JP3796009B2 - ポリオレフィン系難燃樹脂組成物及びその製造方法 - Google Patents

ポリオレフィン系難燃樹脂組成物及びその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、樹脂組成物に関し、更に詳しくは、優れた剛性、耐衝撃性等の諸物性と良好な難燃性を有するポリオレフィン系難燃樹脂組成物及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
本来、ポリオレフィン系樹脂は燃焼しやすい樹脂であるが、近年の用途拡大に伴い難燃性材料としての性能が要求され、各種の難燃化方法が検討されている。上記難燃化の方法として、
例えば、特開昭56−95938号公報では、「ポリオレフィンと可塑剤の混合物に、無機難燃剤類や有機難燃剤類を、ポリオレフィン100重量部あたり、約5〜約200重量部添加するポリオレフィン組成物の製造方法」が提案されており、又、特開昭6−25476号公報では、「ポリオレフィン100重量部、赤燐1〜20重量部、特定の熱膨張性黒鉛1〜30重量部を含有する難燃性ポリオレフィン系樹脂組成物」が提案されている。
【0003】
しかしながら、上記従来の難燃性組成物は、難燃剤の添加量が増大すると力学物性、特に、耐衝撃性の低下と成形加工性の低下があり、難燃剤の添加量が少ないと難燃性の低下が見られた。
【0004】
一方、ポリオレフィン系樹脂を難燃化する場合、経済的効果、ハンドリング性、ポリオレフィン系樹脂に対する分散性等の観点から、一般的に、ポリオレフィン系樹脂に難燃剤が高充填されたマスターバッチを使用する方法が行われている。
【0005】
しかし、従来の難燃化マスターバッチは、ポリオレフィン系樹脂100重量部に対する難燃剤の充填量が200重量部以下と少ないため、マスターバッチとしてはその経済効果が乏しく、逆にポリオレフィン系樹脂100重量部に対し200重量部以上の難燃剤を含有する従来の難燃性組成物では、樹脂中への分散性が大幅に低下するため、諸物性が低下するという問題点があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記に鑑みなされたものであって、優れた難燃性、剛性、耐衝撃性等の諸物性を有し、射出成形や押出成形等の成形方法が可能な成形加工性を有するポリオレフィン系樹脂難燃組成物及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載のポリオレフィン系難燃樹脂組成物の製造方法は、
エチレンとα−オレフィンとを、メタロセン重合触媒を用いて共重合したポリエチレン系樹脂100重量部、及び、難燃剤200〜900重量部からなる予め混合一体化された樹脂組成物(A)10〜80重量%
ポリプロピレン樹脂100重量部、及び、ガラス繊維10〜400重量部からなる予め混合一体化された樹脂組成物(B)20〜85重量%と、
エチレン−プロピレンブロック共重合体樹脂(C) 5〜80重量%とを
配合し、混練することを特徴とする。
【0008】
請求項2記載のポリオレフィン系難燃樹脂組成物の製造方法は、請求項1に記載のポリオレフィン系難燃樹脂組成物の製造方法において、難燃剤が、ハロゲン系難燃剤、リン系難燃剤及び熱膨張性黒鉛から成る群より選択される少なくとも1種であることを特徴とする。
【0009】
請求項3記載のポリオレフィン系難燃樹脂組成物は、請求項1又は2に記載の製造方法によって得られることを特徴とする。
【0011】
上記樹脂組成物(A)を構成するポリエチレン系樹脂は、四価の遷移金属を含むメタロセン化合物を重合触媒に用いて、エチレン及びエチレン以外のα−オレフィンとを構造単位とする樹脂である。
【0012】
上記エチレン以外のα−オレフィンとしては特に限定されず、例えば、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、1−オクテン等が挙げられる。
【0013】
上記四価の遷移金属としては特に限定されず、例えば、チタン、ジルコニウム、ニッケル、パラジウム、ハフニウム、白金等が挙げられる。上記メタロセン化合物は、上記四価の遷移金属に1つ以上のシクロペンタジエン環、類縁体等がリガンドとして存在する化合物の総称である。
【0014】
上記類縁体としては特に限定されず、例えば、炭化水素基、置換炭化水素基、炭化水素−置換メタロイド基等により置換されたシクロペンタジエン環;シクロペンタジエニルオリゴマー環;インデニル環;炭化水素基、置換炭化水素基、炭化水素−置換メタロイド基等により置換されたインデニル環等が挙げられる。
【0015】
