JP3789210B2 - 画像表示装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、ドット・マトリックス型の画像表示装置、例えばプラズマ・ディスプレイ装置等であって、入力画像とは異なるアスペクト比率の表示画面を有するPDPに、上記の入力画像を表示するに際して、水平方向画素数、或いは垂直方向走査線数についての変換を行うようにした画像表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図12は、プラズマ・ディスプレイ・パネル(以降において、PDPと呼称する)の一例として面放電ACメモリ型の画像表示装置の概略構造を示す図である。PDPは背面パネル10と前面パネル20とを備えており、これらの両パネル10、20間には、例えば、ネオンガスとキセノンガスとの混合ガス等が充填された放電空間が形成される。
【0003】
前面パネル20は、ガラス基板29と、その一面上に対を成す電極素子X、Yとを備え、さらにガラス基板29の電極素子X、Yには誘電体層21及びMgO保護膜22が設けられている。これらの電極素子X、Yは、二本を一組としてPDPの1画面の全走査線数に相当する対数だけ形成されるものであって、全ての電極素子X、Yが走査線方向に互いに平行となるようにガラス基板29に配置されている。
【0004】
一方、背面パネル10は、Agペーストを用いた厚膜印刷法などの製法により、複数の書込み電極11がガラス基板19の一面上に形成されたものであって、これらの各書込み電極11は、いずれも電極素子X、Yに対して直交する方向に配置されるものである。
【0005】
面放電ACメモリ型のPDPは、書込み電極11と、対を成す電極素子X、Yとが交叉する交点で単位画素を構成するものである。対を成す一方の電極素子Xは、対応する画素の書込み放電及び維持放電に用いられ、走査維持電極と呼ばれる。また、対を成す他方の電極素子Yは、この画素の維持放電に用いられ、維持電極と呼ばれる。なお、この維持電極は共通電極とも呼ばれる。
【0006】
図において、背面パネル10のガラス基板19上には、書込み電極11と平行するリブ12が形成され、1画面を画素単位に区切るように構成されている。また、PDPの各画素をカラー表示させるためには、1つの画素が、赤、緑、青の各色に対応した3つのセルで構成される。これら3つのセルは、放電空間における放電によって発生する紫外線を赤、緑、青の可視光に変換するために、リブ12に挟まれた書込み電極11の上に、それぞれ赤、緑、青の各色蛍光体13を交互に塗布したものである。即ち、カラー表示用のPDPでは、赤、緑、青の各色蛍光体13を塗布した書込み電極11上で隣接する3つのセルによって1画素が構成されている。
【0007】
このようにしてPDPの表示画面の一水平走査線方向には、そこで表示可能な水平方向画素(水平画素)数に相当した数の画素が形成される。
【0008】
図13は、図12に示した従来のPDPについて、画像表示部(1画面)全体の構成を示す概略図である。図中のXq、Yq(qは整数、1≦q≦Q)は、図12に示す走査維持電極X、維持電極Yに対応するものである。ここで、QはPDPが表示する1画面における全走査線数を意味する。
【0009】
これらの電極素子X1〜XQ、Y1〜YQは、それぞれ背面パネル10の左端側、又は右端側から外部端子によってXY駆動部(図示せず)と接続される。
【0010】
一方、図中のWp(pは整数、1≦p≦P)は、1画面に配置された各書込み電極であり、図12に示す書込み電極11に対応するものである。ここで、PはPDPの表示画面の1水平走査線方向に配置された画素数を意味する。なお、カラー表示のPDPでは、1水平走査線当たりのPの値は画素数の3倍の値であるが、以降の説明を簡単化するために、Pは1水平走査線当たりの画素数であるものとする。
【0011】
各書込み電極W1〜WPはそれぞれ、1画面の下端から上端まで一続きの電極構造を呈した書込み電極である。これらの書込み電極Wpはそれぞれ背面パネル10の上端側、又は下端側の外部端子によって書込み駆動部(図示せず)と接続される。
【0012】
次に、PDPの放電動作について説明する。PDPの基本的な放電動作は、書込み放電と維持放電とに大別される。
【0013】
書込み放電では、走査維持電極Xqと書込み電極Wpとの間で放電を発生させるための、各走査維持電極X1〜XQから線順次に1走査線毎の走査維持電極が選択される。この時、該1走査線上の各画素に対応した書込み電極W1〜WPは、該各画素の表示データに応じて、データ「1」又は「0」を書込み、各画素が発光又は非発光の状態を表わす放電を行うものである。このような走査線毎の線順次の書込み放電により、1画面を構成する全ての画素について書込み放電を行う。
【0014】
維持放電では、各走査維持電極X1〜XQと各維持電極Y1〜YQとの間に印加する維持パルスによって、1画面の全画素について同時に放電を発生させる。しかし、この維持放電によっては、上記書込み放電において例えばデータ「1」が書込まれた画素の発光が維持されるだけである。
【0015】
次に、PDPで多階調表示を行うための駆動制御方法について説明する。PDPは、本来、オンとオフによる2値表示の発光素子であり、TV用途等に必要とされる多階調表示のPDPを提供するためには、1フィールドの時間を複数のサブフィールドに分割して、各サブフィールド毎に表示(発光)する時間長を異ならせることが必要となる。
【0016】
例えば、各サブフィールドの表示時間の相対比を1対2対4対8…というように、2のべき乗の規則で異ならせておき、各画素について、サブフィールドごとに発光させるか、発光させないかを選択することによって、階調表示を行うことができる。
【0017】
図14は、1フィールドにおける発光シーケンスの一例を模擬的に示す図である。同図では、1フィールドを8つのサブフィールドSF0〜SF7に分割した様子を示している。各サブフィールドは、書込み放電期間及び維持放電期間により構成される。
【0018】
各サブフィールドの発光時間の相対比、即ち、維持放電期間の相対比は、1対2対4対8対16対32対64対128になっており、これらの発光、非発光の組み合わせにより256の階調表示が選択できる。なお、上記の発光、非発光の組合わせは、書込み放電期間におけるデータ書込みの有無により制御される。
【0019】
例えば、127という階調を表示する場合には、SF0からSF6までの期間を発光させ、SF7には非発光にする。人間の目は、1フィールド以内での光の点滅には反応しないで時間方向の積分効果を有するために、サブフィールドSF0からSF6の発光が人間の目により積分され、あたかも127という階調が表示されたかのように知覚される。
【0020】
このようにPDPでは、表示画面における個々の画素に対して、各サブフィールド毎に発光又は非発光となるように制御を行って、画像を階調表示できる。
【0021】
図15は、従来の画像表示装置の表示変換を説明する図である。
【0022】
ここで、入力画像とは異なるアスペクト比率の表示画面を有するPDPについて説明する。画像のアスペクト比率が4:3の入力画像を、表示画面のアスペクト比率が4:3のPDPに表示する場合は、何の問題もない。画像のアスペクト比率が4:3の入力画像の一例として、水平方向画素数H(=640)、垂直方向走査線数V(=480)のVGA信号を考える。このVGA信号により、アスペクト比率が4:3のPDPに画像を表示するとき、Q=480、P=640の表示画面のPDPであれば何ら問題がない。なお、図15ではPDPの表示画面の1つ1つの画素の配置ピッチ形状が、正方形ピッチであるものと仮定されている。
【0023】
しかし、Q値は480であるが、水平画素数であるP値が853(853=640×16/12)であるアスペクト比率が16:9のPDPにおいて、アスペクト比率が4:3で、垂直走査線数480、水平画素数640の入力画像を、16:9のPDPのワイド表示画面いっぱいに表示しようとすると、入力画像の水平画素数、或いは垂直走査線数を何らかの方法で変換して、このPDPのP=853、Q=480の表示画面にほぼ合致させる必要が生じる。
【0024】
画像変換の一例を、図15を用いて説明する。まず、4:3(=12:9)のVGA入力画像の水平方向の値「12」に相当する水平画素数640、及び垂直方向の値「9」に相当する垂直走査線数480を、各々16/12倍に拡大して、ほぼ水平画素数P=853、垂直走査線数Q=640に変換する。つぎに、垂直方向についてのみ、16/12倍して求めた上記640本の走査線数の中から、例えば画面上端及び画面下端に位置する各80本を除いた、Q=480の垂直走査線数を用いる。
【0025】
その結果、垂直走査線数Q=480、水平画素数P=853を持つPDPの画面いっぱいに、画像の真円度を保ちながらアスペクト比率16:9のワイド画面上に入力画像を表示することができる。しかしながら、元の4:3(=12:9)のVGA入力画像の全走査線数480の中の120(=2×80×12/16)本分、即ち約25%分の走査線は、PDPのワイド画面には表示されずに捨てられている。
【0026】
【発明が解決しようとする課題】
以上のように、PDPのような画像表示装置では、表示画面を構成する個々の画素が発光(オン)又は非発光(オフ)となるように入力画像のデータに基づいて制御して、各画素を駆動して画像を表示するようにしている。そのため、入力画像とは異なるアスペクト比率の表示画面を有するPDPでは、表示された画像は入力された水平画素数、或いは垂直走査線数を損じるものとなる。また、従来の画像変換によっては、入力画像の真円度を損ねる画像しか表示できないという問題もあった。
【0027】
この発明は、上述のような問題点を解決するためになされたもので、入力画像とは異なるアスペクト比率の表示画面を有するPDPであっても、該PDPの表示画面における水平画素数、或いは垂直走査線数にほぼ合致させる倍率値で表示変換することで、元の入力画像の水平画素数、或いは垂直走査線数を損じることなしに画像表示ができ、しかも、入力画像の真円度を損ねないようにした画像表示装置を提供することを目的とする。
【0028】
【課題を解決するための手段】
この発明の請求項1に係る画像表示装置は、一水平走査線内にP個の画素を含み、Q本の走査線から構成される表示画面と、P或いはQと、入力画像の一水平走査線内の有効水平画素数のうち表示画面に表示する画素数H(≠P)、或いは有効垂直走査線数のうち表示画面に表示する走査線数V(≠Q)と、入力画像を走査線方向、或いは、走査線とは垂直な方向に均等の領域bi(iは、1からBまでの整数)に分割した分割数Bと、隣接する前記領域間の倍率の差gとから求まる各領域biの変換倍率ki(iは、1からBまでの整数)を予め定めておき、各領域bi毎に入力画像を倍率ki倍に変換して表示する表示変換手段とを備え、表示変換手段から出力された入力画像を表示画面に画面表示するものである。
【0029】
この発明の請求項2に係る画像表示装置では、PとH、又はQとVによって一意的に定まる変換率P/H、又はQ/VをEとして、分割数Bを2以上の偶数に設定したときには、変換倍率kiの最大値を{E+(B−2)g/4}に、変換倍率kiの最小値を{E−(B−2)g/4}に設定し、分割数Bを3以上の奇数に設定したときには、変換倍率kiの最大値を{E+(B−3)g/4}に、変換倍率kiの最小値を{E−(B−3)g/4}に設定するものである。
【0030】
この発明の請求項3に係る画像表示装置は、一水平走査線内にP個の画素を含み、Q本の走査線から構成される表示画面と、P或いはQと、入力画像の一水平走査線内の有効水平画素数のうち表示画面に表示する画素数H(≠P)、或いは有効垂直走査線数のうち表示画面に表示する走査線数V(≠Q)と、入力画像を走査線方向、或いは、走査線とは垂直な方向に均等の領域bi(iは、1からBまでの整数)に分割した分割数Bとから、その総和がPとH、又はQとVによって一意的に定まる変換率P/H、又はQ/Vに等しいEと分割数Bとを乗算したE×Bの値にほぼ等しくなるように各領域biの変換倍率kiを予め定めておき、各領域bi毎に入力画像を倍率ki倍に変換して表示する表示変換手段とを備え、表示変換手段から出力された入力画像を表示画面に画面表示するものである。
【0031】
この発明の請求項4に係る画像表示装置では、分割数Bを2以上の偶数に設定したときには、画素数Hを左右にほぼ2等分する境界線L1に対して左右対称を成し、あるいは、走査線数Vを上下にほぼ2等分する境界線L2に対して上下対称を成すように各領域bi毎に倍率値kiを設定したものである。
【0032】
この発明の請求項5に係る画像表示装置では、分割数Bを3以上の奇数に設定したときには、画素数Hを左右にほぼ2等分する境界線L1にまたがる、あるいは、走査線数Vを上下にほぼ2等分する境界線L2にまたがる(B+1)/2番目の領域の倍率値がk0に設定されるとともに、(B+1)/2番目の領域を除いた残りの領域bi(1≦i≦(B−1)/2、(B+3)/2≦i≦B)については、境界線L1に対して左右対称を成し、あるいは、境界線L2に対して上下対称を成すように各領域bi毎に倍率値ki(1≦i≦(B−1)/2、(B+3)/2≦i≦B)を設定したものである。
【0033】
この発明の請求項6に係る画像表示装置では、表示画面は、その幅寸法w、高さ寸法h、及び画素毎の配置ピッチ形状に基づいて、一水平走査線方向の画素数P、及び走査線の本数Qが定められているものである。
【0034】
この発明の請求項7に係る画像表示装置は、表示画面が、16:9のプラズマ・ディスプレイ・パネルである。
【0035】
この発明の請求項8に係る画像表示装置では、プラズマ・ディスプレイ・パネルは、対をなして走査線方向に配置された電極素子を、走査線と交叉する方向に複数配置した一方の電極と、電極素子と交叉する方向に、走査線上の各画素に対応して複数配置した他方の電極と、一方の電極を駆動制御する第一の駆動手段と、他方の電極を駆動制御する第二の駆動手段とを備え、表示変換手段からの画像データについて第一駆動手段及び第二駆動手段を駆動制御して、画面表示を行うものである。
