JP3648937B2 - 液晶表示素子 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、反射型の液晶表示素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
液晶表示素子には、バックライトからの光を利用して表示する透過型のものと、自然光や室内照明光等の外光を利用して表示する反射型のものとがあり、反射型の液晶表示素子では、その後面側に、表示素子の前面から入射した外光を反射して前面側に出射させるための反射部材を備えている。
【0003】
なお、一般に液晶表示素子は、前記液晶層の液晶の分子を両基板間において所定のツイスト角でツイスト配向させたTN(ツイステッド・ネマティック)方式のものが利用されており、このTN方式では、前記一方の基板の外面と他方の基板の外面とにそれぞれ偏光板を、その透過軸を所定の方向に向けた状態で配置している。
【0004】
また、液晶表示素子には、アクティブマトリックス方式や単純マトリックス方式など種々の方式のものがあり、例えば、アクティブマトリックス方式の液晶表示素子は、液晶層をはさんで対向する一対の基板のうちの一方の基板の内面に、画面の上下方向および左右方向に配列する複数の画素電極とこれらの画素電極にそれぞれ接続された複数の能動素子とを設け、他方の基板の内面に、前記複数の画素電極と対向する少なくとも1つの対向電極を設けて、前記複数の画素電極と対向電極とが互いに対向する複数の画素領域を、画面の上下方向および左右方向に配列した構成となっている。
【0005】
さらに、液晶表示素子には、白黒画像を表示するものと、カラー画像を表示するものとがあり、フルカラー画像等の多色カラー画像を表示するカラー液晶表示素子では、その一対の基板のうちのいずれかの基板の内面に、前記画素領域の全体を覆う大きさに形成した複数の色のカラーフィルタを、その各色のカラーフィルタを前記各画素領域にそれぞれ対応させて設けている。
【0006】
このカラー液晶表示素子には、例えば、赤、緑、青の3色のカラーフィルタを各画素領域に対応させて設け、これらの画素領域で赤、緑、青の画素を選択的に表示することにより、加法混色によりフルカラー画像を表示するものがある。
【0007】
なお、上記カラー液晶表示素子のうち、ストライプ状のカラーフィルターを用いたものは、画面の上下方向に同じ色の画素を表示するための画素領域を配列し、画面の左右方向に異なる色の画素を表示するための画素領域を交互に並べて配列した構成となっており、したがって、前記カラーフィルタは、画面の上下方向に同じ色のカラーフィルタが並び、画面の左右方向に色の異なるカラーフィルタが交互に並ぶ状態で設けられている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のように各画素領域にそれぞれ対応する各色のカラーフィルタを備えた従来の液晶表示素子は、各画素領域にそれぞれ対応する各色のカラーフィルタが画素領域全体を覆う大きさに形成されているため、画素領域を透過する光の全てがカラーフィルタに入射してそのカラーフィルタによりその吸収波長域の光を吸収され、可視光帯域の他の波長域の光だけがカラーフィルタを透過してこのカラーフィルタの色に着色した光になるため、入射光の強度に対して出射する着色光の強度が極めて弱くなり、したがって明るい画面が得られないという問題をもっている。
【0009】
この問題は、透過型の液晶表示素子の場合はバックライトの輝度を高くすることによってある程度改善することができるが、外光を利用して表示する反射型の液晶表示素子の場合は、前面側から入射した光が、後面側の反射部材で反射されて前面側に出射するまでの間にカラーフィルタを2度通るため、光の減衰が大きくて、画面がかなり暗くなってしまう。
【0010】
また、反射型の液晶表示素子は、通常、画面の上方向(画面に垂直な方向に対して画面の上縁側にある程度傾いた方向)からより多く外光が入るように、周囲の明るさのうちの最も明るい方向に画面を向けて使用されるが、外光は、画面の上方向からだけでなく、画面の左右方向(画面に垂直な方向に対して画面の右縁側および左縁側に傾いた方向)からも入射する。
【0011】
図7は、反射型液晶表示素子を室内において使用するときの外光の入射例を示している。なお、図に示した液晶表示素子は、ノート型パソコンのディスプレイである。
【0012】
この図7の例のように、反射型液晶表示素子は、その使用場所の上方の照明光源(図では天井蛍光灯)に画面を向けて使用される。そのため、液晶表示素子に入射する外光は、その使用場所の上方にある照明光源からの光、つまり画面の上方向からの入射光が最も多いが、他の照明光源からの光や、室の壁で反射された光も液晶表示素子に入射するため、外光は、画面の左右方向からも入射する。
【0013】
このように、外光は、画面の上方向からだけでなく左右方向からも入射するため、これらの方向からの入射光を効率良く前面側に出射させることができれば、画面を明るくすることができる。
【0014】
しかし、画面の上方向や左右方向から入射する外光は、様々な入射角(画面に垂直な方向に対する角度)で入射するため、比較的小さい入射角で入射した光は、入射時に透過した画素領域と同じ画素領域を透過して出射し、大きい入射角で入射した光は、入射時に透過した画素領域とは異なる画素領域を透過して出射する。なお、液晶表示素子の表示は、画面の正面方向から観察されるため、表示観察者の眼(図7参照)には、前記反射部材で反射されて前面側に出射する光のうちの画面の正面方向に出射する光が見える。
【0015】
そして、従来の液晶表示素子では、各画素領域にそれぞれ対応する各色のカラーフィルタが画素領域全体を覆う大きさに形成されているため、前面側から入射し反射部材で反射されて前面側に出射する光のうち、入射時と出射時とで異なる画素領域を透過する光の全てが、入射時に透過した画素領域に対応するカラーフィルタと、出射時に透過する画素領域に対応するカラーフィルタとの両方によって、それぞれのカラーフィルタの吸収波長域の光を吸収される。
【0016】
