JP3787673B2 - 二輪車用燃料噴射装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、二輪車に搭載される機関に向けて、燃料ポンプにて昇圧された燃料を燃料噴射弁を介して噴射供給する二輪車用の燃料噴射装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の二輪車用燃料噴射装置について図3により説明する。
Tは、内部に燃料が貯溜される燃料タンクであり、該燃料タンクの重力方向における下方位置に燃料ポンプ室60が配置される。
この燃料ポンプ室60は密閉状をなすとともに燃料ポンプ室60は燃料流入路61を介して燃料タンクTと接続され、さらに燃料ポンプ室60は燃料リターン通路76を介して燃料タンクTと接続される。
一方、燃料ポンプ室60内には、ポンプ部62と、ポンプ部62を回転駆動する為のモータ部63とにより構成される燃料ポンプPが収納配置される。
この燃料ポンプPは例えば特公平3−61038号公報に示されるものが用いられる。
この燃料ポンプ室60は燃料ポンプPの外周と比較的小なる間隙が形成される程度の小容量をなす形状を有する。これは二輪車において、燃料タンクTの下方空間は小空間であって且つ燃料供給系装置あるいは吸気系装置が配置されるからである。
そして、前記燃料ポンプPの吸入路64は直接的に燃料ポンプ室60内に開口し、吐出路65は燃料ポンプ室60内に開口することなく、直接的に燃料ポンプ室60外へと開口する。
Dは、機関に連なる吸気管の近傍に配置される燃料分配管であり、該燃料分配管の燃料分配路66内に供給される燃料は、燃料噴射弁Jを介して吸気管内へ噴射供給される。
尚、機関、吸気管は、図示されない。
Rは、燃料圧力を所定の一定圧力に調圧するプレッシャーレギュレターであり、以下の構成よりなる。
筐体67は、ダイヤフラム68によって燃料室69とスプリング室70とに区分され、燃料室69には、流入路71とリターン通路72とが開口する。
一方、スプリング室70内にはスプリング73が縮設され、ダイヤフラム68は前記スプリング73によって燃料室69側に付勢される。
又、ダイヤフラム68には、リターン通路72の燃料室69内への開口端を開閉する弁体74が一体的に配置されるもので、燃料室69内の圧力が一定圧力以下(大気圧に近い圧力状態)において、弁体74はスプリング73によって押圧されてリターン通路72を閉塞保持する。
そして、前記流入路71は燃料分配管Dの燃料分配路66に接続され、リターン通路72は、リターン連通路75にて燃料ポンプ室60に連絡される。
又、前記燃料ポンプPの吐出路65と燃料分配管Dの燃料分配路66とは燃料吐出路76によって連絡される。
【0003】
かかる従来の二輪車用燃料噴射装置において、燃料タンクT内の燃料は、燃料流入路61を介して燃料ポンプ室60内に流入し、燃料ポンプ室60内を燃料によって充満する。
ここで機関の運転に際し、燃料ポンプPのモータ部63に通電されてモータ部63が回転すると、ポンプ部62は燃料ポンプ室60内に貯溜された燃料を、吸入路64を介してその内部に吸入して昇圧し、この昇圧された燃料が吐出路65、燃料吐出路76を介して燃料分配管Dの燃料分配路66内へ供給される。
一方、燃料噴射弁Jは、図示せぬECUからの駆動信号によってその開弁時間が制御されるもので、燃料分配路66内の昇圧された燃料は燃料噴射弁Jの開弁時間内において吸気管に向けて燃料を噴射供給する。
【0004】
前記において、燃料分配管D内の燃料分配路66における燃料圧力は一定圧力に制御される必要があり、この燃料圧力の調圧作用をプレッシャーレギュレターRがなす。
すなわち、燃料分配路66内の燃料は、流入路71を介してプレッシャーレギュレターRの燃料室69内に導入されるもので、燃料分配路66内の燃料圧力が一定圧力を超えて上昇すると、ダイヤフラム68はスプリング73のバネ力に抗して図3において左動し、弁体74がリターン通路72を開放する。
以上によると、燃料室69内の燃料は、燃料リターン通路72、リターン連通路75を介して燃料ポンプ室60内へ排出されるもので、これによって燃料分配路66内の上昇した燃料圧力を低下できて、一定燃料圧力に制御することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
かかる従来の二輪車用燃料噴射装置によると、低速運転状態、例えば機関のアイドリング運転を比較的長時間行なった場合、あるいは機関の停止後において、短時間経過した後に再び機関を始動させる熱間再始動時において不具合を生ずる。
すなわち、前者にあっては、機関の回転が不安定となり、最悪時において機関が停止に至る恐れがある。
又、後者にあっては、始動操作回数が増加傾向となり最悪時において、再始動が不能状態におちいる恐れがある。
【0006】
機関のアイドリング運転時について鑑案すると、機関に向けて噴射されて消費される燃料量が小流量であることより、燃料ポンプPより吐出される燃料の大部分は、燃料吐出路76−燃料分配路66−プレッシャーレギュレターR−燃料ポンプ室60−燃料ポンプPの吸入路64を常時循環して流れるものであり、燃料タンクT内の新気な燃料が、燃料流入路61を介して燃料ポンプ室60内へ導入されにくい。(いいかえると燃料ポンプ室60内がリターン燃料で常時満たされる。)
そして、前記循環を繰り返す燃料は、燃料ポンプ室60内において、燃料ポンプPのモータ部63の発熱を吸収し、燃料温度が徐々に上昇するもので、この燃料温度の上昇は、機関のアイドリング運転時間の経過とともに大きく上昇する。
以上によると、燃料ポンプPのポンプ部62、燃料ポンプ室60、燃料吐出路76、燃料分配路66内における燃料の気化が促進されて気泡が発生し、この気泡によって定められた燃料を安定して機関に供給することができないことに起因する。
【0007】
又、機関が停止されて後の一定時間経過後において、燃料ポンプ室60内の燃料はモータ部63が高熱されることによって加熱され、燃料温度が大きく上昇した状態にある。
そして、かかる状態において熱間再始動が行なわれると、燃料ポンプPは、吸入路64を介して燃料ポンプ室60内の高温度状態にある燃料を吸入し、吐出路65、燃料吐出路76を介して燃料分配路66に供給する。
以上によると、前記と同様に気泡が発生し、所望の燃料を機関に向けて供給することができないことに起因する。
【0008】
本発明は、上記不具合に鑑み成されたもので、長い時間に渡って良好な機関のアイドリング運転を可能にすること。及び熱間再始動性を向上すること。のできる二輪車用燃料噴射装置を提供することを主目的とする。
【0009】
本発明になる二輪車用燃料噴射装置は、前記目的達成の為、二輪車に搭載される燃料タンクの下方位置に燃料ポンプが配置され、燃料ポンプにて昇圧された燃料が、燃料分配管に装着された燃料噴射弁を介して機関へ噴射供給される二輪車用燃料噴射装置において、
