JP3794093B2 - 光学活性オキサゾリジノン類及びその製造法 - Google Patents

光学活性オキサゾリジノン類及びその製造法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、不斉合成におけるキラルなテンプレートとして有用な光学活性オキサゾリジノン類、特に光学活性4−(2−ピリジル)オキサゾリジノン類及びその製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】
光学活性オキサゾリジノン類はキラル補助剤として広く用いられている〔Chem.Rev.,96,835(1996)〕。特に、4位に置換基を有する光学活性オキサゾリジノン類は不斉アルキル化のキラルテンプレートとして、またアルケンに対する不斉カルベン付加のロジウム錯体として有用である。
光学活性オキサゾリジノン類はそれぞれ対応するアミノアルコールから合成されているが、4位にアリール基を有する光学活性オキサゾリジノン類は合成例が乏しく、特に4−(2−ピリジル)オキサゾリジノン類については、これまで合成例がなく、一般的な合成法も確立されていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
前記のような技術背景に鑑み、本発明は、不斉合成におけるキラルなテンプレートとして有用な光学活性オキサゾリジノン類、特に光学活性4−(2−ピリジル)オキサゾリジノン類及びその好適な製造法を提供することを課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明の課題は、化学式(a)で示される光学活性オキサゾリジノン類及びその製造法によって達成される。
【0005】
【化3】
Figure 0003794093
(式中、Xは水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、又はアリール基を表す。)
【0006】
【発明の実施の形態】
前記の化学式で示される光学活性オキサゾリジノン類、即ち、光学活性4−(2−ピリジル)オキサゾリジノン類としては、前記化学式において、Xが水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数6〜18のアリール基(但し、芳香環にヘテロ原子を含んでいてもよい)である光学活性オキサゾリジノン類が挙げられる。
【0007】
Xで表される前記のハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。また、Xで表される前記のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基等の炭素数1〜5のアルキル基が挙げられ、アリール基としては、フェニル基、トリル基、ピリジル基(例えば、2−ピリジル基)等の炭素数6〜18のアリール基が挙げられる。
Xで表される前記のアルキル基は、その炭素鎖に、シリルオキシ基(例えば、t−ブチルジメチルシリルオキシ基)、カルボオキシ基(例えば、2−テトラヒドロ−2H−ピラニルオキシ基)や、前記のアリール基(但し、芳香環にヘテロ原子を含んでいてもよい)、ハロゲン原子等を更に置換基として有していてもよい。また、前記のアリール基は、その芳香環に、前記のアルキル基、アリール基(但し、芳香環にヘテロ原子を含んでいてもよい)、ハロゲン原子等を更に置換基として有していてもよい。
【0008】
前記の化学式で示される光学活性オキサゾリジノン類としては、例えば、(4S)−4−(2−ピリジル)オキサゾリジン−2−オン、(4S)−4−{2−〔6−(2−テトラヒドロ−2H−ピラニルオキシ)メチル〕ピリジル}オキサゾリジン−2−オン、及びそれぞれのエナンチオ異性体などが具体的に挙げられる。
【0009】
また、オキサゾリジノンの窒素原子が置換基を有しているもの、例えば、(4S)−N−(3−ペンチル)−4−(2−ピリジル)オキサゾリジン−2−オン、(4S)−N−(3−ペンチル)−4−{2−〔6−(2−テトラヒドロ−2H−ピラニルオキシ)メチル〕ピリジル}オキサゾリジン−2−オン、及びそれぞれのエナンチオ異性体なども本発明の光学活性オキサゾリジノン類として好適に挙げることができる。
【0010】
前記の化学式(a)で表される光学活性オキサゾリジノン類は、下記の化学式(b)で示される光学活性ピリジルエタノールアミン類と1,1’−カルボニルジイミダゾール、ホスゲン、又はジアルキルカーボネートとを反応させることによって製造することができる。なお、光学活性ピリジルエタノールアミン類はいずれのエナンチオマーであっても使用することができる。
【0011】
【化4】
Figure 0003794093
(式中、Xは水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、又はアリール基を表し、そのアルキル基、アリール基は化学式(a)におけると同様のアルキル基、アリール基を表す。)
【0012】
化学式(b)で示される光学活性ピリジルエタノールアミン類としては、例えば、(S)−1−フェニル−2−ヒドロキシエチルアミン、(S)−1−(2−ピリジル)−2−ヒドロキシエチルアミン、(S)−1−{2−〔(6−t−ブチルジメチルシリルオキシ)メチル〕ピリジル}−2−ヒドロキシエチルアミン、(S)−1−{2−〔6−(2−テトラヒドロ−2H−ピラニルオキシ)メチル〕ピリジル}−2−ヒドロキシエチルアミン、及びそれぞれのエナンチオ異性体などが挙げられる。
【0013】
また、光学活性ピリジルエタノールアミン類のエタノールアミン鎖の水酸基はt−ブチルジメチルシリル基、トリメチルシリル基等のシリルエーテル基や、アセチル基、ベンゾイル基等のアシル基などの保護基で保護されていてもよく、例えば、(S)−1−(2−ピリジル)−2−(t−ブチルジメチルシリルオキシ)エチルアミン、(S)−1−{2−〔6−(2−テトラヒドロ−2H−ピラニルオキシ)メチル〕ピリジル}−2−(t−ブチルジメチルシリルオキシ)エチルアミン、(S)−1−(2−ピリジル)−2−(アセトキシ)エチルアミン、及びそれぞれのエナンチオ異性体などが具体的に挙げられる。
【0014】
