JP3792855B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、所定温度に制御された加熱手段により記録材上のトナーを定着させる電子写真方式を用いた画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真方式を用いた画像形成装置としては、レーザープリンタ等が挙げられる。一例を示せば、レーザープリンタは、図9に示すように、表面に静電潜像を形成する感光ドラム302、感光ドラム302の表面を一様に帯電させる帯電手段304、帯電させられた感光ドラム302の表面を露光して静電潜像を形成させる露光手段301、感光ドラム302上の静電潜像を現像剤であるトナーによって現像して可視像化する現像手段313、感光ドラム302上のトナー画像を記録材上に転写させる転写手段314、加熱手段305および加圧手段306とを有して記録材上に転写させられたトナー画像を記録材上に定着させる定着手段、ホストコンピュータ311からの印字開始信号を受けて上記の各部材等の作動を制御する制御ユニット310、記録材を給紙する給紙手段、給紙された記録材を搬送する搬送手段や搬送路等から構成されている。
【0003】
上記構成のレーザビームプリンタの一般的な動作を説明すると、ホストコンピュータ311から印字開始信号を制御ユニット310が受け取ると、記録材カセット309に収容された記録材316が給紙手段303によって給紙され、あるいは、使用者が手差しにより記録材を補給する場合には手差し給紙手段312によって記録材を給紙する。
【0004】
また、制御ユニット310が印字開始信号を受信すると、制御手段から帯電手段304等に作動信号が送信され、ホストコンピュータ311からの画像情報を基にして、帯電手段304、露光手段301、現像手段313によってトナー像が感光ドラム302上に形成される。
【0005】
給紙された記録材は、感光ドラム302上にトナー像が形成された後、所定のタイミングで感光ドラム302と転写手段314との対向部分に搬送され、記録紙の表面に感光ドラム302上のトナー像を転写手段314によって転写する。トナー像が転写させられた記録材は加熱手段305方向に搬送され、加熱手段305および加圧手段306によってトナーを記録材に定着させるのに十分な熱と圧力を加えられ、トナー像が記録材に固定される。なお、加熱手段305の記録材搬送方向上流側には、TOPセンサ307が設けられているとともに、加熱手段305の記録材搬送方向下流側には、排紙センサ315が配置されており、TOPセンサ307および排紙センサ315により記録材の搬送が正常に行われているかどうかを監視することができるようになっている。
【0006】
図10は、加熱手段305および加圧手段306を示した模式図で、加熱手段305と加圧手段306に記録材503が挟まれている状態を表わしている。図10に示した加熱手段305は、フィルム加熱定着方式が用いられており、発熱源であるヒータ305aがステー510に保持され、ステー510の周囲に定着フィルム502が配置されて構成されている。
【0007】
ヒータ305aには、図示を省略した駆動源からの駆動力により所定方向に回転する加圧手段306が定着フィルム502を介して圧接されており、定着フィルム502が加圧手段306の回転に同期して回転するようになっていて、加熱手段305と加圧手段306との圧接部分に、トナー像が担持された記録材を通過させることにより、記録材にトナーを定着させるのに十分な熱と加圧力を加えることができるようになっている。
【0008】
制御ユニット310内には、加熱手段305のヒータ305aに信号入力可能に接続されてヒータ305aの温度を適宜変更できる制御手段310aが設けられており、制御ユニット310内の制御手段310aによって加熱手段305の温度を調節できるようになっている。また、ヒータ305aには、ヒータ305aの温度を検知できる温度検知手段であるサーミスタ(図示せず)が配置されており、サーミスタが制御手段310aに接続されて、サーミスタの検知温度が所定の目標温度となるように制御手段310aが適宜ヒータに作動信号を送信してヒータのオン/オフを行うことにより加熱手段305が定着に必要な温度となるように温度制御が行われている。
【0009】
具体的には、制御手段310aには、加熱手段の温度を制御する際の目標温度として任意に設定された第一の温度と、該第一の温度よりも低い第二の温度、および、任意に設定された第一と第二の時間とが設定されており、TOPセンサ307が記録材有を検知してから任意に設定された第一の時間経過後は制御手段310aによって加熱手段305の温度が第一の温度となるように制御されるとともに、TOPセンサ307が記録材無しを検知してから任意に設定された第二の時間経過後は制御手段310aによって加熱手段305の温度が第二の温度となるように制御される。なお、第一の温度は、記録材上のトナーを定着させるために必要な温度とする。
