JP3791061B2 - 信号圧縮回路 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、ディジタルビデオカメラ装置に設けられたニー回路(knee)などに適用して好適な信号圧縮回路に関する。詳しくは、非線形圧縮特性を複数の折れ線で近似して所定の非線形圧縮特性を付与するに当たり、折れ線を緩やかに継ぐことによって折れ点での信号劣化を防止した信号圧縮回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
ビデオカメラ装置などではガンマ特性を付与したり、ニー特性を付与するため入力信号を圧縮する信号圧縮回路が使用されている。例えばニー特性は自然光の広いダイナミックレンジを撮像信号(ビデオ信号)用の狭いダイナミックレンジに収める必要があるために信号圧縮処理が施される。この信号圧縮処理は人間の視感度が高輝度になるほど低くなることに着目したものであって、高輝度部分の信号レベルを圧縮するようにしたものである。
【0003】
例えば図12に示すように高輝度入力となるレベルK0(=p)を圧縮開始点(ニーポイント)と定めたときには、レベルK0までは入力信号レベルがそのまま出力信号レベルとなされ、レベルK0以上の入力xに対しては所定の傾きをもつ入出力特性として信号が圧縮される。
【0004】
取り扱う撮像信号がアナログ信号であるときには信号圧縮処理系にダイオードなどを使用するために図12破線図示のような滑らかなカーブとなって2つの直線がつながる。しかし、ディジタル信号の場合にはニーポイントpの前後で出力レベル変化が大きく変化し、このレベル変化点であるニーポイントp近傍で高調波成分が発生してしまう。この高調波成分が撮像信号のベースバンド成分側に折り返り、それが原因で画質が劣化することが知られている。
【0005】
この画質劣化を改善するため、図13のように第1の入出力特性を得る直線La、第2の入力特性を得る直線Lbに対し、第3の入力特性を持った直線Lcを角取り用の切片として使用するようにしている。
【0006】
この直線Lcによってニーポイントは2つに増えるが、直線LaとLcとの交差角度および直線LcとLbとの交差角度がそれぞれ、ニーポイントpでの交差角度より小さくなるため、高調波成分の発生が少なくなってそれだけベースバンド成分への折り返し成分が少なくなり画質の劣化を防止できるようになる。
【0007】
第3の直線Lcを使用した折れ線近似を実現するには、それぞれの直線の傾きをa,b,cとした場合、
▲1▼x<K1までは、y=ya=a・x=x
▲2▼Kp1≦x≦Kp2までは、y=yc=c・x+(1+c)K1
▲3▼x≦Kp2以上では、y=yb=b・x+(1+b)K2
となる。
【0008】
このような折れ線近似を実現するには、例えば「特開平4−23569号公報」に開示された技術を利用できる。図14はその具体的構成である。同図において、端子11には入力信号(ディジタル撮像信号)xが供給され、これが最小値選択回路19に供給されると共に、第1と第2の算出手段12,13に供給される。
【0009】
第1の算出手段12は直線Lcの入出力特性ycを実現するための手段であり、第2の算出手段13は直線Lbの入出力特性ybを実現するための手段である。第1の算出手段12は、入力信号xに対して傾きcを乗算する乗算器14と、この乗算出力と(1+c)K1の加算を行う加算器15とで構成される。
【0010】
同様に、第2の算出手段13は、入力信号xに対して傾きbを乗算する乗算器17と、この乗算出力と(1+b)K2の加算を行う加算器18とで構成される。そして、これらの出力ya,yc,ybのうち最小の値を次段の最小値選択回路19で選択することによって、端子20には図13のように折れ線で近似されたニー特性曲線が得られることになる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、撮像信号は通常R,G,Bの3原色信号として各種の信号処理が施されるから、同じ信号処理系がトータル3系統必要になる。ニー回路も3系統必要である。一方図14で示すように1つのニー回路10は少なくとも2つの乗算器14,17が必要になるので、カメラ装置全体としての乗算器使用数は大きなものとなってしまう。これで回路規模が増え、またコストアップの原因となる。