【0036】
【発明の実施の形態】
以下、添付した図面を参照して、この発明の実施の形態を説明する。
【0037】
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1である画像表示装置全体の概略構成を示すブロック図である。図において、1は例えばアスペクト比率4:3のアナログ入力画像が供給される信号入力端子、2は同期信号を入力する入力端子、3は信号入力端子1に入力されたアナログ入力画像をディジタル信号に変換するためのA/D変換部である。
【0038】
31はワイド表示するための表示変換部であり、ディジタル化された入力画像における水平画素数、或いは垂直走査線数を所定の倍率で変換した画像データを作成することによって、アスペクト比率が16:9のワイド表示画面に対応する画素数、或いは走査線数にほとんど合致する表示を可能にするものである。
【0039】
4は画像記憶手段としてのフレームメモリ部であり、表示変換部31で変換した画像データを2フレーム分記憶することができる。このフレームメモリ部4に記憶される画像データは、各データが各画素の表示階調である輝度に対応し、その各ビットb0〜b7が、サブフィールドのSF0〜SF7にそれぞれ対応している。
【0040】
51は第二の駆動手段としての書込み駆動部(W駆動部)であり、書込み放電期間においてフレームメモリ部4から読み出したデータを、後述の制御部6の出力信号に基づいて、PDP7に書込みを行う。
【0041】
52は第一の駆動手段としてのXY駆動部であり、書込み放電及び維持放電において後述の制御部6の出力信号に基づいて、電極素子X、Yを駆動する。6は制御部であり、同期信号を基準としてA/D変換部3、表示変換部31、フレームメモリ部4、書込み駆動部51及びXY駆動部52を制御する。7はワイドアスペクトのPDPであり、表示するアスペクト比率が16:9、水平画素数がP、垂直走査線数がQ、1画素毎の配置ピッチ形状が正方形をなしている。
【0042】
次に、この画像表示変換装置の表示変換部31において、信号入力端子1に供給されたアスペクト比率4:3の画像信号の水平画素数、或いは垂直走査線数を、アスペクト比率16:9のPDP7のワイド表示画面に対応した水平画素数、或いは垂直走査線数に変換する方法について説明する。
【0043】
図2は、この発明の実施の形態1の表示変換における倍率値設定を説明する図である。
【0044】
図2の例は、ワイド表示に変換するための倍率値として、主に画面の中央部付近に位置する画像についてはあまり大きな倍率では変換せず、画面の両側付近に位置する画像については中央部に比して大きな倍率値で変換を行う場合である。
【0045】
信号入力端子1に供給されたアスペクト比率4:3の画像信号は、A/D変換部3において所定のサンプリングクロックで例えば8ビットのディジタル信号に変換される。入力された画像信号の1水平走査期間及び1垂直走査期間からそれぞれ、水平ブランキング期間及び垂直ブランキング期間を除いた期間にほぼ相当する有効水平画素数、及び有効垂直走査線数を、アスペクト比率4:3の入力画像の情報として使う。以下の説明では、信号入力端子1に供給されたアスペクト比率4:3の入力画像の1画面において、有効水平画素数を720、有効垂直走査線数を483とする。
【0046】
表示変換部31では、入力した画像データにおける720の有効水平画素数に対して、約5%のオーバースキャンを考慮し、実際に使用する水平画素数をH=688とする。また、483の有効垂直走査線数に対して、約12%のオーバースキャンを考慮し、実際に使用する垂直走査線数をV=432とする。図2(a)には、アスペクト比率4:3の入力画像における、上記H=688及びV=432を模擬的に表示した1画面を示す。
【0047】
図2(c)及び(e)はアスペクト比率が16:9のPDP7の表示画面における、水平画素数P=858、垂直走査線数Q=483を示す。
【0048】
まず、図2(a)に示す水平画素数H=688を、図2(c)の水平画素数P=858に変換する方法について、図2(b)を用いて説明する。
【0049】
表示変換部31では、入力画像を水平方向にB個(この分割数Bは2以上の偶数であって、図2では8)の領域bi(1≦i≦8)に均等分割する。各領域biには、それぞれほぼ均等な水平画素数C=H/Bが対応する。また、各領域biには、それぞれ所定の倍率値ki(1≦i≦8)として、互いに一定値g(>0)ずつ異なり、最大値maxHから最小値minHまで変化する値が割当てられる。
【0050】
これらの倍率値kiは、688本の水平画素数を左右にほぼ2等分する境界線L1に対して、左右対称の値に設定される。
【0051】
このとき、水平画素数H=688を表示画面の水平画素数P=858に変換する変換率Eは、E=P/H=858/688として一意的に定めることができる。
【0052】
以上の変換率E=P/H、分割数B、及び一定値gと、倍率の最大値maxH及び最小値minHとの関係を式で表わすと、次の式 (1),(2)となる。但し、分割数Bは2以上の偶数であって、A=B/2である。
【0053】
E=(maxH+minH)/2なので、maxH+minH=2Eとなる。また、maxH−minH=(B/2−1)g=(B−2)g/2、故に、
maxH=E+(B−2)g/4=k1 …式 (1)
minH=E−(B−2)g/4=kA …式 (2)
従って、分割数B及び一定値gが決まれば、上式 (1),(2)より、倍率値k1〜kBが決定できる。
【0054】
そこで、以下では分割数Bに、B=8を当てはめて考察する。各領域bi(1≦i≦8)に該当する画素数は、それぞれ均等数C=H/B=688/8=86となる。そして、各領域biに割当てる倍率値kiは、水平画素数を左右にほぼ2等分する境界線L1に対して、左右対称の値に設定される。即ち、
領域b1の倍率値k1=領域b8の倍率値k8=最大値maxH、
k2=k7、
k3=k6、
領域b4の倍率値k4=領域b5の倍率値k5=最小値minH
となる。
【0055】
ここで、g=1/6に設定すると、変換率E=858/688による各倍率値k1〜k8は次のようになる。
【0056】
式 (1)より、k1=E+(8−2)×1/6×1/4≒1.5=9/6=k8、式 (2)より、k4=E−(8−2)×1/6×1/4≒1.0=6/6=k5、また、k2=k7=k1―1/6=8/6、k3=k6=k2−1/6=7/6となる。
【0057】
元の入力画像を、これらの倍率値k1(またはk8)〜k4(またはk5)により変換することで、各領域b1(b8)〜b4(b5)における画素数C=86が、それぞれ次のような画素数となる。
【0058】
領域b1及びb8:86×9/6=129
領域b2及びb7:86×8/6=114.7≒114
領域b3及びb6:86×7/6=100.3≒100
領域b4及びb5:86×6/6=86
これらの画素数を合計すると、2×(129+114+100+86)=858になる。即ち、この画素数は、16:9の表示アスペクト比率を持つPDP7の表示画面における水平画素数P=858に等しい。
【0059】
このように、表示変換部31における元の入力画像の水平画素数H=688に対する水平方向の伸長率heは、he=4/3×有効画素数/表示画素数×ki=4/3×720/858×ki≒1.1×kiとなる。従って、アスペクト比率16:9のPDP7の1画面上の中央部に位置する領域b4及びb5における倍率値がk4=k5=6/6=1であることから、元の入力画像に対する表示時の水平方向の伸長率heは1.1倍になる。
【0060】
次に、図2(a)に示す垂直走査線数V=432を、図2(e)の垂直走査線数Q=483に変換する方法について、図2(d)を用いて説明する。
【0061】
表示変換部31では、前述の水平方向の場合と同様に、入力画像を垂直方向にB個(この分割数Bも2以上の偶数であって、図2では4)の領域bi(1≦i≦4)に均等分割する。各領域biは、それぞれ均等な走査線数C=V/Bが対応する。また、各領域biには、それぞれ所定の倍率値ki(1≦i≦4)として、互いに一定値g(>0)ずつ異なり、最大値maxVから最小値minVまで変化する値が割当てられる。
【0062】
また、これらの倍率値kiは、432本の走査線数を上下に2等分する境界線L2に対して、上下対称の値に設定される。
【0063】
このとき、垂直走査線数V=432を表示画面の垂直走査線数Q=483に変換する変換率Eは、E=Q/V=483/432として一意的に定めることができる。
【0064】
以上の変換率E=Q/V、分割数B、及び一定値gと、倍率の最大値maxV及び最小値minVの関係を式として表わすと、次の式 (3),(4)となる。但し、分割数Bは2以上の偶数であって、A=B/2である。
【0065】
E=(maxV+minV)/2なので、maxV+minV=2Eとなる。また、maxV−minV=(B/2−1)g=(B−2)g/2、故に
maxV=E+(B−2)g/4=k1 …式 (3)
minV=E−(B−2)g/4=kA …式 (4)
即ち、水平方向の場合の式 (1),(2)と同様の式が得られる。従って、分割数B及び一定値gが決まれば、上式 (3),(4)より、倍率値k1〜kBが決定できる。
【0066】
そこで、以下では分割数Bに、B=4を当てはめて考察する。各領域bi(1≦i≦4)に該当する走査線数は、それぞれ均等数C=V/B=432/4=108となる。そして、各領域biに割当てる倍率値kiは、垂直走査線数を上下にほぼ2等分する境界線L2に対して、上下対称の値に設定される。即ち、
領域b1の倍率値k1=領域b4の倍率値k4=最大値maxV、
領域b2の倍率値k2=領域b3の倍率値k3=最小値minV
となる。
【0067】
ここで、g=1/12に設定すると、変換率E=483/432による各倍率値k1〜k4は次のようになる。
【0068】
式 (3)より、k1=E+(4−2)×1/12÷4=1.16≒14/12=k4、式 (4)より、k2=E−(4−2)×1/12÷4=1.08≒13/12=k3となる。
【0069】
元の入力画像を、これらの倍率値k1(或いはk4)、k2(或いはk3)により変換することで、各領域b1(或いはb4)、b2(或いはb3)における走査線数C=108が、それぞれ次のような走査線数となる。
【0070】
領域b1及びb4:108×14/12=126
領域b2及びb3:108×13/12=117
これらの走査線数を合計すると、2×(126+117)=486になる。この走査線数は、16:9の表示アスペクト比率を持つPDP7の表示画面における垂直走査線数Q=483にほぼ等しい。
【0071】
このように、表示変換部31における元の入力画像の垂直走査線数V=483に対する垂直方向の伸長率veは、ve=有効走査線数/表示走査線数×ki=483/483×ki=1.0×kiとなる。従って、アスペクト比率16:9のPDP7の1画面上の中央部に位置する領域b2及びb3における倍率値がk2=k3=13/12であることから、元の入力画像に対する表示時の垂直方向の伸長率veは1.1倍になる。
【0072】
以上より、アスペクト比率16:9のPDP7の1画面上の中央部では、水平方向の伸長率はhe=1.1倍であり、垂直方向の伸長率もve=1.1倍であるので、ve/he×100=100%となる。即ち、元の入力画像の真円度をほぼ完全に満たした、ワイド画面表示が実現できる。
【0073】
以上に述べたように、入力画像の水平画素数H及び垂直走査線数Vを、アスペクト比率が異なるPDP7の表示画面における画素数P及び走査線数Qに変換するための倍率値が決定される。このプロセスは、図3のフローチャートに示す通りである。
【0074】
図3において、表示変換部31で分割値Bを2以上の偶数に設定する(ステップST1)と、変換率E(=P/H、又はQ/V)が一意的に定まる(ステップST2)。次に、一定値「g」の値を決める(ステップST3)と、倍率値kiの最小値(minH又はminV)と最大値(maxH又はmaxV)とが定まり(ステップST4)、全ての倍率値kiが決定できる(ステップST5)。
【0075】
表示変換部31では、以上の倍率値kiに基づいて、入力画像の各領域における画素数、或いは走査線数を変換して、PDP7の表示画面の所定の画素数P、或いは所定の走査線数Qにほぼ合致した画像データを出力する。表示変換部31の構成としては、補間による画素数、或いは走査線数の変換の方法が一般的であるが、必ずしもこの方法に限るものではなく、どのような方法であってもよい。
【0076】
以上で述べた表示変換部31からの画像データは、フレームメモリ部4で2フレーム分記憶される。フレームメモリ部4は2つのフレームメモリを持っており,入力された信号は、1フレーム毎に1フレーム目のメモリと2フレーム目のメモリに交互に書込まれる。
【0077】
サブフィールドSF0の書込み放電は次のように行われる。制御部6によりフレームメモリ部4が制御され、ビットb0のデータがフレームメモリ部4から読み出される。この場合、2フレーム分あるメモリのうち、書込み動作が行われていないフレームメモリから読み出される。
【0078】
読み出されたデータは書込み駆動部51を通して、PDP7に書込まれる。AC型PDPの場合には、書込まれたデータは、パネルのメモリ効果によって、1画面全体のデータが順次PDP7に書込まれる間は保持される。そして、制御部6によってXY駆動部52を制御することによって、PDP7への維持放電が行われ、ビットb0の表示データ「1」が書込まれた画素だけが発光を行う。
【0079】
以下、SF1〜SF7の書込み放電についても同様にして、フレームメモリ部4から読み出された対応するビットb1〜b7が、書込み駆動部51を経由してPDP7に書込まれ、XY駆動部52による維持放電において、サブフィールドSF0の場合のそれぞれ2倍〜128倍の時間の発光を行う。
【0080】
実施の形態2.
