚染物は除去が困難で後工程に問題を引き起こすことが多い。
また、上記フィルム表面にブリードする汚染物の発生を抑制させるために熱可塑性樹脂量を減らすと、必要とする機械的強度を得ることができず、たとえ機械的強度を上げるためにフィルム厚さを増したとして、シンジオタクチックポリスチレン自身の耐折強度はさほどの向上が見られない。
不具合なく使用するにはフィルム厚さをかなり厚くし、曲げ強さを向上させなければならず、この肉厚のフィルムを離型用フィルムに使用する場合には伝熱が悪くなって加工上の不具合が発生するという問題があった。
【0007】
そこで、上記問題を解決するために、中間層をシンジオタクチックポリスチレン樹脂に添加する熱可塑性樹脂量を増やし、外層をシンジオタクチックポリスチレン樹脂単体樹脂層から構成した積層フィルムも検討されている。
このような積層フィルムにより機械的強度や汚染の問題はほぼ解消できるが、プリント基板によっては剥離性が充分でないという問題が生じた。
また、プリプレグの接着性をより強固にするために、IVH(インターシャルバイアホール)基板では銅箔のエッチングを工夫しアンカー効果を上げることがなされており、このようなプリント基板では銅箔表面との剥離性が低下し易く、加工時に使用する離型用フィルムに上記積層フィルムを用いても、離型性が十分に対応できず剥離時にフィルム破断が発生したりするという問題があった。
【0008】
【特許文献1】
特開平11−349703号公報
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記問題点を解消できる加工方法を見出したものであって、
その要旨とするところは、
離型用フィルムを用いプリント基板をプレス加工する方法において、離型用フィルムの少なくとも片面にプリント基板に転写可能な転写層を設けてなり、該転写層を構成する樹脂のガラス転移温度Tg(℃)、プレス加工後の離型用フィルム解体温度Tk(℃)、基板の間に設置された接着剤樹脂の流動開始温度Tf(℃)が式1で表される関係でり、好ましくは、式2で示す関係である。
Tf ≧ Tg ≧ Tk………(式1)
Tf−5(℃) ≧ Tg ≧ Tk+5(℃) ………(式2)
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳しく説明する。
本発明で使用する離型用フィルムにおける基材フィルムには、シンジオタクチックポリスチレン樹脂からなるフィルムが好適に使用でき、シンジオタクチックポリスチレン樹脂は立体規則性がシンジオタクチック構造すなわち、炭素−炭素結合からなる形成された主鎖に対して側鎖であるフェニル基や置換フェニル基が交互に反対方向に位置する立体構造を持つものである。
また、機械的強度向上のため上記の主成分のシンジオタクチックポリスチレン樹脂にSBS(スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体)、SEBS(水添スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体)、SEPS(水素添加スチレン−イソプレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体)、PE(ポリエチレン)等の汎用のオレフィン材を必要に応じ添加しても良いし、積層化しても良い。
本発明の基材フィルムの成形法は、特に制限はなく、例えば、押出しキャスト法で製造する場合には、シンジオタクチックポリスチレン層の押出機シリンダー温度を270〜350℃に設定し、中間層に合わせ押出しラミネート法やフィードブロック、マルチマニホールドダイを使用して多層化しても良い。
なお、耐熱性等を得るためにはシンジオタクチックポリスチレン層を十分に結晶化する必要があり、公知の熱処理装置により結晶化処理を行う必要がある。
例えば、テンター装置を使用し乾燥機中にてフィルムを熱固定する等の方法や、熱処理ロールを使用し150〜220℃近辺で熱処理を行えばよい。
【0011】
