JP3788767B2 - 版胴 - Google Patents

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【0001】
【産業上の利用分野】
この発明は、印刷装置において印刷版を固定する印刷版固定装置を備えた版胴に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般的な印刷装置では版胴上に印刷版を固定するための1対の咥え手段を備えている。この咥え手段は印刷版の先端部および後端部をそれぞれ咥え爪により機械的に締め付けて固定するものである。
【0003】
一方、従来では、一般的にはアルミ材などの金属材料を基材とした印刷版が用いられていたが、近年では、印刷版を安価でかつ軽量化するためにポリエステル等の樹脂材料を基材とする印刷版が用いられることがある。このような樹脂ベースの印刷版は軽量かつ柔軟であるため取り扱いは容易であるが、アルミベースの印刷版に比べて比較的耐刷力が少ないという欠点があった。
【0004】
しかしながら版胴上において画像を記録する画像記録装置を備えた印刷装置、いわゆるデジタル印刷機では、比較的印刷部数の少ないショートラン印刷に用いられるため印刷版の耐刷力が低くてもよく、前記樹脂ベースの印刷版を用いることが多い。特に前記樹脂ベースの印刷版は従来のアルミベースの印刷版よりも取り扱いが容易であるため、例えばロール状にして版胴の内外に備えることができる等の利点があって上記のような製版機構付きの印刷装置には好適であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが上記樹脂ベースの印刷版はアルミベースの印刷版に比べて伸縮が大きい。このため従来の印刷装置のような咥え手段で固定しただけでは、印刷枚数が多くなると徐々に印刷版の伸びに起因する版ズレが生じることが判明した。すなわち印刷版の固定力不足等に起因するような従来の版ズレに加えて、印刷版自体の伸びに起因する版ズレも加わることになる。
【0006】
従来の印刷版に対しても、版ズレを防止するために特公平8−18423号特許公報などに開示された従来技術が実施されている。この従来技術では版胴表面のクロムメッキ層の表面粗さを調整して版ズレを防止するようにしており有効な技術である。しかしながら、この従来技術では版胴表面を直接加工するために加工コストがかかるという問題があった。また版胴表面が磨耗などにより磨り減ってくれば版ズレ防止効果が十分に発揮されなくなる。
【0007】
本発明では、樹脂材料などを基材とする比較的軟質な印刷版であっても版ズレなどを防止することができる版胴を提供するものであって、従来技術よりも加工が簡易で、かつ磨耗などにより版ズレ防止効果の減少が生じても対応することが容易な版胴を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、樹脂材料を基材とする印刷版をその周面に保持する版胴であって、前記版胴内部に設けられた吸着配管に連通する第1の吸着孔が表面に形成された版胴本体と、前記版胴本体上に交換可能に固定保持されるジャケット部材とを備え、前記ジャケット部材は、表面が粗面加工される中央部と、表面が平滑加工される周辺部とを有し、前記周辺部より内側には少なくとも印刷版の側辺を吸着するための第2の吸着孔が形成されており、前記版胴内部の吸着配管から前記第1および第2の吸着孔を通して真空排気を行って、前記ジャケット部材の粗面に接した状態で、前記印刷版を吸着固定するようにした
【0011】
請求項に記載の発明は、請求項に記載の版胴であって、前記ジャケット部材と前記版胴との間に、前記第1の吸着孔と前記前記第2の吸着孔との間を連通させるための吸着溝を形成した中間シート部材を設けるようにしたことを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は本発明に係る版胴10を備える印刷装置の一例を示す側面概要図である。
【0013】