【0012】
さらに図13の場合、第3の直線Lcの傾きcは経験則によって決められている場合が殆どである。例えばb=0.3としたときには、その2倍となる、c=0.6のように選ばれている場合が多い。
【0013】
被写体によっては階調を重視したり、ダイナミックレンジを重視したりしなければならないときがある。そのようなときに傾きbの値を異なる値に選定した場合、その値が0.3という値から離れるにしたがい、直線LcとLaおよびLcとLbとの交差角度が不揃いとなり、適切な角取りの実現が困難になっている。そのため高調波成分を効果的に抑圧することができなくなり、高調波成分による画質の劣化を十分に改善できない問題が派生している。
【0014】
そこで、この発明はこのような従来の課題を解決したものであって、回路構成が簡単であるにも拘わらず、高調波成分を十分に抑圧できる信号圧縮回路を提案するものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上述の課題を解決するため、この発明では、入力信号をディジタル化し、ディジタル化したこの入力撮像信号に対して信号圧縮を施すようにした信号圧縮回路において、
入力レベルがそのまま出力されるような傾きaが1である第1の入出力特性と、
傾きbによって入力レベルが圧縮されて出力されるような第2の入出力特性と、
上記第1と第2の入出力特性の間を跨ぐように、傾きcで接する第3の入出力特性となされた信号圧縮回路であって、
上記傾きcは、ほぼ、
c=(1+b)/2
となるように上記第3の入出力特性が選定されたことを特徴とする。
【0016】
この発明では、第3の直線Lcの傾きcが上述のように選ばれているため、第3の直線Lcが第1と第2の直線La,Lbと交差するニーポイントq,r での交差角度がほぼ等しくなる。両交差角度がほぼ等しくなることによって第3の直線Lcで滑らかな近似曲線を得ることができる。したがって新たなニーポイントでの高調波の発生が少なくなり、画質劣化を改善できる。この関係は第2の直線Lbの傾きbが変わっても同じである。
【0017】
ニーポイントq,rでの信号レベルをKp1,Kp2とすると、
Kp−Kp1=Kp2−Kp=△Kpとなり、a=1であるので、最終的には
▲4▼x<K1までは、y=ya=a・x=x
▲5▼Kp1≦x≦Kp2までは、y=yc=(x−Kp1)(1+b)/2+Kp1
▲6▼x≦Kp2以上では、
y=yb={x−(Kp1+Kp2)/2}b+(Kp1+Kp2)/2
となる。
【0018】
▲5▼、▲6▼からも明らかなように何れも乗算処理は1回であるので、回路規模は大幅に簡略化される。また、(1+b)/2の処理は単なるビットシフト処理であり、(Kp1+Kp2)/2の処理は1回の加算とビットシフト処理で済むので、これらの回路構成も簡単である。変数はb、Kp1、Kp2のみである。
【0019】
【発明の実施の形態】
続いて、この発明に係る信号圧縮回路の一実施態様を上述したディジタルビデオカメラ装置に設けられるニー回路に適用した場合につき、図面を参照して詳細に説明する。
【0020】
図1はこの発明が適用されるディジタルビデオカメラ装置30の一実施態様を示す。この例では撮像素子として3個の固体撮像素子(以下はCCDイメージセンサの場合である)が使用され、それらよりG,R,Bの各原色信号が撮像信号として得られるものとする。
【0021】
