JP2003220683A - 版 胴 - Google Patents

版 胴

Info

Publication number
JP2003220683A
JP2003220683A JP2002020896A JP2002020896A JP2003220683A JP 2003220683 A JP2003220683 A JP 2003220683A JP 2002020896 A JP2002020896 A JP 2002020896A JP 2002020896 A JP2002020896 A JP 2002020896A JP 2003220683 A JP2003220683 A JP 2003220683A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
plate
printing
plate cylinder
cylinder
jacket member
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2002020896A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3788767B2 (ja
Inventor
Masaharu Nakagawa
雅晴 中川
Yuichi Tanioka
裕一 谷岡
Masayuki Kataoka
雅之 片岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dainippon Screen Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Dainippon Screen Manufacturing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dainippon Screen Manufacturing Co Ltd filed Critical Dainippon Screen Manufacturing Co Ltd
Priority to JP2002020896A priority Critical patent/JP3788767B2/ja
Publication of JP2003220683A publication Critical patent/JP2003220683A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3788767B2 publication Critical patent/JP3788767B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Manufacture Or Reproduction Of Printing Formes (AREA)
  • Supply, Installation And Extraction Of Printed Sheets Or Plates (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 印刷版の版ズレを防止可能な版胴を提供す
る。 【解決手段】 版胴10の表面には、セラミック溶射に
より粗面加工されたジャケット部材30が着脱自在に装
着される。これにより印刷版を装着固定した際の摩擦係
数を高め、印刷版の版ズレを防止することができる。ま
た取り外し可能なジャケット部材30の加工は版胴表面
を直接加工するよりも容易である。ジャケット部材30
に形成した吸着孔34を介して印刷版の吸着保持を行う
場合にも、ジャケット部材30表面の凹凸により真空排
気効率がよく、吸着効果が高い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、印刷装置において印
刷版を固定する印刷版固定装置を備えた版胴に関する。
【0002】
【従来の技術】一般的な印刷装置では版胴上に印刷版を
固定するための1対の咥え手段を備えている。この咥え
手段は印刷版の先端部および後端部をそれぞれ咥え爪に
より機械的に締め付けて固定するものである。
【0003】一方、従来では、一般的にはアルミ材など
の金属材料を基材とした印刷版が用いられていたが、近
年では、印刷版を安価でかつ軽量化するためにポリエス
テル等の樹脂材料を基材とする印刷版が用いられること
がある。このような樹脂ベースの印刷版は軽量かつ柔軟
であるため取り扱いは容易であるが、アルミベースの印
刷版に比べて比較的耐刷力が少ないという欠点があっ
た。
【0004】しかしながら版胴上において画像を記録す
る画像記録装置を備えた印刷装置、いわゆるデジタル印
刷機では、比較的印刷部数の少ないショートラン印刷に
用いられるため印刷版の耐刷力が低くてもよく、前記樹
脂ベースの印刷版を用いることが多い。特に前記樹脂ベ
ースの印刷版は従来のアルミベースの印刷版よりも取り
