JP3792604B2 - Nb3Sn系超電導線の製造方法 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、超電導マグネット装置等に使用されるNb3Sn系超電導線の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
Nb3Sn系超電導線は、代表的な超電導線であり、その製造法としては、高錫濃度のブロンズ材で形成したパイプ内にニオブ(Nb)芯材を配置し、これを所定の細線に減面加工する方法である。
【0003】
この製法に使用するブロンズパイプの製造方法としては、鋳造法が一般的である。即ち、真空中或いは酸化防止材を使って大気中で、誘導加熱法等によって溶解された高錫ブロンズを、所定の鋳型に注入・冷却して円柱状のビレットを形成し、このビレットを切削加工してパイプ状に形成するものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
係る鋳造法によるブロンズパイプの製法では、中実のビレットを切削加工してパイプ状に成形する関係上、当然ながら歩留りが非常に低下する問題がある。
【0005】
又、鋳造品の本質的な欠点として、溶湯の冷却工程における冷却速度の不均一性は避けられず、このため、錫の偏析や残留ガスや引けによるボイド(空隙)等の鋳造欠陥の発生は不可避であった。この鋳造欠陥を有するままで伸線して超電導線を形成すると、伸線加工工程で断線が生じたり、超電導特性の低下をもたらす問題がある。
【0006】
そこで、係る鋳造欠陥を除去するために、特開平4−120257号には、鋳造されたブロンズビレットをHIP処理する方法が提案されており、又、特開平8−77848号には、特殊な均質化熱処理を施して錫偏析を抑制する方法が提案されている。しかしながら、これらの方法は、基本的に錫の偏析や鋳造欠陥を有する鋳造法で製造されたブロンズを、後処理によって品質改善を図るものであるから、そのための工数と費用とを要し、しかも完全な欠陥除去は困難である。加えて、HIP処理や特殊な熱処理を長時間に亘って行う等により、必然的に製造コストの大幅な上昇が不可避であった。
【0007】
又、上記従来法では、製造されたブロンズパイプの組織は、鋳造組織のままであり、粗大な錫の結晶が存在して機械的強度に劣るため、製品品質にばらつきが生じる事は避け得難かった。
【0008】
本発明は、係る従来鋳造法の持つ欠点を根本的に解消し、安価で且つ品質の安定したブロンズパイプを提供し、以て、安価に且つ品質の安定した超電導線を得る事のできる超電導線の製造方法を提供する事を目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記問題点を解決するために成されたものであって、その最大の特徴とするところは、高錫濃度のブロンズ材に型鍛造を施してブロンズパイプを成形する点にある。即ち、ブロンズ材を型鍛造する事により、品質が安定し且つ強度の向上したブロンズパイプが、低コストで得られる事になる。
【0010】
本発明の超電導線の製造方法は、上記した型鍛造によって成形したブロンズパイプ内にニオブ芯線を配置して複合線素材を形成し、これに所定の減面加工を行った後に、所定の拡散熱処理を施す事により、該複合線素材中の錫とニオブとを反応させてNb3Sn系超電導金属間化合物を生成させるものである。
【0011】
尚、上記ニオブ芯線も、高錫濃度のブロンズ材に、型鍛造によって成形した複数の筒状中空部を形成し、該筒状中空部内にニオブ棒を挿入して、これに所定の減面加工を施して形成されたものであるのが好ましい。
【0012】
上記型鍛造により成形されたブロンズパイプの内径寸法と外形寸法との比は、製作面と品質面から0.60〜0.95が好ましい。
【0013】
又、鋳造して製造したブロンズ素材の鋳造欠陥をなくし且つ強度の維持を図るためには500℃〜700℃の温度で型鍛造を行うのが好ましい。