被写体は光学系31を介して3個のCCDイメージセンサ(以下CCD)31R,31G,31Bに結像され、それぞれからR,G,Bの撮像信号が得られる。CCD31R,31G,31Bから得られる撮像信号R,G,Bをディジタル化したときに、その基本波成分中に混入する折り返し成分を除去するため、例えばG信号を得るCCD31Gに対し、R信号およびB信号を得るCCD31R,31Bが、水平方向に対して1/2画素ピッチP/2だけ相対的にずらされて同一被写体像が撮像される。
【0022】
撮像信号は相関二重サンプリング回路(CDS)32R,32G,32B(以下R、G、Bは省略する)に供給されて波形整形や混入したノズルの除去などが行われる。波形整形処理などが行われた撮像信号はそれぞれアンプ33を経てA/D変換器34に供給されてディジタル化される。
【0023】
ディジタル化されたそれぞれの撮像信号は1ラインの遅延回路36を介して単一のマスキング回路37に供給されて色補正処理が行われ、その後信号圧縮回路としてのニー回路10にそれぞれ供給される。ニー回路10では撮像信号のレベルに応じた適応的な非線形算出処理が施されるため、A/D変換された撮像信号がCPUで構成された制御部40に供給され、ここで後述する第1の信号αと乗算係数βが求められ、これらが適応的制御信号としてニー回路10に与えられる。
【0024】
一方、1ラインHの遅延回路36の前後より導出された隣接ラインの撮像信号は画像の輪郭部を強調するためイメージエンハンサ41に送られて低域成分よりなる輪郭強調信号と高域成分よりなる輪郭強調信号が生成される。これらの信号は例えば撮像信号のうちG信号とR信号のみを使用して生成してもよい。
【0025】
低域輪郭強調信号はそれぞれ加算器42でニー特性の付与された撮像信号と合成され、低域補償された撮像信号はガンマ補正回路43にそれぞれ供給されて非線形処理される。
【0026】
非線形処理後の各撮像信号に対して加算器44で高域補強信号の加算処理がそれぞれ行われ、高域までブロードな周波数特性となされる。その後クリップ回路46で信号レベルのクリップ処理が行われた後、各撮像信号が単一のマトリックス回路47に供給されて、この例では輝度信号Yと一対のクロマ信号Cr(=R−Y),Cb(=B−Y)とが形成される。加減算などのマトリックス処理を行うことによって、特定撮像条件の下では撮像信号の基本波成分中に混入していた側波帯成分が相殺される。
【0027】
これら撮像信号は端子48にディジタル信号のまま出力される他、対応するD/A変換器49でアナログ信号に戻される。
【0028】
さて、このように構成されたディジタルビデオカメラ装置30において、上述したニー回路10は以下のように構成される。まず、このニー特性の折れ線近似について説明する。
【0029】
図2は折れ線近似によるニー特性を示す。撮像信号である入力信号xはある程度の高輝度レベル(ニーポイントp)に至るまでは直線Laによってその入出力特性が付与される。このときの直線Laの傾きaは、入力レベルがそのまま出力レベルとなるものであるから、
a=1
である。
【0030】
ニーポイントpと交差する第2の直線Lbの傾きはbである。これら2つの直線La,Lbに対して角取り直線Lcが用いられる。この傾きをcとする。直線Lcを使用することによって新しいニーポイントq,rが出現する。そしてそれぞれのニーポイントp、q、rでの入力レベルを図のようにKp、Kp1、Kp2とする。
【0031】
第3の直線Lcによってニーポイントpの角取りを行う場合、第3の直線Lcの傾きcを、ほぼ、
c=(1+b)/2
のように選んだ場合、図3に示すように第1と第2の直線La,Lbと交差する角度θ4とθ5が非常に近い値となる。2つの交差角度θ4、θ5が近似した値であるときには最も角取りが滑らかとなる。それは次のような展開からも明らかとなる。
【0032】
直線Lcの傾きcを求める。図3において、
θ2+θ5=θ3 ・・・(1)
θ3+θ4=θ1 ・・・(2)
ここで、
θ4=θ5 ・・・(3)
とすると、式(1)、(2)より、
θ1+θ2=2θ3 ・・・(4)
両辺のtanをとると、
tan(θ1+θ2)=tan2θ3 ・・・(5)
展開すると、
