JP3785838B2 - 液晶表示装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は液晶表示装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
液晶表示装置には、一般に薄膜トランジスタ(以下、TFTと記す)をアクティブ素子とするアクティブマトリックス型の液晶表示素子が用いられている。
【0003】
図5は従来の液晶表示装置に用いられているアクティブマトリックス型液晶表示素子の一部分の正面図である。
【0004】
この液晶表示素子1は、図示しない枠状シール材を介して接合された前面側および背面側の一対の透明基板2,3間に液晶層(図示せず)を設けたものであり、前記一対の基板2,3のうちの一方の基板、例えば背面側基板3の内面には、行方向および列方向にマトリックス状に配列する複数の透明な画素電極4と、前記複数の画素電極4にそれぞれ接続された複数のTFT5と、各画素電極行ごとにその一側に沿わせて配線され前記TFT5にゲート信号を供給するゲートライン11と、各画素電極列ごとにその一側に沿わせて配線され前記TFT4にデータ信号を供給するデータライン12と、前記各画素電極行ごとに配置され前記画素電極4の縁部付近の領域に絶縁膜(TFT5のゲート絶縁膜7)を介して対向して前記画素電極3との間に補償容量を形成する補償容量電極13とが設けられ、その上に配向膜14が形成されている。
【0005】
前記TFT5は、基板3上に形成されたゲート電極6と、このゲート電極6を覆って設けられたゲート絶縁膜7と、このゲート絶縁膜7の上に前記ゲート電極6に対応させて設けられたi型半導体膜8と、このi型半導体膜8の両側部の上に図示しないn型半導体膜を介して形成されたソース電極9およびドレイン電極10とからなっている。
【0006】
また、前記ゲートライン11と補償容量電極13は、前記基板2上に設けられており、前記TFT5のゲート電極6は、前記ゲートライン11に一体に形成されている。
【0007】
前記TFT5のゲート絶縁膜(透明膜)7は、基板2のほぼ全面にわたって設けられており、前記ゲートライン11と補償容量電極13は、その端子部を除いて前記ゲート絶縁膜7により覆われている。
【0008】
そして、前記複数の画素電極4は、前記ゲート絶縁膜7の上に設けられており、これらの画素電極4はそれぞれ、その一端側の縁部において対応するTFT5のソース電極9に接続されている。
【0009】
また、前記補償容量電極13は、各行の画素電極4のTFT接続側とは反対側の端縁部付近に対向させて前記ゲートライン11とほぼ平行に設けられており、この補償容量電極13と前記画素電極4とその間のゲート絶縁膜7とにより補償容量が形成されている。
【0010】
さらに、前記データライン12は、前記ゲート絶縁膜7の上に設けられており、前記TFT5のドレイン電極10につながっている。
【0011】
そして、前記配向膜14は、前記複数の画素電極4およびデータライン12を覆って基板3のほぼ全面に設けられており、この配向膜14は、その膜面のラビングにより所定方向に配向処理されている。
【0012】
また、他方の基板である前面側基板2の内面には、前記複数のTFT5と前記補償容量電極13にそれぞれ対応する遮光膜15,16と、前記複数の画素電極4に対向する透明な対向電極(図示せず)とが設けられており、その上に配向膜(図示せず)が設けられている。なお、図5では、前記遮光膜15,16を区別しやすくするために、遮光膜部分に平行斜線を施している。
【0013】
前記対向電極は、前記複数の画素電極4の全てに対向する一枚膜状の電極であり、前記複数の画素電極3と前記対向電極9とが互いに対向する領域により複数の画素領域Aが形成されている。
【0014】
また、この前面側基板2の内面に設けられた前記配向膜は、その膜面のラビングにより所定方向に配向処理されている。
【0015】
この液晶表示素子1は、例えばTN(ツイステッド・ネマティック)方式のものであり、一対の基板2,3間に設けられた液晶層の液晶分子は、両基板2,3間においてツイスト配向しており、また、図示しないが、前記一対の基板2,3の外面にはそれぞれ偏光板が配置されている。
【0016】
図5において、破線矢印2aは前面側基板2の配向膜の配向処理方向、実線矢印3aは背面側基板3の配向膜14の配向処理方向を示しており、前面側基板2に設けられた図示しない配向膜と、背面側基板3に設けられた配向膜14は、例えば互いにほぼ直交する方向に配向処理されている。
【0017】
そして、前記液晶層の液晶分子は、両基板2,3の近傍における配向方向を前記配向膜で規制され、両基板2,3間においてほぼ90度のツイスト角でツイスト配向しており、両基板2,3の外面にそれぞれ配置された一対の偏光板は、その透過軸を互いにほぼ直交させるか、あるいは互いにほぼ平行にして設けられている。
【0018】
前記液晶表示素子を用いる液晶表示装置には、透過型のものと、反射型のものとがある。
【0019】
透過型の液晶表示装置は、液晶表示素子の背後にバックライトを配置し、このバックライトからの照明光を利用して表示するものであり、前記バックライトから照明光を前記液晶表示素子に向けて出射し、その光を前記液晶表示素子の前方に出射させて表示する。
【0020】
また、反射型の液晶表示装置は、液晶表示装置の使用環境の光である外光を利用して表示するものであり、液晶表示素子の前方から入射する外光を前記液晶表示素子の背後に配置した反射板により前記液晶表示素子に向けて反射し、その光を前記液晶表示素子の前方に出射させて表示する。
【0021】
前記透過型の液晶表示装置は、バックライトを点灯するために、大きな電力を消費する。
【0022】
一方、反射型の液晶表示装置は、液晶表示素子の前方から入射する外光の強度に応じた強度の反射光が得られるため、その使用環境の照度が充分であれば表示を充分な明るさで観察することができ、また、バックライトを必要としないため、消費電力が少ない。
【0023】
しかし、反射型液晶表示装置は、液晶表示素子の前方に出射する反射光の強度が、前記液晶表示素子の前方から入射する外光の強度に大きく依存するため、例えば夜間の屋外のような照度が充分でない暗い環境下では、表示を視認できる程度の画面輝度が得られない。
【0024】
なお、液晶表示素子には、白黒画像を表示するものと、各画素領域にそれぞれ対応する複数の色の着色膜(例えば赤、緑、青の3色カラーフィルタ)を備えてフルカラー画像等の多色カラー画像を表示するものとがあるが、この着色膜を備えた液晶表示素子を用いる反射型液晶表示装置は、前記液晶表示素子にその前方から入射した光が、前記着色膜によりその吸収波長帯域の波長成分の光を吸収されて着色光となり、さらに反射板で反射されて前記液晶表示素子の前方に出射するときにも前記着色膜によりある程度の光を吸収されるため、暗い環境では使用できない。
【0025】
そのため、従来から、外光を利用する反射型表示と、照明光を利用する透過型表示との両方の表示を行なう、2ウエイ型の液晶表示装置が提案されている。
【0026】
この2ウエイ液晶表示装置は、液晶表示素子の背後に、照明光を前記液晶表示素子に向けて出射するとともに、前記液晶表示素子の前方から入射する外光を前記液晶表示素子に向けて反射する光照射手段を配置したものであり、前記光照射手段は一般に、バックライトの前面に半透過反射板を配置して構成されている。
【0027】
この2ウエイ液晶表示装置は、充分な明るさの外光が得られるときは前記光照射手段から照明光を出射させずに外光を利用して表示し、外光の明るさが不足するときに前記光照射手段から照明光を出射させて表示するものであり、外光は得られるがその強度が不足するときは、前記光照射手段による外光の反射光と、前記光照射手段が出射する照明光との両方を利用して表示し、外光が得られないときは、前記照明光を利用して表示する。
【0028】
すなわち、この2ウエイ液晶表示装置は、外光の反射光だけでは充分な画面輝度が得られないときに、前記光照射手段から照明光を出射させて画面輝度を補うものであり、外光が存在する環境、つまり外光の強度に応じた強度の反射光が得られる環境において前記光照射手段から照明光を出射させると、前記外光の反射光に前記光照射手段からの照明光が重畳した強度の光が液晶表示素子にその背面から入射し、この液晶表示素子を透過して前方に出射する。