実施の形態1では、分割数Bを偶数とした場合を示したが、分割数Bが奇数の場合であってもよい。なお、画像表示装置の全体構成及び動作は、図1と同じである。
【0081】
この画像表示装置の表示変換部31において、信号入力端子1に供給されたアスペクト比率4:3の画像信号の水平画素数H、或いは垂直走査線数Vを、16:9の表示アスペクト比率を持つPDP7のワイド表示画面に対応した水平画素数P、或いは垂直走査線数Qに変換する方法について説明する。
【0082】
図4は、この発明の実施の形態2の表示変換における倍率値設定を説明する図である。
【0083】
同図(a)には、アスペクト比率4:3の入力画像における、H=686及びV=430を模擬的に表示した1画面を示している。
【0084】
図4(c)及び(e)は、アスペクト比率が16:9のPDP7の表示画面における、水平画素数P=858、垂直走査線数Q=483を示す。
【0085】
まず、図4(a)に示す水平画素数H=686を、図4(c)の水平画素数P=858に変換する方法について、図4(b)を用いて説明する。
【0086】
表示変換部31では、入力画像を水平方向にB個(分割数Bは3以上の奇数であって、図4では7)の領域bi(1≦i≦7)に均等分割する。各領域biには、それぞれほぼ均等な画素数C=H/Bが対応する。また、各領域biには、それぞれ所定の倍率値ki(1≦i≦7)が、次の様に割当てられる。
【0087】
まず、水平画素数Hを左右にほぼ2等分する境界線L1にまたがる(B+1)/2番目の領域には、倍率値として所定の値k0を割り当てる。この倍率値k0が割当てられた(B+1)/2番目の領域では、元の画素数C=H/BがC×k0個の画素に変換される。
【0088】
つぎに、残りの領域bi(1≦i≦(B−1)/2、(B+3)/2≦i≦B)に対応する倍率値ki(1≦i≦(B−1)/2、(B+3)/2≦i≦B)としては、隣接する領域のそれぞれの倍率値同士が一定値g(>0)ずつ異なり、最大値maxHから最小値minHまで変化するように割当て、かつ、これら倍率値kiが、前述した境界線L1に対して左右対称になるように設定される。
【0089】
即ち、(B+1)/2番目以外の領域biの倍率値kiは、水平画素数H(=B×C=686)から(B+1)/2番目の領域に含まれる画素数C(=H/B)を差し引いた画素数(H−C)を、(P−C×k0)に変換するものとして設定されることになる。
【0090】
従って、これら残りの領域biの倍率値kiに基づいて変換される水平画素数の変換率は、E=(P−C×k0)/(H−C)である。
【0091】
以上の変換率E、分割数B、及び一定値gと、最大値maxH及び最小値minHとの関係を式で表わすと、次の式 (5),(6)となる。但し、分割数Bは3以上の奇数であって、A=(B−1)/2である。
【0092】
E=(maxH+minH)/2なので、maxH+minH=2E
また、maxH−minH={(B−1)/2−1}g=(B−3)g/2
故に
maxH=E+(B−3)g/4=k1 …式 (5)
minH=E−(B−3)g/4=kA …式 (6)
従って、分割数B及び一定値gが決まれば、上式 (5),(6)より、倍率値k1〜kBが決定できる。
【0093】
そこで、以下では分割数Bに、B=7を当てはめて考察する。各領域bi(1≦i≦7)に該当する画素数は、それぞれ均等数C=H/B=686/7=98となる。そして、境界線L1にまたがる(B+1)/2番目、即ち、4番目の領域b4には、倍率値k4として値k0を割り当てる。また残りの領域b1〜b3及びb5〜b7の倍率値は、領域b1の倍率値k1=領域b7の倍率値k7=最大値maxH、k2=k6、k3=k5=最小値minHとなる。そして、水平画素数H(=B×C=686)から(B+1)/2番目、即ち4番目の領域b4に含まれる画素数C(=H/B=686/7=98)を差し引いた画素数(=H−C)を、これら倍率値k1〜k3,k5〜k7により(P−C×k0)個の画素に変換するようにしている。
【0094】
ここで、所定の値k0を1と設定した場合に、残りの領域biの倍率値kiに基づいて変換される水平画素数の変換率Eは、(P−C)/(H−C)=(858−98)/(686−98)=760/588となる。
【0095】
次に、g=2/10に設定すると、変換率E=760/588による各倍率値は次のようになる。
【0096】
式 (5)より、k1=E+(7−3)×2/10÷4≒1.5=15/10=k7、式 (6)より、k3=E−(7−3)×2/10÷4≒1.1=11/10=k5、また、k2=k6=k1―2/10=13/10となる。
【0097】
元の入力画像を、これらの倍率値k1〜k7により変換することで、領域b1〜b7における画素数C=98が、それぞれ次のような画素数となる。
【0098】
領域b1及びb7:98×15/10=147
領域b2及びb6:98×13/10=127.4≒127
領域b3及びb5:98×11/10=107.8≒107
領域b4 :98×1=98
これらの画素数を合計すると、2×(147+127+107)+98=860になる。この画素数は、16:9の表示アスペクト比率を持つPDP7の表示画面における水平画素数P=858にほぼ等しい。
【0099】
このように、表示変換部31における元の入力画像の水平画素数H=686に対する水平方向の伸長率heは、he=4/3×有効画素数/表示画素数×ki=4/3×720/860×ki≒1.1×kiとなる。従って、アスペクト比率16:9のPDP7の1画面上の中央部に位置する領域k4における倍率値がk4=k0=1であることから、元の入力画像に対する表示時の水平方向の伸長率heは1.1倍になる。
【0100】
次に、図4(a)に示す垂直走査線数V=430を、図4(e)の垂直走査線数Q=483に変換する方法について、図4(d)を用いて説明する。
【0101】
表示変換部31では、前述の水平方向の場合と同様に、入力画像を垂直方向にB個(この分割数Bも3以上の奇数であって、図4では5)の領域bi(1≦i≦5)に均等分割する。各領域biには、それぞれほぼ均等な走査線数C=V/Bが対応する。また、各領域biには、それぞれ所定の倍率値ki(1≦i≦5)が、次の様に割当てられる。
【0102】
まず、垂直走査線数Vを上下にほぼ2等分する境界線L2にまたがる(B+1)/2番目の領域の倍率値として、所定の値k0を割り当てる。この倍率値k0が割当てられた(B+1)/2番目の領域では、元の走査線数C=V/BがC×k0本の走査線に変換される。
【0103】
つぎに、残りの領域bi(1≦i≦(B−1)/2、(B+3)/2≦i≦B)に対応する倍率値ki(1≦i≦(B−1)/2、(B+3)/2≦i≦B)としては、隣接する領域のそれぞれの倍率値同士が一定値g(>0)ずつ異なり、最大値maxVから最小値minVまで変化するように割当て、かつ、これら倍率値kiが、前述した境界線L2に対して上下対称になるように設定される。
【0104】
即ち、(B+1)/2番目以外の領域biの倍率値kiは、垂直走査線数V(=B×C=430)から(B+1)/2番目の領域に含まれる走査線数C(=V/B)を差し引いた走査線数(V−C)を、(Q−C×k0)に変換するものとして設定されることになる。
【0105】
従って、これら残りの領域biの倍率値kiに基づいて変換される垂直走査線数の変換率は、E=(Q−C×k0)/(V−C)となる。
【0106】
以上の変換率E、分割数B、及び一定値gと、最大値maxH及び最小値minHとの関係を式で表わすと、次の式 (7),(8)となる。但し、分割数Bは3以上の奇数であって、A=(B−1)/2である。
【0107】
E=(maxV+minV)/2なので、maxV+minV=2E
また、maxV−minV={(B−1)/2−1}g=(B−3)g/2
故に
maxV=E+(B−3)g/4=k1 …式 (7)
minV=E−(B−3)g/4=kA …式 (8)
従って、分割数B及び一定値gが決まれば、水平方向での画素数の変換の場合と同様に、上式 (7),(8)より、倍率値k1〜kBが決定できる。
【0108】
そこで、以下では分割数Bに、B=5を当てはめて考察する。各領域bi(1≦i≦5)に該当する走査線数はそれぞれ均等数C=V/B=430/5=86となる。そして、境界線L2にまたがる(B+1)/2番目、即ち、3番目の領域b3には、倍率値として値k0を割り当てる。また、残りの領域b1、b2、b4、b5の倍率値は、領域b1の倍率値k1=領域b5の倍率値k5=最大値maxV、k2=k4=最小値minVとなる。そして、垂直走査線数V(=B×C=430)から3番目の領域b3に含まれる走査線数C(=86)を差し引いた走査線数(=V−C)を、これら倍率値k1,k2,k4,k5により(Q−C×k0)本の走査線に変換するようにしている。
【0109】
ここで、所定の値k0を1と設定した場合に、残りの領域biに基づいて変換される垂直走査線数の変換率Eは、(Q−C)/(V−C)=(483−86)/(430−86)=397/344となる。
【0110】
次に、g=1/10に設定すると、変換率E=397/344による各倍率値は次のようになる。
【0111】
式 (7)より、k1=E+(5−3)×1/10÷4≒1.2=12/10=k5、式 (8)より、k2=E−(5−3)×1/10÷4≒1.0=11/10=k4となる。
【0112】
元の入力画像を、これらの倍率値k1〜k5により変換することで、領域b1〜b5における走査線数C=86が、それぞれ次のような走査線数となる。
【0113】
領域b1及びb5:86×12/10=103.2≒103
領域b2及びb4:86×11/10=94.6≒95
領域b3 :86×1=86
これらの走査線の本数を合計すると、2×(103+95)+86=482になる。この走査線数は、16:9の表示アスペクト比率を持つPDP7の表示画面における垂直走査線数Q=483にほぼ等しい。
【0114】
このように、表示変換部31における元の入力画像の垂直走査線数V=483に対する垂直方向の伸長率veは、ve=有効走査線数/表示走査線数×ki=483/483×ki=1×kiとなる。従って、アスペクト比率16:9のPDP7の1画面上の中央部に位置する領域k3における倍率値はk3=k0=1となることから、元の入力画像に対する表示時の垂直方向の伸長率veは1倍になる。
【0115】
以上より、アスペクト比率16:9のPDP7の1画面上の中央部では、水平方向の伸長率はhe=1.1倍であり、垂直方向の伸長率もve=1倍であるので、ve/he×100=91%である。これは、上述の実施の形態1に比べると、やや真円度は劣るものの、ほとんど違和感無くワイド画面表示が実現できる。
【0116】
以上に述べたように、入力画像の水平画素数H及び垂直走査線数Vを、アスペクト比率が異なるPDP7の表示画面における画素数P及び走査線数Qに変換するための倍率値が決定される。このプロセスは、図5のフローチャートに示す通りである。
【0117】
図5において、表示変換部31で分割値Bをまず3以上の奇数に設定して(ステップST21)、k0を決定する(ステップST22)と、変換率E(=(P−C×k0)/(H−C)、又は(Q−C×k0)/(V−C))が一意的に定まる(ステップST23)。そこで、次に一定値「g」の値を決める(ステップST24)と、倍率値kiの最小値(minH、又はminV)と最大値(maxH、又はmaxV)とが定まり(ステップST25)、全ての倍率値kiが決定できる(ステップST26)。
【0118】
実施の形態3.