扱いが容易であるため、例えばロール状にして版胴の内
外に備えることができる等の利点があって上記のような
製版機構付きの印刷装置には好適であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが上記樹脂ベー
スの印刷版はアルミベースの印刷版に比べて伸縮が大き
い。このため従来の印刷装置のような咥え手段で固定し
ただけでは、印刷枚数が多くなると徐々に印刷版の伸び
に起因する版ズレが生じることが判明した。すなわち印
刷版の固定力不足等に起因するような従来の版ズレに加
えて、印刷版自体の伸びに起因する版ズレも加わること
になる。
【0006】従来の印刷版に対しても、版ズレを防止す
るために特公平8−18423号特許公報などに開示さ
れた従来技術が実施されている。この従来技術では版胴
表面のクロムメッキ層の表面粗さを調整して版ズレを防
止するようにしており有効な技術である。しかしなが
ら、この従来技術では版胴表面を直接加工するために加
工コストがかかるという問題があった。また版胴表面が
磨耗などにより磨り減ってくれば版ズレ防止効果が十分
に発揮されなくなる。
【0007】本発明では、樹脂材料などを基材とする比
較的軟質な印刷版であっても版ズレなどを防止すること
ができる版胴を提供するものであって、従来技術よりも
加工が簡易で、かつ磨耗などにより版ズレ防止効果の減
少が生じても対応することが容易な版胴を提供すること
を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、樹脂材料を基材とする印刷版をその周面に保持する
版胴であって、表面を粗面加工したジャケット部材を前
記版胴上に交換可能に固定保持し、前記印刷版を当該ジ
ャケット部材の粗面に接した状態で固定するようにし
た。
【0009】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の版胴であって、前記版胴表面には版胴内部に設けられ
た吸着配管に連通する第1の吸着孔を形成し、前記ジャ
ケット部材には少なくとも印刷版の側辺を吸着するため
の第2の吸着孔を形成し、前記版胴内部の吸着配管から
前記第1および第2の吸着孔を通して真空排気を行って
前記印刷版を前記ジャケット部材に対し吸着固定するよ
うにしたことを特徴とする。
【0010】請求項3に記載の発明は、請求項2に記載
の版胴であって、前記ジャケット部材の中央部を除く周
辺部の表面は平滑加工されており、前記第2の吸着孔は
前記周辺部より内側に設けられていることを特徴とす
る。
【0011】請求項4に記載の発明は、請求項2または
3に記載の版胴であって、前記ジャケット部材と前記版
胴との間に、前記第1の吸着孔と前記第2の吸着孔との
間を連通させるための吸着溝を形成した中間シート部材
を設けるようにしたことを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を図
面に基づいて説明する。図1は本発明に係る版胴を備え
る印刷装置の一例を示す側面概要図である。
【0013】図1を参照して、本実施の形態における印
刷装置は、各々2色ずつの多色印刷を行える第1印刷ユ
ニット1および第2印刷ユニット2と、第1印刷ユニッ
トに印刷用紙を供給する給紙部3と、第1印刷ユニット
1から第2印刷ユニット2へ印刷用紙を搬送する中間搬
送部4と、第2印刷ユニット2から印刷用紙を排出する
排紙部5と、上記各部を同期して駆動する印刷駆動部6
と、上記印刷装置の各部を制御するための制御手段7
と、からなる。
【0014】第1印刷ユニット1は、その周面に2つの
印刷領域に対応する印刷版を保持可能な版胴10と、前
記版胴に対し印刷版を供給及び排出する給排版手段11
と、版胴10上の印刷版に画像を形成する画像記録手段
12と、画像を形成した印刷版を現像処理する現像手段
13と、印刷版に対し湿し水を供給する2つの湿し水供
給手段14と、印刷版に対しインキを供給する2つのイ
ンキ供給手段15と、前記版胴10と同じ径を有し前記
版胴10に当接するブランケット胴16と、前記版胴の
1/2の径を有し前記ブランケット胴16に当接する圧
胴17と、この圧胴17に対し印刷用紙を供給および排
出するための給紙胴18および排紙胴19とからなる。
【0015】前記版胴10は、異なる色に対応する印刷
版を2枚保持可能な周面を有し、印刷版を固定するため
の2組の咥え手段(図4の説明において後述する)を備
えている。さらに前記版胴10の周面には印刷版を保持
するためのジャケット部材が装着されている。このジャ
ケット部材の詳細については後述する。なお、版胴10
は2つの印刷版を保持する代わりに2つの印刷領域を有
する連続した1枚の印刷版を保持することで、実質的に
1つの版胴上に2色分の印刷版を備えるようにしてもよ
い。
【0016】給排版手段11は、前記版胴10へ未露光
の印刷版を供給するとともに前記版胴10から使用済み