【0014】
又、得られたブロンズパイプの結晶粒の大きさは、50μm以下となすのが最も好ましい。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下に本発明を、図面の実施例に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明のNb3Sn系超電導線の製造方法に使用するブロンズパイプの製造工程を示す概念図であり、図(a)は型鍛造工程の準備段階を示し、図(b)は型鍛造中の段階を示し、図(c)は型鍛造の終了段階を示す断面概念図である。
【0016】
先ず、図(a)に示している様に、予め大気中で溶解され、所定寸法に鋳造された高錫ブロンズビレット(高錫ブロンズ材)3を、所定温度(例えば700℃程度)に予熱すると共に、同程度の温度に予熱されている金型2内に挿入して型鍛造の準備が終了する。尚、図中4は、金型2の底盤である。
【0017】
次に、図(b)に示されている様に、予め同程度の温度に予熱されているステム1を、油圧力等によって前記ブロンズビレット3内に矢印Aで示した方向に押し込むと、前記ビレット3には矢印Bで示した如くメタルフローが生じ、該ビレット3は塑性変形して次第に中空パイプ状に成形されていく。次に、図(c)に示している様に、ステム1を所定長さ分を押し込むと、前記ビレット3は、底部(下端部)5aを有するパイプ状成形体5に形成される。続いて、前記ステム1と共に該パイプ状成形体5を金型2から抜き出して冷却し、図中点線7で示した線に沿って切断する事により、該下端部5aを切り離したブロンズパイプ6を形成する。
【0018】
この様にブロンズビレット3を型鍛造する事により、鋳造法によって成形された結果として生じている中心部に錫の逆偏析が均一化されると共に、ガスや引けによる鋳造欠陥の除去も可能である。更に、型鍛造によって、粗大な鋳造組織は微細で均質な加工組織に変化するため、結晶粒の微細均一化による引張り強さや耐力の向上が図られる。又、パイプ形状に型鍛造する事により、ニオブ芯線を挿入するための穴を切削加工する手間も省け、製造コストの低減も可能となる。
【0019】
ここで、前記ステムの外径寸法dとブロンズビレット3の外径寸法Dとの寸法比(d/D)は、0.6〜0.95の範囲に設定しておくのが好ましい。この寸法比が0.6より小さいと、前記矢印Bで示したブロンズのメタルフローの均一化が困難となり、従って、得られたブロンズパイプ6の径方向に結晶組織が不均一となり、強度の均質化が得られず、後工程における伸線段階で破断するおそれが生じる。一方、前記寸法比が0.95を越えると、パイプ内に挿入されるニオブ芯線材の量に比して該パイプの肉厚が薄くなり、ニオブ芯線保護の機能を期待し難くなる。この意味において、本発明では、前記寸法比を0.6〜0.95に設定しているが、0.65〜0.85の範囲が好ましい。
【0020】
又、上記型鍛造操作を行う温度は、500℃〜750℃で行うのが好ましい。これは、前記ビレット3の青熱脆性領域を避けるためには、500℃以上の温度で型鍛造を行う必要があり、一方、750℃を越えての型鍛造操作は、予熱に時間が掛かり過ぎて生産性が低下すると共に、品質の安定性が低下するおそれがある。
【0021】
更に、上記鍛造温度と鍛造比の範囲において、得られたブロンズパイプ6の結晶粒の大きさが、50μm以下となる様な範囲を設定するのが最も好ましい。
【0022】
〔実施例1:ブロンズパイプの製造〕
次に、上記型鍛造法によるブロンズパイプ6の製造例について、図1を参照しつつ説明する。先ず、大気溶解法によって溶解・鋳造して外径145mmφ、長さ650mmの14%錫ブロンズビレット3を成形し、これを700℃に予熱して、同温度に予熱されている内径150mmφ,高さ1000mmの金型2内に挿入した。次に、外径100mmφ,長さ1100mmのステム1を前記ビレット3内に油圧力で押し込んで、図1(c)に示した状態に型鍛造を行った。この時の型鍛造の内外径比(d/D)は約0.67である。次に、ステム1と共にパイプ状鍛造品5を金型2から抜き出して下端部5aを切削除去し、外径150mmφ,内径100mmφ,長さ1000mmのブロンズパイプ6を製造した。