図1を参照して、本実施の形態における印刷装置は、各々2色ずつの多色印刷を行える第1印刷ユニット1および第2印刷ユニット2と、第1印刷ユニットに印刷用紙を供給する給紙部3と、第1印刷ユニット1から第2印刷ユニット2へ印刷用紙を搬送する中間搬送部4と、第2印刷ユニット2から印刷用紙を排出する排紙部5と、上記各部を同期して駆動する印刷駆動部6と、上記印刷装置の各部を制御するための制御手段7と、からなる。
【0014】
第1印刷ユニット1は、その周面に2つの印刷領域に対応する印刷版を保持可能な版胴10と、前記版胴10に対し印刷版を供給及び排出する給排版手段11と、版胴10上の印刷版に画像を形成する画像記録手段12と、画像を形成した印刷版を現像処理する現像手段13と、印刷版に対し湿し水を供給する2つの湿し水供給手段14と、印刷版に対しインキを供給する2つのインキ供給手段15と、前記版胴10と同じ径を有し前記版胴10に当接するブランケット胴16と、前記版胴の1/2の径を有し前記ブランケット胴16に当接する圧胴17と、この圧胴17に対し印刷用紙を供給および排出するための給紙胴18および排紙胴19とからなる。
【0015】
前記版胴10は、異なる色に対応する印刷版を2枚保持可能な周面を有し、印刷版を固定するための2組の咥え手段(図4の説明において後述する)を備えている。さらに前記版胴10の周面には印刷版を保持するためのジャケット部材が装着されている。このジャケット部材の詳細については後述する。なお、版胴10は2つの印刷版を保持する代わりに2つの印刷領域を有する連続した1枚の印刷版を保持することで、実質的に1つの版胴上に2色分の印刷版を備えるようにしてもよい。
【0016】
給排版手段11は、前記版胴10へ未露光の印刷版を供給するとともに前記版胴10から使用済みの印刷版を回収するものであって、図示しない供給および排出カセットと、当該両カセットと版胴10との間で印刷版を搬送する搬送手段等からなる。なお、この実施の形態ではシート状の印刷版を供給するようにしているが、ロール状の印刷版を適宜裁断して供給する方式であってもよい。
【0017】
ここで本実施の形態に係る印刷装置では、ポリエステル、ポリイミド、またはポリスチレンなどの樹脂材料を基材とする印刷版、もしくは紙材にフェノール樹脂またはエポキシ樹脂等を含浸させたものを基材とする印刷版を用いている。本明細書では、このような印刷版をアルミまたはアルミ合金などをベースとする印刷版と区別して樹脂ベースの印刷版とする。
【0018】
画像記録手段12は、前記版胴10上の印刷版に対し光ビームを照射して画像を露光するものである。本実施の形態では、この画像記録手段12は、画像信号に応じて光ビームをon/off制御して前記印刷版に対し照射するビーム照射手段と、このビーム照射手段を前記版胴10の軸線方向に副走査送りする手段とからなる。なお本実施例では、前述した樹脂材料を基材として銀塩感光層を備える印刷版を用いており、前記光ビーム露光方式で画像を記録するようにしているが、他の記録方式、例えば熱溶融、相変化、アブレーションなどの他の画像記録方法を採用してもよい。
【0019】
現像手段13は、処理液を貯留した処理液槽と当該処理液内に一部が浸漬した状態で配置した塗布ローラとからなり、塗布ローラを版胴10に当接させることで処理液を汲み上げて印刷版面に供給するものである。この実施の形態では、各処理液槽および塗布ローラは現像処理および定着処理のために各々2組を有し、各々の塗布ローラが独立して前記版胴10に対し接離するように昇降機構が設けられている。なお画像記録方法によっては、現像手段13を不要とすることができる。
【0020】
湿し水供給手段14は、1つの版胴10に対し2組設けられていて、各湿し水供給手段14は、図示しないカム機構によって前記版胴10上の異なる印刷領域に対しそれぞれ選択的に湿し水を供給するように構成されている。このように湿し水供給手段14が2つ設けられているのは湿し水に対し異なる色のインキが混入することを防止するためであるが、例えば噴霧式湿し水供給手段を採用するなどしてインキ混入の問題がなければ、湿し水供給手段14を1つだけにしてもよい。もちろん湿し水が不要な形式の印刷版を用いれば湿し水供給手段14自体も不要となる。
