JP3788036B2 - 感光性平版印刷版及びその製造方法 - Google Patents

感光性平版印刷版及びその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、赤外光により可溶化する、いわゆるポジ型の感光性、又は赤外光により不溶化する、いわゆるネガ型の感光性を有する赤外感光性組成物に関し、更に詳しくは、半導体レーザー等による赤外線による露光で画像形成が可能な画像形成材料に適した感光性組成物に関する。又、前記感光性組成物を用いた感光性平版印刷版及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、活性光の照射によって可溶化するポジ型の感光層として、酸発生剤と酸分解性化合物とを含有する感光層を有する画像形成材料が知られている。即ち、米国特許第3,779,778号明細書には、酸発生剤と酸で分解する特定の基を有する水不溶性化合物とを含有する感光性組成物が、特開昭53−133429号には、酸発生剤と主鎖にアセタール又はケタール基を有する化合物とを含有する感光性組成物が、又特開昭60−37549号には、酸発生剤とシリルエーテル基を有する化合物とを含有する組成物が開示されている。これらはいずれも紫外線に感度を有し、紫外線による露光によってアルカリ可溶化して非画像部を形成し、又未露光部は画像部を形成するというものである。一般的には、マスクフィルム等を介してハロゲンランプ、高圧水銀灯などから照射紫外線により画像露光を行なっており、アルゴンレーザー、ヘリウム−カドミウムレーザーなどの短波長レーザーによる露光も可能であるが、装置が高価で大きいため使用の際は煩わしい場合もあり、又感光材料の感度の点でも十分満足のいくものばかりではなかった。
【0003】
近年、安価でコンパクトな半導体レーザーのような赤外線で画像露光が可能な技術が発達し、多チャンネルで記録可能なデバイスが開発されている。これにより、アルミを支持体とした印刷版においても直接赤外レーザーにて円筒外面露光方式での記録が可能となり、いわゆる赤外CTP(コンピューター・ツー・プレート)の開発が活発に行われている。その技術の一つとして、酸発生剤、レゾール樹脂、ノボラック樹脂及び赤外線吸収剤を含有する感光層を有する画像形成材料を画像露光の後、現像処理前に加熱処理を施すことによりネガ型の画像を形成する方法が米国特許第5,340,699号明細書に開示され、又上記加熱処理を施さない場合はポジ型の画像形成材料として使用される技術が開示されている。これら赤外レーザーを用いるCTPは、サーマルCTPなどと呼ばれている。
【0004】
ところが円筒外面露光方式による多チャンネル記録においては、新たな問題が指摘されている。一般に多チャンネル記録ではドラム1周ごとに複数チャンネルを走査するが、レーザーのバラツキが僅かでもあるとこの多チャンネルの走査ピッチと同期した記録ムラ、いわゆるバンディングを生じるのである。バンディングはレーザーデバイスにより生じるが、対する感光材料によってものそのレベルが異なってくる。バンディングは筋状の印刷汚れ或いはドットゲイン変動が最終的な問題となる。これらは感光材料の製造又は保存条件のバラツキ等により生じる等の問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は多チャンネル赤外露光方式での赤外CTPにおいて感光材料の製造条件、環境条件又は保存条件に左右されることなく記録時のバンディングムラを防止し、又高感度で高耐刷性を有する感光性組成物を用いた感光性平版印刷版とその製造方法の提供にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記目的は、以下の構成により達成された。
【0007】
〈1〉 下記一般式(3)で表される赤外線吸収剤、ノボラック樹脂、酸発生剤、ケタール化合物及び溶剤を含有してなる感光性組成物であって、前記溶剤が下記一般式(1)で表されるケトン類及び下記一般式(2)で表されるグリコールエーテル類を含有する感光性組成物を、親水性支持体上に塗布・乾燥して感光性層を形成してなる感光性平版印刷版であって、前記溶剤を前記感光性層中に0.01以上5重量%以下の範囲で存在させてなることを特徴とする感光性平版印刷版
【0008】
一般式(1)
1−CO−R2
【0009】
【化2】
Figure 0003788036
【0010】
一般式(1)において、R1、R2は水素原子又は炭化水素基であって、該炭化水素基は合計炭素数が4以上である。R1とR2は環を形成しない。又一般式(2)において、Rは炭素数3以上の炭化水素基である。
【0012】
一般式(3)
+・X-
式中、Dはシアニン系色素、スクアリウム系色素、ポリメチン系色素骨格であり、XはCl、Br、I、ClO4、BF4、PF6、p−トルエンスルホン酸、t−ブチルトリフェニルホウ素等のアルキルホウ素塩を表す。
【0014】
〉 フッ素系界面活性剤を前記感光性組成物に含有することを特徴とする〈1〉記載の感光性平版印刷版
【0015】
