JP3791653B2 - 熱伝導を用いた粉粒体材料の除湿乾燥装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、粉粒体材料を均一に除湿して乾燥することが可能な熱伝導を用いた粉粒体材料の除湿乾燥装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の粉粒体材料の除湿乾燥装置として、例えば、図15に示すものがある。
これは乾燥ホッパー101内の内部に、粉粒体材料を加熱して乾燥するための複数のパイプヒーター102を配置するとともに、内部ホッパー103と外周側ホッパー104との間にバンドヒーター105を配置して、バルブ106を介して捕集器107から内部ホッパー103内に供給された粉粒体材料を、前記したとパイプヒーター102とバンドヒーター105とで加熱して除湿乾燥するものである。
【0003】
ところが、これにおいては、パイプヒーター102とバンドヒーター105とで粉粒体材料を直接的に加熱するものであるために、粉粒体材料を均一に加熱することができず、その除湿乾燥にムラが生じてしまうという問題があった。
更に、構造が複雑でありかつ上下分割構造にし難くて、メンテナンスが行い難いという問題があった。
【0004】
また、特開平6−114834号公報には、真空加熱方式による合成樹脂粉粒体の除湿乾燥装置が記載されている。
これは、図16に示すように、原料である合成樹脂粉粒体を吸い上げる機構を有する供給受け口201が除湿乾燥装置の最上端にあり、その下側に上自動開閉バブル204を介して二重構造の真空除湿乾燥装置本体207があり、その内部には遠赤外線を放射する塗料をコーティングしたP.T.C内蔵襞付パイプ210とヒートパイプ211により構成された熱交換器208があり、真空除湿乾燥装置本体207の下側に2段締めの下自動開閉バルブ222を経て、原材料を一時的に替えておく貯蔵タンク212があり、最下端には合成樹脂成形機に取り付け可能なフランジ214まで縦型に構成され、除湿乾燥された合成樹脂粉粒体を短時間、省エネルギーにて連続自動供給できる様にしたものである。
【0005】
ところが、これにおいては、真空除湿乾燥装置本体207の内部に、上下に伸びたP.T.C内蔵壁付パイプ210とヒートパイプ211により構成された複雑な構成の熱交換器208を複数カ所設けているために、構造が複雑でありかつ上下分割構造とすることができず、熱交換器208部分の掃除が行い難いという問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記従来の問題を解消し、構造が簡単で堅牢であつて、伝熱面積が広く熱効率が向上され、かつ上下分割構造とすることもでき、メンテナンスと材料換え時の洗浄と清掃時が行い易く、粉粒体材料を優しくかつ温度ムラなく、加熱することができ、粉粒体材料を均一に除湿乾燥することができる粉粒体材料の除湿乾燥装置を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の粉粒体材料の除湿乾燥装置は、粉粒体材料を貯留乾燥する乾燥ホッパーを、熱伝導性の良好な素材で形成された熱伝導壁の外周に、加熱手段を設けた構造となし、上記熱伝導壁は、複数の仕切壁を内部に向けて延出させており、それぞれの上端には、この内部空間の中心を谷部として下方に傾斜する上斜め切り欠きを形成するとともに、それぞれの下端には上記中心を谷部として下方に傾斜する下斜め切り欠きを形成した構造になっている。
【0008】
ここで、仕切壁は、上下方向に連なった形状をなしており、加熱手段は、バンドヒーターで構成することが好ましく、ニクロムヒーターやセラミックヒーターを熱伝導壁に取付けてもよく、これらは必ずしも熱伝導壁の全外周面に設ける必要はなく、部分的に設けて部分加熱するようにしてもよい。
また、熱伝導壁は、アルミニウムなどの熱伝導性の良好な素材を使用することが好ましい。
【0009】
この除湿乾燥装置は、これまでの乾燥ホッパーを構成していた材料そのものに着目し、その材料を従来の鉄や、ステンレスに替え、熱伝導性のより良い材料、例えば、アルミニウムとし、その熱伝導性を積極的に利用することで、加熱対象である粉粒体材料から、一定程度、離れた位置に加熱手段(発熱手段)を設けられるようにしたことを特徴とする。
【0010】
従来においては、加熱手段と加熱対象を結びつけるような熱伝導体の存在は、積極的には意識されていなかった。したがって、従来例で示した除湿乾燥装置においては、加熱手段は、加熱対象をできるだけ均一に加熱するために、できるだけ加熱対象に近い位置になるように配置されていた。つまり、乾燥ホッパー内に、P.T.C内蔵壁付パイプにさらにヒートパイプを設けた複雑な構成の熱交換器を、隈なく配置していた。
【0011】
しかし、このような構造では、構造が複雑になる上、ヒートパイプは、上下方向の熱を伝達するものであるため、加熱手段を上下に分割することはできなかった。
これに対し、本発明の除湿乾燥装置においては、加熱手段は、原則として、加熱ホッパーの外側だけにもうけ、その加熱手段からの熱を、加熱ホッパーを構成する材料の熱伝導性を積極的に利用して、乾燥ホッパー内の粉粒体材料の隅々にまで行き渡らせようとするものである。
【0012】