【0029】
この2ウエイ液晶表示装置によれば、外光の反射光だけでは充分な画面輝度が得られない環境下でも、前記光照射手段から照明光を出射させることにより画面輝度を補うことができるため、低照度から高照度の広い照度範囲の環境において使用することができ、また、前記光照射手段から照明光を出射させるのは、外光の反射光だけでは充分な画面輝度が得られないときだけであるため、消費電力が少なくてすむ。
【0030】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来の液晶表示装置に用いられている図5に示した液晶表示素子1は、各画素電極行ごとにその一側に沿わせてゲートライン11が配線されているため、このゲートライン11とそれに隣接する画素電極4の縁部との間に、前記ゲートライン11に供給されるゲートの電位と画素電極4の電位との差に応じた横方向の電界(以下、横電界という)が発生する。
【0031】
一方、前記液晶表示素子1の背面側基板3の内面に設けられた配向膜14は、前記ゲートライン11およびデータライン12や補償容量電極13の上に対応する部分が盛り上がった形状をなしており、そのため、この配向膜13の段差部に、ラビング不足による配向不良が発生し、この配向不良箇所の近傍の液晶分子が不規則に配向して、その付近の液晶分子の配向状態(ツイスト配向状態)が不安定になる。
【0032】
そして、液晶層中に液晶分子の配向状態が不安定になっている領域があると、前記ゲートライン11と画素電極4の縁部との間に横電界が生じたときに、不安定な配向状態にある液晶分子が簡単に横電界の影響を受けてその向きに配向し、それがきっかけとなって、その付近の領域、すなわち、ある程度以上の強さの横電界が作用する領域の液晶分子が、前記横電界の向きに沿って配向する。
【0033】
なお、横電界は、各画素電極列ごとにその一側に沿わせて配線されたデータライン12と画素電極4の縁部との間にも発生するが、前記データライン12に供給されるデータ信号の電位は前記ゲート信号の選択期間の電位(TFT5をオンさせる電位)に比べて低いため、前記データライン12と画素電極4の縁部との間に発生する横電界は極く小さく、したがって、データライン12と画素電極4の縁部との間に発生する横電界による液晶分子の配向変化はほとんどない。
【0034】
前記ゲートライン11と画素電極4の縁部との間に生じる横電界の向きは、ゲートライン11を境にしてその一方の側と他方の側とで互いに逆であり、したがって、ゲートライン11とその一方の側の画素電極4との間に生じる横電界による液晶分子の配向方向と、前記ゲートライン11とその他方の側の画素電極4との間に生じる横電界による液晶分子の配向方向とは互いに逆向きである。
【0035】
一方、前記横電界の影響を受けない領域での液晶分子の初期配向状態(画素電極4と対向電極との間に電圧を印加していないときの配向状態)を見ると、この領域の液晶分子は、背面側基板3の近傍では、この背面側基板3の配向膜13の膜面に対し、その配向処理方向3aに沿って前記配向処理方向3aの下流側(ラビング終了端側)の分子端が斜めに立ち上がるようにプレチルトした状態で一様に配向している。
【0036】
そのため、前記ゲートライン11とその一方の側の画素電極4との間に生じる横電界による液晶分子の配向方向は、前記配向膜13による配向方向とあまり変わらない方向であるが、前記ゲートライン11とその他方の側の画素電極4との間に生じる横電界による液晶分子の配向方向は、前記配向膜13による配向方向に対してほとんど逆の方向であり、したがってこの側に、前記横電界の影響領域とその外側の領域との境界において液晶分子の配向状態が逆になったディスクリネーションが生じる。
【0037】
この液晶分子の配向状態が逆になる境目は、ディスクリネーションラインと呼ばれており、例えば背面側基板3の配向膜14が画面の左上方向から右下方向に向かって斜めに配向処理されている場合は、図5に太い二点鎖線で示したように、各画素電極4の左上隅の縁部付近に対応する領域に各画素電極23の左上隅の縁部付近に対応する領域に、画素領域A内の左上隅部および隣り合う画素領域Aの間の領域を通るようにディスクリネーションラインDができる。
【0038】
すなわち、ゲートライン11と画素電極4との間に生じる横電界によるディスクリネーションは、各画素電極4の周縁部のうち、背面側基板3の配向膜14の配向処理方向3aの上流側(ラビング開始端側)の縁部付近に対応する領域に発生する。
【0039】
そのため、上記液晶表示素子1は、前記ディスクリネーションラインDに沿った異常表示を生じるという問題をもっている。この異常表示は、例えば一対の偏光板をその透過軸を互いにほぼ直交させて配置したノーマリーホワイトモードの液晶表示素子ではディスクリネーションラインDに沿った影である。
【0040】
このディスクリネーションによる異常表示を、上述した2ウエイ液晶表示装置について見ると、この2ウエイ液晶表示装置は、充分な明るさの外光が得られるときは、液晶表示素子の前方から入射する外光を前記液晶表示素子の背後に配置した光照射手段により反射させて外光を利用する表示を行ない、外光の明るさが不足するときに、前記光照射手段から照明光を出射させて画面輝度を補うものであり、外光を利用して表示するときは、液晶表示素子の前方から入射する外光の強度に応じた強度の反射光が前記液晶表示素子にその背面から入射し、この液晶表示素子を透過して前方に出射するため、前記ディスクリネーションによる異常表示は目立たない。
【0041】
しかし、前記光照射手段から照明光を出射させて画面輝度を補うときは、外光の反射光に、前記光照射手段からの照明光が重畳した強度の光が液晶表示素子にその背面から入射し、この液晶表示素子を透過して前方に出射するため、前記ディスクリネーションによる異常表示が目立ち、表示品質が低下する。
【0042】
この発明は、液晶表示素子の背後に配置した光照射手段から照明光を出射させて画面輝度を補うときも、前記液晶表示素子のゲートラインと画素電極との間に生じる横電界により発生するディスクリネーションによる異常表示が目立たない品質の良い表示を得ることができる2ウエイ型の液晶表示装置を提供することを目的としたものである。
【0043】
【課題を解決するための手段】
この発明の液晶表示装置は、
一対の基板間に液晶層を設けてなる液晶表示素子と、前記液晶表示素子の背後に配置され、照明光を前記液晶表示素子に向けて出射するとともに、前記液晶表示素子の前方から入射する外光を前記液晶表示素子に向けて反射する光照射手段とを備え、
前記液晶表示素子の一対の基板のうちの一方の基板の内面に、行方向および列方向にマトリックス状に配列する複数の画素電極と、前記複数の画素電極にそれぞれ接続された複数の薄膜トランジスタと、各画素電極行ごとにその一側に沿わせて配線され前記薄膜トランジスタにゲート信号を供給するゲートラインと、各画素電極列ごとにその一側に沿わせて配線され前記薄膜トランジスタにデータ信号を供給するデータラインと、前記各画素電極行ごとにその画素電極行に沿って配置され前記画素電極の縁部付近の領域に絶縁膜を介して対向して前記画素電極との間に補償容量を形成する補償容量電極と、所定方向に配向処理が施された配向膜とが設けられ、他方の基板の内面に、前記複数の画素電極に対向し、これらの画素領域との間に複数の画素領域を形成する対向電極と、所定方向に配向処理が施された配向膜とが設けられ
前記補償容量電極は、前記画素電極の側縁部付近および隣り合う画素電極の間の領域に対応する部分において、前記ゲートラインと前記画素電極との間に生じる横電界によりディスクリネーションラインが発生するディスクリネーション発生領域を覆う形状に屈曲させて形成され、前記ディスクリネーションラインから出射する前記照明光を遮るための遮光手段を形成していることを特徴とするものである。
また、この発明の液晶表示装置は、
一対の基板間に液晶層を設けてなる液晶表示素子と、前記液晶表示素子の背後に配置され、照明光を前記液晶表示素子に向けて出射するとともに、前記液晶表示素子の前方から入射する外光を前記液晶表示素子に向けて反射する光照射手段とを備え、
