JP3792378B2 - 湿式オゾン脱臭装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、小規模な地域内に単独で設置される中小規模の下水道設備、特に生活雑排水処理設備を主対象とするものであり、こうした生活雑排水処理設備で発生するアンモニアや硫化水素等の悪臭成分を含む臭気ガスを、例えばオゾンガスと同時に溶解力の大きな水を用いて効率よく除去する湿式オゾン脱臭装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
地方公共団体による生活雑排水用の下水道設備がまだ設置されていない地区、例えば農村地区や山間地区、更には都市地区であっても下水道設備がまだ設置されていない地区等の小規模な地域内では、その地域内に地方公共団体が事業主となって単独で生活雑排水処理設備が設置されている。従来、この種の中小規模の生活雑排水処理施設は、その管轄によって下記のように区分されている。
(a)農業集落排水処理設備、林業集落排水処理設備、漁業集落排水処理設備
(農林水産省所轄)
(b)特定環境保全公共下水道(建設省所轄)
(c)コミュニティ・プラント(厚生省所轄)
【0003】
本発明の湿式オゾン脱臭装置は、上記いずれの処理設備をも対象とするものであるが、以下ではその代表例として、日本の約40%を占める農村社会の中小規模の生活雑排水処理設備(処理場)、即ち農業集落排水処理設備中における臭気を除去する場合について説明する。
【0004】
上記の様な農業集落排水処理設備(以下、単に「排水処理設備」と呼ぶことがある。)における排水処理機構について、図面を用いて説明する。図1はこうした排水処理設備における排水処理機構の代表的な構成例[社団法人・農業集落排水協会設計による「JARUS I型」(協会I型)]を示す概略説明図であり、図中1は曝気沈砂槽、2は原水ポンプ槽、3は汚水計量槽、4は沈殿分離槽、5は接触曝気槽、6は沈殿槽、7は消毒槽、8は汚泥濃縮貯留槽、9は汚泥貯留槽、10は脱臭装置を夫々示す。
【0005】
上記構成において、設備周囲の各地域から排水処理設備に送られてきた生活排水等の汚水は、曝気沈砂槽1に流入されて砂が分離された後、水中ポンプ1aによって曝気沈砂槽1から汲み上げられて原水ポンプ槽2に送られる。原水ポンプ槽2に送られた汚水は水中ポンプ2aによって汲み上げられて汚水計量槽3に送られる。汚水計量槽3では、堰型流量計によって汚水が規定流量に計量され、その後沈殿分離槽4に送られて汚水中の固形物が沈殿分離されてから接触曝気槽5に送られる。
【0006】
接触曝気槽5では、活性汚泥の作用によって浄化され、更に沈殿槽6に送られて活性汚泥と分離され、その後消毒槽7にて塩素で消毒されてから放流される。尚汚泥濃縮貯留槽8は、浄化された汚水と共に沈殿槽6に送られてきた余剰汚泥を濃縮する為に設けられるものであり、汚泥濃縮貯留槽8で濃縮された余剰汚泥は、その後汚泥貯留槽9に送られて貯留される。
【0007】
こうした排水処理機構において、前記曝気沈砂槽1、原水ポンプ槽2および汚水計量槽3が主な臭気発生源となり、これらの槽からは各種の悪臭成分を含む臭気ガスが発生するが、この臭気ガスは前記脱臭装置10に吸引されて脱臭処理が行われる(局所脱臭)。この様な局所脱臭処理は、近辺に人家、学校、集会所等の施設がなく人里離れた所に排水処理設備が設置される場合に適用されるものであるが、排水処理設備が人家、学校、集会所等の施設の近くに設置される場合には、例えば図1の消毒槽7を除く全槽から前記脱臭装置10に吸引されて脱臭処理が行われることになる(全槽脱臭)。
【0008】
ところで、上記の設備で発生する臭気中に含まれる悪臭成分は、アンモニア、トリメチルアミン、硫化水素、メチルメルカプタン、硫化メチル、二硫化メチル等であるが、これらの性質は下記表1に示した通りであり、酸性、中性、アルカリ性に分類される。このうちアンモニアやトリメチルアミン等は水溶性であるので、これらの悪臭成分を含む臭気を除去する為には、活性炭を吸着材とする乾式吸着方式よりも、水を併用する湿式法が好ましいと言われている。また除去効率を向上させる為に、酸性ガスの除去にはアルカリ洗浄法を、アルカリ性ガスの除去には酸洗浄法が、中性ガスの洗浄には過酸化水素洗浄液体等の薬剤洗浄法が適用されるのが一般的である。
【0009】
【表1】
Figure 0003792378
【0010】