上記シクロペンタジエン環及び上記類縁体以外のリガンドとしては特に限定されず、例えば、塩素、臭素等の一価のアニオンリガンド;二価のアニオンキレートリガンド;炭化水素基;アルコキシド;アリールアミド;アリールオキシド;アミド;アリールアミド;ホスフィド;アリールホスフィド;シリル基;置換シリル基等が挙げられる。
【0016】
上記炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、アミル基、イソアミル基、ヘキシル基、イソブチル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、セチル基、2−エチルヘキシル基、フェニル基等が挙げられる。
【0017】
上記リガンドが配位したメタロセン化合物としては、例えば、シクロペンタジエニルチタニウムトリス(ジメチルアミド)、メチルシクロペンタジエニルチタニウムトリス(ジメチルアミド)、ビス(シクロペンタジエニル)チタニウムジクロリド、ジメチルシリルテトラメチルシクロペンタジエニル−tert−ブチルアミドジルコニウムジクロリド、ジメチルシリルテトラメチルシクロペンタジエニル−tert−ブチルアミドハフニウムジクロリド、ジメチルシリルテトラメチルシクロペンタジエニル−p−n−ブチルフェニルアミドジルコニウムクロリド、メチルフェニルシリルテトラメチルシクロペンタジエニル−tert−ブチルアミドハフニウムジクロリド、インデニルチタニウムトリス(ジメチルアミド)、インデニルチタニウムトリス(ジエチルアミド)、インデニルチタニウムトリス(ジ−n−プロピルアミド)、インデニルチタニウムビス(ジ−n−ブチルアミド)(ジ−n−プロピルアミド)等が挙げられる。
【0018】
上記ポリエチレン系樹脂を得るための、エチレン及びエチレン以外のα−オレフィンの重合方法は特に限定されず、例えば、不活性媒体を用いる溶液重合法;実質的に不活性媒体の存在しない塊状重合法、気相重合法等が挙げられる。
重合温度は、−10℃から300℃が一般的であり、重合圧力は、100kg/cm2 が一般的である。
【0019】
上記反応は、例えば、重合触媒として本発明で使用する四価の遷移金属を含むメタロセン化合物に、共触媒として例えばメチルアルミノキサン、ホウ素系化合物等を加えた触媒系で行える。
上記メタロセン化合物に対する上記共触媒の割合は、10〜100万モル倍である。
【0020】
上記メタロセン化合物を重合触媒に用いて製品化されたポリエチレン系樹脂としては、例えば、ダウケミカル社製「AFFINITY」、「ENGAGE」、エクソンケミカル社製「EXACT」等の市販品が挙げられる。
【0021】
上記ポリエチレン系樹脂の密度は、0.84〜0.91g/cm3 であることが好ましい。0.84g/cm3 未満では、上記樹脂の結晶性が低いため、得られるポリオレフィン系樹脂組成物の剛性、引張強さ等の機械的強度が不充分であり、0.91g/cm3 を超えると、上記樹脂の結晶性が高いため、得られるポリオレフィン系難燃樹脂組成物の柔軟性及び伸び特性が不充分となる。
【0022】
上記ポリエチレン系樹脂のMFR(メルトフローレイト:試験温度190℃、試験荷重2.16kgf)は、0.1g/10min未満では、無機充填剤の分散性が低下し、20g/10minを超えると、得られる樹脂組成物の伸び特性が低下するので、0.1〜20g/10minが好ましい。
上記ポリエチレン系樹脂は、示差走査熱量分析及びクロス分別分析によりその物性を評価できる。
【0023】
示差走査熱量分析は、10mg程度の上記ポリエチレン系樹脂サンプルを白金パンに入れ、サンプルを一度溶融させた後、5℃/分の速度で−50℃まで冷却し、その後5℃/分の速度で昇温しながら測定する。測定には、示差走査熱量計(セイコー電子社製、SSC5200型)等を用いることができる。
【0024】
クロス分別分析は、温度上昇溶離分別及び高温型ゲル透過クロマトグラフィーにより分子量及び分子量分布を測定する部分からなる。
【0025】
温度上昇溶離分別では、上記ポリエチレン系樹脂を140℃またはポリエチレン系樹脂が完全に溶解する温度のo−ジクロロベンゼンに溶解し、一定速度で冷却した後、予め用意した不活性担体表面に薄いポリマー層を結晶性の高い順及び分子量の大きい順に生成させ、次いで、温度を連続又は段階状に昇温し、順次溶出した成分の濃度を検出し、結晶性分布及び組成分布を測定する。同時に、高温型ゲル透過クロマトグラフィーにより、溶出した各成分の分子量及び分子量分布測定する。測定には、上記温度上昇溶離分別及び高温型ゲル透過クロマトグラフィーをシステムに備えているクロス分別クロマトグラフ装置(三菱化学社製、CFC−T150A型)等を用いることができる。