前記液晶表示素子の一対の基板のうちの一方の背面側基板の内面に、行方向および列方向にマトリックス状に配列する複数の画素電極と、前記複数の画素電極にそれぞれ接続された複数の薄膜トランジスタと、各画素電極行ごとにその一側に沿わせて配線され前記薄膜トランジスタにゲート信号を供給するゲートラインと、各画素電極列ごとにその一側に沿わせて配線され前記薄膜トランジスタにデータ信号を供給するデータラインと、前記各画素電極行ごとに配置され前記画素電極の縁部付近の領域に絶縁膜を介して対向して前記画素電極との間に補償容量を形成する補償容量電極と、所定方向に配向処理が施された配向膜とが設けられ、他方の前面側基板の内面に、前記複数の画素電極に対向し、これらの画素領域との間に複数の画素領域を形成する対向電極と、所定方向に配向処理が施された配向膜と、前記薄膜トランジスタおよび前記補償容量電極にそれぞれ対応する遮光膜と、この遮光膜と一体に形成され、前記ゲートラインと前記画素電極との間に生じる横電界によりディスクリネーションラインが発生するディスクリネーション発生領域を覆う遮光膜とが設けられていることを特徴とするものである。
【0044】
この発明の液晶表示装置によれば、少なくとも前記光照射手段から出射して前記液晶表示素子に入射した照明光のうちの前記ゲートラインと前記画素電極との間に生じる横電界によるディスクリネーションの発生領域に入射した光が、補償容量電極を屈曲させて形成された遮光手段により遮られるため、前記光照射手段から照明光を出射させて画面輝度を補うときも、前記液晶表示素子のゲートラインと画素電極との間に生じる横電界により発生するディスクリネーションによる異常表示が目立たない品質の良い表示を得ることができる。
【0045】
【発明の実施の形態】
この発明は、上記のように、液晶表示素子の背後に、照明光を前記液晶表示素子に向けて出射するとともに前記液晶表示素子の前方から入射する外光を前記液晶表示素子に向けて反射する光照射手段を配置した2ウエイ型の液晶表示装置において、前記液晶表示素子のいずれかの基板の内面に、ゲートラインと画素電極との間に生じる横電界によるディスクリネーションの発生領域に対応させて、補償容量電極を屈曲させて形成され、前記光照射手段から出射して前記液晶表示素子に入射した照明光を遮るための遮光手段を設けることにより、前記光照射手段から照明光を出射させて画面輝度を補うときも、前記液晶表示素子のゲートラインと画素電極との間に生じる横電界により発生するディスクリネーションによる異常表示が目立たない品質の良い表示を得るようにしたものである。
【0047】
また、この発明において、前記遮光手段を、前記薄膜トランジスタおよび前記補償容量電極にそれぞれ対応する遮光膜と、この遮光膜と一体に形成され、前記ゲートラインと前記画素電極との間に生じる横電界によりディスクリネーションラインが発生するディスクリネーション発生領域を覆う遮光膜とにより構成してもよく、このようにすることにより、前記光照射手段から出射して前記液晶表示素子に入射した照明光のうちの前記ディスクリネーション発生領域に入射した光も、液晶表示素子の前方から入射する外光のうちの前記ディスクリネーション発生領域に入射した光も、前記遮光膜により遮ることができる。
【0048】
そのため、前記光照射手段から照明光を出射させて画面輝度を補うときの、前記液晶表示素子のゲートラインと画素電極との間に生じる横電界により発生するディスクリネーションによる異常表示を目立たなくするとともに、外光を利用する表示を行なうときの前記ディスクリネーションによる異常表示をさらに目立たなくすることができる。
【0051】
また、この発明の液晶表示装置において、前記液晶表示素子をカラー画像表示素子とする場合は、前記液晶表示素子のいずれかの基板の内面に、前記画素領域の面積よりも小さい面積を有する複数の色の着色膜を、前記複数の画素領域の周縁領域を除く中央領域にそれぞれ対応させて設けるのが好ましい。
【0052】
このような構成によれば、前記液晶表示素子の複数の画素領域を透過する光のうち、前記着色膜に対応する中央領域を透過する光だけが、前記着色膜によりその吸収波長帯域の波長成分の光を吸収されて着色光となり、前記着色膜に対応しない周縁領域を透過する光は、着色膜による吸収を受けずに、非着色光のまま液晶表示素子を透過するため、前記液晶表示素子の各画素領域から前方に出射する光により表示される各色のカラー画素は、その画素領域に対応する着色膜の色に着色し、しかもその明るさを、前記着色膜での吸収による輝度低下のない非着色光により底上げされた画素であり、そのため、画素領域の全域から着色膜により着色された着色光を出射させる場合に比べて、はるかに明るいカラー画像を表示することができる。
【0053】
また、前記ゲートラインと画素電極との間に生じる横電界によるディスクリネーションは、各画素電極の周縁部のうち、前記画素電極を形成した基板の配向膜の配向処理方向の上流側(ラビング開始端側)の縁部付近に対応する領域に発生するため、上記のように画素領域の面積よりも小さい面積を有する複数の色の着色膜を複数の画素領域の周縁領域を除く中央領域にそれぞれ対応させて設けると、各画素領域の非着色光が出射する周縁領域に前記ディスクリネーションが発生するが、上述したように、少なくとも前記光照射手段から出射して前記液晶表示素子に入射した照明光のうちの前記ディスクリネーション発生領域に入射した光が前記遮光手段により遮られるため、前記ディスクリネーションによる異常表示が目立たない品質の良い表示を得ることができる。
【0054】
【実施例】
図1および図2はこの発明の第1の実施例を示しており、図1は本実施例の液晶表示装置に用いた液晶表示素子の一部分の正面図、図2は図1のII−II線に沿った液晶表示装置の拡大断面図である。
【0055】
この実施例の液晶表示装置は、図2に示すように、液晶表示素子20と、この液晶表示素子20の背後に配置された光照射手段43とを備えている。
【0056】
前記光照射手段43は、照明光を前記液晶表示素子20に向けて出射するとともに、前記液晶表示素子20の前方から入射する外光を前記液晶表示素子に向けて反射するものであり、バックライト44の前面に半透過反射板45を配置して構成されている。
【0057】
なお、前記バックライト44は、例えば、少なくとも一端面を入射端面とし、前記入射端面から照明光を取り込んで前面全体から出射面する導光板と、この導光板の入射端面に対向させて配置された光源ランプとからなる、一般にサイドランプ型と呼ばれるものであり、半透過反射板45は、前記導光板の前面に貼付けられている。
【0058】
次に、前記液晶表示素子20について説明すると、この液晶表示素子は、フルカラー画像等の多色カラー画像を表示するアクティブマトリックス型のものである。
【0059】
この液晶表示素子20は、図示しない枠状シール材を介して接合された前面側および背面側の一対の透明基板21,22間に液晶層40を設けたものであり、前記一対の基板21,22のうちの一方の基板、例えば背面側基板22の内面には、行方向および列方向にマトリックス状に配列する複数の透明な画素電極23と、前記複数の画素電極23にそれぞれ接続された複数のTFT(薄膜トランジスタ)24と、各画素電極行ごとにその一側に沿わせて配線され前記TFT24にゲート信号を供給するゲートライン30と、各画素電極列ごとにその一側に沿わせて配線され前記TFT24にデータ信号を供給するデータライン31と、前記各画素電極行ごとに配置され前記画素電極4の縁部付近の領域に絶縁膜(TFT24のゲート絶縁膜26)を介して対向して前記画素電極3との間に補償容量を形成する補償容量電極32とが設けられ、その上に配向膜34が形成されている。
【0060】
前記TFT24は、基板22上に形成されたゲート電極25と、このゲート電極25を覆って設けられたゲート絶縁膜26と、このゲート絶縁膜26の上に前記ゲート電極25に対応させて設けられたi型半導体膜27と、このi型半導体膜27の両側部の上に図示しないn型半導体膜を介して形成されたソース電極28およびドレイン電極29とからなっている。
【0061】