【0023】
上記本発明法によって製造されたブロンズパイプと、従来法である真空溶解法によって溶解されて鋳造されたブロンズパイプと、大気下溶解されて鋳造されたブロンズパイプとの品質を比較した。その結果を表1に示す。
【0024】
【表1】
【0025】
上記表1から明らかな様に、結晶粒の大きさは、従来法ではいずれも数mm程度の極めて粗いものであるが、本発明法による型鍛造法で形成されたものは、数mmの結晶粒を有する鋳造組織が加工組織に変化して35μmという桁違いに小さな値となっている。この事は、本発明方法に係るブロンズパイプは、従来法により製造されたブロンズパイプに比して、機械的強度が大きく向上している事を意味している。又、加工歩留りも、切削除去する部分の小さな本発明法では99%と高い値であるのに対し、従来法では、中心部をくり抜いてパイプ状に成形する関係から55%に留まっており、1.8倍もの加工歩留りの向上を達成している。この事は、ブロンズパイプのコスト低減に大きく寄与するのみならず、最終製品としての超電導線のコスト低減にも大きく寄与する事が理解されよう。
【0026】
次に、上記ブロンズパイプ6を用いて超電導線を製造する工程について、図2及び図3に示した超電導線の製造工程概念図を用いて説明する。先ず、図2は、ニオブ芯線の製造工程を示す概念図であり、図(a)に示した工程では、鋳造法等の適宜の方法で製造した高錫ブロンズビレット10に複数のニオブ芯挿入孔13aを形成してブロンズ胴13を形成する。次に、図(b)に示した工程では、ニオブ棒11を適当な寸法に切断して形成したニオブ芯12を成形する。該ニオブ芯12を前記ブロンズ胴13の前記ニオブ芯挿入孔13a内に挿入し、該ブロンズ胴13の両端部を適宜閉鎖して押出ビレットを形成し、これを常法に従って所定の減面率で押し出し及び伸線加工して図(c)に示した如き六角形状のニオブ芯線16を製造する。
【0027】
次に、図3は、上記ニオブ芯線16を用いて超電導線を製造する工程を示す概念図であり、同図(a)の工程では、前述の型鍛造法によって製造されたパイプ状のブロンズ成形体5の下端部5aを切り離し、所定の端面加工を施して鍛造ブロンズパイプ6を形成する。図(b)の工程では、無酸素銅製の丸棒21を所定径に切削加工して安定化材22を成形する。
【0028】
次に、図(c)に示す様に、前記ブロンズパイプ6の中心に前記安定化材22を配置すると共に、その周囲に前記図2に示した工程で製造された多数のニオブ芯線16を挿入配置する。このニオブ芯線を多数挿入されたブロンズパイプ6の両端を常法に従って閉塞して複合線素材(押出ビレット)23を製造する。この複合線素材23を常法に従って所定の減面率で押出加工及び伸線加工を施した後に、拡散熱処理を施してブロンズ中の錫を拡散させてニオブと反応させ、Nb3Snを生成させて超電導線を製造する。
【0029】
〔実施例2:超電導線の製造〕
次に、前記ブロンズパイプ6を用いた本発明による超電導線の製造実施例について説明する。前記実施例1で製造したブロンズパイプ6の中心に、前記図3で示した如く無酸素銅製の安定化材22を配置し、その周囲に前記実施例1で製造したニオブとブロンズの複合体からなるニオブ芯線16を14000本挿入配置し、その両端部を常法に従って閉塞して複合線素材23を製造し、次に、該複合線素材23に静水圧押出と伸線加工を施して最終寸法1.25mmφの丸線を製造した。
【0030】
図4に、この丸線の断面写真を示す。図4の写真から明らかな様に、無酸素銅製の安定化材22の周囲に無数のニオブ芯線16及び前記ブロンズパイプ6が確認される。
