JP3586238B2 - 撮像装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は撮像装置、特に、ディジタル信号処理を用いてガンマ補正特性を可変可能な撮像装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
撮像装置は、近年の電子技術の進歩ともに、小型、軽量化が進んできている。その中において、半導体技術の進歩に伴って、高速のアナログ−デジタル変換器(以下ADコンバータと称す)、デジタル−アナログ変換器(以下DAコンバータと称す)が実用化され、これを用いて、デジタル信号化されたビデオ信号をデジタル信号処理する方式も提案されている。これらは、撮像信号をAD変換して、フィルタ、色分離、ガンマ、マトリクスなどの信号処理をデジタル処理で行ない、DA変換して出力するものである。
【0003】
また、撮像信号をアナログ・ディジタル(以下AD)変換し、ディジタル技術を用いて、クリップ、ガンマ補正、フィルタ処理、同期信号付加、同期検波、ガンマ、マトリクスなど等を行い、ディジタルテレビジョン信号を生成し、ディジタル・アナログ(以下DA)変換してビデオ信号として出力したり、ディジタルビデオ信号として出力するものも行われている。
【0004】
これらの従来例において、ガンマ補正回路にはROMテーブルが用いられている。これは所定の入、出力特性を書込んだROMを用いる方式である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来提案されている、デジタル信号処理を用いた撮像装置においては、特に、ガンマ回路を構成するために、読みだし専用メモリ(ROM)が用いられている。このメモリが回路規模を大きくし、単一の集積回路にすべての信号処理回路を集積する際に、コストが低減できない要因となっていた。
【0006】
また、ROMは消費電力が大きく又、IC化した時のチップ面積が大きくなり、小型軽量な装置を実現させるために高集積化する事が難しい。
【0007】
特に、入力ダイナミックレンジを広くしたり、特性カーブを細かくするためには非常に大きなROMを必要としてしまう問題があった。
【0008】
又、撮影する被写体の種類や条件に応じて、ガンマ特性カーブの微調整が必要になる事が有る。例えば暗い時に、S/Nの悪い状態で撮影する時はガンマ特性を直線に近付けたほうが、暗部のノイズの増加が抑えられる。又、屋外等で高コントラストな被写体を撮影する時は、ガンマの特性の特に高輝度部分の特性の傾きを小さくしたほうが、高輝度部の飽和によるつぶれを減少出来る。
【0009】
しかしながら、この様に微調整を行う事は、ROMの大きさを非常に大きくしてしまい、従来の方式ではほとんど不可能だった。
【0010】
さらに、従来提案されているデジタル信号処理を用いた撮像装置においては、従来、アナログ方式で用いられていた回路をそのままディジタル方式に置き換えたのみであったので、回路規模が大きく、消費電流が多くなって、単一の集積回路にすべての信号処理回路を集積するには大き過ぎたり、あるいはコストが低減できなかった。特にガンマ補正回路などの非線形回路は、従来ROMを用いて構成されており、特に回路規模を増大させていた。
【0011】
またさらに、これらにおいては、ディジタルシステムに置き換える際、可変な特性を持たせると、非常に回路規模が大きくなってしまい、実現できなかったり、簡易的な方式で十分な特性が得らず、撮影状態や撮影被写体に応じた適切な設定が行なえない問題点があった。
【0012】
本発明はこのような従来技術の欠点を解消し、回路規模を小さくすることで装置の小型化、低消費電力化を図るとともに、関数の切り替え点においても画質の劣化が生じない優れた撮像装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明の撮像装置は、撮像素子の出力信号をアンプする利得可変可能なアンプと、前記アンプの出力をアナログディジタル変換したディジタル撮像信号に第1の値を加算する第1の加算器と、前記第1の加算器の出力をガンマ補正するガンマ補正回路と、前記ガンマ補正回路の出力に第2の値を加算する第2の加算器と、前記第2の加算器の出力に第3の値を乗算する乗算器と、前記アンプの利得、前記第1の値、前記第2の値、前記第3の値を制御する制御信号Sを発生するスイッチとを有し、前記制御信号Sの値に応じて、前記アンプの利得、前記第1、第2および第3の値を可変し、ガンマ補正の特性を可変することを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】
次に添付図面を参照して本発明による撮像装置の実施例を詳細に説明する。
【0017】
図1は本発明による撮像装置の第1の実施例を示す機能ブロック図である。同図において、1は色分解フィルタを含む撮像素子であるCCD、2はCCD1の出力信号を連続信号に変換するサンプルアンドホールド回路(S/H)である。また、3はサンプルアンドホールド回路2の出力をデジタル信号に変換するADコンバータ(ADC)、4は撮像信号中の輝度信号のみを通過させるローパスフィルタ(LPF)である。
【0018】
5はガンマ回路、6は後述する色信号と輝度信号の遅延時間を合わせる遅延回路、7は同期加算回路、8はDAコンバータ(DAC)、9は輝度信号(Y)出力端子である。10は撮像信号より色信号を分離する色分離回路、11はホワイトバランスを合わせる乗算器、12はホワイトバランスを合わせる係数を出力する係数器である。13はガンマ回路、14は色差信号を合成する色差マトリクス、15は色副搬送波により色差信号を変調する変調器、16はバースト加算、17はDAコンバータ(DAC)、18は色信号(C)出力端子である。
【0019】
光学系(図示せず)によりCCD1に結像された被写体像(図示せず)は、CCD1により、色分解された後、光電変換され、サンプルホールド回路2により連続信号になり、ADコンバータ3によりアナログデジタル変換される。デジタル変換された信号は、ローパスフィルタ4により、輝度信号Yが取り出され、ガンマ回路5によりガンマ補正される。そして、遅延回路6により所定量遅延された後、同期加算7により同期信号が加算され、DAコンバータ8によりアナログ信号に変換されて、Y出力端子9より、テレビジョン、VTRなどの外部機器(図示せず)に出力される。