燃料タンクの下方位置に、燃料室とリターン燃料室とに区分される燃料筐体を配置し、前記燃料室と燃料タンクとを燃料流入路にて連絡するとともにリターン燃料室と燃料タンクとを燃料リターン通路にて連絡し、
前記リターン燃料室内にポンプ部とモータ部とにより形成される燃料ポンプを配置し、
前記燃料ポンプの吸入路を燃料室内に開口するとともに燃料ポンプの吐出路を燃料吐出路を介して燃料分配管に連絡し、前記燃料吐出路を含む燃料分配管に配置され、
燃料ポンプより吐出される燃料圧力を一定圧力に調圧するプレッシャーレギュレターのリターン通路を、リターン燃料室に連絡したことを第1の特徴とする。
【0010】
又、本発明は、前記第1の特徴に加え、前記燃料流入路及び燃料リターン通路に両通路を同期的に開閉する開閉弁を配置したことを第2の特徴とする。
【0011】
又、本発明は、前記第1の特徴に加え、前記プレッシャーレギュレターは、リターン燃料室内又はリターン燃料室に臨む燃料筐体に配置され、プレッシャーレギュレターのリターン通路を直接的にリターン燃料室内に開口したことを第3の特徴とする。
【0012】
又、本発明は、前記第1の特徴に加え、前記燃料室内に燃料フィルターを配置し、燃料フィルターにて濾過された燃料室内の燃料を吸入路を介してポンプ部に吸入したことを第4の特徴とする。
【0013】
更に本発明は、前記第1の特徴に加え、前記プレッシャーレギュレターは、燃料分配管に配置され、該プレッシャーレギュレターの燃料リターン通路を、リターン燃料室へリターン連通路をもって接続したことを第5の特徴とする。
【0014】
【作用】
第1の特徴によると、燃料ポンプは、燃料タンクと直結され、新気な燃料が供給される燃料室内の低い温度状態にある燃料を吸入して吐出できるので、燃料ポンプ及び燃料供給系内において、燃料の気化が抑止されて気泡の発生を低減できる。
従って、燃料噴射弁より安定した燃料の供給が可能となり、長時間に渡るアイドリング運転及び熱間再始動性の向上を達成できる。
【0015】
第2の特徴によると、二輪車を長期間に渡って使用しない状態において、開閉弁にて燃料流入路、燃料リターン通路を同期的に閉塞することができるので、特に燃料タンク内の燃料が燃料噴射弁を介して機関へ漏洩することがない。
【0016】
第3の特徴によると、プレッシャーレギュレターのリターン通路がリターン燃料室内に直接的に開口されるので、高圧燃料配管系の外部露出を減少でき、これによって燃料配管の自由度、外観性、を高めることができる。
【0017】
第4の特徴によると、燃料ポンプの吸入路は燃料室内に開口され、燃料フィルターによって濾過された清浄なる燃料室内の燃料のみを吸入するので、燃料ポンプ内及び燃料吐出路を含む燃料分配管内に異物が排出されることがない。
従って、燃料ポンプの耐久性の向上、プレッシャーレギュレターの弁体の閉塞性の向上、燃料噴射弁の燃料制御性の向上、を達成できる。
【0018】
第5の特徴によると、仮に燃料吐出路、燃料分配路内に気泡が存在した際において、リターン連通路を介して確実に気泡を燃料ポンプ室内へ排出でき、燃料噴射弁より噴出される燃料量をより一層正確に制御できる。
【0019】
【実施例】
以下、本発明になる二輪車用燃料噴射装置の一実施例について図1により説明する。
尚、図3と同一構造部分については同一符号を使用し、説明を省略する。
燃料タンクT、燃料ポンプP、燃料噴射弁Jを備えた燃料分配管Dは同一構造をなす。
1は、燃料筐体であって、その内部は、燃料室2とリターン燃料室3とに区分される。具体的に説明すれば、リターン燃料室3は、図1において右方に底部3Aを有し、左方に開口3Bを備えた有底筒状をなす。
燃料室2は、図1において右方に底部2Aを有し、左方に開口2Bを備えた有底筒状をなす。
そして、リターン燃料室3の開口3B上に燃料室2の底部2Aを当接配置して締結することによって密閉状のリターン燃料室3が形成され、また燃料室2の開口2B上に閉塞カバー4を当接配置して締結することによって密閉状の燃料室2が形成される。
【0020】
そして、リターン燃料室3内には燃料ポンプPが配置されるもので、このとき燃料ポンプPの吸入路64は、リターン燃料室3内に開口するものでなく直接的に燃料室2内に開口し、一方吐出路65はリターン燃料室3外へ開口する。この燃料ポンプPの外周と、リターン燃料室3の内周との間には空間S(環状空間)が形成される。
具体的には、吸入路64は、燃料室2の底部2Aに設けた支持孔2Cに液密的に支持されて燃料室2内に向かって開口し、吐出路65は、リターン燃料室3の底部3Aに設けた支持孔3Cに液密的に支持されてリターン燃料室3外に向かって開口する。
尚、5は、前記液密作用をなす弾性材料よりなるパッキンであり、例えば角リング、Oリングが用いられる。
又、3Dはリターン燃料室3内に向かって開口する第1開口である。
【0021】
燃料室2内には燃料フィルターFが配置される。
具体的には、燃料フィルターFは上底部F1と、下底部F2と、上底部F1と下底部F2とを接続する円筒状のストレーナ部F3と、によって形成され、上底部F1に設けた開口F4が、閉塞カバー4に設けた流入開口突部4Aに嵌入される。(流入開口突部4Aの内方には流路4Bが形成される。)従って、流入開口突部4Aの流路4B内を流れる燃料は、開口F4を介してストレーナ部F3の内方へ流入し、ストレーナ部F3にて異物が除去された清浄な燃料がストレーナ部F3を介して燃料室2内へ流入する。
【0022】
Rはプレッシャーレギュレターであって以下により形成される。
筐体6は図1において左方に底部6Aを有し、右方が開口6Bを有する有底筒状をなし、開口6B上にダイヤフラム7とカバー8が配置され、ダイヤフラム7の一側と筐体6とによって燃料室9が形成され、ダイヤフラム7の他側とカバー8とによってスプリング室10が形成される。
又、底部6Aには弁座6Eを備えたリターン通路6Cと吐出路支持孔6Dとが開口して形成され、側壁に吐出孔6Fが開口して形成される。
11は、ダイヤフラム7と一体的に形成された弁体であり、弁座6Eはこの弁体11によって開閉制御される。
又、12はスプリング室10内に縮設されたスプリングであって、弁体11を含むダイヤフラム7はこのスプリング12のバネ力によって燃料室9側に付勢される。
【0023】
Vは燃料タンクTの底面に装着される開閉弁であり、開閉弁Vは、第1流路13と第2流路14、及び両流路を同期的に開閉するスプール弁15を備える。
第1流路13及び第2流路14の上方は燃料タンクT内に開口し、下方は燃料タンクT外へ開口する。
スプール弁15は、両流路13,14を同期的に開閉するもので、図1の状態は共に閉状態にあり、この状態よりスプール弁15を右方へ引くことにより両流路を同時に開放できる。
【0024】
そして、前記各構成は、以下のように配置、接続される。