【0031】
続いて、該丸線に拡散熱処理を施し、ブロンズ中の錫をニオブ中に拡散させてNb3Snを生成させる事によってNb3Sn系超電導線を製造した。上記本発明の方法によって製造されたNb3Sn系超電導線と、実施例1で比較のために製造した鋳造ブロンズパイプを用いて同様の方法によって製造されたNb3Sn系超電導線との品質及び超電導特性を比較した。その結果を表2に示す。
【0032】
【表2】
【0033】
上記表2から明らかな様に、型鍛造によって製造された錫の偏析や鋳造欠陥のないブロンズパイプを用いた本発明方法によれば、伸線過程での断線率は従来法に比べて低下している。又、超電導特性については、臨界電流値及びn値においては、従来法と同等の性能であるが、臨界電流変動率は大幅に低下しており、超電導線の長さ方向にわたる臨界電流の安定性が向上していることが分かる。
【0034】
以上の実施例においては、ブロンズパイプ6のみを型鍛造法によって製造しているが、前記図2の(a)工程におけるニオブ芯12を挿入するブロンズ胴13も型鍛造法によって製造する事も可能であるが、従来法の如く鋳造法によって製造したものでも構わない。又、超電導線の製造方法も、上記実施例に示した工程のものに限定されるものではなく、種々提案されている他の方法であっても構わないが、少なくとも複合線素材(押出ビレット)23を形成するための高錫ブロンズパイプ6は型鍛造法によって製造されているものでなければならない。
【0035】
【発明の効果】
以上詳述した如く、本発明によれば、ニオブ芯線を内部に配置するための高錫ブロンズパイプを、型鍛造法によって製造しているので、高錫濃度を有しながら、錫の偏析の殆どない品質の安定したブロンズパイプを安定的に製造する事が可能となる。
【0036】
又、型鍛造法によってパイプ状に成形されるため、素材ビレットが、粗大結晶粒や鋳造欠陥を有する鋳造品であっても、型鍛造過程で受ける塑性加工により、組織が加工組織となるため、結晶粒も小さくなり、同時に鋳造欠陥も除去される事になるので、ブロンズパイプの機械的性質も大幅に向上する。
【0037】
更に、型鍛造法によってパイプ状に成形されるため、従来の切削加工法によってブロンズ内に貫通孔を形成する方法に比して、材料の歩留りが大幅に向上するため、ブロンズパイプの製造コストの大幅な低減が可能となる。
【0038】
又、係るブロンズパイプを用いてNb3Sn系超電導線を製造する事により、その伸線過程における断線もなく、加えて、得られた超電導線の特性、特に線材長手方向の臨海電流変動率が大幅に低下する事になり、超電導特性にも大きな改善効果が得られている。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明に係るブロンズビレットの型鍛造工程を示す概念図である。
【図2】図2は、超電導線製造用のニオブ芯線の製造工程を示す概念図である。
【図3】図3は、超電導線の製造工程を示す概念図である。
【図4】図4は、本発明方法に係る超電導線素材の断面写真である。
【符号の説明】
1 型鍛造用ステム
2 型鍛造用金型
3 高錫ブロンズビレット(高錫ブロンズ材)
5 パイプ状成形体
6 高錫ブロンズパイプ
d ブロンズパイプの内径
D ブロンズパイプの外径
【発明の属する技術分野】
本発明は、超電導マグネット装置等に使用されるNb3Sn系超電導線の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
Nb3Sn系超電導線は、代表的な超電導線であり、その製造法としては、高錫濃度のブロンズ材で形成したパイプ内にニオブ(Nb)芯材を配置し、これを所定の細線に減面加工する方法である。
【0003】
この製法に使用するブロンズパイプの製造方法としては、鋳造法が一般的である。即ち、真空中或いは酸化防止材を使って大気中で、誘導加熱法等によって溶解された高錫ブロンズを、所定の鋳型に注入・冷却して円柱状のビレットを形成し、このビレットを切削加工してパイプ状に形成するものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