〉 上記一般式(1)で表されるケトン類と一般式(2)で表されるグリコールエーテル類とを、重量比で20:80乃至80:20の割合で前記感光性組成物に含有することを特徴とする〈1〉又は〈〉記載の感光性平版印刷版
【0016】
〉 上記一般式(2)で表されるグリコールエーテル類がプロピレングリコールモノプロピルエーテル又はプロピレングリコールモノブチルエーテルであることを特徴とする〈1〉、〈2〉又は〈〉記載の感光性平版印刷版
【0020】
〉 上記〈1〉、〈2〉、〈3〉又は〈4〉記載の感光性平版印刷版の製造方法であって、感光性組成物を親水性支持体上に塗布した後、80℃以上200℃以下の温度で10秒以上200秒以下の間熱処理を行うことを特徴とする感光性平版印刷版の製造方法。
【0021】
即ち本発明者らは上記課題について鋭意検討を重ねた結果、多チャンネル赤外露光方式での赤外CTPにおいて、レーザーデバイスにより生じるバンディングムラ(汚れ)はレーザーのバラツキだけでなく感光材料の製造条件、環境条件又は保存条件が大きく影響するであろうとの知見のもと、感光材料の組成を考慮し、特に溶剤を特定のプロパンジオールモノアルキルエーテル及び/又は非環状のケトンを用いることでバンディングムラを改善できることを見出し本発明に至ったものである。これにより、感光材料に左右されることなく記録時のバンディングムラを防止し、又高感度で高耐刷性を有する感光性組成物を得ることができるという優れた効果を奏することができる。
【0022】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0023】
本発明は次の感光性組成物を用いた感光性平版印刷版及びその製造方法を要旨とするものであり、以下、順に説明する。
【0024】
〔1〕感光性組成物
本発明の感光性組成物は、赤外線吸収剤、アルカリ可溶性樹脂及び溶剤を含有してなる感光性組成物であって、前記溶剤が先に挙げた一般式(1)で表されるケトン類及び同一般式(2)で表されるグリコールエーテル類から選ばれる少なくとも一方を有することを特徴とする。
【0025】
(溶剤)
本発明の感光性組成物に用いる溶剤としては、上記一般式(1)で表されるケトン類及び/又は上記一般式(2)で表されるグリコールエーテル類が挙げられる。
【0026】
上記一般式(1)で表されるケトン類の具体例としては、例えばメチルプロピルケトン、メチルブチルケトン、メチルアミルケトン、ジエチルケトン、エチルブチルケトン、ジプロピルケトン、ジイソブチルケトン等が挙げられ、その内好ましいものは、例えばメチルプロピルケトン、メチルブチルケトン、ジエチルケトン等が挙げられる。
【0027】
又上記一般式(2)で表されるグリコールエーテル類としては、例えばプロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノフェニルエーテル等が挙げられ、その内好ましいものとしては例えばプロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル等が挙げられる。
【0028】
本発明に使用する溶剤における好ましい態様の1つは、一般式(1)で表されるケトン類と一般式(2)で表されるグリコールエーテル類とを、重量比で20:80乃至80:20の割合で含有することである。好ましい重量比の範囲は30:70乃至70:30である。
【0029】
本発明における溶剤を用いると、バンディング汚れや保存性、耐刷性が改善されるが、その理由は、恐らく僅かに残留した溶剤と赤外線吸収剤及びアルカリ可溶性樹脂がある一定の比率で含有されるためではないかと推定される。
【0030】
本発明において使用する上記の溶剤は単独でも用いても、或いは複数の溶剤を混合して用いてもよい。その他の溶剤の添加比率は、上記溶剤に対し200%以下であることが好ましい。
【0031】
又上記溶剤以外に使用可能なものとして、例えば水、n−プロパノール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、sec−ブタノール、イソブタノール、2−メチル−1−ブタノール、3−メチル−1−ブタノール、2−メチル−2−ブタノール、2−エチル−1−ブタノール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、n−ヘキサノール、2−ヘキサノール、シクロヘキサノール、メチルシクロヘキサノール、1−ヘプタノール、2−ヘプタノール、3−ヘプタノール、1−オクタノール、4−メチル−2−ペンタノール、2−ヘキシルアルコール、ベンジルアルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,5−ペンタングリコール、ジメチルトリグリコール、フリフリルアルコール、ヘキシレングリコール、ヘキシルエーテル、3−メトキシ−1−ブタノール、3−メトキシ−3−メチルブタノール、ブチルフェニルエーテル、エチレングリコールモノアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、メチルカルビトール、エチルカルビトール、エチルカルビトールアセテート、ブチルカルビトール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、ジアセトンアルコール、アセトフェノン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、アセトニルアセトン、イソホロン、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、炭酸プロピレン、酢酸フェニル、酢酸−sec−ブチル、酢酸シクロヘキシル、シュウ酸ジエチル、安息香酸メチル、安息香酸エチル、γ−ブチルラクトン、3−メトキシ−1−ブタノール、4−メトキシ−1−ブタノール、3−エトキシ−1−ブタノール、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール、3−メトキシ−3−エチル−1−ペンタノール、4−エトキシ−1−ペンタノール、5−メトキシ−1−ヘキサノール、3−ヒドロキシ−2−ブタノン、4−ヒドロキシ−2−ブタノン、4−ヒドロキシ−2−ペンタノン、5−ヒドロキシ−2−ペンタノン、4−ヒドロキシ−3−ペンタノン、6−ヒドロキシ−2−ペンタノン、4−ヒドロキシ−3−ペンタノン、6−ヒドロキシ−2−ヘキサノン、3−メチル−3−ヒドロキシ−2−ペンタノン、メチルセルソルブ(MC)、エチルセルソルブ(EC)等が挙げられる。
【0032】
又アリルアルコール、イソプロピルエーテル、ブチルエーテル、アニソール、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチルカルビトール、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジオキソラン、アセトン、メチルエチルケトン、3−ヒドロキシ−2−ブタノン、4−ヒドロキシ−2−ブタノン、酢酸−2−メトキシエチル、酢酸−2−エトキシエチル、酢酸メトキシブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸プロピル、酪酸メチル、酪酸エチル、酪酸ブチル、N−メチル−2−ピロリドン、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMAc)、n−ペンタン、2−メチルペンタン、3−エチルペンタン、メチルシクロペンタン、n−ヘキサン、イソヘキサン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、n−ヘプタン、シクロヘプタン、n−オクタン、イソオクタン、ノナン、デカン、ベンゼン、トルエン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、エチルベンゼン、o−ジエチルベンゼン、m−ジエチルベンゼン、p−ジエチルベンゼン、クメン、n−アミルベンゼン、ジメチルジグリコール(DMDG)、エタノール等が挙げられる。
【0033】
(赤外線吸収剤)
本発明に用いられる赤外線吸収剤としては、波長700nm以上に吸収を持つ赤外吸収色素、カーボンブラック、磁性粉等を使用することができる。特に好ましい赤外線吸収剤は700〜1200nmに吸収ピークを有し、ピークでのモル吸光係数εが105以上の赤外吸収色素である。
【0034】
上記赤外吸収色素としては、シアニン系色素、スクアリウム系色素、クロコニウム系色素、アズレニウム系色素、フタロシアニン系色素、ナフタロシアニン系色素、ポリメチン系色素、ナフトキノン系色素、チオピリリウム系色素、ジチオール金属錯体系色素、アントラキノン系色素、インドアニリン金属錯体系色素、分子間CT色素等が挙げられる。上記赤外吸収色素としては、特開昭63−139191号、同64−33547号、特開平1−160683号、同1−280750号、同1−293342号、同2−2074号、同3−26593号、同3−30991号、同3−34891号、同3−36093号、同3−36094号、同3−36095号、同3−42281号、同3−103476号等に記載の化合物が挙げられる。
【0035】
又本発明における赤外線吸収剤として、下記一般式(3)で表される対アニオンを含有する色素が特に好ましい。
【0036】
一般式(3)
+・X-
一般式(3)において、Dはシアニン系色素、スクアリウム系色素、ポリメチン系色素骨格であり、XはCl、Br、I、ClO4、BF4、PF6、p−トルエンスルホン酸、t−ブチルトリフェニルホウ素等のアルキルホウ素塩を表す。
【0037】
Xで表される上記のうち、ClO4、PF6、p−トルエンスルホン酸は特に好ましい。
【0038】
本発明に好ましく用いられる赤外線吸収剤の代表的具体例を以下に挙げるが、これらに限定されるものではない。
【0039】
【化3】
Figure 0003788036
【0040】
【化4】
Figure 0003788036
【0041】
【化5】
Figure 0003788036
【0042】
【化6】
Figure 0003788036