燃料室2とリターン燃料室3とを備えた燃料筐体1は燃料タンクTの重力方向における下方位置に配置され、燃料室2に開口する流路4Bと第1流路13とが燃料流入路20で接続される。
又、リターン燃料室3に開口する第1開口3Dと第2流路14とは燃料リターン通路21で接続される。
【0025】
プレッシャーレギュレターRの筐体6の底部6Aは、リターン燃料室3の底部3A上に配置される。
このとき、燃料ポンプPの吐出路65は、吐出孔支持孔6Dに嵌入支持され、吐出路65は燃料室9内へ開口する。
一方、リターン通路6Cはリターン燃料室3の底部3Aに穿設した第2開口3Eに臨んで開口配置され、これによってリターン通路6Cはリターン燃料室3内に開口する。
【0026】
又、プレッシャーレギュレターRの吐出孔6Eは、燃料吐出路22を介して燃料分配管Dの燃料分配路66と接続される。
【0027】
次にその作用について説明する。
機関の運転時において、開閉弁Vは図1において右方へ移動され、スプール弁15は第1流路13、第2流路14を開放保持する。
これによると、燃料タンクT内の燃料は、第1流路13、燃料流入路20、流路4Bを介して燃料室2内の燃料フィルターFへ供給され、燃料フィルターFによって異物が除去された清浄なる燃料のみが燃料室2内へ供給される。
一方、第2流路14がスプール弁15にて開放されたことによると、リターン燃料室3内にもまた燃料リターン通路21を介して燃料タンクT内の燃料が流入することになる。
【0028】
そして、機関が運転されることによって燃料ポンプPが駆動されると、以下の燃料供給が行なわれる。
モータ部63の回転がポンプ部62に伝達されてポンプ部62が回転すると、燃料室2内の清浄な燃料は吸入路64を介してポンプ部62に吸入され、ポンプ部62にて昇圧(例えば270kPa)された燃料は、吐出路65よりプレッシャーレギュレターRの燃料室9内へ吐出され、さらにこの燃料は吐出孔6E、燃料吐出路22を介して燃料分配管Dの燃料分配路66内へ供給される。
そして、燃料噴射弁Jが図示せぬECUからの駆動信号を受けて開弁すると、その開弁時間に応じた燃料が燃料噴射弁Jより図示せぬ吸気管内に向けて噴射供給される。
【0029】
すなわち、燃料タンクT内の燃料は、以下の燃料供給系路を通って燃料噴射弁Jに供給される。
燃料タンクT−第1流路13−燃料流入路20−燃料フィルターF−燃料室2−吸入路64−ポンプ部62−吐出路65−プレッシャーレギュレターRの燃料室9−燃料吐出路22−燃料分配管Dの燃料分配路66−燃料噴射弁Jの供給系路をたどる。
【0030】
一方、燃料ポンプPの吐出路65からプレッシャーレギュレターRの燃料室9内へ吐出される燃料圧力が所定の一定圧力を超えて上昇(300kPa)すると、燃料室9に臨むダイヤフラム7はこの上昇した圧力を受け、スプリング12のバネ力に抗して右動し、弁体11は弁座6Eを開放する。
以上によると、燃料室9内の上昇した燃料圧力を有する燃料は弁座6E、リターン通路6C、第2開口3Eを介してリターン燃料室3内へ流入するもので、これによって上昇した燃料圧力を再び所定の圧力に制御でき、燃料分配路66に向けて所定の燃料圧力を有する燃料の供給を行なうことができる。
そして、リターン燃料室3内へ流入した燃料は、燃料リターン通路21、第2流路14を介して燃料タンクT内へと還流される。
【0031】
以上述べた本発明の二輪車用燃料噴射装置によると、第1には、長い時間に渡って機関のアイドリング運転を連続的に行なった際においても、機関の回転数が変動したり、機関が停止したりすることがなく、安定した機関のアイドリング運転を継続して行なうことができる。
すなわち、プレッシャーレギュレターRのリターン通路6Cからリターン燃料室3内に流入したリターン燃料は、リターン燃料室3内を通過する際、発熱したモータ部63の熱を吸収し、その燃料温度は上昇し、温度上昇した燃料が燃料リターン通路21、第2流路14を介して燃料タンクT内へと排出される。
ここで、リターン燃料室3の有効室容積(リターン燃料室3の室容積から燃料ポンプPの容積を引いた容積であって、環状の空間Sの室容積に相当する。)と燃料タンクTとの室容積とを比較すると、燃料タンクTの室容積は空間Sの室容積に比較して相当大なる容積を有する。
従って、リターン燃料が流入する燃料タンクT内の燃料温度は上昇するもののその温度上昇特性(時間経過に対する燃料タンクT内の燃料温度上昇)は極めて緩やかに維持される。
【0032】
そして、燃料ポンプPの吸入路64は、燃料タンクT内の燃料のみが流入する燃料室2内に開口し、燃料タンクT内の温度上昇の少ない燃料を吸入して吐出するものである。
【0033】
以上によると、プレッシャーレギュレターR、燃料吐出路22、燃料分配路66内における燃料の気化が抑制されて気泡の発生を大きく低減できたものである。
従って、長い時間に渡って連続してアイドリング運転が行なわれても、所望の燃料を安定して且つ確実に機関に供給することができ、もってアイドリング運転を良好に行なうことができたものである。
【0034】
又、第2には、機関の熱間再始動を確実に行なうことができる。
すなわち、機関の停止後において、モータ部63は依然として熱を放出しつづけるもので、リターン燃料室3内にあるリターン燃料はこのモータ部63の熱によって温度上昇する。
一方、燃料室2内の燃料は、燃料タンクTと燃料流入路20を介して直接的に接続されるもので燃料室2内には比較的に温度上昇の少ない燃料タンクT内の燃料が供給される。
従って、かかる状態において、機関を再び始動させる熱間再始動運転を行なった際において、燃料ポンプPは温度上昇の少ない燃料をプレッシャーレギュレターR、燃料吐出路22、燃料分配路66を介して燃料噴射弁に供給できるもので、気泡の影響を受けることなく所望の始動用燃料を機関に供給できる良好な熱間再始動性を得ることができる。
尚、機関停止時において、燃料室2内の燃料は隣接するリターン燃料室3内の温度上昇した燃料温度の影響を受けて、その燃料温度は上昇傾向となるが、始動の初期段階においてこの燃料は早期に消費され、即座に燃料タンクT内の新気な燃料が供給されるので熱間再始動性を阻害するには至らない。
【0035】
又、燃料流入路20に連なる第1流路13及び燃料リターン通路21に連なる第2流路14には、両通路を同期的に開閉する開閉弁Vが配置されたので、二輪車を長期間に渡って放置する場合等において、第1流路13、第2流路14はスプール弁15によって閉塞保持される。
以上によると、燃料タンクT内の燃料が、燃料流入路20−燃料室2−燃料ポンプP−プレッシャーレギュレターR−燃料吐出路22−燃料分配路66に向かって漏洩することがない。
又、燃料タンクT内の燃料が、燃料リターン通路21−リータン燃料室3−プレッシャーレギュレターR−燃料吐出路22−燃料分配路66に向かって漏洩することがない。
【0036】