の印刷版を回収するものであって、図示しない供給およ
び排出カセットと、当該両カセットと版胴10との間で
印刷版を搬送する搬送手段等からなる。なお、この実施
の形態ではシート状の印刷版を供給するようにしている
が、ロール状の印刷版を適宜裁断して供給する方式であ
ってもよい。
【0017】ここで本実施の形態に係る印刷装置では、
ポリエステル、ポリイミド、またはポリスチレンなどの
樹脂材料を基材とする印刷版、もしくは紙材にフェノー
ル樹脂またはエポキシ樹脂等を含浸させたものを基材と
する印刷版を用いている。本明細書では、このような印
刷版をアルミまたはアルミ合金などをベースとする印刷
版と区別して樹脂ベースの印刷版とする。
【0018】画像記録手段12は、前記版胴10上の印
刷版に対し光ビームを照射して画像を露光するものであ
る。本実施の形態では、この画像記録手段12は、画像
信号に応じて光ビームをon/off制御して前記印刷版に対
し照射するビーム照射手段と、このビーム照射手段を前
記版胴10の軸線方向に副走査送りする手段とからな
る。なお本実施例では、前述した樹脂材料を基材として
銀塩感光層を備える印刷版を用いており、前記光ビーム
露光方式で画像を記録するようにしているが、他の記録
方式、例えば熱溶融、相変化、アブレーションなどの他
の画像記録方法を採用してもよい。
【0019】現像手段13は、処理液を貯留した処理液
槽と当該処理液内に一部が浸漬した状態で配置した塗布
ローラとからなり、塗布ローラを版胴11に当接させる
ことで処理液を汲み上げて印刷版面に供給するものであ
る。この実施の形態では、各処理液槽および塗布ローラ
は現像処理および定着処理のために各々2組を有し、各
々の塗布ローラが独立して前記版胴10に対し接離する
ように昇降機構が設けられている。なお画像記録方法に
よっては、現像手段13を不要とすることができる。
【0020】湿し水供給手段14は、1つの版胴10に
対し2組設けられていて、各湿し水供給手段14は、図
示しないカム機構によって前記版胴10上の異なる印刷
領域に対しそれぞれ選択的に湿し水を供給するように構
成されている。このように湿し水供給手段14が2つ設
けられているのは湿し水に対し異なる色のインキが混入
することを防止するためであるが、例えば噴霧式湿し水
供給手段を採用するなどしてインキ混入の問題がなけれ
ば、湿し水供給手段14を1つだけにしてもよい。もち
ろん湿し水が不要な形式の印刷版を用いれば湿し水供給
手段14自体も不要となる。
【0021】インキ供給手段15は、1つの版胴10に
対し2組設けられていて、各インキ供給手段15は各々
異なる色のインキを保有する。また図示しないカム機構
によって前記版胴10上の異なる印刷領域に対しそれぞ
れ選択的にインキを供給するように構成されている。
【0022】ブランケット胴16は前記版胴10と同じ
径であり、その周面にインキ画像を転写するためのブラ
ンケットを備える。このブランケットには前記版胴10
上の印刷版から2つのインキ画像が転写される。なお、
ブランケット胴16の周囲には当該ブランケットを洗浄
するためのブランケット洗浄手段20が備えられてい
る。
【0023】圧胴17は、前記版胴10の1/2の径を
有しており、その周面には印刷用紙を挟持搬送するため
の図示しない1組の咥え手段が設けられている。従って
圧胴17の周面には、前記版胴10上の1つの印刷領域
に対応する大きさの印刷用紙を1枚保持することができ
る。なお、この圧胴17の咥え手段は、後述する給紙胴
18から印刷用紙を隔回転毎に受け取り、後述する排紙
胴19に対し印刷用紙を隔回転毎に受け渡すように開閉
動作する。
【0024】給紙胴18および排紙胴19は、圧胴17
と同径で、各々圧胴17と同様に印刷用紙を挟持搬送す
るための咥え手段を備えている。給紙胴18および排紙
胴19はいずれも圧胴17と同期して回転しており、各
胴の咥え手段と圧胴17の咥え手段とが同期して印刷用
紙の受け渡しが行えるよう設定されている。この給紙胴
18および排紙胴19の咥え手段も前記圧胴17が2回
転する毎に印刷用紙の供給および排出を行えるように開
閉動作する。
【0025】上記第1印刷ユニット1では、前記版胴1
0およびブランケット胴16の径と圧胴17の径との差
異に基づいて、版胴10およびブランケット胴16とが
1回転すると圧胴17が2回転する。従って、圧胴17
が印刷用紙を保持したまま2回転すると、印刷用紙上に
は版胴10上の2つの印刷領域から2色分のインキ画像
が順次転写されて2色刷り印刷が行える。
【0026】第2印刷ユニット2についても基本的に第
1印刷ユニット1と同じ構成なので、図1には同じ符号
をつけて詳細な説明を省略する。なお本実施の形態で
は、第1印刷ユニット1のインキ供給手段15の供給す
るインキの色は、K(ブラック)およびC(シアン)で
あり、第2印刷ユニット2のインキの色はM(マゼン
タ)およびY(イエロー)であり、合計4色の多色印刷