係る鋳造法によるブロンズパイプの製法では、中実のビレットを切削加工してパイプ状に成形する関係上、当然ながら歩留りが非常に低下する問題がある。
【0005】
又、鋳造品の本質的な欠点として、溶湯の冷却工程における冷却速度の不均一性は避けられず、このため、錫の偏析や残留ガスや引けによるボイド(空隙)等の鋳造欠陥の発生は不可避であった。この鋳造欠陥を有するままで伸線して超電導線を形成すると、伸線加工工程で断線が生じたり、超電導特性の低下をもたらす問題がある。
【0006】
そこで、係る鋳造欠陥を除去するために、特開平4−120257号には、鋳造されたブロンズビレットをHIP処理する方法が提案されており、又、特開平8−77848号には、特殊な均質化熱処理を施して錫偏析を抑制する方法が提案されている。しかしながら、これらの方法は、基本的に錫の偏析や鋳造欠陥を有する鋳造法で製造されたブロンズを、後処理によって品質改善を図るものであるから、そのための工数と費用とを要し、しかも完全な欠陥除去は困難である。加えて、HIP処理や特殊な熱処理を長時間に亘って行う等により、必然的に製造コストの大幅な上昇が不可避であった。
【0007】
又、上記従来法では、製造されたブロンズパイプの組織は、鋳造組織のままであり、粗大な錫の結晶が存在して機械的強度に劣るため、製品品質にばらつきが生じる事は避け得難かった。
【0008】
本発明は、係る従来鋳造法の持つ欠点を根本的に解消し、安価で且つ品質の安定したブロンズパイプを提供し、以て、安価に且つ品質の安定した超電導線を得る事のできる超電導線の製造方法を提供する事を目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記問題点を解決するために成されたものであって、その最大の特徴とするところは、高錫濃度のブロンズ材に型鍛造を施してブロンズパイプを成形する点にある。即ち、ブロンズ材を型鍛造する事により、品質が安定し且つ強度の向上したブロンズパイプが、低コストで得られる事になる。
【0010】
本発明の超電導線の製造方法は、上記した型鍛造によって成形したブロンズパイプ内にニオブ芯線を配置して複合線素材を形成し、これに所定の減面加工を行った後に、所定の拡散熱処理を施す事により、該複合線素材中の錫とニオブとを反応させてNb3Sn系超電導金属間化合物を生成させるものである。
【0011】
尚、上記ニオブ芯線も、高錫濃度のブロンズ材に、型鍛造によって成形した複数の筒状中空部を形成し、該筒状中空部内にニオブ棒を挿入して、これに所定の減面加工を施して形成されたものであるのが好ましい。
【0012】
上記型鍛造により成形されたブロンズパイプの内径寸法と外形寸法との比は、製作面と品質面から0.60〜0.95が好ましい。
【0013】
又、鋳造して製造したブロンズ素材の鋳造欠陥をなくし且つ強度の維持を図るためには500℃〜700℃の温度で型鍛造を行うのが好ましい。
【0014】
又、得られたブロンズパイプの結晶粒の大きさは、50μm以下となすのが最も好ましい。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下に本発明を、図面の実施例に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明のNb3Sn系超電導線の製造方法に使用するブロンズパイプの製造工程を示す概念図であり、図(a)は型鍛造工程の準備段階を示し、図(b)は型鍛造中の段階を示し、図(c)は型鍛造の終了段階を示す断面概念図である。
【0016】
