JP3785835B2 - 投射型表示装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は投射型表示装置に係り、特に、複数の液晶パネルを用いて複数の画像成分を形成し、これら複数の画像成分を合成して所望の画像、例えばカラー画像として投射するように構成された表示装置の構成に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、液晶パネルをライトバルブとして用いた投射型表示装置、例えば液晶プロジェクタにおいては、一般に、赤、青、緑の三原色の光をそれぞれ別の液晶パネルに通してそれぞれの色毎に画像成分を形成し、これらの画像成分を合成して所望のカラー画像を作り出し、前方に投射するように構成されている。
【0003】
上記3色の画像成分を合成する場合、キュービック状のダイクロイックプリズムを用い、ダイクロイックプリズムの外周4面のうち、2つの側面及び正面にそれぞれ液晶パネルを一つずつ隣接配置し、3つの液晶パネルにそれぞれ3色の光を照射することによって、3色のうちの2色の画像成分をダイクロイックプリズムの側面から導入して選択的に反射させ、残りの1色の画像成分を正面から導入して透過させることによって、ダイクロイックプリズムの背面から合成画像を射出させるように構成するものがある。
【0004】
上記の液晶プロジェクタに用いられる液晶パネルとしては、TN型のアクティブマトリクスパネルが一般的である。この液晶パネルは、2枚のパネル基板の間にTN型の液晶層を封入し、パネル基板の外側に光透過軸を相互に直交させた2枚の偏光板を配置して、マトリクス状に形成された画素毎に電界を印加することによって光透過状態を変化させるように構成されている。パネル基板の一方にはTFT(薄膜トランジスタ)素子やTFD(Thin Film Diode)などのアクティブ素子が形成され、画素電極毎に所望の画像信号を選択的に印加できるようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記の液晶プロジェクタにおいては、液晶パネルによって変調された各画像成分のうち、ダイクロイックプリズム内の選択反射面によって反射される画像成分と、ダイクロイックプリズムを透過する画像成分とが、互いにミラー反転した状態で合成される。このとき、液晶プロジェクタ内に設置される複数の液晶パネルは通常互いに同じものが使用されるため、液晶パネルの光学特性に方位依存性が存在すると、互いにミラー反転された異なる色の画像成分を合成したときに、再生しようとする原画像に対して色ムラが発生する場合があるという問題点がある。
【0006】
通常、液晶プロジェクタなどの投射型表示装置においては、一般の液晶表示パネルの場合とは異なり、視認性の良好な視角範囲が限定されているなどの視角依存性自体はほとんど再生画像に影響を与えないが、液晶パネルは、視野角自体ではなく、光学特性の方位依存性、すなわち、視線の方位角によってコントラストや明るさが変化する特性も有しており、この方位依存性によって画像成分のコントラストや明るさに特有の面内分布が発生する。例えば、TN型液晶には、ラビング方向と液晶分子のねじれ方向とによって定まる明視方向が存在し、明視方向から見た場合には、視野角が低い領域では、他の方向はもちろんのことパネル面に対する法線方向よりもコントラストが増大する。特に、この明視方向が画像成分のミラー反転の対称軸の方向からずれている場合、ミラー反転によって画像成分における明視方向に相当する方向が反転するため、合成画像における色ムラの原因となる。
【0007】
そこで本発明は上記問題点を解決するものであり、その課題は、投射型表示装置において、液晶パネルの光学特性の方位依存性に起因してもたらされる、複数の画像成分におけるコントラストや明るさのばらつきによって生ずる色ムラを低減することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明が講じた第1の手段は、複数の液晶パネルを備え、各液晶パネルによって光変調された複数の画像成分を合成してなる合成画像を投射するように構成された投射型表示装置において、前記画像成分における画像面内分布のコントラスト又は明るさの偏りを、前記液晶パネルに対応して設けられた光学補償層によって緩和させたことを特徴とする。
光学補償層を用いることによって液晶パネルの光学特性の方位依存性を低減させて、画像成分の画像分布のコントラスト又は明るさの偏りを緩和させることによって、画像成分を合成する場合の光学系に依存することなく、例えば、画像合成時に画像成分間においてミラー反転や回転などが発生しても、液晶パネル自体の光学特性を変化させずに合成画像の色ムラを低減することができる。
【0009】
本発明において、前記光学補償層は、複数の液晶パネルに対して同一のものが用いられていることが好ましい。複数の液晶パネルに対して同一の光学補償層を用いることによって製造コストを低減することができるとともに、各液晶パネルの光学特性を揃えることができる。
【0010】
