JP3792515B2 - 野球用またはソフトボール用バット - Google Patents
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Description
技術分野
この発明は、野球用またはソフトボール用バットに関し、より特定的には、ボールの飛距離を増大させることができ、かつ製造コストを低減することが可能な野球用またはソフトボール用バットに関する。
背景技術
従来より、野球用またはソフトボール用バット(以下、バットと呼ぶ)としては、木製、チタニウム合金やアルミニウム合金などの金属製のバットの他、カーボン繊維やグラス繊維などからなるヤーンや織物、スリーブなどにエポキシ樹脂やその他の合成樹脂に代表されるマトリックス樹脂を含浸硬化させた繊維強化プラスチック製(以下、FRP製と呼ぶ)のバットなど、さまざまな素材により構成されたバットが市場に供給されている。
また、従来、バットにおける打球時の反発特性を改善する目的で、たとえば特公昭50−7976号公報においては、バット本体の打球面の内側に適当な長さを有する金属パイプを固着することにより、打球面が二重パイプ構造となっている金属製バットが提案されている。
また、実公昭51−13165号公報においては、バット本体の打球面の内側に適当な長さを有する金属パイプを固着し、さらにバット本体と金属パイプとにより構成される二重パイプの中間層(バット本体と金属パイプとの間の層)に、ゴム質または合成樹脂製の板、もしくはこれらの材料からなるパイプを押入、接着することにより、打球面が三重構造となるようにした金属製のバットが提案されている。
また、アメリカ合衆国特許第54153985号においては、バット本体の打球面の内側に、パイプ状の挿入部材をバット本体との間に間隙を有するように挿入、固着した構造を有するバット、あるいはその間隙内に潤滑油を密閉封入した構造を有するバットが開示されている。
しかし、上述のような従来提案されているバットにおいては、以下に示すような問題点があった。
すなわち、特公昭50−7976号公報に開示されているバットでは、上述のようにバット本体の打球面の内側に適当な長さを有する金属パイプを固着している。このようなバットを製造する際、金属パイプに大きな荷重もしくは圧力をかけた状態で、バット本体の打球面の内側にこの金属パイプを挿入固着するという製造方法を用いる。そして、この金属パイプを挿入固着する工程において、バット本体の打球面の内壁が損傷を受ける場合があった。このように打球面の内壁が損傷を受けている場合には、バットの使用中にこの損傷を受けた箇所からバット本体にクラックが生じる、あるいはバットが折損するというような事故が発生する場合があった。
また、実公昭51−1316号公報に開示されたバットでは、上述のように二重パイプの中間層にゴム質または合成樹脂製の板を介在させているため、打球音が鈍くなる、あるいは打球時のバットの反発特性が低下するといった問題点があった。
ここで、バットはその打球部の肉厚が薄いほどバット本体の変形量が大きくなる。そして、この変形した状態から元の形状へとバット本体が復元する際の復元力により打球されたボールをより遠くへ飛ばすことが可能となる。しかし、バット本体の打球部の肉厚があまりに薄い場合には、バット本体の強度が不足することになるため、ボールを打球した際にバット本体が凹んだりあるいは亀裂が入るというような問題が発生するおそれがあった。
このような問題を解決するために、アメリカ合衆国特許第5415398号に開示されているバットでは、上述のような構造とすることにより、打球時の衝撃応力によって肉厚の薄いバット本体の外殻壁が塑性変形することを防止している。このため、打球時にバット本体が塑性変形を伴うことなく弾性変形を許容する範囲内で変形することができる。そして、そのバット本体の外殻壁における弾性変形からの復元力(スプリング反応による力)によりボールへの反発力を向上させることができる。つまり、アメリカ合衆国特許第5415398号公報に開示されたバットは、肉厚の薄いバット本体の外殻壁と、その外殻壁と間隙を介して形成された挿入部材とを組合せることにより、ボールを遠くへ飛ばすための反発特性の向上とバットの十分な強度の確保という2つの要求を両立させている。
さらに、上記間隙に密閉封入された潤滑油は、打球時の衝撃応力がバット本体の外殻壁からパイプ状の挿入部材へとスムーズに伝達することを可能としている。この結果、バットの反発特性をさらに向上させることができる。
このように、このアメリカ合衆国特許第5415398号に開示されたバットは、優れた反発特性を有するため、打球されたボールの飛距離を増大させることができる。
しかし、このアメリカ合衆国特許第5415398号に開示されたバットは、上記のような優れた反発特性を実現するため、バット本体とパイプ状の挿入部材との間に高い寸法精度で微細な間隙を形成することが必要となる。また、バットの反発特性をバットの全周にわたって良好なものとするためには、このバット本体とパイプ状の挿入部材との間における間隙の高さをバットの全周にわたって均一になるよう厳格に管理、設定する必要がある。そして、バットの製造工程において上記のような微細な間隙を精度よく形成することは非常に手間と時間がかかり、結果的にバットの製造コストが増大するという問題があった。
また、上記アメリカ合衆国特許第5415398号では、上記間隙に潤滑油を密閉、封入した構造を有するバットも開示されているが、この場合潤滑油としては比較的粘度の高い潤滑油を使用する必要があった。これは、バットの使用中にこの潤滑油が間隙からバットの外部へとしみ出たり漏れたりするなどの不良の発生を防止するためである。そして、このように粘度の高い潤滑油を空隙の内部に密閉、封入する作業は、やはり手間と時間がかかることから、バットの製造コストをさらに増大させる要因となっていた。
発明の開示
この発明の1つの目的は、打撃されたボールの飛距離を増大することが可能で、かつ製造コストを低減することが可能な野球用またはソフトボール用バットを提供することである。
この発明のもう1つの目的は、打撃されたボールの飛距離を増大することが可能であり、かつ製造コストを低減することが可能な野球用またはソフトボール用バットの製造方法を提供することである。
この発明の一の局面における野球用またはソフトボール用バットは、打球部とテーパー部とグリップ部とを備える野球用またはソフトボール用バットであって、管状基材と金属製管状部材とを備える。管状基材は、打球部からグリップ部まで延在する外周面と、その外周面の内側に位置し打球部からグリップ部まで延在する内周面とを含む。金属製管状部材は外周面と内周面との間において少なくとも打球部に配置されている。金属製管状部材の表面にはウィークバウンダリーレアーが形成されている。
このように、管状基材の外周面と内周面との間に金属製管状部材を配置するので、この金属製管状部材によりバットの強度および耐久性を高めることができる。つまり、金属製管状部材を配置しない場合よりも、バットの強度を保ったまま管状基材の膜厚を薄くすることができる。さらに、ウィークバウンダリーレアーを形成することにより、打球時に管状基材と金属製管状部材とがそれぞれ独立して変形することができる。このため、管状基材と金属製管状部材との間がほぼ全面にわたって固着されている場合に比べて、金属製管状部材の外周側に位置する管状基材の部分が打球時に容易に弾性変形することができる。そして、この管状基材の部分における弾性変形からの復元力によって、打球されたボールの飛距離をより増大させることができる。なお、ここでウィークバウンダリーレアーとは、被着体表面(金属製管状部材の表面)に存在し、目的とする接着強さを上回る機械的強度を持たない層のことをいう。ウィークバウンダリーレアーの例としては、たとえば金属表面を覆う工作油、成形加工されたプラスチック表面の離型剤などが挙げられる。このウィークバウンダリーレアーが形成された領域では、金属製管状部材と管状基材とは固着することなく接触することになる。
また、このように金属製管状部材の表面にウィークバウンダリーレアーを形成すれば、管状基材の内側に間隙を隔ててパイプ状の挿入部材を配置した場合と同様の上述のような効果を得ることができ、かつ、従来のような間隙の高さの調整という複雑な工程を行なう必要がない。つまり、金属製管状部材の表面と管状部材とがウィークバウンダリーレアーを介して接するようバットを構成できる。この結果、バットの製造工程を簡略化することができるので、バットの製造コストが増大することを防止できる。
また、打球時の衝撃に対してバットの強度が不足することを金属製管状部材により防止できるので、打球時の衝撃によってバットの管状基材に亀裂が発生したりバットが折損するというような事故の発生を防止できる。
また、金属製管状部材を管状基材の外周面と内周面との間に配置するので、本発明によるバットを管状基材に金属製管状部材を埋設したような構造とすることが可能になる。このようにすれば、金属製管状部材の表面と管状基材とを接着剤などで固着させることなく(金属製管状部材の表面にウィークバウンダリーレアーを形成した状態で)、金属製管状部材の位置を固定できる。
上記一の局面における野球用またはソフトボール用バットでは、管状基材が金属製管状部材の外周側に位置する第1の層と、金属製管状部材の内周側に位置する第2の層とを含んでいてもよい。
この場合、第1の層と第2の層とを、それぞれ異なる材料から構成することが可能となる。このため、たとえば第1の層として打球時の衝撃力により容易に弾性変形する材料を用いてバットの反発特性を一層向上させる一方、第2の層として第1の層より剛性の高い材料を用いることにより、バットの強度および耐久性を高めることができる。この結果、バットの反発特性を向上させつつ、バットの折損事故などを防止することが可能となる。
上記一の局面における野球用またはソフトボール用バットでは、ウィークバウンダリーレアーが、金属製管状部材の表面において非接着性の表面処理加工が施さる事により形成された層を含んでいてもよい。
この場合、上記ウィークバウンダリーレアーが形成された金属製管状部材の表面と管状基材との間の固着を確実に防止できる。
上記一の局面における野球用またはソフトボール用バットでは、ウィークバウンダリーレアーが、上部表面が鏡面仕上げ加工を施された層、めっき層、離型剤皮膜層および酸化皮膜層からなる群から選択される少なくとも1つを含んでいてもよい。
上記一の局面における野球用またはソフトボール用バットでは、ウィークバウンダリーレアーが金属製管状部材の外周面上および内周面上のいずれか一方、もしくは外周面上と内周面上との両方に形成されていてもよい。
このように、ウィークバウンダリーレアーが金属製管状部材の外周面上と内周面上との両方に形成される場合には、金属製管状部材と、その金属製管状部材の外周側に位置する管状基材の部分と、金属製管状部材の内周側に位置する管状基材の部分との3つ部分がそれぞれ打球時に独立して弾性変形することが可能となる。そのため、この3つの部分における弾性変形からの復元力を打球されたボールへ伝達することにより、ボールの飛距離をより増大させることができる。
また、ウィークバウンダリーレアーが金属製管状部材の外周面にのみ形成されている場合には、金属製管状部材の強度をより高めるための補強部材として、金属製管状部材の内周面側に位置する管状基材の部分を作用させることができる。この結果、バットの強度をより高めることができる。
上記一の局面における野球用またはソフトボール用バットでは、管状基材は繊維強化プラスチック(FRB)を含んでいてもよい。
上記一の局面における野球用またはソフトボール用バットでは、管状基材が管状に形成された繊維状部材に樹脂を含浸させることにより形成されていてもよい。
この発明の他の局面における野球用またはソフトボール用バットの製造方法は、打球部とテーパー部とグリップ部とを備える野球用またはソフトボール用バットの製造方法であって、まず打球部からグリップ部まで延在するように管状の内周層を形成する。その内周層の少なくとも打球部となる領域上に金属製管状部材を配置する。金属製管状部材の表面にウィークバウンダリーレアーを形成する。少なくとも金属製管状部材を覆うように管状の外周層を形成する。
このように、内周層上に金属製管状部材を配置し、さらにその金属製管状部材上に外周層を形成することにより、容易に上記一の局面における野球用またはソフトボール用バットを製造することができる。
また、従来のバットの製造方法とは異なり、金属製管状部材と内周層もしくは外周層との間に空隙を形成するための工程を実施しないので、製造工程が複雑化することを防止できる。この結果、バットの製造コストを低減することができる。
上記他の局面における野球用またはソフトボール用バットの製造方法では、ウィークバウンダリーレアーを形成する工程が、金属製管状部材の表面に非接着性の表面処理加工を施す工程を含んでいてもよい。
この場合、金属製管状部材の表面においてウィークバウンダリーレアーを容易に形成できる。
上記他の局面における野球用またはソフトボール用バットの製造方法では、非接着性の表面処理加工が鏡面仕上げ加工、めっき仕上げ加工、離型剤被膜加工および酸化被膜加工からなる群から選択される少なくとも1つを含んでいてもよい。
上記他の局面における野球用またはソフトボール用バットの製造方法では、内周層を形成する工程が打球部からグリップ部まで延在するように管状の内周繊維層を形成する工程を含んでいてもよく、外周層を形成する工程が少なくとも金属製管状部材を覆うように管状の外周繊維層を形成する工程を含んでいてもよい。さらに、内周繊維層と外周繊維層とに樹脂を含浸させる工程をさらに備えていてもよい。
上記他の局面における野球用またはソフトボール用バットの製造方法では、外周層の方向に向かって内周層に圧力を加える工程をさらに備えていてもよい。
上記他の局面における野球用またはソフトボール用バットの製造方法では、内周層および外周層が繊維強化プラスチックを含んでいていもよい。