実施の形態1では、表示変換部31で設定される各領域biのそれぞれの倍率値kiが、最大値{E+(B−2)g/4}から最小値{E−(B−2)g/4}まで一定値g(>0)ずつ異なるようしている。しかし、次に説明するように、隣接する領域のそれぞれの倍率値kiの差「g」は、必ずしも一定値ではなく、任意の値を取ることができる。
【0119】
実施の形態3でも、その画像表示装置の全体構成は図1に示すものと同じであって、表示変換部31では、ディジタル化された入力画像信号における水平画素数、或いは垂直走査線数を変換して、アスペクト比率が16:9のワイド表示画面に対応した画素数、或いは走査線数にほぼ合致した画像データが作成される。
【0120】
制御部6は、同期信号を基準としてA/D変換部3、表示変換部31、フレームメモリ部4、書込み駆動部51及びXY駆動部52を制御する。ワイドアスペクトのPDP7は、表示画面のアスペクト比率が16:9、水平画素数がP、垂直走査線数がQ、1画素毎の配置ピッチ形状が正方形をなしている。
【0121】
図6は、この発明の実施の形態3の表示変換における倍率値設定を説明する図である。
【0122】
信号入力端子1に供給されたアスペクト比率4:3の画像信号は、A/D変換部3において所定のサンプリングクロックで例えば8ビットのディジタル信号に変換される。入力された画像信号の1水平走査期間及び1垂直走査期間からそれぞれ、水平ブランキング期間及び垂直ブランキング期間を除いた期間にほぼ相当する有効水平画素数、及び有効垂直走査線数を、アスペクト比率4:3の入力画像の情報として使う。以下の説明では、信号入力端子1に供給された、アスペクト比率4:3の入力画像の1画面において、有効水平画素数を720、有効垂直走査線数を483とする。
【0123】
表示変換部31では、入力した画像データにおける720の有効水平画素数に対して、約5%のオーバースキャンを考慮し、実際に使用する水平画素数をH=688とする。また、483の有効垂直走査線数に対して、約12%のオーバースキャンを考慮し、実際に使用する垂直走査線数をV=432とする。図6(a)には、アスペクト比率4:3の入力画像における、上記H=688及びV=432を模擬的に表示した1画面を示す。
【0124】
図6(c)及び(e)はアスペクト比率が16:9のPDP7の表示画面における、水平画素数P=858、垂直走査線数Q=483を示す。
【0125】
まず、図6(a)に示す水平画素数H=688を、図6(c)の水平画素数P=858に変換する方法について、図6(b)を用いて説明する。
【0126】
表示変換部31では、入力画像を水平方向にB個(この分割数Bは2以上の偶数であって、図2では8)の領域bi(1≦i≦8)に均等分割する。各領域biには、それぞれほぼ均等な水平画素数C=H/Bが対応する。また、各領域biには、それぞれ所定の倍率値ki(1≦i≦8)が割当てられる。これらの倍率値kiは、688本の水平画素数Hを左右に2等分する境界線L1に対して、左右対称の値に設定される。
【0127】
このとき、水平画素数H=688を表示画面の水平画素数P=858に変換する変換率Eは、E=P/H=858/688として一意的に定めることができる。
【0128】
以上の変換率E=P/H、及び分割数Bと、各領域biに対応するそれぞれの倍率値kiとの関係を式で表わすと、次の式 (9)となる。但し、分割数Bは2以上の偶数であって、A=B/2である。
【0129】
P=C×(k1+k2+……+kB)=C×(k1+k2+……+kA)×2
となる。また、
P/C=E×H/(H/B)=E×B
故に、
E×B=k1+k2+……+kB=2×(k1+k2+……+kA)…式 (9)
従って分割数Bが決まれば、上式 (9)の左辺(E×B)の値が定まるので、この(E×B)の値と等しくなるように、倍率値k1〜kB(k1〜kA)が決定できる。
【0130】
そこで、以下では分割数Bに、B=8を当てはめて考察する。各領域bi(1≦i≦8)に該当する画素数は、それぞれ均等数C=H/B=688/8=86となる。各領域biには、それぞれ所定の倍率値ki(1≦i≦8)が割当てられる。
【0131】
そして、各領域biに割当てる倍率値kiは、水平画素数を左右にほぼ2等分する境界線L1に対して、左右対称の値に設定される。即ち、
領域b1の倍率値k1=領域b8の倍率値k8、
k2=k7、
k3=k6、
k4=k5
となる。
【0132】
したがってB=8においては、変換率E=858/688に基づいて、各倍率値k1〜k8は次のように決めることができる。
【0133】
式 (9)より、E×B=9.98≒10=k1+k2+……+k8=2×(k1+k2+k3+k4)となる。即ち、(k1+k2+k3+k4)=5となるように、倍率値k1〜k4の各値を決めてやればよい。
【0134】
これら倍率値を決定する手順として、次に4つの事例1〜4を説明する。
【0135】
事例1
ここでは、(k1+k2+k3+k4)=(9+8+7+6)/6=5となるように、k1〜k4の各倍率値を決めることができる。この場合には、実施の形態1と同じく、k1=9/6、k2=8/6、k3=7/6、k4=1のように、隣接する倍率値間の差が一律にg=1/6となる。
【0136】
事例2
ここでは、(k1+k2+k3+k4)=(7+7+6+5)/5=5となるように、各倍率値k1〜k4を決める。この場合には、k1=7/5、k2=7/5、k3=6/5、k4=5/5=1となる。即ち、k1とk2は同じ値で差がなく、k2とk3間及びk3とk4間は差が1/5になる。
【0137】
元の入力画像を、事例2のこれらの倍率値k1(或いはk8)〜k4(或いはk5)により変換することで、各領域b1(或いはb8)〜b4(或いはb5)における画素数C=86が、それぞれ次のような画素数となる。
【0138】
領域b1及びb8:86×7/5=120.4≒120
領域b2及びb7:86×7/5=120.4≒120
領域b3及びb6:86×6/5=103.2≒103
領域b4及びb5:86×5/5=86
これらの画素数を合計すると、2×(120+120+103+86)=858になる。即ち、この画素数は、16:9の表示アスペクト比率を持つPDP7の表示画面における水平画素数P=858に等しい。
【0139】
事例3
さらに、(k1+k2+k3+k4)=(11+9+8+7)/7=5となるように、各倍率値k1〜k4を決めることもできる。この場合には、k1=11/7、k2=9/7、k3=8/7、k4=7/7=1となる。即ち、倍率値k1とk2の差は2/7だが、倍率値k2とk3間、及び倍率値k3とk4間は差が1/7である。
【0140】
元の入力画像を、事例3のこれらの倍率値k1(k8)〜k4(k5)により変換することで、各領域b1(b8)〜b4(b5)における画素数C=86は、それぞれ次のような画素数となる。
【0141】
領域b1及びb8:86×11/7=135.1≒135
領域b2及びb7:86×9/7=110.6≒110
領域b3及びb6:86×8/7=98.3≒98
領域b4及びb5:86×7/7=86
これらの画素数を合計すると、2×(135+110+98+86)=858
になる。即ち、この画素数は、16:9の表示アスペクト比率を持つPDP7の表示画面における水平画素数P=858に等しい。
【0142】
事例4
また、上記事例3を応用した事例4の場合では、E×B/2≒5にほぼ等しい、(k1+k2+k3+k4)=(8/5)+(9+8+7)/7となるように、各倍率値k1〜k4を決めることができる。この場合は、k1=8/5、k2=9/7、k3=8/7、k4=7/7=1である。即ち、k1とk2の差は11/35となるが、k2とk3間及びk3とk4間は差が1/7である。
【0143】
元の入力画像を、事例4のこれらの各倍率値k1(k8)〜k4(k5)により変換することで、各領域b1(b8)〜b4(b5)における画素数C=86はそれぞれ次のような画素数となる。
【0144】
領域b1及びb8:86×8/5=137.6≒137
領域b2及びb7:86×9/7=110.6≒110
領域b3及びb6:86×8/7=98.3≒98
領域b4及びb5:86×7/7=86
これらの画素数を合計すると、2×(137+110+98+86)=862になる。この画素数は、16:9の表示アスペクト比率を持つPDP7の表示画面における水平画素数P=858にほぼ等しい。
【0145】
以上のように、事例1〜4のいずれの場合においても、変換後の水平画素数は、アスペクト比率16:9のPDP7の1画面上の水平画素数P=858にほぼ等しい。従って、表示変換部31における元の入力画像の水平画素数H=688に対する水平方向の伸長率heは、he=4/3×有効画素数/表示画素数×ki=4/3×720/858×ki≒1.1×kiとなる。そして、事例1〜4のいずれの場合も、このPDP7の1画面上の中央部に位置する領域b4及びb5における倍率値がk4=k5=1であることから、実施の形態1の場合と同様に、元の入力画像に対する表示時の水平方向の伸長率heは1.1倍になる。
【0146】
次に、図6(a)に示す垂直走査線数V=432を、図6(e)の垂直走査線数Q=483に変換する方法について、図6(d)を用いて説明する。
【0147】
表示変換部31では、前述の水平方向の場合と同様に、入力画像を垂直方向にB個(この分割数Bは2以上の偶数であって、図6では6)の領域bi(1≦i≦6)に均等分割する。各領域biは、それぞれ均等な走査線数C=V/Bが対応する。各領域biには、それぞれ所定の倍率値ki(1≦i≦6)を、つぎのように割当てる。
【0148】
各領域biに割当てる変換倍率値kiは、432本の走査線数Vを上下に2等分する境界線L2に対して、上下対称の値に設定される。ここで、隣接する領域のそれぞれの倍率値同士の差「g」は、任意の値を取ることができる。
【0149】
このとき、垂直走査線数V=432を表示画面の垂直走査線数Q=483に変換する変換率Eは、E=Q/V=483/432として一意的に定めることができる。
【0150】
以上の変換率E=Q/V、及び分割数Bと、走査線数C=V/Bに対応する各領域biのそれぞれの倍率値kiとの関係を式で表わすと、次の式(10)となる。但し、分割数Bは2以上の偶数であって、A=B/2である。
【0151】
Q=C×(k1+k2+……+kB)=C×(k1+k2+……+kA)×2
また
Q/C=E×V/(V/B)=E×B
であるので、
E×B=k1+k2+……+kB=2×(k1+k2+……+kA)…式(10)
即ち、先に述べた水平方向の式 (9)と同様の関係式が得られる。従って分割数Bの値が決まれば、上式(10)の左辺(E×B)の値が定まるので、この(E×B)の値と等しくなるように、倍率値k1〜kB(k1〜kA)が決定できる。
【0152】