上記内容のフィルムの少なくとも片面には、プリント基板に転写可能な樹脂からなる転写層を設ける。本発明で使用する転写層には水溶性樹脂が好適に使用でき。水溶性樹脂は、天然系としてゼラチン、アルギン酸塩等、半合成系として水溶性セルロース系のメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等、合成系として、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキサイド、ポリアクリル酸等が挙げられるが、原料の安定性、品質よりポリビニルアルコールやポリビニルアルコールを主成分とする前記記載の樹脂の混合物が好ましい。
【0012】
本発明で使用される転写層を構成する水溶性樹脂は、天然系としてゼラチン、アルギン酸塩等、半合成系として水溶性セルロース系のメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等、合成系として、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキサイド、ポリアクリル酸等が挙げられるが、原料の安定性、品質よりポリビニルアルコールやポリビニルアルコールを主成分とする前記記載の樹脂の混合物が好ましい。
【0013】
また、上記転写層には無機フィラーを混合したものが好適に使用でき、無機フィラーとしてはシリカ、アルミナ、酸化チタン,酸化亜鉛,酸化鉄等の金属酸化物が挙げられ、ここに挙げた金属酸化物以外のものでも良い。特に原料の安定性、品質よりシリカやシリカを主成分とする前記記載の無機フィラーの混合物が好ましい。
【0014】
転写層に水溶性樹脂のみをシンジオタクチックポリスチレン系フィルムに塗工させた場合、シンジオタクチックポリスチレン樹脂は濡れ性の低い材料のため、低濃度での水溶性樹脂水溶液を均一に塗布することが困難である。その場合には、必要に応じあらかじめ若干の界面活性剤を、転写層である水溶性樹脂の水溶液に添加し塗布することが好ましい。
これに使用できる界面活性剤とは、脂肪酸多価アルコールエステル、ポリオキシエチレンの非イオン系、スルホン酸、ホスフェート塩の陰イオン系、四級アンモニウム塩のカチオン系、ベタイン塩、アラニン塩の両性系が使用可能だが非イオン系界面活性剤が好適である。添加量としては0.1〜2%程度が好ましい。また、無機フィラーの分散性をアップさせるために、無機フィラーの比表面積に合った分散剤を添加してもよい
【0015】
次に、転写層の塗布についても特に制限はないが、製膜時にスプレー塗布、グラビアロールにて溶液コートさせる方法等があり、インライン、アウトラインは問わず実施することが可能である。また、フィルムの結晶化処理と同時に塗膜乾燥を実施することも可能である。
転写層については、水溶性樹脂を使用することにより、後工程におけるプリント基板洗浄研磨工程にて、当該基板上の転写層の除去が可能である。
プリント基板に転写した転写層の除去は、プリント基板の洗浄工程(水洗、ソフトエッチング)で容易に除去が可能で、一般的な熱プレス成形後のプリント基板洗浄工程で十分に除去ができる。
洗浄工程の一般的手法としては、プレス後に水で簡単に洗浄し、その後ソフトエッチング液(硫酸−過酸化水素水混合液)にて銅表面の還元処理を実施する。
【0016】
本発明においては上記転写層を構成する樹脂のガラス転移温度Tg(℃)、プレス加工後の解体温度Tk(℃)、基板の間に設置された接着剤樹脂の流動開始温度Tf(℃)との関係が重要であり、下記式1の関係、好ましくは、式2で示す関係である。
Tf ≧ Tg ≧ Tk………(式1)
Tf−5(℃) ≧ Tg ≧ Tk+5(℃) ………(式2)
【0017】
ガラス転移温度TgはJIS K 7121で規定された方法で測定された値であり,流動開始温度Tfは以下に示す方法によって測定された値である。
(株)島津製作所製のキャピラリーレオメータ(CFT−500C)を用い、溶融した接着剤樹脂が細管を通過する時の粘性抵抗を測定し、流動開始温度Tfを決定した。
接着剤樹脂を所定のシリンダに充填し、一定の圧力を加え、昇温によって接着剤樹脂が固体域からゴム状領域を経て、流動域になる温度を流動開始温度Tfと定義した。測定条件は以下の通りである。
・細管サイズ : φ1mm ×長さ2mm
・昇温速度 : 3℃/分
・圧力 : 40kg/cm2
【0018】
転写層を構成する樹脂のガラス転移温度Tgが、プレス加工後の解体温度Tkよりも低い場合、解体時において、転写層が軟らかく変形しやすい状態であるため、基板表面の凹凸部に転写層が入り込み(アンカー効果)、基板を密着し易い。そのため、無理に引き剥がすと離型用フィルムが破れてしまい、引き剥がしの手間がかかるという問題がある。