なお、上記他の局面における野球用またはソフトボール用バットの製造方法においては、繊維強化プラスチックに用いる補強繊雑部材もしくは内周繊維層または外周繊維層として、カーボン繊維、グラス繊維、アラミド繊維もしくはその他の補強繊維を用いることができる。これらの補強繊維の配向角度は、バットの長手方向に対して0°〜45°、もしくは0°〜90°までの組合せが可能である。また、この補強繊維の種類および補強繊維の配向角度の組合せは、バットに要求される強度やその他の特性により決定される。
また、上記他の局面における野球用またはソフトボール用バットの製造方法においては、繊維強化プラスチックのマトリックス樹脂として、エポキシ樹脂その他の熱硬化性合成樹脂もしくはポリウレタン樹脂その他の熱可塑性合成樹脂を用いることができる。
この発明の別の局面における野球用またはソフトボール用バットは、打球部、テーパー部、グリップ部からなる繊維強化プラスチック製(FRP製)の野球用またはソフトボール用バットであって、打球部に相当する繊維強化プラスチック層(FRP層)の内部にウィークバウンダリーレアー(WBL)を有する金属製管状部材を埋設一体化した構造を備えることを特徴とする。
このため、FRP製のバットとして必要な強度を保ちつつFRP層の肉厚を小さくすることができる。また、ウィークバウンダリーレアーを有する金属製管状部材をFRP層の内部に埋設したことにより、このウィークバウンダリーレアーが形成されている金属製管状部材の表面とFRP層のマトリックス樹脂層との境界面において非接着性の界面剥離層を形成することができる。そして、この非接着性の界面剥離層では、打球時に金属製管状部材とFRP層との間でスプリングバック的な物理現象が瞬時に発生する。その結果、このスプリングバック的な物理現象によってバットの反発特性を向上させることができる。
また、金属製管状部材の内周側にもFRP層が存在するため、金属製管状部材自体が打球時の衝撃力によって塑性変形することを有効に防止することができる。この結果、バットの耐久性を向上させることができる。
上記別の局面における野球用またはソフトボール用バットでは、金属製管状部材を繊維強化プラスチック層のFRP外殻層とFRP内殻層との間に埋設一体化した構造を備えていてもよい。
この場合、金属製管状部材が完全にFRP層中に埋設一体化するので、FRP製バットとして要求される強度を保ったままFRP外殻層の肉厚を薄くすることができる。この結果、バットの反発特性を向上させることができるので、打球されたボールの飛距離を増大させることができる。
また、金属製管状部材の内周側にFRB内殻層が存在するため、このFRP内殻層を金属製管状部材の補強部材として作用させることができる。この結果、FRP製バットの耐久性を確実に向上させることができる。
上記別の局面における野球用またはソフトボール用バットでは、上記ウィークバウンダリーレアーは金属製管状部材の表面において鏡面仕上げ加工、めっき仕上げ加工、離型剤被膜処理、酸化被膜処理もしくはその他の物理的もしくは化学的な非接着性の表面処理を施した領域であってもよい。また、このウィークバウンダリーレアーは金属製管状部材の外周側および内周側のどちらか一方、もしくは外周側と内周側との両方に形成されていてもよい。
このように、上記他の局面における野球用またはソフトボール用バットにおいては、バットの打球部が肉厚の薄いFRP層の2層と金属製管状部材からなる1層との3層構造となっている。そして、それぞれの層の間に間隙は設けられていない。ここで、FRP層と金属製管状部材からなる層とが完全に接着されている場合には、打球時に上記3つの層が一体となって変形する。このため、事実上肉厚の厚い1枚物のFRP層と同じような変形を起こす。そして、この場合にはFRP層における弾性変形量もごくわずかであるので、この弾性変形からの復元力によってボールの飛距離を増大させる効果も比較的小さい。
しかし、本発明によるバットにおいては、ウィークバウンダリーレアーを形成することによって、FRP層とアルミ合金製のパイプなどからなる金属製管状部材との間が接着しないようにしている。このため、FRP層と金属製管状部材とはそれぞれ独立して動くことができる。これにより、バットの偏平方向の剛性が極度に小さくなる。この結果、打球時のバットの反発特性を著しく向上させることができるので、打球されたボールの飛距離を増大させることができる。
また、従来のアメリカ合衆国特許第5415398号に開示されているバットとは異なり、本発明によるバットではその製造工程において金属製管状部材(パイプ状の挿入部材)とバット本体との間における間隙の寸法を精密に管理、調整する必要がなく、また、その間隙内に潤滑油を密閉封入するというような工程も必要ない。このため、本発明によるバットでは、その製造工程を簡略化することができる。また、間隙の大きさのばらつきに起因するバットの反発特性のばらつきという問題は、本発明によるバットでは発生しない。
このように、本発明によるバットは、安定した品質を確保すると同時に製造コストを低減することができ、かつ、ボールの飛距離を増大させることができる。
なお、上記一の局面または別の局面における野球用またはソフトボール用バットにおいては、FRPに用いる補強繊維部材もしくは繊維状部材として、カーボン繊維、グラス繊維、アラミド繊維もしくはその他の補強繊維を用いることができる。これらの補強繊維の配向角度は、バットの長平方向に対して0°〜45°もしくは0°〜90°までの組合せが可能である。また、この補強繊維の種類および補強繊維の配向角度の組合せは、バットに要求される強度やその他の特性により決定される。
また、上記一の局面または別の局面における野球用またはソフトボール用バットにおいては、FRPのマトリックス樹脂として、エポキシ樹脂その他の熱硬化性合成樹脂もしくはポリウレタン樹脂その他の熱可塑性合成樹脂を用いることができる。
また、上記他の局面における野球用またはソフトボール用バットの製造方法では、リアクションインジェクションモールディング(RIM)製法やレジントランスファ(RTM)製法を用いることができる。この場合、バットの外形の型が準備されている金型のバット先端部またはグリップエンド部から吸引排気しながら、吸引排気している位置とは逆側に位置するグリップエンド部または先端部からマトリックス樹脂を金型内に注入することにより、気泡などの無い均質なマトリックス樹脂を金型内へと導入することができる。この結果、マトリックス樹脂中に気泡など欠陥が存在しない高品質のバットを得ることができる。
また、上記一の局面または他の局面における野球用またはソフトボール用バットもしくは上記他の局面における野球用またはソフトボール用バットの製造方法においては、金属製管状部材としてアルミ合金製のパイプを用いてもよい。
また、上記一の局面または他の局面における野球用またはソフトボール用バットもしくは上記他の局面における野球用またはソフトボール用バットの製造方法においては、金属製管状部材を形成するために用いる素材として、ASTMの規格に準じた6000系や7000系のアルミニウム合金を使用することができる。なお、このアルミニウム合金のうち特にASTMの規格に準じた7001、7049、7050、7075、7178、6061を用いることが好ましい。上記のようなアルミニウム合金を用いれば、バットの強度や耐久性をより向上させることができる。
また、上記一の局面または他の局面における野球用またはソフトボール用バットもしくは上記他の局面における野球用またはソフトボール用バットの製造方法においては、金属製管状部材を形成するために用いる素材として、チタン合金や純チタンを用いることができる。たとえば、β型もしくはα+β型チタン合金を用いることが好ましい。
なお、金属製管状部材を形成するために用いるその他の素材として、その他のチタン合金(たとえばTi−6Al−4V、Ti−4Al−22V、Ti−15V−3Cr−3Al−3Sn、Ti−4.5Al−3V−2Fe−2Mo、Ti−10V−2Fe−3Alなど)を用いることができる。
発明を実施するための最良の形態
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。なお、以下の図面において同一または相当する部分には同一の参照番号を付しその説明は繰返さない。
(実施の形態1)
図1は本発明によるFRP製の野球用またはソフトボール用バットの側面模式図である。図1を参照して、バット1は打球部2とテーパー部3とグリップ部4とを備える。グリップ部4の端部はグリップエンド5と呼ばれる。そして、打球部2においては、バット1の管状基材としてのFRP層6の内部に金属製管状部材8が埋設一体化されている。
図2は、図1の線分100−100における断面模式図である。図3は、図1の線分200−200における断面模式図である。図4は、図1の線分300−300における断面模式図である。図1〜4を参照して、バット1は打球部2からグリップ部4まで延在する外周面25と、その外周面25の内側に位置し、打球部2からグリップ部4まで延在する内周面26とを含む管状基材としてのFRP層6と、この外周面25と内周面26との間において少なくとも打球部2に配置された金属製管状部材8とを備える。また、バット1の内周面26上には中空部9が形成されており、中空タイプのバットとなっている。
そして、バット1のFRP層6は、金属製管状部材8の外周側に位置する第1の層としてのFRP外殻層6aと、金属製管状部材8の内周側に位置する第2の層としてのFRP内殻層6bとを含んでいる。金属製管状部材8は、打球部2においてこのFRP外殻層6aとFRP内殻層6bとの間に挟まれた状態であり、FRP層6の内部に埋設一体化された状態となっている。
また、図5を参照して、この金属製管状部材8の表面には、このFRP外殻層6aおよびFRP内殻層6bと金属製管状部材8とが固着することを防止するためのウィークバウンダリーレアー7が形成されている。このウィークバウンダリーレアー7は、金属製管状部材8の表面に非接着性の表面処理加工が施されることにより形成される。そして、このウィークバウンダリーレアー7は、金属製管状部材8の表面上に形成された、上部表面が鏡面仕上げ加工を施された層、めっき層、離型剤被膜層および酸化被膜層からなる群から選択される少なくとも1つを含んでいてもよい。このようにすれば、ウィークバウンダリーレアー7が形成された金属製管状部材8の表面とFRP層6との間の固着を確実に防止できる。
なお、鏡面仕上げ加工とは、研磨により金属製管状部材8の表面の凹凸や傷を極力なくすような加工を意味する。また、めっき層は金属製管状部材8の表面の凹凸や傷を極力なくすために、金属製管状部材8の表面にクロムめっき、ニッケル−クロムめっきもしくはその他の金属めっきを施すめっき加工を行うことにより形成される。また、離型剤被膜層は、たとえばワックス系の離型剤、シリコーン系離型剤およびフッ素系の離型剤などを金属製管状部材8の表面に配置することにより形成することができる。
ここで、ワックス系の離型剤の配合例としては、ワックスを1重量%以上10重量%以下に対して、炭化水素系溶剤を90重量%以上99重量%以下とすることができる。ワックス系の離型剤として、溶剤型離型剤とエマルジョン型の離型剤とがある。たとえば溶剤型離型剤の配合例としては、マイクロワックスを10重量%、低分子量ポリエチレンを1重量%、ミネラルスピリットを89重量%とすることができる。
また、エマルジョン型離型剤の配合例としては、マイクロワックスを10重量%、酸化マイクロワックスを1重量%、ステアリン酸を1.5重量%、ジエタノールアミンを0.5重量%、水を87重量%とすることができる。
シリコーン系離型剤としては、以下に示すような種類の離型剤を用いることができる。
(1)オイル型:通常は100〜1000cSt程度の粘度を有するオイルが用いられるが、長期間の持続性が要求される場合には1万〜10万cSt程度の粘度を有する高粘度オイルが用いられる。また、対象物にペインタブル性が要求される場合には、アルキル変性シリコーンオイルが用いられる。
(2)溶液型:ベースとなるオイルの粘度としては、成形温度が比較的低くかつ表面が平滑な場合には100〜1000cSt程度でよい。しかし、成形温度が高い精密鋳造や孔質材料の場合には、さらに高粘度のオイルが用いられる。また、希釈溶液は型の温度によって選ばれ、型の温度が100℃以下と低い場合には、トルエン、キシレンなどの沸点の比較的低いものがよい。しかし、精密鋳造のように型の温度が高い場合には、ミネラルターペンなどのような高沸点のものがよい。使用濃度は通常0.5〜2%程度であり、吹付け、刷毛塗り、浸漬などの方法により塗布される。
(3)エマルジョン型:水で希釈できるので経済的にも安全性(火災対策上および衛生上)の面からも有利であるが、溶液型と比較して希釈剤が揮発しにくいため、型の温度が低い場合には適当でない。使用の際には、通常0.5〜2%程度の濃度となるよう水で希釈し、吹付け、刷毛塗り、浸漬などの方法により塗布される。
(4)オイルコンパウンド型:オイルコンパウンド型は、シリコーンオイルに微粉末シリカを配合したペースト状のもので、耐熱性が極めて良好であるため、高温、高圧下での離型剤として適している。
(5)エアゾル型:スプレー缶入りなので、吹付け塗布で使用できるという手軽さがある。
上記(1)〜(5)に示したようにオイルの性質をほとんどそのまま利用するものに加えて、以下に示すように加熱などによりシリコーンを架橋、反応させて硬化被膜の形で利用する、いわゆる焼付型離型剤も使用できる。
(6)ワニス型:硬化被膜が3次元架橋した硬い状態のシリコーンレジンを構成成分として用いているので離型効果が高い。
(7)ゴム型:硬化被膜の3次元架橋点がワニス型より少なく、硬化被膜がゴム状弾性体となるもので、長期間の離型効果を希望する場合や、シリコーン被膜に柔軟性が要求される場合に用いられる。
また、酸化被膜層として金属製管状部材8の表面に陽極酸化被膜やアルマイト被膜を形成してもよい。