このため、この乾燥ホッパーでは、それを構成する円筒状の熱伝導壁の内周から、複数の仕切壁を内部に向けて延出させている。この仕切壁は、熱伝導壁と同じ材料で構成されており、加熱手段から与えられた熱を、熱伝導により、中心方向へ、温度ムラなく、かつ優しく伝導し、内部の粉粒体材料を優しく加熱する。
また、この仕切壁は、熱伝導が効率的に行われるように所定の厚さを有しており、この仕切壁で仕切られた乾燥ホッパーの内部空間の区画は、それぞれ、ほぼ、等しい断面積を構成するようにして、粉粒体材料が均一に加熱されるように、また、できるだけ細かく、区画されるようにして、伝熱面積を広くし、加熱の熱効率を向上させるようにしている。
【0013】
ただし、仕切壁は、必ずしも、上記のように、小区画の断面積を等しくしなくともよく、また、細かく区画するようにしなくともよい。
さらに、この除湿乾燥装置における加熱方法の特徴は、ヒートパイプなどのように、加熱手段(発熱源)からの熱の移動方向が上下方向でなく、主として水平方向であるという点である。
【0014】
こうして、加熱手段を加熱対象から、一定距離、離すことができるので、乾燥ホッパー内部は、上下の一方向だけに伸びた仕切壁だけという簡単な構造となり、また、ヒートパイプなどを用いず、熱の移動方向が水平方向なので、、簡単に上下に分割することができる。
また、さらに加えていうならば、この除湿乾燥装置の思想は、従来より追求されていた、加熱時間の短縮、効率化、均一加熱ために、加熱対象に対して、できるだけ密に加熱手段を設けるという考えから、温度ムラのなさ、加熱の優しさという材料の熱伝導性に着目することで、加熱対象から加熱手段を離すという着想に至ったもので、仕切壁などの構造を最適化することで、総合的には、直接加熱に比べて遜色のない加熱効率を実現し、一方、構造の簡単化という効果を得たものである。
【0016】
また、仕切壁の上端は上斜め切り欠きに形成されているので、粉粒体材料を上方から投入した場合に、仕切壁上端面に材料が滞留せずに、この粉粒体材料を無理なく仕切壁に均等に分散して充填できる。更に、仕切壁の下端は下斜め切り欠きに形成されているので、熱伝導面積が増える。また、この下斜め切り欠きは、仕切壁が近接するホッパー下部の形状、先入れ先出しの傘体の形状などに沿わせて、決められるもので、その思想は、相手形状に沿わせながら、できるだけ熱伝導面積を増やそうというものである。したがって、熱伝導面積の要請度によっては、必ずしも、相手形状に沿わせるような切り欠きを設けなくともよい。
【0017】
なお、この上斜め切り欠きは、粉粒体材料の滞留を防ぐためのもので、同様の機能を発揮するものであれば、このような上斜め切り欠きを必ずしも設けなくともよい。例えば、仕切壁の上端面を水平とし、粉粒体材料が滞留しないように面取り、あるいは、R面取りなどを設けてもよい。請求項2に記載の粉粒体材料の除湿乾燥装置は、粉粒体材料を貯留乾燥する乾燥ホッパーの内部に、熱伝導性の良好な素材で形成され、加熱手段を内蔵させた熱伝導筒を設けた粉粒体材料の除湿乾燥装置であって、上記熱伝導筒は、複数の仕切壁を、上記乾燥ホッパーの中心部から内壁に向けて延出させており、上記仕切壁は、その上端部が上記中心部を頂部として周囲に向かって下方に傾斜する突片端を形成するとともに、下端部が乾燥ホッパーの中心を頂部として周囲に向かって下方に傾斜する下斜め切り欠きを形成した構造になっている。
【0018】
ここで、仕切壁は、上下方向に連なった形状をなしており、加熱手段は、パイプヒーターで構成することが好ましく、ニクロムヒーターやセラミックヒーターでもよい。
また、熱伝導壁は、アルミニウムなどの熱伝導性の良好な素材を使用することが好ましい。
【0019】
この除湿乾燥装置の発明思想も、請求項1に記載の除湿乾燥装置と同一である。相違するのは、この装置においては、加熱手段を内蔵させた熱伝導筒を乾燥ホッパーの中心部に置き、その熱伝導筒から、乾燥ホッパーの内壁へ向けて仕切壁を延出させている点である。
乾燥ホッパー内に供給された粉粒体材料は、内蔵された加熱手段で加熱された熱伝導壁と、その熱伝導壁から仕切壁に伝導された熱によって、間接的に優しく、かつ、温度ムラなく加熱され、均一に除湿乾燥される。
【0020】
更に、仕切壁の上端は周囲に向かって下方に傾斜する突片端に形成されているので、粉粒体材料を上方から投入した場合に、突片端上端面に材料が滞留せずに、この粉粒体材料を無理なく仕切壁に均等に分散して充填できる。
【0021】
また、仕切壁の下端は下斜め切り欠きに形成されているので、先入れ先出しの傘部を設けるのに都合がよい。
なお、この突片端は、粉粒体材料の滞留を防ぐためのもので、同様の機能を発揮するものであれば、このような突片端を必ずしも設けなくともよい。例えば、仕切壁の上端面を水平とし、粉粒体材料が滞留しないように面取り、あるいは、R面取りなどを設けてもよい。
【0022】
請求項3に記載の粉粒体材料の除湿乾燥装置は、請求項1〜2のいずれかにおいて、上記乾燥ホッパーは、縦方向に複数部分に分割できる構造としている。このように、乾燥ホッパーを縦方向に複数部分に分割できるので、分解、清掃などメンテナンスを容易に行うことができる。請求項4に記載の熱伝導を用いた粉粒体材料の除湿乾燥装置は、請求項3において、上記乾燥ホッパーは、縦方向に分割された部分の熱伝導壁から延出された仕切壁を上下に重なり合わせないことを特徴とする。
【0023】