が行える。
【0027】給紙部3は、印刷用紙を積載する給紙台を
備え、当該給紙台上に積載された最上部の印刷用紙を1
枚だけ分離して取り出し、前記第1印刷ユニット1の給
紙胴18へ供給するものである。なお、この給紙部3の
印刷用紙の分離供給動作は、前記給紙胴18の隔回転毎
に行われる。
【0028】中間搬送部4は、第1印刷ユニット1の排
紙胴19と第2印刷ユニット2の給紙胴18との間で印
刷用紙を受け渡すものであって、3つの渡し胴21で構
成されている。各渡し胴21は各々圧胴17の2倍の径
を有しており、その周面には2組の咥え手段が備えられ
ている。そして各渡し胴21の咥え手段と前記排紙胴1
9および給紙胴18の咥え手段とは、印刷用紙を受け渡
せるように同期して開閉するように構成されている。
【0029】なお、前述のように圧胴17は2回転する
ごとに2色印刷を行うため、圧胴17の2倍の径を有す
る渡し胴21を用いる場合は、その周面には1組の咥え
手段のみを設けるようにすればよい。すなわち、この場
合は各渡し胴21はその周面の半分だけを印刷用紙の搬
送に用いることになる。ただし、本実施の形態における
印刷装置では、各圧胴17が1回転するだけの片面2色
印刷機能を備えるため、各渡し胴21には咥え手段を各
々2組設けてある。この構成については本発明と関係が
ないため説明を省略する。
【0030】排紙部5は、前記第2印刷ユニット2の排
紙胴19から印刷用紙を受け取って搬送するための咥え
手段を備えた無端状チェーンと、印刷用紙を積載する排
出台とからなる。
【0031】印刷駆動部6は、この印刷装置の前記各胴
を回転させるためのモータからなり、隣接する胴間で噛
合するように設けられた図示しないギアを駆動すること
で、各胴を同期して回転駆動する。なお前記給紙部3の
給紙動作も図示しない同期手段により、前記印刷駆動部
6と同期がとられている。
【0032】次に図2ないし図4を用いて版胴10にお
けるジャケット部材の詳細について説明する。なお図2
は、版胴10へのジャケット部材の装着構成を示す説明
図であり、図3はジャケット部材の平面および断面を示
す図である。また図4はこのジャケット部材を装着した
版胴10の断面を示した図である。いずれの図も理解し
やすいように細部を誇張・変形して模式的に表示してあ
る。
【0033】図2において、版胴10の周面には、シー
ト状のジャケット部材30が両端を固定金具31、32
で固定された状態で装着される。
【0034】ジャケット部材30は、図3に示すように
ステンレス製のシート基材30bに対して中央部cにセ
ラミックの溶射を行ない、周辺部sには無電解ニッケル
メッキを行った部材である。図3に示すように、中央部
cのセラミック溶射部分と周辺部sのニッケルメッキ部
分とは略同一高さに形成され、その間には約1mm程度
の溝33が形成される。そして溝33内には複数の吸着
孔34が版胴の周方向に沿って形成されている。本実施
の形態では、前記セラミック溶射による表面粗さは十点
平均粗さRz=23〜37であり、ポリエステルベース
の印刷版に対して摩擦係数μ=0.58程度になってい
る。
【0035】上記ジャケット部材30では、セラミック
溶射による粗面化で印刷版との摩擦効果を高め印刷版の
版ズレを防ぐことができる。なお、周辺部sのニッケル
メッキ部分は前記吸着孔34から真空排気を行った場合
に、周辺部からエアーが漏れないようにするため、周辺
部表面を平滑加工している。なお、前記溝33、吸着孔
34の個数、配置、大きさなどは、本実施の形態に限定
されることなく種々の態様を取り得るが、好ましくは印
刷品質に対し影響を与えないように、載置される印刷版
の印刷領域外の周辺部に配置するのが良い。
【0036】図2に戻って、本実施の形態ではこのジャ
ケット部材30の上下端(版胴10に対し周方向)には
版胴10へ装着するための折り曲げ部30a、30bと
ネジ止めのためのU孔30c、30dとが加工されてい
る。
【0037】固定金具31は版胴10に形成された胴溝
35に対して前記ジャケット部材30の先端を固定する
部材であり、図に示すように固定金具31と胴溝35内
の側壁35aとの間に前記折り曲げ部30aを挟持する
ようにねじ36aで固定する。
【0038】他方の固定金具32は第1金具32aと第
2金具32bとからなり、両金具32a、32b間に前
記折り曲げ部30cを挟持するようにねじ36bで固定
する。さらに前記第1金具32aは,位置調整可能な長
孔32cを介して胴溝35’に対しネジ36cで固定さ
れる。そして前記固定金具32はボルト37により胴溝
35’内の側壁35bに対して位置調整可能であり、こ
のボルト37のねじ込み量に応じて前記ジャケット部材
30を版胴10上に張り締めすることができる。
【0039】なお、版胴10とジャケット部材30との
間には溝孔38を形成したフィルムシート39が介在さ
れる。この溝孔38は前記ジャケット部材30に形成し