一方、オゾンガスが有する酸化力に着目して上記の様な湿式法にオゾンガスを併用して脱臭効率を向上させる技術も注目されている。こうした技術を応用したものとしては、例えば特公昭59−33011号に開示された様な装置も知られている。この装置は、臭気とオゾンガスをブロアによる吹き込み力によって洗浄塔の下部に導入すると共に、洗浄塔の上部から弱アルカリ性水溶液による洗浄水を散布し、洗浄塔の中間部に設けた炭素質材料による接触層で気液接触を行うことによって悪臭成分を吸収し、洗浄塔の最上部に設けたデミスタを介して放出するものである。こうした装置において前記接触層は、炭素質材料によるものの他に、パイプを輪切りに切断した状態の素材を多数個ランダムに積み重ねたものも知られており、従来は気液接触には不規則な通路を形成して行われている。
【0011】
上記の脱臭装置は、基本的には臭気をオゾンガスに接触させることによって、オゾンガスの酸化力で悪臭成分を酸化分解するものであるが、こうした基本原理を採用した脱臭装置としては、上記装置の他に、特開昭54−5864号や同57−131449号に開示された様な装置も提案されている。
【0012】
これらの装置における洗浄水散布手段としては、上記特開昭54−5864号公報や前記特公昭59−33011号にも開示されている様に、スプレーによって噴射する構成が採用されるのが一般的である。また洗浄塔にガスを導入する手段としては、洗浄塔の流入口にブロアで強制的に吹き込むか、或は前記特開昭57−131449号に開示されている様に、洗浄塔に継いで洗浄塔から排出されるガスに含まれるオゾンガスを除去する吸着塔の排出側にブロアで引き出す手段によるのが一般的である。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これまで提案されている脱臭装置では、下記の様な問題を抱えており、前述した排水処理設備から発生する臭気にこうした装置を適用しても、期待する程の脱臭性能が発揮されないのが実情であった。
【0014】
その問題の一つとしては、オゾンガスと臭気の接触効率の点が挙げられる。従来の接触層は前述の如く不規則な通路であり、圧力損失が大きく、上昇するガスが流下する水中を通過することなく、単に水の表面と接触するのみであり、生活排水から発生する臭気のうち、特にアンモニアはオゾンガスとの反応性が殆どなく、またアンモニア、トリメチルアミンは水溶性に優れているので、その除去には水洗が最も効果的であるが、アンモニアを除く他の悪臭成分はオゾンと良く反応するから、オゾンガスとの接触率を高める必要がある。しかしながら、前述の様に不規則な通路では水も不規則な流動となる結果、ガスが均一な流動をせずに偏流が生じやすく、気液の接触効率が低下するので、この低下を補う為に薬剤を混合する等の手段も採られ、運転費が高価となるという問題がある。
【0015】
一方、水洗塔の上部で行われている洗浄水の散布の点でも問題があった。特に、ポンプにより加圧された水をノズルから噴射すると、その間を上昇するガスに伴ってエレメント(微細な水滴の同伴飛沫)の流出が多くなることが実験によって明らかになった。上記の様な装置では、後処理のオゾンガスを排除する工程で触媒が使用されるが、ガス中に含まれる同伴飛沫は触媒に悪影響を及ぼし、水滴によって触媒の機能を短時間で低下させるという問題が生じることになる。
【0016】
本発明は上記事情に着目してなされたものであって、水洗方式にオゾンガスを吹き込んで臭気を除去する原理を利用した湿式オゾン脱臭装置における脱臭効率を向上させることを主目的とし、必要によって脱臭処理されたガスに含まれるオゾンガスを除去する為の機能が長期に亘って維持することもできる湿式オゾン脱臭装置設備を提供しようとするものである。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成し得た本発明の湿式オゾン脱臭装置とは、気体を強制的に上昇させる雰囲気を形成した湿式オゾン酸化塔の上部に排気口を有し、前記湿式オゾン酸化塔内の底部に水位を保っている貯水部を備え、該貯水部にオゾンガスを供給して溶解させるオゾンガス発生機を併設し、該貯水部より吸い上げたオゾン含有水を、前記湿式オゾン酸化塔の上部に複数設けられた液分散ノズルの夫々のノズルから前記雰囲気中に中空コーン状に放出して前記貯水部に戻る様にした水循環経路を設け、一方前記貯水部より上方には貯水部内を通じて吹き出されるオゾンガスと前記湿式オゾン酸化塔内に導入する臭気ガスを混合するガス混合部を設け、このガス混合部と前記液分散ノズルの間に、前記放出されたオゾン含有水の案内流下間隙を備えた気液向流接触部を設けてなる点に要旨を有するものである。
【0018】
また上記オゾン脱臭装置においては、下記(1)〜(4)の要件を付加することが脱臭効率を高めるという観点から好ましい。
(1)前記液分散ノズルに向かう水循環経路中の前記オゾン含有水の一部を前記貯水部に循環させる様に構成する。
(2)前記液分散ノズルに向かう水循環経路中の前記オゾン含有水にオゾンガスを混合する様に構成する。