本発明において、少なくとも一の前記画像成分が他の前記画像成分に対してミラー反転した状態で合成されるように構成されていることが好ましい。互いにミラー反転された状態で複数の画像成分が合成される場合には、複数の画像成分の光学的な偏りの分布が同傾向にあったとしても、ミラー反転によって画像成分の偏りの差が強調されて色ムラが発生するので、光学補償層によって液晶パネルの光学特性の方位依存性を緩和することが特に有効である。
【0011】
本発明において、前記画像成分は、カラー画像を構成するための複数の色光であり、複数の前記液晶パネルをそれぞれ透過した前記複数の画像成分は色合成光学手段に入射されて、前記画像成分は奇数回反射される画像成分と、偶数回反射される画像成分とからなり、前記画像成分は前記色合成手段で合成された光を投射光学手段を介して投射することを特徴とする。例えば、カラー画像を構成するための3種の基本色画像であり、3枚の前記液晶パネルをそれぞれ透過した前記画像成分は、ダイクロイックプリズム等の色合成手段の外周4面のうち3面からそれぞれ入射し、前記画像成分のうちの2つは反射され、前記画像成分の一つは透過して、前記ダイクロイックプリズムの外周の他の1面から前記合成画像が投射されるように構成されている場合がある。このような場合、画像成分が偶数反転と奇数反転するものを合成画像しても、液晶パネル自体の光学特性を変化させずに合成画像の色ムラを低減することができる。
【0012】
なお、上記各手段において、光学補償層としては、負の一軸性物質であって液晶パネルの光学特性の方位依存性に対応した方向に傾斜した光学軸を備えたものであることが好ましい。例えば、ディスコティック液晶の光学軸を配向処理によって所定方向に傾斜させたものが液晶パネルの方位依存性を良好に補償する上で好ましい。また、光学補償層は、TN型液晶パネルにおける偏光板とパネル基板との間に配置されることが好ましく、また2枚のパネル基板の外側にそれぞれ配置されることが特に望ましい。また、本発明においては、前記光学補償層はディスコティック液晶の光学軸を配向処理によって傾斜させたものであり、ベンゼン誘導体、シクロヘキサン誘導体、アザクラウン系やフェニルアセチレン系マクロサイクルのいずれかを母核とし、直鎖のアルキル基やアルコキシ基、置換ベンゾイルオキシ基などが放射状に置換された構造、又は、低分子ディスコティック液晶が架橋して高分子量化したものであることを特徴とする。また、前記ディスコティック液晶の配向による前記液晶パネルの法線に対する傾斜角は、25〜35度であり、直交する3軸方向の屈折率をその値が小さい順にn1,n2,n3とし、前記光学補償層の厚さをdとしたとき、Δn’・d(nm)が50以上400以下であり、Δn’=(n2+n3)/2−n1であることを特徴とする。
【0013】
本発明において、前記光学補償層を前記液晶パネルに貼着形成されてなることが望ましい。液晶パネルに付着形成することによって投射型表示装置への取り付けが容易になり、装置の小型化も可能になる。この場合に、液晶パネルに偏光板を設ける場合には偏光板とともに光学補償層を貼着することが望ましい。
また、前記光学補償層を前記液晶パネルの液晶層の表裏両側に配置することを特徴とする。また、前記光学補償層は独立したフィルムまたはシートであり、又は、基体フィルム上に形成され、プリズムユニットの表面に貼着することを特徴とする。
【0014】
本発明において、前記光学補償層と前記液晶パネルとを離間配置することが望ましい。光学補償層と液晶パネルとを離間配置させることにより、放熱性を向上させることができるとともに、光学補償層の欠陥や塵埃付着による画質への影響をデフォーカス作用により低減することができる。この場合、液晶パネルに偏光板を設ける場合には偏光板もまた液晶パネルに対して離間配置させることが好ましい。その場合、光学補償層と偏光板を両方ともダイクロイックプリズム等の色合成手段に貼りつけてもよい。さらに、偏光板と光学補償層との間も離間配置すれば偏光板と光学補償層の熱上昇を抑えることができる。
【0015】
次に、本発明が講じた第2の手段としては、複数の液晶パネルを備え、各液晶パネルによって光変調された複数の画像成分を合成してなる合成画像を投射するように構成され、少なくとも一の前記画像成分が他の前記画像成分に対して前記液晶パネルの明視方向とは異なる方向に伸びる対称軸に対してミラー反転した状態で合成されるように構成された投射型表示装置において、一の前記画像成分を形成する前記液晶パネルと、他の前記画像成分を形成する前記液晶パネルとが、互いに明視方向を前記画像成分のミラー反転と同じ対称軸に対してミラー反転させた状態に構成されていることを特徴とする。
【0016】
一の画像成分を形成する液晶パネルと、他の画像成分を形成する液晶パネルとが、それらの明視方向を一の画像成分と他の画像成分との間のミラー反転と同じ対称軸に対してミラー反転させた状態に構成されていることによって、一の画像成分と他の画像成分とが互いにミラー反転した状態で合成されたとき、合成画像の各成分は、明視方向に対応した画像分布の偏りを同じ方向に備えていることとなるため、合成画像の色ムラを低減することができる。
【0017】