【0026】
上記ポリエチレン系樹脂は、示差走査熱量分析で測定した結晶融解ピークが一つであることが好ましい。結晶溶解ピークが複数個存在する場合には、結晶性の異なる成分が複数個存在するため、溶融樹脂粘度にむらが生じ、上記無機充填剤と混合した場合、均質な樹脂組成物が得ることができないため、強度、伸び特性が低下する。
上記ポリエチレン系樹脂は、示差走査熱量分析で測定した結晶溶解ピーク温度から、全結晶が融解し終わるまでの温度の幅が30℃以内であることが好ましい。30℃を超えると、結晶性の高いポリエチレン分子及び結晶性の低いポリエチレン分子の間で、結晶化の差が大きくなり、溶融樹脂粘度にむらが生じ、均一な樹脂組成物を得ることができないため、強度、伸び特性が低下する。より好ましくは、25℃以内である。
【0027】
上記ポリエチレン系樹脂は、クロス分別分析で測定した場合の数平均分子量に対する重量平均分子量の値が1.5〜3.5であることが好ましい。1.5未満であると、樹脂が溶融時に流れにくく無機充填剤の分散が困難になり、3.5を超えると、分子量の小さい分子及び分子量の大きい分子の存在比率が高くなり、溶融樹脂粘度にむらが生じ、均一な樹脂組成物を得ることができないため、強度、伸び特性が低下する。
【0028】
上記ポリエチレン系樹脂は、クロス分別分析で測定した場合の10重量%溶出したときの温度から100重量%溶出終了したときまでの温度の幅が、40℃以下であることが好ましい。
40℃を超えると、上記ポリエチレン系樹脂の中に結晶性の高い成分と低い成分が同時に存在することになり、溶融樹脂粘度にむらが生じ、均一な樹脂組成物を得ることができないため、強度、伸び特性が低下する。より好ましくは、30℃以下である。
【0029】
上記樹脂組成物(A)を構成する難燃剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、ハロゲン系難燃剤、リン系難燃剤、熱膨張性黒鉛、窒素系難燃剤、金属水酸化物系難燃剤等が挙げられ、これらの1種もしくは2種以上が好適に用いられる。
【0030】
特に、難燃性能の点から、上記難燃剤として、ハロゲン系難燃剤、リン系難燃剤組成物、熱膨張性黒鉛組成物から成る群より選択される少なくとも1種を含有することが好ましい。
【0031】
上記ハロゲン系難燃剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、パークロロペンタシクロデカン、ヘキサブロモベンゼン、ペンタブロモトルエン、ヘキサブロモビフェニル、デカブロモビフェニル、ヘキサブロモシクロデカン、デカブロモジフェニルエーテル、オクタブロモジフェニルエーテル、ヘキサブロモジフェニルエーテル、ビス(ペンタブロモフェノキシ)エタン、エチレンビス−(テトラブロモフタルイミド)、テトラブロモビスフェノールA等の低分子臭素含有化合物;臭素化ポリカーボネート、臭素化エポキシ化合物、臭素化フェノキシ化合物、ポリ(臭素化ベンジルアクリレート)、臭素化ポリフェニレンエーテル、臭素化ビスフェノールA/塩素化シアヌル/臭素化フェノール縮合物、臭素化ポリスチレン等のハロゲン化されたポリマーやオリゴマー等が挙げられ、これらの1種もしくは2種以上が好適に用いられる。
【0032】
上記ハロゲン系難燃剤には、難燃助剤として酸化アンチモン類が併用されるのが好ましい。酸化アンチモン類としては、特に限定されるものではないが、例えば、三酸化アンチモン、五酸化アンチモン等が挙げられ、これらの1種もしくは2種以上が好適に用いられる。
【0033】
上記酸化アンチモン系難燃助剤の添加量は、特に限定されるものではないが、ハロゲン系難燃剤100重量部に対して、酸化アンチモン系難燃助剤1〜200重量部であることが好ましく、20〜100重量部であることがより好ましいが、中でもハロゲン系難燃剤のハロゲン原子2〜5個当たり、アンチモン原子1個の割合で添加するのが特に好ましい。
【0034】
又、上記リン系難燃剤としては、特に限定されるものではないが、一般式(1)で示されるリン化合物及び/又はポリリン酸アンモニウム等が挙げられ、これらの1種もしくは2種以上が好適に用いられる。
【0035】
【化1】
Figure 0003796009
【0036】
(式中、R1及びR3は水素原子、炭素数1〜16の直鎖状もしくは分岐状アルキル基又は炭素数6〜16のアリール基を表し、R2は水素原子、炭素数1〜16の直鎖状もしくは分岐状アルキル基、アルコキシ基、炭素数6〜16のアリール基又はアリーロキシ基を表す)