また、転写層を構成する樹脂のガラス転移温度Tgが、基板の間に設置された接着剤樹脂の流動開始温度Tfよりも高い場合、プレス加工の昇温時において、転写層が硬く変形しにくい状態であるため、基板に開けられた穴部からしみ出してきた接着剤樹脂を封止することができなくなる。そのため、得られた基板の表面平滑性が失われるという問題がある。
以上のことより、転写層を構成する樹脂のガラス転移温度Tg(℃)、プレス加工後の解体温度Tk(℃)、基板の間に設置された接着剤樹脂の流動開始温度Tf(℃)の関係は式1で示される関係であり、好ましくは式2で示す関係であることが好ましい。
【0019】
ここで用いられる接着剤樹脂にはエポキシ樹脂、エポキシ樹脂が含浸されたガラス繊維、BTレジンが挙げられる。また、上記に挙げた樹脂以外でも、式1もしくは式2を満足させる樹脂であれば限定されない。
【0020】
【実施例】
以下、本発明の実施例を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
(実施例1)
シンジオタクチックポリスチレン樹脂(出光石油化学社製「ザレック 30A」)90質量部にSBS(旭化成工業社製「タフテック1052」)を10質量部添加しマスターペレットを作製し、押出しキャスト法(シリンダー温度を270〜300℃)にて50μmのフィルムを作製し、テンター装置を使用し乾燥機(機内温度180℃)中にてシートを熱固定し結晶化フィルム製作した。
次に、下記の転写層塗工用塗料をガラスビーズ入りのペイントシェーカーで作成し、グラビアロールで乾燥後、塗工厚は0.6μmになるように上記結晶化フィルムの片面に塗工して転写層を形成し、離型用フィルムを作成した。
【0021】
〔転写層塗工用塗料配合〕
・ポリビニルアルコール 5重量部
(日本合成化学製「ゴーセノールGH17」, Tg=58℃)
・シリカ 5重量部
(日本アエロジル製「アエロジル200」)
・蒸留水 135重量部
・エタノール 45重量部
【0022】
そして、得られたフィルムを所定のサイズに裁断後、プリント基板プレス用の離型フィルムとして用いた。
次に、流動開始温度Tf:58℃のエポキシ樹脂含浸ガラスクロス入りプリプレグを用い、下記の条件でプレス加工を行った。そして、プレス加工後の解体はプリント基板が 58℃(=解体温度:Tk)まで冷却された時点で行った。次に、取り出されたプリント基板の洗浄を行って、▲1▼基板の表面平滑性,▲2▼離型用フィルムの破壊状態を評価した。評価結果は表1に示す。
(プリント基板のプレス加工条件)
基板プレス加工用のプレス機を用いて、下記材料を装置内にセットし、プレス加工した。
使用材料:
クッション材/SUS化粧板/離型用フィルム/積層成形材料(外層用銅張り積層板、内層用銅張り積層板、エポキシ樹脂含浸ガラスクロス入りプリプレグ(流動開始温度Tf:58℃)/離型用フィルム/SUS化粧板/クッション材プレス条件:
プレス温度 175℃
プレス時間 60分
プレス圧力 30kg/cm2
解体温度 58℃
【0023】
評価項目:
▲1▼基板の表面平滑性
プレス加工時に発生するIVH等の穴周囲部の樹脂(接着剤)のはみ出しにより発生した基板の凹凸状態を目視で評価した。
○:凹凸はなく、平滑である。
△:わずかに凹凸がある程度で使用上の問題はない。
×:凹凸があり、使用上の問題がある。
【0024】
▲2▼ 離型用フィルムの破壊状態
プレス加工し、常温まで冷却した後、基板から離型用フィルムをはがした時の基材フィルムの破れの有無を評価した。
○:離型用フィルムが破れない。
△:離型用フィルムがわずかに破れたが、使用上の問題はない。
×:離型用フィルムが破れ、使用上に問題がある。
【0025】
▲3▼総合評価 ○:良好 △:使用上問題はない。 ×:使用できない。
【0026】
(実施例2)
実施例1で作成した離型用フィルムを用い、流動開始温度Tf:63℃のエポキシ樹脂含浸ガラスクロス入りプリプレグ、解体温度Tkを55℃に変更した以外はすべて実施例1と同様の方法でプレス加工した。そして、得られたプリント基板を実施例1と同様の方法で評価した。評価結果は表1に示す。
【0027】
(実施例3)