本発明において、前記液晶パネル間の明視方向のミラー反転関係は、前記液晶パネルを構成するパネル基板のラビング方向及び/又は液晶のねじれ方向の相違によって形成されていることが好ましい。2枚のパネル基板のラビング方向のいずれか少なくとも一方、或いは液晶層中の液晶のねじれ方向を変えることによって明視方向を変えることができる。この場合、2枚のパネル基板のラビング方向を共に変えても良く、また、ラビング方向と液晶のねじれ方向とを共に変えてもよい。
【0018】
本発明において、前記液晶パネルの一方のパネル基板に対するラビング方向を当該パネル基板の表面上の一種の配線に沿った同一方向とし、前記液晶パネルの他方のパネル基板に対するラビング方向を逆方向とするとともに、液晶のねじれ方向を逆方向とすることによって、前記液晶パネル間の明視方向をミラー反転させることが望ましい。特に、TN液晶を用いたTFT液晶パネルの場合には、TFT素子を備えた素子基板において或る配線の方向にラビング方向を設定することによって基板内面上の段差によるラビング不良の影響を低減することができる場合があり、この場合には段差の大きな素子基板に対するラビング方向を変えることなく、対向基板のラビング方向と液晶のねじれ方向とを変えることによって明視方向をミラー反転させることができる。
【0019】
さらに、本発明が講じた第3の手段は、複数の液晶パネルを備え、各液晶パネルによって光変調された複数の画像成分を合成してなる合成画像を投射するように構成された投射型表示装置において、前記液晶パネルは、液晶層を挟持する2枚のパネル基板のうちの一方のパネル基板の内面上に、画像信号線と、該画像信号線から選択された画像信号が印加される画素電極と、該画素電極に間隔を以って並行して形成され、対向電位が印加される対向電極とを備え、前記画素電極と前記対向電極との間に発生する前記パネル基板と平行な電界成分を含む電界によって前記液晶層中の配向方向を主としてパネル面に対して平行な面内において変化させ、前記液晶層の光透過率を制御するように構成されていることを特徴とする。
【0020】
装置内の画像成分を形成する液晶パネルが、一方のパネル基板上に形成された画素電極と対向電極とによってパネル面と平行な電界成分を発生させ、この電界によって液晶の配向方向をパネル面と平行な平面内にて変化させることによって光透過率を制御するように構成されているので、液晶分子の光学軸の傾斜によって発生する光学特性の方位依存性を低減することができ、したがって、画像成分の合成時において方位依存性に起因して発生する合成画像の色ムラを低減することができる。
【0021】
本発明において、前記液晶層中の液晶分子の所定状態における前記パネル面に平行な面内の配向方向がばらつくように構成されていることが好ましい。パネル面に平行な面内で液晶の配向方向を変化させることによって表示を実現する場合でも、変化の前後の状態において液晶の配向方向がパネル面に平行な面内において揃っていると、当該揃っている方向の方位角を基準として方位角が異なると視認性が異なることとなるので、当該状態においてパネル面に平行な面内において液晶分子の配向方向がばらついていることが光学特性の方位依存性をさらに低減する上で好ましい。このように液晶分子の配向方向をばらつかせる方法としては、分割配向などによってマルチドメインを形成する方法がある。マルチドメインを形成する方法としては、後述するように、配向処理の異なる領域を形成する方法や、液晶に臨む内面上に傾斜面を形成する方法などがある。
【0022】
本発明に係る第4の手段としては、複数の液晶パネルを備え、各液晶パネルによって光変調された複数の画像成分を合成してなる合成画像を投射するように構成された投射型表示装置において、前記液晶パネルは、前記液晶パネル内の液晶層中の液晶分子がパネル面に対してほぼ垂直方向に配向した第1の配向状態と、液晶の分子がパネル面に対して傾斜して配向し若しくはほぼ平行方向に配向した第2の配向状態との間で遷移することにより表示態様を変化させるように構成されていることを特徴とする。このように、いわゆる垂直配向型の液晶パネルを構成することによって、液晶分子の垂直配向時における光学特性の方位依存性を低減して画像成分の合成時において方位依存性に起因して発生する合成画像の色ムラを低減することができる。
【0023】
本発明において、前記第1の配向状態において前記液晶層中の液晶分子がパネル面に対して僅かに傾斜するように構成するとともに、当該僅かに傾斜する方向がばらつくように構成されていることが好ましい。第1の配向状態においてほぼ垂直に配向している液晶分子が僅かに傾斜するように構成することによって第2の配向状態に遷移した場合の傾斜若しくはパネル面に平行に配向する方位角を制御することができ、さらに、上記の僅かに傾斜する方向がばらつくように構成することによって第2の配向状態における液晶分子の傾斜若しくは平行に配向したときにおける方位角がばらつくので、液晶パネルにおける光学特性の方位依存性を低減することができる。
【0024】
さらにまた、本発明が講じた第5の手段は、複数の液晶パネルを備え、各液晶パネルによって光変調された複数の画像成分を合成してなる合成画像を投射するように構成された投射型表示装置において、前記液晶パネルは、液晶分子の配向方位が異なる複数の配向領域を備えた分割配向構造(マルチドメイン構造)を有することを特徴とする。
【0025】