この装置では、例えば、分割された2段のうち、同じ形状の上段の仕切壁と下段の仕切壁を、上下に重なり合わせず、それぞれの仕切壁が、ちょうど、他の仕切壁で仕切られる区画の中心部を仕切るようにする。
このようにすると、粉粒体材料が上の区画から下の区画へ移動するときに、区画内の粉粒体材料の横方向の区画分けが行われ、下の区画では、上の区画で直接仕切壁に接していなかった粉粒体材料が、直接、下の仕切壁に接触することとなり、より均一に熱伝導加熱が行われる。
【0024】
請求項5に記載の粉粒体材料の除湿乾燥装置は、請求項3または4のいずれかにおいて、上記乾燥ホッパーは、縦方向に分割された部分には、独立した加熱手段を設けた構造としている。この装置は、ホッパー内の材料に対して、上段、中段、下段で加熱温度を異ならせて制御できる。
【0025】
請求項6に記載の粉粒体材料の除湿乾燥装置は、請求項1から5のいずれかにおいて、上記乾燥ホッパーは、熱伝導性の良好な、かつ、加熱の際に粉粒体材料に悪影響を与えないアルミニウム材で形成されている。乾燥ホッパーを構成する材料の熱伝導性を利用して、粉粒体材料を加熱するので、加熱手段と加熱対象である粉粒体材料を一定程度、離すことができる。
【0026】
また、銅製のヒートパイプ等の加熱手段では、加熱対象の粉粒体材料に悪影響を与える可能性があるが、熱伝導壁や仕切壁がアルミニウム材で形成されていると、そのようなことはない。請求項7に記載の粉粒体材料の除湿乾燥装置は、請求項6において、上記乾燥ホッパーは、アルミニウム材で形成され、その表面にアルマイトの表面硬化処理が施されている。
【0027】
このように、表面がアルマイトの表面硬化処理されていると、材料への悪影響もより少ないし、耐久性に優れていて長持ちする。請求項9に記載の粉粒体材料の除湿乾燥装置は、請求項1〜7のいずれかにおいて、上記乾燥ホッパーに外気取り入れ口、及び真空ポンプを設けた構造としている。
【0028】
この真空ポンプで乾燥ホッパー内を真空状態として、この真空乾燥時にガス置換を行うことによって除湿に必要なガスの節約、乾燥の効率化を図ることができる。
このガス置換とは、従来の加熱乾燥された空気を、乾燥ホッパー内に、通気させて粉粒体材料を乾燥するという通気方式に代わるもので、粉粒体材料の加熱は、本発明の熱伝導加熱方式によって行い、さらに、乾燥ホッパー内の粉粒体材料から発生した水蒸気などを含んだ空気を、外部からの湿度、温度、あるいは組成などを調整した気体と、入れ替えることで、粉粒体材料の乾燥効率をあげるものである。真空の場合、具体的には、外部から導入した調整気体の分だけ、真空ポンプで内部空気を吸い出し、内部の真空度を維持するという動作を行う。
【0029】
つまり、ここでいうガス置換とは、外部からの乾燥された空気などのガスと、乾燥ホッパー内の湿った空気などのガスとを置換するという意味である。このようにすると、通気方式のように、常に、大量の空気を流通される必要がなく、上述のように、ガスの節約、乾燥の効率向上を図ることができる。請求項9に記載の粉粒体材料の除湿乾燥装置は、請求項1〜7のいずれかにおいて、上記乾燥ホッパーに送気受け入れ口、及び開放弁を設けた構造としている。
【0030】
この装置は、上記ガス置換を大気圧の場合に適用したものであり、乾燥ホッパー内を大気圧状態として、この大気圧乾燥時にガス置換を行うことによって除湿に必要なガスの節約、乾燥の効率化を図ることができる。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る粉粒体材料の除湿乾燥装置の実施の形態について、図を参照しつつ説明する。
図1は本発明の実施形態の粉粒体材料の除湿乾燥装置の要部である乾燥ホッパーを示し、(a)はその平面図、(b)はその縦断面図、図2(a)は実施形態の粉粒体材料の除湿乾燥装置の床置き型の全体構成を示す系統図、(b)は実施形態の粉粒体材料の除湿乾燥装置の機上型の全体構成を示す系統図、図3は実施形態の粉粒体材料の除湿乾燥装置の本体部を示し、(a)はその一部切り欠きした正面図、(b)はその側面図である。
【0032】
本実施形態の粉粒体材料の除湿乾燥装置は、図1(a)(b)に示すように乾燥ホッパー1の外周部にアルミニュウム材等の熱伝導性の良好な素材で形成された熱伝導壁2を設け、その外周にバンドヒーターからなる外部側加熱手段3を設けるとともに、乾燥ホッパー1の内部にアルミニュウム材等の熱伝導性の良好な素材で形成された熱伝導筒4を設け、その中心部にパイプヒーターからなる内部側加熱手段5を内臓している。
【0033】
そして、熱伝導壁2には、複数の上下方向に連設した仕切壁6を内部中心側に向けて放射状にかつほぼ同じ厚みでほぼ同間隔をもって延出させ、熱伝導筒4には、複数の上下方向に連設した仕切壁7を中心部から内壁を構成する熱伝導壁2に向けて放射状にかつほぼ同じ厚みでほぼ同間隔をもって延設させており、これらの仕切壁6、7の相対する先端部の間には粉粒体材料が止まらない程度な適度な間隔をもたせるか、あるいは互いに当接させるとよい。
【0034】
こうして、熱伝導壁2、熱伝導筒4、仕切壁6、7で仕切られた小区画が生成されるが、この断面積はほぼ等しく、熱伝導壁2などからの伝導熱が、その小区画内部の粉粒体材料に、均一に伝わるようにしている。また、出来るだけ、仕切壁6、7を多く設けるようにして、熱伝導のための表面積を広くし、熱伝導効率を向上させている。さらに、仕切壁6、7は、材料の熱伝導率を考慮して、熱伝導壁2などに加えられた熱が、仕切壁6、7の先端まで、温度ムラなく伝わるように、一定の厚さを有している。