この現象は、外光の入射方向にかかわらず生じ、画面の上方向から入射した光は、画面の上下方向に並ぶ2つの画素領域を透過して、これらの画素領域に対応する2つのカラーフィルタによりそれぞれの吸収波長域の光を吸収され、また、画面の左右方向から入射した光は、画面の左右方向に並ぶ2つの画素領域を透過して、これらの画素領域に対応する2つのカラーフィルタによりそれぞれの吸収波長域の光を吸収される。
【0017】
一方、ストライプ状カラーフィルターを用いたカラー液晶表示素子では、上述したように、各色のカラーフィルタを、画面の上下方向に同じ色のカラーフィルタが並び、画面の左右方向に各色のカラーフィルタが交互に並ぶ状態で設けている。
【0018】
そのため、画面の上方向から入射した光が画面の上下方向に並ぶ2つの画素領域を透過しても、その光は、これらの画素領域にそれぞれ対応する同色のカラーフィルタでの2度の光吸収による出射光の輝度低下はあるが、前記カラーフィルタの色に着色した光となって出射する。
【0019】
しかし、画面の左右方向からの入射光が画面の左右方向に並ぶ2つの画素領域を透過するときは、その光が、一方の画素領域に対応するカラーフィルタと、他方の画素領域に対応する色の異なるカラーフィルタとによって異なる波長域の光を吸収されるため、可視光帯域のほとんど光が吸収されてしまう。
【0020】
すなわち、例えば前記一方の画素領域に対応するカラーフィルタが赤色フィルタであり、他方の画素領域に対応するカラーフィルタが緑色フィルタであるときは、まず赤色フィルタにより緑と青の波長域の光が吸収され、次いで緑色フィルタにより赤の波長域の光が吸収されるため、出射する光がほとんど無くなってしまう。
【0021】
このため、従来の反射型カラー液晶表示素子は、画面の上方向から入射する光の利用効率はまずまずであるが、画面の左右方向から入射する光の利用効率が極端に悪く、したがって、画面を明るくすることはできなかった。
【0022】
この発明は、カラーフィルタを備えた反射型の液晶表示素子として、画面の上方向からの入射光も左右方向からの入射光も効率良く利用して、画面が充分に明るいカラー画像を表示することができるものを提供することを目的としたものである。
【0023】
【課題を解決するための手段】
この発明は、後面側に反射部材を備え、液晶層をはさんで対向する前後一対の基板のうちの一方の基板の内面に設けられた複数の第1の電極と他方の基板の内面に設けられた少なくとも1つの第2の電極とが互いに対向する複数の画素領域を画面の左右方向および上下方向に配列するとともに、前記一対の基板のうちのいずれかの基板の内面に、複数の色のカラーフィルタを、その各色のカラーフィルタを前記各画素領域にそれぞれ対応させるとともに色の異なるカラーフィルタを前記画面の左右方向に交互に並べて設けた反射型の液晶表示素子において、前記各色のカラーフィルタが前記画素領域の面積よりも小さい面積に形成され、前記各画素領域内の前記カラーフィルタに対応しない領域が、前面側から入射し前記反射部材で反射されて前面側に出射する光を着色することなく透過させる無着色光出射領域となっているとともに、前記画面の左右方向に並ぶ各色のカラーフィルタが、色の異なるカラーフィルタごとに、その位置を前記画面の上下方向にずらして設けられていることを特徴とするものである。
【0024】
この発明の液晶表示素子によれば、その各画素領域にそれぞれ対応するカラーフィルタが前記画素領域の面積よりも小さい面積に形成されており、前記各画素領域内のカラーフィルタに対応しない領域が、前面側から入射し後面側の反射部材で反射されて前面側に出射する光を着色することなく透過させる無着色光出射領域となっているため、画面の上方向や左右方向から入射する光のうち、比較的小さい入射角で入射し、入射時に透過した画素領域と同じ画素領域を透過して出射する光について見ると、各画素領域に入射し、後面側の反射部材で反射されて前面側に出射する光のうち、前記カラーフィルタに対応している領域を透過する光だけが、カラーフィルタによりその吸収波長域の光を吸収されて着色光となって出射し、前記画素領域内のカラーフィルタに対応しない無着色光出射領域を透過する光は、カラーフィルタによる吸収を受けずに無着色光のまま高い出射率で出射する。
【0025】
また、大きい入射角で入射し、入射時に透過した画素領域とは異なる画素領域を透過して出射する光について見ると、画面の上方向から入射した光も、画面の左右方向から入射した光も、そのうちの画素領域のカラーフィルタに対応している領域を透過する光は、前記カラーフィルタによりその吸収波長域の光を吸収されて着色光となるが、前記無着色光出射領域を透過する光は、カラーフィルタによる吸収を受けずに高い透過率で透過する。
【0026】
そのため、入射時と出射時とで異なる画素領域を透過する光のうち、入射時に透過した画素領域に対応するカラーフィルタと、出射時に透過する画素領域に対応するカラーフィルタとの両方によってそれぞれのカラーフィルタの吸収波長域の光を吸収されるのは、一方の画素領域のカラーフィルタ対応領域と他方の画素領域のカラーフィルタ対応領域との両方を透過する光だけであり、一方の画素領域のカラーフィルタ対応領域を透過し、他方の画素領域の無着色光出射領域を透過する光は、一方の画素領域に対応するカラーフィルタによりその吸収波長域の光を吸収された着色光となって出射し、また、両方の画素領域の無着色光出射領域を透過する光は、カラーフィルタによる吸収を受けずに無着色光のまま高い出射率で出射する。
【0027】
しかも、この液晶表示素子によれば、画面の左右方向に並ぶ各色のカラーフィルタが、色の異なるカラーフィルタごとに、その位置を前記画面の上下方向にずらして設けられているため、画面の左右方向から入射する光が、画面の左右方向に並んでいる色の異なるカラーフィルタに対応している画素領域のうちの一方の画素領域を透過して入射し、他方の画素領域を透過して出射しても、その光が前記一方の画素領域に対応するカラーフィルタと他方の画素領域に対応する色の異なるカラーフィルタとの両方を通る確率は低く、そのために、これらの色の異なるカラーフィルタによる光の吸収を少なくして、画面の左右方向から入射する光をより効率良く出射させることができる。