【0043】
【化7】
Figure 0003788036
【0044】
【化8】
Figure 0003788036
【0045】
【化9】
Figure 0003788036
【0046】
本発明において、赤外線吸収剤の添加量は、0.5〜10重量%の範囲が好ましい。該添加量が10重量%を越えると非画像部(露光部)の現像性が低下し、0.5重量%未満では画像部の耐現像性が低下する。
【0047】
(アルカリ可溶性樹脂)
本発明の感光性組成物にはアルカリ可溶性の結合剤を用いる。結合剤として例えば高分子量結合剤を用いることができる。高分子量結合剤としては、例えばノボラック樹脂やヒドロキシスチレン単位を有する重合体や後記する一般式(4)で表される構造単位を有する重合体、その他公知のアクリル樹脂等を挙げることができる。
【0048】
上記ノボラック樹脂としては、例えばフェノール・ホルムアルデヒド樹脂、クレゾール・ホルムアルデヒド樹脂、特開昭55−57841号に記載されているようなフェノール・クレゾール・ホルムアルデヒド共重縮合体樹脂、特開昭55−127553号に記載されているような、p−置換フェノールとフェノールもしくは、クレゾールとホルムアルデヒドとの共重縮合体樹脂等が挙げられる。
【0049】
ヒドロキシスチレン単位を有する重合体としては、例えば特公昭52−41050号に記載されているポリヒドロキシスチレンやヒドロキシスチレン共重合体などを挙げることができる。
【0050】
一般式(4)で表される構造単位を有する重合体とは、該構造単位のみの繰り返し構造を有する単独重合体、或いは該構造単位と他のビニル系単量体の不飽和二重結合を開裂せしめた構造で示される構造単位1種以上とを組み合わせた共重合体である。
【0051】
【化10】
Figure 0003788036
【0052】
一般式(4)において、R1及びR2はそれぞれ水素原子、メチル基やエチル基等のアルキル基又はカルボキシル基を表し、好ましくは水素原子である。R3は水素原子、塩素原子や臭素原子等のハロゲン原子又はメチル基、エチル基等のアルキル基を表し、好ましくは水素原子又はメチル基である。R4は水素原子、メチル基やエチル基等のアルキル基、フェニル基又はナフチル基を表す。Yは置換基を有するものも含むフェニレン基又はナフチレン基を表し、置換基としてはメチル基やエチル基等のアルキル基、塩素原子や臭素原子等のハロゲン原子、カルボキシル基、メトキシ基やエトキシ基等のアルコキシ基、ヒドロキシル基、スルホ基、シアノ基、ニトロ基、アシル基等が挙げられるが、好ましくは置換基を有しないか、或いはメチル基で置換されているものである。Xは窒素原子と芳香族炭素原子とを連結する2価の有機基で、nは0〜5の整数を表し、好ましくはnが0のときである。
【0053】
一般式(4)で表される構造単位を有する重合体は、更に具体的に、例えば下記(a)〜(f)で表すことができる。
【0054】
【化11】
Figure 0003788036
【0055】
(a)〜(f)において、R1〜R5は各々水素原子、アルキル基又はハロゲン原子を表し、m、n、l、k及びsは各々の構造単位のモル%を表す。
【0056】
又、上記したノボラック樹脂、ヒドロキシスチレン単位を有する重合体、一般式(4)で表される構造単位を有する重合体及びアクリル樹脂を併用することもできる。
【0057】
本発明の好ましい態様として、ノボラック樹脂及びアクリル樹脂を含有する態様が挙げられる。該アクリル樹脂はアクリル酸、メタクリル酸、又はそれらのエステル類を構成単位とする重合体であり、好ましくは前述した一般式(4)で表される単量体単位を有する重合体である。ノボラック樹脂は感光層に対して20〜80重量%の範囲で含有させることが好ましく、アクリル樹脂は感光層に対して1〜50重量%の範囲で含有させることが好ましく、5〜30重量%の範囲がより好ましい。
【0058】
(活性光線の照射により酸を発生し得る化合物)
本発明の感光性組成物には、活性光線の照射により酸を発生し得る化合物(以下「光酸発生剤」という)を含有するのが好ましい。当該光酸発生剤としては、各種の公知化合物及び混合物が挙げられる。例えばジアゾニウム、ホスホニウム、スルホニウム、及びヨードニウムのBF4 -、PF6 -、SbF6 -、SiF6 2-、ClO4 -などの塩、有機ハロゲン化合物、オルトキノン−ジアジドスルホニルクロリド、及び有機金属/有機ハロゲン化合物も活性光線の照射の際に酸を形成又は分離する活性光線感光性成分であり、本発明における光酸発生剤として使用することができる。原理的には遊離基形成性の光開始剤として知られるすべての有機ハロゲン化合物はハロゲン化水素酸を形成する化合物であり、本発明における光酸発生剤として使用することができる。
【0059】
前記のハロゲン化水素酸を形成する化合物の例としては米国特許第3,515,552号、同第3,536,489号及び同第3,779,778号及び西ドイツ国特許公開公報第2,243,621号に記載されているものが挙げられ、又例えば西ドイツ国特許公開公報第2,610,842号に記載の光分解により酸を発生させる化合物も使用することができる。又、特開昭50−36209号に記載されているo−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸ハロゲニドを用いることができる。