上記一般式(1)で示されるリン化合物としては、特に限定されるものではないが、例えば、メチルホスホン酸、メチルホスホン酸ジメチル、メチルホスホン酸ジエチル、エチルホスホン酸、プロピルホスホン酸、ブチルホスホン酸、2−メチルプロピルホスホン酸、t−ブチルホスホン酸、2,3−ジメチルブチルホスホン酸、オクチルホスホン酸、フェニルホスホン酸、ジオクチルフェニルホスホネート、ジメチルホスフィン酸、ジオクチルホスフィン酸、フェニルホスフィン酸、ジエチルフェニルホスフィン酸、ジフェニルホスフィン酸、ビス(4−メトキスフェニル)ホスフィン酸等が挙げられ、これらの1種もしくは2種以上が好適に用いられる。
【0037】
上記ポリリン酸アンモニウムは、一般式(NH4 PO3 n で示されるものであって、易流動性の粉末状で水に難溶性のものが好ましく、中でも式中、n=10〜1000のものがポリエチレン系樹脂もしくはポリプロピレン系樹脂等のポリオレフィン系樹脂に対する分散性に優れるのでより好ましい。又、上記ポリリン酸アンモニウムは、各種表面処理によりポリオレフィン系樹脂への分散性や耐水溶性等が向上されたものが特に好ましい。
【0038】
上記難燃剤は、相乗化剤、難燃助剤、炭化促進剤等と併用しても良い。また、相乗化剤、難燃助剤、炭化促進剤等は、それぞれ単独で用いられても良く、2種以上が併用されても良い。
【0039】
上記相乗化剤としては、特に限定されるものではないが、尿素、尿酸、チオ尿素、ビウレット、アデニン、グアニン、2,4,6−トリアミノピリジン、メラミン、シアヌル酸、イソシアヌル酸及びそれらの誘導体等の窒素化合物;ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、アラビトール、ソルビトール、イノシトール、レゾルシノール等の水酸基含有化合物等が挙げられ、これらの1種もしくは2種以上が好適に用いられる。
【0040】
上記難燃助剤としては、特に限定されるものではないが、二酸化ケイ素等の無機酸化物や炭酸カルシウム等の無機塩等が挙げられ、これらの1種もしくは2種以上が好適に用いられる。
【0041】
上記炭化促進剤としては、特に限定されるものではないが、カーボンブラック等が挙げられ、好適に用いられる。
【0042】
さらに、上記熱膨張性黒鉛は、特に限定されるものではないが、天然鱗片状グラファイト、熱分解グラファイト、キッシュグラファイト等の粉末を濃硫酸、硝酸、セレン酸等の無機酸と濃硝酸、過塩素酸、過塩素酸塩、過マンガン酸塩、重クロム酸塩、過酸化水素等の強酸化剤で処理してグラファイト層間化合物を生成させたものであって、炭素の層状構造を維持したままの結晶化合物であり、本発明においては、上記のように処理して得られた熱膨張性黒鉛を、アンモニア、脂肪族低級アミン、アルカリ土類金属化合物等で中和して用いることが好ましい。
【0043】
本発明においては、上記各種難燃剤をそれぞれ単独で上記ポリエチレン系樹脂に含有させても良いし、2種以上を併用して上記ポリエチレン系樹脂に含有させても良い。又、2種以上を併用する場合、ハロゲン系難燃剤とリン系難燃剤、ハロゲン系難燃剤と熱膨張性黒鉛、リン系難燃剤と熱膨張性黒鉛、ハロゲン系難燃剤とリン系難燃剤と熱膨張性黒鉛等の組合せで予め混合物とした状態で上記ポリエチレン系樹脂に含有させても良い。
上記2種以上の難燃剤の併用の中でも、リン系難燃剤と熱膨張性黒鉛の混合物を用いると、それぞれ単独で用いる場合より優れた難燃化効果を得ることができる。
【0044】
上記樹脂組成物(A)は、上記ポリエチレン系樹脂100重量部に対し、上記難燃剤200〜900重量部、好ましくは300〜800重量部、が含有されていることが必要である。
【0045】
上記ポリエチレン系樹脂100重量部に対する難燃剤の含有量が200重量部未満であると、マスターバッチとしての経済的効果が小さいだけでなく、得られるポリオレフィン系難燃樹脂組成物の難燃性の改善効果が不充分であり、逆に900重量部を超えると得られる樹脂組成物の流動性が低下し、成形性が不充分となるだけでなく、耐衝撃性、伸び特性が大幅に低下するので、上記範囲に限定される。
【0046】
上記樹脂組成物(A)を調整する方法としては、例えば、一軸押出機、二軸押出機、バンバリーミキサー、混練ロール、ブラベンダー、プラストグラフ、ニーダー等の装置などを使用して、上記ポリエチレン系樹脂中に、上記難燃剤を混合分散させる方法が挙げられる。
【0047】
上記樹脂組成物(B)を構成するポリオレフィン樹脂、及び、上記ポリオレフィン樹脂(C)としては、エチレン、プロピレン、ブテン等のモノオレフィンの重合体及び共重合体を主成分とするもので、例えば、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレンブロック共重合体、エチレン−プロピレンランダム共重合体、ポリブテン−1、ポリ4−メチルペンテン−1等、また、上記ポリオレフィン樹脂を、不飽和有機化合物、特に不飽和カルボン酸又はその無水物等で変性したものが挙げられ、これらの1種もしくは2種以上が好適に用いられる。