又、プレッシャーレギュレターRは筐体6を介して燃料筐体1に当接して配置され、プレッシャーレギュレターRに設けたリターン通路6Cが燃料筐体1の底部3Aに穿設される第2開口3Eを介して直接的にリターン燃料室3内に開口されたことによると、リターン通路6Cとリターン燃料室3とを連絡する通路(第2開口3Eに相当する)を極めて短く形成できるとともに該通路が直接的に外部に露出することがない。
以上によると、部品点数、組付け配管工数の削減ができるとともにその外観形状を単純化できる。
特に、燃料ポンプPを備えたリターン燃料室3の一側方に燃料フィルターFを備えた燃料室2を設け、他側方にプレッシャーレギュレターRを配置すると、その形状を極めてコンパクトに形成できるもので、特に二輪車の如く収納空間の少ないもにあってそのレイアウト上極めて効果的である。
【0037】
又、燃料室2内に燃料フィルターFを配置したことによると、二輪車への搭載前の段階における燃料筐体のサブアッセンブリー状態において、予め燃料フィルターFを装着できるので、燃料フィルターFの装着性を大きく向上できたものである。
又、燃料フィルターFを燃料ポンプの吸入路64が開口する燃料室2内へ配置したことによると、燃料ポンプは燃料フィルターFによって異物が濾過された直後の清浄な燃料を吸入できたもので、極めて清浄な燃料を吸入することができる。
【0038】
尚、燃料リターン通路21の燃料タンクT内への開口位置(いいかえると、第2流路14の開口)を燃料タンクTの下方の燃料液面下とすると、燃料リターン通路21を流れる燃料中に含まれる気化ガスを即座に液化するに好適である。燃料タンクTの燃料液面上に開口すると気化ガスの液化が促進されない。
【0039】
又、燃料ポンプPのポンプ部として外周に多数の半径方向羽根溝を有する円盤状のインペラを用いたウエスコポンプにおいて、インペラを収納する流路内において発生するベイパーを排出するベイパー排出口をリターン燃料室3内に開口すればよい。
【0040】
又、プレッシャーレギュレターRは、リターン燃料室3内に直接的に配置し、リターン通路6Cを第2開口3Eを介することなく、直接リターン燃料室3内へ排出させてもよい。
【0041】
図2には、本発明の第2実施例が示される。
本実施例は、第1の実施例と主にプレッシャーレギュレターRの配置が異なる。プレッシャーレギュレターRは燃料分配管Dの左側端面に配置され、弁座6Eは通路24を介して燃料分配路66内へ連絡される。
又、燃料室9内に開口する燃料リターン通路25は、リターン連通路26を介してリターン燃料室3内へ連通される。
又、燃料ポンプPの吐出路65は、燃料吐出路27を介して燃料分配路66に連絡される。
以上によると、燃料吐出路27、燃料分配路66及びプレッシャーレギュレターRの燃料室9内において発生した気泡は、それら通路、室内に滞留することなく、即座にリターン燃料室3内に流入し、さらにこの気泡は、燃料リターン通路21、第2流路14を介して燃料タンクT内へ排出される。
すなわち、仮に気泡が発生した際における気泡の排出性を向上できたものである。
【0042】
【発明の効果】
以上の如く、本発明になる二輪車用燃料噴射装置によると、燃料筐体は、燃料タンクと接続された燃料室と燃料タンクに接続されたリターン燃料室とに区分され、リターン燃料室内に配置された燃料ポンプの吸入路が燃料室内に配置された燃料フィルターによって異物が除去された燃料室内の燃料を吸入し、次いで燃料ポンプによって昇圧された燃料をプレッシャーレギュレターを介して燃料分配管に供給し、一方、プレッシャーレギュレターのリターン燃料をリターン燃料室を介して燃料タンク内へ還流させたので、燃料ポンプは比較的に温度上昇の少ない燃料タンク内の燃料を燃料室を介して常に吸入して吐出することができ、これによって機関のアイドリング運転性及び熱間再始動性を大きく向上することができたものである。
【0043】
又、燃料流入路及び燃料リターン通路に該流路を同期的に開閉する開閉弁を設けたことによると、機関の停止時において、開閉弁にて両通路を閉塞すると燃料タンク内の燃料が両通路を介して燃料分配管に向けて漏洩することを防止できたものである。
【0044】
前記プレッシャーレギュレターは、リターン燃料室内又はリターン燃料室に臨む燃料筐体に配置され、プレッシャーレギュレターのリターン通路を直接的にリターン燃料室内に開口したことによると、接続配管が不要となり、部品点数、接続工数の削減を図ることができるとともに外観形状をコンパクトにまとめることができ、特に収納空間が限定される二輪車にとって効果的である。
【0045】
又、燃料室内に燃料フィルターを配置し、燃料フィルターにて濾過された燃料室内の燃料を吸入路を介してポンプ部に吸入したことによると、燃料フィルターを予め燃料室内に組付けることができ作業性の向上を図ることができるとともに燃料ポンプには燃料タンク内の新気な燃料であって且つ異物の除去された清浄な燃料を供給できる。
【0046】
又、プレッシャーレギュレターは、燃料分配管に配置され、該プレッシャーレギュレターの燃料リターン通路を、リターン燃料室へリターン連通路をもって接続したことによると、燃料分配管あるいは燃料吐出路において仮に気泡が発生した際、リターン連通路を介してリターン燃料室内へ確実に気泡を排出できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明になる二輪車用燃料噴射装置の要部縦断面図を含む系統図。
【図2】本発明になる二輪車用燃料噴射装置の他の実施例を示す要部縦断面図を含む系統図。
【図3】従来の二輪車用燃料噴射装置の要部縦断面図を含む系統図。
【符号の説明】
1 燃料筐体
2 燃料室
3 リターン燃料室
20 燃料流入路
21 燃料リターン通路
22 燃料吐出路
62 ポンプ部
63 モータ部
64 吸入路
65 吐出路
T 燃料タンク
P 燃料ポンプ
R プレッシャーレギュレター
D 燃料分配管
F 燃料フィルター
【産業上の利用分野】
本発明は、二輪車に搭載される機関に向けて、燃料ポンプにて昇圧された燃料を燃料噴射弁を介して噴射供給する二輪車用の燃料噴射装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の二輪車用燃料噴射装置について図3により説明する。
Tは、内部に燃料が貯溜される燃料タンクであり、該燃料タンクの重力方向における下方位置に燃料ポンプ室60が配置される。
この燃料ポンプ室60は密閉状をなすとともに燃料ポンプ室60は燃料流入路61を介して燃料タンクTと接続され、さらに燃料ポンプ室60は燃料リターン通路76を介して燃料タンクTと接続される。
一方、燃料ポンプ室60内には、ポンプ部62と、ポンプ部62を回転駆動する為のモータ部63とにより構成される燃料ポンプPが収納配置される。
この燃料ポンプPは例えば特公平3−61038号公報に示されるものが用いられる。