【0010】
ここで、図11に示すように、第一の温度をT1、第二の温度をT2、第一の時間をtb、第二の時間をtaとすると、印字開始信号を制御ユニット310が受け取ることにより、制御手段310aが目標温度をT1として加熱手段305のヒータ305aを加熱し、加熱手段305の温度が目標温度であるT1に達すると記録材がTOPセンサ307を通過して加熱手段305と加圧手段306との圧接部分に搬送されて定着が行われる。その後、TOPセンサ307が記録材無しを検知した後からta時間後に加熱手段305の目標温度がT1からT2に変更される。通常taはTOPセンサ307を通過した記録材の後端が加熱手段305を通過するまでの時間以上に設定され、定着工程中は加熱手段305の温度がT1で制御されて良好な定着を行うことができるようになっている。
【0011】
連続的に印字動作が行われる場合には、次の記録材が給紙手段303によって給紙されて記録材の先端がTOPセンサ307に達する。先端がTOPセンサ307に達してからtb時間後に加熱手段305の温度はT2からT1に再び変更される。通常tbはTOPセンサ307を通過した記録材の先端が加熱手段305に達するまでの時間以内に設定される。なお、図11中のAからB間での期間を紙間温調時間、AからB間以外の期間を通常温調時間とする。
【0012】
加熱手段305を温調温度T2で温度制御する時間帯が設けられている理由を述べると、通常、加圧手段306は金属製の長棒の外周面に弾性部材の層を設けた構成となっているため、加熱手段305に比較して加圧手段306の熱容量が大きく、加熱手段305に対向する位置に配置される記録材が加圧手段306と加熱手段305の間に存在しない場合も温度T1で加熱手段305を制御してしまうと本来紙に与えるべき熱が紙がないために直に加圧手段306を熱することになる。そのため加圧手段306の温度が高くなってしまい、結果としてホットオフセットなど画像に影響を与えてしまうことがあり、これを防止するため、所定時間帯は温度T2で加熱手段305の温度制御を行うようにしているのである。
【0013】
また、上記の定着工程において、図10に示すように、加熱手段305の長手方向の幅が短い、例えば封筒などのサイズが小さい記録材の場合には、記録材が加熱手段305と加圧手段306との圧接部分を通過しているときでも、加熱手段305の長手方向の端郡には記録材が存在しないため、加熱手段305の端部と加圧手段306の端部とが直接当接しており、この当接部分の温度が上昇してしまう。そして、この当接部分の温度が高いまま、次に普通サイズの記録材を印字すると、普通サイズの記録材の端部にホットオフセット現象が見られることがあった。
【0014】
この対策として、制御手段310aに第二の温度であるT2よりも任意の温度だけ低い第三の温度としてT3を設けておき、図11に示すように、従来はホストコンピュータ311から制御ユニット310に対して小サイズの記録材(例えば、封筒、はがきなど加熱手段の長手方向の記録材の通過幅よりも所定以上幅の短い記録材)の印字指令が送信された場合に、紙間温調時間中の制御温度をT2よりも低い温度T3で加熱手段305を制御するようにして、紙間温調時間中の制御温度をT2で制御した場合に比べて、加圧手段306の端部の昇温部分の温度が下がるようにしていた。
【0015】
このとき、図12に示す、紙間温調制御のフローチャートに示すように、TOPセンサ307が記録材の後端を検知(検知信号が記録材有りから記録材無しに変る)してから、時間ta経過後に、ホストコンピュータ311からの印字指令が小サイズの記録材を指定しているかどうかを判断し、小サイズの指定ならば目標温度を温度T3に設定し、小サイズ指定でなければ目標温度を温度T2に設定するようにしている。目標温度が設定されたら、設定された目標温度で紙間温調動作を行う。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、ホストコンピュータから指示されたサイズ通りの記録材で印字されない場合があり、例えば、ユーザの記録材セット間違いなどで、ホストコンピュータの指示した記録材と違う記録材に印字されてしまう場合などがある。具体的には、ホストコンピュータの指示が小サイズ指定でない場合に、給紙された記録材がハガキであったときには、上記の理由により、はがきの印字の後連続して普通サイズの記録材に印字したときや、連続2枚目以降の印字には画像不良が生じる恐れがあった。
【0017】