(tanθ1+tanθ2)/(1−tanθ1tanθ2
=2tanθ3/(1−tan2θ3) ・・・(6)
ここで、各直線の傾きは、
a=tanθ1 (α>0)
b=tanθ2 (b>0)
c=tanθ3 (c>0) ・・・(7)
であるから、これを式(6)に代入すると、
(a+b)/(1−ab)=2c/(1−c2) ・・・(8)
求めたいのは、角取り用直線Lcの傾きcであるから、式(8)をcについて解く。
【0033】
(a+b)c2+2(1−ab)c−(a+b)=0 ・・・(9)
【0034】
【数1】
Figure 0003791061
【0035】
ここで、
a+b=m
1−ab=n ・・・(11)
とおくと、
【0036】
【数2】
Figure 0003791061
【0037】
a>0,b>0,c>0であるから、
【0038】
【数3】
Figure 0003791061
【0039】
となる。
【0040】
すなわち、傾きaと傾きbの直線La,Lbで構成する折れ線を式(13)で求められる傾きcの直線Lcで角取りを行うことによって2直線La,Lbに対して滑らかに接続することができる。
【0041】
撮像信号レベルの低い信号域ではリニア特性とするため、a=1である。
【0042】
よって、式(13)は、
【0043】
【数4】
Figure 0003791061
【0044】
となる。この式で示される傾きcはその横軸をbとしたとき図4のようになる。
【0045】
式(13)、(14)をハードウエアとソフトウエアで実現するには、開平、除算などの演算処理が必要となり、ハードウエアの回路規模などが大きくなってしまう。そこで、それらの近似式を次に考察する。
【0046】
ニー特性は、通常b=0.2〜0.4程度の範囲内で使用される場合が多い。屋外で使用するようなときはダイナミックレンジを重視するので、この場合にはb=0.2程度に選定され、これとは逆に階調を重視したいときには、b=0.4程度の値が選ばれるからである。
【0047】
理想的な角取り折れ線の傾きciに対して、近似した角取り折れ線の傾きをcとする。
【0048】
近似の例として、式(13)を実使用域に着目して直線近似する。この近似はハードウエアとソフトウエアでの演算量を減らすのが目的であるので、その語長もできるだけ短くしておいた方が好ましい。ニー補正以外の場合など実使用域が広範囲にわたる場合は近似精度を上げるため、近似式を切り換えて使用することも考えられる。
【0049】
近似する角取り直線Lcの傾きciをbの1次結合として定数p,qを用いて
ci=p×b+q ・・・(15)
で表すとする。式(14)の0.2≦b≦0.4辺りのグラフ値からp,qをたとえば5ビットで表すと、
ci=c1=(13+20b)/32 ・・・(16)
が得られる。語長をさらに減らすとすると、
ci=c2=(1+2b)/3 ・・・(17)
ci=c≒(1+b)/2 ・・・(18)
などが考えられる。
【0050】
これらの近似した直線Lcの傾きciと式(13)の理想的な傾きとの誤差の絶対値absを図5に示す。同図において、曲線c3は従来から使用されているものの誤差であって、b=0.3辺りで使用しない限りその誤差は非常に大きな誤差となってしまう。
【0051】
曲線c1は式(16)を使用したときの誤差である。曲線c2は式(17)を使用したときの誤差である。
【0052】
曲線cはこの発明において使用する近似式であって、式(18)を使用したときの誤差である。曲線cとc1とを比較考量すると、b=0付近で、その誤差が最大となる。この誤差を角度に変換するには、誤差値のarc tanを取ればよいので、大凡5゜となる。実際の使用にあってこの程度の誤差は十分許容し得るものである。因みに、
tan(1°)=0.017
tan(2°)=0.035
tan(5°)=0.087 ・・・(19)
であるから、式(16)も実使用域において、1°以下の誤差内に収まっている。
【0053】
式(17)も5°以下の誤差で収まっている。