この燃料ポンプ室60は燃料ポンプPの外周と比較的小なる間隙が形成される程度の小容量をなす形状を有する。これは二輪車において、燃料タンクTの下方空間は小空間であって且つ燃料供給系装置あるいは吸気系装置が配置されるからである。
そして、前記燃料ポンプPの吸入路64は直接的に燃料ポンプ室60内に開口し、吐出路65は燃料ポンプ室60内に開口することなく、直接的に燃料ポンプ室60外へと開口する。
Dは、機関に連なる吸気管の近傍に配置される燃料分配管であり、該燃料分配管の燃料分配路66内に供給される燃料は、燃料噴射弁Jを介して吸気管内へ噴射供給される。
尚、機関、吸気管は、図示されない。
Rは、燃料圧力を所定の一定圧力に調圧するプレッシャーレギュレターであり、以下の構成よりなる。
筐体67は、ダイヤフラム68によって燃料室69とスプリング室70とに区分され、燃料室69には、流入路71とリターン通路72とが開口する。
一方、スプリング室70内にはスプリング73が縮設され、ダイヤフラム68は前記スプリング73によって燃料室69側に付勢される。
又、ダイヤフラム68には、リターン通路72の燃料室69内への開口端を開閉する弁体74が一体的に配置されるもので、燃料室69内の圧力が一定圧力以下(大気圧に近い圧力状態)において、弁体74はスプリング73によって押圧されてリターン通路72を閉塞保持する。
そして、前記流入路71は燃料分配管Dの燃料分配路66に接続され、リターン通路72は、リターン連通路75にて燃料ポンプ室60に連絡される。
又、前記燃料ポンプPの吐出路65と燃料分配管Dの燃料分配路66とは燃料吐出路76によって連絡される。
【0003】
かかる従来の二輪車用燃料噴射装置において、燃料タンクT内の燃料は、燃料流入路61を介して燃料ポンプ室60内に流入し、燃料ポンプ室60内を燃料によって充満する。
ここで機関の運転に際し、燃料ポンプPのモータ部63に通電されてモータ部63が回転すると、ポンプ部62は燃料ポンプ室60内に貯溜された燃料を、吸入路64を介してその内部に吸入して昇圧し、この昇圧された燃料が吐出路65、燃料吐出路76を介して燃料分配管Dの燃料分配路66内へ供給される。
一方、燃料噴射弁Jは、図示せぬECUからの駆動信号によってその開弁時間が制御されるもので、燃料分配路66内の昇圧された燃料は燃料噴射弁Jの開弁時間内において吸気管に向けて燃料を噴射供給する。
【0004】
前記において、燃料分配管D内の燃料分配路66における燃料圧力は一定圧力に制御される必要があり、この燃料圧力の調圧作用をプレッシャーレギュレターRがなす。
すなわち、燃料分配路66内の燃料は、流入路71を介してプレッシャーレギュレターRの燃料室69内に導入されるもので、燃料分配路66内の燃料圧力が一定圧力を超えて上昇すると、ダイヤフラム68はスプリング73のバネ力に抗して図3において左動し、弁体74がリターン通路72を開放する。
以上によると、燃料室69内の燃料は、燃料リターン通路72、リターン連通路75を介して燃料ポンプ室60内へ排出されるもので、これによって燃料分配路66内の上昇した燃料圧力を低下できて、一定燃料圧力に制御することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
かかる従来の二輪車用燃料噴射装置によると、低速運転状態、例えば機関のアイドリング運転を比較的長時間行なった場合、あるいは機関の停止後において、短時間経過した後に再び機関を始動させる熱間再始動時において不具合を生ずる。
すなわち、前者にあっては、機関の回転が不安定となり、最悪時において機関が停止に至る恐れがある。
又、後者にあっては、始動操作回数が増加傾向となり最悪時において、再始動が不能状態におちいる恐れがある。
【0006】
機関のアイドリング運転時について鑑案すると、機関に向けて噴射されて消費される燃料量が小流量であることより、燃料ポンプPより吐出される燃料の大部分は、燃料吐出路76−燃料分配路66−プレッシャーレギュレターR−燃料ポンプ室60−燃料ポンプPの吸入路64を常時循環して流れるものであり、燃料タンクT内の新気な燃料が、燃料流入路61を介して燃料ポンプ室60内へ導入されにくい。(いいかえると燃料ポンプ室60内がリターン燃料で常時満たされる。)
そして、前記循環を繰り返す燃料は、燃料ポンプ室60内において、燃料ポンプPのモータ部63の発熱を吸収し、燃料温度が徐々に上昇するもので、この燃料温度の上昇は、機関のアイドリング運転時間の経過とともに大きく上昇する。
以上によると、燃料ポンプPのポンプ部62、燃料ポンプ室60、燃料吐出路76、燃料分配路66内における燃料の気化が促進されて気泡が発生し、この気泡によって定められた燃料を安定して機関に供給することができないことに起因する。
【0007】
又、機関が停止されて後の一定時間経過後において、燃料ポンプ室60内の燃料はモータ部63が高熱されることによって加熱され、燃料温度が大きく上昇した状態にある。
そして、かかる状態において熱間再始動が行なわれると、燃料ポンプPは、吸入路64を介して燃料ポンプ室60内の高温度状態にある燃料を吸入し、吐出路65、燃料吐出路76を介して燃料分配路66に供給する。
以上によると、前記と同様に気泡が発生し、所望の燃料を機関に向けて供給することができないことに起因する。
【0008】
本発明は、上記不具合に鑑み成されたもので、長い時間に渡って良好な機関のアイドリング運転を可能にすること。及び熱間再始動性を向上すること。のできる二輪車用燃料噴射装置を提供することを主目的とする。
【0009】
本発明になる二輪車用燃料噴射装置は、前記目的達成の為、二輪車に搭載される燃料タンクの下方位置に燃料ポンプが配置され、燃料ポンプにて昇圧された燃料が、燃料分配管に装着された燃料噴射弁を介して機関へ噴射供給される二輪車用燃料噴射装置において、
燃料タンクの下方位置に、燃料室とリターン燃料室とに区分される燃料筐体を配置し、前記燃料室と燃料タンクとを燃料流入路にて連絡するとともにリターン燃料室と燃料タンクとを燃料リターン通路にて連絡し、
前記リターン燃料室内にポンプ部とモータ部とにより形成される燃料ポンプを配置し、
前記燃料ポンプの吸入路を燃料室内に開口するとともに燃料ポンプの吐出路を燃料吐出路を介して燃料分配管に連絡し、前記燃料吐出路を含む燃料分配管に配置され、
燃料ポンプより吐出される燃料圧力を一定圧力に調圧するプレッシャーレギュレターのリターン通路を、リターン燃料室に連絡したことを第1の特徴とする。
【0010】
又、本発明は、前記第1の特徴に加え、前記燃料流入路及び燃料リターン通路に両通路を同期的に開閉する開閉弁を配置したことを第2の特徴とする。
【0011】
又、本発明は、前記第1の特徴に加え、前記プレッシャーレギュレターは、リターン燃料室内又はリターン燃料室に臨む燃料筐体に配置され、プレッシャーレギュレターのリターン通路を直接的にリターン燃料室内に開口したことを第3の特徴とする。