(3)前記気液向流接触部は、上下にジグザグ状に連続している多数枚の波板を間隙を開けて列設し、その間隙を混合ガスの流動路とし、前記液分散ノズルから放出部されて流下するオゾン含有水が、一方の波板から前記間隙を横切って隣接する他方の波板を伝って順次流下する様に形成する。
(4)湿式オゾン酸化塔の上部に設けた排気口に送風機で湿式オゾン酸化塔内のガスを強制的に吸引する排気経路を連結すると共に、前記液分散ノズルと排気口間に、上下にジグザグ状に連続している多数枚の波板を間隙を開けて列設したデミスタを備える。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明者は、脱臭技術についてかねてより研究を進めており、その研究の一環として、オゾンガスを用いて臭気を効果的に脱臭する方法、およびこの方法を実施する為の湿式オゾン酸化脱臭装置について開発しており、その技術的意義が認められたので先に出願している(特願平8−128607号)。この脱臭方法は、臭気ガス中にオゾンガスを導入して混合ガスとなし、その混合ガスを一方に向かって流動する間に、水を混合ガスの流動方向と交差する方向に流動して混合ガスと向流接触する工程を繰り返し行って脱臭することを基本的な構成とするものであり、また上記脱臭装置はこうした方法を実施する為の装置構成を工夫したものである。この装置構成の概要を説明する。
【0020】
図2は、本発明者が先に開発した脱臭装置(湿式オゾン酸化脱臭装置)の構成を示す概略説明図であり、図中11は湿式オゾン酸化塔、12は貯水部、13はガス混合部、14は気液向流接触部、15は水放出部、16はデミスタ、17は排出口、18はオゾンガス発生機、19は臭気ガスの導入口、20は送風機、21はガス清浄部を夫々示す。
【0021】
上記した脱臭装置において、上記貯水部12には、上水や地下水等の水22が供給され、オーバーフロー23によって一定の水位が保持されるている。また貯水部12内の水(オゾン含有水)は循環ポンプ24によって吸い上げられ水放出部15に送られる。水放出部15は、図3に示す様に、パイプの下側となる面に多数の小孔25が明けてあり、各小孔25より水を自然流下する様に構成されている。尚図示していないが、水放出部15の各小孔25には液分散ノズルが設置され、この液分散ノズルを介してオゾン含有水が放出される構成も採用される。
【0022】
オゾンガス発生機18は、例えば大気など酸素成分を含有するガスを原料として無声放電させる方式を採用できるが、湿度が高ければNox が発生するので好ましくなく、そこでオゾンガスの発生原料として乾燥させた空気、或は酸素濃度の高い乾燥酸素ガスを供給して無声放電により発生させることが好ましい。このオゾンガス発生機18で発生させたオゾンガスを貯水部12内に供給し、バブリングによってガス混合部13へ導入する様にされる。
【0023】
オゾンガス発生機18で発生させたオゾンガスの一部はオゾン含有水となるが、その殆どは気泡として上昇し、破裂して水滴を同伴して増湿されて、ガス混合部13に放出され、ガス混合部13に導入口19から導入された臭気ガスと混合される。一方、貯水部12内のオゾン含有水は、前述の如く循環ポンプ24によって吸い上げられ水放出部15に送られるが、このオゾン含有水は気液向流接触部14の上方より流下させることにより、上昇する臭気ガスとオゾンガスを効率良く接触させて酸化脱臭反応をより効率的に促進させるものである。
【0024】
臭気中には悪臭成分の一つとしてアンモニアが含まれているが、このアンモニアは水溶性に優れているので、前記水放出部15から流下して貯水部12に貯水されるオゾン含有水と気液向流接触部14で接触してアンモニア臭気が除去され、流下した水は上記のように貯水部12内でバブリングしているオゾンガスと接触して、一部は窒素ガスまで酸化されて脱窒される。
【0025】
ところで気液向流接触部14の上方より流下させる水は、循環ポンプ24による循環オゾン含有水が使用されるが、操業が進行するにつれて使用済のオゾン含有水をオーバーフロー23から徐々に流出させると共に、それに応じて新鮮な水を供給してやる必要がある。そしてこの水は上水が一般的に使用されるのであるが、水道費が高価な場合には、ランニングコストの低減という観点からして、水の流出量および供給量を節減することが好ましい。
【0026】
オーバーフロー23から流出量は、(i) 貯水部12からの水の蒸発量、(ii)循環水のpH、 (iii)沈殿の析出、等を検出することによって節減することができる。こうした検出手段を採用することによって、その流出量を循環水の0.2〜0.5%程度にすることができる。またその具体的な手順としては、まず試運転によって供給水量を循環水の0.5%程度に設定しておき、その後上記(i) 〜(iii) を確認しつつ、流出量を0.4%→0.3%→0.2%と節減する様にすれば良い。或は、予め予備試験を行っておいて、どの程度まで節減できるか予測し、流出量を0.5%から0.2%程度にまで順次節減する様にしても良い。