また、記録材の先端検知のタイミングからの時間tbは、目標温度をT3で制御した後に、定着のタイミングに合わせて定着温度であるT1に変更することができるように設定されており、この時間tbは、紙間温調時間中の温度がT2あるいはT3にかかわらず用いられている。このため、紙間温調時間中の温度がT2と高い普通サイズの記録材の場合は、時間tb経過後に温度T2から温度T1に変更すると、定着のタイミングよりも少し速く温度T1に達し、温度T1に達してから定着までの間温度T1で加熱手段の温度調節を行うため、定着のタイミングに合わせて温度T1となる場合に比べて無駄な電力を消費していた。
【0018】
そこで、本発明は、加熱定着手段を記録材が通過する通過期間及び記録材通過後次の記録材の突入前の非通過期間に関して、略前記非通過期間に対応する目標温度として、第1の目標温度を設定する第1モードと、前記第1の目標温度よりも低い第2の目標温度を設定する第2モードとを有する場合、前記第1モード及び前記第2モードのいずれが選択されているかに応じて、前記記録材検知手段による記録材の有の検知タイミングに対する目標温度設定の切換えタイミングを、前記第2モードが選択されている場合には、第1モードが選択されている場合よりも早いタイミングにすることにより、略前記非通過期間に対応する目標温度が第1、第2の目標温度のいずれであっても、次の紙突入時には最適なタイミングで略通過期間に対応する目標温度に到達できるようになり、消費電力を抑えた温調を行なうことができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、上記目的は、
搬送路上の記録材の有無を検知する記録材検知手段と、前記記録材検知手段の下流側に設けられ、記録材上のトナーを定着させる加熱定着手段と、前記加熱定着手段の温度を所定の目標温度に制御するための制御手段とを備え、前記制御手段は、複数の記録材への画像形成を連続して行なう場合、前記加熱定着手段を記録材が通過する通過期間及び記録材通過後次の記録材の突入前の非通過期間に関して、略前記通過期間における前記加熱定着手段の温度と、略前記非通過期間における前記加熱定着手段の温度とを異ならせるべく、前記目標温度を切換えて設定する画像形成装置において、
前記制御手段は、略前記非通過期間に対応する目標温度として、第1の目標温度を設定する第1モードと、前記第1の目標温度よりも低い第2の目標温度を設定する第2モードとを有し、
前記第1モード及び前記第2モードのいずれが選択されているかに応じて、前記記録材検知手段による記録材の有の検知タイミングに対する目標温度設定の切換えタイミングを、前記第2モードが選択されている場合には、第1モードが選択されている場合よりも早いタイミングにすることにより達成される。
【0020】
好適には、記録材のサイズが小サイズであると判断された場合、前記第2モードが選択される。
【0021】
好適には、前記記録材検知手段による1の記録材の有検知の継続時間により判別した記録材のサイズに基づいて、又は、搬送路に沿った所定位置に、記録材の搬送方向に対する幅を検知して検知信号を制御手段に送信できる記録材幅検知手段が配置され、前記記録材幅検知手段によって検知された記録材の幅に基づいて、記録材のサイズが小サイズであると判断された場合、前記第2モードが選択される。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【0031】
(第1の実施形態)
まず、本発明の第1の実施形態を図1〜図4により説明する。図1に、本発明に基づく画像形成装置としてのレーザープリンタを表す概略構成図を示す。図1に示すように、本発明のレーザープリンタは、表面に静電潜像を形成する感光ドラム302、感光ドラム302の表面を一様に帯電させる帯電手段304、帯電させられた感光ドラム302の表面を露光して静電潜像を形成させる露光手段301、感光ドラム302上の静電潜像を現像剤であるトナーによって現像して可視像化する現像手段313、感光ドラム302上のトナー画像を記録材上に転写させる転写手段314、加熱手段305および加圧手段306とを有して記録材上に転写させられたトナー画像を記録材上に定着させる定着手段、ホストコンピュータ311からの印字開始信号を受けて上記の各部材等の作動を制御する制御ユニット310、制御ユニット内に設けられて加熱手段305の温度を制御する制御手段310a、記録材を給紙する給紙手段、給紙された記録材を搬送する搬送手段や搬送路、搬送路上の感光ドラム302よりも記録材搬送方向上流側に配置されて記録材の有無を検知できる記録材検知手段としてのTOPセンサ307、TOPセンサ307に接続されて記録材有り信号を検知している時間を計時できる計時手段としてのタイマ201等から構成されている。
【0032】
なお、上記構成のレーザビームプリンタの動作において、ホストコンピュータ311からの印字開始信号を制御ユニット310が受け取って、所定の記録材を給紙手段303から給紙したり、所定の帯電、露光、現像工程いより感光ドラム302上にトナー像が形成され、感光ドラム302上のトナー像が転写手段314により記録材上に転写され、記録材上のトナーを加熱手段305と加圧手段306とからの熱と加圧力によって定着させることは従来例と同様である。