【0012】
又、本発明は、前記第1の特徴に加え、前記燃料室内に燃料フィルターを配置し、燃料フィルターにて濾過された燃料室内の燃料を吸入路を介してポンプ部に吸入したことを第4の特徴とする。
【0013】
更に本発明は、前記第1の特徴に加え、前記プレッシャーレギュレターは、燃料分配管に配置され、該プレッシャーレギュレターの燃料リターン通路を、リターン燃料室へリターン連通路をもって接続したことを第5の特徴とする。
【0014】
【作用】
第1の特徴によると、燃料ポンプは、燃料タンクと直結され、新気な燃料が供給される燃料室内の低い温度状態にある燃料を吸入して吐出できるので、燃料ポンプ及び燃料供給系内において、燃料の気化が抑止されて気泡の発生を低減できる。
従って、燃料噴射弁より安定した燃料の供給が可能となり、長時間に渡るアイドリング運転及び熱間再始動性の向上を達成できる。
【0015】
第2の特徴によると、二輪車を長期間に渡って使用しない状態において、開閉弁にて燃料流入路、燃料リターン通路を同期的に閉塞することができるので、特に燃料タンク内の燃料が燃料噴射弁を介して機関へ漏洩することがない。
【0016】
第3の特徴によると、プレッシャーレギュレターのリターン通路がリターン燃料室内に直接的に開口されるので、高圧燃料配管系の外部露出を減少でき、これによって燃料配管の自由度、外観性、を高めることができる。
【0017】
第4の特徴によると、燃料ポンプの吸入路は燃料室内に開口され、燃料フィルターによって濾過された清浄なる燃料室内の燃料のみを吸入するので、燃料ポンプ内及び燃料吐出路を含む燃料分配管内に異物が排出されることがない。
従って、燃料ポンプの耐久性の向上、プレッシャーレギュレターの弁体の閉塞性の向上、燃料噴射弁の燃料制御性の向上、を達成できる。
【0018】
第5の特徴によると、仮に燃料吐出路、燃料分配路内に気泡が存在した際において、リターン連通路を介して確実に気泡を燃料ポンプ室内へ排出でき、燃料噴射弁より噴出される燃料量をより一層正確に制御できる。
【0019】
【実施例】
以下、本発明になる二輪車用燃料噴射装置の一実施例について図1により説明する。
尚、図3と同一構造部分については同一符号を使用し、説明を省略する。
燃料タンクT、燃料ポンプP、燃料噴射弁Jを備えた燃料分配管Dは同一構造をなす。
1は、燃料筐体であって、その内部は、燃料室2とリターン燃料室3とに区分される。具体的に説明すれば、リターン燃料室3は、図1において右方に底部3Aを有し、左方に開口3Bを備えた有底筒状をなす。
燃料室2は、図1において右方に底部2Aを有し、左方に開口2Bを備えた有底筒状をなす。
そして、リターン燃料室3の開口3B上に燃料室2の底部2Aを当接配置して締結することによって密閉状のリターン燃料室3が形成され、また燃料室2の開口2B上に閉塞カバー4を当接配置して締結することによって密閉状の燃料室2が形成される。
【0020】
そして、リターン燃料室3内には燃料ポンプPが配置されるもので、このとき燃料ポンプPの吸入路64は、リターン燃料室3内に開口するものでなく直接的に燃料室2内に開口し、一方吐出路65はリターン燃料室3外へ開口する。この燃料ポンプPの外周と、リターン燃料室3の内周との間には空間S(環状空間)が形成される。
具体的には、吸入路64は、燃料室2の底部2Aに設けた支持孔2Cに液密的に支持されて燃料室2内に向かって開口し、吐出路65は、リターン燃料室3の底部3Aに設けた支持孔3Cに液密的に支持されてリターン燃料室3外に向かって開口する。
尚、5は、前記液密作用をなす弾性材料よりなるパッキンであり、例えば角リング、Oリングが用いられる。
又、3Dはリターン燃料室3内に向かって開口する第1開口である。
【0021】
燃料室2内には燃料フィルターFが配置される。
具体的には、燃料フィルターFは上底部F1と、下底部F2と、上底部F1と下底部F2とを接続する円筒状のストレーナ部F3と、によって形成され、上底部F1に設けた開口F4が、閉塞カバー4に設けた流入開口突部4Aに嵌入される。(流入開口突部4Aの内方には流路4Bが形成される。)従って、流入開口突部4Aの流路4B内を流れる燃料は、開口F4を介してストレーナ部F3の内方へ流入し、ストレーナ部F3にて異物が除去された清浄な燃料がストレーナ部F3を介して燃料室2内へ流入する。
【0022】
Rはプレッシャーレギュレターであって以下により形成される。
筐体6は図1において左方に底部6Aを有し、右方が開口6Bを有する有底筒状をなし、開口6B上にダイヤフラム7とカバー8が配置され、ダイヤフラム7の一側と筐体6とによって燃料室9が形成され、ダイヤフラム7の他側とカバー8とによってスプリング室10が形成される。
又、底部6Aには弁座6Eを備えたリターン通路6Cと吐出路支持孔6Dとが開口して形成され、側壁に吐出孔6Fが開口して形成される。
11は、ダイヤフラム7と一体的に形成された弁体であり、弁座6Eはこの弁体11によって開閉制御される。
又、12はスプリング室10内に縮設されたスプリングであって、弁体11を含むダイヤフラム7はこのスプリング12のバネ力によって燃料室9側に付勢される。
【0023】
Vは燃料タンクTの底面に装着される開閉弁であり、開閉弁Vは、第1流路13と第2流路14、及び両流路を同期的に開閉するスプール弁15を備える。
第1流路13及び第2流路14の上方は燃料タンクT内に開口し、下方は燃料タンクT外へ開口する。
スプール弁15は、両流路13,14を同期的に開閉するもので、図1の状態は共に閉状態にあり、この状態よりスプール弁15を右方へ引くことにより両流路を同時に開放できる。
【0024】
そして、前記各構成は、以下のように配置、接続される。
燃料室2とリターン燃料室3とを備えた燃料筐体1は燃料タンクTの重力方向における下方位置に配置され、燃料室2に開口する流路4Bと第1流路13とが燃料流入路20で接続される。
又、リターン燃料室3に開口する第1開口3Dと第2流路14とは燃料リターン通路21で接続される。
【0025】
プレッシャーレギュレターRの筐体6の底部6Aは、リターン燃料室3の底部3A上に配置される。
このとき、燃料ポンプPの吐出路65は、吐出孔支持孔6Dに嵌入支持され、吐出路65は燃料室9内へ開口する。
一方、リターン通路6Cはリターン燃料室3の底部3Aに穿設した第2開口3Eに臨んで開口配置され、これによってリターン通路6Cはリターン燃料室3内に開口する。
【0026】
又、プレッシャーレギュレターRの吐出孔6Eは、燃料吐出路22を介して燃料分配管Dの燃料分配路66と接続される。
【0027】
次にその作用について説明する。
機関の運転時において、開閉弁Vは図1において右方へ移動され、スプール弁15は第1流路13、第2流路14を開放保持する。