た吸着孔34の列と連通するように配置されている。ま
た溝孔38は版胴10表面に形成された吸着孔60(図
5の説明において後述する)とも連通する位置にある。
このようにフィルムシート39を介在させることによ
り、版胴10に形成した吸着孔60とジャケット部材3
0に形成した吸着孔34とを自在に連通させることがで
き、加工が困難な版胴10に対して吸着孔60の形成数
を少なくすることができるという効果がある。
【0040】図4に示すように、この実施の形態では版
胴10上に2つの印刷版を備えるため、2つの胴溝3
5、35’間に2つのジャケット部材30が装着され
る。そして印刷版Pは、このジャケット部材30に接す
る状態で、前記胴溝30内に備えられた2組の咥え手段
40、41により先端および後端を機械的に挟持されて
保持される。なお、咥え手段40、41は一般に周知で
あるため、その構成の説明は省略する。
【0041】次に、図5は前記版胴10の一方の軸端を
示す断面図である。図4において版胴10の軸端50
は、軸受け51によって印刷機の側板52に軸支されて
いる。また軸端50の先端50aは、軸受け53に軸支
されている駆動ギア54の内孔54aに対して回転自在
に挿通されている。
【0042】前記駆動ギア54は前記印刷駆動部6に対
し連結されて回転駆動する。これに対し前記軸端50a
は駆動ギア54に対し回転自在な状態で挿通されている
が、軸端50に設けたクラッチ55を接続することで前
記軸端50と駆動ギア54とを固定接続させることがで
きる。すなわち、クラッチ55を接続すれば版胴10は
駆動ギア54から動力を伝達されて回転駆動する。一
方、クラッチ55を切れば、版胴10を駆動ギア54か
ら切断したフリーの状態にすることができる。
【0043】この構成によれば、版胴10に対し製版を
行う場合は、前記クラッチ55により駆動ギア54から
の駆動を遮断して、別の駆動モータ(図示しない)によ
り版胴10を回転駆動させることができる。これにより
印刷時と製版時とで駆動モータを切り替えることができ
るので、例えば印刷時は複数の胴を同時に駆動させるの
に適した高出力な駆動モータを用い、製版時は精密記録
が行えるように安定性に優れた駆動モータを用いること
ができる。
【0044】一方、軸端50内には、真空排気を行うた
めの配管56が設けられており、軸端50aには配管5
6に対し連通されるロータリー継手57が接続されてい
る。このロータリー継手57は版胴が回転しても配管が
ねじれない構造になっており、真空排気を行うための真
空ポンプ58が接続される。なお、真空ポンプ58は、
版胴10上の2つの印刷領域に対して共用されるが、そ
れぞれに対し個別に設けてもよい。
【0045】軸端50内に設けられた配管56は、版胴
10の側端で配管59に接続され、この配管59は版胴
10の周面に設けられた吸着孔60に接続されている。
この吸着孔60の開口は前記フィルムシート39の溝孔
38と対向する位置に配置されている。
【0046】この構成によれば、真空ポンプ58の作動
により、ロータリー継手57、配管56、59、吸着孔
60、フィルムシート39の溝孔38、そしてジャケッ
ト部材30の吸着孔34を順に介してジャケット部材3
0上に固定された印刷版を吸着固定することができる。
なお、前記ジャケット部材30に対し真空吸着を併用す
る場合には、前記ジャケット部材30に加工された粗面
上の微小な凹凸により真空排気が行いやすく、印刷版の
吸着効率が高いという利点も生じる。
【0047】図6は、上記実施の形態による印刷版の固
定状態を説明するための図である。図6に示すように、
版胴10の周面に保持された印刷版は、粗面化されたジ
ャケット部材30上において先端部および後端部を咥え
手段40、41により機械的に挟持されるため、強固に
固定される。そして、前記ジャケット部材30は版胴1
0に対し着脱可能に固定されたシート状の部材であるた
め、版胴10の表面自体を粗面加工するよりも加工が容
易であり、またジャケット部材30のみを交換すれば磨
耗した粗面を復活させることも簡単に行える。
【0048】さらに印刷版の側辺をジャケット部材30
に形成した吸着孔34により吸着して固定すれば、より
強固に固定することができる。この場合でも版胴10に
対し複数の穿孔加工を行うよりも、ジャケット部材30
に対し穿孔加工を行う方が簡単に行えるという利点があ
る。本発明では、上記の構成により樹脂材料を基材とす
る伸びやすい印刷版であっても版ズレの発生を強力に防
止することができる。
【0049】[その他の実施の形態]本発明は、版胴内
にロール状の印刷版を備える場合にも適用することがで
き、同様な効果を得ることができる。図7は版胴内にロ
ール状の印刷版を備える場合の実施の形態を示す版胴の
概略断面図である。この実施の形態では、版胴70内の
空間にはロール状の印刷版を巻き出しおよび巻き取りす
るための巻き出しロール71および巻き取りロール72
を備える。前記巻き出しロール71から巻き出された印