【0033】
また、加熱手段305および加圧手段306は、従来例と同様にしてヒータをステーで保持させステーの周囲に定着フィルムを配置させた構成のフィルム加熱定着方式としてもよいし、長筒状部材内にヒータを配置した加熱ローラに加圧ローラを圧接する方式などを用いるようにしてもよい。さらに、加熱手段305には、図示を省略したが、加熱手段305の温度を検知できる温度検知手段としてサーミスタが設けられており、サーミスタの検知信号を制御手段310aに送信できるようになっている。
【0034】
図2に示すように、TOPセンサ307は、タイマ201と制御手段310aに信号送信可能に接続されて、記録材有り信号と記録材無し信号とを制御手段310aおよびタイマ201に送信できるようになっている。タイマ201は、TOPセンサ307からの記録材有り信号を受信してから、TOPセンサ307からの記録材無し信号までの時間を計時できるようになっており、タイマ201で計時された時間が計時情報として制御手段310aに入力されるようになっている。
【0035】
画像形成の各工程を制御する制御ユニット310内には、加熱手段305の温度を適宜制御する制御手段310aが設けられており、制御手段310aに、加熱手段305の温度を制御する際の目標温度として任意に設定された第一の温度、該第一の温度よりも低い第二の温度、第二の温度よりも任意の温度だけ低い第三の温度が設定されているとともに、任意に設定された第一,第二の時間と第一の時間よりも任意の時間だけ長い第三の時間とが設定されており、後述するシーケンスにしたがってタイマ201からの計時情報およびTOPセンサ307からの記録材有無信号を元に加熱手段305の温調の目標温度を設定し、加熱手段305に設けられたサーミスタからの温度情報を元にして加熱手段305が所定の温調温度になるように加熱手段305の駆動信号を制御できるようになっている。ここで、駆動信号の制御方法は、例えば位相変調によるPID制御などを用いることができるが、PID制御に限るものではなく、種々の従来公知の方法を用いることができる。なお、第一の温度は、記録材上のトナーを定着させるために必要な温度とする。
【0036】
また、制御手段310a内には、タイマ201による計時時間が予め設定された基準時間よりも長いか短いかを判断する判断手段310bが設けられており、判断手段によって計時時間が基準時間よりも短いと判断された場合は制御ユニット310内に設けられた記憶部に小サイズフラグをセットして小サイズの記録材による印字がされたものと判断するようになっている。
【0037】
加熱手段305の温調は、図3に示すように、第一の温度をT1、第二の温度をT2、第三の温度をT3、第一の時間をtb、第二の時間をta、第三の時間をtb+tcとすると、印字開始信号を制御ユニット310が受け取ることにより、まず、制御手段310aが定着温度である温度T1を目標温度として加熱手段305を加熱し、加熱手段305の温度が目標温度であるT1に達すると記録材がTOPセンサ307を通過して加熱手段305と加圧手段306との圧接部分に搬送されて定着が行われる。ここで、TOPセンサ307が記録材有りを検知したときからタイマ201により計時が開始される。
【0038】
その後、記録材が搬送されて記録材の搬送方向後端がTOPセンサ307の位置に到達した直後に、TOPセンサ307から記録材無し信号がタイマ201に送信されてタイマ201の計時が終了してタイマ201によりTOPセンサ307からの記録材有り信号を検知している時間が計時され、計時情報が制御手段310aに送信される。計時情報を受信した制御手段310aでは、判断手段310bにより、予め設定された所定の基準時間と受信した計時情報による時間とを比較し、計時情報による時間が基準時間未満であれば、使用された記録材が小サイズであったと判断して小サイズフラグをセットする。
【0039】
そして、TOPセンサ307が記録材無しを検知してからta時間経過後、制御手段310aは、制御ユニット310内に小サイズフラグがセットされているか否かを判断し、小サイズフラグがセットされていない場合は加熱手段305の目標温度をT1からT2に変更し、小サイズフラグがセットされている場合は加熱手段305の目標温度をT1からT3に変更して、加熱手段305の温度が制御される。通常taはTOPセンサ307を通過した記録材の後端が加熱手段305を通過するまでの時間以上に設定され、定着工程中は加熱手段305の温度がT1で制御されて良好な定着を行うことができるようになっている。
【0040】