【0027】
一方、貯水部12内および気液向流接触部14内でアンモニアの一部がオゾン酸化されて窒素ガスとなるので、アンモニア水の酸化に消費されるオゾンガスを、その消費量に見合った量を増加して供給する様にすれば良いが、この場合の水の供給量を節減する手段として、
(A)図2に示した様に、水22を供給する給水系に流量調整弁28と積算流量計29を設ける。
(B)貯水部12に、厳密には水22の給水部出口にボールタップ式のような液面給水調節器を設置する。
の二つの手段があるので、供給水22の給水量の大小によって前記(A)または(B)、若しくは(A)と(B)を併用して用いる。また図示していないが、上記(A)の方法では、弁の開閉をタイマーやシーケンサー等によって自動的に作動させても良い。また(A)の方法の場合には、貯水部12の液pHを測定するか、または最終的にガス清浄部21から排出するガス中のオゾン濃度を測定し、その値に従い手動または自動調整して供給水量を制御することが好ましい。
【0028】
次に、気液向流接触部14は、図4に示すように、上下にジグザグ状に連続している多数枚の波板31を互いに間隙32をあけて列設したもので、オゾンガスと臭気ガスの混合ガスGがその間隙32内を伝って上昇するものであり、一方上からの流下水W(オゾン含有水)は、一方の波板31の屈折部30から間隙32を横切って隣接する他方の波板31の屈折部30を流下する流れを繰り返し、貯水部12に流下するものである。
【0029】
デミスタ16は、必要によって設置されるものであり、その構成の詳細については図示していないが、前記気液向流接触部14と同様に、上下にジグザグ状に連続している多数枚の波板を互いに間隙をあけて列設したものが採用できる。送風機20は、例えばファンやブロアー等によって構成されるものであって、その設置位置を、湿式オゾン酸化塔11の排気口17とガス清浄部21を結ぶ排気経路33の中間部に設けることが重要であり、送風機20を駆動すれば、そこに圧縮熱が発生するため、その圧縮熱によって湿式オゾン酸化塔11より排気されたガス中の湿度を低減する作用、即ち、相対湿度を100%から低減させるものである。更に、ガス清浄部21には、ヤシ殻炭による活性炭に金属や金属酸化物を添着した触媒作用が得られる残留未反応オゾンガス除去剤34が充填される。
【0030】
上記の様な装置構成を採用することによって、オゾンガスと臭気との接触効率を高めて脱臭効率を向上させると共に、脱臭処理されたガスに含むオゾンガスの除去する機能が長期間に亘って維持できる脱臭装置が実現できたのである。
【0031】
本発明者らは上記の様な装置を完成した後も、脱臭装置の脱臭能力を高めるべく、様々な角度から検討を加えてきた。その結果、上記の構成を採用すれば、脱臭装置における脱臭能力が格段に高められて改良されることを見出し、本発明を完成した。本発明に係る脱臭装置における最大の特徴は、先に提案した装置構成を基本として、水放出部15に設置する液分散ノズルの構成を工夫した点にある。これら各構成の作用効果について、それが完成された経緯も併せて更に詳細に説明する。
【0032】
従来の液分散ノズルとしては、空調用室外機(冷水方式による増湿を利用したもの)の冷却水分散用ノズル(冷却塔冷媒噴射用ノズル)として、液放出(噴出)状態が扁平楕円状となる液分散ノズルが開発されており、従来の水洗塔や薬剤洗浄塔の液分散ノズルとして一般的に使用されている(以下、これを「フラット型の液分散ノズル」と呼ぶ)。また近年では、液放出状態が中実コーン状の液分散ノズルも開発されている(以下、これを「フルコーン型の液分散ノズル」と呼ぶ)。
【0033】
これらの液分散ノズルは、液分散圧力を0.7kg/m2 以上として液体を噴射させるのが一般的であるが、この様な条件では液中にオゾンガスを溶解させる必要があるときには、オゾンガスは液中に溶解しにくいので、液分散ノズルからの噴射時にオゾンガスが放散してしまい、液中に残留するオゾンが殆どなくなってしまうという問題がある。また上記したフルコーン型の液分散ノズルでは、塔径が500mm以上と大きくなった場合には、液分散ノズルの設置個数が20か所以上の多数のノズルを使用することになり、噴射される液体の重複領域が多くなって不均一流下することになり、好ましくない。更に、従来使用されている液分散ノズルは、冷却水で暖かいガスを増湿させて冷却すること、即ち気−液間の潜熱移動を目的としてなされたものであり、水の一部が蒸発すれば良いので、均一分散が必ずしも要求されず、液噴射状態まで厳密に考慮されていないのである。
