JP3792350B2 - スタビライザ用フード - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本願発明は、路上を自走しながら路盤等をかき起こし、地盤改良材とともに破砕、混合を行なうスタビライザのかき起こし部を覆うフードに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
スタビライザは、路上を自走しながら路盤のかき起こし混合作業を行うもので、路盤のかき起こし(粉砕)や混合のほかに、添加剤や水の散布等も行う。このスタビライザは走行装置と作業装置とからなり、走行装置はタイヤ式とクローラ式の2つの走行方式に大別され、作業装置はロータドラム式とチェーン式とに区別されている。
ロータドラム式作業装置は、走行装置のフレームに支持され土、砕石、舗装材、砂等の被破砕混合物をかき起こすタイン,ビット等の歯を外周面に備えたロータドラムと、前記フレームに取り付けられて路面に伏せられるフードとを有し、ロータドラムの回転に従って回転する歯が被破砕混合物をかき起こす。このかき起こされた破砕片はフード内でさらに循環、粉砕されてセメントあるいはアスファルト乳剤等の添加剤と混合され、その後にフード後端のゲートで所定の高さに整地されながら排出される。
【0003】
また、チェーン式作業装置は、スプロケットを外周に形成した二本の回転軸部のスプロケットに、歯を設けたチェーンを掛け廻し、前記回転軸部を回転させることによってチェーンを回転させ、路盤等をかき起こすものである。このチェーン式作業装置に、最近ではフードを併用し、かき起こされた破片をフード内で循環、粉砕および添加剤と混合させる技術が提案されている。
しかし、これら従来のスタビライザには、ロータドラム周りあるいはチェーン周りを鋼板製のフードが覆っているために以下の問題が生じていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
鋼板製フードの内面に、かき起こされた混合物がこびりつくと大変落ちにくくなる。特に、混合物が湿っている場合には、こびりついた混合物が乾くことによって一層落ちにくくなるため、こまめに清掃する必要がある。しかし、従来のフードでは、内面を清掃するにはロータドラムが妨げとなって清掃が困難であるため、清掃を十分に行うには、ロータドラム等のかき起こし部から重いフード全体を取り外さねばならず、多大な労力が必要とされ、こまめな清掃が困難であった。
また、かき起こし部に設けた歯で路盤等をかき起こし、さらにフード内で破砕片を跳ね飛ばしながら循環させ、添加剤と混合させる従来のスタビライザでは、材質が鋼板であるために粉砕、混合によって生ずる音がフード内で反響してしまい騒音問題を引き起していた。
本願発明は、以上の問題点を解決し、フード内面のこまめな清掃を可能にするとともにフードの取替え交換を容易にし、さらに騒音の発生を軽減するスタビライザ用フードを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本願発明はスタビライザによりかき起こされた破砕片を循環し破砕混合するためのスタビライザ用フードであって、スタビライザのかき起こし部の両側を覆う側壁と、この両側壁の上部周縁間に間隔的に掛け渡された複数の支持枠部材と、この複数の支持枠部材上に、スタビライザのかき起こし部を覆うように張設された柔軟性を有するゴム状部材からなるカバー部と、を有し、外部からの打撃力により、前記カバー部を変形させて、このカバー部の内面に付着した混合物を叩き落とすことが可能に構成されていることを特徴とする。
また、前記カバー部は、前記支持枠部材に着脱自在に取付られることを特徴とすることもできる。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基いて本願発明にかかるスタビライザ用フード(以下単にフード1という)の詳細を説明する。尚、本願発明にかかるフード1を取り付けるスタビライザSは、後述する実施形態に限定されず、かき起こし部2によって路盤をかき起こし、さらにかき起こされた破砕片をフード1内で循環、粉砕する方式のものであれば他のスタビライザSに応用することもできる。
【0007】
図1、図2、図3は、フード1の第1の実施形態を示す概略図であり、図1はフード1を一部破断した拡大斜視図、図2はフード1を側面から眺めた場合の断面図(図1のX−X)、図3は本実施形態におけるフード1を備えたスタビライザSの側面図である。
【0008】
本実施形態におけるフード1を有するスタビライザSは、図3に示すように、走行装置がクローラ式で作業装置がロータドラム式の例であり、アーム部32を介してフード1を取り付けたものである。
アーム部32の先端部には、図1および図2に示すように、ロータドラム20の回転軸22がアーム部32に支持され、アーム部32の基端部が走行装置A(図3参照)に軸着される。また、シリンダ31はロッドの先端をアーム部32に、基端を走行装置Aに取り付けており、このシリンダ31の作用によりアーム部32の基端側を支点にしてロータドラム20を上下動させる。フード1は、ロータドラム20の回転軸22に、ロータドラム20を覆うように、また、自重で路盤上に伏せられるように設けられる。本実施形態におけるロータドラム20がかき起こし部2に相当する。