連続的に印字動作が行われる場合には、次の記録材が給紙手段303によって給紙されて記録材の先端がTOPセンサ307に達する。このとき、制御手段310aは、制御ユニット310内に小サイズフラグがセットされているか否かを判断し、小サイズフラグがセットされていない場合は、記録材の先端がTOPセンサ307に達してからtb+tc時間後に加熱手段305の温度はT2からT1に再び変更され、小サイズフラグがセットされている場合は、記録材の先端がTOPセンサ307に達してからtb時間後に加熱手段305の温度はT3からT1に再び変更されて加熱手段305の温度が定着温度である温度T1となるように制御される。ここで、通常tbはTOPセンサ307を通過した記録材の先端が加熱手段305に達するまでの時間以内に設定される。
【0041】
より具体的には、搬送方向の長さがB5サイズ未満の記録材に対応した計時時間である時に小サイズフラグがセットされて温度T3や時間tb+tcが設定されるようになっていて、例えば、温度T1は195℃、温度T2は175℃、温度T3は155℃、時間tcは500msecに設定されている。
【0042】
次に、図4に示す加熱手段の温度制御のフローチャートを用いて、上記構成のTOPセンサ307、タイマ201、制御手段310による加熱手段305の制御温度決定方法を説明する。いま、給紙手段303によって給紙された記録材がTOPセンサ307に達すると、TOPセンサ307は記録材有を検知し、TOPセンサ307から記録材有り信号がタイマ201と制御手段310に報知される。ここで、TOPセンサ307の信号が記録材無しから記録材有に変化した時刻が記録材の先端がTOPセンサ307の位置を通過した時刻である。
【0043】
タイマ201は、TOPセンサ307からの記録材有り信号を受信したタイミングで計時を開始させ、同時に連続印字の際にも用いられる通常温調温度設定処理の実行を開始する。通常温調温度設定処理はタイマ201の動作からtb時間経過すると、小サイズフラグがセットされているかどうかを判断し、セットされている場合はそのタイミングで加熱手段の目標温度をT1℃に設定し、小サイズフラグをクリアする。小サイズフラグがセットされていない場合は、さらにtc時間待った後(TOPセンサ307の記録材有り検知から時間tb+tc後)に加熱手段の目標温度をT1℃に設定して、記録材上のトナーの定着に備えるようにする。
【0044】
ここで小サイズフラグは、後記するタイマ201の計時による時間の長さによって推定される記録材の長さによって、制御手段310内に設けられた記憶部等に小サイズである旨のフラグがセットされ、記録材の供給や加熱手段305の温度制御などに参照されるようになっている。
【0045】
さらに、記録材が進み記録材の後端がTOPセンサ307に達した時点でTOPセンサ307が記録材無しを検知し、TOPセンサ307からタイマ201と制御手段310に記録材無し信号が報知される。タイマ201は、TOPセンサ307からの記録材無し信号を受信したタイミングで計時を停止し、計時した時間を計時情報として制御手段310に送信する。
【0046】
計時情報を受信した制御手段310aでは、判断手段310bにより計時情報を基に記録材の搬送方向の長さが所定値よりも長いか短いかを判断する。これは、記録材の搬送は常に等速で行われているため、タイマ201によって計時された時間によって制御手段310は搬送された記録材の搬送方向の長さを求めることができ、制御手段310は、記録材の長さが所定の値より短いと判断した場合には(つまり、タイマによって計時された時間が所定の値より小さければ)、紙間温調時(図3のAからB’間)の制御温度としてT3を設定し、小サイズ紙フラグをセットする。また、記録材の長さが所定の値より長いと判断した場合には、紙間温調時(図3のAからB間)の制御温度としてT2を設定する。
【0047】
連続して記録材に印字する際には、給紙手段303によって給紙された記録材がTOPセンサ307に達して、TOPセンサ307が記録材有を検知すると、タイマ201が、TOPセンサ307からの記録材有り信号を受信したタイミングで計時を開始させ、通常温調温度設定処理の実行を開始する。通常温調温度設定処理はタイマ201の動作からtb時間経過後、小サイズフラグがセットされているかどうかを判断し、セットされている場合(上記の紙間温調時間で温度T3で温調された場合)はそのタイミングで加熱手段の目標温度をT1℃に設定し、小サイズフラグをクリアする。小サイズフラグがセットされていない場合(上記の紙間温調時間で温度T2で温調された場合)は、さらにtc時間待った後に加熱手段の目標温度をT1℃に設定して記録材上のトナーの定着に備えるようにする。
【0048】
本実施形態のレーザープリンタにおいては、タイマ201で計時した時間に応じて加熱手段305を温調温度T2あるいは温度T3で温度制御することにより、印字に用いられた記録材のサイズを的確に判断して加熱手段の温度を制御できるので、サイズ違いによるホットオフセットを確実に防止することができ、制御ユニットに送信された記録材のサイズの指令と実際にプリンタにセットされた記録材のサイズとが違う場合などの人的なミスを防ぐことができる。