また、前記ゲートライン30と補償容量電極32は、前記基板23上に設けられており、前記TFT24のゲート電極25は、前記ゲートライン30に一体に形成されている。
【0062】
前記ゲートライン30と補償容量電極32は、例えばアルミニユム系合金等の低抵抗金属膜で形成されており、このゲートライン30と補償容量電極32は、画素電極23やデータライン31との間の絶縁耐圧を高くするために、その表面を陽極酸化処理されている。
【0063】
また、前記TFT24のゲート絶縁膜(透明膜)26は、基板23のほぼ全面にわたって設けられており、前記ゲートライン30と補償容量電極32は、その端子部を除いて前記ゲート絶縁膜26により覆われている。
【0064】
そして、前記複数の画素電極23は、前記ゲート絶縁膜26の上に設けられており、これらの画素電極23はそれぞれ、その一端側の縁部において対応するTFT24のソース電極28に接続されている。
【0065】
また、前記補償容量電極32は、各行の画素電極23のTFT接続側とは反対側の端縁部付近に対向させて前記ゲートライン30とほぼ平行に設けられており、この補償容量電極32と前記画素電極23とその間のゲート絶縁膜26とにより補償容量が形成されている。
【0066】
さらに、前記データライン31は、例えばアルミニユム系合金等の低抵抗の金属膜で形成されており、このデータライン31は、前記ゲート絶縁膜26の上に設けられ、前記TFT24のソース電極28は前記画素電極23に接続され、ドレイン電極29は前記データライン31につながっている。
【0067】
なお、この実施例ではデータライン31をゲート絶縁膜26の上に配線し、各列のTFT24のドレイン電極29をそれぞれ、その列に対応するデータライン31に一体に形成しているが、前記データライン31は、前記TFT24を層間絶縁膜で覆ってその上に配線し、前記層間絶縁膜に設けたコンタクト孔において前記TFT24のドレイン電極29に接続してもよい。
【0068】
そして、前記背面側基板23の内面には、前記TFT24およびデータライン311と画素電極23の周縁部を覆う透明なオーバーコート絶縁膜33が設けられており、その上に、基板3のほぼ全面にわたって配向膜34が設けられている。この配向膜34は、その膜面を所定方向にラビングすることにより配向処理されている。図1において、実線矢印22aは前記配向膜34の配向処理方向を示している。
【0069】
また、他方の基板である前面側基板21の内面には、前記複数の画素電極23の全てに対向し、これらの画素領域23との間に複数の画素領域A′を形成する一枚膜状の透明な対向電極35と、前記複数の画素電極23と前記対向電極35とが互いに対向する複数の画素領域A′にそれぞれ対向する複数の色の着色膜、例えば赤、緑、青の3色のカラーフィルタ36R,36G,36Bと、前記複数のTFT24と前記補償容量電極32にそれぞれ対応する遮光膜37,38とが設けられており、その上に配向膜39が形成されている。なお、図1では、前記遮光膜37,38を区別しやすくするために、遮光膜部分に平行斜線を施している。
【0070】
前記赤、緑、青の3色のカラーフィルタ36R,36G,36Bは、前記画素領域A′の面積よりも小さい面積を有しており、これらのカラーフィルタ36R,36G,36Bはそれぞれ、前記複数の画素領域A′の周縁領域を除く中央領域にそれぞれ対応させて設けられている。なお、この実施例では、各画素領域A′のうちの前記補償容量電極32が通っている領域よりも内側の領域に前記カラーフィルタ36R,36G,36Bを対応させている。
【0071】
また、前記遮光膜37,38は、クロム等の光吸収性をもった金属膜からなっており、前記TFT24に対応する遮光膜37はTFT部分全体を覆う面積に形成され、補償容量電極32に対応する遮光膜38は、前記補償容量電極32のほぼ全長にわたって、この補償容量電極32とほぼ同じ幅またはそれより僅かに狭い幅に形成されている。
【0072】
そして、この実施例では、前記赤、緑、青の3色のカラーフィルタ36R,36G,36Bと前記遮光膜37,38とを前面側基板2上に設け、その上に前記対向電極35を形成して、その上に配向膜39を設けている。この配向膜39は、その膜面のラビングにより所定方向に配向処理されている。図1において、破線矢印21aは前面側基板21の配向膜39の配向処理方向を示している。
【0073】
この液晶表示素子20は、TN(ツイステッド・ネマティック)方式のものであり、一対の基板21,22間に設けられた液晶層40の液晶分子は、両基板21,22間においてツイスト配向しており、また、前記一対の基板21,22の外面にはそれぞれ偏光板41,42が配置されている。
【0074】
この実施例では、図1に示したように、前記液晶表示素子20の前面側基板21の配向膜39と、背面側基板22の配向膜34とを、互いにほぼ直交する方向に配向処理しており、前記液晶層の液晶分子は、両基板21,22の近傍における配向方向を前記配向膜39,34で規制され、両基板21,22間においてほぼ90度のツイスト角でツイスト配向している。
【0075】
また、この液晶表示素子20はノーマリーホワイトモードのものであり、両基板21,22の外面にそれぞれ配置された一対の偏光板41,42は、その透過軸を互いにほぼ直交させて設けられている。
【0076】
ところで、前記液晶表示素子20の背面側基板22の内面に設けられた配向膜34は、図2に示したように、ゲートライン30およびデータライン31や補償容量電極32の上に対応する部分が盛り上がった形状をなしており、そのため、この配向膜34の段差部に、ラビング不足による配向不良が発生し、この配向不良箇所の近傍の液晶分子が不規則に配向して、その付近の液晶分子の配向状態(ツイスト配向状態)が不安定になる。
【0077】
そして、液晶層中に液晶分子の配向状態が不安定になっている領域があると、前記ゲートライン30と画素電極23の縁部との間に横電界が生じたときに、不安定な配向状態にある液晶分子が簡単に横電界の影響を受けてその向きに配向し、それがきっかけとなって、その付近の領域、すなわち、ある程度以上の強さの横電界が作用する領域の液晶分子が前記横電界の向きに沿って配向し、[発明が解決しようとする課題]の項で説明したように、各画素電極23の周縁部のうち、背面側基板22の配向膜34の配向処理方向22aの上流側(ラビング開始端側)の縁部付近に対応する領域に、前記横電界の影響領域とその外側の領域との境界において液晶分子の配向状態が逆になったディスクリネーションが発生し、この液晶分子の配向状態が逆になる境目、つまりディスクリネーションラインD′に沿った異常表示が生じる。
【0078】
そのため、この実施例では、前記補償容量電極32を前記ゲートライン30と画素電極23との間に生じる横電界によるディスクリネーションの発生領域を覆う形状に形成し、この補償容量電極32により、前記光照射手段43から出射して液晶表示素子20に入射した照明光を遮るための遮光手段を構成している。
【0079】
前記ディスクリネーションラインD′ができる箇所は、背面側基板22の配向膜34の配向処理方向22aに応じて異なり、前記配向膜34が図1に示したように画面の左上方向から右下方向に向かって斜めに配向処理されている場合は、図1に太い二点鎖線で示したように、各画素電極23の左上隅の縁部付近に対応する領域に、画素領域A′内の左上隅部および隣り合う画素領域A′の間の領域を通るようにディスクリネーションラインD′ができる。
【0080】
そこで、この実施例では、図1に示したように、前記補償容量電極32の各画素電極23の側縁部付近および隣り合う画素電極23間の領域に対応する部分32aを、前記ディスクリネーション発生領域を前記ディスクリネーションラインD′ができる領域を含んで覆うように屈曲させた形状に形成している。
【0081】
さらに、この実施例では、前記補償容量電極32に対応する遮光膜38を、前記補償容量電極32の屈曲部32aに沿わせて屈曲させた形状に形成し、液晶表示素子20の前方から前記ディスクリネーションラインの発生領域に入射する外光を前記遮光膜38により遮るようにしている。
【0082】