先ず、図(a)に示している様に、予め大気中で溶解され、所定寸法に鋳造された高錫ブロンズビレット(高錫ブロンズ材)3を、所定温度(例えば700℃程度)に予熱すると共に、同程度の温度に予熱されている金型2内に挿入して型鍛造の準備が終了する。尚、図中4は、金型2の底盤である。
【0017】
次に、図(b)に示されている様に、予め同程度の温度に予熱されているステム1を、油圧力等によって前記ブロンズビレット3内に矢印Aで示した方向に押し込むと、前記ビレット3には矢印Bで示した如くメタルフローが生じ、該ビレット3は塑性変形して次第に中空パイプ状に成形されていく。次に、図(c)に示している様に、ステム1を所定長さ分を押し込むと、前記ビレット3は、底部(下端部)5aを有するパイプ状成形体5に形成される。続いて、前記ステム1と共に該パイプ状成形体5を金型2から抜き出して冷却し、図中点線7で示した線に沿って切断する事により、該下端部5aを切り離したブロンズパイプ6を形成する。
【0018】
この様にブロンズビレット3を型鍛造する事により、鋳造法によって成形された結果として生じている中心部に錫の逆偏析が均一化されると共に、ガスや引けによる鋳造欠陥の除去も可能である。更に、型鍛造によって、粗大な鋳造組織は微細で均質な加工組織に変化するため、結晶粒の微細均一化による引張り強さや耐力の向上が図られる。又、パイプ形状に型鍛造する事により、ニオブ芯線を挿入するための穴を切削加工する手間も省け、製造コストの低減も可能となる。
【0019】
ここで、前記ステムの外径寸法dとブロンズビレット3の外径寸法Dとの寸法比(d/D)は、0.6〜0.95の範囲に設定しておくのが好ましい。この寸法比が0.6より小さいと、前記矢印Bで示したブロンズのメタルフローの均一化が困難となり、従って、得られたブロンズパイプ6の径方向に結晶組織が不均一となり、強度の均質化が得られず、後工程における伸線段階で破断するおそれが生じる。一方、前記寸法比が0.95を越えると、パイプ内に挿入されるニオブ芯線材の量に比して該パイプの肉厚が薄くなり、ニオブ芯線保護の機能を期待し難くなる。この意味において、本発明では、前記寸法比を0.6〜0.95に設定しているが、0.65〜0.85の範囲が好ましい。
【0020】
又、上記型鍛造操作を行う温度は、500℃〜750℃で行うのが好ましい。これは、前記ビレット3の青熱脆性領域を避けるためには、500℃以上の温度で型鍛造を行う必要があり、一方、750℃を越えての型鍛造操作は、予熱に時間が掛かり過ぎて生産性が低下すると共に、品質の安定性が低下するおそれがある。
【0021】
更に、上記鍛造温度と鍛造比の範囲において、得られたブロンズパイプ6の結晶粒の大きさが、50μm以下となる様な範囲を設定するのが最も好ましい。
【0022】
〔実施例1:ブロンズパイプの製造〕
次に、上記型鍛造法によるブロンズパイプ6の製造例について、図1を参照しつつ説明する。先ず、大気溶解法によって溶解・鋳造して外径145mmφ、長さ650mmの14%錫ブロンズビレット3を成形し、これを700℃に予熱して、同温度に予熱されている内径150mmφ,高さ1000mmの金型2内に挿入した。次に、外径100mmφ,長さ1100mmのステム1を前記ビレット3内に油圧力で押し込んで、図1(c)に示した状態に型鍛造を行った。この時の型鍛造の内外径比(d/D)は約0.67である。次に、ステム1と共にパイプ状鍛造品5を金型2から抜き出して下端部5aを切削除去し、外径150mmφ,内径100mmφ,長さ1000mmのブロンズパイプ6を製造した。
【0023】
上記本発明法によって製造されたブロンズパイプと、従来法である真空溶解法によって溶解されて鋳造されたブロンズパイプと、大気下溶解されて鋳造されたブロンズパイプとの品質を比較した。その結果を表1に示す。
【0024】
【表1】
【0025】