前記の光学活性ピリジルエタノールアミン類と1,1’−カルボニルジイミダゾール、ホスゲン、又はジアルキルカーボネートとの反応は、例えば、モル比(光学活性ピリジルエタノールアミン類/1,1’−カルボニルジイミダゾール、ホスゲン、又はジアルキルカーボネート)が1.1〜1.5、反応温度が20〜60℃、常圧下の条件で行われる。このとき、反応溶媒として、例えば、テトラヒドロフラン、エーテル、ベンゼン、塩化メチレンなどを光学活性ピリジルエタノールアミン類に対して30〜60重量倍使用することができる。このとき、ジアルキルカーボネートとしては、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジプロピルカーボネート、ジブチルカーボネート等の炭素数1〜5のアルコキシ基を有するジアルキルカーボネートが使用される。
生成した光学活性オキサゾリジノン類は、例えば、抽出、カラムクロマトグラフィーなどにより分離される。
【0015】
なお、前記の光学活性ピリジルエタノールアミン類のエタノールアミン鎖の水酸基が、t−ブチルジメチルシリルオキシ基等のシリルオキシ基で保護されていの場合は、予め脱保護した後に1,1’−カルボニルジイミダゾールなどと反応させることが好ましい。また、脱保護の前に、該光学活性ピリジルエタノールアミン類を3−ペンタノン、そして水素化シアノホウ素ナトリウムと反応させて得られる生成物を用いることによって、オキサゾリジノンの窒素原子が3−ペンチル基を有しているものを合成できる。
【0016】
この脱保護は公知の方法により容易に行われる。例えば、モル比(該光学活性ピリジルエタノールアミン類/テトラブチルアンモニウムフルオリド)が1.0〜1.2、反応温度が15〜25℃、常圧下の条件で、保護された光学活性ピリジルエタノールアミン類をテトラブチルアンモニウムフルオリドと反応させることによって容易に行われる。このとき、反応溶媒として、例えば、テトラヒドロフランなどをシリルエーテル基を有するアミン体に対して10〜25重量倍使用することができる。脱保護された光学活性ピリジルエタノールアミン類は、例えば、抽出、カラムクロマトグラフィーなどにより分離される。
【0017】
化学式(b)で示される光学活性ピリジルエタノールアミン類は、例えば、(1)化学式(c)で示される光学活性ピリジルアリルアルコール類の二級水酸基をシリルエーテル化してシリルエーテル体を生成させ、(2)そのシリルエーテル体のビニル基を酸化し、次いで還元してヒドロキシメチル体を生成させ、(3)そのヒドロキシメチル体の一級水酸基を分子内シリルエーテル化して一級シリルエーテル体を生成させ、(4)その一級シリルエーテル体の二級水酸基をメシル化してメシル体を生成させ、(5)そのメシル体のメシル基をアジド化してアジド体を生成させ、(6)そのアジド体のアジド基を水素還元してアミン体を生成させることにより合成される。なお、光学活性ピリジルアリルアルコール類はいずれのエナンチオマーであっても差し支えない。
【0018】
【化5】
Figure 0003794093
(式中、Xは水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、又はアリール基を表し、そのアルキル基、アリール基は化学式(a)におけると同様のアルキル基、アリール基を表す。)
【0019】
化学式(c)で示される光学活性ピリジルアリルアルコール類の二級水酸基のシリルエーテル化(シリルエーテル体の合成)は、例えば、モル比(光学活性ピリジルアリルアルコール類/t−ブチルジメチルシリルクロリド)が1.0〜1.1、反応温度が15〜25℃、常圧下の条件で、光学活性ピリジルアリルアルコール類をt−ブチルジメチルシリルクロリドと反応させることによって行われる。このとき、イミダゾール、トリエチルアミンなどの塩基を光学活性ピリジルアリルアルコール類に対して2〜3倍モル存在させることが好ましい。反応溶媒としては、例えば、ジメチルホルムアミド、ジクロロメタンなどを光学活性ピリジルアリルアルコール類に対して10〜20重量倍使用することができる。
なお、ピリジン環に結合している置換基(例えば、臭素原子)は、このシリルエーテル体の段階で必要に応じて他の置換基(例えば、ヒドロキシメチル基)に変換することができる。
生成したシリルエーテル体(光学活性ピリジルアリルアルコール類の二級水酸基がシリルエーテル化されたもの)は、例えば、抽出、カラムクロマトグラフィーなどにより分離される。
【0020】
前記シリルエーテル体のビニル基の酸化(ヒドロキシメチル体の合成)は、例えば、モル比(シリルエーテル体/四酸化オスミウム)が0.01〜0.05、反応温度が15〜25℃、常圧下の条件で、シリルエーテル体と四酸化オスミウムを反応させてジオール体を生成させ、次いで、例えば、モル比(ジオール体/過ヨウ素酸ナトリウム)が1.2〜1.8、反応温度が15〜25℃、常圧下の条件で、該ジオール体を過ヨウ素酸ナトリウムと反応させることによって行われる。
【0021】
このとき、シリルエーテル体と四酸化オスミウムとの反応では、トリメチルアミン−N−オキシド、N−メチルモルホリン−N−オキシドなどの酸化補助剤をシリルエーテル体に対して3〜4倍モル使用することが好ましく、反応溶媒としては、例えば、含水アセトン、含水ジオキサン(5〜15重量%の水を含む)などをシリルエーテル体に対して20〜30重量倍使用することができる。
生成したジオール体は、例えば、抽出、カラムクロマトグラフィーなどにより分離される。
ジオール体と過ヨウ素酸ナトリウムとの反応では、反応溶媒として、例えば、含水メタノール、含水アセトン(10〜20重量%の水を含む)などをシリルエーテル体に対して20〜30重量倍使用することができる。また、過ヨウ素酸ナトリウムに代えて四酢酸鉛を同量用いることもできる。
【0022】
前記シリルエーテル体のビニル基の酸化に続く還元は、例えば、モル比(シリルエーテル体/水素化ホウ素ナトリウム)が1.0〜1.2、反応温度が0〜25℃、常圧下の条件で、酸化反応混合物を水素化ホウ素ナトリウムで処理することによって行われる。
生成したヒドロキシメチル体は、例えば、抽出、カラムクロマトグラフィーなどにより分離される。
【0023】