【0054】
しかし、回路規模を重視する場合には式(16)が最も有効である。ハードウエアを簡単に構成できるからである。ハードウエア構成について次に説明する。まず式(18)に示される傾きcを別の観点から考察してみる。図3のように直線Lcを直線LaやLbと最も滑らかにつなぐためには式(20)を満たす必要がある。
【0055】
Kp−Kp1=Kp2−Kp ・・・(20)
図2(図3)の振幅伝達特性は、次式で表される。
【0056】
Figure 0003791061
となって、式(18)と同じになる。
【0057】
ここで、(20)、(25)式をもとに(21)〜(23)式を書き直すと、
Figure 0003791061
(26)〜(28)式を実現するニー回路10の一部を図6に示す。
同図に示すように、端子51には入力信号xが供給され、この入力信号xが第1の信号αから減算する減算器52と、この減算出力に第3の入出力特性を決める傾きbなどを圧縮係数βとして乗算する乗算器54と、この乗算出力に第1の信号を加算する加算器56とで構成される。
【0058】
入力信号xに対して第1の信号αと乗算係数βは適応的に選択されるものであって、その関係を図7に示す。
(a)入力信号xがレベルKp1以下であるときには、第1の信号αは任意の信号レベル(この例ではKp1そのもの)が割り当てられ、乗算係数βとして乗算結果に影響を及ぼさない値「1.0」が割り当てられる。この例では回路規模削減のために、Kp1としている。
(b)入力信号がレベルKp1以上Kp2以下であるときには、第1の信号αとしてレベルKp1が使用され、乗算係数βとして傾きc{=(1+b)/2}を示す係数が使用される。
(c)入力信号がレベルKp2以上であるときには、第1の信号αとしてレベルKp1とKp2の平均値レベルが使用されると共に、乗算係数βとして傾きbが使用される。
【0059】
そうすると、(a)の場合には式(26)で示される信号yが出力され、(b)の場合には式(27)で示される信号yが出力され、そして(c)の場合には式(28)の信号yが出力される。
【0060】
ここで、レベルKp1とKp2の平均値レベルの平均値算出手段60は、図8に示すように、両レベルの加算器64と、この加算出力のうち下位1ビットを捨てる(ビットシフトする)ためのビットシフト手段65とで構成することができる。端子61,63は入力端子であり、端子62にはレベルKp1そのものが出力され、端子66には平均化された出力(Kp1+Kp2)/2が出力される。
【0061】
また、傾きcの算出手段70は図9のように構成することができる。まず端子71からのレベル「1」(整数)と、端子72からの傾きbとがワイヤードオアされて、(1+b)が形成され、このオア出力のうち下位1ビットを捨てるビットシフト手段73に供給される。こうすることによって、端子74には(1+b)/2なる出力を得ることができる。
【0062】
このように構成を簡略化できるのは、ニー特性の傾きが常に1より小さい値であるため、1を加える操作が整数ビットに1を置くだけで実現できるからである。傾きbは小数点以下第1位をMSBとするビットアサインであるものとする。
【0063】
このように平均値算出手段60も傾き算出手段70も共に簡単な論理回路で構成できる。
【0064】
これら算出手段を用いて実際のニー回路10を構成すると図10のようになる。平均値算出手段60の出力は第1のセレクタ80で何れか一方がセレクトされ、また傾き算出手段70の出力と、傾きbそのものおよびレベル「1」の信号が第2のセレクタ81に供給されて択一処理が行われる。
【0065】
これらを制御するセレクト信号生成手段85は、一対のレベル比較器86,87で構成され、第1のレベル比較器86では入力信号xとレベルKp1が与えられ、入力信号xがレベルKp1を超えるまではビット「0」であり、それ以外でビット「1」となるようなセレクト信号(上位ビット用)が生成される。
【0066】