また、このウィークバウンダリーレアー7は、金属製管状部材8の外周面上および内周面上のいずれか一方、もしくは外周面上と内周面上との両方に形成されていてもよい。ここで、図5は本発明による中空タイプのFRP製バットにおける打球部の要部断面斜視図である。
このように、本発明によるFRP製のバット1においては、FRP層6と金属製管状部材8とを組合せることにより、結果的に肉厚の薄いFRP外殻層6a、金属製管状部材8、FRP内殻層6bという3つの層を組合せた構造となっている。そして、このFRP外殻層6a、金属製管状部材8、FRP内殻層6bとの間には特に間隙は設けられていない。
ここで、FRP層6と金属製管状部材8とが従来のように完全にその表面において接着(固着)されている場合、ボールを打撃する際にはこの3層からなるバットの打球部2の3層(FRP外殻層6a、金属製管状部材8、FRP内殻層6b)は一体となって動く。このため、肉厚の厚い1枚物のFRP層によって形成されたバットと同様の変形が起きることになる。
しかし、本発明によるバット1においては、このようにFRP外殻層6aおよびFPR内殻層6bと金属製管状部材8との間にウィークバウンダリーレアー7が形成されている(非接着性の界面剥離層が形成されている)。このため、バット1の打球部2において、打球時これらの3層(FRP外殻層6a、金属製管状部材8、FRP内殻層6b)はそれぞれ独立して変形することが可能である。この結果、バット1の打球部2における偏平方向の剛性を小さくすることができる。これにより、打球時の衝撃応力によってバット1の上記3層(FRP外殻層6a、金属製管状部材8、FRP内殻層6bが塑性変形を伴うことなく本質的な弾性変形を許容する範囲で変形する。そして、これらの3層それぞれの復元力がボールへ伝えられる(スプリングバック的な物理現象が起こる)ことにより、ボールの飛距離が増大するという効果を得ることができる。さらに、金属製管状部材8が完全にFRP層6中に埋設一体化しているので、FRP製バットとして要求される強度を保ったままFRP外殻層6aの肉厚を薄くすることができる。この結果、バットの反発特性を向上させることができるので、打球されたボールの飛距離をさらに増大させることができる。
また、金属製管状部材8の内周側にFRB内殻層6bが存在するため、このFRP内殻層6bを金属製管状部材8の補強部材として作用させることができる。この結果、FRP製バットの耐久性を確実に向上させることができる。
なお、このようなウィークバウンダリーレアー7を金属製管状部材8の外周面もしくは内周面のいずれかのみに形成した場合にも、金属製管状部材8と固着していないFRP外殻層6aもしくはFRP内殻層6bと、その他の金属製管状部材8を含む部分とがそれぞれ独立して変形することができるので、上記と同様にバット1の偏平方向の剛性を小さくするとができる。この結果、上記と同様の効果を得ることができる。
また、ウィークバウンダリーレアー7が金属製管状部材8の外周面にのみ形成されている場合には、金属製管状部材8の強度をより高めるための補強部材として、金属製管状部材の内周面側に位置する管状基材の部分であるFRP内殻層6bを作用させることができる。この結果、バット1の強度をより高めることができる。
また、本発明によるバット1では、上記のように金属製管状部材8とFRP層6との間に間隙を設けない。このため、従来のアメリカ合衆国特許第5415398号に開示されているバットとは異なり、バット本体(FRP層6)と挿入部材(金属製管状部材8)との間の間隙の大きさを正確に管理しながらバット本体の打球面の内側に挿入部材を挿入するというような複雑な工程を行う必要がない。また、この挿入部材とバット本体との間に形成された間隙に潤滑油を密閉封入するというような複雑な工程を実施する必要もない。この結果、製造工程が複雑化、長期化することに起因する製造コストの増大という問題の発生を防止できる。さらに、このような複雑な工程により製造されたバットでは、製造ばらつきに起因してバット間の性能のばらつきが発生する場合があるが、本発明によるバットでは上記のように間隙を形成しないので、このような性能のばらつきも発生しない。
また、打球時の衝撃に対してバット1の強度が不足することを金属製管状部材8により防止できるので、打球時の衝撃によってバット1の管状基材としてのFRP層6に亀裂が発生したりバット1が折損するというような事故の発生を防止できる。
また、金属製管状部材8をFRP外殻層6aとFRP内殻層6bとの間に配置するので、FRP層6に金属製管状部材8を埋設したような構造とすることが可能になる。このようにすれば、金属製管状部材8の表面とFRP層6とを接着剤などで固着させることなく(金属製管状部材8の表面にウィークバウンダリーレアー7を形成した状態で)、金属製管状部材8の位置を固定できる。
また、第1の層としてのFRP外殻層6aと第2の層としてのFRP内殻層6bとを、それぞれ異なる材料から構成することが可能となる。このため、たとえばFRP外殻層6aとして打球時の衝撃力により容易に弾性変形する材料を用いてバットの反発特性を一層向上させる一方、FRP内殻層6bとしてFRP外殻層6aより剛性の高い材料を用いることにより、バットの強度および耐久性を高めることができる。この結果、バットの反発特性を向上させつつ、バットの折損事故などを防止することが可能となる。
図6〜8は、本発明によるFRP製バットの実施の形態1における第1の変形例を示す断面模式図である。図6は、図2に対応する断面模式図である。図7は、図3に対応する断面模式図である。図8は、図4に対応する断面模式図である。
図6〜8を参照して、本発明によるFRP製バットの実施の形態1における第1の変形例は、基本的には図1〜5に示したバットと同様の構造を備える。しかし、図6〜8に示したバットでは、FRP内殻層6bの内部に芯材10が充填されている。なお、FRP内殻層6bの内部に充填された芯材10としては、発泡合成樹脂を用いることができる。
図9〜12は、本発明によるFRP製バットの実施の形態1における第2の変形例を示す断面模式図である。図9は、図1の線分400−400における断面模式図である。図10は、図2に対応する断面模式図である。図11は、図3に対応する断面模式図である。図12は、図4に対応する断面模式図である。
図9〜12を参照して、バットは基本的には図1〜4に示したバットと同様の構造を備える。ただし、図9〜12に示したバットにおいては、打球部2(図1参照)からグリップ部4(図1参照)にまでFRP層20が延在する。このFRP層20は、図1〜4に示したバットとは異なり基本的に単一の層からなっている。そして、アルミニウムからなる金属製管状部材8は、この単一の層からなるFRP層20の内部に埋設された状態となっている。この金属製管状部材8の表面には、ウィークバウンダリーレアーが形成されている。この金属製管状部材8の外周面上にはFRP層部分20aが位置し、金属製管状部材8の内周面上にはFRP層部分20bが位置されている。
このような構成のバットにおいても、図1〜4に示した本発明によるバットと同様の効果を得ることができる。
次に、図1〜5に示したバット1の製造方法を説明する。図13〜18は、内圧製法を用いた本発明によるFRP製のバットの製造方法の実施の形態1を説明するための模式図である。図13〜18を参照して、バットの製造方法を説明する。
まず、バットの内径に比べて、やや直径の小さなマンドレル11(図13参照)に、管状の内周層としてのガラス繊維やカーボン繊維、アラミド繊維やその他の補強繊維からなる袋状のスリーブもしくはプリプレグシート21(図13参照)を被覆する(第1工程)。
次に、このようにマンドレル11にスリーブやプリプレグシート21を被覆した基体27を準備した後、図13に示すように、金属製管状部材8にこの基体27を挿入することにより、金属製管状部材8をバットの打球部となる位置に配置する。このとき、金属製管状部材8の表面には、鏡面仕上げ加工、めっき仕上げ加工、離型剤皮膜処理、酸化皮膜処理、その他の物理的化学的な非接着性の表面処理からなる群から選択される少なくとも1種の表面処理を施しておく。このような表面処理を施された領域にはウィークバンダリーレアーが容易に形成されることになる(第2工程)。
ここで、本発明によるバットの製造方法では、金属製管状部材8とプリプレグシート21とは接触した状態としている。つまり、従来のバットとは異なり、金属製管状部材8と内周層もしくは外周層としてのプリプレグシート21との間に空隙を形成するための工程を実施しないので、製造工程が複雑化することを防止できる。この結果、バットの製造コストを低減することができる。
次に、上記のように金属製管状部材8をマンドレル11の所定の位置に配置した後、管状の外周層となるプリプレグシート21a〜21cを金属製管状部材8および基体27の表面上に配置する(第3工程)。
ここで、プリプレグシート21a〜21cにおいては、補強繊維としてガラス繊維、カーボン繊維、アラミド繊維およびその他の補強繊維を用いることができる。また、マトリックス樹脂として、エポキシ樹脂その他の熱硬化性合成樹脂もしくはポリウレタン樹脂その他の熱可塑性合成樹脂を用いることができる。
次に、図15に示すように、プリプレグシート21と金属製管状部材8とからなる基体27からマンドレル11を抜き取る(第4工程)。
次に、図16に示すように、基体27の内側にプラスチック製チューブ22を挿入する(第5工程)。
次に、このプラスチック製チューブ22が基体27の内部に挿入された状態で、バットの先端部となる基体27の先端部にプラスチック製のキャップ23(図17参照)を挿入する(第6工程)。
次に、基体27が加熱成形される金型の温度を120℃となるように設定する(第7工程)。
次に、図17に示すように、加熱された上金型12aと下金型12bとからなる金型にキャップ23が挿着された基体27を組入れる。そして、上金型12aと下金型12bとを型締めし、さらに金型全体を加熱する(第8工程)。
このとき、基体27のグリップエンド部からは、プラスチック製チューブ22の空気注入口24が突出した状態となっている。
そして、図18に示すように、基体27のグリップエンド部に位置する空気注入口24を介してプラスチック製チューブ22の内部に加圧した空気を注入する。この結果、基体27に対してその内側から圧力を加えることができる。つまり、内周層に外周層の方向に向かって圧力を加えることができる。このときの圧力は15〜20kg/cm2とし、加圧時間は約20分間とする(第9工程)。
次に、プラスチック製チューブ22に加えていた圧力を除去し、上下金型12a、12bを開放して成形されたバットとなる基体27を金型から取出す(第10工程)。
次に、基体27の内部に残っているプラスチック製チューブを取出す(第11工程)。
次に、基体27を構成するプリプレグのマトリックス樹脂を完全に硬化させるために、基体27に対して温度条件が130℃、加熱時間が6時間という熱処理を加える(第12工程)。
この後、基体27表面を研磨機で研磨する。そして、グリップエンド部の穴に樹脂を詰めることによってその穴を塞ぐ。基体27表面にベースカラーを塗装後乾燥する。さらに、基体27表面上へ水転写シールを貼付後、乾燥させる。次に、クリア塗装を実施後、乾燥させる。このようにしてバットが完成する。この後、包装用のシュリンク袋をバットに被せ、熱風を吹き付けて加熱する。このようにしてこのシュリンク袋を収縮させることによってバットを包装する。
上記のようにして、内圧製法を用いて本発明によるFRP製バットを製造することきができる。
ここで、上記第1工程〜第3工程におけるプリプレグシート等の被覆方法について、表1にその概要を示す。
表1からもわかるように、上記第1工程においては、まずマンドレルのバット先端部に該当する位置から打球部を経てテーパー部までの部位にガラス繊維製スリーブ(GFスリーブ)を被覆する(工程1−1)。次に、カーボン繊維製のプリプレグシートをバットのテーパー部に該当する部分に被覆する(工程1−2)。このときのプリプレグシートの繊維の角度としては、バットの長手方向に対して±45°という傾斜角をつけている。次に、ガラス繊維製のプリプレグシートをバットの打球部に相当する部分に被覆する(工程1−3)。このときの傾斜角はバットの長手方向に対して±60°とする。次に、カーボン繊維製のプリプレグシートをバットの先端部からグリップエンドまでの部位に被覆する(工程1−4)。このときの傾斜角はバットの長手方向に対して0°とする。さらに、ガラス繊維製のプリプレグシートをバットの打球部に被覆する(工程1−5)。このときのプリプレグシートの傾斜角はバットの長手方向に対して±60°とする。次に、カーボン繊維製のプリプレグシートをテーパー部に被覆する(工程1−6)。このときのプリプレグシートの傾斜角はバットの長手方向に対して±45°とする。このようにして、第1工程においてはマンドレルの各部位にプリプレグシートを被覆する。
次に、アルミニウム合金からなる金属製管状部材の中へこのプリプレグが被覆されたマンドレル(基体)を挿入することによって、金属製管状部材を打球部に相当する部分に配置する(工程2−1)。このときのアルミニウム合金としては、ASTM7050相当のアルミニウム合金を用いることができる。この金属製管状部材のサイズは表1に示しているとおりである。
次に、この金属製管状部材の厚みによる段差をなくすため、ガラス繊維製のプリプレグシートを金属製管状部材の先端部側と後端部側とに被覆する(工程3−1)。このときのプリプレグシートの傾斜角は、バットの長手方向に対して90°である。次に、上記金属製管状部材を覆うようにガラス繊維製のプリプレグシートを打球部に被覆する(工程3−2)。このときのプリプレグシートの傾斜角はバットの長手方向に対して±60°である。