この液晶表示装置は、充分な明るさの外光が得られるときは前記光照射手段43から照明光を出射させずに外光を利用して表示し、外光の明るさが不足するときに前記光照射手段43から照明光を出射させて表示する2ウエイ型のものであり、外光は得られるがその強度が不足するときは、前記光照射手段43による外光の反射光と、前記光照射手段43が出射する照明光との両方を利用して表示し、外光が得られないときは、前記照明光を利用して表示する。
【0083】
まず、外光を利用する表示について説明すると、このときは、前記液晶表示素子20の前方から入射する外光が、液晶表示素子20の前面側偏光板41によりその吸収軸に沿った偏光成分の光を吸収され、この前面側偏光板41の透過軸に沿った直線偏光となって液晶表示素子20に入射する。
【0084】
前面側偏光板41を透過して液晶表示素子20の各画素領域A′に入射した外光(直線偏光)は、液晶層40を透過する過程で、画素電極23と対向電極35との間に印加される電圧により変化する液晶分子の配向状態に応じた複屈折作用を受けて旋光し、その光のうちの背面側偏光板42の透過軸に沿った偏光成分の光がこの背面側偏光板42を透過して液晶表示素子20の背面に出射する。
【0085】
そして、液晶表示素子20の背面に出射した光は、前記光照射手段43の前面の半透過反射板45により反射されて前記液晶表示素子20にその背面から入射し、この液晶表示素子20の前面から前方に出射する。
【0086】
また、前記液晶表示素子20は上述したようにノーマリーホワイトモードのものであるため、その各画素領域A′の間の領域、つまり液晶分子がほぼ初期配向状態にある領域(以下、画素間領域という)に入射した光は、液晶層40を透過する過程でほぼ90度旋光し、その光のほとんどが背面側偏光板42を透過して液晶表示素子20の背面に出射し、その光が、前記光照射手段43の前面の半透過反射板45により反射されて前記液晶表示素子20にその背面から入射し、この液晶表示素子20の前面から前方に出射する。
【0087】
なお、前記液晶表示素子20の前方から前記画素間領域に入射した光のうち、ゲートライン30およびデータライン31が通っている部分に入射した光は、背面側基板22の内面において前記ゲートライン30およびデータライン31により反射され、背面側偏光板42を通らずに液晶表示素子20の前方に出射する。
【0088】
また、前記液晶表示素子20の前方から入射した外光のうち、前面側基板21の内面に前記TFT24および補償容量電極32にそれぞれ対応させて設けられた遮光膜37,38部分に入射した光は、これらの遮光膜37,38により吸収される。
【0089】
次に、前記光照射手段43が出射する照明光を利用する表示について説明すると、前記光照射手段43は、バックライト44を点灯させることにより、このバックライト44の前面から出射する照明光を、その前面に設けられた半透過反射板45を透過させて液晶表示素子20に向けて出射するものであり、この光照射手段43からの照明光は、液晶表示素子20にその背面から入射する。
【0090】
前記液晶表示素子20にその背面から入射した照明光は、液晶表示素子20の背面側偏光板42によりその吸収軸に沿った偏光成分の光を吸収され、この背面側偏光板42透過軸に沿った直線偏光となって液晶表示素子20に入射する。
【0091】
そして、背面偏光板42を透過して液晶表示素子20の各画素領域A′に入射した照明光(直線偏光)は、液晶層40を透過する過程で、画素電極23と対向電極35との間に印加される電圧により変化する液晶分子の配向状態に応じた複屈折作用を受けて旋光し、その光のうちの前面側偏光板41の透過軸に沿った偏光成分の光がこの前面側偏光板41を透過して液晶表示素子20の前面から前方に出射する。
【0092】
また、前記液晶表示素子20はノーマリーホワイトモードのものであり、液晶分子がほぼ初期配向状態にある画素間領域に入射した光は、液晶層40を透過する過程でほぼ90度旋光し、その光のほとんどが前面側偏光板41を透過して液晶表示素子20の前方に出射する。
【0093】
なお、前記液晶表示素子20の背面から前記画素間領域に入射した光のうち、ゲートライン30およびデータライン31と補償容量電極32が通っている部分に入射した光は、背面側基板22の内面において前記ゲートライン30およびデータライン31と補償容量電極32により背面方向に反射され、また、TFT24が設けられている部分に入射した照明光は、背面側基板22の内面において前記TFT24のゲート電極25またはソース,ドレイン電極28,29により背面側に反射されるか、あるいは前面側基板21の内面において前記TFT24に対応する遮光膜37により吸収される。
【0094】
前記光照射手段43からの照明光を利用する表示は、外光の明るさが不足するとき、つまり前記光照射手段43による外光の反射光だけでは充分な画面輝度が得られないときに行なわれる。
【0095】
すなわち、この液晶表示装置は、前記光照射手段43による外光の反射光だけでは充分な画面輝度が得られないときに、前記光照射手段43から照明光を出射させて画面輝度を補うものであり、外光が存在する環境、つまり外光の強度に応じた強度の反射光が得られる環境において前記光照射手段43から照明光を出射させると、前記外光の反射光に前記光照射手段43からの照明光が重畳した強度の光が液晶表示素子20にその背面から入射し、この液晶表示素子20を透過して前方に出射する。
【0096】
この液晶表示装置によれば、外光の反射光だけでは充分な画面輝度が得られない環境下でも、前記光照射手段43から照明光を出射させることにより画面輝度を補うことができるため、低照度から高照度の広い照度範囲の環境において使用することができ、また、前記光照射手段43から照明光を出射させるのは、外光の反射光だけでは充分な画面輝度が得られないときだけであるため、消費電力が少なくてすむ。
【0097】
また、上記液晶表示装置に用いた液晶表示素子20は、前面側基板21の内面に、赤、緑、青のカラーフィルタ36R,36G,36Bを各画素領域A′にそれぞれ対向させて設けたカラー画像表示素子であるが、この実施例では、前記赤、緑、青のカラーフィルタ36R,36G,36Bの面積を前記画素領域A′の面積よりも小さくし、これらのカラーフィルタ36R,36G,36Bを、複数の画素領域A′の周縁領域を除く中央領域にそれぞれ対応させているため、外光を利用して表示するときも、前記光照射手段43から照明光を出射させて画面輝度を補うときも、明るいカラー画像を表示することができる。
【0098】
すなわち、この実施例では、前記カラーフィルタ36R,36G,36Bの面積が前記画素領域A′の面積よりも小さく、これらのカラーフィルタ36R,36G,36Bが複数の画素領域A′の周縁領域を除く中央領域にそれぞれ対応しているため、液晶表示素子20の複数の画素領域A′を透過する光のうち、前記カラーフィルタ36R,36G,36Bに対応する中央領域aを透過する光だけが、カラーフィルタ36R,36G,36Bによりその吸収波長帯域の波長成分の光を吸収されて着色光となり、前記カラーフィルタ36R,36G,36Bに対応しない周縁領域bを透過する光は、カラーフィルタ36R,36G,36Bによる吸収を受けずに、非着色光のまま液晶表示素子20を透過する。
【0099】
そのため、前記液晶表示素子20の各画素領域A′から前方に出射する光により表示される各色のカラー画素は、その画素領域A′に対応するカラーフィルタ36R,36G,36Bの色に着色し、しかもその明るさを、前記カラーフィルタ36R,36G,36Bでの吸収による輝度低下のない非着色光により底上げされた明るい画素である。
【0100】
そして、前記各画素領域A′のカラーフィルタ36R,36G,36Bに対応する中央領域の光の透過率と、カラーフィルタ36R,36G,36Bに対応しない周縁領域の光の透過率は、画素電極23と対向電極35との間に印加される電圧による液晶分子の配向状態の変化に応じて変化するため、各画素領域A′の電極23,35間に印加する電圧を制御することにより、各画素領域A′から出射する着色光と非着色光の両方の輝度を制御し、各画素領域A′から出射する赤、緑、青のカラー画素の明るさを変化させて、フルカラー画像を表示することができる。
【0101】