液晶分子の配向方位が異なる分割配向構造を備えた液晶パネルとすることによって、液晶パネルの光学特性の方位依存性を適宜に設計することができるから、画像成分の合成時において方位依存性に起因して発生する合成画像の色ムラを低減することが可能になる。
【0026】
この場合、分割配向構造によって液晶パネルにおける光学特性の方位依存性を適宜に設計することができるので、たとえば、複数の液晶パネルによって形成される複数の画像成分のうち、一の画像成分と他の画像成分とが或る対称軸に対してミラー反転した状態で合成される投射型表示装置の場合には、これらの画像成分を形成する液晶パネルにおける光学特性の方位依存性が上記対称軸に対して対称になるように分割配向構造を設計すれば、ミラー反転による色ムラの発生を低減することができる。したがって、この場合には液晶パネルの光学特性の方位依存性を全方位角に亘って低減させる必要は必ずしもない。
【0027】
本発明において、前記分割配向構造は、前記液晶パネルの光学特性の方位依存性を緩和させ、均一化させるように設けられていることが好ましい。この場合には方位依存性自体が緩和されられるように分割配向構造が設けられるので、画像の合成態様(例えばミラー反転時の対称軸の方向など)に拘わらず、合成画像の色ムラの発生を抑制できる。
【0028】
本発明において、前記配向領域は、異なるラビング処理を施された領域を設けたり、光照射によって配向状態を制御できる光配向特性を有する配向膜を用いたり、液晶層に臨むパネル基板の内面上に異なる方向に傾斜した複数の傾斜面を設けたりすることなどによって形成される。
【0029】
本発明において、前記液晶パネルの光学特性における方位依存性を緩和させる光学補償層を光路中に配置することが好ましい。上記の第2〜第5の手段においては、さらに光学補償層を配置して液晶パネルの方位依存性を緩和させることが効果的である。液晶パネル内の構造のみで光学特性の方位依存性を充分かつ効果的に低減させようとすることは困難であるが、光学補償層と組み合わせることによって容易に充分な効果を得ることが可能になる。この場合にはさらに、光学補償層を液晶パネルに対して貼着させ一体化させる場合と、光学補償層を液晶パネルから離反させて設置する場合とがある。
【0030】
本発明において、前記液晶パネルのラビング方向は、前記液晶パネルを構成するパネル基板における少なくとも1種の配線方向に沿った方向に行われていることが好ましい。液晶パネルのラビング方向が配線方向に沿った方向に行われることによって、配線の段差に起因する配向不良を防止することができる。この場合、配線方向に液晶を配向させることによって液晶パネルの左右斜め方向に明視方向が生ずる場合がある。したがって、左右にミラー反転させた画像成分を合成する投射型表示装置においても、上記各手段によって合成画像の色ムラを低減できるため、配線方向の配向処理によって表示品位を向上させようとする場合に、本発明の上記各手段は特に有効である。
【0031】
【発明の実施の形態】
次に、添付図面を参照して本発明に係る実施形態について説明する。
【0032】
[投射型表示装置の全体構成] 最初に、本実施形態における投射型表示装置の全体構成について説明する。図1は、投射型表示装置である液晶プロジェクタの光学系の構造を示すものである。
【0033】
液晶プロジェクタ20のハウジング内には、図示断面で示す光学ユニットが内蔵されており、この光学ユニットには、光源を含む照明用光学系と、光源光を赤、緑、青の各色光R,G,Bに分離する色分離光学系と、後述する各液晶ライトバルブを透過させた後に各色光R,G,Bを再合成する色合成光学系と、色分離光学系から色合成光学系へと色光を導く導光系とを備えている。
【0034】
照明用光学系には、光源ランプ21と、微小レンズの集合体からなるインテグレータレンズ22,23と、偏光分離膜と1/4波長板との集合体からなる偏光変換素子24と、反射ミラー25とが設置されている。光源ランプとしてはハロゲンランプ、メタルハライドランプ、キセノンランプなどを用いることができる。偏光変換素子24は、光軸に対して傾斜した偏光分離膜を配列させた状態に内蔵する透光板が1/4波長板に接した構造を備えており、入射光のうちS偏光は偏光分離膜を透過し、偏光分離膜にて反射されたP偏光は隣接する別の偏光分離膜にて反射されてS偏光に変換されるので、入射光をS偏光に揃えることができる。
【0035】
色分離光学系には、赤緑反射ダイクロイックミラー26と、緑反射ダイクロイックミラー28が設置されており、赤緑反射ダイクロイックミラー26において色光R及びGは反射され、色光Bは透過する。反射された色光R及びGのうち、色光Gは緑反射ダイクロッイックミラー28にて反射され、色光Rは緑反射ダイクロイックミラー28を透過する。
【0036】
導光系においては、色光Bは反射ミラー27にて反射され、集光レンズ35に入射する。色光Gは緑反射ダイクロイックミラー27から直接集光レンズ34に入射する。色光Rは入射側レンズ29、反射ミラー30、中間レンズ31及び反射ミラー32を経て集光レンズ33に入射する。
【0037】