前記ヒドロキシメチル体の一級水酸基のシリルエーテル化(シリル移動;一級シリルエーテル体の合成)は、例えば、モル比(ヒドロキシメチル体/塩基)が0.3〜0.5、反応温度が0〜30℃、常圧下の条件で、ヒドロキシメチル体を塩基と反応させることによって行われる。塩基としては、例えば、炭酸カリウム、炭酸ナトリウムなどがヒドロキシメチル体に対して0.2〜0.5倍モル使用される。このとき、反応溶媒として、例えば、メタノール、エタノール、テトラヒドロフランなどをヒドロキシメチル体に対して5〜15重量倍使用することができる。
【0024】
この処理により、前記ヒドロキシメチル体のシリルエーテル基(光学活性ピリジルアリルアルコール類の二級水酸基がシリルエーテル化されたもの)が二級水酸基に再び変換されると共に、ヒドロキシメチル体の一級水酸基がシリルエーテル基に変換される(即ち、シリルエーテル基が移動する)。なお、このシリルエーテル基の移動は前記の還元においても一部起こっている。
生成した一級シリルエーテル体(ヒドロキシメチル体の一級水酸基がシリルエーテル化されたもの)は、例えば、抽出、カラムクロマトグラフィーなどにより分離される。
【0025】
前記一級シリルエーテル体(ヒドロキシメチル体の一級水酸基がシリルエーテル化されたもの)の二級水酸基のメシル化(メシル体の合成)は、例えば、モル比(一級シリルエーテル体/メタンスルホニルクロリド)が1.0〜1.2、反応温度が0〜20℃、常圧下の条件で、一級シリルエーテル体をメタンスルホニルクロリドと反応させることによって行われる。このとき、4−ジメチルアミノピリジンを一級シリルエーテル体に対して1.05〜1.30倍モル使用することが好ましい。また、4−ジメチルアミノピリジンに代えて、トリエチルアミン、ジイソプロピルアミンなどの他のアミン類を用いることもできる。
生成したメシル体は、例えば、抽出、カラムクロマトグラフィーなどにより分離される。
【0026】
前記メシル体のメシル基のアジド化(アジド体の合成)は、例えば、モル比(メシル体/アジ化ナトリウム)が1.0〜2.0、反応温度が15〜25℃、常圧下の条件で、メシル体をアジ化ナトリウム等のアジ化物と反応させることによって行われる。このとき、反応溶媒としてはジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフランなどをメシル体に対して15〜40重量倍使用することができる。
生成したアジド体は、例えば、抽出、カラムクロマトグラフィーなどにより分離される。
【0027】
前記アジド体のアジド基の水素還元(アミン体の合成)は、例えば、水素化触媒パラジウム炭素の存在下、反応温度15〜25℃、常圧又は加圧下(1〜10atm)の条件で、メシル体を水素ガスと接触させることによって行われる。このとき、水素化触媒としては、例えば、5〜10重量%パラジウム炭素などがアジド体1mmolに対して5〜10mg使用される。また、反応溶媒としては、メタノール、エタノール、ジクロロメタン、酢酸エチルなどをアジド体に対して15〜40重量倍使用することができる。
生成したアミン体は、例えば、抽出、カラムクロマトグラフィーなどにより分離される。
また、このアミン体は、例えば、水素化ナトリウムと3−ブチルペンタンと反応させることによって、オキサゾリジノンの窒素原子が3−ペンチル基を有しているものに変換される。
【0028】
前記アミン体のシリルエーテル基は、公知の方法により容易に脱保護される。この脱保護は、例えば、モル比(アミン体/テトラブチルアンモニウムフルオリド)が1.0〜1.2、反応温度が15〜25℃、常圧下の条件で、アミン体をテトラブチルアンモニウムフルオリドと反応させることによって行われる。このとき、反応溶媒として、例えば、テトラヒドロフランなどをシリルエーテル基を有するアミン体に対して10〜25重量倍使用することができる。
生成したアミン体は、例えば、抽出、カラムクロマトグラフィーなどにより分離される。
【0029】
なお、化学式(c)で示される光学活性ピリジルエタノールアミン類は、例えば、対応するピリジルエタノールアミン類を、カンジダ・アンタルクチカ・リパーゼ(Candida antarctica lipase)の存在下で酢酸ビニルを用いて不斉分割(不斉アセチル化)する方法〔TetrahedronLett.,35,7973(1994)〕に準じて合成される。また、生成した光学活性アセトキシ体は加アルコール分解により光学活性ピリジルエタノールアミン類に容易に変換される。
【0030】
【実施例】
次に、実施例及び比較例を挙げて本発明を具体的に説明する。なお、特に記載しない限り操作は全て常圧下で行った。
【0031】
参考例1
〔ピリジルアリルアルコールの合成〕
(a)ピリジルアルデヒドとして2−(6−ブロモピリジル)アルデヒド(2mmol)を用い、そのエーテル溶液(15ml)に、氷冷下、ビニルマグネシウムブロミド(2.1mmol)のエーテル溶液(2.1ml)を5分間で滴下し、更に10分間攪拌した。次いで、水(3ml)を加え、氷冷浴を取り除いて反応液を室温に戻した。
【0032】
得られた反応液に酢酸エチル(100ml)を加えて有機相を分離した後、有機相を飽和食塩水(5ml)で洗浄して、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。その後、溶媒を減圧下で留去し、残液をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに供して(溶出溶媒:酢酸エチル/ヘキサン(v/v)=1/4)、ピリジルアリルアルコールを分離した。
その結果、ピリジルアリルアルコール〔1−(2−(6−ブロモピリジル))アリルアルコール、又は2−ブロモ−6−(1−ヒドロキシ−2−プロペニル))ピリジン〕(X=Br)の収率は93%であった。
【0033】
得られたピリジルアリルアルコールの物性を次に示す。
(1)Rf=0.25(酢酸エチル/ヘキサン(v/v)=1/4)
(2) 1H−NMR(400MHz,CDCl3
δ 7.56(1H,t,J=7.7Hz),7.41(1H,d,J=7.7Hz),7.28(1H,d,J=7.7Hz),5.97(1H,ddd,J=16.8,10.2 and 6.4Hz),5.45(1H,d,J=16.8Hz),5.27(1H,d,J=10.2Hz),5.18(1H,m),3.91(1H,d,J=4.6Hz)
