JP3787667B2 - 組立式焼却炉 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、学校や病院などに設置される比較的小型の組立式焼却炉に関する。
【0002】
【従来の技術】
組立式焼却炉は大量生産が可能であり安価に提供でき、従来から既に種々の構成のものが提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
組立式焼却炉の炉本体は通常耐火パネルから組み立てられているが、従来構造のものは輸送運搬時に受ける振動や衝撃に充分に耐え得るだけの組立強度を有していなかったり或いは組み立て設置後にパネルの継ぎ目にセメントモルタルやパテ状のシール材を充填するなどの後処理を必要とするために、どうしても施工現場での組立となり施工現場への組立作業員の派遣を必要とし人件費がかかり、設置のトータルコストが高く付くという問題点があった。
【0004】
本発明は、このような従来の問題点を一掃することを目的としてなされたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、耐火材からなる平面直角4辺形状の本体部と該本体部の各辺から外方へ張り出された金属フランジ部とを備えた耐火底面パネル、
上記底面パネル上に該パネルの本体部の各辺に沿うように縦向きに個別に設置が可能であって、この設置状態に於いて内面の左右側辺同士が衝合しこの衝合部の外側に外方に開いたコーナー空間が形成される前後左右の耐火側面パネル、
前後左右の側面パネルを上記設置状態に於いてコーナー空間の部分で、予め側面パネルの左右側面の部分に埋設固定されているナットを利用しボルトの適用のもとに、コーナー空間に仕切を入れるような形態で接続する仕切部付き接続金具、
上記コーナー空間内に、上記衝合部の上下全長に亘って沿うように配置される繊維質耐火シール材、
上記シール材と接続金具の仕切部との間に於いて、上記コーナー空間の全長に亘り挿入されるシール押え、
上記接続金具の仕切部に備えられていて、上記シール押えをシール材に対し押し付け固定するための押し付け固定部材、
前後左右の側面パネル上に、前後左右の端縁同士が略一致し且つ上記コーナー空間の上端を閉鎖するような状態で設置される耐火天井パネル、及び
断面L型であって下端から外方へ張り出された取り付け板部に於いて、底面パネルのフランジ部のコーナー部に取り付け金具の適用により取り付け固定され、この取り付け固定状態に於いて、コーナー空間の外側を閉塞すると共に上端のL型2辺から内方に向け張り出された押え板部に於いて天井パネルを上側から側面パネルに対し押え付ける固定柱、
とから炉本体が構成されていることを特徴とする組立式焼却炉係る。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の一実施形態を添付図面に基づき説明すると次の通りである。
【0007】
図1に示す分解図から明らかなように、本発明による焼却炉は、炉本体Aを組み立てるための耐火底面パネル1、耐火側面パネル2、耐火天井パネル3及び固定柱4を主構成要素として備え、側面パネル2は前後左右の都合4枚が、また固定柱4は各コーナーごとに都合4本がそれぞれ用いられる。
【0008】
更に、図1に示す主構成要素に加え、図2に示すような、側面パネル同士の接続に適用される接続金具5、側面パネル同士の接続部のシールに適用される繊維質耐火シール材6及びその押え7が用いられる。
【0009】
底面パネル1は、炉本体Aの底壁を構成するためのものであり、不定形耐火材から比較的厚肉に成形された直角四辺形状の本体部1aと該本体部1aの周囲を取り囲むように固設された金属製の補強枠1bとから構成され、該補強枠1bは少なくとも上端にフランジ部8を備え、該フランジ部8の各コーナ部には例えばコーナとその両側近傍の都合3箇所にボルトの挿通孔9が形成されている。
【0010】
補強枠1bに予め鉄筋(図示せず)を溶接しておき、該鉄筋を本体部1aの成形時にその内部に埋設するようにしてもよい。
【0011】
側面パネル2は炉本体Aの側壁を構成するためのものであり、底面パネル1と同様に不定形耐火物から比較的厚肉に形成され、その外表面並びに少なくとも周側部の外表面側寄りの部分は金属外皮10により覆われ、該外皮10の端末部は図8に示すように本体部と面一になっている。
【0012】
前後左右の4枚の耐火側面パネル2は、図3に概略的に示すように、底面パネル1の本体部1aの各辺に沿って配置され、この配置状態に於いて、各パネル2の内面の左右両側辺同士が衝合し、衝合部11の外側にそれぞれコーナー空間12が形成され、該コーナー空間12は外方に向かって直角に開いている。
【0013】
側面パネル2には、図3に示す配置状態に於いて、該パネル2、2同士を接続金具5と取り付けボルト13を適用して各コーナ空間12の部分に於いて接続するために、左右側面の少なくとも上下2箇所にナット14が埋設固定されている。該ナット14は、図1に概略的に示すように、予め上記外皮10の側面部10aの内側に溶接手段の適用により固着され、この固着状態に於いて外部に開口している。
【0014】
図示の実施形態では、上記ナット14を上下2箇所と中間の2箇所との都合4箇所に設けた場合が示されているが、設置個数は特に制限されない。
【0015】