【0034】
上記した各液分散ノズルに対して、本発明の湿式オゾン脱臭装置では、使用する液分散ノズルとして、液の放出状態が中空コーン状となる液分散ノズル(以下、これを「ホロコーン型」の液分散ノズルと呼ぶ)を選んだ。このホロコーン型の液分散ノズルでは、液放出状態において前記フルコーン型の液分散ノズルの様な重複領域が少なくなり、単一ノズルによる液分散試験に基づいてノズル配列の設計を行えば、塔断面に対する均一分散流動に近くなり、好ましい液分散状態が達成されたのである(液分散圧力に関しては後述する)。
【0035】
上述した様に、フラット型やフルコーン型の液分散ノズルは、溶解度が大きいか或は反応速度が大きい気体に液体を噴出することを想定して開発されているので、その性能は液放出角度を大きくすることが、性能評価因子となっている。しかしながら、オゾンを水に溶解させたオゾン水の場合には、下記表2に示す様に、大気圧下でのオゾンの溶解度は酸素の約10倍であるが、炭酸ガスの様な比較的溶解度の大きいガスと比較して溶解度は極めて小さいものである。また溶解度の圧力に対する影響は、圧力が高くなる程良く溶解するが、その溶解度は依然として小さいものである。
【0036】
【表2】
Figure 0003792378
【0037】
本発明者らは、従来の市販のフラット型液分散ノズルを用い、この液分散ノズルへの導入前後におけるオゾン水濃度を測定し、噴出後のオゾン残存率を計算したところ、下記表3に示す結果が得られた。この結果から明らかな様に、いずれの液分散圧力においてもノズル噴射後の水中のオゾン濃度は検出されず、オゾンは全く残存していないことが分かる。
【0038】
【表3】
Figure 0003792378
【0039】
上記した事態が生じる原因については、その全てを解明した訳ではないが、恐らく次の様に考えることができる。前記図2に示した様な湿式オゾン酸化塔の場合には、一般に大気圧下でオゾンが溶解された後、ポンプアツプされ(加圧され)、水放出部15の液分散ノズルを介して放出されるのであるが、上記の様にオゾンの溶解度が小さいことに加えて操作圧力(一般に大気圧)まで減圧されることになるので、噴出時にオゾン含有水中のオゾンが放散されてオゾン含有水中にはオゾンが残留しないものと考えることができる。
【0040】
そこで本発明者らは、前述した問題を解決するべく、様々な角度から検討を加えた。そしてまず下記の様な着想が得られた。従来のフラット型の液分散ノズルは、冷却塔の増湿用として開発され、その後従来の水洗塔や薬剤洗浄塔の液分散ノズルとして採用されたので、液分散圧力が0.7kgf/cm2 程度で使用される様に設計されている。しかしながら空調機室外機冷却塔の場合では、増湿にによるガスの冷却効果を利用すること、即ち、熱移動のみを利用するものであるので、特に液分散ノズルの液分散状態に殆ど影響されず、その噴出形状が単純な(複数のノズルによる噴出軌道の重複状態が単純な)フラット型が採用されても何らの不都合が生じることはなかった。
【0041】
しかしながら、本発明で対象とする湿式オゾン酸化脱臭装置の場合では、溶解度の小さいオゾンガスを溶解させたオゾン水が湿式オゾン酸化塔の上部から流下する間に、湿式オゾン酸化塔の下部から導入される臭気ガスとの酸化脱臭反応を効果的に促進する為には、複数のノズルにより噴出される水の噴出軌道の重複状態を均一にすることが重要である。その為には、使用する液分散ノズルをフラット型よりもホロコーン型の方が好ましいことが判明したのである。
【0042】
図5は、各種液分散ノズルによる液放出状態を示す概略説明図であり、図5(a)はホロコーン型、図5(b)はフルコーン型、図5(c)はフラット型の夫々の液分散ノズルから噴出された液放出状態を示したものである。
【0043】
本発明の湿式オゾン酸化脱臭装置で使用するホロコーン型液分散ノズルの構造例を図6に示す。この液分散ノズル45は、ノズル本体40とキャップ41とからなり、ノズル本体40の下面にキャップ41を組み込む様に構成されている。そしてキャップ41にはオリフィス42が形成されており、ノズル本体40に形成された導入孔43からオゾン含有水を導入し、オリフィス42を介して噴出するものである。またノズル本体40には円柱状空間40aが形成されており、前記導入孔43からこの円柱状空間40aに連通する導入路は該空間に対して偏心した状態となっており、こうした構造とすることによって、導入孔43から導入されるオゾン含有水は偏流(うず巻き流)となり、オリフィス42を介して噴出されるオゾン含有水の液放出状態がホロコーン状になるものである。即ち、図6に示したホロコーン型液分散ノズルは、液導入路の位置や半径およびキャップの噴出口径やオリフィス径を適切に選定することによって、液放出状態がホロコーン状態になる様にしたものである。