実施例1で作成した離型用フィルムを用い、流動開始温度Tf:60℃のエポキシ樹脂含浸ガラスクロス入りプリプレグ解体温度Tkを53℃に変更した以外はすべて実施例1と同様の方法でプレス加工した。そして、得られたプリント基板を実施例1と同様の方法で評価した。評価結果は表1に示す。
【0028】
(実施例4)
実施例1で作成した離型用フィルムを用い、流動開始温度Tf:63℃のエポキシ樹脂含浸ガラスクロス入りプリプレグ、解体温度Tkを53℃に変更した以外はすべて実施例1と同様の方法でプレス加工した。そして、得られたプリント基板を実施例1と同様の方法で評価した。評価結果は表1に示す。
【0029】
(実施例5)
実施例1で作成した離型用フィルムを用い、流動開始温度Tf:80℃のエポキシ樹脂含浸ガラスクロス入りプリプレグ、解体温度Tkを40℃に変更した以外はすべて実施例1と同様の方法でプレス加工した。そして、得られたプリント基板を実施例1と同様の方法で評価した。評価結果は表1に示す。
【0030】
(比較例1)
実施例1で作成した離型用フィルムを用い、流動開始温度Tf:53℃のエポキシ樹脂含浸ガラスクロス入りプリプレグ、解体温度Tkを58℃に変更した以外はすべて実施例1と同様の方法でプレス加工した。そして、得られたプリント基板を実施例1と同様の方法で評価した。評価結果は表1に示す。
【0031】
(比較例2)
実施例1で作成した離型用フィルムを用い、流動開始温度Tf:58℃のエポキシ樹脂含浸ガラスクロス入りプリプレグ、解体温度Tkを60℃に変更した以外はすべて実施例1と同様の方法でプレス加工した。そして、得られたプリント基板を実施例1と同様の方法で評価した。評価結果は表1に示す。
【0032】
(比較例3)
実施例1で作成した離型用フィルムを用い、流動開始温度Tf:53℃のエポキシ樹脂含浸ガラスクロス入りプリプレグ、解体温度Tkを60℃に変更した以外はすべて実施例1と同様の方法でプレス加工した。そして、得られたプリント基板を実施例1と同様の方法で評価した。評価結果は表1に示す。
【0033】
【表1】
【0034】
表1より、転写層のガラス転移温度Tg(℃),解体温度Tk(℃),接着剤樹脂の流動開始温度Tf(℃)をTf≧Tg≧Tkの関係を満たすことにより、高性能なプリント基板が得られることが分かる。
また、Tf−5(℃)≧Tg≧Tk+5(℃)の関係を満たすことで、さらに高性能なプリント基板が得られることが分かる。
【0035】
【発明の効果】
本発明のプリント基板のプレス加工方法によれば、プリント基板と離型用フィルムの剥離性やプリント基板への耐汚染性に優れていることから高性能なプリント基板が得られるという利点がある。
【発明の属する技術分野】
本発明は離型用フィルムを用いたプリント基板のプレス加工方法に係り、特にプリント基板との剥離性やプリント基板への耐汚染性に優れたプレス加工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
プリント基板の一般的な製造方法として、エポキシ樹脂をガラス繊維布に含浸させたプリプレグ(ガラエポ)を適宜枚数重ね、更に銅箔等の金属箔を載置し、プレス加工機により加熱、加圧して一体化する方法が行われている。
【0003】
上記プレス加工時には、プレス加工機のプレス板と基板の間や、基板同志間に離型用フィルムを介在させ、互いに引付いて作業性が悪くなることを防止している。このような離型用フィルムとして、通常、フッ素系プラスチックフィルムであるETFE(エチレンートリフルオロエチレン共重合体)やPVF(フッ化ビニル)が用いられているが、これらのフィルムは高価であり、また、使用後、焼却処分すると環境上問題となるガスが発生し易いという問題があった。
【0004】
そこで、上記以外の樹脂としてシンジオタクチックポリスチレン樹脂を使用した離型フィルムが種々検討されている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
通常、シンジオタクチックポリスチレン樹脂を使用したフィルムは樹脂自体の立体構造に起因した低靱性のため機械的強度が低くフィルムの割れや破れが発生し易い欠点を有している。
この欠点を改良する技術としてシンジオタクチックポリスチレン樹脂にスチレン−ブタジエンゴム等の他の熱可塑性樹脂を添加した組成物からなるフィルムが検討されている。
このようなフィルムでは、熱可塑性樹脂の添加により確かに機械的強度は向上するが、シンジオタクチックポリスチレン自身が有する特性を十分発揮できず、プリント基板のプレス加工時に使用すると下記のような問題を生じることが判明した。