図示の実施形態のように、ナット14′を側面パネル2の上面にも埋設しておけば、上面側のナット14′を利用してパネル吊り下げ用の金具(図示せず)などを取り付けることができ便利である。
【0016】
側面パネル2の1つに、灰出し口15が形成されている。
【0017】
天井パネル3は炉本体Aの天壁を構成するためのものであり、先の各パネルと同様に不定形耐火材から成形され、該パネル3には被焼却物の投入口16と煙突(図示せず)の取り付け口17とが備えられている。
【0018】
天井パネル3は天面から周側部(投入口16の内周部を含む)を経て裏面の周辺部に至るように金属外皮18により覆われ、該外皮18の端末部は、図8に示すように本体部と面一になっている。
【0019】
固定柱4は柱部4aが断面Lで直角に接続された2枚の板状部4a1、4a1(図7参照)から構成され、下端には該固定柱4を底面パネル1のフランジ部8に対し取り付け固定するための外方突出の取り付け板部19、19が、また上端には天井パネル3を側面パネル上に押え付けるための内方突出の押え板部20がそれぞれ形成されている。
【0020】
接続金具5は側面パネル2、2同士をコーナー空間12の部分で接続するためのものであり、図4、5に示すように、両端部に上記パネル2、2の左右両側面の外端よりの部分に添接される取り付け部5a、5aを、また中間部に上記コーナー空間12を三角状に仕切る仕切部5bを備えている。
【0021】
シール材6は側面パネル2、2の衝合部11から熱風が吹き出すことのないようにシールするためのものであり、セラミックウールなどのような耐火性繊維から例えばロープ状に形成されている。
【0022】
シール押え7は、上記シール材6を外側から衝合部11に向けて押圧するためのものであり、たとえば金属製の細帯部材から構成され、側面パネル2の上下幅とほぼ同じ長さを有している。
【0023】
接続部材5の仕切部5bの中間部に押し付け固定部材22が備えられる。図2に示すように上記仕切部5bのねじ穴21に例えば上記固定部材22として締め付けねじ22を螺入することにより、該ねじ22を介し上記押え7をシール材6に対し押し付けることが出来る。押し付け固定部材22としては、図示のねじ方式に代え、プッシュ式のものでもよい。プッシュ式としては、例えば、押し込んだ後に、所定角度回動操作することにより押し込み位置に拘束できるような構成のものが適当である。
【0024】
本発明焼却炉の組立手順が図3乃至図8に示されている。
【0025】
図3は前後左右の側面パネル2…から炉の胴部を組み立てた状況を示し、この胴部の組立は、例えば底面パネル1上で行なわれる。勿論、別の箇所で組み立てを行った後に、底面パネル1上に設置するようにしてもよい。
【0026】
側面パネル2…から炉胴部を組み立てた状態に於いては、側面パネル2、2同士は、左右側辺に於いて衝合し、衝合部11の外側には直角に開いたコーナー空間12が形成され、該コーナー空間12内の上下2箇所に於いて接続金具5と先に述べた埋設ナット14及びボルト13(図4参照)の適用により接続固定されている。
【0027】
次ぎに、図3に示す状態で、接続金具5の仕切部5bにより仕切られたコーナー空間12内に該空間12の全長に亘るようにシール材6とその押え7とを上端から下方に向けて挿入する。この状態が図4に示されている。
【0028】
図4に示す状態で締め付けねじ22を回動操作しシール押え7を介しシール材6を衝合部11に向けて押し付けて行くと、該シール材6は図5に示すように変形しつつ衝合部11の近傍位置に於いて側面パネル2、2の側面に強く圧着し、シールを形成する。
【0029】
コーナー空間12内でシール材6からシールを形成した後は、図6に示すように側面パネル2…から組み立てられた炉胴部上に天井パネル3を設置し、しかる後、図7に示すように各コーナー部に固定柱4を設置し、該固定柱4をそれぞれ下端の取り付け板部19に於いて底面パネル1のフランジ部8にそれぞれボルトナット等のような取り付け金具23を適用して取り付け固定することにより、炉本体Aを組み立てることが出来る。
【0030】
このようにして組み立てられた炉本体Aに於いては、側面パネル2、2の相互はコーナー空間12の部分に於いて接続金具5により接続固定されていると共に、該側面パネル2…から組み立てられた炉胴部並びに天井パネル3は底面パネル1に対し各コーナー部に於いて断面L型にして押さえ板部付きの固定柱4により上下並びに前後左右方向からしっかりと固定されているので、振動や衝撃を受けても殆どがたつきを生ずることが無く、輸送運搬に充分に耐え得るだけの組立強度を有している。
【0031】
更に、組立途中に於いてシール材6、その押え7及び締め付けねじ22を適用してシールが施されているので、組立後にシール等の後処理を一切必要としない。
【0032】
【発明の効果】
本発明組立式焼却炉は、輸送運搬時の振動や衝撃に充分に耐え得るだけの組立強度を有し且つ組立途中の段階で既にシールが施されているので、組立状態のまま施工現場に搬入しそのまま設置すればよい。而して、本発明によれば施工現場への組立作業員の派遣は一切必要でなくなり、人件費を削減でき、焼却炉設置のトータルコストを低減することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態を示す主構成要素の分解図である。
【図2】 同、補助構成要素の分解図である。