【0028】
そして、液晶表示素子の表示は、画面の正面方向から観察されるが、上記液晶表示素子では、各画素領域から、カラーフィルタによる着色光と、カラーフィルタによる吸収を受けない高輝度の無着色光とが出射し、その無着色光と前記着色光とで高輝度のカラー画素が表示される。
【0029】
したがって、この発明の液晶表示素子は、カラーフィルタを備えた反射型表示素子であるが、画面の上方向からの入射光も左右方向からの入射光も効率良く利用して、画面が充分に明るいカラー画像を表示することができる。
【0030】
【発明の実施の形態】
この発明の液晶表示素子は、上記のように、各画素領域にそれぞれ対応するカラーフィルタを前記画素領域の面積よりも小さい面積に形成し、前記各画素領域内のカラーフィルタに対応しない領域を無着色光出射領域とするとともに、画面の左右方向に並ぶ各色のカラーフィルタが、色の異なるカラーフィルタごとに、その位置を前記画面の上下方向にずらして設けることにより、画面の上方向からの入射光も左右方向からの入射光も効率良く利用して、画面が充分に明るいカラー画像を表示することができるようにしたものである。
【0031】
この発明の液晶表示素子においては、前記カラーフィルタの画面の左右方向に沿う横幅を、前記画素領域の横幅よりも小さくするのが望ましく、このようにすれば、画素領域内の前記カラーフィルタの側方の領域が前記無着色光出射領域となるため、画面の左右方向に並んでいる色の異なるカラーフィルタに対応している画素領域のうちの一方の画素領域を透過して入射し、他方の画素領域を透過して出射する光が、前記一方の画素領域に対応するカラーフィルタと他方の画素領域に対応する色の異なるカラーフィルタとの両方を通る確率がさらに低くなるから、これらの色の異なるカラーフィルタによる光の吸収をより少なくし、画面の左右方向から入射する光の利用効率をさらに向上させることができる。
【0032】
さらに、この発明の液晶表示素子においては、隣り合う画素領域の間の領域を、前面側から入射した光が前記反射部材で反射されて前面側に出射する明表示領域とするのが望ましく、このようにすれば、各画素領域の間の部分を明るくし、画面をさらに明るくすることができる。
【0033】
【実施例】
図1〜図6はこの発明の一実施例を示しており、図1は液晶表示素子の一部分の正面図、図2は図1のII−II線に沿う断面図である。
この実施例の液晶表示素子は、TFT(薄膜トランジスタ)を能動素子とするアクティブマトリックス型のものであり、液晶層LCをはさんで対向する前後一対の基板(ガラス等からなる透明基板)1,2のうち、後側の基板2の内面には、複数の透明な画素電極3が画面の左右方向(図1において横方向)および上下方向(図1において縦方向)に配列させて設けられるとともに、これらの画素電極3にそれぞれ対応する能動素子(以下、TFTという)4が設されている。
【0034】
図1において、(R)の電極は赤色画素を表示するための画素電極、(G)の電極は緑色画素を表示するための画素電極、(B)の電極は青色画素を表示するための画素電極であり、画面の左右方向には、赤、緑、青の画素を表示するための画素電極3が交互に並べて直線状に配列され、画面の上下方向には、同じ色の画素を表示するための画素電極3が直線状に並べて配列されている。
【0035】
上記TFT4は、後側基板2上に形成されたゲート電極5と、このゲート電極5を覆うゲート絶縁膜6と、このゲート絶縁膜6の上に前記ゲート電極5と対向させて形成されたi型半導体膜7と、このi型半導体膜7の両側部の上にn型半導体膜(図示せず)を介して形成されたソース電極8およびドレイン電極9とからなっている。
【0036】
また、この後側基板2の上には、画面の左右方向に沿った各画素電極行の一側にそれぞれ沿わせて、各行のTFT4にゲート信号を供給するゲートライン10が配線されており、各行のTFT4のゲート電極5はそれぞれ、その行に対応するゲートライン10に一体に形成されている。
【0037】
なお、上記TFT4のゲート絶縁膜(透明膜)6は、基板2のほぼ全面にわたって形成されており、前記ゲートライン10は、その端子部を除いてゲート絶縁膜6で覆われている。
【0038】
また、上記ゲート絶縁膜6の上には、画面の上下方向に沿った各画素電極列の一側にそれぞれ沿わせて、各列の各TFT4にデータ信号を供給するデータライン11が配線されており、各列のTFT4のドレイン電極9はそれぞれ、その列に対応するデータライン11につながっている。
【0039】
なお、この実施例ではデータライン11をゲート絶縁膜6の上に配線し、各列のTFT4のドレイン電極9をそれぞれ、その列に対応するデータライン11に一体に形成しているが、前記データライン11は、TFT4を絶縁膜で覆ってその上に配線し、前記絶縁膜に設けたコンタクト孔において前記TFT4のドレイン電極9と接続してもよい。
【0040】
また、上記画素電極3は前記ゲート絶縁膜6の上に形成されており、この画素電極3は、その一側縁の端部において対応するTFT4のソース電極9に接続されている。
【0041】
さらに、前記後側基板2上には、各画素電極行にそれぞれ対応させて、その行の各画素電極3と前記ゲート絶縁膜6をはさんで対向する補償容量形成電極(以下、容量形成電極という)12が設けられており、この容量形成電極12と画素電極3とその間のゲート絶縁膜6とによって、非選択期間の画素電極3の電位の変動を補償するための補償容量(ストレージキャパシタ)が形成されている。
【0042】
また、画素電極3は、その横幅に対して縦幅を若干大きくした縦長の矩形状電極とされており、前記容量形成電極12は、画素電極3のTFT接続側とは反対側の端縁から若干画素電極内側に片寄った部分に対向させて、上記ゲートライン10と平行に形成されている。
【0043】
前記ゲートライン10と容量形成電極12は、低抵抗でかつ光の反射率が高い金属膜(例えばアルミニユム系合金)で形成されており、上記データライン11も低抵抗で高反射率の金属膜で形成されている。
【0044】