次に、カーボン繊維製のプリプレグシートをテーパー部に被覆する(工程3−3)。このときのプリプレグシートの傾斜角はバットの長手方向に対して±45°である。次に、ガラス繊維製のプリプレグシートを打球部に被覆する(工程3−4)。このときのプリプレグシートの傾斜角はバットの長手方向に対して±45°とした。次にのカーボン繊維製のプリプレグシートをテーパー部に被覆する(工程3−5)。このときのプリプレグシートの傾斜角はパットの長手方向に対して±45°とした。そして、ガラス繊維製のプリプレグシートをグリップ部に被覆する(工程3−6)。このときのプリプレグシートの傾斜角はバットの長手方向に対して±45°とした。このようにして上記第3工程を実施した。
そして、第4工程〜第6工程に示したように、上記のようにプリプレグの被覆が終了した後、マンドレルを抜き取り、その中空部に空気注入口(口金)のついたプラスチック製チューブを挿入する。そして、バットの先端部に該当する開口部にはポリウレタン樹脂などからなるプラスチック製のキャップをはめ込んだ。そして、120℃に予備加熱された金型内にバットとなる基体を配置するとともに、グリップエンド部に相当する位置に棒状のガラス繊維製のプリプレグシートを設置する。そして、金型を型締めし金型全体を120℃に保つ。そして、グリップエンド部に突き出たプラスチック製チューブの空気注入口24(図18参照)からチューブ内に加圧した空気を注入する。このようにして、基体の内側から圧力を加えてバットを内圧成形する。
上記のような内圧成形法により、形成されたFRP製のバットの打球部におけるFRP内殻層6b(図2参照)の厚みは約1.5mm、アルミニウム合金からなる金属製管状部材の厚みは約1.3mm、FRP外殻層6a(図2参照)の厚みは約1.5mmとなる。
なお、本発明によるFRP製バットのマトリックス樹脂としてはエポキシ樹脂を用いることができる。
(実施の形態2)
図19は、本発明によるFRP製バットの実施の形態2における補強繊維などの配置を示す模式図である。また、図20は、本発明によるFRP製バットの製造方法の実施の形態2を説明するための模式図である。以下、図19および20を参照してバット製造方法を説明する。
上記のように本発明によるバットは内圧製法によって製造することができるが、以下に説明するリアクションインジェクションモールディング(RIM)製法を用いても製造することができる。このRIM製法を用いたバットの製造方法におけるバットの補強繊維および金属製管状部材の配置が図19に示されている。
図19を参照して、まずマンドレル11においてバットの先端部となる領域から打球部2を経てテーパー部3までの部位にガラス繊維製のスリーブ18aを1フライ被覆する。次に、カーボン繊維製のスリーブ19aをバットの先端部となる領域から打球部2、テーパー部3を経てグリップ部4のグリップエンド部までの部位に1プライ被覆する。さらに、このカーボン繊維製のスリーブ19aをグリップエンド部で折り返しテーパー部3のほぼ中央部でまたさらに折り返す。なおこのテーパー部のほぼ中央部における折り返し点では、段差を少なくするためにスリーブ19aを部分的に切断する。そして、このカーボン繊維製のスリーブ19aはグリップエンド部まで延在するように配置される。
次に、金属製管状部材8を打球部2に位置するように配置する。この金属製管状部材8の表面には、実施の形態1におけるバットの製造方法と同様にウィークバウンダリーレアーを形成するための表面処理が施されている。この金属製管状部材8の厚みによる段差をなくすため、ガラス繊維製のスリーブ18bを金属製管状部材8の後端部からテーパー部3の上端部にまで延在するように1プライ被覆する。
さらに、カーボン繊維製のスリーブ19b、19dをバットの先端部となる領域から打球部2、テーパー部3の上端部にかけて被覆する。また、カーボン繊維製のスリーブ19c、19eをテーパー部3のほぼ中央部からグリップエンドにまで延在するように、またこのスリーブ19cとスリーブ19eとが少しずれたような状態となるように被覆する。その後、最外周部にカーボン繊維製のスリーブ19fをバットの先端部から打球部2、テーパー部3を経てグリップ部4の上端部にまで延在するように被覆する。
このように金属製管状部材8とガラス繊維製のスリーブ18a、18bおよびカーボン繊維製のスリーブ19a〜19fとからなる基体(成形予備物ともいう)を、図20に示すように、上下金型12a、12b内に設置する。なお、基体を構成するガラス繊維製スリーブ18a〜18bおよびカーボン繊維製のスリーブ19a〜19fについてのデータの一例を表2に示す。
図20を参照して、このように上下金型12a、12bの内部に基体を設置し、マトリックス樹脂をこの金型内に注入射出することによって、RIM製法を用いてバットを製造することができる。
このRIM製法を用いたバットの製造方法を、以下に説明する。
まず、離型剤を塗付したマンドレル11(図19参照)に上述のようにガラス繊維製のスリーブ18aおよびカーボン繊維製のスリーブ19a(図19参照)を被覆する。このスリーブ18a、19aとしては、上記のようにガラス繊維製やカーボン繊維製の他、アラミド繊維やその他補強繊維からなる袋状のスリーブを用いることができる。また、スリーブに代えてブレードや織物などを選択することもできる(第1工程)。
次に、ウィークバウンダリーレアーを形成するための表面処理が施された金属製管状部材8を打球部となる領域に配置する(第2工程)。
次に、金属製管状部材8上と他のマンドレル11上の領域とをガラス繊維製スリーブ18bやカーボン繊維製スリーブ19b〜19f(図19参照)により被覆する。これらのガラス繊維製のスリーブやカーボン繊維製のスリーブに代えて、アラミド繊維やその他補強繊維からなる袋状のスリーブを用いてもよい。また、ブレードや織物などを用いてもよい(第3工程)。
次に、上下の金型12a、12b(図20参照)の温度を135℃〜145℃に設定する(第4工程)。
次に、図20に示すように、上下の金型12a、12bの内部にマンドレル11、ガラス繊維製のスリーブ18a、18b、カーボン繊維製のスリーブ19a〜19fおよび金属製管状部材8からなる基体をセットする。そして、グリップエンド部にカーボンの不織布を詰め、全体を加熱する(第5工程)。
次に、上下の金型12a、12bを型締めし、グリップエンド側に接続されたマトリックス樹脂用の投入管に設置されたコック16aを閉じた状態で、マンドレル11の先端側の金型内の空隙に接続されている管路に設置されたコック16bを開放する。このコック16bが設置された管路は真空ポンプへと接続されている。この真空ポンプを運転することにより、基体が配置されている金型12a、12bの内部の空間を真空にする(第6工程)。
次に、マトリックス樹脂をタンク13内に充填する。そして、コック16aを開放し、金型の内部の空間にマトリックス樹脂を流し込む(第7工程)。
次に、バット先端側に位置する管路にまでマトリックス樹脂が到達したら、このマトリックス樹脂の流れを制御し、金型内から気泡を排出させる(第8工程)。このようにすれば、気泡などの無い均質なマトリックス樹脂を金型内へと導入することができる。この結果、マトリックス樹脂中に気泡など欠陥が存在しない高品質のバットを得ることができる。
次に、金型内のマトリックス樹脂を硬化させる(第9工程)。
次に、上下の金型12a、12bを開放し成形された基体を取出す。そして、マンドレル11をその基体から除去する(第10工程)。
基体(成形体)を再度架橋させるため、架橋温度領域でエイジング処理を行なう(第11工程)。
その後、バットの先端部にキャップを取付け、塗装等の処理を行なうことにより、本発明によるバットを製造することができる。
ここで、上記のようなRIM製法を用いて製造された本発明によるFRP製のバットは、その打球部におけるFRP内殻層6b(図2参照)の厚さは約1.7mm、金属製管状部材8(図2参照)であるアルミ合金製のパイプの厚さは約1.3mm、FRP外殻層6a(図2参照)の厚さは約1.7mmであった。
なお、本発明によるFRP製バットのRIM製法を用いた製造方法におけるマトリックス樹脂の配合例としては、以下のような配合が可能である。
MDA:BPO:マトリックス樹脂(エポキシ樹脂)=4:4:1
ただしMDAは熱硬化性ポリエステルアミドを表わし、BPOはベンゾイルパーオキサイドを表わす。また、図20に示したRIM製法におけるマトリックス樹脂の注入の際には、マトリックス樹脂用タンク13aにはMDAとBPOとを配合し、マトリックス樹脂用タンク13bにはエポキシ樹脂と触媒としての1,4−ジブロモブタンを配合する。
また、本発明によるFRP製のバットの製造方法においては、スリーブなどを被覆した後マトリックス樹脂を含浸させてそのまま金型に配置した状態で加熱硬化してもよい。また、スリーブをマンドレルに被覆した後、そのスリーブにマトリックス樹脂を含浸させてプリプレグ化した後、金型内にこのプリプレグ化したスリーブを被覆したマンドレルを配置し、このプリプレグ化したスリーブを加熱硬化させてもよい。
また、本発明によるバットの製造方法では、レジントランスファ(RTM)製法を用いてもよい。
また、上記実施の形態1および2においては、金属製管状部材を形成するために用いる素材として、ASTMの規格に準じた6000系や7000系のアルミニウム合金を使用することができる。なお、このアルミニウム合金のうち特にASTMの規格に準じた7001、7049、7050、7075、7178、6061を用いることが好ましい。上記のようなアルミニウム合金を用いれば、バットの強度や耐久性をより向上させることができる。
また、金属製管状部材を形成するために用いる素材として、チタン合金や純チタンを用いてもよい。たとえば、β型もしくはα+β型チタン合金を用いることが好ましい。
なお、金属製管状部材を形成するために用いるその他の素材として、その他のチタン合金(たとえばTi−6Al−4V、Ti−4Al−22V、Ti−15V−3Cr−3Al−3Sn、Ti−4.5Al−3V−2Fe−2Mo、Ti−10V−2Fe−3Alなど)を用いてもよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した実施の形態ではなくて請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
図1は本発明によるFRP製バットの実施の形態1を示す側面模式図である。
図2は、図1の線分100−100における断面模式図である。
図3は、図1の線分200−200における断面模式図である。
図4は、図1の線分300−300における断面模式図である。
図5は、本発明による中空タイプのFRP製バットにおける打球部の要部断面斜視図である。
図6は、本発明によるFRP製バットの実施の形態1における第1の変形例の、図2に対応する断面模式図である。
図7は、本発明によるFRP製バットの実施の形態1における第1の変形例の、図3に対応する断面模式図である。
図8は、本発明によるFRP製バットの実施の形態1における第1の変形例の、図4に対応する断面模式図である。
図9は、本発明によるFRP製バットの実施の形態1における第2の変形例の、図1の線分400−400における断面模式図である。
図10は、本発明によるFRP製バットの実施の形態1における第2の変形例の、図2に対応する断面模式図である。
図11は、本発明によるFRP製バットの実施の形態1における第2の変形例の、図3に対応する断面模式図である。
図12は、本発明によるFRP製バットの実施の形態1における第2の変形例の、図4に対応する断面模式図である。
図13は、本発明によるFRP製バットの製造方法の実施の形態1を説明するための模式図である。
図14は、本発明によるFRP製バットの製造方法の実施の形態1を説明するための模式図である。
図15は、本発明によるFRP製バットの製造方法の実施の形態1を説明するための模式図である。
図16は、本発明によるFRP製バットの製造方法の実施の形態1を説明するための模式図である。
図17は、本発明によるFRP製バットの製造方法の実施の形態1を説明するための模式図である。
図18は、本発明のFRP製バットの製造方法の実施の形態1を説明するための断面模式図である。
図19は、本発明によるFRP製バットの実施の形態2における補強繊維などの配置を示す模式図である。
図20は、本発明によるFRP製バットの製造方法の実施の形態2を説明するための模式図である。
この発明は、野球用またはソフトボール用バットに関し、より特定的には、ボールの飛距離を増大させることができ、かつ製造コストを低減することが可能な野球用またはソフトボール用バットに関する。
背景技術
従来より、野球用またはソフトボール用バット(以下、バットと呼ぶ)としては、木製、チタニウム合金やアルミニウム合金などの金属製のバットの他、カーボン繊維やグラス繊維などからなるヤーンや織物、スリーブなどにエポキシ樹脂やその他の合成樹脂に代表されるマトリックス樹脂を含浸硬化させた繊維強化プラスチック製(以下、FRP製と呼ぶ)のバットなど、さまざまな素材により構成されたバットが市場に供給されている。
また、従来、バットにおける打球時の反発特性を改善する目的で、たとえば特公昭50−7976号公報においては、バット本体の打球面の内側に適当な長さを有する金属パイプを固着することにより、打球面が二重パイプ構造となっている金属製バットが提案されている。
また、実公昭51−13165号公報においては、バット本体の打球面の内側に適当な長さを有する金属パイプを固着し、さらにバット本体と金属パイプとにより構成される二重パイプの中間層(バット本体と金属パイプとの間の層)に、ゴム質または合成樹脂製の板、もしくはこれらの材料からなるパイプを押入、接着することにより、打球面が三重構造となるようにした金属製のバットが提案されている。
また、アメリカ合衆国特許第54153985号においては、バット本体の打球面の内側に、パイプ状の挿入部材をバット本体との間に間隙を有するように挿入、固着した構造を有するバット、あるいはその間隙内に潤滑油を密閉封入した構造を有するバットが開示されている。
しかし、上述のような従来提案されているバットにおいては、以下に示すような問題点があった。