【0021】
インキ供給手段15は、1つの版胴10に対し2組設けられていて、各インキ供給手段15は各々異なる色のインキを保有する。また図示しないカム機構によって前記版胴10上の異なる印刷領域に対しそれぞれ選択的にインキを供給するように構成されている。
【0022】
ブランケット胴16は前記版胴10と同じ径であり、その周面にインキ画像を転写するためのブランケットを備える。このブランケットには前記版胴10上の印刷版から2つのインキ画像が転写される。なお、ブランケット胴16の周囲には当該ブランケットを洗浄するためのブランケット洗浄手段20が備えられている。
【0023】
圧胴17は、前記版胴10の1/2の径を有しており、その周面には印刷用紙を挟持搬送するための図示しない1組の咥え手段が設けられている。従って圧胴17の周面には、前記版胴10上の1つの印刷領域に対応する大きさの印刷用紙を1枚保持することができる。なお、この圧胴17の咥え手段は、後述する給紙胴18から印刷用紙を隔回転毎に受け取り、後述する排紙胴19に対し印刷用紙を隔回転毎に受け渡すように開閉動作する。
【0024】
給紙胴18および排紙胴19は、圧胴17と同径で、各々圧胴17と同様に印刷用紙を挟持搬送するための咥え手段を備えている。給紙胴18および排紙胴19はいずれも圧胴17と同期して回転しており、各胴の咥え手段と圧胴17の咥え手段とが同期して印刷用紙の受け渡しが行えるよう設定されている。この給紙胴18および排紙胴19の咥え手段も前記圧胴17が2回転する毎に印刷用紙の供給および排出を行えるように開閉動作する。
【0025】
上記第1印刷ユニット1では、前記版胴10およびブランケット胴16の径と圧胴17の径との差異に基づいて、版胴10およびブランケット胴16とが1回転すると圧胴17が2回転する。従って、圧胴17が印刷用紙を保持したまま2回転すると、印刷用紙上には版胴10上の2つの印刷領域から2色分のインキ画像が順次転写されて2色刷り印刷が行える。
【0026】
第2印刷ユニット2についても基本的に第1印刷ユニット1と同じ構成なので、図1には同じ符号をつけて詳細な説明を省略する。なお本実施の形態では、第1印刷ユニット1のインキ供給手段15の供給するインキの色は、K(ブラック)およびC(シアン)であり、第2印刷ユニット2のインキの色はM(マゼンタ)およびY(イエロー)であり、合計4色の多色印刷が行える。
【0027】
給紙部3は、印刷用紙を積載する給紙台を備え、当該給紙台上に積載された最上部の印刷用紙を1枚だけ分離して取り出し、前記第1印刷ユニット1の給紙胴18へ供給するものである。なお、この給紙部3の印刷用紙の分離供給動作は、前記給紙胴18の隔回転毎に行われる。
【0028】
中間搬送部4は、第1印刷ユニット1の排紙胴19と第2印刷ユニット2の給紙胴18との間で印刷用紙を受け渡すものであって、3つの渡し胴21で構成されている。各渡し胴21は各々圧胴17の2倍の径を有しており、その周面には2組の咥え手段が備えられている。そして各渡し胴21の咥え手段と前記排紙胴19および給紙胴18の咥え手段とは、印刷用紙を受け渡せるように同期して開閉するように構成されている。
【0029】
なお、前述のように圧胴17は2回転するごとに2色印刷を行うため、圧胴17の2倍の径を有する渡し胴21を用いる場合は、その周面には1組の咥え手段のみを設けるようにすればよい。すなわち、この場合は各渡し胴21はその周面の半分だけを印刷用紙の搬送に用いることになる。ただし、本実施の形態における印刷装置では、各圧胴17が1回転するだけの片面2色印刷機能を備えるため、各渡し胴21には咥え手段を各々2組設けてある。この構成については本発明と関係がないため説明を省略する。
【0030】
排紙部5は、前記第2印刷ユニット2の排紙胴19から印刷用紙を受け取って搬送するための咥え手段を備えた無端状チェーンと、印刷用紙を積載する排出台とからなる。
【0031】