【0060】
本発明において、有機ハロゲン化合物が赤外線露光による画像形成での感度、及び画像形成材料として用いた際の保存性等の面から光酸発生剤が好ましい。該有機ハロゲン化合物としては、ハロゲン置換アルキル基を有するトリアジン類及びハロゲン置換アルキル基を有するオキサジアゾール類が好ましく、ハロゲン置換アルキル基を有するs−トリアジン類が特に好ましい。ハロゲン置換アルキル基を有するオキサジアゾール類の具体例としては、特開昭54−74728号、特開昭55−24113号、特開昭55−77742号、特開昭60−3626号及び特開昭60−138539号に記載の2−ハロメチル−1,3,4−オキサジアゾール系化合物が挙げられる。2−ハロメチル−1,3,4−オキサジアゾール系光酸発生剤の好ましい化合物例を下記に挙げる。
【0061】
【化12】
Figure 0003788036
【0062】
上記ハロゲン置換アルキル基を有するs−トリアジン類としては、下記一般式(5)で表される化合物が好ましい。
【0063】
【化13】
Figure 0003788036
【0064】
一般式(5)において、Rはアルキル基、ハロゲン置換アルキル基、アルコキシ基で置換されていてもよいフェニルビニレン基又はアリール基(例えばフェニル基、ナフチル基等)若しくはその置換体を表し、X3はハロゲン原子を表す。一般式(5)で表されるs−トリアジン系光酸発生剤の化合物例を次に示す。
【0065】
【化14】
Figure 0003788036
【0066】
【化15】
Figure 0003788036
【0067】
本発明において光酸発生剤の含有量は、その化学的性質及び感光性組成物或いはその物性によって広範囲に変えることができるが、感光性組成物の乾燥状態又は画像形成材料とした際の感光層の固形分の全重量に対して約0.1〜約20重量%の範囲が適当であり、好ましくは0.2〜10重量%の範囲である。
【0068】
(酸により分解し得る結合部を有する化合物)
本発明の感光性組成物には、酸により分解し得る結合部を有する化合物(以下「酸分解化合物」という)を含有するのが好ましい。当該酸分解化合物としては、具体的には、特開昭48−89003号、同51−120714号、同53−133429号、同55−12995号、同55−126236号、同56−17345号に記載されているC−O−C結合を有する化合物、特開昭60−37549号、同60−121446号に記載されているSi−O−C結合を有する化合物、特開昭60−3625号、同60−10247号各公報に記載されているその他の酸分解化合物が挙げられ、更に特願昭61−16687号に記載されているSi−N結合を有する化合物、特願昭61−94603号に記載されている炭酸エステル、特願昭60−251744号に記載されているオルト炭酸エステル、特願昭61−125473号に記載されているオルトチタン酸エステル、特願昭61−125474号に記載されているオルトケイ酸エステル、特願昭61−155481号に記載されているアセタール及びケタール、特願昭61−87769号に記載されているC−S結合を有する化合物などが挙げられる。
【0069】
上記のうち前記特開昭53−133429号、同56−17345号、同60−121446号、同60−37549号及び特願昭60−251744号、同61−155481号に記載されているC−O−C結合を有する化合物、Si−O−C結合を有する化合物、オルト炭酸エステル、アセタール類、ケタール類及びシリルエーテル類が好ましい。それらの中でも特開昭53−133429号に記載された主鎖中に繰り返しアセタール又はケタール部分を有し、現像液中でのその溶解度が酸の作用によって上昇する有機重合化合物及び特開昭63−10153号に記載の下記構造単位
【0070】
【化16】
Figure 0003788036
【0071】
を有し、酸により分解し得る化合物が特に好ましい。
【0072】
本発明に用いられる酸分解化合物の具体例としては前記各公知例に記載された化合物を挙げることができる。又、該化合物の合成方法も前記各公知例に記載されている。
【0073】
本発明において、酸分解化合物として、−(CH2CH2O)n−基(nは2〜5の整数を表す)を有する化合物が感度及び現像性のバランスの点から好ましい。又、該化合物のうちエチレンオキシ基の連鎖数nが3又は4の化合物が特に好ましい。上記−(CH2CH2O)n−基を有する化合物の具体例としてはジメトキシシクロヘキサン、ベンズアルデヒド及びそれらの置換誘導体と、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール及びペンタエチレングリコールの何れかとの縮合生成物が挙げられる。
【0074】
又、本発明において、酸分解化合物として、下記一般式(6)で表される化合物が感度及び現像性の点から好ましい。