すなわち、特公昭50−7976号公報に開示されているバットでは、上述のようにバット本体の打球面の内側に適当な長さを有する金属パイプを固着している。このようなバットを製造する際、金属パイプに大きな荷重もしくは圧力をかけた状態で、バット本体の打球面の内側にこの金属パイプを挿入固着するという製造方法を用いる。そして、この金属パイプを挿入固着する工程において、バット本体の打球面の内壁が損傷を受ける場合があった。このように打球面の内壁が損傷を受けている場合には、バットの使用中にこの損傷を受けた箇所からバット本体にクラックが生じる、あるいはバットが折損するというような事故が発生する場合があった。
また、実公昭51−1316号公報に開示されたバットでは、上述のように二重パイプの中間層にゴム質または合成樹脂製の板を介在させているため、打球音が鈍くなる、あるいは打球時のバットの反発特性が低下するといった問題点があった。
ここで、バットはその打球部の肉厚が薄いほどバット本体の変形量が大きくなる。そして、この変形した状態から元の形状へとバット本体が復元する際の復元力により打球されたボールをより遠くへ飛ばすことが可能となる。しかし、バット本体の打球部の肉厚があまりに薄い場合には、バット本体の強度が不足することになるため、ボールを打球した際にバット本体が凹んだりあるいは亀裂が入るというような問題が発生するおそれがあった。
このような問題を解決するために、アメリカ合衆国特許第5415398号に開示されているバットでは、上述のような構造とすることにより、打球時の衝撃応力によって肉厚の薄いバット本体の外殻壁が塑性変形することを防止している。このため、打球時にバット本体が塑性変形を伴うことなく弾性変形を許容する範囲内で変形することができる。そして、そのバット本体の外殻壁における弾性変形からの復元力(スプリング反応による力)によりボールへの反発力を向上させることができる。つまり、アメリカ合衆国特許第5415398号公報に開示されたバットは、肉厚の薄いバット本体の外殻壁と、その外殻壁と間隙を介して形成された挿入部材とを組合せることにより、ボールを遠くへ飛ばすための反発特性の向上とバットの十分な強度の確保という2つの要求を両立させている。
さらに、上記間隙に密閉封入された潤滑油は、打球時の衝撃応力がバット本体の外殻壁からパイプ状の挿入部材へとスムーズに伝達することを可能としている。この結果、バットの反発特性をさらに向上させることができる。
このように、このアメリカ合衆国特許第5415398号に開示されたバットは、優れた反発特性を有するため、打球されたボールの飛距離を増大させることができる。
しかし、このアメリカ合衆国特許第5415398号に開示されたバットは、上記のような優れた反発特性を実現するため、バット本体とパイプ状の挿入部材との間に高い寸法精度で微細な間隙を形成することが必要となる。また、バットの反発特性をバットの全周にわたって良好なものとするためには、このバット本体とパイプ状の挿入部材との間における間隙の高さをバットの全周にわたって均一になるよう厳格に管理、設定する必要がある。そして、バットの製造工程において上記のような微細な間隙を精度よく形成することは非常に手間と時間がかかり、結果的にバットの製造コストが増大するという問題があった。
また、上記アメリカ合衆国特許第5415398号では、上記間隙に潤滑油を密閉、封入した構造を有するバットも開示されているが、この場合潤滑油としては比較的粘度の高い潤滑油を使用する必要があった。これは、バットの使用中にこの潤滑油が間隙からバットの外部へとしみ出たり漏れたりするなどの不良の発生を防止するためである。そして、このように粘度の高い潤滑油を空隙の内部に密閉、封入する作業は、やはり手間と時間がかかることから、バットの製造コストをさらに増大させる要因となっていた。
発明の開示
この発明の1つの目的は、打撃されたボールの飛距離を増大することが可能で、かつ製造コストを低減することが可能な野球用またはソフトボール用バットを提供することである。
この発明のもう1つの目的は、打撃されたボールの飛距離を増大することが可能であり、かつ製造コストを低減することが可能な野球用またはソフトボール用バットの製造方法を提供することである。
この発明の一の局面における野球用またはソフトボール用バットは、打球部とテーパー部とグリップ部とを備える野球用またはソフトボール用バットであって、管状基材と金属製管状部材とを備える。管状基材は、打球部からグリップ部まで延在する外周面と、その外周面の内側に位置し打球部からグリップ部まで延在する内周面とを含む。金属製管状部材は外周面と内周面との間において少なくとも打球部に配置されている。金属製管状部材の表面にはウィークバウンダリーレアーが形成されている。
このように、管状基材の外周面と内周面との間に金属製管状部材を配置するので、この金属製管状部材によりバットの強度および耐久性を高めることができる。つまり、金属製管状部材を配置しない場合よりも、バットの強度を保ったまま管状基材の膜厚を薄くすることができる。さらに、ウィークバウンダリーレアーを形成することにより、打球時に管状基材と金属製管状部材とがそれぞれ独立して変形することができる。このため、管状基材と金属製管状部材との間がほぼ全面にわたって固着されている場合に比べて、金属製管状部材の外周側に位置する管状基材の部分が打球時に容易に弾性変形することができる。そして、この管状基材の部分における弾性変形からの復元力によって、打球されたボールの飛距離をより増大させることができる。なお、ここでウィークバウンダリーレアーとは、被着体表面(金属製管状部材の表面)に存在し、目的とする接着強さを上回る機械的強度を持たない層のことをいう。ウィークバウンダリーレアーの例としては、たとえば金属表面を覆う工作油、成形加工されたプラスチック表面の離型剤などが挙げられる。このウィークバウンダリーレアーが形成された領域では、金属製管状部材と管状基材とは固着することなく接触することになる。
また、このように金属製管状部材の表面にウィークバウンダリーレアーを形成すれば、管状基材の内側に間隙を隔ててパイプ状の挿入部材を配置した場合と同様の上述のような効果を得ることができ、かつ、従来のような間隙の高さの調整という複雑な工程を行なう必要がない。つまり、金属製管状部材の表面と管状部材とがウィークバウンダリーレアーを介して接するようバットを構成できる。この結果、バットの製造工程を簡略化することができるので、バットの製造コストが増大することを防止できる。
また、打球時の衝撃に対してバットの強度が不足することを金属製管状部材により防止できるので、打球時の衝撃によってバットの管状基材に亀裂が発生したりバットが折損するというような事故の発生を防止できる。
また、金属製管状部材を管状基材の外周面と内周面との間に配置するので、本発明によるバットを管状基材に金属製管状部材を埋設したような構造とすることが可能になる。このようにすれば、金属製管状部材の表面と管状基材とを接着剤などで固着させることなく(金属製管状部材の表面にウィークバウンダリーレアーを形成した状態で)、金属製管状部材の位置を固定できる。
上記一の局面における野球用またはソフトボール用バットでは、管状基材が金属製管状部材の外周側に位置する第1の層と、金属製管状部材の内周側に位置する第2の層とを含んでいてもよい。
この場合、第1の層と第2の層とを、それぞれ異なる材料から構成することが可能となる。このため、たとえば第1の層として打球時の衝撃力により容易に弾性変形する材料を用いてバットの反発特性を一層向上させる一方、第2の層として第1の層より剛性の高い材料を用いることにより、バットの強度および耐久性を高めることができる。この結果、バットの反発特性を向上させつつ、バットの折損事故などを防止することが可能となる。
上記一の局面における野球用またはソフトボール用バットでは、ウィークバウンダリーレアーが、金属製管状部材の表面において非接着性の表面処理加工が施さる事により形成された層を含んでいてもよい。
この場合、上記ウィークバウンダリーレアーが形成された金属製管状部材の表面と管状基材との間の固着を確実に防止できる。
上記一の局面における野球用またはソフトボール用バットでは、ウィークバウンダリーレアーが、上部表面が鏡面仕上げ加工を施された層、めっき層、離型剤皮膜層および酸化皮膜層からなる群から選択される少なくとも1つを含んでいてもよい。
上記一の局面における野球用またはソフトボール用バットでは、ウィークバウンダリーレアーが金属製管状部材の外周面上および内周面上のいずれか一方、もしくは外周面上と内周面上との両方に形成されていてもよい。
このように、ウィークバウンダリーレアーが金属製管状部材の外周面上と内周面上との両方に形成される場合には、金属製管状部材と、その金属製管状部材の外周側に位置する管状基材の部分と、金属製管状部材の内周側に位置する管状基材の部分との3つ部分がそれぞれ打球時に独立して弾性変形することが可能となる。そのため、この3つの部分における弾性変形からの復元力を打球されたボールへ伝達することにより、ボールの飛距離をより増大させることができる。
また、ウィークバウンダリーレアーが金属製管状部材の外周面にのみ形成されている場合には、金属製管状部材の強度をより高めるための補強部材として、金属製管状部材の内周面側に位置する管状基材の部分を作用させることができる。この結果、バットの強度をより高めることができる。
上記一の局面における野球用またはソフトボール用バットでは、管状基材は繊維強化プラスチック(FRB)を含んでいてもよい。
上記一の局面における野球用またはソフトボール用バットでは、管状基材が管状に形成された繊維状部材に樹脂を含浸させることにより形成されていてもよい。
この発明の他の局面における野球用またはソフトボール用バットの製造方法は、打球部とテーパー部とグリップ部とを備える野球用またはソフトボール用バットの製造方法であって、まず打球部からグリップ部まで延在するように管状の内周層を形成する。その内周層の少なくとも打球部となる領域上に金属製管状部材を配置する。金属製管状部材の表面にウィークバウンダリーレアーを形成する。少なくとも金属製管状部材を覆うように管状の外周層を形成する。
このように、内周層上に金属製管状部材を配置し、さらにその金属製管状部材上に外周層を形成することにより、容易に上記一の局面における野球用またはソフトボール用バットを製造することができる。
また、従来のバットの製造方法とは異なり、金属製管状部材と内周層もしくは外周層との間に空隙を形成するための工程を実施しないので、製造工程が複雑化することを防止できる。この結果、バットの製造コストを低減することができる。
上記他の局面における野球用またはソフトボール用バットの製造方法では、ウィークバウンダリーレアーを形成する工程が、金属製管状部材の表面に非接着性の表面処理加工を施す工程を含んでいてもよい。
この場合、金属製管状部材の表面においてウィークバウンダリーレアーを容易に形成できる。
上記他の局面における野球用またはソフトボール用バットの製造方法では、非接着性の表面処理加工が鏡面仕上げ加工、めっき仕上げ加工、離型剤被膜加工および酸化被膜加工からなる群から選択される少なくとも1つを含んでいてもよい。
上記他の局面における野球用またはソフトボール用バットの製造方法では、内周層を形成する工程が打球部からグリップ部まで延在するように管状の内周繊維層を形成する工程を含んでいてもよく、外周層を形成する工程が少なくとも金属製管状部材を覆うように管状の外周繊維層を形成する工程を含んでいてもよい。さらに、内周繊維層と外周繊維層とに樹脂を含浸させる工程をさらに備えていてもよい。
上記他の局面における野球用またはソフトボール用バットの製造方法では、外周層の方向に向かって内周層に圧力を加える工程をさらに備えていてもよい。
上記他の局面における野球用またはソフトボール用バットの製造方法では、内周層および外周層が繊維強化プラスチックを含んでいていもよい。
なお、上記他の局面における野球用またはソフトボール用バットの製造方法においては、繊維強化プラスチックに用いる補強繊雑部材もしくは内周繊維層または外周繊維層として、カーボン繊維、グラス繊維、アラミド繊維もしくはその他の補強繊維を用いることができる。これらの補強繊維の配向角度は、バットの長手方向に対して0°〜45°、もしくは0°〜90°までの組合せが可能である。また、この補強繊維の種類および補強繊維の配向角度の組合せは、バットに要求される強度やその他の特性により決定される。
また、上記他の局面における野球用またはソフトボール用バットの製造方法においては、繊維強化プラスチックのマトリックス樹脂として、エポキシ樹脂その他の熱硬化性合成樹脂もしくはポリウレタン樹脂その他の熱可塑性合成樹脂を用いることができる。
この発明の別の局面における野球用またはソフトボール用バットは、打球部、テーパー部、グリップ部からなる繊維強化プラスチック製(FRP製)の野球用またはソフトボール用バットであって、打球部に相当する繊維強化プラスチック層(FRP層)の内部にウィークバウンダリーレアー(WBL)を有する金属製管状部材を埋設一体化した構造を備えることを特徴とする。
このため、FRP製のバットとして必要な強度を保ちつつFRP層の肉厚を小さくすることができる。また、ウィークバウンダリーレアーを有する金属製管状部材をFRP層の内部に埋設したことにより、このウィークバウンダリーレアーが形成されている金属製管状部材の表面とFRP層のマトリックス樹脂層との境界面において非接着性の界面剥離層を形成することができる。そして、この非接着性の界面剥離層では、打球時に金属製管状部材とFRP層との間でスプリングバック的な物理現象が瞬時に発生する。その結果、このスプリングバック的な物理現象によってバットの反発特性を向上させることができる。
また、金属製管状部材の内周側にもFRP層が存在するため、金属製管状部材自体が打球時の衝撃力によって塑性変形することを有効に防止することができる。この結果、バットの耐久性を向上させることができる。
上記別の局面における野球用またはソフトボール用バットでは、金属製管状部材を繊維強化プラスチック層のFRP外殻層とFRP内殻層との間に埋設一体化した構造を備えていてもよい。