(3)13C−NMR(100MHz,CDCl3
δ 162.0,141.1,139.2,138.6,126.8,119.6,116.9,74.1
【0034】
〔ピリジルアリルアルコールの不斉分割〕
前記のピリジルアリルアルコール〔2−ブロモ−6−(1−ヒドロキシ−2−プロペニル)ピリジン〕(5mmol)、CAL(300mg)、酢酸ビニル(2ml)、モレキュラーシーブス4Aをイソプロピルエーテル(200ml)に加え、60℃で20時間攪拌した。
反応終了後、反応混合物を濾過し、濾液の溶媒を減圧下で留去した。次いで、得られた残液をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに供して(溶出溶媒を下記に示す)、光学活性アセトキシ体及び光学活性ピリジルアリルアルコールを分離した。
【0035】
その結果、光学活性アセトキシ体〔(R)−2−(1−アセトキシ−2−プロペニル)−6−ブロモピリジン〕の収率は49%で、そのe.e.は99%以上であった(溶出溶媒:酢酸エチル/ヘキサン(v/v)=3/7)。また、光学活性ピリジルアリルアルコール〔(S)−2−ブロモ−6−(1−ヒドロキシ−2−プロペニル)ピリジン〕の収率は43%で、そのe.e.は99%以上で(溶出溶媒:酢酸エチル/ヘキサン(v/v)=6/4)、その〔α〕D 26 は+56.0°(c:1.55,CHCl3 )であった。
【0036】
〔シリルエーテル体の合成〕
参考例1で得られた光学活性ピリジルアリルアルコール〔(S)−2−ブロモ−6−(1−ヒドロキシ−2−プロペニル)ピリジン〕(7.72mmol)及びイミダゾール(16mmol)のジメチルホルムアミド(15ml)溶液に、室温にてt−ブチルジメチルシリルクロリド(8.49mmol)を加えて12時間攪拌した。
反応終了後、得られた反応液に、酢酸エチル/ヘキサン(v/v)=1/4の溶媒(200ml)及び水(5ml)を加えて有機相を分離した。次いで、その有機相を水(2ml×3)及び飽和食塩水(2ml×3)で洗浄して、有機相を無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒を減圧下で留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに供して(溶出溶媒:酢酸エチル/ヘキサン(v/v)=1/4)、シリルエーテル体を分離した。
その結果、光学活性ピリジルアリルアルコールのシリルエーテル体〔(S)−2−ブロモ−6−(1−t−ブチルジメチルシリルオキシ−2−プロペニル)ピリジン〕(X=Br)の収率は95%であった。
【0037】
得られたシリルエーテル体の物性を次に示す。
(1)Rf=0.31(酢酸エチル/ヘキサン(v/v)=1/9)
(2)〔α〕D 27 +29.7°(c:2.08,CHCl3
(3) 1H−NMR(400MHz,CDCl3
δ 7.52(1H,t,J=7.7Hz),7.44(1H,dd,J=7.7 and 1.1Hz),7.31(1H,dd,J=7.7 and 1.1Hz),5.26(1H,dt,J=4.7 and 1.7Hz),6.01(1H,ddd,J=17.0,10.3 and 4.7Hz),5.39(1H,dt,J=17.0 and 1.7Hz),5.10(1H,dt,J=10.3 and 1.7Hz),0.91(9H,s),0.07(3H,s),0.00(3H,s)
【0038】
前記のシリルエーテル体〔(S)−2−ブロモ−6−(1−t−ブチルジメチルシリルオキシ−2−プロペニル)ピリジン〕(7.33mmol)の無水ヘキサン/エーテル/テトラヒドロフラン(18ml/36ml/18ml)溶液に、アルゴン気流下、−78℃にて、n−ブチルリチウム(8.79mmol;1.56Mヘキサン溶液)を10分間で滴下し、更に10分間攪拌した。反応液に同温にてジメチルホルムアミド(0.85ml)を滴下し、更に10分間攪拌した。次いで、氷浴に代えて、メタノール(3ml)を加えた後、水素化ホウ素ナトリウム(10.99mmol)を加え、30分間攪拌した。
反応後、得られた反応液をエーテル(200ml)で希釈して、水(3ml×3)及び飽和食塩水(3ml)で洗浄した後、抽出液を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。次いで、溶媒を減圧下で留去した後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに供して(溶出溶媒:酢酸エチル/ヘキサン(v/v)=1/4)、生成物〔(S)−2−(1−t−ブチルジメチルシリルオキシ−2−プロペニル)−6−ヒドロキシメチルピリジン〕を分離した(収率:62%)。
【0039】
前記生成物〔(S)−2−(1−t−ブチルジメチルシリルオキシ−2−プロペニル)−6−ヒドロキシメチルピリジン〕の物性を次に示す。
(1)Rf=0.39(酢酸エチル/ヘキサン(v/v)=3/7)
(2)〔α〕D 27 −89.6°(c:0.61,CHCl3
(3) 1H−NMR(400MHz,CDCl3
δ 7.67(1H,t,J=7.7Hz),7.40(1H,d,J=7.7Hz),7.07(1H,d,J=7.7Hz),6.04(1H,ddd,J=17.0,10.3 and 5.0Hz),5.39(1H,dt,J=17.0 and 1.7Hz),5.29(1H,dt,J=5.0and 1.7Hz),5.10(1H,dt,J=10.3 and 1.7Hz),4.73(2H,d,J=4.6Hz),3.93(1H,t,J=4.6Hz),0.94(9H,s),0.10(3H,s),0.02(3H,s)
(4)13C−NMR(100MHz,CDCl3
δ 162.3,157.5,140.0,137.4,118.6,118.4,113.9,76.5,63.7,25.8,18.3,−4.8,−5.0
【0040】
次いで、前記生成物〔(S)−2−(1−t−ブチルジメチルシリルオキシ−2−プロペニル)−6−ヒドロキシメチルピリジン〕(6.20mmol)と3,4−ジヒドロピラン(24.8mmol)の無水メチレンクロリド(5ml)溶液に、p−トルエンスルホン酸ピリジニウム(0.62mmol)を室温下で加え、30分間攪拌した後、加熱還流下で3.5時間攪拌した。
