JP3039972U - 手 袋 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 指袋の縫合個所を減少して指部の柔軟性を保
つと共に、ほつれの発生を少なくし、かつ、他部の縫合
部位もほつれの発生を少なくすることにより、柔軟性を
保ち耐久性を有する手袋を得る。 【解決手段】 人差し指袋，中指袋，薬指袋，小指袋を
構成する各指袋の、指形をした掌側生地と甲側生地との
幅を掌側生地の方を大とし、指袋の縫目を甲側の両側に
位置させた。また、指形をした小指袋甲側生地，薬指袋
甲側生地，中指袋甲側生地，人差し指袋甲側生地を一体
に有する甲部生地と甲部生地に続く指形をした人差し指
袋掌側生地，小指袋掌側生地とを一体に有する掌部生地
に、中指袋掌側生地と薬指袋掌側生地とを縫着し、小指
袋の甲側生地と掌側生地との甲側生地と掌側生地とを２
つ折りして手首部を除き周縁を縫着し、手首部分に手首
緊締布を縫着してなる手袋において、中指及び薬指の掌
側生地と掌部生地との縫合線及び掌部生地と手首緊締布
との縫合線を被って当布を設けた。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、消防隊員やレスキュー隊員が使用する手指部保護のための手袋に関 する。

【０００２】

【従来の技術】

消防隊員やレスキュー隊員などの激しい作業を行う際に手指等を保護するため に使用する手袋は、手指等の動きを制限することなく、かつ、使用時の作業によ り容易に損傷を受けないようなものでなければならない。

【０００３】 従来このような環境で使用される手袋は、耐久性の問題から皮革製のものが多 かった。作業用の手袋として所謂軍手があるが、これは横編機で指部掌甲部等を 連続して編成するために縫目は無く、編地の性質上柔軟性に富んでおり、使用感 は良いが、耐久性，耐衝撃性に劣る点があり、消防隊員等が使用するには不満足 の点があった。

【０００４】 そのため皮革或いは合成皮革製のものが多く使用されているが皮革の場合掌甲 部、指袋等を縫合することにより作らなければならない。そのため、各部の縫目 によりその付近の柔軟性が一層悪くなり、或いは、作業中に縫合部位にほつれが 生じ、製品の耐久性が劣化するなどの問題が生ずることがあった。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は上記の点に鑑みて、指袋の縫合個所を減少して指部の柔軟性を保つと 共に、ほつれの発生を少なくし、かつ、他部の縫合部位もほつれの発生を少なく することにより、柔軟性を保ち耐久性を有する手袋を得ることを目的としている 。

【０００６】

【課題を解決するための手段】 人差し指袋，中指袋，薬指袋，小指袋を構成する各指袋の、指形をした掌側生 地と甲側生地との幅を掌側生地の方を大とし、指袋の縫目を甲側の両側に位置さ せた。また、指形をした小指袋甲側生地，薬指袋甲側生地，中指袋甲側生地，人 差し指袋甲側生地を一体に有する甲部生地と甲部生地に続く指形をした人差し指 袋掌側生地，小指袋掌側生地とを一体に有する掌部生地に、中指袋掌側生地と薬 指袋掌側生地とを縫着し、小指袋の甲側生地と掌側生地との甲側生地と掌側生地 とを２つ折りして手首部を除き周縁を縫着し、手首部分に手首緊締布を縫着して なる手袋において、中指及び薬指の掌側生地と掌部生地との縫合線及び掌部生地 と手首緊締布との縫合線を被って当布を設けた。

【０００７】

【考案の実施の形態】

本考案手袋の実施の形態を図面と共に次に説明する。

【０００８】 図３，４に本考案手袋１に用いる生地を示す。本考案手袋１は、皮革等のシー ト状物を裁断縫製してなるもので、主生地２，親指用生地３，中指袋掌側生地４ ，薬指袋掌側生地５，当布６，手首緊締布７，襠布８よりなる。

【０００９】 主生地２は、図３に示す如く、甲部生地９と掌部生地１０とが一連に構成され 、甲部生地９の上部に小指袋甲側生地１１，薬指袋甲側生地１２，中指袋甲側生 地１３，人差し指袋甲側生地１４が連続し、掌部生地１０の上部に人差し指袋掌 側生地１５と小指袋掌側生地１６とが連続している。人差し指袋掌側生地１５と 小指袋掌側生地１６とはそれぞれ、人差し指袋甲側生地１４及び小指袋甲側生地 １１よりその幅を広くしている。

【００１０】 即ち、人差し指袋掌側生地１５と小指袋掌側生地１６とは、指袋を構成すると き、指袋の断面を四辺形としてその３辺をしめる長さに相当する幅としている。 掌部生地１０には中指袋掌側生地４と薬指袋掌側生地５とは連続していない。親 指用生地３は親指袋甲側生地１７，親指袋掌側生地１８を上部に延在して一部角 状の突出部分１９を有している。該突出部分１９は親指袋２１を甲部生地９，掌 部生地１０に縫着したとき親指袋２１と人差し指袋２２との間にゆとりを持たせ るためのものである。当布６は掌の全面を被い、特に人差し指袋ではその中間部 分にまで延びている。

【００１１】 本考案手袋は、上記の各部をそれぞれ縫い合わせることにより作られる。親指 袋２１は図４のＡに示す一点鎖線部分で２つに山折りし、甲側生地１７と掌側生 地１８とを重ねそれぞれ指袋部分の縁部１７ａと１８ａとを縫合する。そして、 親指用生地３の、その他部分の未縫合の縁部３ａを図３のＡに示す主生地２の中 央に設けた親指用穴２０の縁部２０ａに一致させ、両縁部３ａ，２０ａを縫合す ることにより主生地２に親指袋２１が取り付けられる。主生地２の掌部生地１０ の上縁１０ａには、中指袋掌側生地４の下縁４ａと薬指袋掌側生地５の下縁５ａ の中央部分が縫着される。下縁４ａ，５ａの縫着されなかった部分は、隣接する 中指袋２３の中指袋掌側生地４と薬指袋２４の薬指袋掌側生地５の下縁同志を一 体に縫着する。

【００１２】 また、中指袋掌側生地４の未縫合の下縁４ａを人差し指袋掌側生地１５の下部 に縫合すると共に、薬指袋掌側生地５の未縫合の下縁５ａを小指袋掌側生地１６ の下部に縫合する。更に主生地２の下端縁２ｂに沿って手首緊締布７を縫着する 。そして、掌部１０の全面を被うように掌部１０に当布６を重ねる。当布６は、 中指袋２３の掌側生地４を掌部生地１０に縫着した縫目２７（図６に図示）、薬 指袋２４の掌側生地５を掌部生地１０に縫着した縫目２８（図６に図示）を被い 、更に、手首緊締布７を主生地２に縫着した縫目２９をも被うようにする。そし て全面に適宜キルト３０を施す。

【００１３】 上記の如く親指袋２１，中指袋掌側生地４，薬指袋掌側生地５を縫着した主生 地２を図３のＡに示す一点鎖線で山折れに２つ折りし、主生地２の側縁２ａ，２ ａ同志を縫着すると共に、それぞれ重なった各指袋の側縁同志を縫合する。上記 縫合により各指は指袋を形成することになるが、各指袋の甲側生地よりも掌側生 地の方が前記した如く幅が広いため、各指袋の縫目線２６は甲部側に位置するこ とになる。上記の甲部生地９と掌部生地１０との側縁２ａの縫合時に、手首緊締 布７に図４のＢに示す三角形の襠布８を図６，図７に示す如く縫着する。

【００１４】 手袋緊締布７は伸縮性を有する帯状体であり、その一端にベルベットファスナ ー等適宜の係止部材を設けて手首を適宜の太さで締め付ける。また、図５に示す 如く甲部内面に弾性帯状体３１を設けることによりフィット性を高めている。

【００１５】 上記のように構成された本考案手袋は、着用した際に、指袋の甲側の生地が掌 側の生地に比較して幅を有し長いので指袋の縫目線は甲側に位置することになる 。従って、作業中物に触れたときに、縫目が把持した物に触れるようなことはな く、即ち、使用により縫目が損傷することはない。

【００１６】 また、掌部分に設けた当布は、中指袋掌側生地４と薬指袋掌側生地５とを掌部 生地１０に縫着した縫目を被い、かつ、手首緊締布７と掌部生地１０との縫合線 ２９を被っているために、力が加わるこの部分でのほつれの発生を防止している 。

【００１７】

【考案の効果】

本考案手袋は、次の如き効果を有する。

【００１８】 １．人差し指袋，中指袋，薬指袋，小指袋を構成する各指袋の掌側生地と甲側生 地との幅を掌側生地の方を大としたために指袋の縫目を甲側の両側に位置させ ることが出来、手袋を使用する際に把持物その他と指袋の縫目とが接すること がなく、縫目に損傷を受けることがない。

【００１９】 ２．掌部に設けた当布は、中指袋，薬指袋の掌側生地と主体生地の掌部生地との 縫目との縫目線及び掌部生地と緊締布との縫目線を被って設けてあるため該部 の縫目がほつれて指袋を損傷し或いは手首緊締布を損傷することはない。

【図面の簡単な説明】

【図１】Ａは本考案手袋の正面図で右手甲を示す。Ｂは
図１のＡのＡ−Ａ断面を示す。

【図２】本考案手袋の背面図で右手掌を示す。

【図３】本考案手袋を構成する生地の平面図で、Ａは甲
部生地、Ｂは中指掌側生地、Ｃは薬指掌側生地を示す。

【図４】本考案手袋を構成する生地の平面図で、Ａは親
指用生地、Ｂは襠布、Ｃは当布、Ｄは手首緊締布をそれ
ぞれ示す。

【図５】本考案手袋の左手を裏返した状態の正面図で甲
側を示す。

【図６】本考案手袋の左手を裏返した状態の正面図で掌
側を示す。

【符号の説明】

１ 本考案手袋 ２ 主生地 ３ 親指用生地 ４ 中指袋掌側生地 ５ 薬指袋掌側生地 ６ 当布 ７ 手首緊締布 ８ 襠布 ９ 甲部 １０ 掌部 １１ 小指袋甲側生地 １２ 薬指袋甲側生地 １３ 中指袋甲側生地 １４ 人差し指袋甲側生地 １５ 人差し指袋掌側生地 １６ 小指袋掌側生地 １７ 親指袋甲側生地 １８ 親指袋掌側生地 ２１ 親指袋 ２２ 人差し指袋 ２３ 中指袋 ２４ 薬指袋 ２５ 小指袋

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 人差し指袋，中指袋，薬指袋，小指袋を
   構成する各指袋の、指形をした掌側生地と甲側生地との
   幅を掌側生地の方を大とし、指袋の縫目を甲側の両側に
   位置させたことを特徴とする手袋。
2. 【請求項２】 指形をした小指袋甲側生地，薬指袋甲側
   生地，中指袋甲側生地，人差し指袋甲側生地を一体に有
   する甲部生地と甲部生地に続く指形をした人差し指袋掌
   側生地，小指袋掌側生地とを一体に有する掌部生地に、
   中指袋掌側生地と薬指袋掌側生地とを縫着し、小指袋の
   甲側生地と掌側生地との甲側生地と掌側生地とを２つ折
   りして手首部を除き周縁を縫着し、手首部分に手首緊締
   布を縫着してなる手袋において、中指及び薬指の掌側生
   地と掌部生地との縫合線及び掌部生地と手首緊締布との
   縫合線を被って当布を設けたことを特徴とする手袋。