【0044】
従来の水洗塔や薬剤洗浄塔で採用される液分散ノズルは、溶解度が大きいかまたは中和反応等の反応速度が大きいかのいずれの条件を満足する気体を想定して開発されたものであるから、液分散角度を大きくすることを目的とするものであった。しかしながら、本発明の様に溶解度が小さいオゾンガスを溶解させたオゾン含有水を対象とする場合には、従来の液分散ノズルでは要求される特性を満足することができない。
【0045】
前記図6に示した液分散ノズルにおいて、オリフィス42の半径を6mmとし、導入孔43の半径を4mmとしたもの(これを便宜上「A型」呼ぶ)と、導入孔43の半径を7mmとしたもの(これを便宜上「B型」呼ぶ)の2種類のホロコーン型液分散ノズルを準備した。そして、これらの液分散ノズルに液分散圧力を変えて導入した前後におけるオゾン水濃度を測定し、噴出後のオゾン残存率を計算した。その結果を、液負荷、液分散角度と共に下記表4に示す。また上記A型のホロコーン型液分散ノズルを使用したときにおける、オゾン水濃度や液負荷と液分散圧力とのが関係を図7に、上記B型のホロコーン型液分散ノズルを使用したときにおける、オゾン水濃度や液負荷と液分散圧力との関係を図8に夫々示す。
【0046】
【表4】
Figure 0003792378
【0047】
これらの結果から明らかな様に、液分散圧力が低くなるに従って残留オゾン濃度が大きくなる傾向を示すが、フラット型の液分散ノズルを使用したときと比べて(前記表3)残留オゾン率が格段に向上していることが分かる。また本発明に係るホロコーン型液分散ノズルでは、いずれも従来のフラット型と比べて残留オゾン率が大きいが、同一の液負荷で比較した場合には、B型の方が液分散圧力が低いときに残留オゾン率が大きいので、こうした観点からすればB型のホロコーン型液分散ノズルの方が好ましい。尚液分散圧力があまり低くると液放出状態が好ましく傾向を示すが、B型のホロコーン型液分散ノズルでは、好ましい液分散圧力は0.01〜0.1kg/cm2 程度であり、このときに液分散角度が140°程度となり、液分散圧力をこれ以上高くしても液分散角度はそれよりも大きくならず、オゾン水中の残留オゾン濃度は減少する傾向がある。
【0048】
本発明の湿式オゾン脱臭装置の構成を、図面を用いて説明する。図9は、本発明の湿式オゾン脱臭装置の一実施例を示す概略説明図であり、その基本的な構成は前記図2に示した装置構成と類似し、対応する部分には同一の参照符号を付すことによって重複説明を回避する。本発明の湿式オゾン脱臭装置は、上述の如く図2に示した装置構成を基本とし、水放出部15に設置する液分散ノズルとしてホロコーン型液分散ノズルを使用することを最大の特徴とするものであるが、本発明の湿式オゾン脱臭装置における水放出部15付近の具体的な構成例を図10に示す。この図10は、気液向流接触部14から水放出部15を見たときの説明図であり、水放出部15の骨組みがパイプによって組み立てられ、下方の気液向流接触部14に臨んで複数(この図では32個)のホロコーン型液分散ノズルを設置したものである。そして、水放出部15の一端から導入されたオゾン含有水が、各液分散ノズル45から噴出される様に構成されている。尚図10において仮想線46で示した円形は、湿式オゾン酸化塔11の内径を想定して示したものである。
【0049】
本発明の湿式オゾン脱臭装置においては、液分散ノズルに向かう水循環経路中のオゾン含有水の一部を前記貯水部に循環させる構成を採用することも有効である。次に、こうした構成を採用したときの作用効果について図面を用いて説明する。この構成は図9に示した様に、循環ポンプ24の出口部からの循環流の一部を循環経路50を介して前記貯水部12に吹き込み(戻し)、散気管を通して上昇するオゾンバブリングの攪拌を行ない、循環ポンプの吸引部のオゾン溶解を促進させるものである。尚図9の37は、循環流の一部を貯水部12に戻す量を調整する為の流量調整弁である。
【0050】