【0035】
また、上記仕切壁6、7は、必ずしもほぼ同じ厚みでほぼ同間隔で延設されるものでなくともよい。
ここで、材料の熱伝導率を比較すると、摂氏20度の場合で、従来、乾燥ホッパーに用いられている炭素鋼で、37Kcal/mhr℃、ステンレス鋼で、約20Kcal/mhr℃以下であり、それに対して、本願で推奨するアルミニウムでは、175Kcal/mhr℃と格段の差がある。純銅では、360Kcal/mhr℃と熱伝導率の点では、優れているが、材料単価の面、直接粉粒体材料に触れると材料に悪影響を与える可能性があるので、適宜被覆処理が必要なことなどから、これを採用するには、解決すべき問題が多い。
【0036】
熱伝導壁2から内部中心側に向けて延出した仕切壁6のそれぞれの上端は、この内部中心側を谷部として下方に傾斜する上斜め切り欠き61を形成しており、仕切壁6のそれぞれの下端は中心側を谷部として下方に傾斜する下斜め切り欠き62を形成している。
また、熱伝導筒4の仕切壁7は、その上端部が中心部を頂部として周囲に向かって下方に傾斜する突片端71を形成しており、かつ下端部がホッパーの中心を頂部として周囲に向かって下方に傾斜する下斜め切り欠き72を形成している。
【0037】
なお、熱伝導壁2は、円筒状であって、乾燥ホッパ1の本体部を構成しており、その上にはホッパー上部蓋部8、下には下向きに中心側に向けて絞るように傾斜したホッパー下部テーパー部9が配設され、取付ボルト(不図示)で取り付け固定されている。熱伝導筒4は、ホッパー上部蓋部8の下部補強枠81の内壁間に架け渡されたパイプ10の中央部に吊り下げ状態で支持固定されている。加熱ホッパー1の熱伝導壁2の形状は円筒状が望ましいが、楕円筒状、角筒状などであってもよい。
【0038】
また、パイプヒーターからなる内部側加熱手段5の下部には傘部12が取り付け固定されている。
更に、ホッパー下部テーパー部9は内周部に空洞部91が形成された形状となっており、この空洞部91に、さらに、加熱手段であるバンドヒータなどを設けてもよい。
【0039】
また、中心部側の仕切壁7の下部が外周側の仕切壁6の下部にリング体13を介して支えられている構造となっており、このリング体13はその上端面に材料が乗っかかる程度の厚みであって、この上端面に面取りが施されていると、粉粒体材料が滞留しない。
更に、ホッパー上部蓋部8には、ホッパー内部に供給される粉粒体材料のレベルを検出するレベルセンサー14が取り付けられている。
【0040】
この乾燥ホッパー1は、例えば、図2(a)に示すように、床置き型の粉粒体材料の除湿乾燥装置に用いられたり、図2(b)に示すように、機上型の粉粒体材料の除湿乾燥装置に用いられる。
図2(a)に示す床置き型の粉粒体材料の除湿乾燥装置は、材料タンクのノズル21から、捕集器のホッパー22に粉粒体材料を捕集して材料投入バルブ23によって、乾燥ホッパー1内に粉粒体材料が供給されるようになっている。
【0041】
そして、この乾燥ホッパー1内で除湿乾燥された粉粒体材料は、下部に配置された材料排出バルブ24から射出成形機のホッパー25に送られるようになっている。
この乾燥ホッパー1内には、粉粒体材料のホッパー内の容量を検出するためのレベルゲージ14の先端部が配設されており、更にホッパー内を真空にするためのバキュームポンプ27が上部側に配管で接続されていて、この配管には、乾燥ホッパー1内を大気圧に戻すためのバルブ28が接続されている。
【0042】
また、下部側には、ガス置換のために外気を導入するバルブ29が接続されており、材料排出バルブ24の下端には、材料輸送用ブロアー30が切り換え弁31を介して接続されている。
図2(b)に示す機上型の粉粒体材料の除湿乾燥装置は材料タンクのノズル21から、捕集器のホッパー22に粉粒体材料を捕集して材料投入バルブ23を経て、乾燥ホッパー1内に粉粒体材料が供給されるようになっている。
【0043】
そして、この乾燥ホッパー1内で除湿乾燥された粉粒体材料は、下部に配置された材料排出バルブ24から射出成形機に直接供給されるようになっている。
この乾燥ホッパー1内には、粉粒体材料のホッパー内の容量を検出するためのレベルゲージ14が配設されており、更にホッパー内を真空にするためのバキュームポンプ27が上部側に配管で接続されていて、この配管には、乾燥ホッパー1内を大気圧に戻すためのバルブ28が接続されている。
【0044】
また、下部側には、ガス置換のために外気を導入するバルブ29が接続されている。
この乾燥ホッパー1を含む粉粒体材料の除湿乾燥装置の本体部は、図3(a)(b)に示すように、乾燥ホッパー1の上部に、上記した捕集器のホッパー22が投入バルブ23を介して設置されており、下部に排出バルブ24が配設されている。
【0045】
この排出バルブ24には、輸送用空気の切り替えを制御するための上記した空気用切り換え弁31が接続されており、この空気用切り換え弁31には上記した輸送用ブロアー30の送風側が配管によって接続されている。
この輸送用ブロアー30の側方には、上記したバキュームポンプ(真空ポンプ)27が配置され、その上側にはフィルターユニット32が配置され、更にその上部側には装置全体を制御するための制御盤33が配置されている。
【0046】
