JP3788123B2 - バイアス電流補償回路 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、差動増幅回路の入力バイアス電流をキャンセルする回路に関し、特に誤差電流がなく、入力範囲が広いバイアス電流補償回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のバイアス電流補償回路はトランジスタをカスコード接続して、このカスコード段のベース電流と同じ電流を入力トランジスタのベースに流し込むように制御するものである。
【0003】
図6はこのような従来の差動増幅回路とバイアス電流補償回路の一例を示す構成回路図である。図6において1,2,10,11及び15はPNPトランジスタ(以下、単にトランジスタと呼ぶ。)、3及び4は抵抗、5,6,7及び8はNPNトランジスタ(以下、単にトランジスタと呼ぶ。)、9及び12は定電流源、13及び14はダイオード、100及び101は差動の入力信号、102及び103は差動の出力信号である。
【0004】
また、3〜9は差動増幅回路50を、5及び6はカスコード段51を、1,2及び10〜15はバイアス電流補償回路52を、12〜15はバイアス電圧発生手段53を、1,2,10及び11は補償電流印加手段54をそれぞれ構成している。
【0005】
入力信号100は差動増幅回路50の一方の入力トランジスタであるトランジスタ7のベース及びトランジスタ1のコレクタに接続され、入力信号101は差動増幅回路50の他方の入力トランジスタであるトランジスタ8のベース及びトランジスタ11のコレクタに接続される。
【0006】
トランジスタ7のエミッタはトランジスタ8のエミッタ、定電流源9の一端及びトランジスタ15のベースに接続され、トランジスタ7及び8のコレクタはそれぞれトランジスタ5及び6のエミッタに接続される。
【0007】
トランジスタ5のベースはトランジスタ1及び2のベース及びトランジスタ2のコレクタに接続され、トランジスタ6のベースはトランジスタ10及び11のベース及びトランジスタ10のコレクタに接続される。
【0008】
トランジスタ5のコレクタは出力信号102を出力すると共に抵抗3の一端に接続され、トランジスタ6のコレクタは出力信号103を出力すると共に抵抗4の一端に接続される。
【0009】
トランジスタ1のエミッタはトランジスタ2,10及び11のエミッタ、定電流源12の一端及びダイオード13のアノードにそれぞれ接続され、ダイオード13のカソードはダイオード14のアノードに接続される。また、ダイオード14のカソードはトランジスタ15のエミッタに接続される。
【0010】
さらに、抵抗3及び4の他端と定電流源12の他端は正電圧源”VCC”にそれぞれ接続され、定電流源9の他端及びトランジスタ15のコレクタは負電圧源”VEE”にそれぞれ接続される。
【0011】
ここで、図6に示す従来例の動作を説明する。定電流源12、ダイオード13及び14とトランジスタ15で構成されるバイアス電圧発生手段53はトランジスタ1,2,10及び11のエミッタにバイアス電圧”Vbias”を印加する。
【0012】
このバイアス電圧”Vbias”はトランジスタ7及び8のエミッタ電圧に対して、トランジスタ15のベース・エミッタ間電圧分とダイオード13及び14の順方向の電圧降下分だけ加算した電圧値、言い換えれば、トランジスタ7及び8のエミッタ電圧に対してダイオード3個の電圧降下分高い電圧値となる。
【0013】
このため、トランジスタ7及び8のコレクタ電圧は印加されたバイアス電圧よりもトランジスタ2及びトランジスタ5のベース・エミッタ間電圧分だけ低い値となり、バイアス電圧に対してダイオード2個の電圧降下分低い電圧値となっている。言い換えれば、トランジスタ7及び8のエミッタ電圧に対してダイオード1個の電圧降下分高い電圧値となっている。
【0014】
一方、トランジスタ7及び8のベース電圧はトランジスタ7及び8のエミッタ電圧よりもそのベース・エミッタ間電圧分だけ高いことになる。言い換えれば、トランジスタ7及び8のエミッタ電圧に対してダイオード1個の電圧降下分高い電圧値となっている。
【0015】
すなわち、トランジスタ7及び8のベース電圧及びコレクタ電圧は等しく、その値はトランジスタ7及び8のエミッタ電圧に対してダイオード1個の電圧降下分高い電圧値であるので、トランジスタ7及び8のコレクタ・ベース間電圧は”0”になる。
【0016】
この結果、差動増幅回路50の入力トランジスタであるトランジスタ7及び8はコレクタ・ベース間電圧が”0”になる。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、図6に示す従来例では入力バイアス電流が完全に補償されず誤差電流が残ってしまうと言った問題点があった。
【0018】
ここで、この問題点について更に説明する。図6においてトランジスタ5のエミッタ電流”ie5”はトランジスタ7のコレクタ電流”ic7”と等しいので、
ie5=ic7 (1)
となる。
【0019】
一方、トランジスタ5のエミッタ電流”ie5”はトランジスタ5のベース電流を”ib5”、トランジスタ5の増幅率を”β”とすれば、
ie5=(1+β)・ib5 (2)
となる。
【0020】
さらに、トランジスタ1及び2のベース電流をそれぞれ”ib1”及び”ib2”、トランジスタ2のコレクタ電流を”ic2”とすれば、
ie5=(1+β)・{ic2+ib2+ib1} (3)
なり、”ib1=ib2”とすれば、
ie5=(1+β)・{ic2+2・ib2} (4)
となる。
【0021】
また、トランジスタ7のベース電流”ib7”は、トランジスタ7の増幅率をトランジスタ5と同じく”β”とすれば、
Figure 0003788123
となる。
【0022】
但し、図6に示す従来例ではバイアス補償回路52を構成するトランジスタ1のコレクタ電流”ic1”が補償電流としてトランジスタ7のベースに印加されるので、実際の誤差電流”ierr”は、
ierr=ib7−ic1 (6)
となる。
【0023】
ここで、”ic1=ic2”とすれば、
Figure 0003788123
となる。
【0024】
さらに、”ic2=β・ib2”であるから、式(7)は、
Figure 0003788123
となる。
【0025】
このように、式(8)に示す分だけ誤差電流が残留してしまい入力バイアス電流を完全に補償することができない。
【0026】
また、図6に示す従来例では、入力バイアス電流を補償することができる入力信号の入力電圧範囲が狭いと言った問題点があった。
【0027】
すなわち、差動増幅回路50の入力段のトランジスタがカスコード接続になっているため、トランジスタ7、トランジスタ5及びトランジスタ2のそれぞれのベースエミッタ間電圧(Vbe)分の電位差(3・Vbe)が必要になる。このため、電位差(3・Vbe)の分だけバイアス電流補償回路52が動作することができる入力電圧範囲が狭くなってしまう。
従って本発明が解決しようとする課題は、誤差電流がなく、入力範囲が広いバイアス電流補償回路を実現することにある。
【0028】
【課題を解決するための手段】
このような課題を達成するために、本発明のうち請求項1記載の発明は、
差動増幅回路の入力バイアス電流をキャンセルするバイアス電流補償回路において、
前記差動増幅回路を構成するトランジスタのコレクタ電流密度と同一のコレクタ電流密度を有するトランジスタで構成され前記差動増幅回路を構成するトランジスタの各電位と同じ電位で動作する補償回路手段と、前記差動増幅回路及び前記補償回路手段とに補償電流を印加する補償電流印加手段と、一端が正電圧源に接続された定電流源と、この定電流源の他端がコレクタ及びベースに接続された第1のトランジスタと、コレクタが負電圧源に接続され、前記第1のトランジスタのエミッタがエミッタに接続され、ベースが前記差動増幅回路を構成するトランジスタ対のエミッタに接続される第2のトランジスタとから構成され前記定電流源の他端が前記補償電流印加手段にバイアス電圧を供給する共に前記差動増幅回路と前記補償回路手段にそれぞれ印加される補償電流の差分を前記差動増幅回路のエミッタ電流の値を調整して相殺する調整手段とを備えたことにより、誤差電流がなく、入力範囲が広くなる。
【0029】
請求項2記載の発明は、
請求項1記載の発明であるバイアス電流補償回路において、
前記補償回路手段が、
一端が正電圧源に接続された抵抗と、一端が負電圧源に接続された定電流源と、各々のコレクタが前記抵抗の他端に接続され、各々のエミッタが前記定電流源の他端に接続され、各々のエミッタに共通の前記補償電流が印加される1対のトランジスタとから構成されたことにより、誤差電流がなく、入力範囲が広くなる。
【0030】
請求項3記載の発明は、
請求項1記載の発明であるバイアス電流補償回路において、
前記補償電流印加手段が、