【0049】
また、タイマ201で計時した時間に応じて、記録材の先端がTOPセンサに達してから温度制御の目標温度を変更するまでの時間を時間tbあるいは時間tb+tcで制御することにより、幅広の記録材で印字した後に温度T2で制御された場合を的確に判断し、温度T2で制御された後の定着温度である温度T1への変更のタイミングを遅らせて、温度制御時に消費される電力を削減することができる。
【0050】
なお、本実施形態では簡単にするため通常温調時の目標温度T1、普通紙の場合の紙間温調時の目標温度T2、小サイズ紙の場合の紙間温調時の目標温度T3は固定であるが、連続して通紙される枚数や、環境温度などの情報によって上下させるようにしてもかまわない。また、計時情報を基に紙間温調時の目標温度と紙間温調後の目標温度の切換タイミングの両者を制御しているが、いずれか一方を制御するようにしてもよい。さらにまた、本実施形態の制御手段や判断手段を、レーザープリンタの他、加熱手段により記録材上のトナーを定着させる構成の複写機やファクシミリなどに用いるようにしてもよい。
【0051】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態を図5〜図8により説明する。本実施形態は、第1の実施形態で計時手段によって記録材の搬送方向の長さを推定して小サイズフラグをセットするようにしていたが、これに替えて、記録材の搬送方向に対する幅を検知する記録材幅検知手段を設け、記録材幅検知手段からの検知信号に応じて小サイズフラグのセットを行うようにした。
【0052】
図5に、第2の実施形態のレーザービームプリンタの概略構成図を示す。図5に示すように、本実施形態では加熱手段305の記録材搬送方向の上流側の搬送路に記録材幅検知手段として記録材幅センサ317が配置されている。また、図6に示すように、記録材幅センサ317は、制御ユニット310内の加熱手段305の温度を制御する制御手段310aに信号送信可能に接続されているとともに、制御手段310aにTOPセンサ307と加熱手段305とが接続され、制御手段310a内に、記録材幅センサ317からの検知信号によって記録材の幅が予め設定された基準幅よりも長いか短いかを判断する判断手段310bが設けられている。
【0053】
ここで、図7に示すように、本実施形態のレーザープリンタは、搬送路の中心線C−Dと記録材の中心線とが一致するように記録材が搬送させるようになっており、搬送路の中心線C−Dから搬送方向と直行する線に沿って距離laだけ離れた位置で加熱手段305と感光ドラム302との間の搬送路に記録材幅センサ317が配置されて、記録材幅センサ317の位置に搬送されてきた記録材の幅が距離laの2倍以上の場合に記録材幅センサ317が記録材有りを検知して記録材有り信号を制御手段310aに送信するとともに、記録材の幅が距離laの2倍未満の場合に記録材幅センサ317が記録材無し信号を制御手段310aに送信することができるようになっている。
【0054】
搬送路の中心線C−Dからの距離laは、搬送路に搬送される記録材の最大幅である距離lbの1/2よりも短い距離となっており、所定のサイズよりも搬送方向に対する幅が短い記録材が搬送された場合には、記録材幅センサ317からは記録材無し信号が発信されるようになっている。ここで、図7では、距離laの2倍未満の幅の記録材305が搬送されて記いる場合を示しており、このとき録材幅センサ317は記録材無し信号を発信する。
【0055】
また、制御手段310a内に設けられた判断手段310bは、記録材幅センサ317から送信された信号が、記録材有り信号であるか、記録材無し信号であるかを判断して、記録材無し信号であると判断したときは制御ユニット310内に設けられた記憶部に小サイズフラグをセットして小サイズの記録材による印字がされたものと判断するようになっている。
【0056】
制御手段310aには、上記第1の実施形態と同様に、加熱手段305の温度を制御する際の目標温度として任意に設定された第一の温度、該第一の温度よりも低い第二の温度、第二の温度よりも任意の温度だけ低い第三の温度が設定されているとともに、任意に設定された第一,第二の時間と第一の時間よりも任意の時間だけ長い第三の時間とが設定されており、後述するシーケンスにしたがって記録材幅センサ317からの記録材幅情報およびTOPセンサ307からの記録材有無信号を元に加熱手段305の温調の目標温度を設定し、加熱手段305に設けられたサーミスタからの温度情報を元にして加熱手段305が所定の温調温度になるように加熱手段305の駆動信号を制御できるようになっている。
【0057】
