JP3787274B2 - 作業用手袋 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、作業用手袋に関し、特に、複数の部材を縫合してなる作業用手袋に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、図8に示すように、作業用手袋101は、手の平側と手の甲側の一部を覆う基材102と、手の甲側を覆う中指用甲側部材103、薬指用甲側部材104および小指用甲側部材105を有している。
【0003】
基材102は、手の平と人差指から小指までの各指平を覆い、人差指で折り返されて、人差指の指甲と人差指の下方の手の甲をさらに覆う。中指用甲側部材103は、中指の指甲とその下方の手の甲を覆う。薬指用甲側部材104は、薬指の指甲とその下方の手の甲を覆う、小指用甲側部材105は、小指の指甲とその下方の手の甲を覆う。
【0004】
そして、作業用手袋101は、基材102の一方の側縁部102aと中指用甲側部材103、中指用甲側部材103と薬指用甲側部材104、薬指用甲側部材104と小指用甲側部材105および小指用甲側部材105と基材102の他方の側縁部をそれぞれ縫合し、基材102の指先の周縁部と中指用甲側部材103、薬指用甲側部材104および小指用甲側部材105の指先の周縁部をそれぞれ縫合することにより構成されている。
【0005】
また、基材102には、親指の指平を覆う親指平部材106と親指の指甲を覆う親指甲部材107が縫合され、親指平部材106と親指甲部材107は互いに縫合されて親指袋を形成している。
【0006】
基材102の側縁部102aと中指用甲側部材103の縫合部108、中指用甲側部材103と薬指用甲側部材104の縫合部109および薬指用甲側部材104と小指用甲側部材105の縫合部110は、手の甲に当たって痛くなるのを防ぐために、人差指から小指までの各指股から手の甲部にかけて、作業用手袋101の外側に突出して設けられている。また、小指用甲側部材105と基材102の縫合部(図示せず)は、小指の側方で、作業用手袋101の内側に突出して設けられている。
【0007】
また、従来、図9および図10に示すように、作業用手袋111は、手の平側を覆う基材112と手の甲側を覆う1枚の甲側部材113から構成されることもある。
【0008】
基材112は、手の平と人差指から小指までの各指平を覆い、甲側部材113は、手の甲と人差指から小指までの各指甲を覆っている。そして、作業用手袋111は、基材112の人差指側の側縁部112aと甲側部材113の人差指側の側縁部113aを縫合し、基材112の小指側の側縁部と甲側部材113の小指側の側縁部を縫合することにより構成されている。
【0009】
また、基材112には、親指の指平を覆う親指平部材114と親指の指甲を覆う親指甲部材115が縫合され、親指平部材114と親指甲部材115は互いに縫合され親指袋を形成している。また、人差指から小指までの各指間には、指間に余裕を持たせるために、マチ部材116〜118がそれぞれ縫合されている。
【0010】
基材112の人差指側の側縁部112aと甲側部材113の人差指側の側縁部の縫合部119は、親指と人差指の間で、作業用手袋111の外側に突出して設けられている。また、基材112の小指側の側縁部と甲側部材113の小指側の側縁部の縫合部(図示せず)は、小指の側方で、作業用手袋111の内側に突出して設けられている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、図8に示すような従来の作業用手袋101では、図11に示すように、人差指から小指までの指股120〜122で、基材102の側部102bと甲側部材103〜105の側部103a、104aおよび105aが、それぞれ外側に折り返されて縫合されている。
【0012】
そのため、指股120〜122では、縫合部108〜110が作業用手袋101の外側に突出して設けられているので、作業時に手を握って力を入れると、縫合部108〜110を指股120〜122で挟み込んでしまい、指股120〜122が痛くなるという問題があった。特に、作業用手袋は、手を保護するために、生地が厚い場合や硬い場合が多いが、その場合は、指股での縫合部が大きくなったり硬くなったりするため、縫合部を指股で挟み込む際の指股の痛みが増した。
【0013】
また、図9および図10に示すような従来の作業用手袋111では、基材112と甲側部材113の縫合部119が親指と人差指の間に設けられているため、作業時に手を握って力を入れると、縫合部119を親指と人差指の指股で挟み込んでしまい、指股が痛くなるという問題があった。
【0014】
本発明は、これらの課題を解決するためになされたもので、手を握って力を入れた際に、指股が痛くなることのない作業用手袋を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