したがって、前記液晶表示素子20は、画素領域の全域からカラーフィルタにより着色された着色光を出射させるものに比べて、はるかに明るいカラー画像を表示することができる。
【0102】
しかも、前記液晶表示素子20は、ノーマリーホワイトモードのものであり、また、各画素領域A′の間の画素間領域にはカラーフィルタ36R,36G,36Bが対応していないため、前記画素間領域のうちの前記TFT24および補償容量電極32にそれぞれ対応する遮光膜37,38部分以外の領域から常にカラーフィルタ36R,36G,36Bでの吸収による輝度低下のない非着色光を出射させて、さらに画面を明るくすることができる。
【0103】
なお、上記液晶表示装置は、液晶表示素子20の各画素領域A′から、カラーフィルタ36R,36G,36Bによりその吸収波長帯域の波長成分の光を吸収された着色光と、前記カラーフィルタ36R,36G,36Bによる吸収を受けない非着色光とを出射させるようにしたものであるが、外光を利用する表示のときは、液晶表示素子20の補償容量電極32に対応する部分に入射した光が前記補償容量電極32に対応する遮光膜38により遮られてその領域が行方向に沿ったブラックストライプとなって見え、また、光照射手段43が出射する照明光を利用する表示のときは、液晶表示素子20の背面から画素間領域に入射した光のうちのゲートライン30およびデータライン31と補償容量電極32が通っている領域に入射した光が背面方向に反射されてその部分が行方向および列方向に沿ったブラックマトリックスとなって見えるため、いずれの表示のときも、鮮明なカラー画像を表示することができる。
【0104】
一方、上述したゲートライン30と画素電極23との間に生じる横電界によるディスクリネーションは、各画素電極23の周縁部のうち、前記画素電極23を形成した背面側基板22の配向膜34の配向処理方向22aの上流側(ラビング開始端側)の縁部付近に対応する領域に発生する。
【0105】
そして、この実施例では、画素領域A′の面積よりも小さい面積を有するカラーフィルタ36R,36G,36Bを複数の画素領域A′の周縁領域bを除く中央領域aにそれぞれ対応させて設けているため、ゲートライン30と画素電極23との間に生じる横電界により発生するディスクリネーションが、各画素領域A′の非着色光が出射する周縁領域bに発生する。
【0106】
しかし、この実施例では、前記補償容量電極32の各画素電極23の側縁部付近および隣り合う画素電極23間の領域に対応する部分32aを、前記ディスクリネーション発生領域をディスクリネーションラインD′ができる領域を含んで覆う形状に屈曲させた形状に形成するとともに、前記補償容量電極32に対応する遮光膜38を、前記補償容量電極32の屈曲部32aに沿わせて屈曲させた形状に形成しているため、外光を利用して表示するときも、光照射手段43から照明光を出射させて画面輝度を補うときも、前記ディスクリネーションラインD′に沿った異常表示はほとんど目立たない。
【0107】
すなわち、外光を利用する表示のときは、上述したように、液晶表示素子20の補償容量電極32に対応する部分に入射した光が前記遮光膜38により遮られてその領域が行方向に沿ったブラックストライプとなって見えるが、この実施例では、前記遮光膜38を前記補償容量電極32の屈曲部32aに沿わせて屈曲させた形状に形成しているため、前記ディスクリネーションラインD′に沿った異常表示は、前記ブラックストライプに隠れてほとんど目立たない。
【0108】
また、光照射手段43が出射する照明光を利用する表示のときは、液晶表示素子20の背面から画素間領域に入射した光のうちのゲートライン30およびデータライン31と補償容量電極32が通っている部分に入射した光が背面方向に反射されてその部分が行方向および列方向に沿ったブラックマトリックスとなって見えるが、この実施例では、前記補償容量電極32を、各画素電極23の側縁部付近および隣り合う画素電極23間の領域に対応する部分32aを前記ディスクリネーションラインD′が生じる領域を通るように屈曲させた形状に形成しているため、前記ディスクリネーションラインD′に沿った異常表示は、前記ブラックマトリックスに隠れてほとんど目立たない。
【0109】
なお、図1に示したように、前記補償容量電極32とそれに対応する遮光膜38は、画素電極23のTFT接続側とは反対側の端縁から若干画素電極23内側に入り込んだ部分に対向しているため、この補償容量電極32および遮光膜38とゲートライン30との間の領域に前記ディスクリネーションラインD′に沿った異常表示が生じるが、その異常表示の長さは極く短いため、人間の眼にはほとんど見えない。
【0110】
したがって、上記液晶表示装置によれば、外光を利用して表示するときも、光照射手段43から照明光を出射させて画面輝度を補うときも、液晶表示素子20のゲートライン30と画素電極23との間に生じる横電界により発生するディスクリネーションによる異常表示が目立たない品質の良い表示を得ることができる。
【0111】
しかも、上記実施例では、前記液晶表示素子20の一方の基板(上記実施例では背面側基板)22の内面に設ける補償容量電極32を、前記ディスクリネーションの発生領域を覆う形状に形成し、この補償容量電極32により、前記光照射手段43から出射して液晶表示素子20に入射した照明光のうちの前記ディスクリネーションの発生領域に入射した光を遮る遮光手段を構成しているため、前記液晶表示素子20の構造を複雑化させることなく、前記ディスクリネーションによる異常表示を目立たなくすることができる。
【0112】
なお、上記実施例では、前記補償容量電極32に対応する遮光膜38を、前記補償容量電極32の屈曲部32aに沿わせて屈曲させた形状に形成することにより、外光を利用する表示のときの前記ディスクリネーションラインD′に沿った異常表示もほとんど目立たなくしているが、[発明が解決しようとする課題]の項でも説明したように、外光を利用して表示するときは、液晶表示素子20の前方から入射する外光の強度に応じた強度の反射光が前記液晶表示素子20にその背面から入射し、この液晶表示素子20を透過して前方に出射するため、前記ディスクリネーションによる異常表示は目立たないから、前記遮光膜38は、ディスクリネーションの発生領域を覆うように形成しなくてもよい。
【0113】
図3はこの発明の第2の実施例を示す、液晶表示装置に用いた液晶表示素子の一部分の正面図である。
【0114】
この実施例は、液晶表示素子20のゲートライン30と画素電極23との間に生じる横電界によるディスクリネーションの発生領域に対応させて設ける遮光手段を、前記液晶表示素子20の前面側基板21の内面に、前記ディスクリネーション発生領域に対応させて遮光膜37aを設けることにより構成したものであり、この実施例では、前記ディスクリネーション発生領域に対応する遮光膜37aを、前記前面側基板21の内面に背面側基板22の複数のTFT24および補償容量電極32にそれぞれ対応させて設けた遮光膜37,38に一体に形成している。
【0115】
すなわち、この実施例では、前記複数のTFT24をそれぞれ、そのTFT24とゲートライン30をはさんで隣り合う画素領域A′のディスクリネーション発生領域の近傍に設け、これらのTFT24にそれぞれ対応する前記遮光膜37を、前記ゲートライン30をはさんで隣り合う画素領域A′に延長させてその画素領域A′の補償容量電極32に対応する遮光膜38に一体につながった形状に形成し、前記TFT24に対応する遮光膜37の延長部、つまり前記補償容量電極32に対応する遮光膜38につながる領域を、前記ディスクリネーションの発生領域をディスクリネーションラインD′ができる領域を含んで覆う遮光膜37aとしている。
【0116】
なお、この実施例は、液晶表示素子20の前面側基板21の内面に前記ディスクリネーション発生領域に対応する遮光膜37aを設けたものであり、前記液晶表示素子20の補償容量電極32およびそれに対応する遮光膜38は直線状に形成しているが、他の構成は図1および図2に示した第1の実施例の液晶表示装置と同じであるから、重複する説明は図に同符号を付して省略する。
【0117】