【0009】
本実施形態におけるフード1は、図1に示す如く骨組み部とカバー部13とからなり、両方を組み合わせた外観形状が略蒲鉾形状となっている。骨組み部は、かき起こし部2の両側を覆う略半円形の両側壁11,11′と、両側壁11,11′の周縁間に掛け渡される複数の支持枠部材12とからなり、支持枠部材12の両端部が両側壁11,11′の上部周縁となる半円周の縁に沿って固着されている。さらに、両側壁11,11′は、アーム部32の先端部に固着され後述する走行装置Aに連結している。尚、両側壁11,11′と支持枠部材12の材質は、フード1内部で行なわれる破砕片の粉砕混合に耐えうるとともに、カバー部13が垂れ下がらない様に支持し、フード1の外観形状を維持するに充分な強度を有していれば良い。
また、支持枠部材12の形状および掛け渡しの配置も、本実施形態に示す形状等に限定されるものでは無く、掛け渡された支持枠部材12間に複数の隙間を有し、その隙間から覗くカバー部13にこびりついた混合物Cを外部からの打撃によって叩き落とす事が可能であればよい。したがって、各支持枠部材12の形状が断面多角形状や細長の板状であってもよく、又その配置が格子状であってもよい。
【0010】
以上の構成からなる骨組み部上に所定の厚みを有した長方形状のゴム状部材がカバー部として張設されている。本実施形態ではカバー部13が支持枠部材12と接する各直線上に、それぞれ複数のUボルト14を並列に取付けておき、これら各Uボルト14によりカバー部13と支持枠部材12とが着脱自在に取付けら張設される。
また、本実施の形態においては示さないが、フード1の側壁11,11′後端部に支持枠部材12に代えてゲート部を取付け、排出混合物を整地する効果を一層高めることもできる。
【0011】
図2は、フード1を側面から眺めた場合の断面図(図1のX−X)であり、内部の取付け状態を示すとともに、循環、粉砕によってカバー部13に付着した混合物Cを示したものである。カバー部13は、回転するロータドラム20との間で破砕片を循環して粉砕するため、フード1内部からの粉砕押圧に耐えて、前記所定の厚みも支持枠部材12の枠の間から大きく撓んで下に垂れ下がらずに保てる厚みであれば良い。
【0012】
また、カバー部13の材質であるゴム状部材は、天然ゴム、合成ゴム、あるいは合成樹脂等であってもよく、フード1外部からハンマー等による打撃力を効率良くフード1内面に伝えることができ、内面に付着する混合物Cを叩き落とす事ができる柔軟性を有していればよい。さらに、カバー部13の長方形状は、両側壁11,11′で覆われた内部を両側壁の周縁に沿って張設すべく両側壁11,11′の周縁および支持枠部材12の長さに対応した形状とする。
【0013】
以上の構成から、フード1の外部から加える打撃によって混合物Cの付着を手軽に叩き落とすことができ、さらにカバー部13に破損等が生じても簡単に取り替え交換できる。
また、カバー部13はゴム状部材からなるため、循環、粉砕によって生ずる音の反響性を低く押さえ騒音の発生を軽減することができる。
【0014】
続いて、図1および図2を基にかき起こし部2であるロータドラム20の取付け、および回転させるための手段を説明する。ロータドラム20の回転軸22は、前述した如くアーム部32に回転自在に支持され、ロータドラム20周りに設けたビット21がフード1を路面に伏せた際に下面から突き出る。また、ロータドラム20は、その回転軸22が図示しない駆動源(例えば、油圧モータ等)に結合されて、回転し、路盤等のかき起こしが可能となる。
【0015】
次に、第2の実施形態にかかるフード1を図4を基に説明する。図4に示すスタビライザSは、走行方式がタイヤ式であり、かき起こし部2であるロータドラムを走行装置Aの中腹底部に取り付けたものである。本実施形態における両側壁11,11′は台形形状であり、底辺を除いた他辺(上部周縁)間に複数の支持枠部材が掛け渡されている。さらにカバー部13は、前記周縁に沿って張設すべく長方形状の途中が二箇所で折れ曲がっており、Uボルト14にて取付けられている。
【0016】
また、図中の31は、フード1を持ち上げるためのシリンダであり、基端部が走行装置Aに取り付けられ、ロッド先端部がアーム部32に取付けられている。また、アーム部32は、基端部を走行装置Aに取り付け、先端部をフード1の側壁11,11′に取り付けており、第1の実施形態と同様、シリンダ31の作用によってフード1が持ち上げられる。
なお、ロータドラムの取付け、およびロータドラムを回転させるための手段は第1の実施形態において説明したものと同様であるため省略する。
【0017】
図5は本願発明にかかるフード1を、チェーン式作業装置Bに取り付けた第3の実施形態を示す概略側面図である。本実施形態のかき起こし部2は、外周まわりに形成するスプロケットを軸方向に複数設けた二本の回転軸部23と、二本の回転軸部23を回転自在に支持し、かつ互いに連結するブーム24と、前記複数のスプロケットにそれぞれ掛け廻され、かつビット21を設けたチェーン25とを有している。以上の構成からなるかき起こし部2は、回転軸部23の回転によってチェーン25を従動回転させるものであり、チェーン25に設けられたビット21によって路盤をかき起こし、フード1内部で粉砕混合する。