課題を解決するため、第1の発明に係る作業用手袋は、手の平側を覆う基材と手の甲側を覆う複数の甲側部材を有し、基材と甲側部材および甲側部材同士を縫合してなる作業用手袋において、作業用手袋の甲側における指股近傍では、基材と甲側部材および甲側部材同士の端部が内側に突出した状態で縫い付けられ、手首側の位置では、甲側部材同士の端部が外側に突出した状態で縫い付けられたことを特徴とする。
【0016】
このように構成することで、人差指から小指までの各指間では、指股近傍の縫合部は手袋の内側に突出して設けられるので、人差指から小指までの各指間で、作業用手袋の外側に突出する縫合部はなくなる。したがって、手を握って力を入れた際に、縫合部を指股で挟み込んでしまい、指股が痛くなるということがなくなる。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明の第1の実施の形態を図面を参照して説明する。図1は作業用手袋を示す背面図であり、図2は作業用手袋を示す正面図である。また、図3は、図1のA−A線断面図である。
【0020】
図1および図2に示すように、作業用手袋1は、基材2、中指用甲側部材3、薬指用甲側部材4および小指用甲側部材5を有する。
【0021】
基材2は、手の平と人差指から小指までの各指平を覆い、人差指で折り返されて、人差指の指甲と人差指の下方の手の甲を覆う。
【0022】
中指用甲側部材3は、中指の指甲と中指の下方の手の甲を覆い、薬指用甲側部材4は、薬指の指甲と薬指の下方の手の甲を覆い、小指用甲側部材5は、小指の指甲と小指の下方の手の甲を覆う。
【0023】
そして、作業用手袋1は、基材2の人差指側の側縁部2aと中指用甲側部材3、中指用甲側部材3と薬指用甲側部材4、薬指用甲側部材4と小指用甲側部材5および小指用甲側部材5と基材2の小指側の側縁部2bをそれぞれ縫合し、基材2の指先の周縁部と中指用甲側部材3、薬指用甲側部材4および小指用甲側部材5の指先の周縁部をそれぞれ縫合することにより構成される。
【0024】
また、基材2には、親指の指平を覆う親指平部材6と親指の指甲を覆う親指甲部材7が縫合され、親指平部材6と親指甲部材7は互いに縫合されて親指袋を形成する。親指平部材6と基材2の縫合部11、親指甲部材7と基材2の縫合部12および親指平部材6と親指甲部材7の縫合部13は、作業用手袋1の外側に突出して設けられる
【0025】
また、親指と人差指の指股には、親指と人差指の間を補強する補強部材14が縫合される。また、基材2、中指用甲側部材3、薬指用甲側部材4、小指用甲側部材5、親指平部材6および親指甲部材7の下端には、手首を覆う手首部材15が縫合される。
【0026】
基材2の側縁部2aと中指用甲側部材3の縫合部8、中指用甲側部材3と薬指用甲側部材4の縫合部9および薬指用甲側部材4と小指用甲側部材5の縫合部10は、手の甲部では、作業用手袋1の外側に突出して設けられ、指股近傍では、作業用手袋1の内側に突出して設けられる。また、基材2の側縁部2bと小指用甲側部材5の縫合部(図示せず)は、小指の側方で、作業用手袋1の内側に突出して設けられる。
【0027】
人差指から小指までの間の指股16〜18では、図3に示すように、基材2の側部2cと中指用甲側部材3の側部3a、中指用甲側部材3の側部3aと薬指用甲側部材4の側部4aおよび薬指用甲側部材4の側部4aと小指用甲側部材5の側部5aがそれぞれ縫合される。
【0028】
指股16〜18について、指股17を例に説明すると、図4(a)に示すように、指股17では、中指用甲側部材3の側部3aと薬指用甲側部材4の側部4aが、作業用手袋1の内側で縫い付けられている。つまり、縫合部9は、指股17で、作業用手袋1の内側に突出して設けられている。
【0029】
また、図4(b)に示すように、図10に示した従来の作業用手袋101の指股121では、中指用甲側部材103の側部103aと薬指用甲側部材104の側部104aをそれぞれ外側に折り返して、作業用手袋101の外側で縫い付けられている。つまり、縫合部109は、作業用手袋101の外側に突出して設けられている。
【0030】
以上のことから、従来の作業用手袋101では、指股121近傍の縫合部109が手袋の外側で縫い付けられているのに対して、本発明の作業用手袋1では、指股17近傍の縫合部9が手袋の内側で縫い付けられているので、手袋の外側に突出する縫合部はなくなる。また、従来の作業用手袋101では、指股121の厚さが作業用手袋の皮4枚分だったのに対して、本発明の作業用手袋1では、指股17の厚さが作業用手袋の皮2枚分となるので、指股17近傍での縫合部9の厚みは、従来の作業用手袋101の指股121近傍での縫合部109の厚みに比べて、薄くなる。
【0031】