この実施例によれば、光照射手段43(図2参照)から出射して液晶表示素子20に入射した照明光のうちの前記ディスクリネーション発生領域に入射した光も、液晶表示素子20の前方から入射する外光のうちの前記ディスクリネーション発生領域に入射した光も、前記ディスクリネーション発生領域に対応する遮光膜37aにより遮ることができる。
【0118】
この実施例では、前記補償容量電極32およびそれに対応する遮光膜38が前記ディスクリネーション発生領域を横切っているため、前記光照射手段43から出射して液晶表示素子20に入射した照明光のうちの前記ディスクリネーション発生領域に入射した光は、前記ディスクリネーション発生領域に対応する遮光膜37aと前記補償容量電極32とにより遮られ、また、液晶表示素子20の前方から入射する外光のうちの前記ディスクリネーション発生領域に入射した光は、前記ディスクリネーション発生領域に対応する遮光膜37aと前記補償容量電極32に対応する遮光膜38とにより遮られる。
【0119】
なお、この実施例では、前記補償容量電極32およびそれに対応する遮光膜38を直線状に形成しているため、前記ディスクリネーションラインD′が補償容量電極32および遮光膜38の画素領域A′内側の側縁(図3において下側縁)よりも外方に延び出すようにできると、そのディスクリネーションラインD′に沿った異常表示が生じるが、その異常表示の長さは極く短いため、人間の眼にはほとんど見えない。
【0120】
そのため、この実施例によれば、前記光照射手段43から照明光を出射させて画面輝度を補うときの、前記液晶表示素子20のゲートライン30と画素電極23との間に生じる横電界によりより発生するディスクリネーションによる異常表示を目立たなくするとともに、外光を利用する表示を行なうときの前記ディスクリネーションによる異常表示をさらに目立なくすることができる。
【0121】
また、この実施例では、前記ディスクリネーション発生領域に対応する遮光膜37aを、液晶表示素子20の前面側基板21の内面に背面側基板22の複数のTFT24および補償容量電極32にそれぞれ対応させて設けた遮光膜37,38に一体に形成しているため、前記TFT24および補償容量電極32に対応する遮光膜37および38と前記ディスクリネーション発生領域に対応する遮光膜37aとを容易に形成することができる。
【0122】
図4は、参考例を示す、液晶表示装置に用いた液晶表示素子の一部分の正面図である。
【0123】
この参考例は、液晶表示素子20のゲートライン30と画素電極23との間に生じる横電界によるディスクリネーションの発生領域に対応させて設ける遮光手段を、前記液晶表示素子20の背面側基板21の内面に設けた複数のTFT24のソース電極28により構成したものである。
【0124】
すなわち、この参考例では、ゲート電極25と、ゲート絶縁膜26と、i型半導体膜27と、ソース電極28およびドレイン電極29とからなる複数のTFT24をそれぞれ、そのTFT24とゲートライン30をはさんで隣り合う画素領域A′のディスクリネーション発生領域の近傍に設け、これらのTFT24のソース電極28を前記ゲートライン30をはさんで隣り合う画素領域A′に対応する画素電極23に接続するとともに、このソース電極28を、前記ディスクリネーション発生領域をディスクリネーションラインD′ができる領域を含んで覆う形状に形成することにより、光照射手段43(図2参照)から出射して前記液晶表示素子20に入射した照明光を遮るための遮光手段を構成している。
【0125】
この参考例では、補償容量電極32およびそれに対応する遮光膜38を直線状に形成し、前記TFT24のソース電極28を、その先端縁が前記補償容量電極32および遮光膜38の側縁にラップするように形成している。
【0126】
なお、この参考例は、ディスクリネーション発生領域に対応させて設ける遮光手段を複数のTFT24のソース電極28により構成したものであり、また、液晶表示素子20の補償容量電極32およびそれに対応する遮光膜38を直線状に形成しているが、他の構成は図1および図2に示した第1の実施例の液晶表示装置と同じであるから、重複する説明は図に同符号を付して省略する。
【0127】
この参考例によれば、前記光照射手段43から出射して前記液晶表示素子20に入射した照明光のうちの前記ディスクリネーション発生領域に入射した光を前記TFT24のソース電極28により遮ることができるため、前記光照射手段43から照明光を出射させて画面輝度を補うときも、前記液晶表示素子20のゲートライン30と画素電極23との間に生じる横電界により発生すディスクリネーションによる異常表示が目立たない品質の良い表示を得ることができる。
【0128】
なお、この参考例では、前記補償容量電極32が前記ディスクリネーション発生領域を横切っており、前記TFT24のソース電極28が、その先端縁が前記補償容量電極32および遮光膜38の側縁にラップするように形成されているため、前記光照射手段43から出射して液晶表示素子20に入射した照明光のうちの前記ディスクリネーション発生領域に入射した光は、前記ソース電極28と前記補償容量電極32とにより遮られる。
【0129】
また、この参考例では、前記補償容量電極32を直線状に形成しているため、前記ディスクリネーションラインD′が補償容量電極32および遮光膜38の画素領域A′内側の側縁(図3において下側縁)よりも外方に延び出すようにできると、そのディスクリネーションラインD′に沿った異常表示が生じるが、その異常表示の長さは極く短いため、人間の眼にはほとんど見えない。
【0130】
さらに、この参考例では、液晶表示素子20の前方から前記ディスクリネーション発生領域に入射した外光のうち、前記補償容量電極32に対応する遮光膜38により遮られることなく入射した光が、前記TFT24のソース電極28により反射されて液晶表示素子20の前方に出射するが、上述したように、外光を利用して表示するときは前記ディスクリネーションによる異常表示は目立たない。
【0131】
なお、上記各実施例で用いた液晶表示素子20は、行方向に赤,緑,青の画素を表示するための画素領域A′を交互に配列し、列方向に同じ色の画素を表示するための画素領域A′を直線状に配列したものであるが、前記液晶表示素子20は、同じ色の画素を表示するための画素領域A′を各行ごとに行方向にほぼ1.5ピッチずつ交互にずらしてジグザグに配列した、いわゆるデルタ配列(モザイク配列ともいう)タイプのものでもよい。
【0132】
また、前記液晶表示素子20は、上記実施例の構成のものに限らず、画素電極23、TFT24、ゲートライン30、データライン31および補償容量電極32を前面側基板21の内面に設け、カラーフィルタ36R,36G,36Bおよび前記TFT24および補償容量電極32に対応する遮光膜37、38と対向電極画35を背面側基板22の内面に設けたものでもよい。
【0133】
さらに、上記実施例では、前記カラーフィルタ36R,36G,36Bを画素領域A′の面積よりも小さく形成しているが、このカラーフィルタ36R,36G,36Bは、画素領域A′とほぼ同じ面積に形成してもよく、また、液晶表示素子20は、カラーフィルタ等の着色膜を備えない白黒画像表示素子でもよい。
【0134】
また、上記実施例では、図2に示したように、液晶表示素子20の背後に配置する光照射手段43を、バックライト44の前面に半透過反射板45を配置して構成しているが、この光照射手段43は、照明光を前記液晶表示素子20に向けて出射するとともに、前記液晶表示素子20の前方から入射する外光を前記液晶表示素子に向けて反射するものであれば、例えば特願平10−120978号に記載されているような、前面を階段形状面に形成するとともにその複数の段面にそれぞれ反射膜を形成した導光体を用い、光源からの照明光を前記導光体の端面から取り込んで前記階段形状面の複数の段差面から出射し、前方から入射する外光を前記階段形状面の複数の段面上の反射膜により反射させるようにした構成のものでもよい。
【0135】
【発明の効果】