ところで洗浄水等にオゾンを溶解させる方法としては、(a)水中バブリング溶解方法、(b)エジェクターによる加圧混合溶解方法、等が考えられる。このうち前者の方法は、オゾンバブリング気泡径を30μm程度の微細気泡を発生させて気液接触面積を向上させ、水中を上昇する間に水中にオゾンを溶解させる方法である。この方法における効率向上因子としては、気泡径と水中上昇時間であり、バブリング気泡径を30μm程度の微細気泡にすること、および上昇時間を長くするという観点から水深を深くする必要がある。実用的には、排水処理設備において嫌気性濾床槽や接触曝気槽等の、バクテリアによる浄化効率を向上させる為に気泡径:30μm、水深:5m程度として広く採用されている。しかしながら、本発明の湿式オゾン脱臭装置の様に、水深が高々600mm程度である様な場合には、オゾンガスを水中でバブリングさせても、ガスの密度は、水の密度よりも約1000倍も小さいので、オゾンガスは塔底部に吹き込まれたら、直ちに上昇すると共に横方向への拡散もしなく、またオゾン吹き込み高さとほぼ同じ高さから循環ポンプに吸引されるので循環ポンプ吸引箇所のオゾン濃度は向上しないという問題がある。一方、エジェクターや湿式混合器による混合溶解法は、食品分野でのオゾン水殺菌装置等に採用されているが、一般に2kg/cm2 程度の圧力が必要であり、圧力損失が大きくなるという問題がある。そこで本発明では、水循環経路中の前記オゾン含有水の一部を前記貯水部に循環させる(戻す)構成を採用することによって、上記した問題を発生させることなく、循環水中のオゾン濃度を高めることに成功したのである。
【0051】
こうした構成を採用するに際しては、循環ポンプ吸引部でオゾンバブリングによる気泡が混入すれば、循環ポンプのキャビテーションの原因にもなるので、それを防止する手段として、耐オゾン性材料(例えば、ステンレス鋼等)からなる金網や樹脂性ネットを設置することが好ましい。また図9に示す様に、流量時37の出口部にエジェクターや湿式混合器の様な構成を有する湿式混合器36を設置し、この混合器にオゾンガスを導入(導入経路51)してオゾンガスの溶解を促進することも有効である。尚湿式混合器36を設置したときの条件としては、オゾンガスの導入圧を約0.15kg/cm2 以上とすることによって、オゾン含有水の圧力を1.0kg/cm2 程度とすることができる。
【0052】
尚本発明の湿式オゾン脱臭装置は、使用する液分散ノズルをホロコーン型とすることに特徴を有するものであるが、必要により(1)液分散ノズルに向かう水循環経路中の前期オゾン含有水の一部を前記貯水部に循環させる構成や、(2)前記分散ノズルに向かう水循環経路中の前記オゾン含有水にオゾンガスを混合する構成を採用することも有効であるが、こうした装置において、図2に関連して述べたような構成のデミスタ16を備えることも有効であることは勿論である。また湿式オゾン脱臭装置における気液向流接触部としては、前記図4に示した様な構成を採用することが好ましいが、こうした構成に限らず、液体分散ノズルから放出されたオゾン含有水を案内流下させる間隙を備えたものであれば、他の構成を採用しても良い。
【0053】
以下、本発明を実施例によってその作用効果を具体的に説明するが、下記実施例は本発明を限定する性質のものではなく、前・後記の主旨に徴して設計変更することはいずれも本発明の技術的範囲に含まれるものである。
【0054】
【実施例】
実施例1
前記図2に示した構成の湿式オゾン脱臭装置において、液分散ノズルとしてホロコーン型のものに代えたときの脱臭効果を調査した。このとき参考の為に、フラット型の液分散ノズルを用いたものの脱臭効果についても調査した。このときの脱臭条件は、下記の通りである。また導入する臭気ガス(硫化水素)の濃度の選定に当たっては、その基準となる「日本下水道事業団設計基準・脱臭装置の項」に基づいて臭気強度を3.5とした。
(a) 臭気ガス量:3.5m3 /min
(b) 湿式オゾン酸化脱臭塔の仕様
塔径 :800mmφ(塔断面積:0.503m2
充填高さ :0.8m
全長 :2m
(c) 液/ガス比:30
(d) 給水量 :0.3リットル/min
(e) 臭気ガス:硫化水素(H2 S)
【0055】
その結果を下記表5に示すが、フラット型の液分散ノズルを使用した場合の脱臭効率は50%であったが、ホロコーン型の液分散ノズルを使用した場合の脱臭効率は92.5%となり、ホロコーン型の液分散ノズルを使用した場合の方が脱臭効果が明らかに向上していることが分かる。
【0056】
【表5】
Figure 0003792378
【0057】
実施例2
実施例1で用いた各湿式オゾン脱臭装置(ホロコーン型またはフラット型の液分散ノズルを使用した脱臭装置)を用い、これらに農業集落排水設備・前処理部の臭気ガス(硫化水素およびメチルメルカプタンを主体とするもの)を導入して脱臭試験を行った。その結果を下記表6に示すが、ホロコーン型の液分散ノズルを使用した場合の方が、フラット型の液分散ノズルを使用した場合と比べて脱臭効率が明らかに向上していることが分かる。
【0058】
【表6】
Figure 0003792378
【0059】
実施例3