なお、前記ゲートライン10と容量形成電極12は、ゲート絶縁膜6の上に形成する画素電極3やデータライン11との間の絶縁耐圧を高くするために、その表面を陽極酸化処理されており、図では省略しているが、これらのゲートライン10および容量形成電極12は、陽極酸化により生成した透明な酸化膜で覆われている。
【0045】
さらに、前記後側基板2の内面には、前記TFT4およびデータライン11と画素電極3の周縁部を覆う透明なオーバーコート絶縁膜13が設けられており、その上に配向膜14が形成されている。
【0046】
一方、前側の基板1の内面には、後述する各画素領域Aにそれぞれ対応する赤、緑、青の3色のカラーフィルタ15R,15G,15Bが設けられており、これらのカラーフィルタ15R,15G,15Bを覆って形成した透明な保護膜(絶縁膜)16の上に、前記複数の画素電極3に対向し、これらの画素電極3と対向する部分によりそれぞれ画素領域Aを形成する少なくとも1つの透明な対向電極17が設けられ、その上に配向膜18が形成されている。
【0047】
そして、上記前側基板1と後側基板2は、図示しない枠状シール材を介して接合されており、これら両基板1,2間の前記シール材で囲まれた領域に液晶が充填されている。
【0048】
また、上記一対の基板1,2の内面に設けられた配向膜14,18はそれぞれ、その膜面を所定方向にラビングすることによって配向処理されており、両基板1,2間の液晶層LCの液晶分子は、後側基板2の配向膜14と前側基板1の配向膜18とによってそれぞれの基板1,2の近傍における配向方向を規制され、両基板1,2間において所定のツイスト角(例えばほぼ90°)でツイスト配向している。
【0049】
また、上記一対の基板1,2の外面にはそれぞれ、偏光板21,22が配置されており、これらの偏光板21,22は、それぞれの透過軸を所定の方向に向けた状態で設けられており、
なお、この液晶表示素子は、液晶層LCに電界が印加されていない状態(液晶分子が初期のツイスト配向状態に配向している状態)での表示が明表示であり、液晶層LCへの電界の印加により液晶分子が基板1,2面に対して立上がり配向するのにともなって光の出射率が低くなって表示が暗くなる、いわゆるノーマリーホワイトモードの表示を行なうものであり、例えば液晶分子のツイスト角がほぼ90°である場合、前記偏光板21,22は、それそれの透過軸を互いにほぼ直交させて設けられる。
【0050】
さらに、後面側の偏光板22の背後には、液晶表示素子にその前面側から入射して液晶層LCを透過した光を反射するための反射部材として、散乱反射板23が配置されている。
【0051】
そして、この実施例の液晶表示素子では、その前側基板1の内面に設ける赤、緑、青の3色のカラーフィルタ15R,15G,15Bを、次のような大きさおよび形状に形成している。図3は、前記カラーフィルタ15R,15G,15Bの形状図である。
【0052】
図1および図3のように、前記赤、緑、青のカラーフィルタ15R,15G,15Bは、後側基板2に設けられた各画素電極3と前側基板1に設けられた対向電極18とが互いに対向する各画素領域(画素電極3と同じ外形の領域)Aにそれぞれ対応させて、画面の左右方向には赤、緑、青のカラーフィルタ15R,15G,15Bを交互に並べ、画面の上下方向には同じ色のカラーフィルタを並べて設けられている。
【0053】
これらのカラーフィルタ15R,15G,15Bはいずれも、画面の左右方向に沿う横幅と前記画面の上下方向に沿う縦幅とをそれぞれ前記画素領域Aの横幅および横幅よりも小さくした形状に形成されており、したがって、各色のカラーフィルタ15R,15G,15Bは、前記画素領域Aの面積より小さい面積を有している。
【0054】
また、前記各色のカラーフィルタ15R,15G,15Bはそれぞれ、各画素領域Aに対し、画素領域Aの横幅方向の中央部に対応させて設けられており、さらに、画面の左右方向に並ぶ各色のカラーフィルタ15R,15G,15Bは、色の異なるカラーフィルタごとに、その位置を画素領域Aの範囲内において画面の上下方向にずらして設けられている。
【0055】
すなわち、この実施例では、図1および図3に示すように、赤色フィルタ15Rを、画素領域Aの縦幅方向の中央に対応させて設け、緑色フィルタ15Gを、前記赤色フィルタ15Rの位置に対し画素領域Aの上縁方向にずらして設け、青色フィルタ15Bを、前記赤色フィルタ15Rの位置に対し画素領域Aの下縁方向にずらして設けている。
【0056】
そして、前記各画素領域A内のカラーフィルタ15R,15G,15Bの外側の領域は、前面側から入射し後面側の散乱反射板23で反射されて前面側に出射する光を着色することなく透過させる無着色光出射領域aとなっている。
【0057】
なお、前面側から各画素領域Aに入射した光のうち、上記補償容量部に入射した光は容量形成電極12で遮られて反射板23に入射しないが、前記容量形成電極12は高反射率の金属膜で形成されているため、補償容量部に入射した光は容量形成電極12で反射される。
【0058】
また、この液晶表示素子は、上述したようにノーマリーホワイトモードの表示を行なうものであり、隣り合う画素領域Aの間の領域、つまり液晶分子が常に初期のツイスト配向状態に配向している状態にある電界無印加領域は、前面側から入射した光が散乱反射板23またはゲートライン10やデータライン11および容量形成電極12で反射されて前面側に出射する明表示領域Wとなっている。
【0059】
すなわち、上記後側基板2の内面に設けられたゲートライン10およびデータライン11は前記明表示領域W内を通っており、また容量形成電極12も前記明表示領域Wを横切っているため、前面側から明表示領域Wに入射した光のうち、ゲートライン10およびデータライン11と容量形成電極12が通っている部分に入射した光は反射板23に入射しないが、前記ゲートライン10およびデータライン11と容量形成電極12は高反射率の金属膜で形成されているため、これらの部分に入射した光も反射される。
【0060】
この液晶表示素子は、外光を利用して反射型表示を行なうものであり、前面側から入射した光は、前側偏光板21を透過して直線偏光光となり、その光が液晶層LCと後側偏光板22とを順次透過して散乱反射板23またはゲートライン10およびデータライン11と容量形成電極12により反射され、前記後側偏光板22と液晶層LCと前側偏光板21とを順次透過して前面側に出射する。