【0006】
即ち、低靱性を改良するために熱可塑性樹脂の添加量を増加させると確実に機械的物性は向上するが、本来シンジオタクチックポリスチレン自身が持っている優れたプリント基板との剥離性が低下するだけでなく、添加した熱可塑性樹脂がプリント基板成形時に熱分解してその一部がフィルム表面に出て(ブリードする)プリント基板を汚染する原因になり、この汚染物は除去が困難で後工程に問題を引き起こすことが多い。
また、上記フィルム表面にブリードする汚染物の発生を抑制させるために熱可塑性樹脂量を減らすと、必要とする機械的強度を得ることができず、たとえ機械的強度を上げるためにフィルム厚さを増したとして、シンジオタクチックポリスチレン自身の耐折強度はさほどの向上が見られない。
不具合なく使用するにはフィルム厚さをかなり厚くし、曲げ強さを向上させなければならず、この肉厚のフィルムを離型用フィルムに使用する場合には伝熱が悪くなって加工上の不具合が発生するという問題があった。
【0007】
そこで、上記問題を解決するために、中間層をシンジオタクチックポリスチレン樹脂に添加する熱可塑性樹脂量を増やし、外層をシンジオタクチックポリスチレン樹脂単体樹脂層から構成した積層フィルムも検討されている。
このような積層フィルムにより機械的強度や汚染の問題はほぼ解消できるが、プリント基板によっては剥離性が充分でないという問題が生じた。
また、プリプレグの接着性をより強固にするために、IVH(インターシャルバイアホール)基板では銅箔のエッチングを工夫しアンカー効果を上げることがなされており、このようなプリント基板では銅箔表面との剥離性が低下し易く、加工時に使用する離型用フィルムに上記積層フィルムを用いても、離型性が十分に対応できず剥離時にフィルム破断が発生したりするという問題があった。
【0008】
【特許文献1】
特開平11−349703号公報
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記問題点を解消できる加工方法を見出したものであって、
その要旨とするところは、
離型用フィルムを用いプリント基板をプレス加工する方法において、離型用フィルムの少なくとも片面にプリント基板に転写可能な転写層を設けてなり、該転写層を構成する樹脂のガラス転移温度Tg(℃)、プレス加工後の離型用フィルム解体温度Tk(℃)、基板の間に設置された接着剤樹脂の流動開始温度Tf(℃)が式1で表される関係でり、好ましくは、式2で示す関係である。
Tf ≧ Tg ≧ Tk………(式1)
Tf−5(℃) ≧ Tg ≧ Tk+5(℃) ………(式2)
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳しく説明する。
本発明で使用する離型用フィルムにおける基材フィルムには、シンジオタクチックポリスチレン樹脂からなるフィルムが好適に使用でき、シンジオタクチックポリスチレン樹脂は立体規則性がシンジオタクチック構造すなわち、炭素−炭素結合からなる形成された主鎖に対して側鎖であるフェニル基や置換フェニル基が交互に反対方向に位置する立体構造を持つものである。
また、機械的強度向上のため上記の主成分のシンジオタクチックポリスチレン樹脂にSBS(スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体)、SEBS(水添スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体)、SEPS(水素添加スチレン−イソプレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体)、PE(ポリエチレン)等の汎用のオレフィン材を必要に応じ添加しても良いし、積層化しても良い。
本発明の基材フィルムの成形法は、特に制限はなく、例えば、押出しキャスト法で製造する場合には、シンジオタクチックポリスチレン層の押出機シリンダー温度を270〜350℃に設定し、中間層に合わせ押出しラミネート法やフィードブロック、マルチマニホールドダイを使用して多層化しても良い。
なお、耐熱性等を得るためにはシンジオタクチックポリスチレン層を十分に結晶化する必要があり、公知の熱処理装置により結晶化処理を行う必要がある。