集光レンズ33,34,35の先には、それぞれ液晶ライトバルブ36,37,38が取り付けられている。これらの液晶ライトバルブは、後述する液晶パネルをパネル取付枠に収容し、フレキシブル配線基板などの配線部材を接続させた液晶パネルモジュールによって構成され、後述するパネル取付枠を光学ユニット内の支持固定部39に対して挿入固定することによって設置される。これらのライトバルブは、図示しない制御駆動手段(上記配線部材に導電接続される。)によって所望の画像情報に応じてスイッチングが制御され、各色光R,G,Bに対する変調を行う。
【0038】
色合成光学系では、上記液晶ライトバルブ36,37,38によってそれぞれに変調されて所定の画像成分を構成するようにされた各色光R,G,Bを3つの面にて受けるダイクロイックプリズムを構成するキュービック状のプリズムユニット40が設置されている。プリズムユニット40は各色光R,G,Bを合成し、所望の画像情報を含むカラー画像を構成する。このカラー画像は、投射光学手段(投射レンズユニット)41により所定位置にある図示しないスクリーン上に拡大投影される。
【0039】
このような液晶プロジェクタ20においては、図1が装置の横断面を表示するものである場合、各液晶ライトバルブ36,37,38によって変調形成された各画像成分のうち、液晶ライトバルブ36と38によって形成された画像成分はプリズムユニット40内の選択的反射面にて反射されるが、液晶ライトバルブ37によって形成された画像成分は反射されることなくそのままプリズムユニット40を透過する。したがって、色光R,Bに基づいて形成された画像成分と、色光Gに基づいて形成された画像成分とは、左右方向に垂直軸を対称軸として互いにミラー反転された状態で合成され、前方に投射されることになる。要するに、複数の液晶パネルをそれぞれ透過した複数の画像成分はプリズムユニットに入射されて奇数回反射される画像成分と偶数回反射される画像成分とからなり、プリズムユニットで合成されたこれらの画像成分は投射光学手段を介して投射される構成である。
【0040】
[液晶パネルの構造] 上記液晶ライトバルブ36,37,38を構成する液晶パネル10は、図2及び図3に示すように、ガラスなどからなる透明基板11(素子基板)と透明基板12(対向基板)とがシール材14を介して所定の間隙(セルギャップ)を有するように貼り合わせられ、シール材14の内側に構成された液晶封入領域10a内に液晶13を注入して構成されている。液晶13はシール材14に設けられた液晶注入口14aから注入され、液晶注入口14aはその後樹脂などからなる封止剤15によって封鎖される。シール材14としてはエポキシ樹脂、各種の光硬化性樹脂を用いることができる。セルギャップを確保するには、シール材14内にセルギャップに相当する粒径(約2〜10μm)を備えた無機或いは有機質のファイバ若しくは球体を混入する。
【0041】
透明基板11は透明基板12よりも若干大きな表面積を備えており、その内面に多数の画素に対応して配線層、透明電極、TFT(薄膜トランジスタ)などのアクティブ素子が形成されている。透明基板12の内面にも画素に対応する配線層や透明電極が形成されている。透明基板12の内面の画素対応領域の外側には、シール材14の形成領域の内側にて周回状に形成された遮光膜12aが形成されている。
【0042】
透明基板11の内面上におけるシール材14の形成領域の外側には、透明基板11及び12の内面上に形成された配線層に導電接続された配線パターン11aが形成されており、この配線パターン11aに合わせて集積回路チップなどからなる走査線駆動回路17及びデータ線駆動回路18が実装される。さらに、透明基板11の一側の外縁部は多数の外部端子19が配列した外部端子部11bが構成されており、この外部端子部11bに対して異方性導電膜などを介してフレキシブル配線基板16などの配線部材が導電接続される。
【0043】
液晶13は、TN型、STN型の他、IPS(in-plain switching)モード、VA(vertically aligned)モードなどの種々のモードの液晶パネルに適合したものを用いることができる。上記液晶パネル10では、使用する液晶13の種類、動作モード、表示モード(ノーマリーホワイト、ノーマリーブラック)等に応じて、偏光フィルム、位相差フィルム、偏光板などを所定方位に向けて取り付けられる。
【0044】
図4には、TFTを用いたアクティブマトリクス型の液晶パネルを構成する場合の透明基板11(素子基板或いはアクティブマトリクス基板)上の等価回路図を示し、図5には、同じ透明基板11上の平面配置を拡大して示し、また図6には、図5のVI−VI線に沿って切断した断面構造を模式的に示す。図4に示すように、素子基板上には走査線101とデータ線103が縦横にそれぞれ並列するように形成され、走査線101は画素毎に形成されたTFT104のゲートに接続され、TFT104のソースはデータ線103に接続されている。TFT104のドレインは画素電極106に電気的接続されているとともに蓄積容量105に電気的接続されている。蓄積容量105は容量線102に接続されている。この蓄積容量105を形成する方法としては、容量線102の代わりに前段の走査線101との間に接続してもよい。
【0045】