したがって、手を握って力を入れた際に、縫合部8〜10を指股16〜18で挟み込んでしまい、指股16〜18が痛くなるということがなくなる。また、指股16〜18の近傍の縫合部8〜10は、手の甲には当たらないので、装着感が悪くなることはない。
【0032】
次に、本発明の参考例を図面を参照して説明する。図5は、作業用手袋を示す背面図であり、図6は作業用手袋を示す正面図である。また、図7は作業用手袋を示す側面図である。
【0033】
図5ないし図7に示すように、作業用手袋21は、手の平側を覆う基材22と、手の甲側を覆う1枚の甲側部材23を有する。
【0034】
基材22は、手の平と人差指から小指までの各指平を覆い、人差指で折り返されて、人差指の指甲と人差指の下方の手の甲を覆う。甲側部材23は、手の甲と中指から小指までの各指甲を覆う。
【0035】
そして、作業用手袋21は、基材22の人差指側の側縁部22aと甲側部材23の人差指側の側縁部23aを縫合し、基材22の小指側の側縁部22bと甲側部材23の小指側の側縁部23bを縫合することにより構成される。
【0036】
また、基材22には、親指の指平を覆う親指平部材24と親指の指甲を覆う親指甲部材25が縫合され、親指平部材24と親指甲部材25は互いに縫合されて親指袋を構成する。親指平部材24と基材22の縫合部28、親指甲部材25と基材22の縫合部29および親指平部材24と親指甲部材25の縫合部30は、作業用手袋21の外側に突出して設けられる。
【0037】
また、人差指から小指までの各指間には、指間に余裕を持たせるために、マチ部材31〜33がそれぞれ縫合される。また、親指と人差指の指股には、親指と人差指の間を補強する補強部材34が縫合される。また、基材22、甲側部材23、親指平部材24および親指甲部材25の下端には、手首を覆う手首部材35が縫合される。
【0038】
基材22の人差指側の側縁部22aと甲側部材23の中指側の側縁部23aの縫合部26は、人差指と中指の間で、作業用手袋21の外側に突出して設けられる。また、基材22の小指側の側縁部22bと甲側部材23の小指側の側縁部23bの縫合部(図示せず)は、小指の側方で、作業用手袋21の内側に突出して設けられる。
【0039】
以上のことから、作業用手袋21では、親指と人差指の指股には縫合部はなくなるので、手を握って力を入れた際に、縫合部を親指と人差指の指股で挟み込んでしまい、指股が痛くなるということがなくなる。また、縫合部26は、人差指と中指の間で、作業用手袋21の外側に突出して設けられるので、作業用手袋21を装着した際に邪魔にならない。
【0040】
なお、ここでは、縫合部26は人差指と中指の間に設けたが、縫合部26が設けられる場所は、人差指から小指まで指間ならどこに設けてもかまわない。例えば、縫合部26を中指と薬指の間や薬指と小指の間に設けることもできる。
【0041】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、人差指から小指までの各指間では、指股近傍の縫合部は手袋の内側に突出して設けられるので、人差指から小指までの各指間で、作業用手袋の外側に突出する縫合部はなくなる。したがって、手を握って力を入れた際に、縫合部を指股で挟み込んでしまい、指股が痛くなるということがなくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の作業用手袋の第1の実施の形態を示す背面図である。
【図2】 本発明の作業用手袋の第1の実施の形態を示す正面図である。
【図3】 図1のA−A線断面図である。
【図4】 (a)は図3のB−B線断面図であり、(b)は図11のD−D線断面図である。
【図5】 本発明の作業用手袋の参考例を示す背面図である。
【図6】 本発明の作業用手袋の参考例を示す正面図である。
【図7】 本発明の作業用手袋の参考例を示す側面図である。
【図8】 従来の作業用手袋を示す背面図である。
【図9】 従来の他の作業用手袋を示す背面図である。
【図10】 従来の他の作業用手袋を示す側面図である。
【図11】 図8のC−C線断面図である。
【符号の説明】
1 作業用手袋
2 基材
2a 側縁部
2b 側縁部
3 中指用甲側部材
4 薬指用甲側部材
5 小指用甲側部材
8 縫合部
9 縫合部
10 縫合部

Claims (1)

  1. 手の平側を覆う基材と手の甲側を覆う複数の甲側部材を有し、前記基材と前記甲側部材および前記甲側部材同士を縫合してなる作業用手袋において、
    前記作業用手袋の甲側における指股近傍では、前記基材と前記甲側部材および前記甲側部材同士の端部が内側に突出した状態で縫い付けられ、手首側の位置では、前記甲側部材同士の端部が外側に突出した状態で縫い付けられたことを特徴とする作業用手袋。
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