例えば、テンター装置を使用し乾燥機中にてフィルムを熱固定する等の方法や、熱処理ロールを使用し150〜220℃近辺で熱処理を行えばよい。
【0011】
上記内容のフィルムの少なくとも片面には、プリント基板に転写可能な樹脂からなる転写層を設ける。本発明で使用する転写層には水溶性樹脂が好適に使用でき。水溶性樹脂は、天然系としてゼラチン、アルギン酸塩等、半合成系として水溶性セルロース系のメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等、合成系として、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキサイド、ポリアクリル酸等が挙げられるが、原料の安定性、品質よりポリビニルアルコールやポリビニルアルコールを主成分とする前記記載の樹脂の混合物が好ましい。
【0012】
本発明で使用される転写層を構成する水溶性樹脂は、天然系としてゼラチン、アルギン酸塩等、半合成系として水溶性セルロース系のメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等、合成系として、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキサイド、ポリアクリル酸等が挙げられるが、原料の安定性、品質よりポリビニルアルコールやポリビニルアルコールを主成分とする前記記載の樹脂の混合物が好ましい。
【0013】
また、上記転写層には無機フィラーを混合したものが好適に使用でき、無機フィラーとしてはシリカ、アルミナ、酸化チタン,酸化亜鉛,酸化鉄等の金属酸化物が挙げられ、ここに挙げた金属酸化物以外のものでも良い。特に原料の安定性、品質よりシリカやシリカを主成分とする前記記載の無機フィラーの混合物が好ましい。
【0014】
転写層に水溶性樹脂のみをシンジオタクチックポリスチレン系フィルムに塗工させた場合、シンジオタクチックポリスチレン樹脂は濡れ性の低い材料のため、低濃度での水溶性樹脂水溶液を均一に塗布することが困難である。その場合には、必要に応じあらかじめ若干の界面活性剤を、転写層である水溶性樹脂の水溶液に添加し塗布することが好ましい。
これに使用できる界面活性剤とは、脂肪酸多価アルコールエステル、ポリオキシエチレンの非イオン系、スルホン酸、ホスフェート塩の陰イオン系、四級アンモニウム塩のカチオン系、ベタイン塩、アラニン塩の両性系が使用可能だが非イオン系界面活性剤が好適である。添加量としては0.1〜2%程度が好ましい。また、無機フィラーの分散性をアップさせるために、無機フィラーの比表面積に合った分散剤を添加してもよい
【0015】
次に、転写層の塗布についても特に制限はないが、製膜時にスプレー塗布、グラビアロールにて溶液コートさせる方法等があり、インライン、アウトラインは問わず実施することが可能である。また、フィルムの結晶化処理と同時に塗膜乾燥を実施することも可能である。
転写層については、水溶性樹脂を使用することにより、後工程におけるプリント基板洗浄研磨工程にて、当該基板上の転写層の除去が可能である。
プリント基板に転写した転写層の除去は、プリント基板の洗浄工程(水洗、ソフトエッチング)で容易に除去が可能で、一般的な熱プレス成形後のプリント基板洗浄工程で十分に除去ができる。
洗浄工程の一般的手法としては、プレス後に水で簡単に洗浄し、その後ソフトエッチング液(硫酸−過酸化水素水混合液)にて銅表面の還元処理を実施する。
【0016】
本発明においては上記転写層を構成する樹脂のガラス転移温度Tg(℃)、プレス加工後の解体温度Tk(℃)、基板の間に設置された接着剤樹脂の流動開始温度Tf(℃)との関係が重要であり、下記式1の関係、好ましくは、式2で示す関係である。
Tf ≧ Tg ≧ Tk………(式1)
Tf−5(℃) ≧ Tg ≧ Tk+5(℃) ………(式2)
【0017】
ガラス転移温度TgはJIS K 7121で規定された方法で測定された値であり,流動開始温度Tfは以下に示す方法によって測定された値である。
(株)島津製作所製のキャピラリーレオメータ(CFT−500C)を用い、溶融した接着剤樹脂が細管を通過する時の粘性抵抗を測定し、流動開始温度Tfを決定した。
接着剤樹脂を所定のシリンダに充填し、一定の圧力を加え、昇温によって接着剤樹脂が固体域からゴム状領域を経て、流動域になる温度を流動開始温度Tfと定義した。測定条件は以下の通りである。