上記表1から明らかな様に、結晶粒の大きさは、従来法ではいずれも数mm程度の極めて粗いものであるが、本発明法による型鍛造法で形成されたものは、数mmの結晶粒を有する鋳造組織が加工組織に変化して35μmという桁違いに小さな値となっている。この事は、本発明方法に係るブロンズパイプは、従来法により製造されたブロンズパイプに比して、機械的強度が大きく向上している事を意味している。又、加工歩留りも、切削除去する部分の小さな本発明法では99%と高い値であるのに対し、従来法では、中心部をくり抜いてパイプ状に成形する関係から55%に留まっており、1.8倍もの加工歩留りの向上を達成している。この事は、ブロンズパイプのコスト低減に大きく寄与するのみならず、最終製品としての超電導線のコスト低減にも大きく寄与する事が理解されよう。
【0026】
次に、上記ブロンズパイプ6を用いて超電導線を製造する工程について、図2及び図3に示した超電導線の製造工程概念図を用いて説明する。先ず、図2は、ニオブ芯線の製造工程を示す概念図であり、図(a)に示した工程では、鋳造法等の適宜の方法で製造した高錫ブロンズビレット10に複数のニオブ芯挿入孔13aを形成してブロンズ胴13を形成する。次に、図(b)に示した工程では、ニオブ棒11を適当な寸法に切断して形成したニオブ芯12を成形する。該ニオブ芯12を前記ブロンズ胴13の前記ニオブ芯挿入孔13a内に挿入し、該ブロンズ胴13の両端部を適宜閉鎖して押出ビレットを形成し、これを常法に従って所定の減面率で押し出し及び伸線加工して図(c)に示した如き六角形状のニオブ芯線16を製造する。
【0027】
次に、図3は、上記ニオブ芯線16を用いて超電導線を製造する工程を示す概念図であり、同図(a)の工程では、前述の型鍛造法によって製造されたパイプ状のブロンズ成形体5の下端部5aを切り離し、所定の端面加工を施して鍛造ブロンズパイプ6を形成する。図(b)の工程では、無酸素銅製の丸棒21を所定径に切削加工して安定化材22を成形する。
【0028】
次に、図(c)に示す様に、前記ブロンズパイプ6の中心に前記安定化材22を配置すると共に、その周囲に前記図2に示した工程で製造された多数のニオブ芯線16を挿入配置する。このニオブ芯線を多数挿入されたブロンズパイプ6の両端を常法に従って閉塞して複合線素材(押出ビレット)23を製造する。この複合線素材23を常法に従って所定の減面率で押出加工及び伸線加工を施した後に、拡散熱処理を施してブロンズ中の錫を拡散させてニオブと反応させ、Nb3Snを生成させて超電導線を製造する。
【0029】
〔実施例2:超電導線の製造〕
次に、前記ブロンズパイプ6を用いた本発明による超電導線の製造実施例について説明する。前記実施例1で製造したブロンズパイプ6の中心に、前記図3で示した如く無酸素銅製の安定化材22を配置し、その周囲に前記実施例1で製造したニオブとブロンズの複合体からなるニオブ芯線16を14000本挿入配置し、その両端部を常法に従って閉塞して複合線素材23を製造し、次に、該複合線素材23に静水圧押出と伸線加工を施して最終寸法1.25mmφの丸線を製造した。
【0030】
図4に、この丸線の断面写真を示す。図4の写真から明らかな様に、無酸素銅製の安定化材22の周囲に無数のニオブ芯線16及び前記ブロンズパイプ6が確認される。
【0031】
続いて、該丸線に拡散熱処理を施し、ブロンズ中の錫をニオブ中に拡散させてNb3Snを生成させる事によってNb3Sn系超電導線を製造した。上記本発明の方法によって製造されたNb3Sn系超電導線と、実施例1で比較のために製造した鋳造ブロンズパイプを用いて同様の方法によって製造されたNb3Sn系超電導線との品質及び超電導特性を比較した。その結果を表2に示す。
【0032】
【表2】
【0033】
上記表2から明らかな様に、型鍛造によって製造された錫の偏析や鋳造欠陥のないブロンズパイプを用いた本発明方法によれば、伸線過程での断線率は従来法に比べて低下している。又、超電導特性については、臨界電流値及びn値においては、従来法と同等の性能であるが、臨界電流変動率は大幅に低下しており、超電導線の長さ方向にわたる臨界電流の安定性が向上していることが分かる。
