JP3795554B2 - 炉の燃焼制御装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、主に火葬炉などで不完全燃焼による煙の放出や異常加熱による故障及び燃費の悪化を防止し理想的な燃焼状態となるように制御し得る炉の燃焼制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
火葬における主な被燃焼物は遺体であるが、その周囲には副葬品と棺が存在する。即ち、火葬炉による被燃焼物は素材が異なる多層構造の物体と同様のものであると言える。例えば、今日の副葬品は衣類など合成樹脂を素材としたものが多く燃焼時には極めて高温になる。また、遺体にあっては火葬初期において窒素酸化物の排出量が極めて多く副葬品の燃焼による窒素酸化物も加わって再燃焼室をもってしても処理し切れずに排ガスとして炉外へ排出されてしまう。以上の理由から火葬初期においては主燃焼室に配設した主バーナーの火力を絞って炉内が異常に加熱しないように、又、発生する窒素酸化物を再燃焼室で処理できる量に押さえる必要があった。一方、火葬中期から後期では副葬品が焼失し遺体から発生する窒素酸化物もめっきり減少するので異常加熱の心配もなく窒素酸化物が再燃焼室で十分処理できる状態となる。そうなると主バーナーの火力を上げて効率を高めることが可能となるし、又、火葬時間の短縮や燃費を良くするためにはそうすることが必要であった。従来は、一般的に作業者が主バーナーの火力等を燃焼温度計や炉内を目視しつつ、棺、副葬品、遺体の燃焼状況に応じて調整する方式を採っていた。
【0003】
しかしながら、前記作業は極めて煩雑で人件費もかさむという問題があった。また、従来から燃焼温度を自動的に監視する装置は存在したが、それらは炉内を一定の設定温度にすることに止まり、着火時から消火時に亘って例えば燃焼ガスの消費量や窒素酸化物の排出量を考慮した理想に近い燃焼状態となるよう積極的に制御し得る燃焼制御装置は存在しなかった。
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は上記実情に鑑みて成されたものであり、着火時から消火時に亘って理想に近い状態で燃焼するよう積極的に制御し得る炉の燃焼制御装置の提供を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために成された本発明による炉の燃焼制御装置は、燃焼炉に設けた燃焼温度検出手段の出力信号に基づきバーナーの火力と炉内部からの排気量を制御する制御装置において、着火から消火に至る理想的な燃焼温度の時系列データを保持するための理想データ記憶部と、前記燃焼温度の時系列データに沿って燃焼すべく着火から消火に至るバーナーの火力設定を司るシーケンス制御手段と、現燃焼温度と理想的な燃焼温度の時系列データとを適宜比較し現燃焼温度の方が高い場合は排気量を増し現燃焼温度の方が低い場合は排気量を減ずる制御をするための排気量制御手段と、単位時間中における燃焼温度の上昇量を周期的に取得しその上昇量が所定値を越えた場合に前記シーケンス制御手段の処理に関わらずバーナーの火力を下げる火力修正手段を具備することを特徴とする。
【0006】
【作用】
理想データ記憶部を備え、シーケンス制御手段と、排気量制御手段と、火力修正手段とを連携させることにより、不完全燃焼による煙の放出や異常加熱による故障及び燃費の悪化を防止する。
【0007】
【実施例】
以下本発明による炉の燃焼制御装置の一例を図面に基づき詳細に説明する。
本実施例は火葬炉に係るものである。
【0008】
この火葬炉は図2、図3の如く下に主燃焼室8を備えると共に、上に再燃焼室9を備え、主燃焼室8の前面に、該主燃焼室8内に載置する台車10を出入れする扉11を設け、主燃焼室8の後壁に主バーナー12を支持し、再燃焼室9の後壁に副バーナー13を設けたものである。主燃焼室8の前部又は後部には、発生した煙を再燃焼室9の後部へ流す誘導路14が形成され、再燃焼室9の前部から煙突につながる排気路15に連結されている。そして、誘導路14の主燃焼室8よりには燃焼温度検出手段2たる温度センサーが固定してあり、再燃焼室9と排気路15との連結部又は排気路15の内部には、排気の引き具合を調節するためのダンパー16が設けてある。排気路15には炉内の空気を引くためのブロアーが配設されており、その吸引力を一定とし調圧モーターで駆動するダンパー16の開度を調節することによって炉内の圧力が調節されている。
【0009】
