JP3015288U - 手 袋 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 作業、スポーツ、レジャー等の分野にて、物
を握る動作や指先を良く使用する動作を伴う手袋に関
し、手指の曲げ動作に対しても柔軟に追従する優れた作
業性を備えるとともに、耐久性の高い手袋を提供するこ
とを目的とする。 【構成】 手指部分１の先端部２より、該先端部２に最
も近い関節位置３までの掌側の領域Ｆに補強材４Ａを積
層した構成とし、さらに掌側の手指付け根より手首側の
領域Ｐに上記補強材４Ａとは別体の補強材４Ｂを積層し
てもよい。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は手袋に関し、特に、作業、スポーツ、レジャー等の分野にて、物を握 る動作や指先を良く使用する動作を伴う手袋に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

作業、スポーツ、レジャー等、比較的過酷な環境の下で使用される作業手袋は 、主に掌側が一番早く損傷するところから、耐久性を付与するために従来から種 々の形状の補強材を掌側に積層した製品が提供されている。

【０００３】 上記補強材は、掌から指の付け根にかけての領域、さらに該領域に連続するよ うにして手指の第１或いは第２関節までの領域をカバーする形状に裁断され、縫 着、接着、溶着等の手法によって下地となる手袋本体の表面、あるいは内面に積 層されるようにしている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、上記補強材が積層された手袋の使用態様や装用者の個人差によ っては手指の先端部より該先端部に最も近い関節位置までの部分に荷重が集中し 、該指先部分が摩耗して孔があくことがある。

【０００５】 そこで、手袋の掌側全体に上記補強材を積層する構成も考えられ、事実そのよ うな構成の手袋も提供されてはいるが、その場合手指の曲げ動作を行い難く、細 かな作業を行いづらく、すぐに手が疲れるという欠点がある。

【０００６】 本考案は上記の事情に鑑みてなされたものであって、手指の曲げ動作に対して も柔軟に追従する優れた作業性を備えるとともに、耐久性の高い手袋を提供する ことを目的とするものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

上記の目的を達成するために本考案は以下の手段を採用する。 すなわち、図１に示すように、手指部分１の先端部２より、該先端部２に最も 近い関節位置３までの掌側の領域Ｆに補強材４Ａを積層した手袋である。

【０００８】 また、図３に示すように、掌側の手指付け根より手首側の領域Ｐに上記補強材 ４Ａとは別体の補強材４Ｂを積層する構成としてもよい。

【０００９】

【作用】

上記の構成によれば、上記領域Ｆに積層された補強材４Ａは手指部分１の先端 部２付近の耐久性を向上させつつも、手指の関節をカバーするには至らないので 、細かな作業に伴う手指の曲げ伸ばし動作を阻害することがない。

【００１０】 さらに、図３に示すように、掌側の手指付け根より手首側の領域Ｐに上記補強 材４Ａとは別体の補強材４を積層した構成では、上記作用に加えて、該領域Ｐを も併せて補強することになる。

【００１１】 尚、本考案における手袋及び補強材の各素材は布、天然皮革、合成皮革、ニッ ト、ゴム、合成樹脂等の手袋の形態をなす素材あればよく、補強材は手袋本体と 同質であっても、また異質であってもよく、手袋本体の耐久性を向上させる素材 を適宜選定できる。

【００１２】

【実施例】

図１は本考案に係る一実施例の正面図であり、図２は同じく展開図である。 図１に示すように、この実施例では、拇指及び第一乃至第三指に相当する手指 部分１の先端部２より、該先端部２に最も近い手指の関節位置３までの掌側の領 域Ｆを補強材４で被覆される構成としている。

【００１３】 このような構成の手袋を製造するには、所定の皮革材料を裁断して、図２に示 すような掌材片Ｇ1 ，拇指片Ｇ2 ，指マチ片Ｇ3 〜Ｇ5 を形成するとともに、上 記皮革材料と同材料もしくは別の皮革材料より補強材４Ａ（４ａ〜４ｄ）を形成 しておく。尚、上記掌材片Ｇ1 は第一指側部を境界（図中破線で示す）に甲部分 、掌部分の両者を連設した構成とし、後段の縫合時には上記第一指側部の境界に おいて折り返し、掌部分と甲部分を重ね合わせるようにしている。

【００１４】 上記裁断された各片のうち、まず掌材片Ｇ1 の掌側の手指部分１に上記補強材 ４Ａ（４ａ〜４ｃ）を縫着するとともに、拇指片Ｇ2 に補強材４Ａ（４ｄ）を縫 着する。

【００１５】 次いで、拇指片Ｇ2 を筒状に縫製した後、該筒状となった拇指片Ｇ2 の基端部 を掌材片Ｇ1 の対応箇所（空孔Ｈの周縁）に縫着した後、掌材片Ｇ1 の第一乃至 第四指の各指股部分に指マチ片Ｇ3 〜Ｇ5 を縫着するようにして、手首を残して 全体を縫合する。このようにして全ての部分における縫合が完了した後、手袋の 表裏全体を裏返すようにして、図１に示すような実施例が完成する。

【００１６】 以上のような構成によれば、領域Ｆに積層された補強材４Ａは手指部分１の先 端部２付近の耐久性を向上させつつも、手指の関節をカバーすることがないので 、細かな作業に伴う手指の曲げ伸ばし動作を阻害することがなく、作業性が低下 することがない。

【００１７】 尚、上記図１に示す実施例においては、補強材４Ａ（４ａ〜４ｄ）が手袋の外 面に表れるようにしているが、これとは逆に手袋の内面に積層されるような構成 でもよく、かかる構成においても上記工程が煩雑となることはない。

【００１８】 また、上記補強材４Ａは上記領域Ｆの掌側にのみ積層されているが、該領域Ｆ に対応する指先部分の全周を覆うような構成であってもよい。 さらに上記実施例では手袋及び補強材４Ａの素材はいずれも皮革を使用してい るが、本考案はこれに限定されるものではなく、例えば上記補強材だけを皮革材 料で構成する一方、他の部分をニットで構成する等、使用状況に合わせて素材を 適宜選定することができる。

【００１９】 図３は本考案に係る他の実施例の正面図である。 図３に示すように、この実施例では上記図１に示すような手指部分１の先端部 に加えて、該手指部分１の付け根より手首側にかけての領域Ｐにも補強材４Ｂを 被覆した構成とし、図１に示す実施例に加えて、領域Ｐをも併せて補強すること になり、より一層の耐久性の向上が見込まれる。

【００２０】 尚、上記各補強材は少なくとも手袋の掌側の上記領域Ｆ，Ｐを被覆することが 肝要であって、その他の領域を補強材で被覆することを制限するものではなく、 例えば、手袋の甲側部分をも被覆することとしてもよい。但し、上記図２に示す 実施例において領域Ｆから領域Ｐにかけての領域を全て補強材で被覆することは 望ましくなく、少なくとも手指の関節部分を補強材で被覆することは避けるべき である。

【００２１】

【考案の効果】

以上のように本考案によれば、手袋の少なくとも手指の先端部より該先端部に 最も近い関節位置までの掌側の領域に補強材を積層するようにしているので、指 先部分に荷重が集中するような使用態様や装用者の個人差があった場合にも破れ を防止することになる。しかも手指の関節部分を補強材で被覆しないので指の曲 げ伸ばし動作を阻害することがないので作業性が損なわれない効果をも奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る一実施例の正面図である。

【図２】本考案に係る一実施例の展開図である。

【図３】本考案に係る他の実施例の正面図である。

【符号の説明】

１ 手指部分 ２ 先端部 ３ 関節位置 ４Ａ，４Ｂ 補強材 Ｆ，Ｐ （補強対象となる）領域

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 手指の先端部より、該先端部に最も近い
   関節位置までの、少なくとも掌側の領域に補強材を積層
   してなる手袋。
2. 【請求項２】 掌側の手指付け根より手首側の領域に上
   記補強材とは別体の補強材を積層した請求項１に記載の
   手袋。