前記図9、10に示した装置構成の湿式オゾン脱臭装置(即ち、ホロコーン型液分散ノズルを使用すると共に、前記液分散ノズルに向かう水循環経路中の前記オゾン含有水の一部を前記貯水部に循環させる構成の脱臭装置)を用い、実施例2に示した臭気ガスと同様の臭気ガスを導入して脱臭試験を行った。このとき前記図2に示した構成の湿式オゾン脱臭装置(即ち、フラット型の液分散ノズルを使用すると共に、前記液分散ノズルに向かう水循環経路中の前記オゾン含有水の一部を前記貯水部に循環させる構成を採用しない脱臭装置)を用いて同様の試験を行った。
【0060】
その結果を下記表7に示すが、ホロコーン型の液分散ノズルを使用すると共に、液分散ノズルに向かう水循環経路中の前記オゾン含有水の一部を前記貯水部に循環させる構成を採用した脱臭装置を適用して脱臭した場合には、脱臭効率が格段と向上していることが分かる。
【0061】
【表7】
Figure 0003792378
【0062】
【発明の効果】
本発明は以上の様に構成されており、水洗方式にオゾンガスを吹き込んで臭気を除去するような原理を利用したオゾン脱臭装置における脱臭効率を向上さることができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】農業集落排水処理設備における排水処理機構の代表的な構成を示す概略説明図である。
【図2】本発明者が先に開発した湿式オゾン脱臭装置の構成を示す概略説明図である。
【図3】図2に示した装置の水放出部の構造例を示す正面図である。
【図4】気液向流接触部の一部を示す断面図である。
【図5】各種液分散ノズルによる液放出状態を示す概略説明図である。
【図6】本発明の湿式オゾン酸化脱臭装置で使用するホロコーン型液分散ノズルの構造例を示す説明図である。
【図7】A型のホロコーン型液分散ノズルを使用したときにおける、オゾン水濃度や液負荷と液分散圧力との関係を示すグラフである。
【図8】B型のホロコーン型液分散ノズルを使用したときにおける、オゾン水濃度や液負荷と液分散圧力との関係を示すグラフである。
【図9】本発明の湿式オゾン脱臭装置の一実施例を示す概略説明図である。
【図10】本発明の湿式オゾン脱臭装置における水放出部15付近の具体的な構成例を示す説明図である。
【符号の説明】
1 曝気沈砂槽
2 原水ポンプ槽
3 汚水計量槽
4 沈殿分離槽
5 接触爆気槽
6 沈殿槽
7 消毒槽
8 汚泥濃縮貯留槽
9 汚泥貯留槽
10 脱臭装置
11 湿式オゾン酸化塔
12 貯水部
13 ガス混合部
14 気液向流部
15 水放出部
16 デミスタ
17 排気口
18 オゾンガス発生機
19 臭気ガスの導入口
20 送風機
21 ガス清浄部
22 水
28 流量調整弁
29 積算流量計
36 湿式混合器
37 流量計
40 ノズル本体
41 キャップ
42 オリフィス
43 導入孔

Claims (5)

  1. 気体を強制的に上昇させる雰囲気を形成した湿式オゾン酸化塔の上部に排気口を有し、前記湿式オゾン酸化塔内の底部に水位を保っている貯水部を備え、該貯水部にオゾンガスを供給して溶解させるオゾンガス発生機を併設し、該貯水部より吸い上げたオゾン含有水を、前記湿式オゾン酸化塔の上部に複数設けられた液分散ノズルの夫々のノズルから前記雰囲気中に中空コーン状に放出して前記貯水部に戻る様にした水循環経路を設け、一方前記貯水部より上方には貯水部内を通じて吹き出されるオゾンガスと前記湿式オゾン酸化塔内に導入する臭気ガスを混合するガス混合部を設け、このガス混合部と前記液分散ノズルの間に、前記放出されたオゾン含有水の案内流下間隙を備えた気液向流接触部を設けてなることを特徴とする湿式オゾン脱臭装置。
  2. 前記液分散ノズルに向かう水循環経路中の前記オゾン含有水の一部を前記貯水部に循環させる様に構成されたものである請求項1に記載の湿式オゾン脱臭装置。
  3. 前記液分散ノズルに向かう水循環経路中の前記オゾン含有水にオゾンガスを混合する様に構成されたものである請求項1または2に記載の湿式オゾン脱臭装置。
  4. 前記気液向流接触部は、上下にジグザグ状に連続している多数枚の波板を間隙を開けて列設し、その間隙を混合ガスの流動路とし、前記液分散ノズルから放出されて流下するオゾン含有水が、一方の波板から前記間隙を横切って隣接する他方波板を伝って順次流下する様に形成したものである請求項1〜3のいずれかに記載の湿式オゾン脱臭装置。
  5. 湿式オゾン酸化塔の上部に設けた排気口に、送風機で湿式オゾン酸化塔内のガスを強制的に吸引する排気経路を連結すると共に、前記液分散ノズルと排気口間に、上下にジグザグ状に連続している多数枚の波板を間隙を開けて列設したデミスタを備えてなる請求項1〜4のいずれかに記載の湿式オゾン脱臭装置。
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