この場合、金属製管状部材が完全にFRP層中に埋設一体化するので、FRP製バットとして要求される強度を保ったままFRP外殻層の肉厚を薄くすることができる。この結果、バットの反発特性を向上させることができるので、打球されたボールの飛距離を増大させることができる。
また、金属製管状部材の内周側にFRB内殻層が存在するため、このFRP内殻層を金属製管状部材の補強部材として作用させることができる。この結果、FRP製バットの耐久性を確実に向上させることができる。
上記別の局面における野球用またはソフトボール用バットでは、上記ウィークバウンダリーレアーは金属製管状部材の表面において鏡面仕上げ加工、めっき仕上げ加工、離型剤被膜処理、酸化被膜処理もしくはその他の物理的もしくは化学的な非接着性の表面処理を施した領域であってもよい。また、このウィークバウンダリーレアーは金属製管状部材の外周側および内周側のどちらか一方、もしくは外周側と内周側との両方に形成されていてもよい。
このように、上記他の局面における野球用またはソフトボール用バットにおいては、バットの打球部が肉厚の薄いFRP層の2層と金属製管状部材からなる1層との3層構造となっている。そして、それぞれの層の間に間隙は設けられていない。ここで、FRP層と金属製管状部材からなる層とが完全に接着されている場合には、打球時に上記3つの層が一体となって変形する。このため、事実上肉厚の厚い1枚物のFRP層と同じような変形を起こす。そして、この場合にはFRP層における弾性変形量もごくわずかであるので、この弾性変形からの復元力によってボールの飛距離を増大させる効果も比較的小さい。
しかし、本発明によるバットにおいては、ウィークバウンダリーレアーを形成することによって、FRP層とアルミ合金製のパイプなどからなる金属製管状部材との間が接着しないようにしている。このため、FRP層と金属製管状部材とはそれぞれ独立して動くことができる。これにより、バットの偏平方向の剛性が極度に小さくなる。この結果、打球時のバットの反発特性を著しく向上させることができるので、打球されたボールの飛距離を増大させることができる。
また、従来のアメリカ合衆国特許第5415398号に開示されているバットとは異なり、本発明によるバットではその製造工程において金属製管状部材(パイプ状の挿入部材)とバット本体との間における間隙の寸法を精密に管理、調整する必要がなく、また、その間隙内に潤滑油を密閉封入するというような工程も必要ない。このため、本発明によるバットでは、その製造工程を簡略化することができる。また、間隙の大きさのばらつきに起因するバットの反発特性のばらつきという問題は、本発明によるバットでは発生しない。
このように、本発明によるバットは、安定した品質を確保すると同時に製造コストを低減することができ、かつ、ボールの飛距離を増大させることができる。
なお、上記一の局面または別の局面における野球用またはソフトボール用バットにおいては、FRPに用いる補強繊維部材もしくは繊維状部材として、カーボン繊維、グラス繊維、アラミド繊維もしくはその他の補強繊維を用いることができる。これらの補強繊維の配向角度は、バットの長平方向に対して0°〜45°もしくは0°〜90°までの組合せが可能である。また、この補強繊維の種類および補強繊維の配向角度の組合せは、バットに要求される強度やその他の特性により決定される。
また、上記一の局面または別の局面における野球用またはソフトボール用バットにおいては、FRPのマトリックス樹脂として、エポキシ樹脂その他の熱硬化性合成樹脂もしくはポリウレタン樹脂その他の熱可塑性合成樹脂を用いることができる。
また、上記他の局面における野球用またはソフトボール用バットの製造方法では、リアクションインジェクションモールディング(RIM)製法やレジントランスファ(RTM)製法を用いることができる。この場合、バットの外形の型が準備されている金型のバット先端部またはグリップエンド部から吸引排気しながら、吸引排気している位置とは逆側に位置するグリップエンド部または先端部からマトリックス樹脂を金型内に注入することにより、気泡などの無い均質なマトリックス樹脂を金型内へと導入することができる。この結果、マトリックス樹脂中に気泡など欠陥が存在しない高品質のバットを得ることができる。
また、上記一の局面または他の局面における野球用またはソフトボール用バットもしくは上記他の局面における野球用またはソフトボール用バットの製造方法においては、金属製管状部材としてアルミ合金製のパイプを用いてもよい。
また、上記一の局面または他の局面における野球用またはソフトボール用バットもしくは上記他の局面における野球用またはソフトボール用バットの製造方法においては、金属製管状部材を形成するために用いる素材として、ASTMの規格に準じた6000系や7000系のアルミニウム合金を使用することができる。なお、このアルミニウム合金のうち特にASTMの規格に準じた7001、7049、7050、7075、7178、6061を用いることが好ましい。上記のようなアルミニウム合金を用いれば、バットの強度や耐久性をより向上させることができる。
また、上記一の局面または他の局面における野球用またはソフトボール用バットもしくは上記他の局面における野球用またはソフトボール用バットの製造方法においては、金属製管状部材を形成するために用いる素材として、チタン合金や純チタンを用いることができる。たとえば、β型もしくはα+β型チタン合金を用いることが好ましい。
なお、金属製管状部材を形成するために用いるその他の素材として、その他のチタン合金(たとえばTi−6Al−4V、Ti−4Al−22V、Ti−15V−3Cr−3Al−3Sn、Ti−4.5Al−3V−2Fe−2Mo、Ti−10V−2Fe−3Alなど)を用いることができる。
発明を実施するための最良の形態
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。なお、以下の図面において同一または相当する部分には同一の参照番号を付しその説明は繰返さない。
(実施の形態1)
図1は本発明によるFRP製の野球用またはソフトボール用バットの側面模式図である。図1を参照して、バット1は打球部2とテーパー部3とグリップ部4とを備える。グリップ部4の端部はグリップエンド5と呼ばれる。そして、打球部2においては、バット1の管状基材としてのFRP層6の内部に金属製管状部材8が埋設一体化されている。
図2は、図1の線分100−100における断面模式図である。図3は、図1の線分200−200における断面模式図である。図4は、図1の線分300−300における断面模式図である。図1〜4を参照して、バット1は打球部2からグリップ部4まで延在する外周面25と、その外周面25の内側に位置し、打球部2からグリップ部4まで延在する内周面26とを含む管状基材としてのFRP層6と、この外周面25と内周面26との間において少なくとも打球部2に配置された金属製管状部材8とを備える。また、バット1の内周面26上には中空部9が形成されており、中空タイプのバットとなっている。
そして、バット1のFRP層6は、金属製管状部材8の外周側に位置する第1の層としてのFRP外殻層6aと、金属製管状部材8の内周側に位置する第2の層としてのFRP内殻層6bとを含んでいる。金属製管状部材8は、打球部2においてこのFRP外殻層6aとFRP内殻層6bとの間に挟まれた状態であり、FRP層6の内部に埋設一体化された状態となっている。
また、図5を参照して、この金属製管状部材8の表面には、このFRP外殻層6aおよびFRP内殻層6bと金属製管状部材8とが固着することを防止するためのウィークバウンダリーレアー7が形成されている。このウィークバウンダリーレアー7は、金属製管状部材8の表面に非接着性の表面処理加工が施されることにより形成される。そして、このウィークバウンダリーレアー7は、金属製管状部材8の表面上に形成された、上部表面が鏡面仕上げ加工を施された層、めっき層、離型剤被膜層および酸化被膜層からなる群から選択される少なくとも1つを含んでいてもよい。このようにすれば、ウィークバウンダリーレアー7が形成された金属製管状部材8の表面とFRP層6との間の固着を確実に防止できる。
なお、鏡面仕上げ加工とは、研磨により金属製管状部材8の表面の凹凸や傷を極力なくすような加工を意味する。また、めっき層は金属製管状部材8の表面の凹凸や傷を極力なくすために、金属製管状部材8の表面にクロムめっき、ニッケル−クロムめっきもしくはその他の金属めっきを施すめっき加工を行うことにより形成される。また、離型剤被膜層は、たとえばワックス系の離型剤、シリコーン系離型剤およびフッ素系の離型剤などを金属製管状部材8の表面に配置することにより形成することができる。
ここで、ワックス系の離型剤の配合例としては、ワックスを1重量%以上10重量%以下に対して、炭化水素系溶剤を90重量%以上99重量%以下とすることができる。ワックス系の離型剤として、溶剤型離型剤とエマルジョン型の離型剤とがある。たとえば溶剤型離型剤の配合例としては、マイクロワックスを10重量%、低分子量ポリエチレンを1重量%、ミネラルスピリットを89重量%とすることができる。
また、エマルジョン型離型剤の配合例としては、マイクロワックスを10重量%、酸化マイクロワックスを1重量%、ステアリン酸を1.5重量%、ジエタノールアミンを0.5重量%、水を87重量%とすることができる。
シリコーン系離型剤としては、以下に示すような種類の離型剤を用いることができる。
(1)オイル型:通常は100〜1000cSt程度の粘度を有するオイルが用いられるが、長期間の持続性が要求される場合には1万〜10万cSt程度の粘度を有する高粘度オイルが用いられる。また、対象物にペインタブル性が要求される場合には、アルキル変性シリコーンオイルが用いられる。
(2)溶液型:ベースとなるオイルの粘度としては、成形温度が比較的低くかつ表面が平滑な場合には100〜1000cSt程度でよい。しかし、成形温度が高い精密鋳造や孔質材料の場合には、さらに高粘度のオイルが用いられる。また、希釈溶液は型の温度によって選ばれ、型の温度が100℃以下と低い場合には、トルエン、キシレンなどの沸点の比較的低いものがよい。しかし、精密鋳造のように型の温度が高い場合には、ミネラルターペンなどのような高沸点のものがよい。使用濃度は通常0.5〜2%程度であり、吹付け、刷毛塗り、浸漬などの方法により塗布される。
(3)エマルジョン型:水で希釈できるので経済的にも安全性(火災対策上および衛生上)の面からも有利であるが、溶液型と比較して希釈剤が揮発しにくいため、型の温度が低い場合には適当でない。使用の際には、通常0.5〜2%程度の濃度となるよう水で希釈し、吹付け、刷毛塗り、浸漬などの方法により塗布される。
(4)オイルコンパウンド型:オイルコンパウンド型は、シリコーンオイルに微粉末シリカを配合したペースト状のもので、耐熱性が極めて良好であるため、高温、高圧下での離型剤として適している。
(5)エアゾル型:スプレー缶入りなので、吹付け塗布で使用できるという手軽さがある。
上記(1)〜(5)に示したようにオイルの性質をほとんどそのまま利用するものに加えて、以下に示すように加熱などによりシリコーンを架橋、反応させて硬化被膜の形で利用する、いわゆる焼付型離型剤も使用できる。
(6)ワニス型:硬化被膜が3次元架橋した硬い状態のシリコーンレジンを構成成分として用いているので離型効果が高い。
(7)ゴム型:硬化被膜の3次元架橋点がワニス型より少なく、硬化被膜がゴム状弾性体となるもので、長期間の離型効果を希望する場合や、シリコーン被膜に柔軟性が要求される場合に用いられる。
また、酸化被膜層として金属製管状部材8の表面に陽極酸化被膜やアルマイト被膜を形成してもよい。
また、このウィークバウンダリーレアー7は、金属製管状部材8の外周面上および内周面上のいずれか一方、もしくは外周面上と内周面上との両方に形成されていてもよい。ここで、図5は本発明による中空タイプのFRP製バットにおける打球部の要部断面斜視図である。
このように、本発明によるFRP製のバット1においては、FRP層6と金属製管状部材8とを組合せることにより、結果的に肉厚の薄いFRP外殻層6a、金属製管状部材8、FRP内殻層6bという3つの層を組合せた構造となっている。そして、このFRP外殻層6a、金属製管状部材8、FRP内殻層6bとの間には特に間隙は設けられていない。
ここで、FRP層6と金属製管状部材8とが従来のように完全にその表面において接着(固着)されている場合、ボールを打撃する際にはこの3層からなるバットの打球部2の3層(FRP外殻層6a、金属製管状部材8、FRP内殻層6b)は一体となって動く。このため、肉厚の厚い1枚物のFRP層によって形成されたバットと同様の変形が起きることになる。
しかし、本発明によるバット1においては、このようにFRP外殻層6aおよびFPR内殻層6bと金属製管状部材8との間にウィークバウンダリーレアー7が形成されている(非接着性の界面剥離層が形成されている)。このため、バット1の打球部2において、打球時これらの3層(FRP外殻層6a、金属製管状部材8、FRP内殻層6b)はそれぞれ独立して変形することが可能である。この結果、バット1の打球部2における偏平方向の剛性を小さくすることができる。これにより、打球時の衝撃応力によってバット1の上記3層(FRP外殻層6a、金属製管状部材8、FRP内殻層6bが塑性変形を伴うことなく本質的な弾性変形を許容する範囲で変形する。そして、これらの3層それぞれの復元力がボールへ伝えられる(スプリングバック的な物理現象が起こる)ことにより、ボールの飛距離が増大するという効果を得ることができる。さらに、金属製管状部材8が完全にFRP層6中に埋設一体化しているので、FRP製バットとして要求される強度を保ったままFRP外殻層6aの肉厚を薄くすることができる。この結果、バットの反発特性を向上させることができるので、打球されたボールの飛距離をさらに増大させることができる。