反応後、得られた反応液を酢酸エチル/ヘキサン(v/v)=1/1溶液(200ml)で希釈して、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(3ml)、水(3ml×3)及び飽和食塩水(3ml)で洗浄した後、抽出液を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。次いで、溶媒を減圧下で留去した後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに供して(溶出溶媒:酢酸エチル/ヘキサン(v/v)=0〜3/10〜7)、生成物〔(S)−2−(1−t−ブチルジメチルシリルオキシ−2−プロペニル)−6−(2−テトラヒドロ−2H−ピラニルオキシ)メチルピリジン〕を分離した(収率:95%)。
【0041】
前記生成物〔(S)−2−(1−t−ブチルジメチルシリルオキシ−2−プロペニル)−6−(2−テトラヒドロ−2H−ピラニルオキシ)メチルピリジン〕の物性を次に示す。
(1)ジアステレオマー混合物(1:1)
(2)Rf=0.39(酢酸エチル/ヘキサン(v/v)=1/9)
(3) 1H−NMR(400MHz,CDCl3
δ 7.37(1H,d,J=7.7Hz),7.67(1H,t,J=7.7Hz),7.32(1H,d,J=7.7Hz),6.05(1H,ddd,J=17.0,10.3 and 4.7Hz),5.38(1H,dt,J=4.7 and 1.7Hz),5.28(1H,dt,J=17.0and 1.7Hz),5.07(1H,dt,J=10.3 and 1.7Hz),4.87(1H,d,J=13.5Hz),4.77(1H,dd,J=5.4 and 3.0Hz),4.62(1H,d,J=13.5Hz),3.95−3.86(1H,m),3.57−3.50(1H,m),1.87−1.52(6H,m),0.92(9H,s),0.08(3H,s),0.00(3H,s)
【0042】
〔ヒドロキシメチル体の合成〕
前記生成物〔(S)−2−(1−t−ブチルジメチルシリルオキシ−2−プロペニル)−6−(2−テトラヒドロ−2H−ピラニルオキシ)メチルピリジン〕(2.89mmol)のアセトン/水(8ml/1.28ml)溶液に、室温にて、トリメチルアミン−N−オキシド二水和物(8.67mmol)を加えた後、四酸化オスミウム(0.14mmol)を加え、同温にて40分間攪拌した。
反応後、得られた反応液に飽和亜硫酸水素ナトリウム水溶液(2ml)を加えた後、酢酸エチル/ヘキサン(v/v)=7/3の溶液(140ml)で抽出を行って、有機相を水(2ml×3)及び飽和食塩水(2ml)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。次いで、溶媒を減圧下で留去した後、残渣をそのまま次の反応に用いた。
なお、残渣を別途シリカゲルカラムクロマトグラフィーに供して(溶出溶媒:酢酸エチル/ヘキサン(v/v)=7/3)、生成物を分離したところ、ジオール体を収率94%で得ることができた。
【0043】
前記残渣のメタノール/水(3ml/1.25ml)溶液に、0℃にて、過ヨウ素酸ナトリウム(3.19mmol)を加えて1.5時間攪拌した。
反応液を室温に戻した後、水素化ホウ素ナトリウム(3.19mmol)を加えて、更に1.5時間攪拌した。
反応後、得られた反応液を酢酸エチル/ヘキサン(v/v)=1/1の溶液(120ml)で抽出操作し、次いで有機相を水(3ml×3)及び飽和食塩水(3ml)で洗浄して、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧下で留去した後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに供して(溶出溶媒:酢酸エチル/ヘキサン(v/v)=3/7)、ヒドロキシメチル体を分離した。
その結果、光学活性ピリジルアリルアルコールのヒドロキシメチル体〔(1’R)−2−〔(1’−t−ブチルジメチルシリルオキシ−2’−ヒドロキシエチル)−6−(2−テトラヒドロ−2H−ピラニルオキシ)メチルピリジン〕の収率は28%であった。また、該ヒドロキシメチル体のt−ブチルジメチルシリル基が移動したシリルエーテル体〔(1’R)−2−〔(2’−t−ブチルジメチルシリルオキシ−1’−ヒドロキシエチル)−6−(2−テトラヒドロ−2H−ピラニルオキシ)メチルピリジン〕の収率は58%であった。
【0044】
得られたヒドロキシメチル体の物性を次に示す。
(1)ジアステレオマー混合物(1:1)
(2)Rf=0.51(酢酸エチル/ヘキサン(v/v)=1/1)
(3)〔α〕D 29 −62.5°(c:2.04,CHCl3
(4) 1H−NMR(400MHz,CDCl3
δ 7.72(1H,t,J=7.7Hz),7.40(1H,d,J=7.7Hz),7.36(1H,d,J=7.7Hz),4.88−4.82(2H,m),4.76(1H,t,J=3.4Hz),4.60(1H,dd,J=11.2 and 2.3Hz),3.92−3.86(1H,m),3.76(2H,brs),3.54(1H,dd,J=11.7 and 5.2Hz),3.47(1H,brs),1.91−1.53(6H,m),0.94(9H,s),0.12(3H,s),0.05(3H,s)
(5)13C−NMR(100MHz,CDCl3
δ 157.3,137.3,119.9,119.8,118.8,98.4(98.3),74.3,69.6,67.6,62.2(62.1),30.5,25.8,25.4,19.3(19.2),18.2,−4.8,−5.0
【0045】
前記ヒドロキシメチル体〔(1’R)−2−〔(1’−t−ブチルジメチルシリルオキシ−2’−ヒドロキシエチル)−6−(2−テトラヒドロ−2H−ピラニルオキシ)メチルピリジン〕(2.12mmol)のメタノール(10ml)溶液に、無水炭酸カリウム(1mmol)を加え、室温で5時間攪拌した。無機物を濾過した後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに供して(溶出溶媒:酢酸エチル/ヘキサン(v/v)=3/7)、t−ブチルジメチルシリル基が移動したシリルエーテル体を分離した。