走査線101には走査信号Gnがパルス的に線順次で印加され、データ線103には画像信号Snが線順次に印加されるか、若しくは相隣接する複数のデータ線をグループとするグループ毎に印加される。TFT104は、走査信号Gnに従ってデータ信号Snに応じた電位を適宜に画素電極106に書き込む。画素電極106は図示しない液晶層を介して透明基板12の内面上に形成された図示しない対向電極に対向し、所定電位が供給される対向電極との間で液晶層に所望の電界を付与する。
【0046】
図5及び図6に示すように、TFT104は図5に斜線にて示す領域に延在し、ソース1041はデータ線103に対して開口部1041aにて導電接続され、ゲート1042は走査線101と交差して図示しない薄い絶縁膜を介して対向する。ドレイン1043は開口部1043aを介して画素電極106と導電接続される。これらの構造から延在した下電極1040は容量線102と絶縁層を介して平面的に重なり、上記蓄積容量105を構成している。蓄積容量105は、公知のように電荷のリークに対して画素電極106の電位を長時間保持するためのものである。
【0047】
[配向処理と明視方向との関係(第2の手段)]
図7は、上記のTN型のアクティブマトリクスタイプの液晶パネルのラビング方向と、明視方向との関係を示すものである。図7においては、液晶パネル10を、射出側から透明基板11と透明基板12とを重ねて見た状態を示している。図中の縦横の白抜きラインは、透明基板11上の走査線とデータ線の延長方向を示すために、模式的に配線構造(或いは画素の配列構造)を示したものである。
【0048】
一般的な液晶プロジェクタにおいては、投射画像は横長に設定されるため、液晶パネルは図7に示されるように左右方向を長手方向にした状態で装置内に設置される。上記の液晶パネル10においては、透明基板11(素子基板)と透明基板12(対向基板)の内面上にポリイミドなどからなる配向膜を形成し、この配向膜の表面を布などによって擦ることによってラビング処理を施す。もっとも、ラビング処理としては、特に配向のためにのみ用いる配向膜を形成せずに通常の絶縁膜の表面に対して行ったり、有機膜以外の無機膜を用いたり、無機素材の斜め蒸着法などを用いて被膜を形成することによって機械的ラビング処理を不要にしたりする場合もある。
【0049】
通常、透明基板11に対しては図示右下から左上へ向けたラビング方向R(11)にてラビング処理し、透明基板12に対しては図示右上から左下へ向けたラビング方向R(12)にてラビング処理し、液晶の90度のねじれ方向を図示のS方向にすることによって、液晶パネルの明視方向は図示上方となる。明視方向は透明基板11,12のラビング方向と液晶のねじれ方向とによって決定され、図示のように配線方向に対して斜めにラビング処理を施す場合には、明視方向は上下左右のいずれかの方向となる。
【0050】
図7に示すように液晶パネルの明視方向が上方であって、図1の液晶プロジェクタ20内に液晶ライトバルブ36,37,38として液晶パネルを図7のとおりの姿勢で設置すると、3つの画像成分のうちの色光Gの画像成分は色光R,Bの画像成分に対して左右方向にミラー反転しているだけであるので、3つの画像成分における明視方向は合成後においてもいずれも上方となり、明視方向が画像成分によって異なることはない。
【0051】
一方、図7に点線で示すように、透明基板11のラビング方向を180度回転させてAR(11)で示す方向にラビング方向を変え、液晶のねじれ方向を図示のAS方向とすることによって、明視方向は図示右側になる。この場合には、上記のように色光Gの画像成分が他の画像成分に対して左右にミラー反転していると、明視方向もまた左右逆になり、合成画像において色ムラが発生する。
【0052】
上述のように、ラビング方向を配線方向に対して斜めに(例えば45度傾斜させて)して行う場合には、明視方向を上下に設定することができ、通常の液晶表示パネルなどにそのまま用いられている。しかし、この場合、配線(走査線又はデータ線)の段差の存在によって配向不良が発生する可能性があり、表示品質を高める上では好ましくない。特に、液晶プロジェクタなどの投射型表示装置に用いる液晶パネルとしては、通常よりも小さなパネル面積内に高精細な画素構造を形成する必要があるため、配線段差に起因する配向不良が発生しやすいという問題点がある。そこで、本実施形態では、ラビング方向を配線方向に沿って行うことによって配線段差に起因する配向不良の発生を低減している。
【0053】
図8には、ラビング処理を配線方向に沿って行う場合の状況を示す。透明基板11のラビング方向R(11)を図示下から上へ向かう方向とし、透明基板12のラビング方向R(12)を図示右から左へ向かう方向とし、液晶のねじれ方向をS方向にすると、明視方向は図示のように右上方向となる。このように、ラビング方向を配線方向に設定すると、明視方向は必ず配線方向に対して斜めの方向となる。したがって、図8に示す姿勢でそのまま図1に示す液晶ライトバルブとして液晶プロジェクタ内に設置すると、色光R,Bに基づく画像成分と色光Gに基づく画像成分とは左右にミラー反転した状態で合成されることから、合成画像において色光R,Bの色調成分の明視方向と色光Gの色調成分の明視方向とが左右反転する(斜め右上と斜め左上)ので、色ムラが発生することになる。
【0054】