【0020】
また、ADコンバータ3の出力は、色分離回路10により、R,G,Bの原色信号に分離され、乗算器11により係数器12により設定された係数が乗じられ、R,G,Bそれぞれのレベルを合わせるホワイトバランスが行われる。そして、ガンマ回路13で、ガンマ補正され、色差マトリクス14で色差信号を合成し、変調器15で色副搬送波により直交変調する。また、バースト加算器16でカラーバーストが付加され、DAコンバータ17でアナログ信号に変換され、C出力端子18より、Y信号と同様に出力される。
【0021】
図2は図1に示した実施例におけるガンマ回路5および13の詳細図である。同図において、201は入力端子、202は入力を複数の所定値と比較して入力がどの範囲にあるかを検出するコンパレータである。203,207は減算器、204,206,208,211,213は、それぞれ選択信号に応じて所定の係数a,b,c,d,eを生成するデコーダである。また、205,210は係数器、209はn1 ビット×n2 ビットの乗算器、212は加算器、214は出力端子である。
【0022】
入力端子201より入力された信号は、まずコンパレータ202により所定の範囲のどこにあるか検出され、コンパレータ202から検出信号SD が出力される。
【0023】
また、入力信号は、検出信号SD に応じて生成されたデコーダ204からの出力である定数aにより減算器203で減じられる。減算された信号は、乗算器209の一方の入力端子に入力される。減算された信号はまた、デコーダ206により検出信号SD に応じて生成された係数bと係数器205により乗じられ、減算器207で同様にデコーダ208で生成された定数Cから減じられ、乗算器209の他方の入力端子に入力される。乗算器209の出力は、係数器210でデコーダ211で生成された係数dが乗じられ、加算器212でデコーダ213で生成された定数eが加わり、出力端子214から出力されて、前述の後段の回路に入力される。
【0024】
図3は図2のガンマ回路の説明図である。(a)の横軸はガンマ回路の入力、縦軸は出力である。ガンマ回路に入力される入力信号のビット数をn3 とすると、入力は0〜2n3−1の範囲にある。このとき、入力をkに分割(図3(a)ではk=5)し、それぞれをR1 ,R2 …Rk とする。この各々の範囲の最大値を2n1−1(n1 は図2中の乗算器209の一方の入力のビット数)より小さく設定する。
【0025】
例えばn3 を10とすると、入力は0〜1023の範囲にあり、これを図3のように5つに分割して、各々の範囲を255より小さく設定する事により、n1 =8で良いことになる。各々の範囲の始点における入力をa1 〜a5 、出力をe1 〜e5 として、これらのうち1つの範囲Riを取り出したのが図3(b)である。
【0026】
この曲線yiは上に凸で、原点(ai,ei)を通るので、2次関数で近似すると、
(yi−ei)=Ai(x−ai)2 +Bi(x−ai) (Ai,Biは所定の定数)
(yi−ei)=(x−ai)×{Ai(x−ai)+Bi}
yi=(x−ai)×{Ai×(x−ai)+Bi}+ei (式1)
で表わされる。これを入力の範囲に応じて、ai,ei,Ai,Biを切り換えることにより図3(a)の特性が実現出来る。式1において実際のガンマカーブを近似すると、Ai,Biが非常に小さな値(2−5〜2−15 程度)になってしまい、乗算器209で計算した結果、有効ビットが減少してしまう。このため、Ai,Biに1/di(di<1)を乗じ、また、Aiは上に凸の曲線では負の値を取るため、bi=−Ai/di,Ci=Bi/diとおき、これらを式1に代入して、
yi=(x−ai)×{−bi×(x−ai)+ci}×di+ei(式2)
とした回路が図2である。
【0027】
このとき、Ai,Biの求め方は以下のようになる。図3(a)の各範囲の切り換り点(ai,ei)において連続かつ、なめらかにつながらないと、画面上に擬似輪郭を生じてしまう。したがって、
yi(ai+1 )=yi+1 (ai+1 ) (連続条件)
から
AiRi2 +BiRi=ei+1 (式3)
yi′(ai+1 )=y′i+1 (ai+1 ) (なめらか条件)
から
2AiRi+Bi=Bi+1 (式4)
【0028】
B0 は、x=0付近の利得であるため3〜4程度の値を取る。この時のA0 をガンマ特性に合うように求め、以下、式3,式4とガンマ特性の条件より、Ai,Biを求め、乗算器のレンジに合うようにdiを求め、bi,ciを求める。
【0029】
係数器205,210は回路の簡略化のためにシフト演算と加算で構成出来るようにする。
【0030】
diは乗算器のレンジ合せのためであるから、
di=2−pi (Piは自然数)
とすればシフト演算のみで実現出来る。
【0031】
また、biについてはなるべくシフト演算のみで実現出来るように、aiをRiが2n1−1を越えない範囲で選ぶことで回路が簡略化される。
【0032】
図4は図1に示したガンマ回路の他の構成例である。この例では式2を変形し
fi=ai×bi+ci (式5)
yi=(x−ai)×(−bix+fi)×di+ei (式6)
とおき、係数器205の入力を入力端子201に接続する。また、減算器207に入力する定数を式5で表わされるfとする。
【0033】
次に図5〜図8を用いて本発明による撮像装置の第2の実施例を詳細に説明する。
【0034】
図5において、1は撮像素子であるCCD、2はサンプルホールド回路(S/H)、3はADコンバータ(ADC)、34はガンマ回路、35は加算器、36はDAコンバータ(DAC)、37は出力端子、38はピーク検出器、39はマイクロコンピュータである。
【0035】
被写体像は撮像光学系(いずれも図示せず)により、CCD1の光電変換面に結像され、光電変換されて撮像信号となり、サンプルホールド回路2により連続信号になる。そして、ADコンバータ3によりデジタル信号に変換され、ガンマ回路34によりガンマ補正される。
【0036】
ガンマ補正された信号は、加算器5により同期信号SYNCが加算され、DAコンバータ36によりデジタルアナログ変換され、複合テレビ信号として出力端子37より外部機器(図示せず)へ出力される。また、ADコンバータ3の出力はピーク検出器38により1垂直期間中のピークレベルが検出され、その値はマイクロコンピュータ39により読み出せるように接続されている。また、マイクロコンピュータ39からガンマ回路34へ設定値が書き込めるように接続されている。