【0075】
【化17】
Figure 0003788036
【0076】
式中、R、R1及びR2は各々水素原子、炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数1〜5のアルコキシ基、スルホ基、カルボキシル基又はヒドロキシル基を表し、p、q及びrは各々1〜3の整数を表し、m及びnは各々1〜5の整数を表す。R、R1及びR2が表すアルキル基は直鎖でも分岐でもよく、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基等が挙げられ、アルコキシ基としては例えばメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、tert−ブトキシ基、ペントキシ基等が挙げられ、スルホ基及びカルボキシル基はその塩を包含する。一般式(6)で表される化合物のうち、m及びnが1又は2である化合物が特に好ましい。一般式(6)で表される化合物は公知の方法で合成することができる。
【0077】
本発明において、酸分解化合物の含有量は、感光性組成物或いは画像形成材料として用いた際の感光層を形成する組成物の全固形分に対し、5〜70重量%が好ましく、特に好ましくは10〜50重量%である。酸分解化合物は1種を用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
【0078】
本発明の好ましい態様としてフッ素系界面活性剤を含有する態様が挙げられる。フッ素系界面活性剤としては、パーフルオロアルキル基を含有するモノマー、オリゴマー、ポリマーを母核としたもので、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレン等の誘導体等が挙げられる。
【0079】
本発明においては、フッ素系界面活性剤を0.001〜5重量%含有させることが経時による非画像部の汚れ発生防止の点から好ましい。フッ素系界面活性剤としては例えば次のような化合物が挙げられる。
【0080】
【化18】
Figure 0003788036
【0081】
フッ素系界面活性剤としては市販品を用いることもでき、例えばサーフロン「S−381」、「S−382」、「SC−101」、「SC−102」、「SC−103」、「SC−104」(何れも旭硝子(株)製)、フロラード「FC−430」、「FC−431」、「FC−173」(何れもフロロケミカル−住友スリーエム製)、エフトップ「EF352」、「EF301」、「EF303」(何れも新秋田化成(株)製)、シュベゴーフルアー「8035」、「8036」(何れもシュベグマン社製)、「BM1000」、「BM1100」(いずれもビーエム・ヒミー社製)、メガファック「F−171」、「F−177」(いずれも大日本インキ化学(株)製)、などを挙げることができる。
【0082】
本発明におけるフッ素系界面活性剤のフッ素含有割合は、0.05〜2%、好ましくは0.1〜1%である。上記のフッ素系界面活性剤は、1種又は2種以上を併用することができ、又その他の界面活性剤と併用することができる。
【0083】
更に、本発明の感光性組成物には、感脂性を向上するために親油性の樹脂を添加することができる。上記親油性の樹脂としては、例えば、特開昭50−125806号に記載されているような、炭素数3〜15のアルキル基で置換されたフェノール類とアルデヒドの縮合物、例えばtブチルフェノールホルムアルデヒド樹脂などが使用可能である。
【0084】
本発明の感光性組成物には必要に応じて、更に上記以外の色素、顔料、増感剤、可視画剤等を含有させることができる。
【0085】
〔2〕感光性平版印刷版
本発明の感光性平版印刷版は、親水性支持体上に、上記の感光性組成物を含有する感光層を有してなることを特徴とする。具体的には、上記の感光性組成物の塗布液を適当な親水性支持体の表面に塗布して感性層を設け、乾燥することで得られる。
【0086】
支持体としては、アルミニウム、亜鉛、鋼、銅等の金属板、並びにクロム、亜鉛、銅、ニッケル、アルミニウム、鉄等がメッキ又は蒸着された金属板、紙、プラスチックフィルム及びガラス板、樹脂が塗布された紙、アルミニウム等の金属箔が張られた紙、親水化処理したプラスチックフィルム等が挙げられる。
【0087】
本発明においては、支持体として砂目立て処理、陽極酸化処理及び必要に応じて封孔処理等の表面処理等が施されているアルミニウム板を用いることが好ましい。これらの処理は公知の方法を適用できる。
【0088】
砂目立て処理の方法としては、例えば機械的方法、電解によりエッチングする方法が挙げられる。機械的方法としては、例えばボール研磨法、ブラシ研磨法、液体ホーニングによる研磨法、バフ研磨法等が挙げられる。アルミニウム材の組成等に応じて上述の各種方法を単独或いは組合わせて用いることができる。又電解によりエッチングするには、リン酸、硫酸、塩酸、硝酸等の無機の酸を単独乃至2種以上混合した浴を用いて行われる。砂目立て処理の後、必要に応じてアルカリ或いは酸の水溶液によってデスマット処理を行い中和して水洗する。