そこで、本願の第2の手段を構成する一つの解決策としては、液晶パネル10として、図8に実線で示すラビング方向R(11),R(12)及びねじれ方向Sによって作成したものと、透明基板12のみラビング方向R(12)の反対の図8に点線で示すラビング方向AR(12)で処理し、液晶のねじれ方向を図示AS方向にしたものとを用意し、両者のいずれか一方を図1に示す液晶ライトバルブ36,38に組み込み、他方を液晶ライトバルブ37に組み込むようにする。このようにすると、透明基板12のラビング方向をR(12)とし、液晶のねじれ方向をS方向にしたものは図示右上が明視方向となり、透明基板12のラビング方向をAR(12)とし、液晶のねじれ方向をAS方向にしたものは図示左上(点線で示す。)が明視方向となるため、画像成分のミラー反転によって画像成分合成後の合成画像中における明視方向が一致し、色ムラの発生を抑制することができる。
【0055】
特に、上記方法では、透明基板11(素子基板)のラビング方向R(11)を変えることなく、透明基板12(対向基板)のラビング方向と液晶のねじれ方向とを変えることによって明視方向を変えている。これは、透明基板11は配線等が積層されているため、透明基板12よりも段差が大きく、配線段差に起因する配向不良が発生しやすい。そのため、透明基板11のラビング方向を配向未処理を抑える方向に固定しておき、透明基板12のラビング方向と液晶のねじれ方向を適宜変えれば、配向未処理の発生を極力抑えることができる。尚、本実施形態では、配向未処理の発生を抑えるためにデータ線103の延長方向(図示上方向)にラビングしている。さらに、図5に示されるように走査線の段差部は容量線等により緩和されるとともに段差による配向未処理領域は容量線あるいは遮光膜等で隠すように設計してもよい。
【0056】
もちろん、上記のように既存の設計を顧みることなく明視方向を変えればよい場合には、透明基板11,12のラビング方向を逆方向とすることによっても2種類の液晶パネルを構成することができるので、2種のパネルを製造工程中に流す場合のコスト増大を最小限に抑制することができる。ただし、この場合には上記のような配線方向にラビング処理を行うことによるメリットを享受することは困難になる。
【0057】
図9は、図7のように斜め方向にラビング処理を行う場合に、透明基板11,12の双方のラビング方向を変えてラビング方向AR(11),AR(12)とし、液晶のねじれ方向Sは変えずに明視方向を変える場合の例を示すものである。また、図10は、図8のように配線方向にラビング処理を行う場合に、透明基板11,12の双方のラビング方向を変えてラビング方向AR(11),AR(12)とし、液晶のねじれ方向Sは変えずに明視方向を変える場合の例を示すものである。
【0058】
なお、図8の当初の状態に対して透明基板11のラビング方向を逆にし、液晶のねじれ方向をAS方向とした場合には、明視方向は図示右下方向となり、画像成分の合成時に複数の画像成分間の関係が上下にミラー反転する液晶プロジェクタの構成であれば同様にミラー反転による明視方向の不一致を回避することができる。
【0059】
[光学補償層の配置(第1の手段)]
次に、上記の液晶プロジェクタ20に液晶パネル10を組み込んだ液晶ライトバルブを設置する場合の画像成分のミラー反転に伴う明視方向の不一致を解決する方法として、本願の第1の手段を構成する解決策について説明する。この解決策においては、3つの液晶ライトバルブ36,37,38に対応してそれぞれに光学補償層を設けるものである。
【0060】
上記のように、液晶パネルに明視方向が発生する理由は、TN型液晶セルにおいては屈折率異方性を有する液晶分子が90度ツイストしているからである。この状態の液晶分子は、電界印加時(ノーマリーホワイトモードでは光遮断状態)において液晶分子が基板に対して垂直方向に立ち上がるように配向するものの、図11(a)に示すように、完全な垂直方向に対してやや傾斜した配向方向を備えている。この液晶分子の垂直配向状態における傾きは、液晶分子の傾斜している方位と他の方位との光学的な差異を発生させるので、液晶パネルにおける所定の視角(パネル基板の法線に対する視認方向の傾斜角)の方位角依存性を生じさせる。したがって、液晶分子の垂直配向状態における傾斜に起因する光学的な方位依存性を打ち消すように作用する光学補償層を形成すれば、液晶パネル10の明視方向の影響をなくすことが可能である。
【0061】
図11(a)に示すように液晶パネル10の両側に光学補償層51,52を配置することによって、液晶パネル10の光学特性の方位依存性は打ち消され、若しくは緩和される。したがって、光学補償層51,52を上記の液晶ライトバルブ36,37,38の全てに設置することによって、各液晶ライトバルブが形成する画像成分が互いにミラー反転した状態で合成されようとも、液晶パネルの光学的な方位依存性が緩和されていることから、画像成分の偏りそのものが低減され、したがって、合成画像における色ムラも抑制される。
【0062】