加熱手段305の温調は、第1の実施形態で用いた図3に示すように、第一の温度をT1、第二の温度をT2、第三の温度をT3、第一の時間をtb、第二の時間をta、第三の時間をtb+tcとすると、印字開始信号を制御ユニット310が受け取ることにより、まず、制御手段310aが定着温度である温度T1を目標温度として加熱手段305を加熱し、加熱手段305の温度が目標温度であるT1に達すると記録材がTOPセンサ307を通過して加熱手段305と加圧手段306との圧接部分に搬送されて定着が行われる。ここで、記録材が記録材幅センサ317の位置を通過したときに、通過した記録材の搬送方向に対する幅に応じて記録材有り信号、あるいは、記録材無し信号を制御手段310aに送信する。
【0058】
記録材幅センサ317からの検知信号を受信した制御手段310aでは、判断手段310bにより、受信した信号が記録材有り信号か、記録材無し信号かを判断し、記録材無し信号であれば使用された記録材が小サイズであったと判断して小サイズフラグをセットする。
【0059】
そして、TOPセンサ307が記録材無しを検知してからta時間経過後、制御手段310aは、制御ユニット310内に小サイズフラグがセットされているか否かを判断し、小サイズフラグがセットされていない場合は加熱手段305の目標温度をT1からT2に変更し、小サイズフラグがセットされている場合は加熱手段305の目標温度をT1からT3に変更して、加熱手段305の温度が制御される。通常taはTOPセンサ307を通過した記録材の後端が加熱手段305を通過するまでの時間以上に設定され、定着工程中は加熱手段305の温度がT1で制御されて良好な定着を行うことができるようになっている。
【0060】
連続的に印字動作が行われる場合には、次の記録材が給紙手段303によって給紙されて記録材の先端がTOPセンサ307に達する。このとき、制御手段310aは、制御ユニット310内に小サイズフラグがセットされているか否かを判断し、小サイズフラグがセットされていない場合は、記録材の先端がTOPセンサ307に達してからtb+tc時間後に加熱手段305の温度はT2からT1に再び変更され、小サイズフラグがセットされている場合は、記録材の先端がTOPセンサ307に達してからtb時間後に加熱手段305の温度はT3からT1に再び変更されて加熱手段305の温度が定着温度である温度T1となるように制御される。ここで、通常tbはTOPセンサ307を通過した記録材の先端が加熱手段305に達するまでの時間以内に設定される。
【0061】
図8に、本実施形態の制御温度の決定方法のフローチャートを示す。TOPセンサ307が記録材有を検知すると通常制御温度設定処理が開始される。通常制御温度設定処理は、第1の実施形態と同様に、TOPセンサ記録材有検知からtb時間経過すると制御手段310は小サイズフラグがセットされているか否かを判断し、セットされている場合にはすぐに目標温度をT1℃に設定し小サイズフラグをクリアする。小サイズフラグがセットされていない場合は、さらにtc時間だけ待った後(TOPセンサ307の記録材有り検知から時間tb+tc後)、目標温度をT1℃に設定して記録材上のトナー定着に備えるようにする。
【0062】
その後、TOPセンサ307が記録材無しを検知してからta時間後に、記録材幅センサ317の位置を記録材が通過したときに記録材幅センサ317が記録材有を検知してた場合は目標温度をT2℃に設定する。また、記録材幅センサ317が記録材有を検知していなかった場合は目標温度をT3℃に設定して、小サイズフラグをセットする。連続的に印字が行われている場合の紙間付近でのTOPセンサの記録材有無情報と加熱手段の温度の移り変わりは実施形態1と同様である。
【0063】
本実施形態のレーザープリンタにおいては、記録材幅センサ317の記録材有り信号または記録材無し信号に応じて応じて、加熱手段305を温調温度T2あるいは温度T3で温度制御することにより、印字に用いられた記録材のサイズを的確に判断して加熱手段の温度を制御できるので、サイズ違いによるホットオフセットを確実に防止することができ、制御ユニットに送信された記録材のサイズの指令と実際にプリンタにセットされた記録材のサイズとが違う場合などの人的なミスを防ぐことができる。
【0064】
また、記録材幅センサ317の記録材有り信号または記録材無し信号に応じて応じて、記録材の先端がTOPセンサに達してから温度制御の目標温度を変更するまでの時間を時間tbあるいは時間tb+tcで制御することにより、幅広の記録材で印字した後に温度T2で制御された場合を的確に判断し、温度T2で制御された後の定着温度である温度T1への変更のタイミングを遅らせて、温度制御時に消費される電力を削減することができる。
【0065】