【0048】
上記不飽和カルボン酸(無水物)としては、例えば、アクリル酸やメタクリル酸等の二重結合を1以上有している一塩基カルボン酸、マレイン酸等の二重結合を1以上有している二塩基カルボン酸、無水マレイン酸、無水ハイミック酸等の二塩基カルボン酸無水物等が挙げられる。
【0049】
上記樹脂組成物(B)を構成するガラス繊維としては、一般的に強化材として市販されているものであり、繊維径が5〜30μmの範囲のものが好ましい。
繊維径が、5μm未満では分散性が低下し、30μmを越えると耐衝撃性改善効果が不充分となる。
また、上記ガラス繊維は、その表面をシランカップリング剤や有機チタネート系カップリング剤等で処理したものを使用してもよい。
【0050】
上記樹脂組成物(B)は、上記ポリオレフィン樹脂100重量部に対し、上記ガラス繊維10〜400重量部、好ましくは80〜300重量部、が含有されていることが必要である。
【0051】
上記ポリオレフィン樹脂100重量部に対するガラス繊維の含有量が10重量部未満であると、マスターバッチとしての経済的効果が小さいだけでなく、得られるポリオレフィン系難燃樹脂組成物の剛性、耐衝撃性、難燃性及び燃焼時のドリップ防止の改善効果が不充分であり、逆に400重量部を超えると得られる樹脂組成物の流動性が低下し、成形性が不充分となるだけでなく、得られる成形体の表面性や伸び特性が大幅に低下するので、上記範囲に限定される。
【0052】
上記樹脂組成物(B)を調整する方法としては、例えば、一軸押出機、二軸押出機、バンバリーミキサー、混練ロール、ブラベンダー、プラストグラフ、ニーダー等の装置等が使用できるが、得られる樹脂組成物の剛性、強度、及び燃焼時のドリップ防止の改良効果が失われるため、ガラス繊維が折れて短くなりすぎないように混合分散することが好ましい。また、同様の理由から、上記ポリエチレン系樹脂及び難燃剤とは同時に混合しない。
【0053】
さらに、連続したガラス繊維束を引き抜きながら上記ポリオレフィン樹脂を含浸させて得られるガラス長繊維強化ポリオレフィン樹脂として上記樹脂組成物(B)を調整してもよく、ガラス繊維が短く切断せずにポリオレフィン樹脂中に多く含有させることが可能であるため、本発明においては特に好ましい方法である。上記ガラス長繊維強化ポリオレフィン樹脂が製品化されたものとしては、例えば、川崎製鉄社製「VERTON」等の市販品が挙げられる。
【0054】
請求項1記載のポリオレフィン系難燃樹脂組成物は、上記樹脂組成物(A)10〜80重量%、及び、樹脂組成物(B)20〜90重量%の割合で混合することにより得られる。
【0055】
上記ポリオレフィン系難燃樹脂組成物において、樹脂組成物(A)が、10重量%未満では得られるポリオレフィン系難燃樹脂組成物の難燃性及び耐衝撃性が低下し、80重量%を超えると剛性が低下するので、上記範囲に限定される。
【0056】
また、樹脂組成物(B)が、20重量%未満では得られるポリオレフィン系難燃樹脂組成物の剛性及び燃焼時のドリップ防止効果が低下し、90重量%を超えると成形性及び表面性が低下するので、上記範囲に限定される。
【0057】
請求項2記載のポリオレフィン系難燃樹脂組成物は、上記樹脂組成物(A)10〜80重量%、樹脂組成物(B)10〜85重量%、ならびに、上記ポリオレフィン樹脂(C)5〜80重量%の割合で混合することにより得られる。
【0058】
上記ポリオレフィン系難燃樹脂組成物において、樹脂組成物(A)が、10重量%未満では得られるポリオレフィン系難燃樹脂組成物の難燃性及び耐衝撃性が低下し、80重量%を超えると剛性が低下するので、上記範囲に限定される。
【0059】
また、樹脂組成物(B)が、10重量%未満では得られるポリオレフィン系難燃樹脂組成物の剛性及び燃焼時のドリップ防止効果が低下し、85重量%を超えると成形性及び表面性が低下するので、上記範囲に限定される。
【0060】
さらに、ポリオレフィン樹脂(C)が、5重量%未満では得られるポリオレフィン系難燃樹脂組成物の成形性及び表面性が低下し、80重量%を超えると剛性、耐衝撃性、難燃性が低下するので、上記範囲に限定される。
【0061】
上記ポリオレフィン系難燃樹脂組成物を調整する方法としては、予め、例えば、一軸押出機、二軸押出機、バンバリーミキサー、混練ロール、ブラベンダー、プラストグラフ、ニーダー等の装置などを使用して混練した上記樹脂組成物(A)及び樹脂組成物(B)を、さらに、上記ポリオレフィン樹脂(C)と、上記装置を使用して混合分散させる方法が挙げられる。