【0037】
図6は、図5中ガンマ回路34の詳細図である。図6において、41は信号入力端子、42,47は減算器、43,52は所定の係数を生成するデコーダ、44,50は乗算器、45,48,54はスイッチ、46,49,55はマイクロコンピュータ39よりの設定値を書き込むレジスタである。51は係数器、53は加算器、56は出力端子、57は入力信号を所定値と比較してどの範囲に入っているかを示す検出信号SD を出力するコンパレータ、58は設定信号入力端子である。
【0038】
信号入力端子41より入力された入力信号は、まず減算器42で検出信号SD に応じてデコーダ43で生成された定数aを減じる。そして、乗算器44でスイッチ45で検出信号SD に応じて選択された所定値またはレジスタ46の値のうちの1つと乗じ、減算器47で所定値C1 ,C2 またはレジスタ49の値のうちスイッチ48で検出信号SD に応じて選択された値Cより減算される。
【0039】
減算器47の出力は減算器42の出力と乗算器50において乗算され、係数器51においてデコーダ52により検出信号SD に応じて生成された値dが乗ぜられる。そして、加算器53において所定値e1 ,e2 またはレジスタ55の値のうちスイッチ54により検出信号SD に応じて選択された値eと加算され、出力端子56より、図5の加算器35へ出力される。
【0040】
入力信号はまた、コンパレータ57により所定値と比較され、検出信号SD を発生し上述のように各部に加えられる。
【0041】
また、設定信号入力端子58より入力された設定信号は、各レジスタ46,49,55のうちマイクロコンピュータ39により示されたレジスタに示された値が書き込まれる。
【0042】
図7は第2の実施例の動作説明図である。図7において、(a)はガンマ回路34の入出力特性を示す。入力信号は0〜xm、出力信号は0〜ymの範囲とし、これらをR1 (0〜a2 ),R2 (a2 〜a3 ),R3 (a3 〜xm)の3つの範囲に分割する。そして、ガンマ特性をR1 ′を所定の2次関数y1 でR2 を可変2次関数y2 で、R3 を可変1次関数y3 で近似する。それぞれ
y1 =x×(b1 x+c1 ) (式7)
y2 =(x−a2 )×(b2 (x−a2 )+c2 )+e2 (式8)
y3 =(x−a3 )×c3 +e3 (式9)
【0043】
この図において、y1 ,y2 が連続かつなめらかにつながるように
y1 (a2 )=y2 (a2 )
から
a2 2 b1 +a2 c1 =e2 (式10)
y1 ′(a2 )=y2 ′(a2 )
から
2a2 b1 +c1 =c2 (式11)
同様にy2 ,y3 では
y2 (a3 )=y3 (a3 )
から
(a3 −a2 )2 b2 +(a3 −a2 )c2 =e3 (式12)
y2 ′(a3 )=y3 ′(a3 )
から
2(a3 −a2 )b2 +c2 =c3 (式13)
【0044】
式10、式11を満足するため、c2 ,e2 は固定値となる。この時b2 を可変とすることにより、y2 (a3 )の値が変化する。また、式12,式13よりy2 が決まるとy3 は一義的に決ってしまうことがわかる。
【0045】
したがって、図7(a)中のl1 ,l2 のようにガンマ特性を可変するためには、b2 をパラメータとして、その時のc3 ,e3 を式12,式13より求めれば良い。
【0046】
図7(b)は検出したピークレベルに応じてb2 をどのように可変するか、その時c3 ,e3 がどのように変化するかを示した図である。なおb2 は負の値をとるため−b2 を示しているピークレベルが所定値P1 より低い時は−b2 は所定値に、P1 を越えると−b2 は少しずつ増加し、P2 以上では別の所定値になる。−b2 をあまり増加するとy2 の傾きが途中で負の値になるため、P2 以上では−b2 を増加しないようにする。
【0047】
また、c3 ,e2 は式12,式13によりb1 の値に応じて図のように変化する。実際の回路では乗算器20で桁落ちによる有効桁の減少が生ずるためbi,ciに1/d(d<1)を乗じ、またbiは負であるため極性を反転し、
y1 =x×(−b1 x+c1 )×d1
y2 =(x−a2 )×(−b2 x+c2 )×d2 +e2
y3 =c3 (x−a3 )×d3 +e3
とする。
【0048】
図8はこの実施例におけるマイクロコンピュータ39の動作を示すフローチャートである。
【0049】
ステップ101でスタートし、ステップ102で垂直同期パルスVDが入力されるのを待つ。パルスVDが入力されたらステップ103でピーク検出器38よりピークレベルを読み込む。そして、ステップ104で、その値を図7(b)に示されるテーブルによりb2 を求め、ステップ105で式12,式13を用いてc3 ,e3 を求めステップ106で求めたb2 ,c3 ,e3 をそれぞれレジスタ46,49,55へ書き込み、ステップ102へもどる。
【0050】
なお、第2の実施例において、ピーク検出回路38は、最大値検出回路、最小値検出回路を用いて、その差を取ってコントラスト情報を得て、ガンマ特性を可変としたり、また、絞りの開度情報や画面をn分割して個々を積分して得た値の最大値、最小値の差、あるいはホワイトバランス情報を用いても良い。
【0051】
図9は本発明の他の実施例である。
301は撮像素子であるCCD、302はCCD出力を連続化するサンプルアンドホールド、303はAD変換器、304はローパスフィルタ、305は特性可変端子を有し後述する特性が可変出来るガンマ回路、306は加算器、307はDAコンバータ、308は出力端子である。
【0052】
304,305,306はディジタル回路により構成されている。不図示の被写体像は、不図示の光学系によりCCD301の光電変換面に結像され、光電変換され、映像信号となり、サンプルアンドホールド302で連続化され、AD変換器303でAD変換されディジタル映像信号となり、ローパスフィルタ304により必要な帯域制限され、ガンマ回路305で2つの特性可変端子に入力されたK1,K2に応じた特性のガンマ補正がなされ、加算器306で同期信号が付加され、DA変換器307でアナログ信号に変換され出力端子308から、VTRテレビ等の不図示の外部機器に出力される。