・細管サイズ : φ1mm ×長さ2mm
・昇温速度 : 3℃/分
・圧力 : 40kg/cm2
【0018】
転写層を構成する樹脂のガラス転移温度Tgが、プレス加工後の解体温度Tkよりも低い場合、解体時において、転写層が軟らかく変形しやすい状態であるため、基板表面の凹凸部に転写層が入り込み(アンカー効果)、基板を密着し易い。そのため、無理に引き剥がすと離型用フィルムが破れてしまい、引き剥がしの手間がかかるという問題がある。
また、転写層を構成する樹脂のガラス転移温度Tgが、基板の間に設置された接着剤樹脂の流動開始温度Tfよりも高い場合、プレス加工の昇温時において、転写層が硬く変形しにくい状態であるため、基板に開けられた穴部からしみ出してきた接着剤樹脂を封止することができなくなる。そのため、得られた基板の表面平滑性が失われるという問題がある。
以上のことより、転写層を構成する樹脂のガラス転移温度Tg(℃)、プレス加工後の解体温度Tk(℃)、基板の間に設置された接着剤樹脂の流動開始温度Tf(℃)の関係は式1で示される関係であり、好ましくは式2で示す関係であることが好ましい。
【0019】
ここで用いられる接着剤樹脂にはエポキシ樹脂、エポキシ樹脂が含浸されたガラス繊維、BTレジンが挙げられる。また、上記に挙げた樹脂以外でも、式1もしくは式2を満足させる樹脂であれば限定されない。
【0020】
【実施例】
以下、本発明の実施例を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
(実施例1)
シンジオタクチックポリスチレン樹脂(出光石油化学社製「ザレック 30A」)90質量部にSBS(旭化成工業社製「タフテック1052」)を10質量部添加しマスターペレットを作製し、押出しキャスト法(シリンダー温度を270〜300℃)にて50μmのフィルムを作製し、テンター装置を使用し乾燥機(機内温度180℃)中にてシートを熱固定し結晶化フィルム製作した。
次に、下記の転写層塗工用塗料をガラスビーズ入りのペイントシェーカーで作成し、グラビアロールで乾燥後、塗工厚は0.6μmになるように上記結晶化フィルムの片面に塗工して転写層を形成し、離型用フィルムを作成した。
【0021】
〔転写層塗工用塗料配合〕
・ポリビニルアルコール 5重量部
(日本合成化学製「ゴーセノールGH17」, Tg=58℃)
・シリカ 5重量部
(日本アエロジル製「アエロジル200」)
・蒸留水 135重量部
・エタノール 45重量部
【0022】
そして、得られたフィルムを所定のサイズに裁断後、プリント基板プレス用の離型フィルムとして用いた。
次に、流動開始温度Tf:58℃のエポキシ樹脂含浸ガラスクロス入りプリプレグを用い、下記の条件でプレス加工を行った。そして、プレス加工後の解体はプリント基板が 58℃(=解体温度:Tk)まで冷却された時点で行った。次に、取り出されたプリント基板の洗浄を行って、▲1▼基板の表面平滑性,▲2▼離型用フィルムの破壊状態を評価した。評価結果は表1に示す。
(プリント基板のプレス加工条件)
基板プレス加工用のプレス機を用いて、下記材料を装置内にセットし、プレス加工した。
使用材料:
クッション材/SUS化粧板/離型用フィルム/積層成形材料(外層用銅張り積層板、内層用銅張り積層板、エポキシ樹脂含浸ガラスクロス入りプリプレグ(流動開始温度Tf:58℃)/離型用フィルム/SUS化粧板/クッション材プレス条件:
プレス温度 175℃
プレス時間 60分
プレス圧力 30kg/cm2
解体温度 58℃
【0023】
評価項目:
▲1▼基板の表面平滑性
プレス加工時に発生するIVH等の穴周囲部の樹脂(接着剤)のはみ出しにより発生した基板の凹凸状態を目視で評価した。
○:凹凸はなく、平滑である。
△:わずかに凹凸がある程度で使用上の問題はない。
×:凹凸があり、使用上の問題がある。
【0024】
▲2▼ 離型用フィルムの破壊状態
プレス加工し、常温まで冷却した後、基板から離型用フィルムをはがした時の基材フィルムの破れの有無を評価した。
○:離型用フィルムが破れない。
△:離型用フィルムがわずかに破れたが、使用上の問題はない。
×:離型用フィルムが破れ、使用上に問題がある。
【0025】
▲3▼総合評価 ○:良好 △:使用上問題はない。 ×:使用できない。
【0026】
(実施例2)