これによると、燃料タンクT内の燃料は、第1流路13、燃料流入路20、流路4Bを介して燃料室2内の燃料フィルターFへ供給され、燃料フィルターFによって異物が除去された清浄なる燃料のみが燃料室2内へ供給される。
一方、第2流路14がスプール弁15にて開放されたことによると、リターン燃料室3内にもまた燃料リターン通路21を介して燃料タンクT内の燃料が流入することになる。
【0028】
そして、機関が運転されることによって燃料ポンプPが駆動されると、以下の燃料供給が行なわれる。
モータ部63の回転がポンプ部62に伝達されてポンプ部62が回転すると、燃料室2内の清浄な燃料は吸入路64を介してポンプ部62に吸入され、ポンプ部62にて昇圧(例えば270kPa)された燃料は、吐出路65よりプレッシャーレギュレターRの燃料室9内へ吐出され、さらにこの燃料は吐出孔6E、燃料吐出路22を介して燃料分配管Dの燃料分配路66内へ供給される。
そして、燃料噴射弁Jが図示せぬECUからの駆動信号を受けて開弁すると、その開弁時間に応じた燃料が燃料噴射弁Jより図示せぬ吸気管内に向けて噴射供給される。
【0029】
すなわち、燃料タンクT内の燃料は、以下の燃料供給系路を通って燃料噴射弁Jに供給される。
燃料タンクT−第1流路13−燃料流入路20−燃料フィルターF−燃料室2−吸入路64−ポンプ部62−吐出路65−プレッシャーレギュレターRの燃料室9−燃料吐出路22−燃料分配管Dの燃料分配路66−燃料噴射弁Jの供給系路をたどる。
【0030】
一方、燃料ポンプPの吐出路65からプレッシャーレギュレターRの燃料室9内へ吐出される燃料圧力が所定の一定圧力を超えて上昇(300kPa)すると、燃料室9に臨むダイヤフラム7はこの上昇した圧力を受け、スプリング12のバネ力に抗して右動し、弁体11は弁座6Eを開放する。
以上によると、燃料室9内の上昇した燃料圧力を有する燃料は弁座6E、リターン通路6C、第2開口3Eを介してリターン燃料室3内へ流入するもので、これによって上昇した燃料圧力を再び所定の圧力に制御でき、燃料分配路66に向けて所定の燃料圧力を有する燃料の供給を行なうことができる。
そして、リターン燃料室3内へ流入した燃料は、燃料リターン通路21、第2流路14を介して燃料タンクT内へと還流される。
【0031】
以上述べた本発明の二輪車用燃料噴射装置によると、第1には、長い時間に渡って機関のアイドリング運転を連続的に行なった際においても、機関の回転数が変動したり、機関が停止したりすることがなく、安定した機関のアイドリング運転を継続して行なうことができる。
すなわち、プレッシャーレギュレターRのリターン通路6Cからリターン燃料室3内に流入したリターン燃料は、リターン燃料室3内を通過する際、発熱したモータ部63の熱を吸収し、その燃料温度は上昇し、温度上昇した燃料が燃料リターン通路21、第2流路14を介して燃料タンクT内へと排出される。
ここで、リターン燃料室3の有効室容積(リターン燃料室3の室容積から燃料ポンプPの容積を引いた容積であって、環状の空間Sの室容積に相当する。)と燃料タンクTとの室容積とを比較すると、燃料タンクTの室容積は空間Sの室容積に比較して相当大なる容積を有する。
従って、リターン燃料が流入する燃料タンクT内の燃料温度は上昇するもののその温度上昇特性(時間経過に対する燃料タンクT内の燃料温度上昇)は極めて緩やかに維持される。
【0032】
そして、燃料ポンプPの吸入路64は、燃料タンクT内の燃料のみが流入する燃料室2内に開口し、燃料タンクT内の温度上昇の少ない燃料を吸入して吐出するものである。
【0033】
以上によると、プレッシャーレギュレターR、燃料吐出路22、燃料分配路66内における燃料の気化が抑制されて気泡の発生を大きく低減できたものである。
従って、長い時間に渡って連続してアイドリング運転が行なわれても、所望の燃料を安定して且つ確実に機関に供給することができ、もってアイドリング運転を良好に行なうことができたものである。
【0034】
又、第2には、機関の熱間再始動を確実に行なうことができる。
すなわち、機関の停止後において、モータ部63は依然として熱を放出しつづけるもので、リターン燃料室3内にあるリターン燃料はこのモータ部63の熱によって温度上昇する。
一方、燃料室2内の燃料は、燃料タンクTと燃料流入路20を介して直接的に接続されるもので燃料室2内には比較的に温度上昇の少ない燃料タンクT内の燃料が供給される。
従って、かかる状態において、機関を再び始動させる熱間再始動運転を行なった際において、燃料ポンプPは温度上昇の少ない燃料をプレッシャーレギュレターR、燃料吐出路22、燃料分配路66を介して燃料噴射弁に供給できるもので、気泡の影響を受けることなく所望の始動用燃料を機関に供給できる良好な熱間再始動性を得ることができる。
尚、機関停止時において、燃料室2内の燃料は隣接するリターン燃料室3内の温度上昇した燃料温度の影響を受けて、その燃料温度は上昇傾向となるが、始動の初期段階においてこの燃料は早期に消費され、即座に燃料タンクT内の新気な燃料が供給されるので熱間再始動性を阻害するには至らない。
【0035】
又、燃料流入路20に連なる第1流路13及び燃料リターン通路21に連なる第2流路14には、両通路を同期的に開閉する開閉弁Vが配置されたので、二輪車を長期間に渡って放置する場合等において、第1流路13、第2流路14はスプール弁15によって閉塞保持される。
以上によると、燃料タンクT内の燃料が、燃料流入路20−燃料室2−燃料ポンプP−プレッシャーレギュレターR−燃料吐出路22−燃料分配路66に向かって漏洩することがない。
又、燃料タンクT内の燃料が、燃料リターン通路21−リータン燃料室3−プレッシャーレギュレターR−燃料吐出路22−燃料分配路66に向かって漏洩することがない。
【0036】
又、プレッシャーレギュレターRは筐体6を介して燃料筐体1に当接して配置され、プレッシャーレギュレターRに設けたリターン通路6Cが燃料筐体1の底部3Aに穿設される第2開口3Eを介して直接的にリターン燃料室3内に開口されたことによると、リターン通路6Cとリターン燃料室3とを連絡する通路(第2開口3Eに相当する)を極めて短く形成できるとともに該通路が直接的に外部に露出することがない。
以上によると、部品点数、組付け配管工数の削減ができるとともにその外観形状を単純化できる。
特に、燃料ポンプPを備えたリターン燃料室3の一側方に燃料フィルターFを備えた燃料室2を設け、他側方にプレッシャーレギュレターRを配置すると、その形状を極めてコンパクトに形成できるもので、特に二輪車の如く収納空間の少ないもにあってそのレイアウト上極めて効果的である。
【0037】
又、燃料室2内に燃料フィルターFを配置したことによると、二輪車への搭載前の段階における燃料筐体のサブアッセンブリー状態において、予め燃料フィルターFを装着できるので、燃料フィルターFの装着性を大きく向上できたものである。