印刷駆動部6は、この印刷装置の前記各胴を回転させるためのモータからなり、隣接する胴間で噛合するように設けられた図示しないギアを駆動することで、各胴を同期して回転駆動する。なお前記給紙部3の給紙動作も図示しない同期手段により、前記印刷駆動部6と同期がとられている。
【0032】
次に図2ないし図4を用いて版胴10におけるジャケット部材30の詳細について説明する。なお図2は、版胴本体10aへのジャケット部材30の装着構成を示す説明図であり、図3はジャケット部材30の平面および断面を示す図である。また図4はこのジャケット部材30を装着した版胴10の断面を示した図である。いずれの図も理解しやすいように細部を誇張・変形して模式的に表示してある。
【0033】
図2において、版胴本体10aの周面には、シート状のジャケット部材30が両端を固定金具31、32で固定された状態で装着される。
【0034】
ジャケット部材30は、図3に示すようにステンレス製のシート基材30bに対して中央部cにセラミックの溶射を行ない、周辺部sには無電解ニッケルメッキを行った部材である。図3に示すように、中央部cのセラミック溶射部分と周辺部sのニッケルメッキ部分とは略同一高さに形成され、その間には約1mm程度の溝33が形成される。そして溝33内には複数の吸着孔34が版胴10の周方向に沿って形成されている。本実施の形態では、前記セラミック溶射による表面粗さは十点平均粗さRz=23〜37であり、ポリエステルベースの印刷版に対して摩擦係数μ=0.58程度になっている。
【0035】
上記ジャケット部材30では、セラミック溶射による粗面化で印刷版との摩擦効果を高め印刷版の版ズレを防ぐことができる。なお、周辺部sのニッケルメッキ部分は前記吸着孔34から真空排気を行った場合に、周辺部からエアーが漏れないようにするため、周辺部表面を平滑加工している。なお、前記溝33、吸着孔34の個数、配置、大きさなどは、本実施の形態に限定されることなく種々の態様を取り得るが、好ましくは印刷品質に対し影響を与えないように、載置される印刷版の印刷領域外の周辺部に配置するのが良い。
【0036】
図2に戻って、本実施の形態ではこのジャケット部材30の上下端(版胴10に対し周方向)には版胴本体10aへ装着するための折り曲げ部30a、30bとネジ止めのためのU孔30c、30dとが加工されている。
【0037】
固定金具31は版胴本体10aに形成された胴溝35に対して前記ジャケット部材30の先端を固定する部材であり、図に示すように固定金具31と胴溝35内の側壁35aとの間に前記折り曲げ部30aを挟持するようにねじ36aで固定する。
【0038】
他方の固定金具32は第1金具32aと第2金具32bとからなり、両金具32a、32b間に前記折り曲げ部30cを挟持するようにねじ36bで固定する。さらに前記第1金具32aは,位置調整可能な長孔32cを介して胴溝35’に対しネジ36cで固定される。そして前記固定金具32はボルト37により胴溝35’内の側壁35bに対して位置調整可能であり、このボルト37のねじ込み量に応じて前記ジャケット部材30を版胴本体10a上に張り締めすることができる。
【0039】
なお、版胴本体10aとジャケット部材30との間には溝孔38を形成したフィルムシート39が介在される。この溝孔38は前記ジャケット部材30に形成した吸着孔34の列と連通するように配置されている。また溝孔38は版胴本体10a表面に形成された吸着孔60(図5の説明において後述する)とも連通する位置にある。このようにフィルムシート39を介在させることにより、版胴本体10aに形成した吸着孔60とジャケット部材30に形成した吸着孔34とを自在に連通させることができ、加工が困難な版胴本体10aに対して吸着孔60の形成数を少なくすることができるという効果がある。
【0040】
図4に示すように、この実施の形態では版胴10上に2つの印刷版を備えるため、2つの胴溝35、35’間に2つのジャケット部材30が装着される。そして印刷版Pは、このジャケット部材30に接する状態で、前記胴溝30内に備えられた2組の咥え手段40、41により先端および後端を機械的に挟持されて保持される。なお、咥え手段40、41は一般に周知であるため、その構成の説明は省略する。