【0061】
そして、前面側から各画素領域Aに入射した光のうち、画素領域Aの周縁部を除く内側の領域を透過する光は、その画素領域Aに対応するカラーフィルタ15R,15G,15Bに入射し、このカラーフィルタによりその吸収波長域の光を吸収されて前記カラーフィルタの色に着色し、その着色光が反射されて前面側に出射する。この着色された出射光の強度は、各画素領域Aの印加電界に応じた液晶分子の立上がり配向状態に応じて変化する。
【0062】
また、前記各画素領域Aに入射した光のうち、その画素領域Aの周縁部、つまり前記カラーフィルタ15R,15G,15Bの外側の無着色光出射領域aに入射した光は、カラーフィルタを通らずに無着色光(白色光)のまま反射され、前面側に出射する。この無着色の出射光の強度も、各画素領域Aの印加電界に応じた液晶分子の立上がり配向状態に応じて変化する。
【0063】
さらに、隣り合う画素領域Aの間の明表示領域Wに入射した光は、無着色光(白色光)のまま反射されて前面側に出射する。この明表示領域Wを出射する無着色光は、前記明表示領域Wの液晶分子が常に初期のツイスト配向状態にあるため、常に高強度の光である。
【0064】
なお、反射型の液晶表示素子は、通常、画面の上方向(画面に垂直な方向に対して画面の上縁側にある程度傾いた方向)からより多く外光が入るように、周囲の明るさのうちの最も明るい方向に画面を向けて使用されるが、外光は、図7に示した外光の入射例のように、画面の上方向からだけでなく、画面の左右方向(画面に垂直な方向に対して画面の右縁側および左縁側に傾いた方向)からも入射する。
【0065】
そして、画面の上方向や左右方向から入射する外光の入射角(画面に垂直な方向に対する角度)は様々であるため、比較的小さい入射角で入射した光は、入射時に透過した画素領域Aと同じ画素領域を透過して出射し、大きい入射角で入射した光は、入射時に透過した画素領域Aとは異なる画素領域Aを透過して出射する。
【0066】
そこで、画面の上方向や左右方向から入射する光のうち、比較的小さい入射角で入射し、入射時に透過した画素領域と同じ画素領域を透過して出射する光について見ると、この液晶表示素子では、各色のカラーフィルタ15R,15G,15Bが画素領域Aの面積より小さい面積に形成されており、各画素領域A内のカラーフィルタに対応しない領域が、前面側から入射し後面側の散乱反射板23などで反射されて前面側に出射する光を着色することなく透過させる無着色光出射領域aとなっているため、全ての画素領域Aにおいて、画面の上方向や左右方向から入射し前記反射板23などで反射されて前面側に出射する光のうち、カラーフィルタ15R,15G,15Bに対応している領域を透過する光だけが、カラーフィルタによりその吸収波長域の光を吸収されて着色光となって出射し、画素領域A内のカラーフィルタに対応しない無着色光出射領域aを透過する光は、カラーフィルタによる吸収を受けずに無着色光のまま高い出射率で出射する。
【0067】
また、大きい入射角で入射し、入射時に透過した画素領域Aとは異なる画素領域Aを透過して出射する光について見ると、画面の上方向から入射した光も、画面の左右方向から入射した光も、そのうちの画素領域Aのカラーフィルタ15R,15G,15Bに対応している領域を透過する光は、カラーフィルタによりその吸収波長域の光を吸収されて着色光となるが、前記無着色光出射領域aを透過する光は、カラーフィルタによる吸収を受けずに高い透過率で透過する。
【0068】
そのため、入射時と出射時とで異なる画素領域を透過する光のうち、入射時に透過した画素領域Aに対応するカラーフィルタと、出射時に透過する画素領域Aに対応するカラーフィルタとの両方によってそれぞれのカラーフィルタの吸収波長域の光を吸収されるのは、一方の画素領域Aのカラーフィルタ対応領域と他方の画素領域Aのカラーフィルタ対応領域との両方を透過する光だけであり、一方の画素領域Aのカラーフィルタ対応領域を透過し、他方の画素領域Aの無着色光出射領域aを透過する光は、一方の画素領域Aに対応するカラーフィルタによりその吸収波長域の光を吸収された着色光となって出射し、また、両方の画素領域Aの無着色光出射領域aを透過する光は、カラーフィルタによる吸収を受けずに無着色光のまま高い出射率で出射する。
【0069】
したがって、この液晶表示素子によれば、各画素領域にそれぞれ対応する各色のカラーフィルタを画素領域全体を覆う大きさに形成している従来の液晶表示素子に比べて、画面の上方向からの入射光も左右方向からの入射光も効率良く出射させることができる。
【0070】
しかも、上記実施例の液晶表示素子では、画面の左右方向に並ぶ各色のカラーフィルタ15R,15G,15Bを、色の異なるカラーフィルタごとに、その位置を画面の上下方向にずらして設けているため、画面の左右方向から入射する光が、画面の左右方向に並んでいる色の異なるカラーフィルタに対応している画素領域のうちの一方の画素領域Aを透過して入射し、他方の画素領域Aを透過して出射しても、その光が前記一方の画素領域Aに対応するカラーフィルタと他方の画素領域Aに対応する色の異なるカラーフィルタとの両方を通る確率は低く、そのために、これらの色の異なるカラーフィルタ15R,15G,15Bによる光の吸収を少なくすることができる。
【0071】
すなわち、上記液晶表示素子における画面の左右方向から入射する光の透過経路を、図3に鎖線で示した各光入射線x1〜x5に沿って入射する光について説明すると、次のようになる。
【0072】
図4は光入射線x3に沿って入射する光の透過経路を示す断面図、図5は光入射線x1に沿って入射する光の透過経路を示す断面図である。なお、図4および図5では図を見やすくするため、断面を示すハッチングを省略するとともに、両基板1,2の内面に設けられた電極やカラーフィルタおよび絶縁膜等のうち、後側基板2に設けられた画素電極3と前側基板1に設けられたカラーフィルタ15R,15G,15Bだけを示している。また、上記液晶表示素子の後面側に配置された反射部材は散乱反射板23であるが、図4および図5では、前記散乱反射板23で反射された光のうち、画面の正面方向(表示の観察方向)に向かう反射光だけを示している。