その結果、該ヒドロキシメチル体のt−ブチルジメチルシリル基が移動したシリルエーテル体〔(1’R)−2−〔(2’−t−ブチルジメチルシリルオキシ−1’−ヒドロキシエチル)−6−(2−テトラヒドロ−2H−ピラニルオキシ)メチルピリジン〕の収率は66%であった。
【0046】
ヒドロキシメチル体のt−ブチルジメチルシリル基が移動したシリルエーテル体の物性を次に示す。
(1)ジアステレオマー混合物(1:1)
(2)Rf=0.37(酢酸エチル/ヘキサン(v/v)=3/7)
(3)〔α〕D 29 −4.14°(c:2.01,CHCl3
(4) 1H−NMR(400MHz,CDCl3
δ 7.67(1H,t,J=7.7Hz),7.37(1H,d,J=7.7Hz),7.30(1H,d,J=7.7Hz),4.87(1H,d,J=13.7Hz),4.76(1H,t,J=3.5Hz),4.73(1H,t,J=5.6Hz),4.63(1H,d,J=13.7Hz),4.12(1H,t,J=5.6Hz),3.90(1H,ddd,J=11.7,8.9 and 3.1Hz),3.80(1H,d,J=5.6Hz),3.78(1H,d,J=5.6Hz),3.57−3.52(1H,m),1.90−1.54(6H,m),0.83(9H,s),−0.03(3H,s),−0.05(3H,s)
(5)13C−NMR(100MHz,CDCl3
δ 159.1,142.3,130.8,125.7,113.7,96.1,77.4,70.4,55.2,43.6,35.5,33.0,31.5,29.8,19.5,−4.9,−5.0
【0047】
〔メシル体の合成〕
前記のヒドロキシメチル体のt−ブチルジメチルシリル基が移動したシリルエーテル体〔(1’R)−2−〔(2’−t−ブチルジメチルシリルオキシ−1’−ヒドロキシエチル)−6−(2−テトラヒドロ−2H−ピラニルオキシ)メチルピリジン〕(5mmol)及び4−ジメチルアミノピリジン(6.6mmol)のジクロロメタン(15ml)溶液に、氷冷下、メタンスルホニルクロリド(6mmol)を5分間で滴下して、3時間攪拌した。反応終了後、反応液をジクロロメタン(80ml)で希釈し、水(2ml×3)及び飽和食塩水(5ml)で洗浄した。次いで、有機相を無水硫酸マグネシウムで乾燥して、溶媒を減圧下で留去した後、残液をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに供して(溶出溶媒:酢酸エチル/ヘキサン(v/v)=1/4)、メシル体を分離した。
その結果、メシル体〔(1’R)−2−〔(1’−メタンスルホニルオキシ)−2’−(t−ブチルジメチルシリルオキシエチル)〕−6−(2−テトラヒドロ−2H−ピラニルオキシ)メチルピリジン〕の収率は96%であった。
【0048】
得られたメシル体の物性を次に示す。
(1)ジアステレオマー混合物(1:1)
(2)Rf=0.38(酢酸エチル/ヘキサン(v/v)=3/7)
(3)〔α〕D 25 −73.3°(c:1.91,CHCl3
(4) 1H−NMR(400MHz,CDCl3
δ 7.73(1H,t,J=7.8Hz),7.45(1H,d,J=7.8Hz),7.40(1H,d,J=7.8Hz),5.63(1H,dd,J=7.5 and 3.3Hz),4.87(1H,dd,J=3.8and 2.4Hz),4.77(1H,dd,J=6.4 and 3.3Hz),4.63(1H,dd,J=13.8 and 3.5Hz),4.11(1H,dd,J=11.3 and 3.5Hz),3.97(1H,ddd,J=11.3,7.5 and 2.4Hz),3.90(1H,t,J=10.0Hz),3.58−3.53(1H,m),3.05(3H,s),1.91−1.55(6H,m),0.87(9H,s),0.04(3H,s),0.04(3H,s)
(5)13C−NMR(100MHz,CDCl3
δ 158.5,154.6,137.3,128.3,120.9(120.9),120.2(120.2),98.4(98.4),84.8,69.5(69.5),65.4(65.4),62.2(62.1),38.6,30.5,25.8,25.4,19.3(19.3),18.3,−5.5,−5.5
(6)IR(film):1360,1175cm-1
【0049】
〔アジド体の合成〕
前記のメシル体〔(1’R)−2−〔1’−メタンスルホニルオキシ−2’−(t−ブチルジメチルシリルオキシ)エチル〕−6−(2−テトラヒドロ−2H−ピラニルオキシ)メチルピリジン〕(3mmol)のジメチルスルホキシド(9ml)溶液に、アジ化ナトリウム(5.35mmol)を加え、室温にて10時間攪拌した。反応終了後、反応液に水(2ml)を加え、酢酸エチル/ヘキサン(1ml/1.8ml)で抽出を行って、得られた有機相を水(2ml×2)及び飽和食塩水(2ml)で洗浄した。次いで、有機相を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下で留去して、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに供して(溶出溶媒:酢酸エチル/ヘキサン(v/v)=3/7)、アジド体を分離した。
その結果、アジド体〔(1’S)−2−〔1’−アジド−2’−(t−ブチルジメチルシリルオキシ)エチル〕−6−(2−テトラヒドロ−2H−ピラニルオキシ)メチルピリジン〕の収率は95%であった。
【0050】
得られたアジド体の物性を次に示す。
(1)ジアステレオマー混合物(1:1)
(2)Rf=0.31(酢酸エチル/ヘキサン(v/v)=1/9)
(3)〔α〕D 27 +29.7°(c:2.08,CHCl3
(4) 1H−NMR(400MHz,CDCl3
δ 7.68(1H,t,J=7.7Hz),7.40(1H,d,J=7.7Hz),7.25(1H,d,J=7.7Hz),4.86(1H,d,J=13.7Hz),4.76(1H,t,J=3.4Hz),4.66−4.62(1H,m),4.62(1H,dd,J=13.7 and 1.5Hz),4.09(1H,dd,J=10.4 and 4.1Hz),3.93−3.85(2H,m),3.57−3.52(1H,m),1.92−1.54(6H,m),0.86(9H,s),0.02(6H,s)