第2のレベル比較器87には入力信号xとレベルKp2が与えられ、入力信号xがレベルKp2を超えるまではビット「0」であり、それ以外でビット「1」となるようなセレクト信号(下位ビット用)が生成される。したがって両者を併せたセレクト信号と入力信号xとの真理値表は図11のようになり、そのときのセレクト信号とセレクト端子との関係は図10の通りである。
【0067】
その結果、
(イ)入力信号xがレベルKp1以下であるとき(セレクト信号が「00」)には、図7のような第1の信号αとしてKp1がセレクトされ、乗算係数βとして乗算結果に影響を及ぼさない値「1.0」がセレクトされる。
(ロ)入力信号xがレベルKp1以上Kp2以下であるとき、つまりセレクト信号が「10」であるときには、第1の信号αとしてレベルKp1がセレクトされ、乗算係数βとして傾きc{=(1+b)/2}がセレクトされる。
(ハ)入力信号xがレベルKp2以上であるとき、つまりセレクト信号が「11」であるときには、第1の信号αはレベルKp1とKp2の平均値出力がセレクトされ、そして乗算係数βとしては傾きbそのものがセレクトされる。
【0068】
なお、乗算器54への係数入力のビットアサインは、整数部が1ビットで、残りは小数部である。すなわち、MSBの1ビットだけ整数部で、残りは小数部である。
【0069】
このようなセレクト手段を構成することによって、特にCPUなどのマイコンを使用しないでも簡単なロジック回路でニー回路10を構成できる。そのため、この回路を3系統使用したとしても、全体として回路規模が増大するようなことはない。
【0070】
図10に示すような構成によって、
・角取りの幅を規定する2つのニーポイントKp1、Kp2と、傾きbを指定するだけで、折れ線近似特性を出力できるようになるので、特にいちいちマイコンで計算して折れ線近似特性を求めるような煩雑な演算処理が不要になる。
【0071】
・メインのニーカーブは、ニーポイントがKp1とKp2の平均であることが予め判っているので、その前後における撮像出力状態を検証したり、ニー特性の結果(振る舞い)を容易に把握できる。
【0072】
・角取りの演算はハードウェアで行うとはいえ、その規模は極めて小規模であるなどの特徴が得られる。
【0073】
この発明は非線形な圧縮処理を行う信号圧縮回路を提案するものであるから、非線形処理としてはニー処理以外にも適用できる。
【0074】
【発明の効果】
以上説明したようにこの発明では非線形な信号圧縮を行う場合にあって、滑らかな折れ線近似によって信号圧縮を行うようにしたものである。
【0075】
これによれば、傾きcで接する第3の直線との交差角度差が少なくなってその交点での高調波成分の発生を効果的に抑圧できる。そのためこの高調波成分による折り返し歪みに伴う画質劣化を改善できる特徴を有する。また、回路規模を増大することなく実現できるから従来よりもコストダウンを図ることができ、したがってディジタルビデオカメラ装置などに適用する場合には大幅なコストダウンを達成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る信号圧縮回路をディジタルビデオカメラ装置におけるニー回路に適用した場合の一実施態様を示す系統図である。
【図2】ニー特性の折れ線近似の説明図である。
【図3】その詳細を示す説明図である。
【図4】第3の直線の傾きを算出するための説明図である。
【図5】理想的な傾きと近似的な傾きとの誤差を示す特性図である。
【図6】ニー回路の要部の接続図である。
【図7】第1の信号と乗算係数と入力信号との関係を示す図である。
【図8】平均値算出手段の具体的構成図である。
【図9】傾き算出手段の具体的構成図である。
【図10】この発明の一実施態様であるニー回路の接続図である。
【図11】セレクト信号の真理値表を示す図である。
【図12】ニー特性の折れ線近似の説明図である。
【図13】ニー特性の折れ線近似の説明図である。
【図14】従来のニー回路の接続図である。
【符号の説明】