前記調整手段からのバイアス電圧が共通に接続されたエミッタに供給された4つのトランジスタから構成され、これらのトランジスタのうち4つのベース及び2つのコレクタがそれぞれ前記補償回路手段に接続され、残りの2つのコレクタが前記差動増幅回路に接続されたことにより、誤差電流がなく、入力範囲が広くなる。
【0031】
請求項4記載の発明は、
請求項1乃至請求項3記載の発明であるバイアス電流補償回路において、
前記差動増幅回路を構成する定電流源の出力電流値を”I1”、前記補償回路手段を構成する定電流源の出力電流値を”I2”、前記調整手段を構成する定電流源の出力電流値を”I3”とした場合に、
I1=I2
I3=2×I1
であることにより、誤差電流がなく、入力範囲が広くなる。
【0032】
請求項5記載の発明は、
請求項4記載の発明であるバイアス電流補償回路において、
NPNトランジスタの増幅率を”βn”、PNPトランジスタの増幅率を”βp”とした場合に、
I3=2×I1・ ( 1+βp ) ( 2+βn ) {( 1+βn ) ( 2+βp )}
であることにより、誤差電流がなく、入力範囲が広くなる。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下本発明を図面を用いて詳細に説明する。図1は本発明に係る差動増幅回路とバイアス電流補償回路の一実施例を示す構成回路図である。図1において16,27,28,29及び30はそれぞれ抵抗値が等しい抵抗、17,18,25,31及び32はNPNトランジスタ(以下、単にトランジスタと呼ぶ。)、19,20及び33は定電流源、21,22,23,24及び26はPNPトランジスタ(以下、単にトランジスタと呼ぶ。)、100a及び101aは差動の入力信号である。
【0036】
また、27〜33は差動増幅回路50aを、21,22,23及び24は補償電流印加手段54aを、16〜26はバイアス電流補償回路55を、16〜19は補償回路手段56を、20,25及び26はバイアス電圧発生機能を備えた調整手段57をそれぞれ構成している。但し、差動増幅回路50aの差動の出力信号に関しては記載を省略している。
【0037】
抵抗16の一端はトランジスタ17及び18のコレクタにそれぞれ接続され、トランジスタ17及び18のエミッタはそれぞれ定電流源19の一端に接続される。
【0038】
トランジスタ17のベースはトランジスタ18,21,22,23及び24のベース、トランジスタ21及び22のコレクタにそれぞれ接続され、トランジスタ21のエミッタは定電流源20の一端、トランジスタ22,23及び24のエミッタ、トランジスタ25のコレクタ及びベースにそれぞれ接続される。
【0039】
また、入力信号100aはトランジスタ23のコレクタ及びトランジスタ31のベースに接続され、入力信号100bはトランジスタ24のコレクタ及びトランジスタ32のベースに接続される。
【0040】
トランジスタ31のエミッタはトランジスタ32のエミッタ、トランジスタ26のベース及び定電流源33の一端に接続され、トランジスタ26のエミッタはトランジスタ25のエミッタに接続される。
【0041】
また、トランジスタ31及び32のコレクタは抵抗28及び30の一端にそれぞれ接続され、抵抗28及び30の他端は抵抗27及び29の一端にそれぞれ接続される。
【0042】
さらに、抵抗16,27及び29の他端と定電流源20の他端は正電圧源”VCC”にそれぞれ接続され、定電流源19及び33の他端とトランジスタ26のコレクタは負電圧源”VEE”にそれぞれ接続される。
【0043】
ここで、図1に示す実施例の動作を説明する。補償回路手段56を構成するトランジスタのコレクタ電流密度は差動増幅回路50aを構成するトランジスタのコレクタ電流密度と同一である。(以下、単に、補償回路手段56は差動増幅回路50aと電流密度が同一であると記述する。)
【0044】
この補償回路手段56に対し、バイアス電圧発生機能を備えた調整手段57により補償回路手段56を構成するトランジスタの各電位が差動増幅回路50aを構成するトランジスタの各電位と同じになるように補償電流印加手段54aを構成する各トランジスタ21〜24のエミッタにバイアス電圧”Vbias’”を供給する。(以下、単に、補償回路手段56は差動増幅回路50aと同一動作点で動作させると記述する。)
【0045】
このバイアス電圧”Vbias’”はトランジスタ31及び32のエミッタ電圧にトランジスタ25及び26のベース・エミッタ間電圧分だけ加算した電圧値、言い換えれば、トランジスタ31及び32のエミッタ電圧に対してダイオード2個の電圧降下(2・Vbe)分高い電圧値となる。
【0046】