【0062】
また、上記予め混合一体化された上記樹脂組成物(A)及び樹脂組成物(B)と上記ポリオレフィン樹脂(C)を所定配合量にドライ混合した混合組成物を射出成形する方法等も挙げられる。
【0063】
さらに、上記ポリオレフィン系難燃樹脂組成物には、必要に応じて、無機充填剤、酸化防止剤、顔料、紫外線吸収剤、可塑剤、滑剤、帯電防止剤、シラン化合物等の分散剤等が添加されてもよく、また、シラン系、チタネート系、アルミネート系、ジルコアルミニウム系、リン酸系、カルボン酸系、脂肪酸系、油脂、ワックス、界面活性剤等のカップリング剤や表面処理剤にて難燃剤の表面処理が施されてもよい。
【0064】
上記酸化防止剤としては、高分子の酸化劣化を防ぐものなら良く、特に限定されるものではないが、例えば、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤等が挙げられ、これらの1種もしくは2種以上が好適に用いられる。
【0065】
【作用】
本発明のポリオレフィン系難燃樹脂組成物は、上記の如く構成されているので、ポリオレフィン樹脂中に特定のポリエチレン系樹脂が被覆された形態で難燃剤が混合微分散されており、また、ガラス繊維も良好に樹脂成分中に混合分散されている。このため、多量の難燃剤及びガラス繊維を充填させて、難燃性を高めると同時に燃焼時のドリップ改善が可能である。さらに、混合微分散形態をとるため、射出成形、押出成形等の成形が可能であり、該ポリオレフィン系難燃樹脂組成物から得られる成形体は、剛性、耐衝撃性のバランス特性に優れ、伸び特性、寸法安定性も良好である。特に、樹脂成分中にガラス繊維が絡み合った状態で分散されていることにより、難燃効果だけでなく、燃焼時のドリップ防止効果が期待できるため、難燃効果が長時間持続する。
また、樹脂組成物(A)及び樹脂組成物(B)をマスターバッチとして使用することによりコストダウンの効果も期待できる。
【0066】
【実施例】
以下に実施例を掲げて、本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものでない。
【0067】
実施例1
メタロセン系ポリエチレン樹脂:EG8200 100重量部
(ダウ・ケミカル社製、密度=0.870g/cm3 、MFR=5.0g/10min)
難燃剤:AP745 300重量部
(ヘキスト社製、ポリリン酸アンモニウム+イソシアヌル酸誘導体)
上記組成物を、ニーダー混練機を用いて混合した混合物を単軸押出機にて押し出し、ホットカット装置にて樹脂組成物(A1)ペレットを作製した。次に、
(A1)樹脂組成物ペレット
(B1)樹脂組成物:ガラス長繊維強化ポリプロピレン樹脂ペレット
(VERTON MFX700−10EM、川崎製鉄社製、ガラス繊維=50wt%)
(C1)エチレン−プロピレンブロック共重合体ペレット
(MS784、トクヤマ社製)
を53/24/23の配合重量比でドライ混合した混合物から射出成形機(日本製鋼所社製:75ton)にて、曲げ試験片、アイゾット衝撃試験片、及び、酸素指数試験片を作製した。尚、アイゾット試験片のVノッチは、ノッチングカッターにて切削加工した。
それらの試験片を用いて曲げ試験(JIS K7203準拠:曲げ速度=2mm/min)、アイゾット衝撃試験(JIS K7110準拠:試験温度=23℃)、酸素指数試験(JIS K7201準拠)を行った。
その結果、曲げ弾性率は32100kgf/cm2 、アイゾット衝撃値は13.0kgf・cm/cm2 、酸素指数は38であった。
【0068】
実施例2
上記樹脂組成物(A1)と上記樹脂組成物(B1)と上記エチレン−プロピレンブロック共重合体(C1)の配合重量比を53/36/11にしたこと以外、実施例1と同様に行った。
その結果、曲げ弾性率は39200kgf/cm2 、アイゾット衝撃値は14.5kgf・cm/cm2 、酸素指数は40であった。
【0069】
実施例3
上記樹脂組成物(A1)と上記樹脂組成物(B1)と上記エチレン−プロピレンブロック共重合体(C1)の配合重量比を31/15/54にしたこと以外、実施例1と同様に行った。
その結果、曲げ弾性率は26300kgf/cm2 、アイゾット衝撃値は10.4kgf・cm/cm2 、酸素指数は30であった。
【0070】
実施例4
上記樹脂組成物(A1)と上記樹脂組成物(B1)と上記エチレン−プロピレンブロック共重合体(C1)の配合重量比を31/30/39にしたこと以外、実施例1と同様に行った。