【図3】 図1に示す分解状態より炉本体の胴壁を組み立てた状態を示す斜視図である。
【図4】 図3に示す状態で、胴壁のコーナー空間内に該コーナー部のシール手段を設置した状態を示す平面図である。
【図5】 同、シールを形成した状態を示す平面図である。
【図6】 胴壁上に天井パネルを設置した状態を示す斜視図である。
【図7】 底面パネルに対し胴壁及び天井パネルを固定柱により固定した状況を示す斜視図である。
【図8】 図7のコーナー部の拡大縦断面図である。
【符号の説明】
A 炉本体
1 耐火底面パネル
1a 本体部
1b 補強枠
2 耐火側面パネル
3 耐火天井パネル
4 固定柱
4a 柱部
4a1 板状部
5 接続金具
5a 取り付け部
5b 仕切部
6 シール材
7 シール押え
8 フランジ部
9 挿通孔
10 金属外皮
11 衝合部
12 コーナー空間
13 取り付けボルト
14 ナット
15 灰出し口
16 投入口
17 煙突取り付け口
18 金属外皮
19 取り付け板部
20 押え板部
21 ねじ穴
22 締め付けねじ
23 取り付け金具
Claims (2)
- 耐火材からなる平面直角4辺形状の本体部と該本体部の各辺から外方へ張り出された金属フランジ部とを備えた耐火底面パネル、
上記底面パネル上に該パネルの本体部の各辺に沿うように縦向きに個別に設置が可能であって、この設置状態に於いて内面の左右側辺同士が衝合しこの衝合部の外側に外方に開いたコーナー空間が形成される前後左右の耐火側面パネル、
前後左右の側面パネルを上記設置状態に於いてコーナー空間の部分で、予め側面パネルの左右側面の部分に埋設固定されているナットを利用しボルトの適用のもとに、コーナー空間に仕切を入れるような形態で接続する仕切部付き接続金具、
上記コーナー空間内に、上記衝合部の上下全長に亘って沿うように配置される繊維質耐火シール材、
上記シール材と接続金具の仕切部との間に於いて、上記コーナー空間の全長に亘り挿入されるシール押え、
上記接続金具の仕切部に備えられていて、上記シール押えをシール材に対し押し付け固定するためのる押し付け固定部材、
前後左右の側面パネル上に、前後左右の端縁同士が略一致し且つ上記コーナー空間の上端を閉鎖するような状態で設置される耐火天井パネル、及び
断面L型であって下端から外方へ張り出された取り付け板部に於いて、底面パネルのフランジ部のコーナー部に取り付け金具の適用により取り付け固定され、この取り付け固定状態に於いて、コーナー空間の外側を閉塞すると共に上端のL型2辺から内方に向け張り出された押え板部に於いて天井パネルを上側から側面パネルに対し押え付ける固定柱、
とから炉本体が構成されていることを特徴とする組立式焼却炉。 - 側面パネルが、外表面並びに周側部の少なくとも外表面側寄りを覆う金属外皮を備え、該外皮の周側部の内面に上記ナットが外部開口状態に固着されていることを特徴とする請求項1記載の組立式焼却炉。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP14547696A JP3787667B2 (ja) | 1996-06-07 | 1996-06-07 | 組立式焼却炉 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP14547696A JP3787667B2 (ja) | 1996-06-07 | 1996-06-07 | 組立式焼却炉 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH09329310A JPH09329310A (ja) | 1997-12-22 |
JP3787667B2 true JP3787667B2 (ja) | 2006-06-21 |
Family
ID=15386141
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP14547696A Expired - Fee Related JP3787667B2 (ja) | 1996-06-07 | 1996-06-07 | 組立式焼却炉 |
Country Status (1)
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JP (1) | JP3787667B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
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---|---|---|---|---|
JP2018066551A (ja) * | 2016-10-22 | 2018-04-26 | 孝 前島 | 耐熱ブロックセット、及び組み立て焼却炉 |
-
1996
- 1996-06-07 JP JP14547696A patent/JP3787667B2/ja not_active Expired - Fee Related
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---|---|
JPH09329310A (ja) | 1997-12-22 |
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