【0018】
フード1内部側の回転軸部(図示せず)は、両側壁11,11′を貫通してアーム部32に回転自在に支持されており、さらに回転のための駆動部(例えば油圧モータ等)が軸内に取付けられている。また、ブーム24は地面に伏せられるフード1に対して下方の一定方向を向くよう固定されており、かかる方向はかき起こしの深さによって決められる。アーム部32は、走行装置A側が支点となるよう走行装置Aとフード1とを連結し、第1の実施形態と同様にシリンダ31の作用によってフード1が持ち上げられる。
【0019】
両側壁11,11′の形状は、上記各実施形態に限定されるものでは無く、両側壁11,11′および支持枠部材12によって囲まれる内部がかき起こし部2のかき起こしに支障をきたさず、さらにかき起こされた破砕片の粉砕、混合のために充分な容積を確保することができる形状であれば他の形状であってもよい。
【0020】
【発明の効果】
フードの材質が、柔軟性のあるゴム状部材であるためフード外部からハンマー等による打撃力を、効率良くフード内面に伝えることができ、こびりついた混合物を叩き落とすことができる。したがって、混合物が乾いてしまう前に打撃による簡単な清掃をこまめに行なうことができる。
さらに、フードの材質がゴム状部材であるため、粉砕および混合音がフード内部で反響せず騒音の発生を押さえることができる。
カバー部が、支持枠部材に着脱自在に取付られる構成であるため、交換が容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態にかかるフードの概略拡大斜視図
【図2】第1の実施形態にかかるフードの概略側面断面図
【図3】第1の実施形態にかかるフードをスタビライザに取り付けた概略側面図
【図4】第2の実施形態を説明する概略図でありフードが一部破断した側面図
【図5】第3の実施形態を説明する概略図でありフードが一部破断した側面図
【符号の説明】
S:スタビライザ
A:走行装置
B:作業装置
C:混合物
1:フード
11,11′:側壁
12:支持枠部材
13:カバー部
14:Uボルト
2:かき起こし部
20:ロータドラム
21:ビット
22:回転軸
23:回転軸部
24:ブーム
25:チェーン
31:シリンダ
32:アーム部
Claims (2)
- スタビライザによりかき起こされた破砕片を循環し破砕混合するためのスタビライザ用フードであって、
スタビライザのかき起こし部の両側を覆う側壁と、
この両側壁の上部周縁間に間隔的に掛け渡された複数の支持枠部材と、
この複数の支持枠部材上に、スタビライザのかき起こし部を覆うように張設された柔軟性を有するゴム状部材からなるカバー部と、
を有し、外部からの打撃力により、前記カバー部を変形させて、このカバー部の内面に付着した混合物を叩き落とすことが可能に構成されていることを特徴とするスタビライザ用フード。 - 前記カバー部は、前記支持枠部材に着脱自在に取付られることを特徴とする請求項1に記載のスタビライザ用フード。
Priority Applications (1)
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JP15412497A JP3792350B2 (ja) | 1997-06-11 | 1997-06-11 | スタビライザ用フード |
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JP15412497A JP3792350B2 (ja) | 1997-06-11 | 1997-06-11 | スタビライザ用フード |
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JPH111908A JPH111908A (ja) | 1999-01-06 |
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ID=15577448
Family Applications (1)
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JP15412497A Expired - Fee Related JP3792350B2 (ja) | 1997-06-11 | 1997-06-11 | スタビライザ用フード |
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Country | Link |
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JP (1) | JP3792350B2 (ja) |
-
1997
- 1997-06-11 JP JP15412497A patent/JP3792350B2/ja not_active Expired - Fee Related
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