この状態で、補償回路手段56を構成するトランジスタ17及び18のベースにはトランジスタ21〜24のベース電流と、トランジスタ21及び22のコレクタ電流とがそれぞれ加算された補償電流”Icomp’”が流れ込む。
【0047】
この補償電流”Icomp’”はそのままトランジスタ17及び18のベース電流”ib’”として流れ込むことになるので、”Icomp’=ib’”となり、補償回路手段56の誤差電流を”Ierr’”とすれば式(6)から、
Figure 0003788123
となる。
【0048】
すなわち、差動増幅回路50aは補償回路手段56と電流密度が同一であるので上述の補償電流”Icomp’”と同一値の補償電流を差動増幅回路50aに印加すれば良い。
【0049】
但し、補償電流印加手段54aにより差動増幅回路50aに印加される補償電流”Icomp”はトランジスタ23及び24のコレクタ電流のみが加算された電流値であり、補償電流”Icomp’”と比較してトランジスタ21〜24のベース電流分だけ少ない値である。したがって、このままの補償電流では誤差電流が”0”にはならない。
【0050】
この時、トランジスタ26のベース電流はトランジスタ31及び32のエミッタに供給されるので、実際にトランジスタ31及び32に流れるエミッタ電流はトランジスタ26のベース電流分減少することになる。
【0051】
このため、トランジスタ31及び32に流れるエミッタ電流が減少することにより、トランジスタ31及び32に流れるベース電流が減少する。そして、このトランジスタ31及び32に流れるベース電流の減少分がトランジスタ21〜24のベース電流分に等しくするように回路定数を調整すれば良い。
【0052】
すなわち、差動増幅回路50aの本来のベース電流を”Ib(=ib’)”、誤差電流を”Ierr”とし、トランジスタ31及び32に流れるベース電流の減少分(=トランジスタ21〜24のベース電流分)を”ΔI”とすれば、
Figure 0003788123
となり、誤差電流は”0”になる。
【0053】
また、差動増幅回路50aの入力段のトランジスタからトランジスタ26及びトランジスタ25のそれぞれのベースエミッタ間電圧(Vbe)分の電位差(2・Vbe)が必要になる。一方、従来例ではベースエミッタ間電圧3個分の電位差(3・Vbe)が必要であったので、従来例と比較してバイアス電流補償回路55が動作することができる入力電圧範囲が広くなる。
【0054】
この結果、差動増幅回路50aと同一電流密度を有する補償回路手段56を同一動作点で動作させ、差動増幅回路50aと補償回路手段56との各々の補償電流の差分を差動増幅回路50aのエミッタ電流の値を調整して相殺することにより、誤差電流がなくなる。また、入力電圧範囲を広くすることが可能になる。
【0055】
また、前述の回路定数の調整方法について更に説明する。定電流源19及び33の出力電流”I19”及び”I33”が互いに等しくする(I19=I33)。
【0056】
この場合、補償回路手段56を構成するトランジスタ17及び18のベース電流”ib’”は、トランジスタの増幅率を”β”、トランジスタ17及び18の個々のベース電流を”ib17”及び”ib18”とすれば、
Figure 0003788123
となる。
【0057】
そして、トランジスタ21,22,23及び24のベース電流を”ib21”,”ib22”,”ib23”及び”ib24”とし、トランジスタ21及び22のコレクタ電流を”ic21”及び”ic22”とすれば、式(11)は、式(9)から、
Figure 0003788123
となる。
【0058】
ここで、”ic21=ic22”及び”ib21=ib22=ib23=ib24”とすれば、式(12)は、
Figure 0003788123
となる。
【0059】
式(13)を”ic21”に関して解くと、
Figure 0003788123
となる。
【0060】
一方、差動増幅回路50a側のトランジスタ31及び32のベース電流”ib”は、
ib=(I33−ib26)/(1+β) (15)
となる。
【0061】
ここで、トランジスタ26のベース電流を”ib26”、トランジスタ23及び24のコレクタ電流を”ic23”及び”ic24”し、差動増幅回路50aに印加される補償電流”Icomp”とトランジスタ31及び32のベース電流”ib”が等しくなるようにすれば誤差電流”Ierr”は”0”になるので、
Figure 0003788123
となる。
【0062】