この発明は、液晶表示素子の背後に、照明光を前記液晶表示素子に向けて出射するとともに前記液晶表示素子の前方から入射する外光を前記液晶表示素子に向けて反射する光照射手段を配置した2ウエイ型の液晶表示装置において、前記液晶表示素子のいずれかの基板の内面に、ゲートラインと画素電極との間に生じる横電界によるディスクリネーションの発生領域に対応させて、補償容量電極を屈曲させて形成され、前記光照射手段から出射して前記液晶表示素子に入射した照明光を遮るための遮光手段を設けたものであるから、前記光照射手段から照明光を出射させて画面輝度を補うときも、前記液晶表示素子のゲートラインと画素電極との間に生じる横電界により発生するディスクリネーションによる異常表示が目立たない品質の良い表示を得ることができる。
【0137】
また、この発明において、前記遮光手段を、前記薄膜トランジスタおよび前記補償容量電極にそれぞれ対応する遮光膜と、この遮光膜と一体に形成され、前記ゲートラインと前記画素電極との間に生じる横電界によりディスクリネーションラインが発生するディスクリネーション発生領域を覆う遮光膜とにより構成してもよく、このようにすることにより、前記光照射手段から出射して前記液晶表示素子に入射した照明光のうちの前記ディスクリネーション発生領域に入射した光も、液晶表示素子の前方から入射する外光のうちの前記ディスクリネーション発生領域に入射した光も、前記遮光膜により遮ることができるため、前記光照射手段から照明光を出射させて画面輝度を補うときの前記ディスクリネーションによる異常表示を目立たなくするとともに、外光を利用する表示を行なうときの前記ディスクリネーションによる異常表示をさらに目立たなくすることができる。
【0140】
また、この発明の液晶表示装置において、前記液晶表示素子をカラー画像表示素子とする場合は、前記液晶表示素子のいずれかの基板の内面に、前記画素領域の面積よりも小さい面積を有する複数の色の着色膜を、前記複数の画素領域の周縁領域を除く中央領域にそれぞれ対応させて設けるのが好ましい。
【0141】
このような構成によれば、前記液晶表示素子の複数の画素領域を透過する光のうち、前記着色膜に対応する中央領域を透過する光だけが、前記着色膜によりその吸収波長帯域の波長成分の光を吸収されて着色光となり、前記着色膜に対応しない周縁領域を透過する光は、着色膜による吸収を受けずに、非着色光のまま液晶表示素子を透過するため、前記液晶表示素子の各画素領域から前方に出射する光により表示される各色のカラー画素は、その画素領域に対応する着色膜の色に着色し、しかもその明るさを、前記着色膜での吸収による輝度低下のない非着色光により底上げされた画素であり、そのため、画素領域の全域から着色膜により着色された着色光を出射させる場合に比べて、はるかに明るいカラー画像を表示することができる。
【0142】
また、前記ゲートラインと画素電極との間に生じる横電界によるディスクリネーションは、各画素電極の周縁部のうち、前記画素電極を形成した基板の配向膜の配向処理方向の上流側(ラビング開始端側)の縁部付近に対応する領域に発生するため、上記のように画素領域の面積よりも小さい面積を有する複数の色の着色膜を複数の画素領域の周縁領域を除く中央領域にそれぞれ対応させて設けると、各画素領域の非着色光が出射する周縁領域に前記ディスクリネーションラインができるが、上述したように、少なくとも前記光照射手段から出射して前記液晶表示素子に入射した照明光のうちの前記ディスクリネーション発生領域に入射した光が前記遮光手段により遮られるため、前記ディスクリネーションによる異常表示が目立たない品質の良い表示を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の第1の実施例を示す、液晶表示装置に用いた液晶表示素子の一部分の正面図。
【図2】 図1のII−II線に沿った液晶表示装置の拡大断面図。
【図3】 この発明の第2の実施例を示す、液晶表示装置に用いた液晶表示素子の一部分の正面図。
【図4】 参考例を示す、液晶表示装置に用いた液晶表示素子の一部分の正面図。
【図5】 従来の液晶表示装置に用いられている液晶表示素子の一部分の正面図。
【符号の説明】
20…液晶表示素子
21,22…基板
23…画素電極
24…TFT(薄膜トランジスタ)
25…ゲート電極
26…ゲート絶縁膜
27…i型半導体膜
28…ソース電極
29…ドレイン電極
30…ゲートライン
31…データライン
32…補償容量電極
34…配向膜
35…対向電極
36R,36G,36B…カラーフィルタ(着色膜)
37,37a,38…遮光膜
39…配向膜
A′…画素領域
D′…ディスクリネーションライン
43…光照射手段
44…バックライト
45…半透過反射板

Claims (4)

  1. 一対の基板間に液晶層を設けてなる液晶表示素子と、前記液晶表示素子の背後に配置され、照明光を前記液晶表示素子に向けて出射するとともに、前記液晶表示素子の前方から入射する外光を前記液晶表示素子に向けて反射する光照射手段とを備え、
    前記液晶表示素子の一対の基板のうちの一方の基板の内面に、行方向および列方向にマトリックス状に配列する複数の画素電極と、前記複数の画素電極にそれぞれ接続された複数の薄膜トランジスタと、各画素電極行ごとにその一側に沿わせて配線され前記薄膜トランジスタにゲート信号を供給するゲートラインと、各画素電極列ごとにその一側に沿わせて配線され前記薄膜トランジスタにデータ信号を供給するデータラインと、前記各画素電極行ごとにその画素電極行に沿って配置され前記画素電極の縁部付近の領域に絶縁膜を介して対向して前記画素電極との間に補償容量を形成する補償容量電極と、所定方向に配向処理が施された配向膜とが設けられ、他方の基板の内面に、前記複数の画素電極に対向し、これらの画素領域との間に複数の画素領域を形成する対向電極と、所定方向に配向処理が施された配向膜とが設けられ
    前記補償容量電極は、前記画素電極の側縁部付近および隣り合う画素電極の間の領域に対応する部分において、前記ゲートラインと前記画素電極との間に生じる横電界によりディスクリネーションラインが発生するディスクリネーション発生領域を覆う形状に屈曲させて形成され、前記ディスクリネーションラインから出射する前記照明光を遮るための遮光手段を形成していることを特徴とする液晶表示装置。
  2. 前記液晶表示素子のいずれか一方の内面に、前記画素領域の面積よりも小さい面積を有する複数の色の着色膜が、前記複数の画素領域の周縁領域を除く中央領域にそれぞれ対応させて設けられていることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
  3. 一対の基板間に液晶層を設けてなる液晶表示素子と、前記液晶表示素子の背後に配置され、照明光を前記液晶表示素子に向けて出射するとともに、前記液晶表示素子の前方から入射する外光を前記液晶表示素子に向けて反射する光照射手段とを備え、
    前記液晶表示素子の一対の基板のうちの一方の背面側基板の内面に、行方向および列方向にマトリックス状に配列する複数の画素電極と、前記複数の画素電極にそれぞれ接続された複数の薄膜トランジスタと、各画素電極行ごとにその一側に沿わせて配線され前記薄膜トランジスタにゲート信号を供給するゲートラインと、各画素電極列ごとにその一側に沿わせて配線され前記薄膜トランジスタにデータ信号を供給するデータラインと、前記各画素電極行ごとに配置され前記画素電極の縁部付近の領域に絶縁膜を介して対向して前記画素電極との間に補償容量を形成する補償容量電極と、所定方向に配向処理が施された配向膜とが設けられ、他方の前面側基板の内面に、前記複数の画素電極に対向し、これらの画素領域との間に複数の画素領域を形成する対向電極と、所定方向に配向処理が施された配向膜と、前記薄膜トランジスタおよび前記補償容量電極にそれぞれ対応する遮光膜と、この遮光膜と一体に形成され、前記ゲートラインと前記画素電極との間に生じる横電界によりディスクリネーションラインが発生するディスクリネーション発生領域を覆う遮光膜とが設けられていることを特徴とする液晶表示装置。
  4. 前記液晶表示素子の前面側基板の内面に、前記画素領域の面積よりも小さい面積を有する複数の色の着色膜が、前記複数の画素領域の周縁領域を除く中央領域にそれぞれ対応させて設けられていることを特徴とする請求項4に記載の液晶表示装置
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