本実施形態の粉粒体材料の除湿乾燥装置によれば、乾燥ホッパー1内に供給された粉粒体材料が、熱伝導壁2の外周に設けた外部側加熱手段3と、内側の熱伝導筒4の中心部に設けた内部側加熱手段5とでそれぞれ加熱された熱伝導壁2、熱伝導筒4、及び各仕切壁6、7の伝導熱によって、間接的に優しく、かつ温度ムラなく、加熱されて、均一に除湿乾燥される。また、熱伝導壁2、熱伝導筒4、及び各仕切壁6、7によって仕切られた小区画内の粉粒体材料は、それを囲む熱伝導壁2などの表面からの伝導熱によって、効率的に加熱される。
【0047】
更に、外側の仕切壁6の上端は上斜め切り欠き61に形成され、内側の仕切壁7は突片端71に形成されているので、粉粒体材料を上方から投入した場合に、これらの上端面に材料が滞留せず、この粉粒体材料を無理なく各仕切壁6、7に均等に分散して充填できる。
また、仕切壁6の下端は下斜め切り欠き62に形成されており、テーパー部9の勾配に合わせて、仕切壁6の表面積をより広くし、熱伝導面積を増大させ、伝熱効果を上げているが、そこまで伝熱面積が不要な場合には設けなくともよい。仕切壁7の下端は下斜め切り欠き72に形成されているので、先入れ先出しの傘部を設けるのに都合がよく、熱伝導面積を増大させている。
【0048】
しかも、乾燥ホッパー1は、アルミニウム材など、熱伝導性の良好な、かつ、加熱の際に粉粒体材料に悪影響を与えない素材で形成されているから、銅製のヒートパイプ等の加熱手段では、加熱対象の粉粒体材料に悪影響を与える可能性があるが、直接、粉粒体材料に接触する熱伝導壁2、熱伝導筒4、及び各仕切壁6、7が、アルミニウム材などの素材で形成されているので、そのようなことはない。
【0049】
なお、乾燥ホッパー1は、アルミニウム材で形成され、その表面にアルマイト等の表面硬化処理が施されていることが好ましく、このように、表面がアルマイト等の表面硬化処理されていると、材料への悪影響もより少ないし、耐久性に優れていて長持ちする利点がある。
また、加熱手段3、5は、ニクロムヒーターやセラミックヒーターを熱伝導壁2及び熱伝導筒4に取り付けてもよく、これらは部分的に設けて部分加熱するようにしてもよい。
【0050】
さらに、乾燥ホッパー1は、アルミニウム材などを用いる場合、押し出し型材、あるいは、引き抜き型材を用いて、熱伝導壁や仕切壁の形状を同時成形したものを用いるのがよい。そのようにすると、表面状態が滑らかなものに仕上がり、粉粒体材料が、その表面に付着するようなことがなく、粉粒体材料はスムーズに乾燥ホッパーの上部から下部へ移動する。
【0051】
図4は別の実施形態の粉粒体材料の除湿乾燥装置の本体部を示す一部切り欠きした正面図、図5はその側面図である。なお、上記した実施形態の粉粒体材料の除湿乾燥装置における本体部(図3参照)と同一部材、同一箇所については、同一符号を付してその説明を省略する。
この実施形態における乾燥ホッパー1は、上下2段に分割した構造となっており、各部分には独立した加熱手段3、5がそれぞれ設けられている。
【0052】
なお、この実施形態における乾燥ホッパーは、上下2段に分割されているが、3分割以上、複数段に分割してもよい。本発明の除湿乾燥装置は、加熱手段からの熱の移動方向が、主として水平方向になるので、乾燥ホッパーを上下に分割することができ、その利点を活用したものである。
このように、乾燥ホッパーを縦方向(上下方向)に複数部分に分割すると、分解、清掃などメンテナンスを容易に行うことができる。
【0053】
更に、縦方向に分割された部分には、独立した加熱手段3、5を設けた構造としているから、ホッパー1内の材料に対して、上段、下段あるいは上段、中段、下段で加熱温度を異ならせて制御できる。
図6は、本発明の2段重ねの乾燥ホッパーの一例を上部から見た所を示す概念図である。
【0054】
上述したように、本発明の除湿乾燥装置の乾燥ホッパー1は、2段構造、3段構造などとすることができるが、その場合、その重ね合わせた各段の仕切壁を、上下に重ね合わせないようにすることもできる。
図6は、2段構造のもので、[1]で示した上段の熱伝導壁2[1]、加熱手段3[1]、仕切壁6[1]と、[2]で示した上段の熱伝導壁2[2]、加熱手段3[2]、仕切壁6[2]からなる乾燥ホッパー1を、上部から見た所を概念的に示したものである。
【0055】
この装置では、例えば、分割された2段のうち、同じ形状の上段の仕切壁6[1]と下段の仕切壁6[2]を、上下に重なり合わせず、それぞれの仕切壁が、ちょうど、他の仕切壁で仕切られる区画の中心部を仕切るようにしている。
このようにすると、粉粒体材料が上の区画から下の区画へ移動するときに、区画内の粉粒体材料の横方向の区画分けが行われ、下の区画では、上の区画で直接仕切壁6[1]に接していなかった粉粒体材料が、直接、下の仕切壁6[2]に接触することとなり、より均一に熱伝導加熱が行われる。
【0056】
このような方法は、2段に限られず、複数段でも採用することができ、その場合には、例えば、徐々に、仕切壁6をずらせて行くと、より多くの粉粒体材料が直接仕切壁に接触するようになり、より均一な熱伝導加熱が行われる。
図7は、(a)、は本発明の乾燥ホッパーの仕切壁の種々の延出態様を示す概念図である。
【0057】
上述したものや、また、後述するように、乾燥ホッパーの仕切壁は、外から中へ放射状に、また中から外へ放射状に延出させるのが望ましいが、図7(a)に示すように、格子状に仕切壁6Aを設けても良いし、図7(b)に示すように、熱伝導壁の内周を適当な間隔で分割して、それぞれ互いに平行に延出させ、延出長の異なる仕切壁6Bを設けてもよい。