ここで、”ic21=ic23=ic24”とすれば式(16)は、
Figure 0003788123
となる。
【0063】
さらに、式(17)を”ib26”に関して解けば、
ib26=I33−2・ic21・(1+β) (18)
となる。
【0064】
そして、式(18)に式(14)を代入すれば、
Figure 0003788123
となる。
【0065】
また、トランジスタ26のエミッタ電流を”ie26”、トランジスタ26の増幅率を”β”とすれば、
ie26=(1+β)・ib26 (20)
であるので、式(20)を式(19)に代入すれば、
ie26=(1+β)・I33・{1−1/(1+2/β)} (21)
となる。
【0066】
さらに、定電流源20の出力電流を”I20”、トランジスタ21,22,23及び24のエミッタ電流を”ie21”,”ie22”,”ie23”及び”ie24”(但し、”ie21=ie22=ie23=ie24”)として、補償電流印加手段54aと調整手段57が動作するためには、
Figure 0003788123
となる。
【0067】
式(22)に式(14)を代入すれば、
Figure 0003788123
となる。
【0068】
さらに、式(23)に式(21)を代入すれば、
Figure 0003788123
となる。
【0069】
すなわち、
I20=2・I33 (25)
となるように定電流源20の出力電流値を設定すれば、差動増幅回路50aに印加される補償電流”Icomp”とトランジスタ31及び32のベース電流”ib”が等しくなるので、誤差電流”Ierr”は”0”になる。
【0070】
また、図2及び図3は実施例と従来例の動作のシミュレーションに用いた回路図であり、図4はシミュレーションの結果を示す特性曲線図である。更に、図5はシミュレーション結果をまとめた表である。
【0071】
図2において16〜33,100a及び101aは図1と同一符号を付してあり、34及び35は電圧源、36は演算増幅器である。接続関係に関しても図1に示す実施例とほぼ同一であり異なる点は以下の点である。
【0072】
正電圧源”VCC”のラインに電圧源34の正出力端子が接続され、負電圧源”VEE”のラインに電圧源34の負出力端子が接続されると共に接地される。また、トランジスタ31のベースと接地との間に誤差電流”IERR”を発生させる電圧源35が接続される。
【0073】
さらに、トランジスタ31及び32のコレクタが演算増幅器36の反転入力端子及び非反転入力端子にそれぞれ接続され、演算増幅器36の出力端子がトランジスタ32のベースに接続される。
【0074】
一方、図3において1〜15,100及び101は図6と同一符号を付してあり、37及び38は電圧源、39は演算増幅器である。接続関係に関しても図6に示す従来例とほぼ同一であり異なる点は以下の点である。
【0075】
正電圧源”VCC”のラインに電圧源37の正出力端子が接続され、負電圧源”VEE”のラインに電圧源37の負出力端子が接続されると共に接地される。また、トランジスタ7のベースと接地との間に誤差電流”IERR”を発生させる電圧源38が接続される。
【0076】
さらに、トランジスタ5及び6のコレクタが演算増幅器29の反転入力端子及び非反転入力端子にそれぞれ接続され、演算増幅器39の出力端子がトランジスタ8のベースに接続される。
【0077】
図4中”SR01”は図2に示す実施例の動作をシミュレーションした結果を示す曲線であり、図4中”SR02”は図3に示す従来例の動作をシミュレーションした結果を示す曲線である。
【0078】
図4から分かるように、図4中”SR01”に示す実施例の方がy軸の誤差電流が小さく、また、z軸の入力範囲が広いことが分かる。すなわち、図5から誤差電流は従来例では”1.45nA @2.5V”であったのに対して実施例では”0.005nA @2.5V”と大幅に改善されている。
【0079】
また、入力範囲に関しても従来例の”4.44V”に対して”4.97V(4.99V−17.4mV)”と改善されている。
【0080】
なお、図1に示す実施例ではNPNトランジスタとPNPトランジスタの増幅率”β”が等しいものとして取り扱っているが、両者の値が異なる場合、NPNトランジスタの増幅率を”βn”、PNPトランジスタの増幅率を”βp”とすれば、
Figure 0003788123
となるように、定電流源20の出力電流値を設定することにより、NPNトランジスタとPNPトランジスタとの増幅率が異なる場合であっても誤差電流を”0”にすることができる。