【0053】
図10は図9中ガンマ回路305の動作説明図である。横軸xはガンマ回路305の入力、縦軸yは出力を表わしている。
出力y1 の値は100%白レベルで、この時出力端子308より出力される信号レベルがテレビ信号の基準白レベルになる。
【0054】
y2 の値は白クリップレベルで、この時出力端子308より出力される信号レベルがテレビ信号の白クリップレベルになる。
x1 ,x2 は、y1 ,y2 に対応する入力で、x1 は通常CCD301の標準出力レベル、x2 は飽和出力レベルで、x2 =2x1 〜5x1 である。図10では説明のためx2 =2x1 となっている。一般に0〜x1 の間をガンマ領域、x1 〜x2 の間をニー領域という。
【0055】
図9中K1を可変すると、図10の様に、入力0〜x1 、出力0〜y1 の範囲において特性が変化する。この時、(0,0)及び(x1 ,y1 )はかならず通る様に変化する。K1を所定値とすると標準ガンマ特性(y=x0.45)になり、K1を大きくすると、図の様に大きくふくらみ、K1を小さくすると直線に近付く。
【0056】
又、図9中K2を可変すると、図10の様に、入力x1 〜x2 、出力y1 〜y2 の範囲において特性が変化する。この時(x1 ,y1 )はかならず通る様に変化する。K2を所定値とすると(x2 ,y2 )を通る直線になり、K2を大きくすると傾きが大きく、小さくすると傾きが小さくなる。yの値がy2 より大きくなる時は、y,にクリップされる。
【0057】
図11は、図9中ガンマ回路の詳細図である。310は制御信号S1に応じて、入力信号をそのまま通すか所定値y1 にするか切り換えるスイッチ、311は所定の係数u=y1 /x1 を乗ずる係数器、312は加算器、313は制御信号S2に応じた関数を発生する関数回路、314は乗算器、315は入力を所定値と比較しその結果に応じた所定の制御信号S1,S2を出力するコンパレータ、316は、制御信号S1に応じて切換えるスイッチ、317,318はそれぞれK1,K2の値を保持するレジスタである。
【0058】
入力信号はまず、コンパレータ315により所定値と比較され、その結果に応じて、スイッチ制御信号S1、関数回路313へ制御信号S2が発生される。S1=0の時、入力信号はスイッチ310を通り係数器311により上述の所定値uが乗ぜられ、加算器312の一方の入力となる。また入力は、関数回路313により所定の関数が発生され、その値は、スイッチ316により選択されたK1と乗算器314で乗算され、加算器312で前述の係数器311の出力と加算され出力される。
【0059】
又、S1=1の時はスイッチ310からはx1 が出力され、係数器311によりuが乗ぜられてy1 となり、又、関数回路313の出力はスイッチ316に選択されたK2と乗算器314で乗ぜられ、加算器312において加算され、出力される。
【0060】
図12は図11の動作説明図である。
(a)において、必要とされるガンマ特性を直線エル1,エル2と曲線(斜線部)C1,C2に分けている。この時
エル1:y=(y1 /x1 )x=ux(0≦x≦x1 )
エル2:y=y1 (x1 ≦x≦x2 )
(x1 ,y1 )の点においてエル1,エル2は接続されている。このエル1,エル2を、コンパレータ315及びスイッチ310、係数器311で作っている。又、x=0,x=x1 の点においてC1,C2の値は0になっている。(b)は、C1,C2を抜き出して描いたものである。関数回路313の特性は(b)の特性を発生する様に構成されている。(c)は関数回路313と乗算器314の合成入出力特性で、0〜x1 の範囲ではK1に応じて特性が変化し、x1 〜x2 の範囲ではK2に応じて変化する。この出力と(a)中の3l1,3l2の特性を加算すると図10の入出力特性が得られる。
【0061】
図13は、図11中関数回路の詳細図である。401は減算器、402,407,410,414はS2により切換えられるスイッチ、403,404,405,408,409,411,415,416,417はそれぞれa1 ,a2 ,a3 ,b1 ,b2 ,b3 ,c1 ,c2 ,c3 の値を出力するデコーダ、406,413は加算器、412は乗算器である。
【0062】
入力信号は減算器401でS2に応じて、スイッチ402により選択されたa1 ,a2 ,a3 のうち1つを減じ、加算器406で、スイッチ407で選択されたb1 ,b2 のうち1つを加算し、スイッチ410で加算器406の出力又はb3 を選択し、乗算器412で減算器401の出力と乗算し、その出力に加算器413でスイッチ414により選択されたc1 ,c2 ,c3 のうち1つが加算され出力される。
【0063】
図14は図13の関数回路の動作説明図である。図12中(b)の特性を0〜x3 ,x3 〜x1 ,x1 〜x2 の3つの区間に分割し、前述のコンパレータ315で図14中に示される様に
0≦x<x3 →S2=1
x3 ≦x<x1 →S2=2
x1 ≦x →S2=3
なるS2を発生する。
0〜x3 の区間を第1の2次曲線C11
y=(x−a1 )×((x−a1 )+b1 )+C1
x3 〜x1 の区間を第2の2次曲線C12
y=(x−a2 )×((x−a2 )+b2 )+C2
x1 〜x2 の区間を直線C2
y=(x−a3 )×b3 +C3
で表わす。この時各々の系数を下の条件内で必要なガンマ特性を近似する様に選べば良い
C11:(0,0)を通る。
C12:(x1 ,0)を通る。
x3 において、C11と同じ値をとる。
x3 において、C11と同じ微分係数をとる
(なめらかにつながる。)
C2 :(x1 ,0)を通る。
【0064】
この様にして求められた各係数を図13の回路に用いれば図12(b)の特性の関数回路313が得られる。
【0065】
図15は、本発明の他の実施例である。
501は撮像素子であるCCD、502は、CCD501の出力を連続化するサンプルアンドホールド、503はADコンバータ、504は輝度信号を形成するローパスフィルタ、505はガンマ補正回路、506は黒レベル及び白レベルのクリップ、507は同期信号加算器、508はDAコンバータ、509はビデオ信号出力端子、510はガンマ特性を選択する選択信号SWを発生するスイッチ、511はマイクロコンピュータ等で構成され、ガンマ特性を制御する制御信号MWを発生するガンマ制御である。