【0089】
陽極酸化処理は、電解液として、硫酸、クロム酸、シュウ酸、リン酸、マロン酸等を1種又は2種以上含む溶液を用い、アルミニウム板を陽極として電解して行われる。形成された陽極酸化被膜量は1〜50mg/dm2が適当であり、好ましくは10〜40mg/dm2であり、特に好ましくは25〜40mg/dm2である。陽極酸化被膜量は、例えばアルミニウム板をリン酸クロム酸浴液(リン酸85%液:35ml、酸化クロム(IV):20gを1lの水に溶解して作製)に浸漬し、酸化被膜を溶解し、板の被膜溶解前後の重量変化測定から求められる。
【0090】
封孔処理は、沸騰水処理、水蒸気処理、ケイ酸ソーダ処理、重クロム酸塩水溶液処理等が具体例として挙げられる。この他にアルミニウム板支持体に対して、水溶性高分子化合物や、フッ化ジルコン酸等の金属塩の水溶液による下引き処理を施すこともできる。
【0091】
〔3〕感光性平版印刷版の製造方法
本発明の感光性平版印刷版の製造方法は、アルミ支持体上に上記感光性組成物を設けた後、乾燥温度80℃以上200℃以下、乾燥時間10秒以上200秒以下の条件で熱処理することが好ましい。好ましくは乾燥温度90℃以上150℃以下、乾燥時間10秒以上100秒以下であり、それらの条件で処理することが好ましい。
【0092】
塗布方法は従来公知の方法、例えば回転塗布、ワイヤーバー塗布、ディップ塗布、エアーナイフ塗布、ロール塗布、ブレード塗布及びカーテン塗布等が可能である。塗布量は用途により異なるが、例えば、感光性平版印刷版についていえば固形分として0.5〜5.0g/m2が好ましい。
【0093】
本発明の画像形成材料には波長700nm以上の光源を用い画像露光を行うのが好ましい。光源としては、半導体レーザー、He−Neレーザー、YAGレーザー、炭酸ガスレーザー等が挙げられる。出力は50mW以上が適当であり、好ましくは100mW以上である。
【0094】
本発明の画像形成材料の現像に用いられる現像液としては、水系アルカリ現像液が好適である。水系アルカリ現像液としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、メタケイ酸ナトリウム、メタケイ酸カリウム、第二リン酸ナトリウム、第三リン酸ナトリウム等のアルカリ金属塩の水溶液が挙げられる。アルカリ金属塩の濃度は0.05〜20重量%の範囲で用いるのが好適であり、より好ましくは、0.1〜10重量%である。
【0095】
本発明の画像形成方法において、現像液には、必要に応じアニオン性界面活性剤、両性界面活性剤やアルコール等の有機溶剤を加えることができる。
【0096】
有機溶剤としては、プロピレングリコール、エチレングリコールモノフェニルエーテル、ベンジルアルコール、n−プロピルアルコール等が有用である。
【0097】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明の態様はこれに限定されない。尚、以下の「部」は「重量部」を表す。
【0098】
実施例1
〈支持体の作製〉
厚さ0.3mmのアルミニウム板(材質1050、調質H16)を65℃に保たれた5%水酸化ナトリウム水溶液で1分間脱脂処理を行った後水洗し、25℃に保たれた10%硫酸水溶液中に1分間浸漬して中和し、更に水洗した。このアルミニウム板を1.0重量%の硝酸水溶液中において温度25℃、電流密度10A/dm2、処理時間60秒の条件で交流電流により電解粗面化を行なった。次いで、5%水酸化ナトリウム水溶液中で温度60℃、10秒間のデスマット処理を行ない、その後20%硫酸溶液中で温度20℃、電流密度3A/dm2、処理時間1分間の条件で陽極酸化処理を行った。その後、80℃に保たれた1%酢酸アンモニウム水溶液中に30秒間浸漬し、水洗後80℃で3分間乾燥した。更に85℃に保たれたカルボキシメチルセルロース(以下、CMCと略す)の水溶液(濃度0.1重量%)に30秒浸漬した後、80℃で5分間乾燥し支持体を作製した。
【0099】
(酸分解化合物Aの合成)
1,1−ジメトキシシクロヘキサノン(0.5モル)、2−フェノキシエタノール(1.0モル)及びp−トルエンスルホン酸80mgを混合し、撹拌させながら120℃で8時間反応させた。反応により生成するメタノール及び反応溶剤は、反応終了後除去した。冷却後、水で洗浄し水酸化ナトリウム溶液で洗浄し、その後中性になるまで飽和食塩水で洗浄し、得られた化合物を無水炭酸カリウムで脱水した後濃縮乾固して目的の下記酸分解化合物Aの白色結晶を得た。
【0100】
(感光性組成物1の作製)
以下に示すような割合で混合し感光性組成物とした。
【0101】
Figure 0003788036
【0102】
【化19】
Figure 0003788036
【0103】
(画像形成材料の作製)
前記作製した支持体上に、上記組成の感光性組成物よりなる感光層塗布液を、乾燥後の膜厚が2.0g/m2になるようにワイヤーバー塗布を行ない95℃で90秒間乾燥して画像形成材料(感光性平版印刷版)を得た。尚、残留溶剤は80mg/m2であった。尚この値は感光層中にて4重量%に相当する。