実施例1で作成した離型用フィルムを用い、流動開始温度Tf:63℃のエポキシ樹脂含浸ガラスクロス入りプリプレグ、解体温度Tkを55℃に変更した以外はすべて実施例1と同様の方法でプレス加工した。そして、得られたプリント基板を実施例1と同様の方法で評価した。評価結果は表1に示す。
【0027】
(実施例3)
実施例1で作成した離型用フィルムを用い、流動開始温度Tf:60℃のエポキシ樹脂含浸ガラスクロス入りプリプレグ解体温度Tkを53℃に変更した以外はすべて実施例1と同様の方法でプレス加工した。そして、得られたプリント基板を実施例1と同様の方法で評価した。評価結果は表1に示す。
【0028】
(実施例4)
実施例1で作成した離型用フィルムを用い、流動開始温度Tf:63℃のエポキシ樹脂含浸ガラスクロス入りプリプレグ、解体温度Tkを53℃に変更した以外はすべて実施例1と同様の方法でプレス加工した。そして、得られたプリント基板を実施例1と同様の方法で評価した。評価結果は表1に示す。
【0029】
(実施例5)
実施例1で作成した離型用フィルムを用い、流動開始温度Tf:80℃のエポキシ樹脂含浸ガラスクロス入りプリプレグ、解体温度Tkを40℃に変更した以外はすべて実施例1と同様の方法でプレス加工した。そして、得られたプリント基板を実施例1と同様の方法で評価した。評価結果は表1に示す。
【0030】
(比較例1)
実施例1で作成した離型用フィルムを用い、流動開始温度Tf:53℃のエポキシ樹脂含浸ガラスクロス入りプリプレグ、解体温度Tkを58℃に変更した以外はすべて実施例1と同様の方法でプレス加工した。そして、得られたプリント基板を実施例1と同様の方法で評価した。評価結果は表1に示す。
【0031】
(比較例2)
実施例1で作成した離型用フィルムを用い、流動開始温度Tf:58℃のエポキシ樹脂含浸ガラスクロス入りプリプレグ、解体温度Tkを60℃に変更した以外はすべて実施例1と同様の方法でプレス加工した。そして、得られたプリント基板を実施例1と同様の方法で評価した。評価結果は表1に示す。
【0032】
(比較例3)
実施例1で作成した離型用フィルムを用い、流動開始温度Tf:53℃のエポキシ樹脂含浸ガラスクロス入りプリプレグ、解体温度Tkを60℃に変更した以外はすべて実施例1と同様の方法でプレス加工した。そして、得られたプリント基板を実施例1と同様の方法で評価した。評価結果は表1に示す。
【0033】
【表1】
【0034】
表1より、転写層のガラス転移温度Tg(℃),解体温度Tk(℃),接着剤樹脂の流動開始温度Tf(℃)をTf≧Tg≧Tkの関係を満たすことにより、高性能なプリント基板が得られることが分かる。
また、Tf−5(℃)≧Tg≧Tk+5(℃)の関係を満たすことで、さらに高性能なプリント基板が得られることが分かる。
【0035】
【発明の効果】
本発明のプリント基板のプレス加工方法によれば、プリント基板と離型用フィルムの剥離性やプリント基板への耐汚染性に優れていることから高性能なプリント基板が得られるという利点がある。
Claims (3)
- 離型用フィルムを用いプリント基板をプレス加工する方法において、離型用フィルムの少なくとも片面にプリント基板に転写可能な転写層を設けてなり、該転写層を構成する樹脂のガラス転移温度Tg(℃)、プレス加工後の離型用フィルム解体温度Tk(℃)、基板の間に設置された接着剤樹脂の流動開始温度Tf(℃)が式1で表される関係であることを特徴とする離型用フィルムを用いたプリント基板のプレス加工方法。
Tf ≧ Tg ≧ Tk………(式1) - 離型用フィルムを用いプリント基板をプレス加工する方法において、離型用フィルムの少なくとも片面にプリント基板に転写可能な転写層を設けてなり、該転写層を構成する樹脂のガラス転移温度Tg(℃)、プレス加工後の解体温度Tk(℃)、基板の間に設置された接着剤樹脂の流動開始温度Tf(℃)が式2で表される関係であることを特徴とする離型用フィルムを用いたプリント基板のプレス加工方法。
Tf−5(℃) ≧ Tg ≧ Tk+5(℃)………(式2) - 離型用フィルムがシンジオタクチックポリスチレン系樹脂を主成分とするとともに転写層が水溶性樹脂を主成分とすることを特徴とする請求項1又は2記載の離型用フィルムを用いたプリント基板のプレス加工方法。
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