【0066】
不図示の被写体像は、不図示の光学系を通して、CCD501の撮像面上に結像され光電変換され撮像信号になり、その出力はサンプルアンドホールド502により連続信号に変換され、ADコンバータ503によりデジタル撮像信号に変換される。
【0067】
このデジタル撮像信号は、ローパスフィルタ504により、輝度信号となり、その出力は、ガンマ補正回路505で後述するガンマ特性を制御する制御信号MWに応じたガンマ補正を受け、その出力はクリップ506により、所定値以上低いレベル又は所定値以上高いレベルがクリップされ、同期加算器507により同期信号が加算され、ディジタルビデオ信号になり、DAコンバータ508でDA変換されビデオ信号になり、出力端子509より不図示のテレビジョン又はVTR等の外部機器に出力される。スイッチ510は、操作者によって選択された位置に応じてガンマ特性の選択信号SWを発生し、ガンマ制御511は、SWに応じてガンマ特性を制御する制御信号MWを発生し、前述のようにガンマ補正回路505の特性を可変する。
【0068】
図16は、図15中のガンマ補正回路505の詳細例である。
601は信号入力端子、602は信号入力1と基準入力R1、R2、R3、R4に入力される基準値群を比較して、比較出力を出力するコンパレータ、603、604、605、606、607は、所定値M11、M12、M13、M14、M15を保持するメモリ、608はガンマ特性制御信号MWの入力端子、609、623は減算器、610、616、622、624、636、637はスイッチ回路、611、612、613、614、615、617、618、619、620、621、631、632、633、634、635はそれぞれK11、K12、K13、K14、K15、K21、K22、K23、K24、K25、K31、K32、K33、K34、K35の係数を有する係数器、625、626、627、628、629、638、639、640、641、642はMWにより書き換えが可能な値M21、M22、M23、M24、M25、M31、M32、M33、M34、M35を保持するメモリ、630は乗算器643は加算器、644は信号出力端子である。
【0069】
前述のように、ローパスフィルタ504の出力の輝度信号は、信号入力端子601から入力信号xとして入力され、まず、コンパレータ602に入力される。コンパレータ602では、601に入力された信号と、基準入力R1、R2、R3、R4に入力されたM12、M13、M14、M15の値を比較し比較出力信号SCを発生し、そのSCに応じてスイッチ回路610、616、622、624、636、637が切り換わる。例えば、入力信号IがR1の入力M12より小さければ、SC=1を発生し、各スイッチ回路は1の位置に切り換わる。また、入力信号IがR1の入力M12より大きく、R2の入力M13より小さければSC=2を発生し各スイッチ回路は2の位置に切り換わる。
【0070】
入力信号xはまた減算器609に入力され、スイッチ回路610でSCに応じて選択されたM11乃至M15の内の1つの値を減算され、その出力は、まず、係数器611乃至615で所定の係数K11乃至K15が乗ぜられ、それらの出力はスイッチ回路616で、SCに応じてその内の1つが選択され、その出力は、乗算器630に入る。減算器609の出力はまた係数器617乃至621で所定の係数K21乃至K25が乗ぜられ、それらの出力はスイッチ回路622でSCに応じてその内の1つが選択され、減算器623で、スイッチ回路624によりSCに応じて選択されたメモリ625乃至629に保持されているM21乃至M25のうちの1つの値から減算され、乗算器630の他方の入力に入力される。
【0071】
乗算器630では、入力されたスイッチ回路616の出力と、減算器623の出力を乗算し、その出力は係数器631乃至635で所定の係数K31乃至K35が乗ぜられ、それらの出力はスイッチ回路636でSCに応じてその内の1つが選択され、その出力は、加算器643においてメモリ638乃至642に保持されているM31乃至M35の値のうち、スイッチ回路637でSCに応じて選択された値が加算され、出力信号として出力端子644より、前述のようにクリップ回路に入力される。
【0072】
また一方、ガンマ特性制御信号MWの入力端子608にガンマ特性制御信号MWが入力されると、その値に応じて、メモリ625、626、627、628、629、638、639、640、641、642の保持する値が書き換えられる。
【0073】
図17は本発明の実施例中図15のガンマ補正回路の動作説明図である。
(a)はガンマ補正回路505の入出力特性を示す。同図に示されるように、入出力特性は、図16中メモリ604〜607に保持されている値M12〜M15によって、A〜Eの5つの曲線の組み合わせで構成されている。それぞれの期間において、前述のようにSCが1〜5の値を取り、それに応じてスイッチ610、616、622、624、636、637が切り換わり、曲線の特性が変化する。 このn番目の曲線の特性をyn(x)として、図16中の演算を式で表すと、
yn(x)=[(x−M1n)*K1n*[−(x−M1n)*K2n+M2n)]*K3n+M3n 式1
という2次式になる。式1中においてnはSCの値を示す。この式を微分すると
になる。
【0074】
図17(a)に表されるガンマ補正特性において、画質劣化を生じないためには、n番目の曲線とn+1番目の曲線が滑らかにつながらなければならない。滑らかにつながる条件は接続部分x=M1(n+1)において
yn(M1(n+1))=yn+1(M1(n+1))式7
y’n(M1(n+1))=y’n+1(M1(n+1))式8
である。この様子を(b)に示す。
これを満足するためには式3、4、5、6より
[(M1(n+1)−M1n)*K1n*(−(M1(n+1)−M1n)+K2n+M2n)]*K3n+M3n=M3(n+1)式9
K1n*M2n*K3n−2*(M1(n+1)−M1n)*K1n*K2n*K3n=K1(n+1)*M2(n+1)*K3(n+1) 式10