その結果、曲げ弾性率は33600kgf/cm2 、アイゾット衝撃値は13.2kgf・cm/cm2 、酸素指数は32であった。
【0071】
実施例5
メタロセン系ポリエチレン樹脂:EG8200 100重量部
難燃剤:AP745 400重量部
上記樹脂組成物(A2)と上記樹脂組成物(B1)と上記エチレン−プロピレンブロック共重合体(C1)の配合重量比を50/24/26にしたこと以外、実施例1と同様に行った。
その結果、曲げ弾性率は32500kgf/cm2 、アイゾット衝撃値は12.7kgf・cm/cm2 、酸素指数は39であった。
【0072】
実施例6
メタロセン系ポリエチレン樹脂:EG8150 100重量部
(ダウ・ケミカル社製、密度=0.868g/cm3 、MFR=0.5g/10min)
難燃剤:AP745 400重量部
上記樹脂組成物(A3)と上記樹脂組成物(B1)と上記エチレン−プロピレンブロック共重合体(C1)の配合重量比を50/24/26にしたこと以外、実施例1と同様に行った。
その結果、曲げ弾性率は30900kgf/cm2 、アイゾット衝撃値は14.1kgf・cm/cm2 、酸素指数は40であった。
【0073】
実施例7
メタロセン系ポリエチレン樹脂:EG8200 100重量部
難燃剤:AP462 300重量部
(ポリリン酸アンモニウム、ヘキスト社製)
上記樹脂組成物(A4)と上記樹脂組成物(B1)と上記エチレン−プロピレンブロック共重合体(C1)の配合重量比を53/24/23にしたこと以外、実施例1と同様に行った。
その結果、曲げ弾性率は32300kgf/cm2 、アイゾット衝撃値は13.1kgf・cm/cm2 、酸素指数は33であった。
【0074】
実施例8
メタロセン系ポリエチレン樹脂:EG8200 100重量部
難燃剤:GREP−EG 500重量部
(熱膨張性黒鉛、東ソー社製)
上記樹脂組成物(A5)と上記樹脂組成物(B1)と上記エチレン−プロピレンブロック共重合体(C1)の配合重量比を31/30/39にしたこと以外、実施例1と同様に行った。
その結果、曲げ弾性率は35700kgf/cm2 、アイゾット衝撃値は10.1kgf・cm/cm2 、酸素指数は38であった。
【0075】
実施例9
メタロセン系ポリエチレン樹脂:EG8200 100重量部
難燃剤:GREP−AP 500重量部
(ポリリン酸アンモニウム+熱膨張性黒鉛、東ソー社製)
上記樹脂組成物(A6)と上記樹脂組成物(B1)と上記エチレン−プロピレンブロック共重合体(C1)の配合重量比を31/30/39にしたこと以外、実施例1と同様に行った。
その結果、曲げ弾性率は34800kgf/cm2 、アイゾット衝撃値は11.3kgf・cm/cm2 、酸素指数は42であった。
【0076】
実施例10
メタロセン系ポリエチレン樹脂:EG8200 100重量部
難燃剤:
デカブロモジフェニルエーテル 360重量部
三酸化アンチモン 240重量部
上記樹脂組成物(A7)と上記樹脂組成物(B1)と上記エチレン−プロピレンブロック共重合体(C1)の配合重量比を31/30/39にしたこと以外、実施例1と同様に行った。
その結果、曲げ弾性率は34500kgf/cm2 、アイゾット衝撃値は10.2kgf・cm/cm2 、酸素指数は45であった。
【0077】
実施例11
(B2)樹脂組成物:ガラス長繊維強化ポリプロピレン樹脂ペレット
(ガラス繊維=65wt%:VERTON MFX700−13EM:川崎製鉄社製)
上記樹脂組成物(A1)と上記樹脂組成物(B2)と上記エチレン−プロピレンブロック共重合体(C1)の配合重量比を53/20/27にしたこと以外、実施例1と同様に行った。
その結果、曲げ弾性率は32200kgf/cm2 、アイゾット衝撃値は13.3kgf・cm/cm2 、酸素指数は40であった。
【0078】
実施例12
ポリオレフィン樹脂(C2)として高密度ポリエチレン樹脂(三井石油化学工業社製:密度=0.956g/cm3 MFR=9.0g/10min)を用い、上記樹脂組成物(A1)と樹脂組成物(B1)と上記高密度ポリエチレン(C2)の配合重量比を53/24/23にしたこと以外、実施例1と同様に行った。
その結果、曲げ弾性率は28500kgf/cm2 、アイゾット衝撃値は14.0kgf・cm/cm2 、酸素指数は40であった。
【0079】
比較例1
上記樹脂組成物(A1)と上記エチレン−プロピレンブロック共重合体(C1)の配合重量比を40/60にし、上記樹脂組成物(B1)を配合しなかったこと以外、実施例1と同様に行った。
その結果、曲げ弾性率は15100kgf/cm2 、アイゾット衝撃値は6.9kgf・cm/cm2 、酸素指数は43であった。
【0080】
比較例2