10・・・ニー回路、52・・・減算器、54・・・乗算器、56・・・加算器、60・・・平均値算出手段、70・・・傾き算出手段、80,81・・・セレクタ、85・・・セレクト信号生成手段、86,87・・・レベル比較器

Claims (9)

  1. 入力信号をディジタル化し、ディジタル化したこの入力撮像信号に対して信号圧縮を施すようにした信号圧縮回路において、
    入力レベルがそのまま出力されるような傾きaが1である第1の入出力特性と、
    傾きbによって入力レベルが圧縮されて出力されるような第2の入出力特性と、
    上記第1と第2の入出力特性の間を跨ぐように、傾きcで接する第3の入出力特性となされた信号圧縮回路であって、
    上記傾きcは、ほぼ、
    c=(1+b)/2
    となるように上記第3の入出力特性が選定されたことを特徴とする信号圧縮回路。
  2. 上記第1と第2の入出力特性直線が交わる入力信号レベルKpを第1の折曲ポイントとし、
    上記第1と第3の入出力特性直線が交わる入力信号レベルKp1を第2の折曲ポイントとし、
    上記第3と第2の入出力特性直線が交わる入力信号レベルKp2を第3の折曲ポイントとしたとき、上記第3の入出力特性直線が、
    Kp−Kp1=Kp2−Kp
    となるようになされたことを特徴とする請求項1記載の信号圧縮回路。
  3. 入力信号を第1の信号から減算する減算器と、この減算出力に上記第3の入出力特性を決める傾きbなどを圧縮係数として乗算する乗算器と、この乗算出力に上記第1の信号を加算する加算器とで構成され、
    上記第1の信号は入力信号によって適応的に選択されるようになされたことを特徴とする請求項1記載の信号圧縮回路。
  4. 上記入力信号がレベルKp1以下であるときには、上記第1の信号は任意の信号レベルが割り当てられ、上記乗算係数として「1」が割り当てられ、
    上記入力信号がレベルKp1以上Kp2以下であるときには、上記第1の信号としてレベルKp1が使用されると共に、上記乗算係数として上記傾きcを示す係数が使用され、
    上記入力信号がレベルKp2以上であるときには、上記第1の信号としてレベルKp1とKp2の平均値レベルが使用されると共に、上記乗算係数として上記傾きbが使用されたことを特徴とする請求項1記載の信号圧縮回路。
  5. 上記レベルKp1とKp2の平均値レベルの平均値算出手段は、
    両レベルの加算器と、この加算出力をビットシフトするビットシフト手段とで構成されたことを特徴とする請求項1記載の信号圧縮回路。
  6. 上記傾きcを算出する傾き算出手段は、レベル1と傾きbのワイヤードオアと、このオア出力をビットシフトするビットシフト手段とで構成されたことを特徴とする請求項1記載の信号圧縮回路。
  7. 上記平均値算出手段からの2つの出力が供給される第1のセレクタと、上記傾き算出手段からの傾きcと共に、上記レベルKp2およびレベル1がそれぞれ供給される第2のセレクタと、これらセレクタをコントロールするセレクト信号生成手段とを有し、
    第1のセレクタからの出力が上記第1の信号として使用され、上記第2のセレクタからの出力が上記乗算係数として使用されたことを特徴する請求項1記載の信号圧縮回路。
  8. 上記セレクト信号生成手段は、
    上記入力信号とレベルKp1が供給される第1のレベル比較器と、
    上記入力信号とレベルKp2が供給される第2のレベル比較器とで構成され、
    これらレベル比較器の出力を合成した2ビットの信号がセレクト信号として使用されるようになされたことを特徴とする請求項7記載の信号圧縮回路。
  9. 上記入力信号は撮像信号であり、上記第1から第3までの入出力特性によって滑らかな折れ線カーブを有するニー特性が得られるようにしたことを特徴とする請求項1記載の信号圧縮回路。
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