そこで、分割数Bが4の場合を最初に考察する。各領域bi(1≦i≦4)に該当する走査線数は、それぞれ均等数C=V/B=432/4=108となる。そして、倍率値kiは走査線数Vを上下に2等分する境界線L2に対して上下対称の値に設定される。即ち、
領域b1の変換倍率値k1=領域b4の変換倍率値k4、
k2=k3
となる。
【0153】
したがって、分割数B=4においては、変換率E=483/432に基づいて、各倍率値k1〜k4は次のように決めることができる。
【0154】
式(10)より、E×B=4.47≒9/2=k1+k2+……+k4=2×(k1+k2)となる。即ち、(k1+k2)=9/4=18/8=27/12=36/16となるように、倍率値k1及びk2の各値を決めてやればよい。
【0155】
これら倍率値を決定する手順として、次に事例5〜6を説明する。
【0156】
事例5
ここでは、(k1+k2)=(14+13)/12=27/12となるように、k1及びk2の各倍率値を決める。この場合には、実施の形態1と同じく、k1=14/12、k2=13/12のように、k1とk2間の差gは、g=1/12となる。
【0157】
事例6
ここでは、(k1+k2)=(19+17)/16=36/16となるように、各倍率値k1及びk2を決める。この場合には、k1=19/16、k2=17/16となる。即ち、k1とk2間の差gは、g=3/16となる。
【0158】
元の入力画像を、事例6の倍率値k1(或いはk4)、k2(或いはk3)により変換することで、各領域b1〜b4における走査線数C=432/4=108が、それぞれ次のような走査線数となる。
【0159】
領域b1及びb4:108×19/16=128.3≒128
領域b2及びb3:108×17/16=114.8≒114
これらの走査線の本数を合計すると、2×(128+114)=484になる。即ち、この走査線数は、アスペクト比率16:9のPDP7の表示画面における垂直走査線数Q=483にほぼ等しい。
【0160】
次に、図6(d)に示すように、分割数Bが6に設定された場合に倍率値を決定する手順として、事例7〜8を説明する。
【0161】
事例7
式(10)より、E×B=(483/432)×6=6.71≒34/5=2×(k1+k2+k3)になる。従って、(k1+k2+k3)=34/10=(12+11+11)/10となるように、各倍率値k1〜k3を決めることができる。この場合には、k1=12/10、k2=11/10、k3=11/10となり、k1とk2間にはg=1/10の差があるが、k2とk3間には差がない。
【0162】
元の入力画像を、事例7のこれらの倍率値k1(或いはk6)〜k3(或いはk4)により変換することで、領域b1(或いはb6)〜b3(或いはb4)における走査線数C=432/6=72が、それぞれ次のような走査線数となる。
【0163】
領域b1及びb6:72×12/10=86.4≒86
領域b2及びb5:72×11/10=79.2≒79
領域b3及びb4:72×11/10=79.2≒79
これらの走査線の本数を合計すると、2×(86+79+79)=488になる。即ち、この走査線の本数は、16:9の表示アスペクト比率を持つPDP7の表示画面における垂直走査線数Q=483にほぼ等しい。
【0164】
事例8
上記事例7を応用した事例8の場合では、E×B/2≒34/10=102/30にほぼ等しい、(k1+k2+k3)=(7/6)+(11+11)/10=101/30となるように、各倍率値k1〜k3を決めることができる。この場合は、k1=7/6、k2=11/10、k3=11/10である。即ち、k1とk2間にはg=2/30の差があるが、k2とk3間には差がない。
【0165】
元の入力画像を、事例8の倍率値k1(k6)〜k3(k4)により変換することで、領域b1(b6)〜b3(b4)における走査線数C=432/6=72はそれぞれ次のような走査線数となる。
【0166】
領域b1及びb6:72×7/6=84
領域b2及びb5:72×11/10=79.2≒79
領域b3及びb4:72×11/10=79.2≒79
これらの走査線の本数を合計すると、2×(84+79+79)=484になる。この走査線数は、16:9の表示アスペクト比率を持つPDP7の表示画面における垂直走査線数Q=483にほぼ等しい。
【0167】
以上のように、事例5〜8のいずれの場合においても変換後の走査線数は、アスペクト比率16:9のPDP7の垂直走査線数Q=483にほぼ等しい。従って、表示変換部31における元の入力画像の垂直走査線数V=483に対する垂直方向の伸長率veは、ve=有効走査線数/表示走査線数×ki=483/483×ki=1.0×kiとなる。
【0168】
従って、アスペクト比率16:9のPDP7の1画面上の中央部に位置する領域b2、b3における、上記事例5及び事例6の倍率値はk2=k3=13/12及び17/16であるので、元の入力画像に対する表示時の垂直方向の伸長率はほぼve=1.1倍となる。また、領域b3、b4における、上記事例7及び事例8の倍率値はk3=k4=11/10であるので、これもまた垂直方向の伸長率はve=1.1倍となる。即ち、事例5〜8のいずれの場合においても垂直方向の伸長率はve=1.1倍付近の値になる。
【0169】
以上より、アスペクト比率16:9のPDP7の1画面上の中央部では、水平方向の伸長率はhe=1.1倍であり、垂直方向の伸長率もve=1.1倍であるので、ve/he×100%=100%となる。即ち、元の入力画像の真円度をほぼ完全に満たした、ワイド画面表示が実現できる。
【0170】
以上に述べたように、入力画像の水平画素数H及び垂直走査線数Vを、アスペクト比率が異なるPDP7の表示画面における画素数P及び走査線数Qに変換するための倍率値が決定される。このプロセスは、図7のフローチャートに示す通りである。
【0171】
図7において、表示変換部31で分割値Bを2以上の偶数に設定する(ステップST11)と、変換率E(P/H、又はQ/V)が一意的に定まる(ステップST12)。つぎに、(E×B)を求め(ステップST13)、その値と等しくなるように、k1〜kB(k1〜kA)の全ての倍率値kiが決定できる(ステップST14)。
【0172】
表示変換部31では、以上の倍率値kiに基づいて、入力画像の各領域における画素数、或いは走査線数を変換して、PDP7の表示画面の所定の画素数P、或いは所定の走査線数Qにほぼ合致した画像データを出力する。表示変換部31の構成としては、補間による画素数、或いは走査線数の変換の方法が一般的であるが、必ずしもこの方法に限るものではなく、どのような方法であってもよい。
【0173】
なお、表示変換部31からの画像データをフレームメモリ部4に交互に書込み、サブフィールドSF0〜SF7の書込み放電を行う手順は、先に実施の形態1で説明した通りである。
【0174】
実施の形態4.
実施の形態3では、分割数Bを偶数とした場合を示したが、分割数Bが奇数の場合であってもよい。なお、画像表示装置の全体構成及び動作は、図1と同じである。
【0175】
この画像表示装置の表示変換部31において、信号入力端子1に供給されたアスペクト比率4:3の画像信号の水平画素数H、或いは垂直走査線数Vを、16:9の表示アスペクト比率を持つPDP7のワイド表示画面に対応した水平画素数P、或いは垂直走査線数Qに変換する方法について説明する。
【0176】
図8は、この発明の実施の形態4の表示変換における倍率値設定を説明する図である。
【0177】
同図(a)には、アスペクト比率4:3の入力画像における、H=686及びV=420を模擬的に表示した1画面を示している。
【0178】
図8(c)及び(e)は、アスペクト比率が16:9のPDP7の表示画面における、水平画素数P=858、垂直走査線数Q=483を示す。
【0179】
まず、図8(a)に示す水平画素数H=686を、図8(c)の水平画素数P=858に変換する方法について、図8(b)を用いて説明する。
【0180】
表示変換部31では、入力画像を水平方向にB個(分割数Bは3以上の奇数であって、図8では7)の領域bi(1≦i≦7)に均等分割する。各領域biは、それぞれ均等な画素数C=H/Bが対応する。また、各領域biには、それぞれ所定の倍率値ki(1≦i≦7)が、次の様に割当てられる。
【0181】
まず、水平画素数Hを左右にほぼ2等分する境界線L1にまたがる(B+1)/2番目の領域には、倍率値として所定の値k0を割り当てる。
【0182】
つぎに、残りの領域bi(1≦i≦(B−1)/2、(B+3)/2≦i≦B)に対応する倍率値ki(1≦i≦(B−1)/2、(B+3)/2≦i≦B)としては、前述した境界線L1に対して左右対称になるように設定される。
【0183】
なお、隣接する領域のそれぞれの倍率値同士の差「g」は、必ずしも一定値ではなく、任意の値を取ることができる。
【0184】
このとき、水平画素数H=686を、表示画面の水平画素数P=858に変換する変換率Eは、E=P/H=858/686として一意的に定めることができる。
【0185】
以上の変換率E=P/H、及び分割数Bと、画素数C=H/Bからなる各領域biのそれぞれの倍率値kiとの関係を式で表わすと、次の式(11)となる。但し、分割数Bは3以上の奇数であって、A=(B−1)/2である。
【0186】
P=C×{2×(k1+k2+……+kA)+k0}
また、P/C=E×H/(H/B)=E×B
故に
E×B=k1+k2+……+kB=2×(k1+k2+……+kA)+k0
…式(11)従って分割数Bが決まれば、上式(11)の左辺(E×B)の値が定まるので、この(E×B)の値と等しくなるように、倍率値k1〜kBが決定できる。
【0187】
そこで、以下では分割数Bに、B=7を当てはめて考察する。各領域bi(1≦i≦7)に該当する画素数は、それぞれ均等数C=H/B=686/7=98となる。各領域biには、それぞれ所定の倍率値ki(1≦i≦7)が割当てられる。そして、各領域biに割当てる倍率値kiは、水平画素数を左右にほぼ2等分する境界線L1に対して、左右対称の値に設定される。即ち、領域b1の倍率値k1=領域b7の倍率値k7、k2=k6、k3=k5、k4=k0である。
【0188】
B=7においては、変換率E=858/686に基づいて、各倍率値を次のように決めることができる。
【0189】
次に、図8(b)に示すように、分割数Bが7に設定された場合に倍率値を決定する手順として、事例9〜11を説明する。
【0190】
事例9
式(11)より、E×B=8.73=k1+k2+……+k7=2×(k1+k2+k3)+k0となる。
【0191】
ここで、倍率値k4=k0=1とおくと、2×(k1+k2+k3)=7.73となるように、各倍率値k1〜k3を決めてやればよい。
【0192】