【0058】
また、ここには、具体例としては示さないが、放射状のものは、この例以外にも、熱伝導が良好に行われ、乾燥ホッパー内部の粉粒体材料にできるだけ均一に温度ムラなく熱伝導されるような仕切壁であれば、どのような延出態様のものであってもよい。
図8〜図11は、別の形態の乾燥ホッパー1を示す平面図である。
【0059】
図8に示す乾燥ホッパー1は、乾燥ホッパー1の外周部にアルミニュウム材等の熱伝導性の良好な素材で形成された熱伝導壁2を設け、その外周にバンドヒーターからなる外部側加熱手段3を設けて、熱伝導壁2には、複数の上下方向に連設した仕切壁6を内部中心に向けて放射状にかつほぼ同じ厚みでほぼ同間隔をもって延出させている。
【0060】
図9に示す乾燥ホッパー1は乾燥ホッパー1の外周部にアルミニュウム材等の熱伝導性の良好な素材で形成された熱伝導壁2を設けるとともに、乾燥ホッパー1の内部にアルミニュウム材等の熱伝導筒4を設け、その中心部にパイプヒーターからなる内部側加熱手段5を内蔵しているとともに、この熱伝導筒4には、複数の上下方向に連設した仕切壁7を中心部から内壁を構成する熱伝導壁2に向けて放射状にかつほぼ同じ厚みでほぼ同間隔をもって延設させている。
【0061】
なお、この場合、熱伝導壁2の外周には、必ず加熱手段を設ける必要はないが、加熱手段を設けることが望ましい。
図8、9の乾燥ホッパーは、ホッパーの外径が、比較的に小さい場合に用いられる。
図10に示す乾燥ホッパー1は、乾燥ホッパー1の外周部にアルミニュウム材等の熱伝導性の良好な素材で形成された熱伝導壁2を設け、その外周にバンドヒーターからなる外部側加熱手段3を設けるとともに、乾燥ホッパー1の内部にアルミニュウム材等の熱伝導性の良好な素材で形成され、中心部に空洞部41を形成した大径の熱伝導筒4Aの筒壁42内に内部側 加熱手段5Aを埋め込んだ状態で設けている。
【0062】
そして、この大径の熱伝導筒4Aの筒壁42の外側に、複数の上下方向に連設した仕切壁7を熱伝導壁2に向けてかつほぼ同じ厚みでほぼ同間隔をもって延出させるとともに、内側に中心に向けて放射状に、複数の上下方向に連設した内部仕切壁7Aをほぼ同じ厚みでほぼ同間隔をもって延出させ、熱伝導壁2には、複数の上下方向に連設した仕切壁6を内部中心側に向けて放射状にかつほぼ同じ厚みでほぼ同間隔をもって延出させている。
【0063】
この乾燥ホッパー1は、ホッパーの外径が、比較的に大きい場合に用いられる。
図11に示す乾燥ホッパー1は、外周部にアルミニュウム材等の熱伝導性の良好な素材で形成された熱伝導壁2を設け、その外周にバンドヒーターからなる外部側加熱手段3を設けるとともに、乾燥ホッパー1の内部にアルミニュウム材等の熱伝導性の良好な素材で形成された熱伝導筒4を設け、その中心部にパイプヒーターからなる内部側加熱手段5を内臓しており、熱伝導壁2と熱伝導筒4とを、複数の放射状の仕切壁67で連結している。
【0064】
このように、熱伝導壁、熱伝導筒、仕切壁は、熱伝導により、その表面に接触する粉粒体材料を均一に加熱するため、同じ断面積のできるだけ小さな小区画を形成するように構成されるもので、上述の形状パターンに限定されるものではない。
また、図12に示すように、加熱手段3、5を設けずに、あるいは、加熱手段3、5と共に、仕切壁6と熱伝導壁2などの内表面とに、発熱体50を設置するようにしてもよい。
【0065】
図13(a)、(b)は、傘部12を例示した拡大縦断面図である。
図13(a)に示す傘部12は、各仕切壁6の下部中心側を中心に向かって先細り状に傾斜面65を形成して、この傾斜面65の下端近傍箇所に支持突片66を中心に向かって斜め下向きに突設し、これら支持突片66の先端に、ほぼ円錐形状の傘体12aを取り付けている。
【0066】
なお、一点鎖線で示すように、傘部12の傘部下部をホッパー下部テーパー部9の内面側テーパーに沿うように延出させ、その部分を、テーパー部9から、支持するようにしてもよい。
図13(b)に示す傘部12は、熱伝導筒4の中心に配設されたパイプヒーターからなる加熱手段5の下端に接合部65を設け、各仕切壁7の下部中心側を中心に向かって下斜め切り欠き72を形成して、この下斜め切り欠き72に当接するようにして、接合部に円錐形状の傘体12bを取り付けている。
【0067】
本発明の除湿乾燥装置においては、基本的に真空状態で、粉粒体材料を熱伝導加熱して除湿乾燥するものであるが、材料を投入、排出する場合には、バキュームポンプ27の配管部に設けたバルブ28によって、ホッパー1内を大気圧に戻すようにしているので、傘部12は、通常の大気圧での場合のように、材料の先入れ先出しを実現する。
【0068】
また、傘体12a、12bは図に示したように、その上面が傾斜面65から、一定の間隔をおいて設けられるか、下斜め切り欠き72に当接して設けられ、粉粒体材料が停留しないようにしている。
図14(a)に示す粉粒体材料の除湿乾燥装置は、乾燥ホッパー1の底部に配管を介してフィルター付外気取り入れ口35を設けるとともに、乾燥ホッパー1の上方には配管を介して真空ポンプ36を設けた構造としている。
【0069】
これによると、フィルター付外気取り入れ口35から外気を徐々に導入しながら、真空ポンプ36で乾燥ホッパー1内を真空状態とすることによって、ガス置換を行うことによって、除湿に必要なガスの節約、乾燥の効率化を図ることができる。