(5)13C−NMR(100MHz,CDCl3
δ 158.5(158.5),155.9,137.1,120.3,120.3(120.2),98.3,69.6,67.5,66.7(66.7),62.1,30.5,25.7,25.4,19.3,18.1,−5.6
(6)IR(film):2100cm-1
【0051】
〔アジド体の水素還元(アミン体の合成)〕
前記のアジド体〔(1’S)−2−〔1’−アジド−2’−(t−ブチルジメチルシリルオキシ)エチル〕−6−〔(2−テトラヒドロ−2H−ピラニルオキシ)メチルピリジン〕(7mmol)及び5重量%パラジウム炭素(120mg)のエタノール(30ml)溶液を、水素気流中、室温にて5時間攪拌した。
反応終了後、パラジウム炭素をセライトを用いて吸引濾過し、セライトをエタノール(5ml)で洗浄した。次いで、溶媒を減圧下で留去して、アミン体〔(1’S)−2−〔1’−アミノ−2’−(t−ブチルジメチルシリルオキシ)エチル〕−6−〔(2−テトラヒドロ−2H−ピラニルオキシ)メチルピリジン〕を収率は97%で得た。
【0052】
得られたアミン体(光学活性ピリジルエタノールアミン)の物性を次に示す。
(1)ジアステレオマー混合物(1:1)
(2)Rf=0.29(メタノール/酢酸エチル(v/v)=1/9)
(3)〔α〕D 27 +3.83°(c:2.05,CHCl3
(4) 1H−NMR(400MHz,CDCl3
δ 7.62(1H,t,J=7.7Hz),7.32(1H,d,J=7.7Hz),7.22(1H,d,J=7.7Hz),4.85(1H,dd,J=13.6 and 2.0Hz),4.76(1H,t,J=3.1Hz),4.62(1H,dd,J=13.6 and 3.5Hz),4.07(1H,t,J=5.8Hz),3.90(1H,ddd,J=11.6,8.6 and 3.1Hz),3.81(1H,dd,J=9.7 and 4.9Hz),3.64(1H,dd,J=7.1 and 9.6Hz),3.53(1H,m),2.35(2H,drs),1.91−1.51(6H,m),0.83(9H,s),−0.04(3H,s),−0.05(3H,s)
(5)13C−NMR(100MHz,CDCl3
δ 160.7,158.0,136.6,120.4,119.6,98.2,69.8,68.5,62.1(62.1),58.4,30.5,25.8,25.4,19.3(19.3),18.2,−5.5,−5.6
(6)IR(film):3380cm-1
【0053】
実施例1
参考例1で得られたアミン体(光学活性ピリジルエタノールアミン)〔(1’S)−2−〔1’−アミノ−2’−(t−ブチルジメチルシリルオキシ)エチル〕−6−〔(2−テトラヒドロ−2H−ピラニルオキシ)メチルピリジン〕(0.6mmol)のテトラヒドロフラン(5ml)溶液に、テトラブチルアンモニウムフロリド(0.7mmol)のテトラヒドロフラン(0.7ml)溶液を室温で加えて2時間攪拌した。次いで、1,1’−カルボニルジイミダール(0.7mmol)を加え、同温で2時間攪拌した。
反応終了後、反応液を酢酸エチル(40ml)で希釈し、水(1m×3)及び飽和食塩水(1ml)で洗浄した。次いで、有機相を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下で留去した後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに供して(溶出溶媒:酢酸エチル)、光学活性オキサゾリジノンを分離した。
その結果、光学活性オキサゾリジノン〔(4S)−4−{2−〔6−(2−テトラヒドロ−2H−ピラニルオキシ)メチル〕ピリジル}オキサゾリジン−2−オンの収率は74%であった。
【0054】
得られた光学活性オキサゾリジノンの物性を次に示す。
(1)ジアステレオマー混合物(1:1)
(2)Rf=0.31(酢酸エチル)
(3)〔α〕D 26 +51.9°(c:2.25,CHCl3
(4) 1H−NMR(400MHz,CDCl3
δ 7.63(1H,t,J=7.7Hz),7.46(1H,d,J=7.7Hz),7.27(1H,d,J=7.7Hz),5.82−5.75(1H,brs),5.04(1H,dd,J=8.8 and 3.3Hz),4.86(1H,d,J=13.7Hz),4.82(1H,t,J=8.8Hz),4.77(1H,t,J=3.3Hz),4.61(1H,d,J=13.7Hz),4.40(1H,dd,J=8.8 and 5.7Hz),3.90(1H,ddd,J=11.5,8.8 and 3.3Hz),3.59−3.52(1H,m),1.92−1.54(6H,m)
(5)IR(film):2940,1750cm-1
【0055】
参考例2
〔ピリジルアリルアルコールの合成〕
ピリジルアルデヒドとして2−ピリジルアルデヒドを用いたほかは、参考例1と同様に対応するピリジルアリルアルコールの合成を行った。
その結果、ピリジルアリルアルコール〔1−(2−ピリジル)アリルアルコール、又は2−(1−ヒドロキシ−2−プロペニル)ピリジン〕(X=H)の収率は87%であった。
【0056】
得られたピリジルアリルアルコールの物性を次に示す。
(1)Rf=0.30(酢酸エチル/ヘキサン(v/v)=6/4)
(2)1 H−NMR(400MHz,CDCl3
δ 8.55(1H,dm,J=4.8Hz),7.00(1H,td,J=7.7 and 1.6Hz),7.30(1H,d,J=7.7Hz),7.22(1H,ddm,J=7.7 and 4.8Hz),5.97(1H,ddd,J=17.0,10.2 and 6.7Hz),5.46(1H,dm,J=17.0Hz),5.25(1H,dm,J=10.2Hz),5.19(1H,d,J=6.7Hz),4.75(1H,brs)
(3)13C−NMR(100MHz,CDCl3
δ 159.9,148.1,139.4,136.8,122.5,120.9,116.5,74.2
【0057】
〔ピリジルアリルアルコールの不斉分割〕
次いで、前記のピリジルアリルアルコールを用いて参考例1と同様に不斉分割を行った。