【0041】
次に、図5は前記版胴10の一方の軸端を示す断面図である。図4において版胴10の軸端50は、軸受け51によって印刷機の側板52に軸支されている。また軸端50の先端50aは、軸受け53に軸支されている駆動ギア54の内孔54aに対して回転自在に挿通されている。
【0042】
前記駆動ギア54は前記印刷駆動部6に対し連結されて回転駆動する。これに対し前記軸端50aは駆動ギア54に対し回転自在な状態で挿通されているが、軸端50に設けたクラッチ55を接続することで前記軸端50と駆動ギア54とを固定接続させることができる。すなわち、クラッチ55を接続すれば版胴10は駆動ギア54から動力を伝達されて回転駆動する。一方、クラッチ55を切れば、版胴10を駆動ギア54から切断したフリーの状態にすることができる。
【0043】
この構成によれば、版胴10に対し製版を行う場合は、前記クラッチ55により駆動ギア54からの駆動を遮断して、別の駆動モータ(図示しない)により版胴10を回転駆動させることができる。これにより印刷時と製版時とで駆動モータを切り替えることができるので、例えば印刷時は複数の胴を同時に駆動させるのに適した高出力な駆動モータを用い、製版時は精密記録が行えるように安定性に優れた駆動モータを用いることができる。
【0044】
一方、軸端50内には、真空排気を行うための配管56が設けられており、軸端50aには配管56に対し連通されるロータリー継手57が接続されている。このロータリー継手57は版胴が回転しても配管がねじれない構造になっており、真空排気を行うための真空ポンプ58が接続される。なお、真空ポンプ58は、版胴10上の2つの印刷領域に対して共用されるが、それぞれに対し個別に設けてもよい。
【0045】
軸端50内に設けられた配管56は、版胴本体10a側端で配管59に接続され、この配管59は版胴本体10aの周面に設けられた吸着孔60に接続されている。この吸着孔60の開口は前記フィルムシート39の溝孔38と対向する位置に配置されている。
【0046】
この構成によれば、真空ポンプ58の作動により、ロータリー継手57、配管56、59、吸着孔60、フィルムシート39の溝孔38、そしてジャケット部材30の吸着孔34を順に介してジャケット部材30上に固定された印刷版を吸着固定することができる。なお、前記ジャケット部材30に対し真空吸着を併用する場合には、前記ジャケット部材30に加工された粗面上の微小な凹凸により真空排気が行いやすく、印刷版の吸着効率が高いという利点も生じる。
【0047】
図6は、上記実施の形態による印刷版の固定状態を説明するための図である。図6に示すように、版胴10の周面に保持された印刷版は、粗面化されたジャケット部材30上において先端部および後端部を咥え手段40、41により機械的に挟持されるため、強固に固定される。そして、前記ジャケット部材30は版胴本体10aに対し着脱可能に固定されたシート状の部材であるため、版胴本体10aの表面自体を粗面加工するよりも加工が容易であり、またジャケット部材30のみを交換すれば磨耗した粗面を復活させることも簡単に行える。
【0048】
さらに印刷版の側辺をジャケット部材30に形成した吸着孔34により吸着して固定すれば、より強固に固定することができる。この場合でも版胴本体10aに対し複数の穿孔加工を行うよりも、ジャケット部材30に対し穿孔加工を行う方が簡単に行えるという利点がある。本発明では、上記の構成により樹脂材料を基材とする伸びやすい印刷版であっても版ズレの発生を強力に防止することができる。
【0049】
[その他の実施の形態]
本発明は、版胴内にロール状の印刷版を備える場合にも適用することができ、同様な効果を得ることができる。図7は版胴70内にロール状の印刷版を備える場合の実施の形態を示す版胴70の概略断面図である。この実施の形態では、版胴70(版胴本体70a)内の空間にはロール状の印刷版を巻き出しおよび巻き取りするための巻き出しロール71および巻き取りロール72を備える。前記巻き出しロール71から巻き出された印刷版は、版胴本体70aに形成された開口部73から版胴70外に出て、版胴70の周面を周回して再度開口部73から版胴本体70a内へ入り、巻き取りロール72に巻き取られる。