式9、式10より、任意の曲線yn(x)に対して滑らかにつながる曲線yn+1(x)は、図16におけるM2(n+1)、M3(n+1)のみを可変出来れば得られることがわかる。
【0075】
図17(c)はガンマ補正特性を可変した時の入出力特性を示す。一般的に、ガンマ補正特性を可変する際、もっとも重要な点は入力信号の0付近の特性で、ガンマ補正を弱くするときは0付近のゲインを1に近付け、逆にガンマ補正を強くするときは0付近のゲインを大きくする。(c)中、(1)はガンマ補正を標準より強くしたときの曲線、(2)は標準の曲線、(3)はガンマ補正を標準より弱くしたときの曲線であり、G1、G2、G3は、それぞれの曲線における0付近の傾きを示す。図に示されるようにG1>G2>G3である。この各曲線において、前述のM21〜M25、M31〜M35を決めるためには、以下のようにすればよい。
【0076】
例えば(1)の曲線を求めるには、まず、式3、式4より
M31=0 式11
M21=G1/K11/K31 式12
によりM21、M31を求める。
【0077】
このM21、M31を用いて式9、式10により順次M22〜M25、M32〜M35を求めれば、(1)の曲線の特性における、各メモリの値を求めることが出来る。この際、式9、式10において、左辺と右辺は、完全に一致しなくても、そのずれの量が視覚的な許容範囲であれば良い。例えば、式9においてはガンマ補正出力信号の約0.4%程度以下の誤差であれば視覚的に問題がない。また、式10の場合は許容範囲がやや広く約10%程度以下の誤差であれば問題ない。この分を考慮した上で、適切な特性になるべく一致するようにこれらの値を求めればよい。
【0078】
このようにして求めた値を例えば前述のガンマ制御511内のROMに書き込んでおき、スイッチ510の選択に応じて各メモリに書き込めば、前述のガンマ補正特性が得られる。
【0079】
図18は、ガンマ制御511をマイクロコンピュータで構成した場合の動作フローチャートである。
701でスタートし、まず702でSWを読み取る。703で、読み取ったSWに応じたM21〜M35の値を、SWに応じた0付近のゲインGを用いて前述の式11、式12、式9、式10の演算により求めるか、あるいはあらかじめ計算した値をマイクロコンピュータ内のROMに書き込んでおき、これを読み出して、MWへ出力し、前述のようにメモリ625〜629、638〜642に書き込む。つぎに704でSW0=SWとし、705で再びSWを読み取り、706でSWとSW0を比較する。その結果同じであれば、705へ行き、以下これを繰り返す。また、706において異なっていれば、703に行き、再び読み取ったSWに応じたM21〜M35の値を求めMWへ出力し、704以下を繰り返す。
【0080】
図19は、ガンマ補正回路505の第2の詳細例を示す。前述の図と同一符号部は前図と同一又は同等部分を示す。入力信号は、前出図16の場合と同様にし処理されて、ガンマ補正出力信号yが形成される。また、入力端子608から入力されたガンマ特性制御信号MWに応じた値が、メモリ603〜607及び、625〜629、638〜642に書き込まれ、保持される。従って、図16の例に加えて、M11〜M15の値も可変することが出来る。これにより、ガンマ補正特性の可変の範囲を、さらに広げることが出来る。特に、図16の構成においてガンマ補正の特性を大きく可変した場合、M11〜M15が固定の場合、必要な特性が得られなかったり、乗算器630がオーバーフローしてしまう事がある。従って、必要な特性が得られ、また乗算器630がオーバーフローしないように、SWに応じてM11〜M15の値も可変するように構成する。
【0081】
上述実施例において、係数器611〜615、617〜621、631〜635は、乗算器630がオーバーフローしないように挿入してあるので、この値は例えば、1、2、3、4、8等の様に2のn乗の数あるいはこれらの2〜3程度の組み合わせで構成できるので、構成が非常に簡易である。また、これにより、回路規模の大きい乗算器630のダイナミックレンジが有効に利用できるので、乗算器630の入出力ビット数を小さく、回路規模を小さく構成できかつ、桁落ちによる誤差が生じにくくなる。また、逆に、十分に大きいダイナミックレンジを有する乗算器を用いた場合は、図16中及び図19中の係数器の一部又は全部が不要になる。
【0082】
また、図17において、ガンマ補正特性は入力の0から100%の範囲を示しているが、ニー特性と呼ばれている100%以上の特性も同様に実現できる。この時、メモリの値M11〜M35の設定により、SWに応じて、ニー特性を変化させたり、あるいは、SWを変えてもニー特性は余り変化しないようにするように構成することも可能である。
【0083】
また、前記実施例においては、ガンマ補正特性を、5つの曲線で形成するように構成したが、これに限らず、2以上の任意の曲線の切り変えによりこれを形成するように構成することが可能である。
【0084】
また、メモリ603〜607、625〜629、638〜642はガンマ特性制御により値を書き込むとしたが、あらかじめ複数の所定値を書き込んでおき、ガンマ制御信号MWに応じて、その内の1つを出力するように構成することも可能である。
【0085】
また、前記実施例においては、式1に表される関数を実現しているが、これに限らず、上に凸な特性を有する、種々の関数を切り替えることにより構成することも出来る。この場合、前述のように関数のつなぎ目において式7式8が成り立つように、関数内の定数を可変することにより、本発明の可変特性のガンマ補正回路を実現できる。
【0086】
図20は、本発明の他の実施例である。
801は撮像素子であるCCD、802は、CCD801の出力を連続化するサンプルアンドホールド、803は利得可変制御入力により利得可変が可能なアンプ、804は利得制御値G1を記憶するメモリ、805はADコンバータ、806は輝度信号を形成するローパスフィルタ、807は加算器、808は値L1を保持するメモリ、809はガンマ補正回路、810は加算器、811は値L2を保持するメモリ、812は乗算器、813は値G2を保持するメモリ、814は黒レベル及び白レベルのリミッタ、815はDAコンバータ、816はテレビ信号出力端子、817はメモリ804、808、811、813の値を制御する制御信号Sを発生するスイッチである。
【0087】