【0073】
まず、図4に示した透過経路について説明すると、上記実施例の液晶表示素子は、赤、緑、青のカラーフィルタ15R,15G,15Bを、図3に示したように、赤色フィルタ15Rを画素領域Aの縦幅方向における中央部に対応させ、緑色フィルタ15Gを画素領域Aの上縁方向にずらし、青色フィルタ15Bを画素領域Aの下縁方向にずらした位置関係で設けているが、図3に示した光入射線x3に沿う断面上、つまり画面の左右方向に並ぶ各画素領域Aの縦幅方向における中央部を通る線に沿った断面上では、画面の左右方向に並ぶ全ての画素領域Aにカラーフィルタ15R,15G,15Bに対応している。
【0074】
そのため、前記光入射線x3に沿う断面上では、図4に示すように、画面の左右方向(図では左方向)から様々の入射角で入射し、散乱反射板23などで反射されて前面側に出射する光のうち、画面の左右方向に並ぶ一方の画素領域Aのカラーフィルタ対応領域を透過して入射し、他方の画素領域Aのカラーフィルタ対応領域を透過して出射する光L1が、前記一方の画素領域Aに対応するカラーフィルタと、他方の画素領域Aに対応する色の異なるカラーフィルタとにより吸収され、その出射光がほとんど得られなくなる。
【0075】
すなわち、例えば図4のように、前記光L1が透過する一方の画素領域Aに対応するカラーフィルタが赤色フィルタ15Rであり、他方の画素領域Aに対応するカラーフィルタが緑色フィルタ15Gであるときは、まず赤色フィルタ15Rにより緑と青の波長域の光が吸収され、次いで緑色フィルタ15Gにより赤の波長域の光が吸収されて、出射光がほとんど得られなくなる。
【0076】
ただし、上記実施例の液晶表示素子では、カラーフィルタ15R,15G,15Bの横幅を画素領域Aの横幅よりも小さくし、画素領域A内のカラーフィルタの側方の領域を無着色光出射領域aとしているため、透過光が一方の画素領域Aに対応するカラーフィルタと他方の画素領域Aに対応するカラーフィルタとの両方を通る確率は、カラーフィルタが画素領域全体を覆う大きさに形成されている従来の液晶表示素子に比べて低い。
【0077】
したがって、上記実施例の液晶表示素子では、一方の画素領域A内のカラーフィルタ対応領域を透過して入射し、他方の画素領域A内のカラーフィルタ対応領域を透過して出射する光の出射光が得られなくなるだけである。
【0078】
また、図4に示した透過経路において、液晶表示素子に比較的小さい入射角で入射する光は、入射時に透過した画素領域Aと同じ画素領域を透過して出射し、その光のうち、前記画素領域Aのカラーフィルタ対応領域を通る光L2が、その画素領域に対応するカラーフィルタ15R,15G,15Bによりその吸収波長域の光を吸収され、カラーフィルタの色に着色した光となって出射する。
【0079】
次に、図5に示した透過経路について説明すると、上記実施例の液晶表示素子は、各画素領域Aにそれぞれ対応する赤、緑、青のカラーフィルタ15R,15G,15Bを上記の位置関係で設けているため、図3に示した光入射線x1に沿う断面上、つまり画面の左右方向に並ぶ各画素領域Aの上縁付近を通る線に沿った断面上では、画面の左右方向に並ぶ各画素領域のうちの緑の画素を表示するための画素領域Aだけにカラーフィルタ(緑色フィルタ)15Gに対応しており、他の色の画素を表示するための画素領域Aにはカラーフィルタに対応していない。
【0080】
そのため、前記光入射線x3に沿う断面上では、図5に示すように、画面の左右方向(図では左方向)から様々の入射角で入射し、散乱反射板23などで反射されて前面側に出射する光のうち、大きい入射角で入射した光が画面の左右方向に並ぶ2つの画素領域を透過しても、そのうちの緑の画素を表示するための画素領域Aのカラーフィルタ対応領域を通る光L3が、緑色フィルタ15Gによりその吸収波長域の光を吸収されるだけである。
【0081】
図5に示した前記光L3は、赤の画素を表示するための画素領域Aを透過して入射し、緑の画素を表示するための画素領域Aのカラーフィルタ対応領域を透過して出射する光であり、入射時は前記赤の画素を表示するための画素領域Aをカラーフィルタによる吸収を受けずに透過し、出射時に前記緑色フィルタ15Gによりその吸収波長域の光を吸収されて緑に着色した光となって出射する。
【0082】
なお、図5には示していないが、上記光入射線x1に沿う断面上では、入射時に緑の画素を表示するための画素領域Aのカラーフィルタ対応領域を透過する光も緑に着色し、その光が他の画素領域Aをカラーフィルタによる吸収を受けずに透過して、その画素領域Aから緑色光のまま出射する。また、赤と青の画素を表示するための2つの画素領域の一方を透過して入射し、他方の画素領域を透過して出射する光は、いずれの画素領域Aもカラーフィルタによる吸収を受けずに透過して、無着色光のまま出射する。
【0083】
また、図5に示した透過経路においても、液晶表示素子に比較的小さい入射角で入射する光は、入射時に透過した画素領域Aと同じ画素領域を透過して出射し、その光のうち、前記画素領域Aのカラーフィルタ対応領域を通る光L4が、その画素領域に対応するカラーフィルタ15R,15G,15Bによりその吸収波長域の光を吸収され、カラーフィルタの色に着色した光となって出射する。
【0084】
なお、図3に示した各光入射線x1〜x5のうち、x2,x4,x5の光入射線に沿って入射する光の透過経路については図示しないが、光入射線x2に沿った断面上では、赤と緑の画素を表示するための2つの画素領域Aを透過する光のうちの両方の画素領域のカラーフィルタ対応領域を通る光の出射光が得られなくなるだけであり、光入射線x4に沿った断面上では、青と緑の画素を表示するための2つの画素領域Aを透過する光のうちの両方の画素領域のカラーフィルタ対応領域を通る光の出射光が得られなくなるだけである。また、光入射線x5に沿った断面上では、青の画素を表示するための画素領域Aのカラーフィルタ対応領域を透過する光が青色光となって出射し、前記青の画素を表示するための画素領域Aを透過しない光は無着色光のまま出射するため、出射光が得られなくなることはない。