得られた光学活性アセトキシ体〔(R)−2−(1−アセトキシ−2−プロペニル)ピリジン〕の収率は49%で、そのe.e.は99%以上であり(溶出溶媒:酢酸エチル/ヘキサン(v/v)=3/7)、光学活性ピリジルアリルアルコール〔(S)−2−(1−ヒドロキシ−2−プロペニル)ピリジン〕の収率は46%で、そのe.e.は99%以上で(溶出溶媒:酢酸エチル/ヘキサン(v/v)=6/4)、その〔α〕D 26 は+70.3°(c:1.80,CHCl3 )であった。
【0058】
〔光学活性ピリジルエタノールアミンの合成〕
前記の光学活性ピリジルアリルアルコール〔(S)−2−(1−ヒドロキシ−2−プロペニル)ピリジン〕を用いたほかは、参考例1と同様に光学活性ピリジルエチルアミンの合成を行った。但し、(2−テトラヒドロ−2H−ピラニルオキシ)メチル基の導入は省略した。
その結果、アミン体(光学活性ピリジルエタノールアミン)〔(S)−2−〔1−アミノ−2−(t−ブチルジメチルシリルオキシ)エチル〕ピリジン〕の収率は87%であった。
【0059】
得られたアミン体(光学活性ピリジルエタノールアミン)の物性を次に示す。
(1)ジアステレオマー混合物(1:1)
(2)Rf=0.05(メタノール/酢酸エチル(v/v)=1/9)
(3)〔α〕D 28 +13.3°(c:2.09,CHCl3
(4) 1H−NMR(400MHz,CDCl3
δ 8.53(1H,dm,J=4.7Hz),7.61(1H,td,J=7.7 and 1.8Hz),7.34(1H,dm,J=7.7Hz),7.13(1H,ddd,J=7.7,4.7 and 0.7Hz),4.07(1H,dd,J=7.2 and 4.9Hz),3.82(1H,dd,J=9.6 and 4.9Hz),3.64(1H,dd,J=9.6and 7.2Hz),1.95(2H,s),0.82(9H,s),−0.05(3H,s),−0.06(3H,s)
(5)13C−NMR(100MHz,CDCl3
δ 161.7,149.0,136.1,122.1,68.6,58.6,25.8,18.2,−5.5,−5.6
(6)IR(film):3380cm-1
(7)LRMS(FAB):m/z 253(M+ +1)
(8)HRMS(FAB):m/z Calcd.for C13252 OSi(M+ +1) 253.1736 Found.253.1757
【0060】
実施例2
参考例2で得られたアミン体(光学活性ピリジルエタノールアミン)〔(S)−2−〔1−アミノ−2−(t−ブチルジメチルシリルオキシ)エチル〕ピリジン〕を用い、攪拌時間を30分と10分にそれぞれ変えたほかは、実施例1と同様に光学活性オキサゾリジノンの合成を行った。
その結果、光学活性オキサゾリジノン〔(4S)−4−(2−ピリジル)オキサゾリジン−2−オンが収率69%で得られた。
【0061】
得られた光学活性オキサゾリジノンの物性を次に示す。
(1)Rf=0.30(酢酸エチル)
(2) 1H−NMR(300MHz,CDCl3
δ 8.60(1H,ddd,J=4.8,1.7 and 0.9Hz),7.77(1H,td,J=7.7 and 1.7Hz),7.40(1H,dm,J=7.7Hz),7.29(1H,ddd,J=7.7,4.8and 0.9Hz),5.63(1H,m),5.07(1H,ddm,J=8.7 and 5.7Hz),4.84(1H,t,J=8.7Hz),4.41(1H,dd,J=8.7 and 5.7Hz)
(3)LRMS(FAB):m/z 165(M+ +1)
(4)HRMS(FAB):m/z Calcd.for C8 9 2 2 165.0664,Found.165.0667
【0062】
実施例3
実施例1で得られた光学活性オキサゾリジノン〔(4S)−4−{2−〔6−(2−テトラヒドロ−2H−ピラニルオキシ)メチル〕ピリジル}オキサゾリジン−2−オンに水素化ナトリウムと3−ブチルペンタンを反応させて、アルキル化光学活性オキサゾリジノン〔(4S)−N−(3−ペンチル)−4−{2−〔6−(2−テトラヒドロ−2H−ピラニルオキシ)メチル〕ピリジル}オキサゾリジン−2−オンを合成した。
【0063】
得られたアルキル化光学活性オキサゾリジノンの物性を次に示す。
(1)Rf=0.74(酢酸エチル)
(2)〔α〕D 25 +6.5°(c:1.59,CHCl3
(3) 1H−NMR(400MHz,CDCl3
δ 7.74(1H,t,J=7.7Hz),7.47(1H,d,J=7.7Hz),7.31(1H,d,J=7.7Hz),4.92−4.83(2H,m),4.78(1H,m),4.64(1H,t,J=8.7Hz),4.60(1H,dd,J=8.7 and 3.8Hz),4.36(1H,dd,J=8.7 and 5.7Hz),3.93(1H,quint,J=3.8Hz),3.55(1H,m),3.48(1H,ddd,J=11.9,6.0 and 3.1Hz),2.00−1.54(10H,m),1.26−0.74(6H,m),0.89(3H,t,J=7.4Hz),0.76(3H,t,J=7.3Hz)
【0064】
【発明の効果】
本発明により、不斉合成におけるキラルなテンプレートとして有用な光学活性オキサゾリジノン類を、光学的に純粋に、収率よく、かつ簡便・確実に製造して提供することができる。

Claims (3)

  1. 化学式(a)で示される光学活性オキサゾリジノン類。
    Figure 0003794093
    (式中、Xは水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、又はアリール基を表す。)
  2. 化学式(a)においてXがピリジル基である請求項1記載の光学活性オキサゾリジノン類。
  3. 化学式(b)で示される光学活性ピリジルエタノールアミン類と1,1’−カルボニルジイミダゾール、ホスゲン、又はジアルキルカーボネートとを反応させることを特徴とする請求項1記載の光学活性オキサゾリジノン類の製造法。
    Figure 0003794093
    (式中、Xは水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、又はアリール基を表す。)
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