図14(b)に示す粉粒体材料の除湿乾燥装置は、乾燥ホッパー1の底部に配管を介して送気受入れ口37を設けるとともに、ホッパー1の上方には配管を介してフィルター付きの開放弁38を設けた構造としている。
【0070】
この除湿乾燥装置は、大気圧状態で、熱伝導加熱しながら、除湿乾燥するもので、これによると、ホッパー1内を大気圧状態として、この大気圧乾燥時にガス置換を行うことによって、除湿に必要なガスの節約、乾燥の効率化を図ることができる。
なお、上記フィルターは必須のものではなく、設けなくともよい。また、フィルター付外気取り入れ口35や、送気受入れ口37は乾燥ホッパー1の底部に設け、真空ポンプ36や、開放弁38はホッパー1の上方に設けるのが、ガス置換の流れからは望ましいが、必ずしも、これに限られるものではない。
【0071】
【発明の効果】
請求項1に記載の熱伝導を用いた粉粒体材料の除湿乾燥装置によれば、乾燥ホッパーを、熱伝導性の良好な素材で形成された熱伝導壁の外周に、加熱手段を設けた構造となし、熱伝導壁は、複数の仕切壁を内部に向けて延出させた構造としているので、乾燥ホッパー内に供給された粉粒体材料を、外周に設けた加熱手段で加熱された熱伝導壁から仕切壁に伝導された熱によって、加熱して間接的に優しくかつ温度ムラなく、さらに、均一に除湿乾燥することができる。また、仕切壁を、できるだけ小区画を形成するように設けて、粉粒体材料を伝熱加熱する表面積を広くし、熱効率を高めている。
【0072】
請求項2に記載の熱伝導を用いた粉粒体材料の除湿乾燥装置によれば、熱伝導壁から内部空間へ延出した仕切壁のそれぞれの上端は、この内部空間の中心を谷部として下方に傾斜する斜め切り欠きを形成しており、仕切壁のそれぞれの下端は中心を谷部として下方に傾斜する斜め切り欠きを形成した構造におり、このように、仕切壁の上端は斜め切り欠きに形成されているので、粉粒体材料を上方から投入した場合に、仕切壁上端面に材料が滞留せずに、この粉粒体材料を無理なく仕切壁に均等に分散して充填できる。また、仕切壁の下端は斜め切り欠きに形成されているので、熱伝導面積が増え、熱効率が向上する。
【0073】
請求項3に記載の熱伝導を用いた粉粒体材料の除湿乾燥装置によれば、乾燥ホッパーの内部に、熱伝導性の良好な素材で形成され、加熱手段を内蔵させた熱伝導仕切壁を設け、熱伝導仕切壁は、複数の仕切壁を、上記粉粒体材料貯留ポッパーの中心部から内壁に向けて延出させた構造としているので、貯留ホッパー内に供給された粉粒体材料は、内蔵された加熱手段で加熱された熱伝導壁から仕切壁に伝導された熱によって、間接的に優しくかつ温度ムラなく、さらに効率的に加熱して、均一に除湿乾燥することができる。また、仕切壁を、できるだけ小区画を形成するように設けて、粉粒体材料を伝熱加熱する表面積を広くし、熱効率を高めている。
【0074】
請求項4に記載の熱伝導を用いた粉粒体材料の除湿乾燥装置によれば、熱伝導仕切壁は、その上端部が上記中心部を頂部として周囲に向かって下方に傾斜する突片端を形成しており、かつ下端部がホッパーの中心を頂部として周囲に向かって下方に傾斜する斜め切り欠きを形成している構造になっており、このように、仕切壁の上端は周囲に向かって下方に傾斜する突片端に形成されているので、粉粒体材料を上方から投入した場合に、突片端上端面に材料が滞留せずに、この粉粒体材料を無理なく仕切壁に均等に分散して充填できる。
【0075】
また、仕切壁の下端は斜め切り欠きに形成されているので、熱伝導面積が増え、先入れ先出しの傘部を設けるのに都合がよい。
請求項5に記載の熱伝導を用いた粉粒体材料の除湿乾燥装置によれば、乾燥ホッパーは、縦方向に複数部分に分割できる構造としているので、分解、清掃などメンテナンスを容易に行うことができる。
【0076】
請求項6に記載の熱伝導を用いた粉粒体材料の除湿乾燥装置によれば、乾燥ホッパーは、縦方向に分割された部分の熱伝導壁から延出された仕切壁を上下に重なり合わせないことようにしているので、粉粒体材料が上の区画から下の区画へ移動するときに、区画内の粉粒体材料の横方向の区画分けが行われ、下の区画では、上の区画で直接仕切壁に接していなかった粉粒体材料が、直接、仕切壁に接触することとなり、より均一に熱伝導加熱が行われる。
【0077】
請求項7に記載の熱伝導を用いた粉粒体材料の除湿乾燥装置によれば、乾燥ホッパーは、縦方向に分割された部分には、独立した加熱手段を設けた構造としているので、ホッパー内の材料に対して、上段、中段、下段で加熱温度を異ならせて制御できる。
請求項8に記載の熱伝導を用いた粉粒体材料の除湿乾燥装置によれば、乾燥ホッパーは、アルミニウム材など、熱伝導性の良好な、かつ、加熱の際に粉粒体材料に悪影響を与えない素材で形成されているから、銅製のヒートパイプ等の加熱手段では、加熱対象の粉粒体材料に悪影響を与える可能性があるが、このように、熱伝導壁や仕切壁がアルミニウム材などの素材で形成されていると、そのようなことはない。
【0078】
請求項9に記載の熱伝導を用いた粉粒体材料の除湿乾燥装置によれば、乾燥ホッパーは、アルミニウム材で形成され、その表面にアルマイト等の表面硬化処理が施されているので、材料への悪影響もより少ないし、耐久性に優れていて長持ちする。