従って、(k1+k2+k3)=3.87=39/10=(15+13+11)/10となるように、k1〜k3の各値を決めることができる。即ち、実施の形態3の場合と同じく、k1=15/10、k2=13/10、k3=11/10のように、隣接する倍率値間の差が一律にg=2/10であり、k3とk4=k0=1=10/10間の差は1/10である。
【0193】
元の入力画像を、事例9のこれらの倍率値k1(或いはk7)〜k3(或いはk5)及びk0により変換することで、領域b1(或いはb7)〜b3(或いはb5)及びb4における画素数C=98が、それぞれ次のような画素数となる。
【0194】
領域b1及びb7:98×15/10=147
領域b2及びb6:98×13/10=127.4≒127
領域b3及びb5:98×11/10=107.8≒107
領域b4 :98×1=98
これらの画素数を合計すると、2×(147+127+107)+98=860になる。即ち、この画素数は、16:9の表示アスペクト比率を持つPDP7の表示画面における水平画素数P=858にほぼ等しい。
【0195】
事例10
あるいは、(k1+k2+k3)=3.87=35/9=(13+12+10)/9となるように、各倍率値k1〜k3を決める。この場合には、k1=13/9、k2=12/9、k3=10/9となる。即ち、k1とk2間の差gが1/9、k2とk3間の差gが2/9であり、k3とk4(=k0=1=9/9)間の差は、1/9になる。
【0196】
元の入力画像を、事例10の倍率値k1(或いはk7)〜k3(或いはk5)及びk0により変換することで、領域b1(或いはb7)〜b3(或いはb5)及びb4における画素数C=98が、それぞれ次のような画素数となる。
【0197】
領域b1及びb7:98×13/9=141.6≒141
領域b2及びb6:98×12/9=130.7≒130
領域b3及びb5:98×10/9=108.9≒108
領域b4 :98×1=98
これらの画素数を合計すると、2×(141+130+108)+98=856になる。即ち、この画素数は、アスペクト比率16:9のPDP7の表示画面における水平画素数P=858にほぼ等しい。
【0198】
事例11
上記事例10を応用した事例11の場合では、(k1+k2+k3)=10/7+(12+10)/9=5となるように、各倍率値k1〜k3を決めることができる。この場合は、k1=10/7、k2=12/9、k3=10/9である。従って、k1とk2間の差は6/63だが、k2とk3間は差が2/9、k3とk4(=k0=1=9/9)間の差は1/9である。
【0199】
元の入力画像を、事例11の倍率値k1(或いはk7)〜k3(或いはk5)及びk0により変換することで、領域b1(或いはb7)〜b3(或いはb5)及びb4における画素数C=98はそれぞれ次のような画素数となる。
【0200】
領域b1及びb7:98×10/7=140
領域b2及びb6:98×12/9=130.7≒130
領域b3及びb5:98×10/9=108.9≒108
領域b4 :98×1=98
これらの画素数を合計すると、2×(140+130+108)+98=854になる。この画素数は、16:9の表示アスペクト比率を持つPDP7の表示画面における水平画素数P=858にほぼ等しい。
【0201】
以上のように、事例9乃至11のいずれの場合においても変換後の画素数は、アスペクト比率16:9のPDP7の水平画素数P=858にほぼ等しい。従って、表示変換部31における元の入力画像の水平画素数H=686に対する水平方向の伸長率heは、he=4/3×有効画素数/表示画素数×ki=4/3×720/858×ki≒1.1×kiとなる。従って、事例9〜11のいずれの場合も、このPDP7の1画面上の中央部に位置する領域b4における倍率値がk4=k0=1であることから、実施の形態2の場合と同様に、元の入力画像に対する表示時の水平方向の伸長率heは1.1倍になる。
【0202】
次に、図8(a)に示す垂直走査線数V=420を、図8(e)の垂直走査線数Q=483に変換する方法について、図8(d)を用いて説明する。
【0203】
表示変換部31では、前述の水平方向の場合と同様に、入力画像を垂直方向にB個((分割数Bは3以上の奇数であって、図8では5)の領域bi(1≦i≦5)に均等分割する。各領域biは、それぞれ均等な走査線数C=V/Bが対応する。また、各領域biには、それぞれ所定の倍率値ki(1≦i≦5)が、次の様に割当てられる。
【0204】
まず、垂直走査線数Vを上下にほぼ2等分する境界線L2にまたがる(B+1)/2番目の領域には、倍率値として所定の値k0を割り当てる。
【0205】
つぎに、残りの領域bi(1≦i≦(B−1)/2、(B+3)/2≦i≦B)に対応する倍率値ki(1≦i≦(B−1)/2、(B+3)/2≦i≦B)としては、前述した境界線L2に対して上下対称になるように設定される。
【0206】
この場合、垂直走査線数V=420を、垂直走査線数Q=483に変換する変換率は、E=Q/V=483/420として一意的に定めることができる。
【0207】
以上の変換率E=Q/V、及び分割数Bと、走査線数C=V/Bからなる各領域biのそれぞれの倍率値kiとの関係を式で表わすと、次の式(12)となる。但し、分割数Bは3以上の奇数であって、A=(B−1)/2である。
【0208】
P=C×{2×(k1+k2+……+kA)+k0}
また、P/C=E×V/(V/B)=E×B
故に
E×B=k1+k2+……+kB=2×(k1+k2+……+kA)+k0…式(12)
従って分割数Bの値が決まれば、水平方向での画素数の変換の場合と同様に、上式(12)の左辺(E×B)の値が定まるので、この(E×B)の値と等しくなるように、倍率値k1〜kBが決定できる。
【0209】
次に、図8(d)に示すように、分割数Bが5に設定された場合の事例12として、各倍率値を決定する手順を説明する。
【0210】
事例12
各領域bi(1≦i≦5)に含まれる走査線数は、それぞれ均等数C=V/B(=420/5=84)となる。bi(1≦i≦5)の各領域には、それぞれ所定の倍率値ki(1≦i≦5)が割当てられる。そして、領域b1の倍率値k1=領域b5の倍率値k5、k2=k4、領域b3の倍率値k3=k0である。
【0211】
B=5における、変換率E=483/420による各倍率値は次のようになる。
【0212】
式(12)より、E×B=5.75=46/8=k1+k2+……+k5=2×(k1+k2)+k0となる。
【0213】
ここで、所定の値k0を9/8と設定した場合には、2×(k1+k2)=37/8となるように、k1〜k2の各値を決めてやればよい。
【0214】
従って、(k1+k2)=37/16=(19+18)/16となるように、k1〜k2の各値を決めることができる。即ち、k1=19/16、k2=18/16であって、k1とk2間の倍率値の差はg=1/16であり、k2とk3(=k0=9/8)間の差はゼロである。
【0215】
元の入力画像を、事例12では、これらの倍率値k1〜k5により変換することで、領域b1〜b5における走査線数C=84が、それぞれ次のような走査線数となる。
【0216】
領域b1及びb5:84×19/16=99.8≒99
領域b2及びb4:84×18/16=94.5≒94
領域b3 :84×9/8=94.5≒94
これらの走査線の本数を合計すると、2×(99+94)+94=480になる。この走査線数は、16:9の表示アスペクト比率を持つPDP7の表示画面における垂直走査線数Q=483にほぼ等しい。
【0217】
事例13
事例3として、分割数Bが7の場合を説明する。B=7における、変換率E=483/420による各倍率値は次のようになる。
【0218】
式(12)より、E×B=8.05=113/14=k1+k2+……+k5=2×(k1+k2+k3)+k0となる。
【0219】
ここで、所定の値k0を15/14と設定した場合には、2×(k1+k2+k3)=98/14となるように、k1〜k3の各値を決めてやればよい。
【0220】
従って、(k1+k2+k3)=49/14=(18+16+15)/14となるように、k1〜k3の各値を決めることができる。即ち、k1=18/14、k2=16/14であって、k1とk2間の倍率値の差は2/14だが、k2とk3間の差は1/14であり、k3とk4(=k0=15/14)間の差はゼロである。
【0221】
元の入力画像を、事例13では、これらの倍率値k1〜k7により変換することで、領域b1〜b7における走査線数C=60が、それぞれ次のような走査線数となる。
【0222】
領域b1及びb7:60×18/14=77.1≒77
領域b2及びb6:60×16/14=68.6≒68
領域b3及びb5:60×15/14=64.3≒64
領域b4 :60×15/14=64.3≒64
これらの走査線の本数を合計すると、2×(77+68+64)+64=482のになる。この走査線数は、16:9の表示アスペクト比率を持つPDP7の表示画面における垂直走査線数Q=483にほぼ等しい。
【0223】
以上のように、事例12乃至13のいずれの場合においても変換後の走査線数は、アスペクト比率16:9のPDP7の垂直走査線数Q=483にほぼ等しい。
【0224】
また、表示変換部31における元の入力画像の垂直走査線数V=420に対する垂直方向の伸長率veは、ve=有効画素数/表示画素数×ki=483/483×ki=1.0×kiとなる。
【0225】
従って、事例12では、PDP7の1画面上の中央部に位置する領域b3における倍率値はk3=k0=9/8であることから、元の入力画像に対する表示時の垂直方向の伸長率ve=1.1である。また、事例13においては、1画面上の中央部に位置する領域b4における倍率値はk4=k0=15/14であることから、元の入力画像に対する表示時の垂直方向の伸長率ve=1.1であって、両者ともに、垂直方向の伸長率は、ほぼ1.1である。
【0226】
以上より、アスペクト比率16:9のPDP7の1画面上の中央部では、水平方向の伸長率heは1.1倍であり、垂直方向の伸長率veも1.1倍であるので、ve/he×100=100%となる。即ち、元の入力画像の真円度をほぼ完全に満たした、ワイド画面表示が実現できる。
【0227】
以上に述べたように、入力画像の水平画素数H及び垂直走査線数Vを、アスペクト比率が異なるPDP7の表示画面における画素数P及び走査線数Qに変換するための倍率値が決定される。このプロセスは、図9のフローチャートに示す通りである。
【0228】
図9において、表示変換部31で分割値Bを3以上の奇数に設定する(ステップST31)と、変換率E=P/H(またはQ/V)が一意的に定まる(ステップST32)。そこで、(E×B)の値を求め(ステップST33)、且つk0を設定して(ステップST34)から、(E×B)の値と等しくなるように、k1〜kBの全ての倍率値kiが決定できる(ステップST35)。
【0229】
実施の形態5.