【0085】
このように、上記実施例の液晶表示素子は、画面の左右方向に並ぶ各色のカラーフィルタ15R,15G,15Bを、色の異なるカラーフィルタごとに、その位置を画面の上下方向にずらして設けているため、画面の左右方向から入射する光が、画面の左右方向に並んでいる一方の画素領域Aに対応するカラーフィルタと他方の画素領域Aに対応する色の異なるカラーフィルタとの両方を通る確率を低くし、これらの色の異なるカラーフィルタ15R,15G,15Bによる光の吸収を少なくすることができ、したがって、画面の左右方向から入射する光をより効率良く出射させることができる。
【0086】
また、上記実施例の液晶表示素子は、各色のカラーフィルタ15R,15G,15Bを、画面の上下方向に同じ色のカラーフィルタが並び、画面の左右方向に各色のカラーフィルタが交互に並ぶ状態で設けているため、画面の上方向から入射した光が画面の上下方向に並ぶ2つの画素領域Aを透過しても、その光は、これらの画素領域Aにそれぞれ対応する同色のカラーフィルタでの2度の光吸収による出射光の輝度低下はあるが、前記カラーフィルタの色に着色した光となって出射する。
【0087】
なお、この実施例では、画素領域A内のカラーフィルタの上方と下方の少なくとも一方の領域も無着色光出射領域aとしているため、画面の上方向から入射した光が画面の上下方向に並ぶ一方の画素領域Aに対応するカラーフィルタと他方の画素領域Aに対応するカラーフィルタとの両方を通る確率は、カラーフィルタが画素領域全体を覆う大きさに形成されている従来の液晶表示素子に比べて低く、したがって、画面の上方向から入射する光も、従来の液晶表示素子に比べて効率良く出射させることができる。
【0088】
そして、液晶表示素子の表示は、画面の正面方向から観察されるが、上記液晶表示素子では、各画素領域Aから、カラーフィルタ15R,15G,15Bによる着色光と、カラーフィルタによる吸収を受けない高輝度の無着色光とが出射し、その無着色光と前記着色光とで高輝度のカラー画素が表示される。
【0089】
なお、前記カラー画素は、各画素領域Aのカラーフィルタ15R,15G,15Bに対応している領域からの出射光である赤、緑、青のいずれかの着色光と、画素領域Aの周縁部の無着色光出射領域aを出射した高輝度の無着色光(白色光)とで表示されるが、その画素は、人間の眼には画素全体がカラーフィルタ15R,15G,15Bの色に着色した1つのカラー画素として見える。
【0090】
したがって、上記液晶表示素子は、カラーフィルタを備えた反射型表示素子であるが、画面の上方向からの入射光も左右方向からの入射光も効率良く利用して、画面が充分に明るいカラー画像を表示することができる。
【0091】
さらに、上記実施例の液晶表示素子においては、隣り合う画素領域Aの間の領域を、前面側から入射した光が後面側の反射板23または後側基板2の内面のゲートライン10およびデータライン11と容量形成電極12で反射されて前面側に出射する明表示領域Wとしており、この明表示領域Wから高輝度の無着色光が出射するため、各画素領域Aの間の部分を明るくし、画面をさらに明るくすることができる。
【0092】
なお、上記実施例では、各色のカラーフィルタ15R,15G,15Bの横幅および縦幅を画素領域Aの横幅および縦幅よりも小さくしているが、前記カラーフィルタ15R,15G,15Bの横幅と縦幅のいずれか一方は、画素領域Aの幅とほぼ同じにしてもよい。
【0093】
ただし、前記カラーフィルタ15R,15G,15Bの横幅は画素領域Aの横幅よりも小さくするのが望ましく、このようにすれば、上述した実施例のように、画素領域A内のカラーフィルタの側方の領域が無着色光出射領域aとなるため、画面の左右方向に並んでいる色の異なるカラーフィルタに対応している画素領域のうちの一方の画素領域Aを透過して入射し、他方の画素領域Aを透過して出射する光が、前記一方の画素領域Aに対応するカラーフィルタと他方の画素領域Aに対応する色の異なるカラーフィルタとの両方を通る確率がさらに低くなるから、これらの色の異なるカラーフィルタによる光の吸収をより少なくし、画面の左右方向から入射する光の利用効率をさらに向上させることができる。
【0094】
また、上記実施例の液晶表示素子は、各画素領域Aを、画面の左右方向にも上下方向にも直線状に並べて配列した、いわゆる格子状配列型のものであるが、この発明は、画面の左右方向に色の異なる画素を表示するための画素領域Aを交互に並べて直線状に配列し、画面の上下方向には同じ色の画素を表示するための画素領域同士を画面の左右方向に交互にずらしてジグザグに配列した、いわゆるモザイク配列型の液晶表示素子にも適用することができる。
【0095】
図6は、この発明の他の実施例を示す、各画素領域Aにそれぞれ対応する各色のカラーフィルタ15R,15G,15Bの形状図であり、この実施例は、前記モザイク配列型の液晶表示素子を対象としたものである。
【0096】
すなわち、この実施例の液晶表示素子は、画面の左右方向に、赤、緑、青の各色の画素を表示するための画素領域Aを交互に並べて直線状に配列し、画面の上下方向には、同じ色の画素を表示するための画素領域同士を、約1.5ピッチずつ画面の左右方向に交互にずらしてジグザグに配列したものである。
【0097】
そしてこの実施例においても、各色のカラーフィルタ15R,15G,15Bが画素領域Aの面積よりも小さい面積に形成されており、各画素領域A内のカラーフィルタに対応しない領域が、前面側から入射し後面側の反射部材で反射されて前面側に出射する光を着色することなく透過させる無着色光出射領域aとなっているとともに、画面の左右方向に並ぶ各色のカラーフィルタ15R,15G,15Bが、色の異なるカラーフィルタごとに、その位置を画面の上下方向にずらして設けられている。
【0098】
したがって、この実施例の液晶表示素子においても、画面の上方向からの入射光も左右方向からの入射光も効率良く利用し、画面が充分に明るいカラー画像を表示することができる。
【0099】