また、金属製管状部材8の内周側にFRB内殻層6bが存在するため、このFRP内殻層6bを金属製管状部材8の補強部材として作用させることができる。この結果、FRP製バットの耐久性を確実に向上させることができる。
なお、このようなウィークバウンダリーレアー7を金属製管状部材8の外周面もしくは内周面のいずれかのみに形成した場合にも、金属製管状部材8と固着していないFRP外殻層6aもしくはFRP内殻層6bと、その他の金属製管状部材8を含む部分とがそれぞれ独立して変形することができるので、上記と同様にバット1の偏平方向の剛性を小さくするとができる。この結果、上記と同様の効果を得ることができる。
また、ウィークバウンダリーレアー7が金属製管状部材8の外周面にのみ形成されている場合には、金属製管状部材8の強度をより高めるための補強部材として、金属製管状部材の内周面側に位置する管状基材の部分であるFRP内殻層6bを作用させることができる。この結果、バット1の強度をより高めることができる。
また、本発明によるバット1では、上記のように金属製管状部材8とFRP層6との間に間隙を設けない。このため、従来のアメリカ合衆国特許第5415398号に開示されているバットとは異なり、バット本体(FRP層6)と挿入部材(金属製管状部材8)との間の間隙の大きさを正確に管理しながらバット本体の打球面の内側に挿入部材を挿入するというような複雑な工程を行う必要がない。また、この挿入部材とバット本体との間に形成された間隙に潤滑油を密閉封入するというような複雑な工程を実施する必要もない。この結果、製造工程が複雑化、長期化することに起因する製造コストの増大という問題の発生を防止できる。さらに、このような複雑な工程により製造されたバットでは、製造ばらつきに起因してバット間の性能のばらつきが発生する場合があるが、本発明によるバットでは上記のように間隙を形成しないので、このような性能のばらつきも発生しない。
また、打球時の衝撃に対してバット1の強度が不足することを金属製管状部材8により防止できるので、打球時の衝撃によってバット1の管状基材としてのFRP層6に亀裂が発生したりバット1が折損するというような事故の発生を防止できる。
また、金属製管状部材8をFRP外殻層6aとFRP内殻層6bとの間に配置するので、FRP層6に金属製管状部材8を埋設したような構造とすることが可能になる。このようにすれば、金属製管状部材8の表面とFRP層6とを接着剤などで固着させることなく(金属製管状部材8の表面にウィークバウンダリーレアー7を形成した状態で)、金属製管状部材8の位置を固定できる。
また、第1の層としてのFRP外殻層6aと第2の層としてのFRP内殻層6bとを、それぞれ異なる材料から構成することが可能となる。このため、たとえばFRP外殻層6aとして打球時の衝撃力により容易に弾性変形する材料を用いてバットの反発特性を一層向上させる一方、FRP内殻層6bとしてFRP外殻層6aより剛性の高い材料を用いることにより、バットの強度および耐久性を高めることができる。この結果、バットの反発特性を向上させつつ、バットの折損事故などを防止することが可能となる。
図6〜8は、本発明によるFRP製バットの実施の形態1における第1の変形例を示す断面模式図である。図6は、図2に対応する断面模式図である。図7は、図3に対応する断面模式図である。図8は、図4に対応する断面模式図である。
図6〜8を参照して、本発明によるFRP製バットの実施の形態1における第1の変形例は、基本的には図1〜5に示したバットと同様の構造を備える。しかし、図6〜8に示したバットでは、FRP内殻層6bの内部に芯材10が充填されている。なお、FRP内殻層6bの内部に充填された芯材10としては、発泡合成樹脂を用いることができる。
図9〜12は、本発明によるFRP製バットの実施の形態1における第2の変形例を示す断面模式図である。図9は、図1の線分400−400における断面模式図である。図10は、図2に対応する断面模式図である。図11は、図3に対応する断面模式図である。図12は、図4に対応する断面模式図である。
図9〜12を参照して、バットは基本的には図1〜4に示したバットと同様の構造を備える。ただし、図9〜12に示したバットにおいては、打球部2(図1参照)からグリップ部4(図1参照)にまでFRP層20が延在する。このFRP層20は、図1〜4に示したバットとは異なり基本的に単一の層からなっている。そして、アルミニウムからなる金属製管状部材8は、この単一の層からなるFRP層20の内部に埋設された状態となっている。この金属製管状部材8の表面には、ウィークバウンダリーレアーが形成されている。この金属製管状部材8の外周面上にはFRP層部分20aが位置し、金属製管状部材8の内周面上にはFRP層部分20bが位置されている。
このような構成のバットにおいても、図1〜4に示した本発明によるバットと同様の効果を得ることができる。
次に、図1〜5に示したバット1の製造方法を説明する。図13〜18は、内圧製法を用いた本発明によるFRP製のバットの製造方法の実施の形態1を説明するための模式図である。図13〜18を参照して、バットの製造方法を説明する。
まず、バットの内径に比べて、やや直径の小さなマンドレル11(図13参照)に、管状の内周層としてのガラス繊維やカーボン繊維、アラミド繊維やその他の補強繊維からなる袋状のスリーブもしくはプリプレグシート21(図13参照)を被覆する(第1工程)。
次に、このようにマンドレル11にスリーブやプリプレグシート21を被覆した基体27を準備した後、図13に示すように、金属製管状部材8にこの基体27を挿入することにより、金属製管状部材8をバットの打球部となる位置に配置する。このとき、金属製管状部材8の表面には、鏡面仕上げ加工、めっき仕上げ加工、離型剤皮膜処理、酸化皮膜処理、その他の物理的化学的な非接着性の表面処理からなる群から選択される少なくとも1種の表面処理を施しておく。このような表面処理を施された領域にはウィークバンダリーレアーが容易に形成されることになる(第2工程)。
ここで、本発明によるバットの製造方法では、金属製管状部材8とプリプレグシート21とは接触した状態としている。つまり、従来のバットとは異なり、金属製管状部材8と内周層もしくは外周層としてのプリプレグシート21との間に空隙を形成するための工程を実施しないので、製造工程が複雑化することを防止できる。この結果、バットの製造コストを低減することができる。
次に、上記のように金属製管状部材8をマンドレル11の所定の位置に配置した後、管状の外周層となるプリプレグシート21a〜21cを金属製管状部材8および基体27の表面上に配置する(第3工程)。
ここで、プリプレグシート21a〜21cにおいては、補強繊維としてガラス繊維、カーボン繊維、アラミド繊維およびその他の補強繊維を用いることができる。また、マトリックス樹脂として、エポキシ樹脂その他の熱硬化性合成樹脂もしくはポリウレタン樹脂その他の熱可塑性合成樹脂を用いることができる。
次に、図15に示すように、プリプレグシート21と金属製管状部材8とからなる基体27からマンドレル11を抜き取る(第4工程)。
次に、図16に示すように、基体27の内側にプラスチック製チューブ22を挿入する(第5工程)。
次に、このプラスチック製チューブ22が基体27の内部に挿入された状態で、バットの先端部となる基体27の先端部にプラスチック製のキャップ23(図17参照)を挿入する(第6工程)。
次に、基体27が加熱成形される金型の温度を120℃となるように設定する(第7工程)。
次に、図17に示すように、加熱された上金型12aと下金型12bとからなる金型にキャップ23が挿着された基体27を組入れる。そして、上金型12aと下金型12bとを型締めし、さらに金型全体を加熱する(第8工程)。
このとき、基体27のグリップエンド部からは、プラスチック製チューブ22の空気注入口24が突出した状態となっている。
そして、図18に示すように、基体27のグリップエンド部に位置する空気注入口24を介してプラスチック製チューブ22の内部に加圧した空気を注入する。この結果、基体27に対してその内側から圧力を加えることができる。つまり、内周層に外周層の方向に向かって圧力を加えることができる。このときの圧力は15〜20kg/cm2とし、加圧時間は約20分間とする(第9工程)。
次に、プラスチック製チューブ22に加えていた圧力を除去し、上下金型12a、12bを開放して成形されたバットとなる基体27を金型から取出す(第10工程)。
次に、基体27の内部に残っているプラスチック製チューブを取出す(第11工程)。
次に、基体27を構成するプリプレグのマトリックス樹脂を完全に硬化させるために、基体27に対して温度条件が130℃、加熱時間が6時間という熱処理を加える(第12工程)。
この後、基体27表面を研磨機で研磨する。そして、グリップエンド部の穴に樹脂を詰めることによってその穴を塞ぐ。基体27表面にベースカラーを塗装後乾燥する。さらに、基体27表面上へ水転写シールを貼付後、乾燥させる。次に、クリア塗装を実施後、乾燥させる。このようにしてバットが完成する。この後、包装用のシュリンク袋をバットに被せ、熱風を吹き付けて加熱する。このようにしてこのシュリンク袋を収縮させることによってバットを包装する。
上記のようにして、内圧製法を用いて本発明によるFRP製バットを製造することきができる。
ここで、上記第1工程〜第3工程におけるプリプレグシート等の被覆方法について、表1にその概要を示す。
表1からもわかるように、上記第1工程においては、まずマンドレルのバット先端部に該当する位置から打球部を経てテーパー部までの部位にガラス繊維製スリーブ(GFスリーブ)を被覆する(工程1−1)。次に、カーボン繊維製のプリプレグシートをバットのテーパー部に該当する部分に被覆する(工程1−2)。このときのプリプレグシートの繊維の角度としては、バットの長手方向に対して±45°という傾斜角をつけている。次に、ガラス繊維製のプリプレグシートをバットの打球部に相当する部分に被覆する(工程1−3)。このときの傾斜角はバットの長手方向に対して±60°とする。次に、カーボン繊維製のプリプレグシートをバットの先端部からグリップエンドまでの部位に被覆する(工程1−4)。このときの傾斜角はバットの長手方向に対して0°とする。さらに、ガラス繊維製のプリプレグシートをバットの打球部に被覆する(工程1−5)。このときのプリプレグシートの傾斜角はバットの長手方向に対して±60°とする。次に、カーボン繊維製のプリプレグシートをテーパー部に被覆する(工程1−6)。このときのプリプレグシートの傾斜角はバットの長手方向に対して±45°とする。このようにして、第1工程においてはマンドレルの各部位にプリプレグシートを被覆する。
次に、アルミニウム合金からなる金属製管状部材の中へこのプリプレグが被覆されたマンドレル(基体)を挿入することによって、金属製管状部材を打球部に相当する部分に配置する(工程2−1)。このときのアルミニウム合金としては、ASTM7050相当のアルミニウム合金を用いることができる。この金属製管状部材のサイズは表1に示しているとおりである。
次に、この金属製管状部材の厚みによる段差をなくすため、ガラス繊維製のプリプレグシートを金属製管状部材の先端部側と後端部側とに被覆する(工程3−1)。このときのプリプレグシートの傾斜角は、バットの長手方向に対して90°である。次に、上記金属製管状部材を覆うようにガラス繊維製のプリプレグシートを打球部に被覆する(工程3−2)。このときのプリプレグシートの傾斜角はバットの長手方向に対して±60°である。
次に、カーボン繊維製のプリプレグシートをテーパー部に被覆する(工程3−3)。このときのプリプレグシートの傾斜角はバットの長手方向に対して±45°である。次に、ガラス繊維製のプリプレグシートを打球部に被覆する(工程3−4)。このときのプリプレグシートの傾斜角はバットの長手方向に対して±45°とした。次にのカーボン繊維製のプリプレグシートをテーパー部に被覆する(工程3−5)。このときのプリプレグシートの傾斜角はパットの長手方向に対して±45°とした。そして、ガラス繊維製のプリプレグシートをグリップ部に被覆する(工程3−6)。このときのプリプレグシートの傾斜角はバットの長手方向に対して±45°とした。このようにして上記第3工程を実施した。
そして、第4工程〜第6工程に示したように、上記のようにプリプレグの被覆が終了した後、マンドレルを抜き取り、その中空部に空気注入口(口金)のついたプラスチック製チューブを挿入する。そして、バットの先端部に該当する開口部にはポリウレタン樹脂などからなるプラスチック製のキャップをはめ込んだ。そして、120℃に予備加熱された金型内にバットとなる基体を配置するとともに、グリップエンド部に相当する位置に棒状のガラス繊維製のプリプレグシートを設置する。そして、金型を型締めし金型全体を120℃に保つ。そして、グリップエンド部に突き出たプラスチック製チューブの空気注入口24(図18参照)からチューブ内に加圧した空気を注入する。このようにして、基体の内側から圧力を加えてバットを内圧成形する。
上記のような内圧成形法により、形成されたFRP製のバットの打球部におけるFRP内殻層6b(図2参照)の厚みは約1.5mm、アルミニウム合金からなる金属製管状部材の厚みは約1.3mm、FRP外殻層6a(図2参照)の厚みは約1.5mmとなる。
なお、本発明によるFRP製バットのマトリックス樹脂としてはエポキシ樹脂を用いることができる。
(実施の形態2)
図19は、本発明によるFRP製バットの実施の形態2における補強繊維などの配置を示す模式図である。また、図20は、本発明によるFRP製バットの製造方法の実施の形態2を説明するための模式図である。以下、図19および20を参照してバット製造方法を説明する。
上記のように本発明によるバットは内圧製法によって製造することができるが、以下に説明するリアクションインジェクションモールディング(RIM)製法を用いても製造することができる。このRIM製法を用いたバットの製造方法におけるバットの補強繊維および金属製管状部材の配置が図19に示されている。