本発明による炉の燃焼制御装置は、主燃焼室8のサンプリング口17に温度センサーと圧力センサーを配し、両センサーの出力を基に主バーナー12の火力とダンパー16の開度を制御すべく、理想データ記憶部4と、シーケンス制御手段5と、排気量制御手段6と、火力修正手段7を、CPU、メモリー、入出力ポート及びインターフェースを用いたいわゆるコンピュータシステムにて実現したものである。本実施例では制御の便宜上主バーナー12の火力を燃焼ガスの流入量に見立てて50m3 /h,30m3 /h,20m3 /h,10m3 /h,5m3 /hの5段階とし、ダンパー16の開度を炉内圧力に見立てて−5.0mmH2 O,−2.5mmH2 O,−2.0mmH2 Oの3段階とした。燃焼ガスの流入量を変える弁の開度の調整は、それを駆動する調流モーターの回転を制御することによって成される。
【0010】
理想データ記憶部4は着火から消火に至る理想的な燃焼温度の時系列データを保持する記憶領域である。理想的な燃焼状態の要部を示す燃焼温度のタイムチャートを図4に示す。本実施例では、燃焼開始時T1からほぼ最高温度となるまでの間、所定時間毎の燃焼温度を監視すべくT3、T4、T6、T7の理想燃焼温度をタイムチャートから抜粋して理想データ記憶部4に登録した。
【0011】
シーケンス制御手段5は、燃焼温度の時系列データに沿って燃焼できるように着火から消火に至る主バーナー12の原則的な火力設定(即ち、調流モーターの駆動制御による弁の開度設定)を司るものである。
【0012】
図5は、火葬時間中における主バーナー12の火力のタイムチャートの一例である。火葬炉の起動から燃焼開始T1に至る再燃焼室9の予熱期間の後主燃焼室8の主バーナー12は点火され、それと同時に主燃焼室8の燃焼制御が開始される。主バーナー12はT1からT5にかけて5〜10m3 /hの比較的弱い火力にて運転され、T5からT7までの時間は20m3 /hのいわゆる中火にて運転される。この様に火葬初期において主バーナー12の火力を比較的弱く設定するのは、先に記したごとく窒素酸化物の排出防止と炉内の異常加熱防止を図るためである。そして、T7以降は主バーナーを50m3 /hの最も強い火力で燃焼させる。この時期に入ると高温で燃焼する部分や窒素酸化物を多く発生する部分はほとんど焼失し、後はほぼ均一な熱量を与えて燃焼を続ければ支障がないという該火葬炉についての経験則による。尚、本実施例で使用した火葬炉についての適性な予熱時間、弱火の時間、中火の時間は、それぞれ5分前後であった。
【0013】
この排気量制御手段6は、燃焼温度を理想データ記憶部4に登録したT3、T4、T6、T7において温度センサーからの出力を取得し、その都度理想データ記憶部4のデータと比較し現燃焼温度の方が高い場合はダンパー16の開度を増し、現燃焼温度の方が低い場合はダンパー16の開度を減ずるように調圧モーターへ制御信号を出力する。図6はこの処理の図4のタイムチャートに基づくフローチャートである。
【0014】
火力修正手段7は、経験則によって以上のごとくシーケンス制御が成されたとしても、副葬品や遺体の燃焼状態が均一でないために炉内の温度が時折急上昇することが少なくないことや、異常な高温下での燃焼は窒素酸化物の排出を促進し燃費を悪化するのみならず、炉の耐用年数を短縮するといった悪影響があることに鑑み、単位時間中における燃焼温度の上昇量を周期的に取得しその上昇量が所定値を越えた場合に前記シーケンス制御手段5の処理に関わらず主バーナー12の火力を下げるものである。
【0015】
本実施例では、燃焼中30秒毎に炉内における10秒間の温度変化をサンプリングし、炉内の温度がサンプリング中(10秒間)に20度以上上昇すると主バーナー12の火力を弱火(例えば10m3 /h)に低下させ、続くサンプリング時において10秒間の温度上昇が20度未満となった時に主バーナー12の火力を前記シーケンス制御に基づく火力に戻すといった制御が行われている。
【0016】
本実施例は以上のごとく構成され、この火葬炉に係る実施については被燃焼物の大小或いは多少によって火葬時間が平均(30分前後)から大きく隔たることが極めて希であることもあり、平均的な被燃焼物に対する理想曲線を設定し、T3、T4、T6、T7においてのみダンパー16を制御するといった比較的粗い制御によってでも高い実用効果が得られた。このように燃焼中における単位時間あたりの温度上昇に基づく制御と、特定の時点における燃焼温度に基づく制御を併用することで多様な用途でほぼ理想に近い燃焼が可能となるものの、火葬炉に限らずより広い用途に適用するについて、或いはより緻密な制御を行う場合については、個々について最適な理想データを設定することは勿論、理想データと比較するタイミングや単位時間あたりの温度上昇量検出のタイミングも用途に最も適したものとすることが望ましい。その際、例えば本実施例のように一定間隔で理想データと比較しても良いし、不要な比較行程を割愛して要所のみを抜粋した比較を行っても良い。その他、制御の目的と成り得るダンパー16の開度や主バーナー12の火力の段階数についても適宜変更し、段階ごとの調整量を調節するのも良い。