なお、この実施例のモザイク配列型液晶表示素子においては、図6に示したように、各画素領域Aに対応する各色のカラーフィルタ15R,15G,15Bの横幅を、画面の左右方向に並んで隣り合う画素領域Aにそれぞれ対応する2つの色のカラーフィルタ間の間隔と同程度以下にし、これらのカラーフィルタ15R,15G,15Bを、1つの行の隣り合う画素領域Aにそれぞれ対応する2つの色のカラーフィルタ間のスペースに、その上下の行の画素領域Aに対応するカラーフィルタに対応するように設けるのが望ましい。
【0100】
このようにすれば、モザイク配列型液晶表示素子であっても、画面の上方向からの入射光が画面の上下方向に並ぶ2つの画素領域を透過するときに、その光が、一方の画素領域に対応するカラーフィルタと、他方の画素領域に対応する色の異なるカラーフィルタとによって異なる波長域の光を吸収されることはほとんどないから、画面の上方向からの入射光を効率良く出射させることができる。
【0101】
なお、上述した各実施例の液晶表示素子は、赤,緑,青のカラーフィルタを備えたものであるが、この発明は、マゼンタ、イエロー、シアンの3色のカラーフィルタを各画素領域にそれぞれ対応させて、減法混色により多色カラー表示を行なう液晶表示素子にも適用できる。
【0102】
また、上記実施例の液晶表示素子は、前側基板2の内面にカラーフィルタ15R,15G,15Bを設けたものであるが、カラーフィルタ15R,15G,15Bは、後側基板2の内面に設けてもよい。
【0103】
また、上記実施例の液晶表示素子は、その後面側の偏光板22の背後に、散乱反射板23からなる反射部材を配置したものであるが、前記反射部材は後側基板2の内面に設けてもよく、その場合は、偏光板は前側の1枚の偏光板21だけでよい。
【0104】
さらにこの発明は、アクティブマトリックス型に限らず、一方の基板の内面に一方の方向に沿う走査電極を複数本互いに平行に設け、他方の基板の内面に前記走査電極と交差する方向に沿う信号電極を複数本互いに平行に設けた単純マトリックス型の液晶表示素子等にも適用することができる。
【0105】
【発明の効果】
この発明の液晶表示素子は、各画素領域にそれぞれ対応するカラーフィルタを前記画素領域の面積よりも小さい面積に形成し、前記各画素領域内のカラーフィルタに対応しない領域を無着色光出射領域とするとともに、画面の左右方向に並ぶ各色のカラーフィルタが、色の異なるカラーフィルタごとに、その位置を前記画面の上下方向にずらして設けたものであるから、カラーフィルタを備えた反射型表示素子であるが、画面の上方向からの入射光も左右方向からの入射光も効率良く利用して、画面が充分に明るいカラー画像を表示することができる。
【0106】
この発明の液晶表示素子において、前記カラーフィルタの画面の左右方向に沿う横幅を、前記画素領域の横幅よりも小さくすれば、画素領域内の前記カラーフィルタの側方の領域が前記無着色光出射領域となるため、画面の左右方向に並んでいる色の異なるカラーフィルタに対応している画素領域のうちの一方の画素領域を透過して入射し、他方の画素領域を透過して出射する光が、前記一方の画素領域に対応するカラーフィルタと他方の画素領域に対応する色の異なるカラーフィルタとの両方を通る確率がさらに低くなるから、これらの色の異なるカラーフィルタによる光の吸収をより少なくし、画面の左右方向から入射する光の利用効率をさらに向上させることができる。
【0107】
さらに、この発明の液晶表示素子において、隣り合う画素領域の間の領域を、前面側から入射した光が前記反射部材で反射されて前面側に出射する明表示領域とすれば、各画素領域の間の部分を明るくし、画面をさらに明るくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例を示す液晶表示素子の一部分の正面図。
【図2】図1のII−II線に沿う断面図。
【図3】前記液晶表示素子における、各画素領域にそれぞれ対応する各色のカラーフィルタの形状図。
【図4】図3に示した光入射線x1に沿って入射する光の透過経路を示す断面図。
【図5】図3に示した光入射線x3に沿って入射する光の透過経路を示す断面図。
【図6】この発明の他の実施例を示す、各画素領域にそれぞれ対応する各色のカラーフィルタの形状図。
【図7】液晶表示素子への外光の入射例を示す図。
【符号の説明】
1,2…基板
3…画素電極
4…TFT(能動素子)
10…ゲートライン
11…データライン
12…補償容量形成電極
15R,15G,15B…カラーフィルタ
17…対向電極
21,22…偏光板
23…散乱反射板(反射部材)
A…画素領域
a…無着色光出射領域
W…明表示領域

Claims (3)

  1. 後面側に反射部材を備え、液晶層をはさんで対向する前後一対の基板のうちの一方の基板の内面に設けられた複数の第1の電極と他方の基板の内面に設けられた少なくとも1つの第2の電極とが互いに対向する複数の画素領域を画面の左右方向および上下方向に配列するとともに、前記一対の基板のうちのいずれかの基板の内面に、複数の色のカラーフィルタを、その各色のカラーフィルタを前記各画素領域にそれぞれ対応させるとともに色の異なるカラーフィルタを前記画面の左右方向に交互に並べて設けた反射型の液晶表示素子において、
    前記各色のカラーフィルタが前記画素領域の面積よりも小さい面積に形成され、前記各画素領域内の前記カラーフィルタに対応しない領域が、前面側から入射し前記反射部材で反射されて前面側に出射する光を着色することなく透過させる無着色光出射領域となっているとともに、前記画面の左右方向に並ぶ各色のカラーフィルタが、色の異なるカラーフィルタごとに、その位置を前記画面の上下方向にずらして設けられていることを特徴とする液晶表示素子。
  2. 前記カラーフィルタの画面の左右方向に沿う横幅が、前記画素領域の横幅よりも小さいことを特徴とする請求項1に記載の液晶表示素子。
  3. 隣り合う画素領域の間の領域が、前面側から入射した光が前記反射部材で反射されて前面側に出射する明表示領域となっていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の液晶表示素子。
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