不図示の被写体像は、不図示の光学系を通して、CCD801の撮像面上に結像され光電変換され撮像信号になり、サンプルアンドホールド802により連続信号に変換され、アンプ803によりメモリ804に保持されている値G1に応じた利得で増幅し、ADコンバータ805によりデジタル撮像信号に変換される。
【0088】
このデジタル撮像信号は、ローパスフィルタ806により、輝度信号となり、その出力は、加算器807でメモリ808に保持されている値L1を加算し、その出力はガンマ補正回路809でガンマ補正を受け、その出力は加算器810でメモリ811に保持されている値L2を加算し、さらに乗算器812でメモリ813に保持されている値G2を乗じ、その出力はリミッタ814により、所定値以上低いレベル又は所定値以上高いレベルがリミットされ、DAコンバータ815でDA変換されビデオ信号になり、出力端子816より不図示のテレビジョン又はVTR等の外部機器に出力される。スイッチ817は、操作者によって選択された位置に応じてメモリ制御信号Sを発生し、メモリ804、808、811、813を制御し、保持する値を変化させる。このメモリ804、808、811、813の値を可変することにより、後述するように、総合的にガンマ補正特性を可変する。
【0089】
メモリ804、805、811、813は、ROMで構成して、所定値を書き込んでおきメモリ制御信号Sに応じて、その内の1つを出力するように構成するかあるいは、RAMで構成して、メモリ制御信号Sに応じて他のメモリに記憶されている値を書き込むように構成すればよい。
【0090】
また、ガンマ補正特性は、さらに細かく、もしくは連続的に変化することも可能である。この際は、スイッチ817をボリウム又はアップダウンスイッチとアップダウンカウンタで構成し、操作者がこれを操作して、必要なガンマ補正特性に調整するように構成すればよい。
【0091】
図21は、図20の動作説明図である。
(a)は、ガンマ補正回路809の入出力特性を示す。このガンマ補正回路809の特性は、B−D区間を使用すると、通常状態のガンマ補正特性が得られるように設定されており、A−D区間を使用すると通常よりも黒レベル付近のゲインが高く、白レベル付近のゲインが低く、通常より補正量が多い補正特性になり、C−D区間を使用すると、逆に、通常よりも黒レベル付近のゲインが低く、白レベル付近のゲインが高い、通常より補正量が少ない補正特性になる。また、D−E区間は、高輝度の圧縮特性であるニー特性になっている。
【0092】
まず、通常状態の特性を得る時は、G1を、CCD801の出力端子における、(100%ホワイトレベル)−(黒レベル)がガンマ補正回路809の入力において(x4−x2)となるようなゲインK1が得られる値に設定する。またL1をx2に、L2を−y2に、G2を(y4−y2)が出力端子816において(100%ホワイトレベル)−(黒レベル)になる値に設定する。このようにすると、CCD1の出力の黒レベルが、(a)の(x2,y2)を通り、出力端子816の黒レベルになり、CCD801の出力の100%ホワイトレベルが、(a)の(x4,y4)を通り、出力端子816の100%ホワイトレベルになる。従って、前述したように、ガンマ補正としては、B−D区間の特性を用い通常状態の補正特性が得られる。
【0093】
また、通常より補正量が多い補正特性を得る時は、G1を、CCD801の出力端子における、(100%ホワイトレベル)−(黒レベル)がガンマ補正回路809の入力において(x4−x1)となるようなゲインK2が得られる値に設定する。またL1をx1に、L2を−y1に、G2を(y4−y1)が出力端子816において(100%ホワイトレベル)−(黒レベル)になる値に設定する。このようにすると、CCD801の出力の黒レベルが、(a)の(x1,y1)を通り、出力端子816の黒レベルになり、CCD801の出力の100%ホワイトレベルが、(a)の(x4,y4)を通り、出力端子816の100%ホワイトレベルになる。従って、前述したように、ガンマ補正としては、A−D区間の特性を用い通常状態より補正量の多い補正特性が得られる。
【0094】
また、通常より補正量が少ない補正特性を得る時は、G1を、CCD801の出力端子における、(100%ホワイトレベル)−(黒レベル)がガンマ補正回路809の入力において(x4−x3)となるようなゲインK3が得られる値に設定する。またL1をx3に、L2を−y3に、G2を(y4−y3)が出力端子816において(100%ホワイトレベル)−(黒レベル)になる値に設定する。このようにすると、CCD801の出力の黒レベルが、(a)の(x3,y3)を通り、出力端子816の黒レベルになり、CCD801の出力の100%ホワイトレベルが、(a)の(x4,y4)を通り、出力端子816の100%ホワイトレベルになる。従って、前述したように、ガンマ補正としては、C−D区間の特性を用い通常状態より補正量の少ない補正特性が得られる。
【0095】
一般に、(a)の図において、入力信号の黒レベルをxとするとxが大きいほどガンマ補正量は少なく、xが小さいほどガンマ補正量は大きくなる。あるxに対して、L1、L2、G2及びアンプ803のゲインKの値を定めるためには、ガンマ補正回路809の入出力特性を関数f(x)、標準状態の黒レベルをx2、100%ホワイトのレベルをx4、この時のアンプ803のゲインをK1、G2の値をg2とすると、
K=g1*(x4−x)/(x4−x2)
L1=x
L2=−f(x)
G2=(f(x4)−f(x2))/(f(x4)−f(x))*g2
で求められる。したがって、前述のように連続的にガンマ補正特性を可変するには上式に従って、xをパラメータとしてK、L1、L2、G2の値を変化するように構成すればよい。
【0096】
(b)は上述の説明で得た、総合的なガンマ補正特性であり、横軸はCCD801出力、縦軸はDAコンバータ815出力である。同図において、曲線Fは、前述の通常状態より補正量の少ない特性、曲線Gは通常状態の特性、曲線Hは、通常状態より補正量の多い特性を示す。また、x6は100%ホワイトにおける値、x7は、CCD801飽和時における値を示す。前述のようにx6からx7までの間はニー特性を示している。この図より、黒レベル−100%ホワイトレベルの間のガンマ特性は、前述のように、G1、L1、L2、G2の値を換えることにより変化し、また、100%ホワイト以上のニー特性部分はガンマ特性の変化によってほとんど変化しない。