実施の形態3乃至4では、水平画素数Hに関する各領域の倍率値k1〜kBが境界線L1に対して左右対称に設定され、或いは、垂直走査線に関する各領域の倍率値k1〜kBも境界線L2に対して上下対称に設定されていた。
【0230】
実施の形態5の画像表示装置では、倍率値k1〜kBが取りうる値の自由度を広げるために、倍率値k1〜kBの全てについて、任意の値が設定できるようにして、左右対称、或いは上下対称という制約をなくしたものである。
【0231】
図10は、この発明の実施の形態5の表示変換における倍率値設定を説明する図である。なお、画像表示装置の全体構成は、図1に示されたものと同様であって、その主要な動作も、これまでに説明した各実施の形態のものと同じである。
【0232】
図10(a)に示す水平画素数H=688を、図10(c)の水平画素数P=858に変換する方法について、図10(b)を用いて説明する。
【0233】
図10(c)及び(e)は16:9の表示アスペクト比率を持つPDP7の表示画面における、水平画素数P=858、垂直走査線数Q=483を示す。
【0234】
表示変換部31では、入力画像を水平方向にB個(この分割数Bは2以上の正の整数であって、図10では8)の領域bi(1≦i≦8)に均等分割する。各領域biには、それぞれほぼ均等な水平画素数C=H/Bが対応する。また、各領域biには、図10(b)に示すように、それぞれ所定の倍率値ki(1≦i≦8)が割当てられる。これらの倍率値kiは、任意の値を取ることが出来、境界線L1に対して左右に対称な値を取る必要はない。
【0235】
このとき、水平画素数H=688を表示画面の水平画素数P=858に変換する変換率Eは、E=P/H=858/688として一意的に定めることができる。
【0236】
以上の変換率E=P/H、及び分割数Bと、各領域biに対応するそれぞれの倍率値kiとの関係を式で表わすと、次の式(13)となる。但し、分割数Bは正の整数であれば、偶数、奇数のいずれであっても良い。
【0237】
P=C×(k1+k2+……+kB)
また
P/C=E×H/(H/B)=E×B
故に
E×B=k1+k2+……+kB …式(13)
従って分割数Bが決まれば、上式(13)の左辺(E×B)の値が定まる。この(E×B)の値と等しくなるように、倍率値k1〜kBを決定すればよい。
【0238】
そこで、以下では分割数Bに、B=8を当てはめて考察する。各領域bi(1≦i≦8)に該当する画素数は、それぞれ均等数C=H/B=688/8=86となる。各領域biには、それぞれ所定の倍率値ki(1≦i≦8)が割当てられる。
【0239】
B=8においては、変換率E=858/688に基づいて、各倍率値を次のように決めることができる。
【0240】
式(13)より、E×B=9.98≒10=k1+k2+……+k8となるように、倍率値k1〜k8を決定すればよい。
【0241】
例えば、(k1+k2+k3+k4+k5+k6+k7+k8)=10=60/6=(8+8+7+6+6+7+9+9)/6となるように、k1〜k8の各倍率値を決めることができる。
【0242】
元の入力画像を、これらの倍率値k1〜k8により変換することで、領域b1〜b8における画素数C=H/B=688/8=86はそれぞれ次のような画素数となる。
【0243】
領域b1及びb2:86×8/6=114.7≒114
領域b3及びb6:86×7/6=100.3≒100
領域b4及びb5:86×6/6=86
領域b7及びb8:86×9/6=129
これらの画素数を合計すると、2×(114+100+86+129)=858になる。即ち、この画素数は、表示画面のアスペクト比率が16:9のPDP7における水平画素数P=858に等しい。
【0244】
このように、水平画素数に関する境界線L1に対して各倍率値k1〜kBを左右対称の値に設定しない場合でも、元の入力画像の水平画素数Hを、変換率E=P/Hに従って表示画面の画素数Pに変換することができる。
【0245】
また、表示変換部31では、入力画像を垂直方向に6個の領域bi(1≦i≦6)に均等分割し、図10(d)に示すように、各領域biにそれぞれ所定の倍率値ki(1≦i≦6)を割当てる場合も、上記と同様に、倍率値kiを任意の値とすることができる。したがって、ここでは詳しい説明は省略するが、垂直走査線に関する境界線L2に対して各倍率値k1〜kBを上下対称の値に設定しない場合でも、元の入力画像の垂直走査線数Vを、変換率E=Q/Vに従って表示画面の走査線数Qに変換することができる。
【0246】
したがって、分割数Bの値を偶数、或いは奇数のいずれに設定しても、境界線L1或いはL2に対して各倍率値k1〜kBを対称な値とせずに、入力画像とは異なるアスペクト比率の表示画面を有するPDPの表示画面における水平画素数、或いは垂直走査線数にほぼ合致させる倍率値で表示変換して、前述した実施の形態3乃至4と同様の動作で、元の入力画像の水平画素数、或いは垂直走査線数を損じることなしに画像表示を行うことができる。
【0247】
なお、上記実施の形態6では、分割数Bが偶数の場合(B=8)について説明したが、分割数Bを奇数の正整数に設定した場合であっても、同様の変換動作が可能である。
【0248】
実施の形態6.
実施の形態1乃至5では、表示画面のアスペクト比率が16:9のPDP7は、その1画面を構成している1つ1つの画素の配置ピッチ形状が正方形をなしている場合を示した。しかし、1画素毎の配置ピッチが正方形であることとは無関係に、表示画面のアスペクト比率から、その水平画素数P、垂直走査線数Qを求めることによって、実施の形態1乃至5と同様の表示変換が実行できる。
【0249】
図11は、アスペクト比率が16:9のPDP7の表示画面を示す概略図である。同図中、Pは表示画面の水平画素数、Qは表示画面の垂直走査線数である。wは表示画面の幅寸法、hは表示画面の高さ寸法である。
【0250】
次に、PDP7の画素毎の配置ピッチ形状を意味する矩形係数αとして、次のように定義する。
【0251】
α=1画素の水平方向ピッチ/1画素の垂直方向ピッチ。
【0252】
すなわち、α=1では配置ピッチが正方形、α>1だと配置ピッチが水平方向に長い横長の画素、α<1だと配置ピッチが垂直方向に長い縦長の画素である。
【0253】
このとき、矩形係数α、アスペクト比率w/h、並びにQ/Pとの間には、次の関係式(14)が成り立つ。
【0254】
α=(w/P)/(h/Q)=wQ/hP=(w/h)×(Q/P)
故に
Q/P=(h/w)・α=(9/16)・α …式(14)
なお、h/wは、アスペクト比率の逆数であり、アスペクト比率が16:9の場合には、h/w=9/16である。
【0255】
以下では、矩形係数αの具体的な一例として、α=7/6の場合を考察する。
式(14)より、表示画面の水平画素数Pと垂直走査線数Qとの比Q/Pは、(9/16)・(7/6)=21/32となる。したがって、このQ/P=21/32を満たすP、Qの一例として、P=736、Q=483とおくことができる。
【0256】
即ち、アスペクト比率16:9のPDP7の画素の矩形係数αの値に基づいて、このPDP7の表示画面における水平画素数P及び垂直走査線数Qの数値が求められる。このようにして求めたP値及びQ値に基づいて、上述した実施の形態1乃至5の方法が適用できる。
【0257】
そこで、実施の形態1の場合を例に取って、矩形係数αが7/6の場合に、元の入力画像の水平画素数H=688を、変換率E=P/H=736/688によって表示画素数P=736に変換する方法について説明する。
【0258】
ここで、分割数Bを8、変換率E=P/Hを736/688と決めたうえで、一定値gとして1/6を設定すると、式 (1),(2)より、各領域の各倍率値は次のようになる。
【0259】
式 (1)より、k1=E+(8−2)×1/6×1/4≒1.31=8/6=k8、式 (2)より、k4=E−(8−2)×1/6×1/4≒0.82=5/6=k5、また、k2=k7=k1―1/6=7/6、k3=k6=k2−1/6=6/6となる。
【0260】
元の入力画像を、これらの倍率値k1(或いはk8)〜k4(或いはk5)により変換することで、領域b1(b8)〜b4(b5)における画素数C=H/B=688/8=86が、それぞれ次のような画素数となる。
【0261】
領域b1及びb8:86×8/6=114.7≒114
領域b2及びb7:86×7/6=100.3≒100
領域b3及びb6:86×6/6=86
領域b4及びb5:86×5/6=71.7≒71
これらの画素数を合計すると、2×(114+100+86+71)=742
になる。即ち、この画素数は、表示画面のアスペクト比率が16:9のPDP7における水平画素数P=736にほぼ等しい。
【0262】
このように、表示変換部31における元の入力画像の水平画素数H=688に対する水平方向の伸長率heは、he=4/3×有効画素数/表示画素数×ki=4/3×720/736×ki=1.3×kiとなる。従って、アスペクト比率16:9のPDP7の1画面上の中央部に位置する領域b4及びb5における倍率値がk4=k5=5/6であることから、元の入力画像に対する表示時の水平方向の伸長率heは1.1倍になる。
【0263】
次に、実施の形態1と同様に、元の入力画像の垂直走査線数V=432を、変換率E=Q/V=483/432によって表示走査線数Q=483に変換する方法について説明する。
【0264】
分割数B=8、E=Q/V=483/432と決めたうえで、一定値gとして1/12を設定すると、式 (3),(4)より、各領域の各倍率値は次のようになる。
【0265】
式 (3)より、k1=E+(4−2)×1/12÷4=1.16≒14/12=k4、式 (4)より、k2=E−(4−2)×1/12÷4=1.08≒13/12=k3となる。
【0266】
元の入力画像を、これらの倍率値k1(k4)、k2(k3)により変換することで、領域b1(b4)、b2(b3)における走査線数C=108が、それぞれ次のような走査線数となる。
【0267】
領域b1及びb4:108×14/12=126
領域b2及びb3:108×13/12=117
これらの走査線数を合計すると、2×(126+117)=486になる。即ち、この走査線数は、表示画面のアスペクト比率が16:9のPDP7における垂直走査線数Q=483にほぼ等しい。
【0268】
このように、表示変換部31における元の入力画像の垂直走査線数V=483に対する垂直方向の伸長率veは、ve=有効走査線数/表示走査線数×ki=483/483×ki=1.0×kiとなる。従って、アスペクト比率16:9のPDP7の1画面上の中央部に位置する領域b2及びb3における倍率値がk2=k3=13/12であることから、元の入力画像に対する表示時の垂直方向の伸長率veは1.1倍になる。
【0269】
以上より、アスペクト比率16:9のPDP7の1画面上の中央部では、水平方向の伸長率はhe=1.1倍であり、垂直方向の伸長率もve=1.1倍であるので、ve/he×100=100%となる。即ち、元の入力画像の真円度をほぼ完全に満足させながら、PDP7におけるワイド画面表示が実現できる。
【0270】
上記実施の形態6では、PDP7を構成している1つ1つの画素の配置ピッチ形状が水平方向に長いことを意味する矩形係数α>1の場合について説明した。しかし、画素の配置ピッチが垂直方向に長いα<1の場合においても、矩形係数αに基づいてPDP7の表示画面における水平画素数P及び垂直走査線数Qを求めて、上述した画像表示が実現できる。
【0271】
また、実施の形態6は、実施の形態2の画像表示装置に対しても同様に適用できる。
【0272】
実施の形態7.