図19を参照して、まずマンドレル11においてバットの先端部となる領域から打球部2を経てテーパー部3までの部位にガラス繊維製のスリーブ18aを1フライ被覆する。次に、カーボン繊維製のスリーブ19aをバットの先端部となる領域から打球部2、テーパー部3を経てグリップ部4のグリップエンド部までの部位に1プライ被覆する。さらに、このカーボン繊維製のスリーブ19aをグリップエンド部で折り返しテーパー部3のほぼ中央部でまたさらに折り返す。なおこのテーパー部のほぼ中央部における折り返し点では、段差を少なくするためにスリーブ19aを部分的に切断する。そして、このカーボン繊維製のスリーブ19aはグリップエンド部まで延在するように配置される。
次に、金属製管状部材8を打球部2に位置するように配置する。この金属製管状部材8の表面には、実施の形態1におけるバットの製造方法と同様にウィークバウンダリーレアーを形成するための表面処理が施されている。この金属製管状部材8の厚みによる段差をなくすため、ガラス繊維製のスリーブ18bを金属製管状部材8の後端部からテーパー部3の上端部にまで延在するように1プライ被覆する。
さらに、カーボン繊維製のスリーブ19b、19dをバットの先端部となる領域から打球部2、テーパー部3の上端部にかけて被覆する。また、カーボン繊維製のスリーブ19c、19eをテーパー部3のほぼ中央部からグリップエンドにまで延在するように、またこのスリーブ19cとスリーブ19eとが少しずれたような状態となるように被覆する。その後、最外周部にカーボン繊維製のスリーブ19fをバットの先端部から打球部2、テーパー部3を経てグリップ部4の上端部にまで延在するように被覆する。
このように金属製管状部材8とガラス繊維製のスリーブ18a、18bおよびカーボン繊維製のスリーブ19a〜19fとからなる基体(成形予備物ともいう)を、図20に示すように、上下金型12a、12b内に設置する。なお、基体を構成するガラス繊維製スリーブ18a〜18bおよびカーボン繊維製のスリーブ19a〜19fについてのデータの一例を表2に示す。
図20を参照して、このように上下金型12a、12bの内部に基体を設置し、マトリックス樹脂をこの金型内に注入射出することによって、RIM製法を用いてバットを製造することができる。
このRIM製法を用いたバットの製造方法を、以下に説明する。
まず、離型剤を塗付したマンドレル11(図19参照)に上述のようにガラス繊維製のスリーブ18aおよびカーボン繊維製のスリーブ19a(図19参照)を被覆する。このスリーブ18a、19aとしては、上記のようにガラス繊維製やカーボン繊維製の他、アラミド繊維やその他補強繊維からなる袋状のスリーブを用いることができる。また、スリーブに代えてブレードや織物などを選択することもできる(第1工程)。
次に、ウィークバウンダリーレアーを形成するための表面処理が施された金属製管状部材8を打球部となる領域に配置する(第2工程)。
次に、金属製管状部材8上と他のマンドレル11上の領域とをガラス繊維製スリーブ18bやカーボン繊維製スリーブ19b〜19f(図19参照)により被覆する。これらのガラス繊維製のスリーブやカーボン繊維製のスリーブに代えて、アラミド繊維やその他補強繊維からなる袋状のスリーブを用いてもよい。また、ブレードや織物などを用いてもよい(第3工程)。
次に、上下の金型12a、12b(図20参照)の温度を135℃〜145℃に設定する(第4工程)。
次に、図20に示すように、上下の金型12a、12bの内部にマンドレル11、ガラス繊維製のスリーブ18a、18b、カーボン繊維製のスリーブ19a〜19fおよび金属製管状部材8からなる基体をセットする。そして、グリップエンド部にカーボンの不織布を詰め、全体を加熱する(第5工程)。
次に、上下の金型12a、12bを型締めし、グリップエンド側に接続されたマトリックス樹脂用の投入管に設置されたコック16aを閉じた状態で、マンドレル11の先端側の金型内の空隙に接続されている管路に設置されたコック16bを開放する。このコック16bが設置された管路は真空ポンプへと接続されている。この真空ポンプを運転することにより、基体が配置されている金型12a、12bの内部の空間を真空にする(第6工程)。
次に、マトリックス樹脂をタンク13内に充填する。そして、コック16aを開放し、金型の内部の空間にマトリックス樹脂を流し込む(第7工程)。
次に、バット先端側に位置する管路にまでマトリックス樹脂が到達したら、このマトリックス樹脂の流れを制御し、金型内から気泡を排出させる(第8工程)。このようにすれば、気泡などの無い均質なマトリックス樹脂を金型内へと導入することができる。この結果、マトリックス樹脂中に気泡など欠陥が存在しない高品質のバットを得ることができる。
次に、金型内のマトリックス樹脂を硬化させる(第9工程)。
次に、上下の金型12a、12bを開放し成形された基体を取出す。そして、マンドレル11をその基体から除去する(第10工程)。
基体(成形体)を再度架橋させるため、架橋温度領域でエイジング処理を行なう(第11工程)。
その後、バットの先端部にキャップを取付け、塗装等の処理を行なうことにより、本発明によるバットを製造することができる。
ここで、上記のようなRIM製法を用いて製造された本発明によるFRP製のバットは、その打球部におけるFRP内殻層6b(図2参照)の厚さは約1.7mm、金属製管状部材8(図2参照)であるアルミ合金製のパイプの厚さは約1.3mm、FRP外殻層6a(図2参照)の厚さは約1.7mmであった。
なお、本発明によるFRP製バットのRIM製法を用いた製造方法におけるマトリックス樹脂の配合例としては、以下のような配合が可能である。
MDA:BPO:マトリックス樹脂(エポキシ樹脂)=4:4:1
ただしMDAは熱硬化性ポリエステルアミドを表わし、BPOはベンゾイルパーオキサイドを表わす。また、図20に示したRIM製法におけるマトリックス樹脂の注入の際には、マトリックス樹脂用タンク13aにはMDAとBPOとを配合し、マトリックス樹脂用タンク13bにはエポキシ樹脂と触媒としての1,4−ジブロモブタンを配合する。
また、本発明によるFRP製のバットの製造方法においては、スリーブなどを被覆した後マトリックス樹脂を含浸させてそのまま金型に配置した状態で加熱硬化してもよい。また、スリーブをマンドレルに被覆した後、そのスリーブにマトリックス樹脂を含浸させてプリプレグ化した後、金型内にこのプリプレグ化したスリーブを被覆したマンドレルを配置し、このプリプレグ化したスリーブを加熱硬化させてもよい。
また、本発明によるバットの製造方法では、レジントランスファ(RTM)製法を用いてもよい。
また、上記実施の形態1および2においては、金属製管状部材を形成するために用いる素材として、ASTMの規格に準じた6000系や7000系のアルミニウム合金を使用することができる。なお、このアルミニウム合金のうち特にASTMの規格に準じた7001、7049、7050、7075、7178、6061を用いることが好ましい。上記のようなアルミニウム合金を用いれば、バットの強度や耐久性をより向上させることができる。
また、金属製管状部材を形成するために用いる素材として、チタン合金や純チタンを用いてもよい。たとえば、β型もしくはα+β型チタン合金を用いることが好ましい。
なお、金属製管状部材を形成するために用いるその他の素材として、その他のチタン合金(たとえばTi−6Al−4V、Ti−4Al−22V、Ti−15V−3Cr−3Al−3Sn、Ti−4.5Al−3V−2Fe−2Mo、Ti−10V−2Fe−3Alなど)を用いてもよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した実施の形態ではなくて請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
図1は本発明によるFRP製バットの実施の形態1を示す側面模式図である。
図2は、図1の線分100−100における断面模式図である。
図3は、図1の線分200−200における断面模式図である。
図4は、図1の線分300−300における断面模式図である。
図5は、本発明による中空タイプのFRP製バットにおける打球部の要部断面斜視図である。
図6は、本発明によるFRP製バットの実施の形態1における第1の変形例の、図2に対応する断面模式図である。
図7は、本発明によるFRP製バットの実施の形態1における第1の変形例の、図3に対応する断面模式図である。
図8は、本発明によるFRP製バットの実施の形態1における第1の変形例の、図4に対応する断面模式図である。
図9は、本発明によるFRP製バットの実施の形態1における第2の変形例の、図1の線分400−400における断面模式図である。
図10は、本発明によるFRP製バットの実施の形態1における第2の変形例の、図2に対応する断面模式図である。
図11は、本発明によるFRP製バットの実施の形態1における第2の変形例の、図3に対応する断面模式図である。
図12は、本発明によるFRP製バットの実施の形態1における第2の変形例の、図4に対応する断面模式図である。
図13は、本発明によるFRP製バットの製造方法の実施の形態1を説明するための模式図である。
図14は、本発明によるFRP製バットの製造方法の実施の形態1を説明するための模式図である。
図15は、本発明によるFRP製バットの製造方法の実施の形態1を説明するための模式図である。
図16は、本発明によるFRP製バットの製造方法の実施の形態1を説明するための模式図である。
図17は、本発明によるFRP製バットの製造方法の実施の形態1を説明するための模式図である。
図18は、本発明のFRP製バットの製造方法の実施の形態1を説明するための断面模式図である。
図19は、本発明によるFRP製バットの実施の形態2における補強繊維などの配置を示す模式図である。
図20は、本発明によるFRP製バットの製造方法の実施の形態2を説明するための模式図である。
Claims (13)
- 打球部(2)とテーパー部(3)とグリップ部(4)とを備える野球用またはソフトボール用バット(1)であって、
前記打球部(2)から前記グリップ部(4)まで延在する外周面(25)と、その外周面(25)の内側に位置し前記打球部(2)から前記グリップ部(4)まで延在する内周面(26)とを含む管状基材(6a、6b)と、
前記外周面(25)と前記内周面(26)との間において少なくとも前記打球部(2)に配置された金属製管状部材(8)とを備え、
前記金属製管状部材(8)の表面にはウィークバウンダリーレアー(7)が形成されている。 - 請求項1に従属する野球用またはソフトボール用バットであって、
前記管状基材(6a、6b)は、
前記金属製管状部材(8)の外周側に位置する第1の層(6a)と、
前記金属製管状部材(8)の内周側に位置する第2の層(6b)とを含む。 - 請求項1に従属する野球用またはソフトボール用バットであって、
前記ウィークバウンダリーレアー(7)は、前記金属製管状部材(8)の表面において非接着性の表面処理加工が施さる事により形成された層を含む。 - 請求項3に従属する野球用またはソフトボール用バットであって、
前記ウィークバウンダリーレアー(7)は、上部表面が鏡面仕上げ加工を施された層、めっき層、離型剤皮膜層および酸化皮膜層からなる群から選択される少なくとも1つを含む。 - 請求項1に従属する野球用またはソフトボール用バットであって、
前記ウィークバウンダリーレアー(7)は、前記金属製管状部材(8)の外周面上および内周面上のいずれか一方、もしくは前記外周面上と内周面上との両方に形成されている。 - 請求項1に従属する野球用またはソフトボール用バットであって、
前記管状基材(6a、6b)は繊維強化プラスチックを含む。 - 請求項1に従属する野球用またはソフトボール用バットであって、
前記管状基材(6a、6b)は管状に形成された繊維状部材(18a、18b、19a〜19f)に樹脂を含浸させることにより形成されている。 - 打球部(2)とテーパー部(3)とグリップ部(4)とを備える野球用またはソフトボール用バットの製造方法であって、
前記打球部(2)から前記グリップ部(4)まで延在するように管状の内周層(6b、21)を形成する工程と、
前記内周層の少なくとも打球部となる領域上に金属製管状部材(8)を配置する工程と、
前記金属製管状部材(8)の表面にウィークバウンダリーレアー(7)を形成する工程と、
少なくとも前記金属製管状部材(8)を覆うように、管状の外周層(6a)を形成する工程とを備える。 - 請求項8に従属する野球用またはソフトボール用バットの製造方法であって、
前記ウィークバウンダリーレアー(7)を形成する工程は、前記金属製管状部材(8)の表面に非接着性の表面処理加工を施す工程を含む。 - 請求項9に従属する野球用またはソフトボール用バットの製造方法であって、
前記非接着性の表面処理加工は、鏡面仕上げ加工、めっき仕上げ加工、離型剤皮膜加工および酸化皮膜加工からなる群から選択される少なくとも1つを含む。 - 請求項8に従属する野球用またはソフトボール用バットの製造方法であって、
前記内周層を形成する工程は、前記打球部から前記グリップまで延在するように管状の内周繊維層(18a、19a)を形成する工程を含み、
前記外周層を形成する工程は、少なくとも前記金属製管状部材(8)を覆うように管状の外周繊維層(19b〜19f)を形成する工程を含み、
前記内周繊維層と前記外周繊維層とに樹脂を含浸させる工程をさらに備える。 - 請求項8に従属する野球用またはソフトボール用バットの製造方法であって、
前記内周層に、前記外周層の方向に向かって圧力を加える工程をさらに備える。 - 請求項8に従属する野球用またはソフトボール用バットの製造方法であって、
前記内周層(6b)または前記外周層(6a)との少なくとも何れかは繊維強化プラスチックを含む。
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