【0017】
【発明の効果】
以上のごとく本発明による炉の燃焼制御装置を使用すれば炉の構造や能力に適した運転が可能となり、炉の窒素酸化物排出量を押さえた運転も可能となる。更に、燃料消費量や人件費等が低減されることによりランニングコストを節約できるのみならず、炉を構成する耐火材の耐用年数も向上し顕著な実用効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による炉の燃焼制御装置の一例を示す構成図である。
【図2】本発明による炉の燃焼制御装置を設けた火葬炉の一例を示す略図である。
【図3】本発明による炉の燃焼制御装置を設けた火葬炉の一例を示す略図である。
【図4】前記火葬炉の理想的な燃焼状態を示す燃焼温度のタイムチャートである。
【図5】火葬中における主バーナーの設定火力の一例を示すタイムチャートである。
【図6】図4のタイムチャートに基づき炉内の温度を制御するためのダンパーの開度制御に関するフローチャートである。
【図7】図6に続くフローチャートである。
【符号の説明】
1 燃焼炉
2 燃焼温度検出手段
3 バーナー
4 理想データ記憶部
5 シーケンス制御手段
6 排気量制御手段
7 火力修正手段
Claims (2)
- 燃焼炉(1)に設けた燃焼温度検出手段(2)の出力信号に基づきバーナー(3)の火力と炉内部からの排気量を制御する制御装置において、着火から消火に至る理想的な燃焼温度の時系列データを保持するための理想データ記憶部(4)と、前記燃焼温度の時系列データに沿って燃焼すべく着火から消火に至るバーナー(3)の火力設定を司るシーケンス制御手段(5)と、現燃焼温度と理想的な燃焼温度の時系列データとを適宜比較し現燃焼温度の方が高い場合は排気量を増し現燃焼温度の方が低い場合は排気量を減ずる制御をするための排気量制御手段(6)を具備することを特徴とする炉の燃焼制御装置。
- 燃焼炉(1)に設けた燃焼温度検出手段(2)の出力信号に基づきバーナー(3)の火力と炉内部からの排気量を制御する制御装置において、着火から消火に至る理想的な燃焼温度の時系列データを保持するための理想データ記憶部(4)と、前記燃焼温度の時系列データに沿って燃焼すべく着火から消火に至るバーナー(3)の火力設定を司るシーケンス制御手段(5)と、現燃焼温度と理想的な燃焼温度の時系列データとを適宜比較し現燃焼温度の方が高い場合は排気量を増し現燃焼温度の方が低い場合は排気量を減ずる制御をするための排気量制御手段(6)と、単位時間中における燃焼温度の上昇量を周期的に取得しその上昇量が所定値を越えた場合に前記シーケンス制御手段(5)の処理に関わらずバーナー(3)の火力を下げる火力修正手段(7)を具備することを特徴とする炉の燃焼制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP14076895A JP3795554B2 (ja) | 1995-05-22 | 1995-06-07 | 炉の燃焼制御装置 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP7-122315 | 1995-05-22 | ||
JP12231595 | 1995-05-22 | ||
JP14076895A JP3795554B2 (ja) | 1995-05-22 | 1995-06-07 | 炉の燃焼制御装置 |
Publications (2)
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JPH0942623A JPH0942623A (ja) | 1997-02-14 |
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Family Applications (1)
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1995
- 1995-06-07 JP JP14076895A patent/JP3795554B2/ja not_active Expired - Fee Related
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