又、燃料フィルターFを燃料ポンプの吸入路64が開口する燃料室2内へ配置したことによると、燃料ポンプは燃料フィルターFによって異物が濾過された直後の清浄な燃料を吸入できたもので、極めて清浄な燃料を吸入することができる。
【0038】
尚、燃料リターン通路21の燃料タンクT内への開口位置(いいかえると、第2流路14の開口)を燃料タンクTの下方の燃料液面下とすると、燃料リターン通路21を流れる燃料中に含まれる気化ガスを即座に液化するに好適である。燃料タンクTの燃料液面上に開口すると気化ガスの液化が促進されない。
【0039】
又、燃料ポンプPのポンプ部として外周に多数の半径方向羽根溝を有する円盤状のインペラを用いたウエスコポンプにおいて、インペラを収納する流路内において発生するベイパーを排出するベイパー排出口をリターン燃料室3内に開口すればよい。
【0040】
又、プレッシャーレギュレターRは、リターン燃料室3内に直接的に配置し、リターン通路6Cを第2開口3Eを介することなく、直接リターン燃料室3内へ排出させてもよい。
【0041】
図2には、本発明の第2実施例が示される。
本実施例は、第1の実施例と主にプレッシャーレギュレターRの配置が異なる。プレッシャーレギュレターRは燃料分配管Dの左側端面に配置され、弁座6Eは通路24を介して燃料分配路66内へ連絡される。
又、燃料室9内に開口する燃料リターン通路25は、リターン連通路26を介してリターン燃料室3内へ連通される。
又、燃料ポンプPの吐出路65は、燃料吐出路27を介して燃料分配路66に連絡される。
以上によると、燃料吐出路27、燃料分配路66及びプレッシャーレギュレターRの燃料室9内において発生した気泡は、それら通路、室内に滞留することなく、即座にリターン燃料室3内に流入し、さらにこの気泡は、燃料リターン通路21、第2流路14を介して燃料タンクT内へ排出される。
すなわち、仮に気泡が発生した際における気泡の排出性を向上できたものである。
【0042】
【発明の効果】
以上の如く、本発明になる二輪車用燃料噴射装置によると、燃料筐体は、燃料タンクと接続された燃料室と燃料タンクに接続されたリターン燃料室とに区分され、リターン燃料室内に配置された燃料ポンプの吸入路が燃料室内に配置された燃料フィルターによって異物が除去された燃料室内の燃料を吸入し、次いで燃料ポンプによって昇圧された燃料をプレッシャーレギュレターを介して燃料分配管に供給し、一方、プレッシャーレギュレターのリターン燃料をリターン燃料室を介して燃料タンク内へ還流させたので、燃料ポンプは比較的に温度上昇の少ない燃料タンク内の燃料を燃料室を介して常に吸入して吐出することができ、これによって機関のアイドリング運転性及び熱間再始動性を大きく向上することができたものである。
【0043】
又、燃料流入路及び燃料リターン通路に該流路を同期的に開閉する開閉弁を設けたことによると、機関の停止時において、開閉弁にて両通路を閉塞すると燃料タンク内の燃料が両通路を介して燃料分配管に向けて漏洩することを防止できたものである。
【0044】
前記プレッシャーレギュレターは、リターン燃料室内又はリターン燃料室に臨む燃料筐体に配置され、プレッシャーレギュレターのリターン通路を直接的にリターン燃料室内に開口したことによると、接続配管が不要となり、部品点数、接続工数の削減を図ることができるとともに外観形状をコンパクトにまとめることができ、特に収納空間が限定される二輪車にとって効果的である。
【0045】
又、燃料室内に燃料フィルターを配置し、燃料フィルターにて濾過された燃料室内の燃料を吸入路を介してポンプ部に吸入したことによると、燃料フィルターを予め燃料室内に組付けることができ作業性の向上を図ることができるとともに燃料ポンプには燃料タンク内の新気な燃料であって且つ異物の除去された清浄な燃料を供給できる。
【0046】
又、プレッシャーレギュレターは、燃料分配管に配置され、該プレッシャーレギュレターの燃料リターン通路を、リターン燃料室へリターン連通路をもって接続したことによると、燃料分配管あるいは燃料吐出路において仮に気泡が発生した際、リターン連通路を介してリターン燃料室内へ確実に気泡を排出できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明になる二輪車用燃料噴射装置の要部縦断面図を含む系統図。
【図2】本発明になる二輪車用燃料噴射装置の他の実施例を示す要部縦断面図を含む系統図。
【図3】従来の二輪車用燃料噴射装置の要部縦断面図を含む系統図。
【符号の説明】
1 燃料筐体
2 燃料室
3 リターン燃料室
20 燃料流入路
21 燃料リターン通路
22 燃料吐出路
62 ポンプ部
63 モータ部
64 吸入路
65 吐出路
T 燃料タンク
P 燃料ポンプ
R プレッシャーレギュレター
D 燃料分配管
F 燃料フィルター
Claims (5)
- 二輪車に搭載される燃料タンクの下方位置に燃料ポンプが配置され、燃料ポンプにて昇圧された燃料が、燃料分配管に装着された燃料噴射弁を介して機関へ噴射供給される二輪車用燃料噴射装置において、
燃料タンクTの下方位置に、燃料室2とリターン燃料室3とに区分される燃料筐体1を配置し、前記燃料室と燃料タンクTとを燃料流入路20にて連絡するとともにリターン燃料室3と燃料タンクTとを燃料リターン通路21にて連絡し、
前記リターン燃料室3内にポンプ部62とモータ部63とにより形成される燃料ポンプPを配置し、
前記燃料ポンプの吸入路64を燃料室2内に開口するとともに燃料ポンプPの吐出路65を燃料吐出路22を介して燃料分配管Dに連絡し、前記燃料吐出路を含む燃料分配管Dに配置され、
燃料ポンプPより吐出される燃料圧力を一定圧力に調圧するプレッシャーレギュレターRのリターン通路6Cを、リターン燃料室3に連絡したことを特徴とする二輪車用燃料噴射装置。 - 前記燃料流入路20及び燃料リターン通路21に両通路を同期的に開閉する開閉弁Vを配置したことを特徴とする請求項1記載の二輪車用燃料噴射装置。
- 前記プレッシャーレギュレターは、リターン燃料室3内又はリターン燃料室3に臨む燃料筐体1に配置され、プレッシャーレギュレターRのリターン通路6Cを直接的にリターン燃料室3内に開口したことを特徴とする請求項1記載の二輪車用燃料噴射装置。
- 前記燃料室内に燃料フィルターFを配置し、燃料フィルターFにて濾過された燃料室2内の燃料を吸入路64を介してポンプ部62に吸入したことを特徴とする請求項1記載の二輪車用燃料噴射装置。
- 前記プレッシャーレギュレターは、燃料分配管Dに配置され、該プレッシャーレギュレターの燃料リターン通路25を、リターン燃料室3へリターン連通路26をもって接続したことを特徴とする請求項1記載の二輪車用燃料噴射装置。
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