【0097】
ガンマ補正回路807において、ガンマ補正回路807が有する出力範囲のうち、実際に用いられる範囲は、図21(a)の様に狭くなることがある。この際、DAコンバータ815の変換ビット数をnとすると、ガンマ補正回路809の出力は、n+a(aは1〜3程度)bitの分解能を有するように構成することで、ガンマ補正時の桁落ちによる特性劣化が抑制できる。また、リミッタ814は、ノイズ等により、黒レベルより低い信号がガンマ補正回路に入力された場合、図21(a)の特性よりわかるように黒よりも低い出力が出てしまう、あるいは、逆の場合に、過度に大きい出力が出てしまうことを防ぐために設けてある。
【0098】
また、乗算器812及びメモリ813は、他の目的、例えば、信号レベルの調整、又は、信号を時間と共に可変するフェード機能等にも併用することが可能である。
【0099】
また、アンプ803は、低照度被写体を撮影したときにゲインを上げる自動利得制御アンプと併用する事も可能である。この場合、メモリ804の出力を、自動利得制御アンプの基準電圧に入力することによって、アンプ803のゲインを可変するよう構成することも可能である。
【0100】
また、前記実施例では、ガンマ補正特性を、通常状態よりも多くも少なくも補正する様に設定出来る様に構成したが、これは、これに限らず、どちらかのみでもよい。
【0101】
【発明の効果】
本発明によれば、ROMを用いないでガンマ回路が構成できるため、回路規模が減少でき、コストダウン、消費電力の削減、装置の小型化に大きな効果がある。
【0102】
また、関数の切り替え点において、値と傾きが一致しているため、切り替えによる画質劣化が生じない利点もある。
【0103】
さらに、乗算器の入力ビット数が入力信号のビット数よりも小さくてもよいため、回路規模が大幅に小型化される。
【0104】
また、回路をIC化する際はチップ面積を減少出来るので、低コスト化が可能になる。又、被写体や、撮影状態に応じてガンマ特性やニー特性を細かく可変する事が可能なので、常に最適な状態で撮影出来る。さらに、ガンマ特性とニー特性を1つの回路で実現出来るため、回路規模が減少する。
【0105】
本発明によれば、簡易な構成で、ガンマ補正特性を可変可能に構成できるため、撮影状態や撮影被写体に応じて、ガンマ補正特性を可変することが出来る。特に、係数項を変える事無く、加減算に用いる定数の可変で、ガンマ補正特性を広範囲に可変する事が出来、さらに、ROMテーブルを用いずに、回路規模の大きい乗算器を1つしか使用しないので、回路規模の増大無く、大きな可変効果を得ることが出来る。
【0106】
さらに本発明によれば、ニー特性をほとんど変化させないで、ガンマ補正特性を可変することが出来るので、ダイナミックレンジを損なわない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による撮像装置の第1の実施例を示す機能ブロック図である。
【図2】図1のガンマ回路の詳細を示す図である。
【図3】図1の実施例の動作を示す説明図である。
【図4】図1のガンマ回路の他の構成例を示す図である。
【図5】本発明による撮像装置の第2の実施例を示す機能ブロック図である。
【図6】図5のガンマ回路の詳細を示す図である。
【図7】図5の実施例の動作を示す説明図である。
【図8】図5の実施例の動作を示すフロー図である。
【図9】本発明の他の実施例を示す図である。
【図10】図9の動作説明図である。
【図11】図9のガンマ回路の詳細図である。
【図12】図11の動作説明図である。
【図13】図11の関数回路の詳細図である。
【図14】図13の動作説明図である。
【図15】本発明の実施例を示す図である。
【図16】図15の実施例中、ガンマ補正回路の詳細例を示す図である。
【図17】図16の動作説明図である。
【図18】ガンマ制御の動作を示すフローチャートである。
【図19】ガンマ補正回路の第2の詳細例を示す図である。
【図20】本発明の他の実施例を示す図である。
【図21】図20の動作説明図である。
【符号の説明】
5,13,34 ガンマ回路
39 マイクロコンピュータ
42,47,203,207 減算器
43,52,204,206,208,11,213 デコーダ
44,50,209 乗算器
51,205,210 係数器
53,212 加算器
57,202 コンパレータ
Claims (5)
- 撮像素子の出力信号をアンプする利得可変可能なアンプと、
前記アンプの出力をアナログディジタル変換したディジタル撮像信号に第1の値を加算する第1の加算器と、
前記第1の加算器の出力をガンマ補正するガンマ補正回路と、
前記ガンマ補正回路の出力に第2の値を加算する第2の加算器と、
前記第2の加算器の出力に第3の値を乗算する乗算器と、
前記アンプの利得、前記第1の値、前記第2の値、前記第3の値を制御する制御信号Sを発生するスイッチとを有し、
前記制御信号Sの値に応じて、前記アンプの利得、前記第1、第2および第3の値を可変し、ガンマ補正の特性を可変することを特徴とする撮像装置。 - 前記スイッチは操作者によって選択された位置に応じて前記制御信号Sを発生することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
- 前記スイッチはボリウム又はアップダウンスイッチとアップダウンカウンタで構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の撮像装置。
- 前記アンプの利得、前記第1、第2および第3の値に応じて、前記ガンマ補正回路の入出力特性のなかで補正に用いられる区間を変化させることにより、前記ガンマ補正の特性を可変することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の撮像装置。
- 前記乗算器の出力値として所定レベルより低い出力が外部に対して出ることを防止するリミッタをさらに有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の撮像装置。
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