なお、本実施形態では簡単にするため通常温調時の目標温度T1、普通紙の場合の紙間温調時の目標温度T2、小サイズ紙の場合の紙間温調時の目標温度T3は固定であるが、連続して通紙される枚数や、環境温度などの情報によって上下させるようにしてもよい。また、記録材幅情報を基に紙間温調時の目標温度と紙間温調後の目標温度の切換タイミングの両者を制御しているが、いずれか一方を制御するようにしてもよい。さらにまた、本実施形態の制御手段や判断手段を、レーザープリンタの他、加熱手段により記録材上のトナーを定着させる構成の複写機やファクシミリなどに用いるようにしてもよい。
【0066】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、加熱定着手段を記録材が通過する通過期間及び記録材通過後次の記録材の突入前の非通過期間に関して、略前記非通過期間に対応する目標温度として、第1の目標温度を設定する第1モードと、前記第1の目標温度よりも低い第2の目標温度を設定する第2モードとを有する場合、前記第1モード及び前記第2モードのいずれが選択されているかに応じて、前記記録材検知手段による記録材の有の検知タイミングに対する目標温度設定の切換えタイミングを、前記第2モードが選択されている場合には、第1モードが選択されている場合よりも早いタイミングにすることにより、略前記非通過期間に対応する目標温度が第1、第2の目標温度のいずれであっても、次の紙突入時には最適なタイミングで略通過期間に対応する目標温度に到達できるようになり、消費電力を抑えた温調を行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1に実施形態のレーザービームプリンタを示す概略構成図である。
【図2】第1の実施形態の制御手段の計時情報などの入出力を示す概略説明図である。
【図3】加熱手段の目標温度の遷移説明図である。
【図4】第1の実施形態の加熱手段の温度制御のフローチャートである。
【図5】第2の実施形態のレーザービームプリンタを示す概略構成図である。
【図6】第2の実施形態の制御手段の記録材幅情報などの入出力を示す概略説明図である。
【図7】記録材幅センサの設置位置を示す平面説明図である。
【図8】第2の実施形態の加熱手段の温度制御のフローチャートである。
【図9】従来のレーザービームプリンタを示す概略構成図である。
【図10】加熱手段と加圧手段との間に小サイズ紙を挟持した場合を示す模式図である。
【図11】従来の加熱手段の温度制御の目標温度の遷移説明図である。
【図12】従来の加熱手段の紙間温調制御のフローチャートである。
【符号の説明】
201 タイマ(計時手段)
305 加熱手段
307 TOPセンサ(記録材検知手段)
310 制御ユニット
310a 制御手段
310b 判断手段
317 記録材幅センサ(記録材幅検知手段)

Claims (4)

  1. 搬送路上の記録材の有無を検知する記録材検知手段と、前記記録材検知手段の下流側に設けられ、記録材上のトナーを定着させる加熱定着手段と、前記加熱定着手段の温度を所定の目標温度に制御するための制御手段とを備え、前記制御手段は、複数の記録材への画像形成を連続して行なう場合、前記加熱定着手段を記録材が通過する通過期間及び記録材通過後次の記録材の突入前の非通過期間に関して、略前記通過期間における前記加熱定着手段の温度と、略前記非通過期間における前記加熱定着手段の温度とを異ならせるべく、前記目標温度を切換えて設定する画像形成装置において、
    前記制御手段は、略前記非通過期間に対応する目標温度として、第1の目標温度を設定する第1モードと、前記第1の目標温度よりも低い第2の目標温度を設定する第2モードとを有し、
    前記第1モード及び前記第2モードのいずれが選択されているかに応じて、前記記録材検知手段による記録材の有の検知タイミングに対する目標温度設定の切換えタイミングを、前記第2モードが選択されている場合には、第1モードが選択されている場合よりも早いタイミングにすることを特徴とする画像形成装置。
  2. 記録材のサイズが小サイズであると判断された場合、前記第2モードが選択されることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記記録材検知手段による1の記録材の有検知の継続時間に基づいて、記録材のサイズが小サイズであると判断された場合、前記第2モードが選択されることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
  4. さらに、搬送路に沿った所定位置に、記録材の搬送方向に対する幅を検知して検知信号を制御手段に送信できる記録材幅検知手段が配置され、前記記録材幅検知手段によって検知された記録材の幅に基づいて、記録材のサイズが小サイズであると判断された場合、前記第2モードが選択されることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
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