刷版は、版胴70に形成された開口部73から版胴外に
出て、版胴70の周面を周回して再度開口部73から版
胴70内へ入り、巻き取りロール72に巻き取られる。
【0050】この版胴70の周面には、前述した実施の
形態と同様に、表面がセラミック溶射により粗面化され
たジャケット部材74が図示しない固定金具により装着
されている。またジャケット部材74には吸着孔75が
形成されており、版胴外に設けた排気機構に接続されて
印刷版の真空吸着が行われる。
【0051】この実施の形態では、前記巻き出しロール
71および巻き取りロール72の回転を機械的に禁止す
るクラッチなどにより印刷版の先端および後端を固定す
ることができ、この場合、印刷版の下面が粗面化したジ
ャケット部材70に接しているので強固に固定される。
さらに真空排気により吸着固定を行うことで、より強固
な固定を行うことができる。
【0052】
【発明の効果】請求項1に記載された発明では、粗面化
したジャケット部材を版胴上に装着しているので印刷版
を強固に固定することができ、版ズレを防止することが
できる。またジャケット部材の加工は版胴表面を直接加
工するよりも容易であり、またジャケット部材の取り替
えにより版胴表面の交換も簡単に行える。
【0053】請求項2に記載された発明では、さらに吸
着作用を併用するのでより強固に印刷版の固定を行うこ
とができ、粗面化されたジャケット部材により真空排気
効率が高いという利点がある。また複数の吸着孔の穿孔
加工も版胴に対する加工より容易である。
【0054】請求項3に記載された発明では、ジャケッ
ト部材周辺部は平滑加工がなされているので、排気によ
りジャケット部材の周辺部が密着して、真空もれを防止
できる。
【0055】請求項4に記載の発明では、版胴の吸着孔
とジャケット部材の吸着孔との位置が相違しても中間シ
ートにより簡易に連通することができるので、版胴の穿
孔加工等を少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態に係る版胴を備えた印刷
装置の一例を示す図である。
【図2】ジャケット部材の取り付けを説明するための図
である。
【図3】ジャケット部材の構成を示す図である。
【図4】版胴の断面を示す図である。
【図5】版胴の軸端を拡大して示す断面図である。
【図6】印刷版の取り付け状態を説明するための図であ
る。
【図7】本発明を内部に印刷版供給機構を備えた版胴に
対し実施する場合の例を示す図である。
【符号の説明】
1 第1印刷ユニット 2 第2印刷ユニット 10 版胴 30、74 ジャケット部材 31、32 取付金具 34、75 吸着孔 35、35’ 胴溝 38 溝孔 39 フィルムシート 40、41 咥え手段 56、59 配管 57 ロータリー継手 58 真空ポンプ 60 吸着孔 c 中央部(粗面加工された部分) s 周辺部(平滑加工された部分) p 印刷版
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 片岡 雅之 京都市上京区堀川通寺之内上る4丁目天神 北町1番地の1 大日本スクリーン製造株 式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 樹脂材料を基材とする印刷版をその周面
    に保持する版胴であって、 表面を粗面加工したジャケット部材を前記版胴上に交換
    可能に固定保持し、前記印刷版を当該ジャケット部材の
    粗面に接した状態で固定するようにした版胴。
  2. 【請求項2】 前記版胴表面には版胴内部に設けられた
    吸着配管に連通する第1の吸着孔を形成し、 前記ジャケット部材には少なくとも印刷版の側辺を吸着
    するための第2の吸着孔を形成し、 前記版胴内部の吸着配管から前記第1および第2の吸着
    孔を通して真空排気を行って前記印刷版を前記ジャケッ
    ト部材に対し吸着固定するようにしたことを特徴とする
    請求項1に記載の版胴。
  3. 【請求項3】 前記ジャケット部材の中央部を除く周辺
    部の表面は平滑加工されており、前記第2の吸着孔は前
    記周辺部より内側に設けられていることを特徴とする請
    求項2に記載の版胴。
  4. 【請求項4】 前記ジャケット部材と前記版胴との間
    に、前記第1の吸着孔と前記第2の吸着孔との間を連通
    させるための吸着溝を形成した中間シート部材を設ける
    ようにしたことを特徴とする請求項2または3に記載の
    版胴。
JP2002020896A 2002-01-30 2002-01-30 版胴 Expired - Fee Related JP3788767B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002020896A JP3788767B2 (ja) 2002-01-30 2002-01-30 版胴