【0050】
この版胴本体70aの周面には、前述した実施の形態と同様に、表面がセラミック溶射により粗面化されたジャケット部材74が図示しない固定金具により装着されている。またジャケット部材74には吸着孔75が形成されており、版胴70外に設けた排気機構に接続されて印刷版の真空吸着が行われる。
【0051】
この実施の形態では、前記巻き出しロール71および巻き取りロール72の回転を機械的に禁止するクラッチなどにより印刷版の先端および後端を固定することができ、この場合、印刷版の下面が粗面化したジャケット部材74に接しているので強固に固定される。さらに真空排気により吸着固定を行うことで、より強固な固定を行うことができる。
【0052】
【発明の効果】
請求項1に記載された発明では、粗面化したジャケット部材を版胴上に装着しているので印刷版を強固に固定することができ、版ズレを防止することができる。またジャケット部材の加工は版胴表面を直接加工するよりも容易であり、またジャケット部材の取り替えにより版胴表面の交換も簡単に行える。
【0053】
また、吸着作用を併用するのでより強固に印刷版の固定を行うことができ、粗面化されたジャケット部材により真空排気効率が高いという利点がある。また複数の吸着孔の穿孔加工も版胴に対する加工より容易である。
【0054】
また、ジャケット部材周辺部は平滑加工がなされているので、排気によりジャケット部材の周辺部が密着して、真空もれを防止できる。
【0055】
請求項記載の発明では、版胴の吸着孔とジャケット部材の吸着孔との位置が相違しても中間シートにより簡易に連通することができるので、版胴の穿孔加工等を少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態に係る版胴を備えた印刷装置の一例を示す図である。
【図2】ジャケット部材の取り付けを説明するための図である。
【図3】ジャケット部材の構成を示す図である。
【図4】版胴の断面を示す図である。
【図5】版胴の軸端を拡大して示す断面図である。
【図6】印刷版の取り付け状態を説明するための図である。
【図7】本発明を内部に印刷版供給機構を備えた版胴に対し実施する場合の例を示す図である。
【符号の説明】
1 第1印刷ユニット
2 第2印刷ユニット
10 版胴
30、74 ジャケット部材
31、32 取付金具
34、75 吸着孔
35、35’ 胴溝
38 溝孔
39 フィルムシート
40、41 咥え手段
56、59 配管
57 ロータリー継手
58 真空ポンプ
60 吸着孔
c 中央部(粗面加工された部分)
s 周辺部(平滑加工された部分)
p 印刷版

Claims (2)

  1. 樹脂材料を基材とする印刷版をその周面に保持する版胴であって、
    前記版胴内部に設けられた吸着配管に連通する第1の吸着孔が表面に形成された版胴本体と、
    前記版胴本体上に交換可能に固定保持されるジャケット部材と、
    を備え、
    前記ジャケット部材は、
    表面が粗面加工される中央部と、
    表面が平滑加工される周辺部と、
    を有し、
    前記周辺部より内側には少なくとも印刷版の側辺を吸着するための第2の吸着孔が形成されており、
    前記版胴内部の吸着配管から前記第1および第2の吸着孔を通して真空排気を行って、前記ジャケット部材の粗面に接した状態で、前記印刷版を吸着固定するようにしたことを特徴とする版胴。
  2. 前記ジャケット部材と前記版胴との間に、前記第1の吸着孔と前記前記第2の吸着孔との間を連通させるための吸着溝を形成した中間シート部材を設けるようにしたことを特徴とする請求項1記載の版胴。
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