上記樹脂組成物(A1)と上記樹脂組成物(B1)と上記エチレン−プロピレンブロック共重合体(C1)の配合重量比を3/24/73にしたこと以外、実施例1と同様に行った。
その結果、曲げ弾性率は30200kgf/cm2 、アイゾット衝撃値は11.6kgf・cm/cm2 、酸素指数は18であった。
【0081】
比較例3
上記樹脂組成物(A1)と上記樹脂組成物(B1)の配合重量比を90/10にし、上記エチレン−プロピレンブロック共重合体(C1)を配合しなかったこと以外、実施例1と同様に行った。
その結果、曲げ弾性率は14500kgf/cm2 、アイゾット衝撃試験片は破断しなかった。また、酸素指数は64であった。
【0082】
比較例4
メタロセン系ポリエチレン樹脂:EG8200 100重量部
難燃剤:AP745 30重量部
上記樹脂組成物(A8)を2軸押出機にて混合ペレット化した。
上記樹脂組成物(A8)と上記樹脂組成物(B1)と上記エチレン−プロピレンブロック共重合体(C1)の配合重量比を53/24/23にしたこと以外、実施例1と同様に行った。
その結果、曲げ弾性率は20400kgf/cm2 、アイゾット衝撃試験片は破断しなかった。また、酸素指数は28であった。
【0083】
比較例5
メタロセン系ポリエチレン樹脂:EG8200 100重量部
難燃剤:AP745 1000重量部
上記樹脂組成物(A9)としたこと以外、実施例1と同様に行った。
その結果、混練が困難でペレットを作製することが不可能であった。
【0084】
実施例13
実施例1で作製した樹脂組成物ペレット(A1)を用い、
(A1)樹脂組成物ペレット
(B1)樹脂組成物:ガラス長繊維強化ポリプロピレン樹脂ペレット
(ガラス繊維=50wt%:VERTON MFX700−10EM:川崎製鉄社製)
(C1)エチレン−プロピレンブロック共重合体ペレット(トクヤマ社製:MS784)
を40/30/30の配合重量比でドライ混合した混合物から射出成形機(日本製鋼所社製:75ton)にて、125mm×13mm×3mmの試験片を作製し、燃焼性試験機(アトラス社製)を用い、燃焼性試験(UL94−5VA準拠)を行った。
その結果、燃焼時に樹脂組成物のドリップもなく、試験に合格した。
【0085】
比較例6
上記樹脂組成物(A1)と上記エチレン−プロピレンブロック共重合体(C1)の配合重量比を40/60にし、上記樹脂組成物(B1)を配合しなかったこと以外、実施例13と同様に行った。
その結果、燃焼時に樹脂組成物のドリップが観察され、試験は不合格であった。
【0086】
【表1】
Figure 0003796009
【0087】
【表2】
Figure 0003796009
【0088】
【表3】
Figure 0003796009
【0089】
【表4】
Figure 0003796009
【0090】
【本発明の効果】
本発明のポリオレフィン系難燃樹脂組成物は、上記の如く構成されているので、ポリオレフィン樹脂中に特定のポリエチレン系樹脂が被覆された形態で難燃剤が混合微分散されており、また、ガラス繊維も良好に樹脂成分中に混合分散されている。すなわち、射出成形、押出成形等の成形が可能で、該ポリオレフィン系難燃樹脂組成物から得られる成形体は、剛性、耐衝撃性のバランス特性に優れ、難燃性、伸び特性、寸法安定性も良好である。特に、樹脂成分中にガラス繊維が絡み合った状態で分散されていることにより、難燃効果だけでなく、燃焼時のドリップ防止効果も期待できる。
また、樹脂組成物(A)及び樹脂組成物(B)をマスターバッチとして使用することによりコストダウンの効果も期待できる。

Claims (3)

  1. エチレンとα−オレフィンを、メタロセン重合触媒を用いて共重合したポリエチレン系樹脂100重量部、及び、難燃剤200〜900重量部からなる予め混合一体化された樹脂組成物(A)10〜80重量%ポリプロピレン樹脂100重量部、及び、ガラス繊維10〜400重量部からなる予め混合一体化された樹脂組成物(B)20〜85重量%エチレン−プロピレンブロック共重合体樹脂(C) 5〜80重量%とを配合し、混練することを特徴とするポリオレフィン系難燃樹脂組成物の製造方法
  2. 難燃剤が、ハロゲン系難燃剤、リン系難燃剤及び熱膨張性黒鉛から成る群より選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項1に記載のポリオレフィン系難燃樹脂組成物の製造方法
  3. 請求項1又は2に記載の製造方法によって得られることを特徴とするポリオレフィン系難燃樹脂組成物。
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