【0104】
(画像形成)
得られた感光性平版印刷版を大日本スクリーン製造(株)製のPlatrite 3244M(発振波長830nm、1ch=10.58μm、168ch=1走査=1.778mmピッチ、総出力9W、回転数80〜170rpm)で画像露光を行なった。画像露光後、コニカ平版印刷版用現像液SDR−1(コニカ(株)製)と水との比が1:5となるよう希釈した。その後30℃に保った現像液に30秒間浸漬して現像を行なった後、水洗、乾燥を行なった。この際、非画線部(露光部)を除去し、ポジ型画像を形成する。
【0105】
〈評価〉
(感度)
上記条件において露光部が現像されるのに必要な露光エネルギー(mj/cm2)で評価した。
【0106】
(バンディング汚れ)
印刷時に非画像部の汚れ(走査ピッチ)があるかどうかを目視で観察した。
【0107】
(保存性)
55℃・20%RHの環境下にて1週間保存し、同様にバンディング汚れを評価した。
【0108】
(耐刷性)
印刷機(ハイデルGTO52)で、コート紙、印刷インキ(東洋インキ製造(株)社製:ハイプラスM紅)及び湿し水(コニカ(株)社製:SEU−3 2.5%水溶液)を用いて印刷を行った。その時の印刷物の画像部において画像欠陥が生じた際の印刷部数を数え耐刷性とした。
【0109】
実施例2〜6
実施例1の感光性組成物1の溶剤及び溶剤残留量を表1のように変更した他は同様にして画像形成材料を作製し、評価した。
【0110】
得られた結果を以下の表1に示す。
【0111】
【表1】
Figure 0003788036
【0112】
表1から明らかなように、本発明の感光性組成物を用いて得られた感光性平版印刷版は、高感度を維持しながらもバンディング汚れ、及び保存時のバンディング汚れ、更には耐刷性の何れもが改善されるという顕著に優れた効果を奏することが分かる。しかしながら本発明で規定する溶剤以外のみを使用した場合には、高感度を維持しながらバンディング汚れ、耐刷性を向上するということが非常に困難であることが分かる。
【0113】
【発明の効果】
本発明によれば、多チャンネル赤外露光方式での赤外CTPにおいて感光材料の製造条件、環境条件又は保存条件に左右されることなく、記録時のバンディングムラを防止でき、又高感度で高耐刷性を有する感光性組成物を提供することができる。具体的には、複数チャンネルのレーザー露光では、1チャンネルごとの微妙な強弱や複数チャンネルと複数チャンネルとの繋ぎ部分における露光強度ムラが画像のムラとなり、いわゆるバンディングが生じるが、本発明の感光性組成物を用いた場合、即ち溶剤として特定のプロパンジオールモノアルキルエーテル及び/又は非環状のケトンを溶剤として用いることでバンディングムラのない良好な感光性平版印刷版を得ることが出来る。又、感光層における残留溶媒を特定の量に規定することで、バンディングムラ、保存時でのバンディングムラ、又耐刷性を更に改善することが出来る。

Claims (5)

  1. 下記一般式(3)で表される赤外線吸収剤、ノボラック樹脂、酸発生剤、ケタール化合物及び溶剤を含有してなる感光性組成物であって、前記溶剤が下記一般式(1)で表されるケトン類及び下記一般式(2)で表されるグリコールエーテル類を含有する感光性組成物を、親水性支持体上に塗布・乾燥して感光性層を形成してなる感光性平版印刷版であって、前記溶剤を前記感光性層中に0.01以上5重量%以下の範囲で存在させてなることを特徴とする感光性平版印刷版
    一般式(1)
    1−CO−R2
    Figure 0003788036
    〔一般式(1)において、R1、R2は水素原子又は炭化水素基であって、該炭化水素基は合計炭素数が4以上である。R1とR2は環を形成しない。又一般式(2)において、Rは炭素数3以上の炭化水素基である。〕
    一般式(3)
    + ・X -
    〔式中、Dはシアニン系色素、スクアリウム系色素、ポリメチン系色素骨格であり、XはCl、Br、I、ClO 4 、BF 4 、PF 6 、p−トルエンスルホン酸、t−ブチルトリフェニルホウ素等のアルキルホウ素塩を表す。〕
  2. フッ素系界面活性剤を前記感光性組成物に含有することを特徴とする請求項1記載の感光性平版印刷版
  3. 上記一般式(1)で表されるケトン類と一般式(2)で表されるグリコールエーテル類とを、重量比で20:80乃至80:20の割合で前記感光性組成物に含有することを特徴とする請求項1又は2記載の感光性平版印刷版
  4. 上記一般式(2)で表されるグリコールエーテル類がプロピレングリコールモノプロピルエーテル又はプロピレングリコールモノブチルエーテルであることを特徴とする請求項1、2又は3記載の感光性平版印刷版
  5. 請求項1、2、3又は4記載の感光性平版印刷版の製造方法であって、感光性組成物を親水性支持体上に塗布した後、80℃以上200℃以下の温度で10秒以上200秒以下の間熱処理を行うことを特徴とする感光性平版印刷版の製造方法
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