請求項10に記載熱伝導を用いたの粉粒体材料の除湿乾燥装置によれば、ホッパーの底部に外気取り入れ口を設けるとともに、ホッパーには真空ポンプを設けた構造としているので、この真空ポンプでホッパー内を真空状態として、この真空乾燥時にガス置換を行うことによって除湿に必要なガスの節約、乾燥の効率化を図ることができる。
【0079】
請求項11に記載の熱伝導を用いた粉粒体材料の除湿乾燥装置によれば、ホッパーの底部に送気受け入れ口を設けるとともに、ホッパーには開放弁を設けた構造としているので、ホッパー内を大気圧状態として、この大気圧乾燥時にガス置換を行うことによって除湿に必要なガスの節約、乾燥の効率化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の粉粒体材料の除湿乾燥装置の要部である乾燥ホッパーを示し、(a)はその平面図、(b)はその縦断面図である。
【図2】実施形態の粉粒体材料の除湿乾燥装置の床置き型の全体構成を示す系統図、(b)は実施形態の粉粒体材料の除湿乾燥装置の機上型の全体構成を示す系統図である。
【図3】実施形態の粉粒体材料の除湿乾燥装置の本体部を示し、(a)はその一部切り欠きした正面図、(b)はその側面図である。
【図4】別の実施形態の粉粒体材料の除湿乾燥装置の本体部を示す一部切り欠きした正面図である。
【図5】図4に示す粉粒体材料の除湿乾燥装置の本体部の側面図である。
【図6】本発明の2段重ねの乾燥ホッパーの一例を上部から見た所を示す概念図である。
【図7】(a)、(b)は本発明の乾燥ホッパーの仕切壁の種々の延出態様を示す概念図である。
【図8】乾燥ホッパーの他の第1例を示す平面図である。
【図9】乾燥ホッパーの他の第2例を示す平面図である。
【図10】乾燥ホッパーの他の第3例を示す平面図である。
【図11】乾燥ホッパーの他の第4例を示す平面図である。
【図12】乾燥ホッパーの熱伝導壁の内面と仕切壁の表面とに発熱体を設置した状態を示す部分平面断面図である。
【図13】乾燥ホッパー内に配設される傘部を示し、(a)はその第1例を示す部分拡大縦断面図、(b)はその第2例を示す部分拡大縦断面図である。
【図14】(a)は乾燥ホッパーの底部に外気取り入れ口を設け、上方に真空ポンプを設けた状態を示す概略外観図、(b)はホッパーの底部に送気受け入れ口を設け、ホッパーの上方に開放弁を設けた状態を示す概略外観図である。
【図15】従来の粉粒体材料の除湿乾燥装置の第1例を示す系統図である。
【図16】従来の粉粒体材料の除湿乾燥装置の第2例を示す一部切り欠きした正面図である。
【符号の説明】
1 乾燥ホッパー
2 熱伝導壁
3 外部側加熱手段
35 フィルター付外気取り入れ口
36 真空ポンプ
37 送気受け入れ口
38 開放弁
4 熱伝導筒
5 内部側加熱手段
6 仕切壁
61 上斜め切り欠き
62 下斜め切り欠き
7 仕切壁
71 突片端
72 下斜め切り欠き
Claims (9)
- 粉粒体材料を貯留乾燥する乾燥ホッパーを、熱伝導性の良好な素材で形成された熱伝導壁の外周に、加熱手段を設けた構造となし、
上記熱伝導壁は、複数の仕切壁を内部に向けて延出させており、
それぞれの上端には、この内部空間の中心を谷部として下方に傾斜する上斜め切り欠きを形成するとともに、それぞれの下端には上記中心を谷部として下方に傾斜する下斜め切り欠きを形成した構造になっている粉粒体材料の除湿乾燥装置。 - 粉粒体材料を貯留乾燥する乾燥ホッパーの内部に、熱伝導性の良好な素材で形成され、加熱手段を内蔵させた熱伝導筒を設けた粉粒体材料の除湿乾燥装置であって、
上記熱伝導筒は、複数の仕切壁を、上記乾燥ホッパーの中心部から内壁に向けて延出させており、
上記仕切壁は、その上端部が上記中心部を頂部として周囲に向かって下方に傾斜する突片端を形成するとともに、下端部が乾燥ホッパーの中心を頂部として周囲に向かって下方に傾斜する下斜め切り欠きを形成した構造になっている粉粒体材料の除湿乾燥装置。 - 請求項1〜2のいずれかにおいて、上記乾燥ホッパーは、縦方向に複数部分に分割できる構造としていることを特徴とする熱伝導を用いた粉粒体材料の除湿乾燥装置。
- 請求項3において、上記乾燥ホッパーは、縦方向に分割された部分の熱伝導壁から延出された仕切壁を上下に重なり合わせないことを特徴とする熱伝導を用いた粉粒体材料の除湿乾燥装置。
- 請求項3または4のいずれかにおいて、上記乾燥ホッパーは、縦方向に分割された部分には、独立した加熱手段を設けた構造としていることを特徴とする熱伝導を用いた粉粒体材料の除湿乾燥装置。
- 請求項1から5のいずれかにおいて、上記乾燥ホッパーは、熱伝導性の良好な、かつ、加熱の際に粉粒体材料に悪影響を与えないアルミニウム材で形成されていることを特徴とする熱伝導を用いた粉粒体材料の除湿乾燥装置。
- 請求項6において、上記乾燥ホッパーは、アルミニウム材で形成され、その表面にアルマイトの表面硬化処理が施されていることを特徴とする熱伝導を用いた粉粒体材料の除湿乾燥装置。
- 請求項1〜7のいずれかにおいて、上記乾燥ホッパーに外気取り入れ口、及び真空ポンプを設けた構造としていることを特徴とする熱伝導を用いた粉粒体材料の除湿乾燥装置。
- 請求項1〜7のいずれかにおいて、上記乾燥ホッパーに送気受け入れ口、及び開放弁を設けた構造としていることを特徴とする熱伝導を用いた粉粒体材料の除湿乾燥装置。
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