【0081】
また、差動増幅回路50aにカスコード接続が無いのでノイズの発生源が少なくなり出力ノイズが低減される。
【0082】
【発明の効果】
以上説明したことから明らかなように、本発明によれば次のような効果がある。
請求項1乃至請求項5の発明によれば、差動増幅回路と同一電流密度を有する補償回路手段を同一動作点で動作させ、差動増幅回路と補償回路手段との各々の補償電流の差分を差動増幅回路のエミッタ電流の値を調整して相殺することにより、誤差電流がなくなる。また、入力電圧範囲を広くすることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る差動増幅回路とバイアス電流補償回路の一実施例を示す構成回路図である。
【図2】実施例の動作のシミュレーションに用いた回路図である。
【図3】従来例の動作のシミュレーションに用いた回路図である。
【図4】シミュレーションの結果を示す特性曲線図である。
【図5】シミュレーション結果をまとめた表である。
【図6】従来の差動増幅回路とバイアス電流補償回路の一例を示す構成回路図である。
【符号の説明】
1,2,10,11,15,21,22,23,24,26 PNPトランジスタ
3,4,16,27,28,29,30 抵抗
5,6,7,8,17,18,25,31,32 NPNトランジスタ
9,12,19,20,33 定電流源
13,14 ダイオード
34,35,37,38 電圧源
36,39 演算増幅器
50,50a 差動増幅回路
51 カスコード段
52,55 バイアス電流補償回路
53 バイアス電圧発生手段
54,54a 補償電流印加手段
56 補償回路手段
57 調整手段
100,100a,101,101a 入力信号
102,103 出力信号

Claims (5)

  1. 差動増幅回路の入力バイアス電流をキャンセルするバイアス電流補償回路において、
    前記差動増幅回路を構成するトランジスタのコレクタ電流密度と同一のコレクタ電流密度を有するトランジスタで構成され前記差動増幅回路を構成するトランジスタの各電位と同じ電位で動作する補償回路手段と、
    前記差動増幅回路及び前記補償回路手段とに補償電流を印加する補償電流印加手段と、
    一端が正電圧源に接続された定電流源と、この定電流源の他端がコレクタ及びベースに接続された第1のトランジスタと、コレクタが負電圧源に接続され、前記第1のトランジスタのエミッタがエミッタに接続され、ベースが前記差動増幅回路を構成するトランジスタ対のエミッタに接続される第2のトランジスタとから構成され前記定電流源の他端が前記補償電流印加手段にバイアス電圧を供給する共に前記差動増幅回路と前記補償回路手段にそれぞれ印加される補償電流の差分を前記差動増幅回路のエミッタ電流の値を調整して相殺する調整手段とを備えたことを特徴とするバイアス電流補償回路。
  2. 前記補償回路手段が、
    一端が正電圧源に接続された抵抗と、
    一端が負電圧源に接続された定電流源と、
    各々のコレクタが前記抵抗の他端に接続され、各々のエミッタが前記定電流源の他端に接続され、各々のエミッタに共通の前記補償電流が印加される1対のトランジスタとから構成されたことを特徴とする
    請求項1記載のバイアス電流補償回路。
  3. 前記補償電流印加手段が、
    前記調整手段からのバイアス電圧が共通に接続されたエミッタに供給された4つのトランジスタから構成され、
    これらのトランジスタのうち4つのベース及び2つのコレクタがそれぞれ前記補償回路手段に接続され、残りの2つのコレクタが前記差動増幅回路に接続されたことを特徴とする
    請求項1記載のバイアス電流補償回路。
  4. 前記差動増幅回路を構成する定電流源の出力電流値を”I1”、前記補償回路手段を構成する定電流源の出力電流値を”I2”、前記調整手段を構成する定電流源の出力電流値を”I3”とした場合に、
    I1=I2
    I3=2×I1
    であることを特徴とする請求項1乃至請求項3記載のバイアス電流補償回路。
  5. NPNトランジスタの増幅率を”βn”、PNPトランジスタの増幅率を”βp”とした場合に、
    I3=2×I1・ ( 1+βp ) ( 2+βn ) {( 1+βn ) ( 2+βp )}
    であることを特徴とする
    請求項4記載のバイアス電流補償回路。
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