【0034】
以上の実施例においては、ブロンズパイプ6のみを型鍛造法によって製造しているが、前記図2の(a)工程におけるニオブ芯12を挿入するブロンズ胴13も型鍛造法によって製造する事も可能であるが、従来法の如く鋳造法によって製造したものでも構わない。又、超電導線の製造方法も、上記実施例に示した工程のものに限定されるものではなく、種々提案されている他の方法であっても構わないが、少なくとも複合線素材(押出ビレット)23を形成するための高錫ブロンズパイプ6は型鍛造法によって製造されているものでなければならない。
【0035】
【発明の効果】
以上詳述した如く、本発明によれば、ニオブ芯線を内部に配置するための高錫ブロンズパイプを、型鍛造法によって製造しているので、高錫濃度を有しながら、錫の偏析の殆どない品質の安定したブロンズパイプを安定的に製造する事が可能となる。
【0036】
又、型鍛造法によってパイプ状に成形されるため、素材ビレットが、粗大結晶粒や鋳造欠陥を有する鋳造品であっても、型鍛造過程で受ける塑性加工により、組織が加工組織となるため、結晶粒も小さくなり、同時に鋳造欠陥も除去される事になるので、ブロンズパイプの機械的性質も大幅に向上する。
【0037】
更に、型鍛造法によってパイプ状に成形されるため、従来の切削加工法によってブロンズ内に貫通孔を形成する方法に比して、材料の歩留りが大幅に向上するため、ブロンズパイプの製造コストの大幅な低減が可能となる。
【0038】
又、係るブロンズパイプを用いてNb3Sn系超電導線を製造する事により、その伸線過程における断線もなく、加えて、得られた超電導線の特性、特に線材長手方向の臨海電流変動率が大幅に低下する事になり、超電導特性にも大きな改善効果が得られている。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明に係るブロンズビレットの型鍛造工程を示す概念図である。
【図2】図2は、超電導線製造用のニオブ芯線の製造工程を示す概念図である。
【図3】図3は、超電導線の製造工程を示す概念図である。
【図4】図4は、本発明方法に係る超電導線素材の断面写真である。
【符号の説明】
1 型鍛造用ステム
2 型鍛造用金型
3 高錫ブロンズビレット(高錫ブロンズ材)
5 パイプ状成形体
6 高錫ブロンズパイプ
d ブロンズパイプの内径
D ブロンズパイプの外径
Claims (5)
- Nb3Sn系超電導線の製造方法において、
高錫濃度のブロンズ材(3)に、型鍛造を施してブロンズパイプ(6)を形成し、
該ブロンズパイプ(6)内に、予め成形された多数のニオブ芯線(16)を配置して複合線素材(23)を形成し、
該複合線素材(23)に所定の減面加工を行った後に、所定の拡散熱処理を施す事により、該複合線素材(23)中の錫とニオブとを反応させてNb3Sn系超電導金属間化合物を生成させる事を特徴とするNb3Sn系超電導線の製造方法 - 前記ニオブ芯線(16)が、高錫濃度のブロンズ材(10)に、型鍛造によって複数のニオブ挿入孔(13a)を形成し、該ニオブ挿入孔
(13a)内にニオブ芯(12)を挿入し、これに所定の減面加工を施して形成されたものである請求項1に記載のNb3Sn系超電導線の製造方法 - 前記ブロンズパイプ(6)の内外径の寸法比(d/D)が、0.60〜0.95である請求項1又は2に記載のNb3Sn系超電導線の製造方法
- 前記ブロンズパイプ(6)が、鋳造法によって製造された前記高錫濃度のブロンズ材(3)を500℃〜750℃の温度で型鍛造して成形されたものである請求項1乃至3のいずれかに記載のNb3Sn系超電導線の製造方法
- 前記ブロンズパイプ(6)の結晶粒が、50μm以下である請求項1乃至4のいずれかに記載のNb3Sn系超電導線の製造方法
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