実施の形態6では、画素毎の配置ピッチが正方形であることとは無関係に、表示画面のアスペクト比率から、その水平画素数P、垂直走査線数Qを求め、実施の形態1の場合を例に取って、PDP7におけるワイド画面表示が実現できることを説明した。即ち、表示変換部31で設定される各領域biのそれぞれの倍率値kiが一定値g(>0)ずつ異なるようした。しかし、隣接する領域のそれぞれの倍率値kiの差「g」は、必ずしも一定値ではなく、任意の値を取ることができる。
【0273】
実施の形態7では、先に説明した実施の形態3のように、矩形係数αが7/6の場合に、元の入力画像の水平画素数H=688を、変換率E=P/H=736/688によって表示画素数P=736に変換する方法について説明する。
【0274】
分割数B=8、変換率E=P/H=736/688としたとき、各倍率値は次のようになる。
【0275】
前述の式 (9)より、E×B≒8.56=k1+k2+……+k8=2×(k1+k2+k3+k4)となる。即ち、(k1+k2+k3+k4)≒4.28=30/7となるように、各倍率値k1〜k4を決めてやればよい。
【0276】
ここでは、(k1+k2+k3+k4)=(9+8+7+6)/7≒4.28となるように、各倍率値k1〜k4を決めることができる。この場合に、k1=9/7、k2=8/7、k3=7/7、k4=6/7となって、隣接する倍率値間の差は、一律に一定値g=1/7になる。
【0277】
元の入力画像を、これらの倍率値k1(或いはk8)〜k4(或いはk5)により変換することで、領域b1(或いはb8)〜b4(或いはb5)における画素数C=H/B=688/8=86が、それぞれ次のような画素数となる。
【0278】
領域b1及びb8:86×9/7=110.6≒110
領域b2及びb7:86×8/7=98.3≒98
領域b3及びb6:86×7/7=86
領域b4及びb5:86×6/7=73.7≒73
これらの画素数を合計すると、2×(110+98+86+73)=734になる。即ち、この画素数は、表示画面のアスペクト比率が16:9のPDP7における水平画素数P=736にほぼ等しい。
【0279】
従って、表示変換部31における元の入力画像の水平画素数H=688に対する水平方向の伸長率heは、he=4/3×有効画素数/表示画素数×ki=4/3×720/736×ki≒1.3×kiとなる。従って、このPDP7の1画面上の中央部に位置する領域b4及びb5における倍率値がk4=k5=5/6であることから、元の入力画像に対する表示時の水平方向の伸長率heは1.1倍になる。
【0280】
次に、実施の形態3と同様に、元の入力画像の垂直走査線数V=432を、変換率E=Q/V=483/432によって表示走査線数Q=483に変換する方法について説明する。
【0281】
分割数B=6、変換率E=Q/V=483/432としたとき、各倍率値は次のようになる。
【0282】
前述の式 (9)より、E×B≒6.71=k1+k2+……+k6=2×(k1+k2+k3)となる。即ち、(k1+k2+k3)≒3.35=47/14となるように、各倍率値k1〜k3を決めてやればよい。
【0283】
ここでは、(k1+k2+k3)=(16+16+15)/14≒3.35となるように、各倍率値k1〜k3を決めることができる。この場合に、k1=16/14、k2=16/14、k3=15/14となって、倍率値k1とk2間の差はゼロであるが、倍率値k2とk3間の差は1/16になる。
【0284】
元の入力画像を、これらの倍率値k1(或いはk6)〜k3(或いはk4)により変換することで、領域b1(或いはb6)〜b3(或いはb4)における走査線数C=72が、それぞれ次のような走査線数となる。
【0285】
領域b1及びb6:72×16/14=82.3≒82
領域b2及びb5:72×16/14=82.3≒82
領域b3及びb4:72×15/14=77.1≒77
これらの画素数を合計すると、2×(82+82+77)=482に変換される。即ち、この走査線数は、16:9の表示アスペクト比率を持つPDP7の表示画面における垂直走査線数Q=483にほぼ等しい。
【0286】
従って、表示変換部31における元の入力画像の垂直走査線数V=483に対する垂直方向の伸長率veは、ve=有効走査線数/表示走査線数×ki=483/483×ki=1.0×kiとなる。従って、このPDP7の1画面上の中央部に位置する領域b3における倍率値がk3=15/14であることから、元の入力画像に対する表示時の垂直方向の伸長率veは1.1倍になる。
【0287】
以上より、アスペクト比率16:9のPDP7の1画面上の中央部では、水平方向の伸長率はhe=1.1倍であり、垂直方向の伸長率もve=1.1倍であるので、ve/he×100=100%となる。即ち、元の入力画像の真円度をほぼ完全に満足させながら、PDP7におけるワイド画面表示が実現できる。
【0288】
なお、実施の形態7は、画素の配置ピッチ形状を示す矩形係数αがα>1の場合だけでなく、α<1の場合においても、この矩形係数αに基づいて、実施の形態3の画像表示装置と同様の画像表示が可能である。
【0289】
また、実施の形態7は、実施の形態4、5の画像表示装置に対しても同様に適用できる。
【0290】
【発明の効果】
この発明は、以上に説明したように構成されているので、以下に示すような効果を奏する。
【0291】
請求項1又は請求項2の発明では、画像表示装置で分割数B、変換率Eとともに、一定値gを設定することによって、各領域の倍率値の中の最大値と最小値が求められので、各領域に対応する全ての倍率値が容易に設定できる。
【0292】
従って、元の入力画像とは異なるアスペクト比率で表示画面に画像を表示する場合において、元の入力画像から損じる画素数あるいは走査線数を少なくでき、かつ、表示される画像の真円度をほとんど損ねない画素数変換あるいは走査線数変換を実現することができる。
【0293】
請求項3の発明では、偶数或いは奇数の正整数に決定される分割数Bと、表示画面の一水平走査線内の画素数、又は走査線数によって一義的に定まる変換率Eとに対応して、表示画面の分割された各領域に対応する全ての倍率値を容易に設定できる。
【0294】
従って、元の入力画像とは異なるアスペクト比率で表示画面に画像を表示する場合において、元の入力画像から損じる画素数あるいは走査線数を少なくでき、かつ、表示される画像の真円度をほとんど損ねない画素数変換あるいは走査線数変換を実現することができる。
【0295】
請求項4の発明では、画像表示装置で分割値Bを2以上の偶数に設定した場合でも、この値Bと、一意的に定まる変換率Eとによって決定されるE×Bの値に対応して、表示画面の分割された各領域に対応する全ての倍率値を容易に設定できる。
【0296】
従って、元の入力画像とは異なるアスペクト比率で表示画面に画像を表示する場合において、元の入力画像から損じる画素数あるいは走査線数を少なくでき、かつ、表示される画像の真円度をほとんど損ねない画素数変換あるいは走査線数変換を実現することができる。
【0297】
また、請求項5の発明では、画像表示装置で分割数Bを3以上の奇数に設定した場合でも、この値Bと、一意的に定まる変換率Eとによって決定されるE×Bの値に対応して、表示画面の分割された各領域に対応する全ての倍率値を容易に設定できる。
【0298】
従って、元の入力画像とは異なるアスペクト比率で表示画面に画像を表示する場合において、元の入力画像から損じる画素数あるいは走査線数を少なくでき、かつ、表示される画像の真円度をほとんど損ねない画素数変換あるいは走査線数変換を実現することができる。
【0299】
また、請求項6の発明では、画像表示装置の所定のアスペクト比率を有する表示画面について、それを構成している1つ1つの画素の配置ピッチ形状を意味する矩形係数αの関係式から、その表示水平画素数Pあるいは表示垂直走査線数Qに基づいた変換率Eを一意的に定めることができ、この変換率Eに対応して、表示画面の分割された各領域に対応する全ての倍率値を容易に設定できる。
【0300】
従って、元の入力画像とは異なるアスペクト比率で表示画面に画像を表示する場合において、元の入力画像から損じる画素数あるいは走査線数を少なくでき、かつ、表示される画像の真円度をほとんど損ねない画素数変換あるいは走査線数変換を実現することができる。
【0301】
請求項7の発明では、入力画像とは異なるアスペクト比率の表示画面を有するPDPであっても、該PDPの表示画面における水平画素数、或いは垂直走査線数にほぼ合致させる倍率値で表示変換することで、元の入力画像の水平画素数、或いは垂直走査線数を損じることなしに画像表示ができ、しかも、入力画像の真円度を損ねない効果を有する。
【0302】
請求項8の発明では、対をなして走査線方向に配置された電極素子を、走査線と交叉する方向に複数配置した一方の電極と、電極素子と交叉する方向に、走査線上の各画素に対応して複数配置した他方の電極と、一方の電極を駆動制御する第一の駆動手段と、他方の電極を駆動制御する第二の駆動手段とを備えたので、表示変換手段からの画像データについて第一駆動手段及び第二駆動手段を駆動制御して、画面表示を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1乃至7における画像表示装置の一構成例を示すブロック図である。
【図2】 この発明の実施の形態1の表示変換における倍率値設定を説明する図である。
【図3】 この発明の実施の形態1の倍率値設定に至る処理フローチャート図である。
【図4】 この発明の実施の形態2の表示変換における倍率値設定を説明する図である。
【図5】 この発明の実施の形態2の倍率値設定に至る処理フローチャート図である。
【図6】 この発明の実施の形態3の表示変換における倍率値設定を説明する図である。
【図7】 この発明の実施の形態3の倍率値設定に至る処理フローチャート図である。
【図8】 この発明の実施の形態4の表示変換における倍率値設定を説明する図である。
【図9】 この発明の実施の形態4の倍率値設定に至る処理フローチャート図である。
【図10】 この発明の実施の形態5の表示変換における倍率値設定を説明する図である。
【図11】 この発明の実施の形態6乃至7の表示画面における、所定アスペクト比率のPDPを構成する画素毎の配置ピッチを説明する図である。
【図12】 従来の画像表示装置の画素毎の構造の一部を示す概略図である。
【図13】 従来の画像表示装置について表示画面の全体構造を示す概略図である。
【図14】 1フィールドにおける発光シーケンスの一例を模擬的に示す図である。
【図15】 従来の画像表示装置の表示変換を説明する図である。
【符号の説明】
10 背面パネル、 11 書込み電極、 12 リブ、 13 蛍光体、19 ガラス基板、 20 前面パネル、 21 誘電体、 22 保護膜、 29 ガラス基板、 1 画像入力端子、 2 同期信号入力端子、 3 A/D変換部、 4 フレームメモリ部、 6 制御部、 7 PDP、 31 表示変換部、 51 書込み駆動部、 52 XY駆動部、 X,X1〜XQ 走査維持電極、 Y,Y1〜YQ 維持(共通)電極。
Claims (8)
- 一水平走査線内にP個の画素を含み、Q本の走査線から構成される表示画面と、
前記P或いはQと、入力画像の一水平走査線内の有効水平画素数のうち表示画面に表示する画素数H(≠P)、或いは有効垂直走査線数のうち表示画面に表示する走査線数V(≠Q)と、入力画像を走査線方向、或いは、走査線とは垂直な方向に均等の領域bi(iは、1からBまでの整数)に分割した分割数Bと、隣接する前記領域間の倍率の差gとから求まる各領域biの変換倍率ki(iは、1からBまでの整数)を予め定めておき、各領域bi毎に入力画像を倍率ki倍に変換して表示する表示変換手段と
を備え、
前記表示変換手段から出力された入力画像を前記表示画面に画面表示することを特徴とする画像表示装置。 - 前記PとH、又はQとVによって一意的に定まる変換率P/H、又はQ/VをEとして、前記分割数Bを2以上の偶数に設定したときには、前記変換倍率kiの最大値を{E+(B−2)g/4}に、前記変換倍率kiの最小値を{E−(B−2)g/4}に設定し、前記分割数Bを3以上の奇数に設定したときには、前記変換倍率kiの最大値を{E+(B−3)g/4}に、前記変換倍率kiの最小値を{E−(B−3)g/4}に設定することを特徴とする請求項1に記載の画像表示装置。
- 一水平走査線内にP個の画素を含み、Q本の走査線から構成される表示画面と、
前記P或いはQと、入力画像の一水平走査線内の有効水平画素数のうち表示画面に表示する画素数H(≠P)、或いは有効垂直走査線数のうち表示画面に表示する走査線数V(≠Q)と、入力画像を走査線方向、或いは、走査線とは垂直な方向に均等の領域bi(iは、1からBまでの整数)に分割した分割数Bとから、その総和が前記PとH、又はQとVによって一意的に定まる変換率P/H、又はQ/Vに等しいEと分割数Bとを乗算したE×Bの値にほぼ等しくなるように各領域biの変換倍率kiを予め定めておき、各領域bi毎に入力画像を倍率ki倍に変換して表示する表示変換手段と
を備え、
前記表示変換手段から出力された入力画像を前記表示画面に画面表示することを特徴とする画像表示装置。 - 前記分割数Bを2以上の偶数に設定したときには、画素数Hを左右にほぼ2等分する境界線L1に対して左右対称を成し、あるいは、走査線数Vを上下にほぼ2等分する境界線L2に対して上下対称を成すように各領域bi毎に倍率値kiを設定したことを特徴とする請求項1又は3のいずれかに記載の画像表示装置。
- 前記分割数Bを3以上の奇数に設定したときには、画素数Hを左右にほぼ2等分する境界線L1にまたがる、あるいは、走査線数Vを上下にほぼ2等分する境界線L2にまたがる(B+1)/2番目の領域の倍率値がk0に設定されるとともに、(B+1)/2番目の領域を除いた残りの領域bi(1≦i≦(B−1)/2、(B+3)/2≦i≦B)については、前記境界線L1に対して左右対称を成し、あるいは、前記境界線L2に対して上下対称を成すように各領域bi毎に倍率値ki(1≦i≦(B−1)/2、(B+3)/2≦i≦B)を設定したことを特徴とする請求項1又は3のいずれかに記載の画像表示装置。
- 前記表示画面は、その幅寸法w、高さ寸法h、及び画素毎の配置ピッチ形状に基づいて、一水平走査線方向の画素数P、及び走査線の本数Qが定められていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の画像表示装置。
- 前記表示画面は、16:9のプラズマ・ディスプレイ・パネルであることを特徴とする請求項6に記載の画像表示装置。
- 前記プラズマ・ディスプレイ・パネルは、
対をなして走査線方向に配置された電極素子を、走査線と交叉する方向に複数配置した一方の電極と、
前記電極素子と交叉する方向に、走査線上の各画素に対応して複数配置した他方の電極と、
前記一方の電極を駆動制御する第一の駆動手段と、
前記他方の電極を駆動制御する第二の駆動手段とを備え、
前記表示変換手段からの画像データについて前記第一駆動手段及び第二駆動手段を駆動制御して、画面表示を行うことを特徴とする請求項7に記載の画像表示装置。
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