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002020896A JP3788767B2 (ja) 2002-01-30 2002-01-30 版胴

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003220683A true JP2003220683A (ja) 2003-08-05
JP3788767B2 JP3788767B2 (ja) 2006-06-21

Family

ID=27744267

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002020896A Expired - Fee Related JP3788767B2 (ja) 2002-01-30 2002-01-30 版胴

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3788767B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107160826A (zh) * 2017-05-19 2017-09-15 武汉华星光电技术有限公司 凸版印刷装置
CN113635667A (zh) * 2021-07-06 2021-11-12 上海巴洛特新材料研究有限公司 一种四套色金属面辊涂印花系统

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107160826A (zh) * 2017-05-19 2017-09-15 武汉华星光电技术有限公司 凸版印刷装置
CN113635667A (zh) * 2021-07-06 2021-11-12 上海巴洛特新材料研究有限公司 一种四套色金属面辊涂印花系统

Also Published As

Publication number Publication date
JP3788767B2 (ja) 2006-06-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO1998042508A1 (fr) Dispositifs de couchage, d'impression et d'imagerie, systeme d'impression et procede d'impression
JP2006250202A (ja) ローラの回転駆動伝達装置
JPH10296952A (ja) 反転機構付き枚葉輪転印刷機
JP3788767B2 (ja) 版胴
JP2000085092A (ja) 多色オフセット印刷装置および多色オフセット印刷方法
JP2000280439A (ja) 印刷装置
JP2002103768A (ja) 印刷装置
JP3764889B2 (ja) 間欠オフセット印刷機
JP2022531756A (ja) シリンダジャケットを固定するための装置
JP2002264298A (ja) 印刷装置
KR20060110487A (ko) Tph를 채용하는 화상형성장치
JPS6327911B2 (ja)
JP2005297193A (ja) 孔版印刷装置
JP2004025526A (ja) 印刷装置
JP4723941B2 (ja) 印刷機
JP2591668B2 (ja) 両面刷枚葉印刷機の胴間すき間調整装置
JP2005297199A (ja) 孔版印刷装置
JP2005254649A (ja) オフセット印刷機
JP2001277687A (ja) 孔版印刷装置
JP3789822B2 (ja) 多色オフセット印刷機
JP3666794B2 (ja) 印刷装置
JP2001260327A (ja) 孔版印刷装置
JP5543074B2 (ja) 段ボール・ラフ紙用感熱孔版印刷装置
JP2005254650A (ja) オフセット印刷機
JP2001179930A (ja) 転写装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040226

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20040929

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050628

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050705

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050829

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20060322

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20060323

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees