JP3787026B2 - 無段変速機の油圧制御装置 - Google Patents

無段変速機の油圧制御装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、車両等に採用される無段変速機の油圧制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両に用いられる無段変速機の油圧制御装置としては、例えば特開平8ー233083号公報に開示されるものが知られている。
【0003】
これは、無段変速機では、油圧サーボシリンダに加える油圧によって変速制御およびトルクの伝達を行っており、油圧系が損傷を受けた場合等で、正常な油圧が得られなくなると、変速制御ができなくなってしまう。そこで、油圧系の損傷等により正常な油圧が得られず目標変速比が維持できなくなった場合、強制的に変速モードを切り換えて変速比を最Lo変速比(=最大変速比)に設定して走行を可能にするものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このような従来例では、油圧回路の制御弁の固着や制御プログラムの誤動作等によっても、目標変速比が維持できないと判断されて、変速比が強制的に最Loに設定されてしまうため、通常走行中に急変速が発生して大きな変速ショックを生じる可能性があった。
【0005】
この対策として、無段変速機の急変速状態を検知した場合、無段変速機のライン圧を制御するライン圧制御バルブを介してライン圧を下げることによって、無段変速機の伝達容量を下げ、急変速時の変速ショックを防止するようにしたものが本出願人により提案されている(特願平9ー255113号)。
【0006】
しかし、このライン圧制御バルブに用いられるデューティソレノイドは、外気温が低いと、速やかには作動しにくい。つまり、油温の低下によって粘性抵抗が増大するために、ソレノイドの応答性が低下する。そのため、このような場合には急変速を検知してライン圧を下げようとしても、ライン圧が速やかに低下せず、変速ショックを十分には軽減できないのである。
【0007】
この発明は、ライン圧制御のデューティソレノイドの駆動方法によって、このような問題点を解決することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
の発明は、油圧駆動の無段変速機の変速機構と、車両の運転状態に応じて決定した目標変速比となるように前記変速機構への油圧を制御する変速制御手段と、ライン圧制御用ソレノイドをデューティ制御して所定の圧力に調圧したライン圧を前記変速制御手段へ供給するライン圧制御手段とを備える無段変速機の油圧制御装置において、無段変速機の急変速状態を検知する急変速検知手段と、油温あるいは外気温を検出する温度検出手段と、前記急変速状態を検知した信号に基づき、前記ライン圧を低下させるように前記ライン圧制御用ソレノイドをデューティ制御すると共に、前記検出した油温あるいは外気温が所定温度より低い場合に、前記ライン圧制御用ソレノイドの発熱量を増やすように該ソレノイドの駆動周波数を増加させるライン圧低下制御手段と、を設ける。
【0013】
【発明の効果】
第1の発明によれば、急変速の異常があった場合、ライン圧制御用ソレノイドによりライン圧を低下させることで、急変速等を防止するのであるが、油温あるいは外気温が低いときは、ライン圧制御用ソレノイドの駆動周波数を増加させて、温度を上昇させてライン圧制御用ソレノイドの作動性を向上させるので、油温あるいは外気温が低いときにも、ライン圧を速やかに低下させて、急変速に伴う変速ショックを低減することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0017】
図1〜図3は、トロイダル型の無段変速機10に本発明を適用した一例を示し、図1は無段変速機10の概略構成図を、図2、図3は油圧制御部の回路図を示す。
【0018】
無段変速機10は、入力軸20側をロックアップ機構L/Uを備えたトルクコンバータ12を介してエンジン11に連結される一方、出力軸21側を図示しない駆動輪に連結しており、変速機構は、変速制御コントローラ1の指令に応じてステップモータ152が変速制御弁150を駆動することで変速が行われ、変速機構に供給するライン圧PLは、変速制御コントローラ1の指令に応動するライン圧ソレノイド弁528によって制御される。
【0019】
変速制御コントローラ1は、マイクロコンピュータを主体に構成されており、エンジン11のスロットル開度を検出するスロットル開度センサ4からのスロットル開度TVO、無段変速機10の出力軸21の回転数を検出する出力軸回転センサ3からの出力軸回転数No、無段変速機10の入力軸20の回転数を検出する入力軸回転センサ2からの入力軸回転数Nt等の各信号、および無段変速機10の油温あるいは外気温(例えば、エンジンルームの温度)を検出する温度センサ50からの温度信号が入力される。
【0020】
変速制御コントローラ1は、スロットル開度センサ4が検出したスロットル開度TVO、出力軸回転センサ3が検出した無段変速機10の出力軸回転数No、入力軸回転センサ2が検出した無段変速機10の入力軸回転数Ntに基づいて車両の運転状態に応じた目標変速比を演算すると共に、無段変速機10の実際の変速比がこの目標変速比と一致するような制御量STP(ステップ数)をステップモータ152へ指令すると共に、車速VSPや入力軸回転数Nt等の運転状態に基づいて、後述する油圧制御部のライン圧PLを決定して、ライン圧ソレノイド弁528をデューティ制御等により駆動し、運転状態に応じたライン圧PLとなるよう制御する。なお、本実施形態では出力軸回転数Noに所定の定数を乗じたものを車速VSPとして用いるものである。
【0021】
次に、図2、図3の油圧制御部について説明する。
【0022】
エンジン11に駆動される油圧ポンプ15の吐出圧は、ライン圧回路534に配設されたプレッシャレギュレータバルブ502によって所定のライン圧PLに調圧され、変速制御弁150、前後進切換弁524を介して無段変速機10の変速機構の駆動を行う。このライン圧回路534のライン圧PLはリリーフ弁512によって所定の上限値を超えないように設定される。
【0023】
プレッシャレギュレータバルブ502は、変速制御コントローラ1によってデューティ制御されるライン圧ソレノイド弁528からの信号圧PLsolに応じてライン圧回路534のライン圧PLの調圧を行っており、ライン圧回路534をトルコン圧回路535へドレーンすることで、ライン圧PLの調圧を行う。
【0024】
ライン圧ソレノイド弁528のデューティ比に応じた信号圧PLsolは、油路601を介してアキュームコントロール弁514へ入力され、アキュームコントロール弁514が信号圧PLsolに応じて油路542の油圧を調整することで、プレッシャレギュレータ502を制御してライン圧PLを所定の値に設定している。
【0025】
トルコン圧回路535へ供給された圧油は、供給される油圧がトルクコンバータ12の耐圧上限値を超えないように制御するリリーフ弁512を介してロックアップコントロールバルブ508に供給される。そして、ロックアップコントロールバルブ508の下流には、クーラ530を介して変速機構の潤滑油路38が形成される。なお、ロックアップコントロールバルブ508は、変速制御コントローラ1にデューティ制御されるロックアップソレノイド弁526からの信号圧に基づいて制御され、トルクコンバータ12のロックアップクラッチを締結または解放する。
【0026】
一方、ライン圧回路534のライン圧PLは前進用の変速制御弁150と後進用変速制御弁522へそれぞれ供給され、前後進切換弁524が選択した車両の進行方向に応じて、変速制御弁150または後進用変速制御弁522からの圧油を変速機構のHi側油路40とLo側油路41へ供給する。
【0027】
ここで、無段変速機10の変速機構は、図1、図3に示すように、ハーフトロイダル型の第1トロイダル変速部22と第2トロイダル変速部24から構成されて2組の入出力ディスク28、32及び29、33を備えた例を示し、第1トロイダル変速部22の入力ディスク28と出力ディスク29との間に挟持される一対のパワーローラ30、31は、基端に設けた油圧サーボシリンダによって相互に反対方向へ駆動されるとともに軸回りに回動可能なトラニオン83、85に支持される。
【0028】
トラニオン83、85を駆動する油圧サーボシリンダ87、89は図中ピストンの左右に画成されたHi側油室516(増速側油室)とLo側油室518(減速側油室)を備え、これら油室の差圧に応じてトラニオン83、85を軸方向へ変位させ、この軸方向変位に応じてパワーローラ30、31の傾斜角(傾転角)を変更することで変速比を連続的に変更する。
【0029】
このため、油圧サーボシリンダ87、89は、Hi側油路40と連通したHi側油室516とLo側油路41と連通したLo側油室518の配置を逆転させており、変速比がHi側となる方向へトラニオン83、85を駆動するHi側油室516は、トラニオン83の油圧サーボシリンダ87では、図中ピストンの右側に配置されるのに対し、対向するトラニオン85の油圧サーボシリンダ89では、図中ピストンの左側に配置される。
【0030】
変速時には、Hi側油路40とLo側油路41の油圧を相対的に変化させることで、油圧サーボシリンダ87、89のピストンの前後差圧(以下、差圧とする)、すなわちHi側油室516とLo側油室518の差圧を変化させることでトラニオン83、85は相互に反対の軸方向へ同期的に変位し、トラニオン83、85の軸方向変位に応じてパワーローラ30、31は傾転(トラニオンの軸回りの回動)することで、変速比を連続的に変更することができる。そして、所定の変速比に達した後には、Hi側油室516とLo側油室518の前後差圧に応じてピストンに加わる力が、トラニオン83、85に加わるパワーローラ30、31のトルク反力(トラクション力)を支持する。
【0031】
したがって、パワーローラ30、31のトルク伝達容量は、トラニオン83、83を支持する油圧サーボシリンダ87、89の差圧に基づいて決定される。なお、第2トロイダル変速部24も同様に構成される。
【0032】
このような無段変速機10では、ステップモータ152と変速制御弁150及びプリセスカム136によって、油圧サーボをかけながら変速比の制御を行っており、変速制御弁150はラックアンドピニオン152a、154cを介してステップモータ152と連結したスリーブ156と、スリーブ156の内周で相対変位可能なスプール158から構成され、スプール158は、第1または第2トロイダル変速部22、24のトラニオン83、85のうちのいずれか一つに設けたプリセスカム136と、このプリセスカム136に追従するフィードバックリンク142に駆動される。
【0033】
例えば、前進状態のときには、前後進切換弁524が、変速制御弁152のHi側油路166と変速機構のHi側油路40を連通する一方、変速制御弁152のLo側油路168と変速機構のLo側油路41を連通しており、このとき、目標変速比がHi側の場合、ステップモータ152はスリーブ156を図3の下方へ駆動して、ライン圧回路534の圧油をHi側油路166、40へ供給する一方、Lo側油路168をタンクに接続して、トラニオン83を図中左側へ駆動する一方、対向するトラニオン85を図中右側へ変位させる。
【0034】
そして、目標変速比が実変速比に一致するとプリセスカム136の回動に応じて揺動したフィードバックリンク142がスプール158を下方へ駆動して、Hi側油路166、Lo側油路168を封止することで、目標変速比を維持するのである。このとき、油圧サーボシリンダ87,89のHi側油室516とLo側油室518の差圧によって、パワーローラ30,31および36,37が伝達可能なトルクの容量が決定される。
【0035】
この変速制御コントローラ1で行われる通常の変速制御は、スロットル開度TVO(または、アクセルペダルの踏み込み量)と車速VSPに応じて予め設定したマップに基づいて目標変速比を演算しており、上記したような油圧サーボに加えて、所定のPI制御によりフィードバック制御が行われている。
【0036】
一方、変速制御コントローラ1では、油圧系の損傷や弁の固着や制御プログラムの誤動作等によって、目標変速比が維持できなくなって、変速比がLo側またはHi側へ急速に変化し始めた場合、その急変速および変速ショックを抑えるため、図4に示すような制御が行われる。
【0037】
図4に示すフローチャートは、所定時間毎、例えば、10msec毎に実行されるものである。
【0038】
まず、ステップS1では、入力軸回転数Ntと出力軸回転数Noを読み込み、ステップS2では、入力軸回転数Ntと出力軸回転数Noから急変速状態が発生したか否かを判定する。
【0039】
この場合、入力軸回転数Ntと出力軸回転数Noの比から実変速比RRTOを算出すると共に、その実変速比RRTOの単位時間当たり(例えば、制御周期dt)の変化量を実変速速度φとして演算して、この実変速速度φの絶対値が所定値を超えた場合に急変速状態が発生したと判定する。
【0040】
急変速状態が発生したと判定した場合、ステップS3へ進み、急変速を抑制するためにライン圧回路534のライン圧PLを予め設定した最小値PLminに設定する。
【0041】
次に、ステップS4では、無段変速機10の油温(あるいは外気温)を読み込み、油温が所定温度以上のときはステップS6に進み、油温が所定低温以下のときはステップS7に進む。
【0042】
ステップS6では、ライン圧回路534のライン圧PLを最小値PLminにするようにライン圧ソレノイド弁528を駆動するが、この場合ライン圧ソレノイド弁528を通常温度時の駆動方法にて駆動する。
【0043】
即ち、最小値PLminを得る基準のデューティ値(開弁時間比)の信号によってライン圧ソレノイド弁528をデューティ駆動する。このデューティ信号の電圧波形を図5に示すと、駆動周期t0に対して電圧の高い初期の過励時間t1(初動を容易にするためのもの)を含めた所定の励時時間の波形からなり、このライン圧ソレノイド弁528のデューティ駆動によってライン圧PLは、図6のように通常のライン圧PL0から最小値PLminに低下する。
【0044】
一方、ステップS7では、同じくライン圧回路534のライン圧PLを最小値PLminにするようにライン圧ソレノイド弁528を駆動するが、この場合ライン圧ソレノイド弁528を、ステップS6の通常温度時の駆動方法に対して、ソレノイドの駆動電力を増大させる低温時の駆動方法にて駆動する。
【0045】
即ち、デューティ信号の駆動周波数を図7のように基準の周波数X0に対して所定分増加した周波数X1に切り替えて、駆動周期t2に占める電圧の高い過励時間t3の割合を相対的に大きくしたデューティ信号によってライン圧ソレノイド弁528をデューティ駆動する。
【0046】
このような構成により、油圧系の損傷や弁の固着や制御プログラムの誤動作等によって、目標変速比が維持できなくなって、実際の変速比がLo側またはHi側へ急速に変化を開始したのを検知すると、油温(あるいは外気温)が所定温度以上のときは、図5のように通常温度時のデューティ信号によって、ライン圧回路534のライン圧PLを所定の最小値PLminにするようにライン圧ソレノイド弁528が駆動される。そのため、ライン圧回路534のライン圧PLは、図6のように通常走行時のライン圧PL0から所定の最小値PLminまで速やかに低下することになる。
【0047】
トロイダル型無段変速機の変速は、前述したようにトラニオン83、85の軸方向変位に基づいて開始されるため、油圧系の異常や制御プログラムの誤動作等によって急変速が開始された場合も、前記通常変速時と同様に変速機構のHi側油路40及びLo側油路41が、変速制御弁150を介してライン圧回路534およびタンクと連通することで変速することになる。
【0048】
したがって、このときライン圧回路534のライン圧PLを所定の最小値PLminへ低下させることにより、油圧サーボシリンダ87、89のピストンに加えることのできる油圧の最大値が制限され、急変速を防止することができる。
【0049】
また、前述したように無段変速機のトルク伝達容量は、パワーローラ30、31のトラクション力に対抗するピストンの差圧で決定されるため、油圧サーボシリンダ87、89のピストンに加えることのできる油圧の最大値が制限されることで、無段変速機のトルク伝達容量も減少することになる。例えば、Lo側に急変速(ダウンシフト)する際では、無段変速機のトルク伝達容量が十分大きい場合、Lo側への変速速度−φと、入力系の慣性モーメントの大きさに応じて、変速ショック(減速ショック)の大きさが決まる。
【0050】
したがって、無段変速機のトルク伝達容量も減少することで、発生する変速ショックを低減することができる。また、急変速時の最小ライン圧PLminを、走行可能な最小のトルク伝達容量となるように設定しておくことで、油圧系や変速制御コントローラ1に変速不能となる異常が発生した場合であっても、必要最低限のトルクを伝達することで走行を可能にできる。
【0051】
これに対して、油圧系の異常や制御プログラムの誤動作等によって、目標変速比が維持できなくなって、実際の変速比がLo側またはHi側へ急速に変化を開始したのを検知した際に、油温(あるいは外気温)が所定低温以下のときは、図7のように低温時のデューティ信号によって、ライン圧回路534のライン圧PLを所定の最小値PLminにするようにライン圧ソレノイド弁528が駆動される。
【0052】
この油温等が低いときはライン圧ソレノイド弁528の温度も低く、ライン圧ソレノイド弁528の速やかな作動が得にくいため、ライン圧ソレノイド弁528を前記通常温度時と同じ方法で駆動するのでは、ライン圧ソレノイド弁528の応答が遅れてしまう(この場合、ライン圧回路534のライン圧PLの低下は図8のように遅れてしまう)が、このとき低温時のデューティ信号によってライン圧ソレノイド弁528を駆動することで、ライン圧ソレノイド弁528の良好な作動性を確保できる。
【0053】
即ち、ライン圧ソレノイド弁528の駆動周波数と駆動周期に占める電圧の高い過励時間の割合を増加させることにより、必要以上の電力を与えてソレノイドの発熱量を多くし、ライン圧ソレノイド弁528の温度を上昇させて、ライン圧ソレノイド弁528の作動性を向上させる。
【0054】
そのため、ライン圧回路534のライン圧PLは、図6のように通常走行時のライン圧PL0から所定の最小値PLminまで速やかに低下する。したがって、油温等が低い場合にライン圧PLの低下が遅れることがなく、急変速に応じて発生する変速ショックを低減することができ、この結果車両のフェイルセーフを確保できる。
【0055】
図9は参考例を示し、油温(あるいは外気温)が所定低温以下の低温時にライン圧回路534のライン圧PLを最小値PLminに低下させるライン圧ソレノイド弁528の駆動方法として、過励時間t4を大きくしたデューティ信号によって駆動するものである。
【0056】
即ち、図9のようにデューティ信号の基準の駆動周期t0に対して過励時間t4の割合を十分大きくしたデューティ信号によってライン圧ソレノイド弁528をデューティ駆動する。
【0057】
これによれば、前記実施形態と同様に、油温等が低い場合に、ライン圧回路534のライン圧PLを所定の最小値PLminまで速やかに低下させて、変速ショックを低減できる。
【0058】
図10、図11は参考例を示し、油温(あるいは外気温)が所定低温以下の低温時にライン圧回路534のライン圧PLを最小値PLminに低下させるライン圧ソレノイド弁528の駆動方法として、駆動電圧を高める、即ち過励磁電圧をオンオフして供給するデューティ信号によって駆動するものである。
【0059】
この場合、図10のように駆動回路60は簡単なスイッチ回路からなり、そのスイッチ61を所定の周波数でオンオフして駆動電圧の高いデューティ信号を発生する。このオン時間の割合によりデューティ値を設定できる。なお、図11のように初期の過励時間t1に対して、通常温度時の非過励時(通常の駆動電圧時)および非励磁時のみ所定の周波数信号として良い。
【0060】
これによれば、同様に、変速ショックを低減できる。
【0061】
図12は参考例を示す。これは、油温(あるいは外気温)が所定低温以下の場合、予め通常のライン圧制御時にライン圧ソレノイド弁528を低温時の駆動方法で駆動する、即ちライン圧ソレノイド弁528の駆動電力を所定分増大させて駆動するものである。
【0062】
図12のように、ステップS11では、無段変速機10の油温(あるいは外気温)を読み込み、ステップS12では、油温が所定温度以下か否かを判定する。
【0063】
油温が所定温度以下の場合、ステップS13に進み、通常のライン圧制御時のライン圧ソレノイド弁528のデューティ信号の過励時間の割合を変更する。
【0064】
この場合、通常のライン圧PLOを得るデューティ値は変えずに、非過励時間に対する過励時間の比を大きくする。
【0065】
そして、所定時間が経過すると、ステップS16にて元のデューティ信号の過励時間につまり通常のライン圧制御時のデューティ信号に戻す。
【0066】
一方、所定時間の経過前ならびに油温が所定温度以上のときは、ステップS17、S18に進み、入力軸回転数Ntと出力軸回転数Noから急変速状態が発生したか否かを判定する。
【0067】
急変速状態が発生したと判定した場合、ステップS19にてライン圧回路534のライン圧PLを所定の最小値PLminに低下させるように制御する。
【0068】
この場合、ライン圧ソレノイド弁528を前記実施形態の通常温度時の駆動方法にて駆動して良い。
【0069】
このように、予め通常のライン圧制御時にライン圧ソレノイド弁528の駆動電力を増大させて駆動するようにしておけば、油温(あるいは外気温)が低い場合にも、ライン圧ソレノイド弁528の温度を上昇させてライン圧ソレノイド弁528の作動性を良好に維持しておくことができ、したがって急変速に応じて発生する変速ショックを低減することができる。
【0070】
なお、デューティ信号の過励時間の割合の変更制御は、油温が所定温度以上になったときに、元の過励時間の割合に戻すようにしても良い。
【0071】
実施の形態は、トロイダル式の無段変速機に適用した例を示したが、もちろんベルト式の無段変速機にも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の無段変速機の概略構成図である。
【図2】無段変速機の油圧制御部を示す回路図の前半である。
【図3】無段変速機の油圧制御部を示す回路図の後半である。
【図4】変速制御コントローラで行われる制御の一例を示すフローチャートである。
【図5】通常温度時のデューティ信号の例を示す波形図である。
【図6】ライン圧の特性図である。
【図7】低温時のデューティ信号の例を示す波形図である。
【図8】ライン圧の遅れを示す特性図である。
【図9】参考例の低温時のデューティ信号の例を示す波形図である。
【図10】参考例の概略回路図である。
【図11】低温時のデューティ信号の例を示す波形図である。
【図12】参考例の制御の一例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 変速制御コントローラ
2 入力軸回転センサ
3 出力軸回転センサ
4 スロットル開度センサ
10 無段変速機
11 エンジン
12 トルクコンバータ
15 油圧ポンプ
20 入力軸
21 出力軸
22 第1トロイダル変速部
24 第2トロイダル変速部
28、32 入力ディスク
29、33 出力ディスク
30、31、36、37 パワーローラ
40、166 Hi側油路
41、168 Lo側油路
50 温度センサ
60 駆動回路
83、85 トラニオン
87、89 油圧サーボシリンダ
136 プリセスカム
142 フィードバックリンク
152 ステップモータ
150 変速制御弁
502 プレッシャレギュレータバルブ
516 Hi側油室
518 Lo側油室
522 後進用変速制御弁
524 前後進切換弁
528 ライン圧ソレノイド弁
534 ライン圧回路

Claims (1)

  1. 油圧駆動の無段変速機の変速機構と、
    車両の運転状態に応じて決定した目標変速比となるように前記変速機構への油圧を制御する変速制御手段と、
    ライン圧制御用ソレノイドをデューティ制御して所定の圧力に調圧したライン圧を前記変速制御手段へ供給するライン圧制御手段とを備える無段変速機の油圧制御装置において、
    無段変速機の急変速状態を検知する急変速検知手段と、
    油温あるいは外気温を検出する温度検出手段と、
    前記急変速状態を検知した信号に基づき、前記ライン圧を低下させるように前記ライン圧制御用ソレノイドをデューティ制御すると共に、前記検出した油温あるいは外気温が所定温度より低い場合に、前記ライン圧制御用ソレノイドの発熱量を増やすように該ソレノイドの駆動周波数を増加させるライン圧低下制御手段と、を設けたことを特徴とする無段変速機の油圧制御装置。
JP01410398A 1998-01-27 1998-01-27 無段変速機の油圧制御装置 Expired - Fee Related JP3787026B2 (ja)

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