図11(a)に示すように単純傾斜の正の一軸性液晶の視野角を補償するには、正の一軸とは逆の単純傾斜の負の一軸性物質を用いればよい。負の一軸性とは、直交する3軸方向の屈折率をその値が小さい順にn1,n2,n3としたとき、n1<n2〜n3(n2とn3とは厳密に等しくなくても、ほぼ等しければよい。)の関係を有し、光学軸方向の屈折率が最も小さいという特性を有するものである。具体的には、abs[n2−n3]/abs[n2−n1](absは絶対値を示す。)が0.2以下であれば実用上も問題がない。また、TN型液晶セルの光学補償を良好に行うためには、上記の理由(液晶分子の傾斜)により負の一軸性物質の光学軸を光軸(パネル面の法線)に対して傾斜させればよい。このような負の一軸性を示し、その光学軸が傾斜している位相差板により視角特性を改善することができる。
【0063】
光学補償層或いは光学補償膜としては上記の要件を満たすものならば種々のものが考えられるが、特に、図11(b)に示すように、液晶パネル10内の液晶層のより精密な液晶分子の配向状態に対応したものであることが好ましい。液晶層内の液晶分子は、垂直配向状態において、厳密には液晶層の中間部に存在する液晶分子はほぼ垂直に近い配向状態となるが、パネル基板に近くなると徐々に配向方向が基板面に向けて倒れていくため、これに合わせて光学補償層51,52の構造を液晶層の構造と同様に高次構造をもたせたものとして最適化する必要がある。
【0064】
このような高次構造を構成する上記の光学補償層としては、ディスコティック液晶の光学軸を配向処理によって傾斜させたものを用いることができる。配向処理は種々の公知の配向技術を用いることができるが、例えば、基体フィルム上にポリイミドなどからなる配向膜を形成し、ラビング処理を行った後、ディスコティック液晶(を溶剤にて希釈したもの)を塗布し、配向させた後、乾燥若しくは焼成などによる重合硬化を行う。基体フィルムとしては光透過率が高いものが好ましく、また、固有複屈折率が小さい素材で形成され、面配向しているフィルムであることが好ましい。ディスコティック液晶の塗布方法としては、特開昭49−107040号や特開昭56−133067号などに記載されているスライドコーターを用いて傾斜角0〜9度で塗布する方法が好ましい。
【0065】
ディスコティック液晶としては、上記の負の一軸性を有し傾斜配向が可能なものであれば如何なるものでもよいが、特に、過去に報告例のあるものとして、ベンゼン誘導体、シクロヘキサン誘導体、アザクラウン系やフェニルアセチレン系マクロサイクルなどがあり、一般にこれらを母核とし、直鎖のアルキル基やアルコキシ基、置換ベンゾイルオキシ基などが放射状に置換された構造を備えている。また、低分子ディスコティック液晶が架橋して高分子量化したものも含む。
【0066】
上記配向によるディスコティック液晶のパネル法線に対する傾斜角としては、5〜50度程度であり、特に10〜40度、さらには25〜35度であることがより好ましい。更に、光学異方素子である光学補償層の厚さをdとしたとき、Δn’・d(nm)が50以上400以下であることが好ましい。ここで、Δn’=(n2+n3)/2−n1である。また、図示のように、液晶層の表裏両側に光学補償層を配置することによって特に方位依存性のない特性が得られる。
【0067】
図12は、明視方向を図面下方向に設定したTN型液晶パネルにおける視野角及び方位角に対するコントラストの分布を示すグラフである。ここで、グラフ中の同心円の半径は視野角10〜60度の範囲を示し、その周回方向は方位角0〜360度を示す。グラフ中の曲線を示す数値10,20,50,100は、当該視野角及び方位角におけるコントラスト比の値を示す。図12(a)に示すように本来は上下方向に大きな方位依存性を備えたコントラスト分布であるものが、光学補償層(フィルム)を用いることによって図12(b)に示すようにきわめて均一な方位特性になるように補償されている。
【0068】
ここで、投射型表示装置に用いられる液晶パネルにおける光学特性の方位依存性としては、視野角にして0〜15度程度までの範囲が特に重要であり、視野角が15度を超える領域の特性はほとんど表示特性に寄与しない。したがって、本発明においては、本明細書に記述された全ての実施形態を含めて、視野角にして0〜15度までの範囲内において方位依存性が改善されていればよい。また、同様に、上述のようにミラー反転させて複数の液晶パネルを用いるため、ミラー反転の対称軸に対して方位依存性がほぼ対称に修正されていればよい。
【0069】
上記のような光学補償層を用いる場合の光学的な配置を示すものが図15及び図16である。図15は図7に示すラビング処理を施した斜め配向の液晶パネルを用いたもの、図16は図8に示すラビング処理を施した配線方向の配向処理を施したものである。いずれにおいても、透明基板11,12とその間に封止された液晶層とからなる液晶パネル10の表裏両側に光学補償層51,52を配置し、その外側に2枚の偏光板53,54を配置することによって、光源55から照射される光を図示上方へ透過させた場合に、液晶パネル10と偏光板53,54のみで構成する場合に較べて光学特性の方位依存性が大きく低減される。
【0070】
図15及び図16において、光学補償層51,52において示す矢印は、それぞれ配向処理による負の一軸性物質の配向方向R(51),R(52)を示すものである。このようにして、光学補償層51,52(どちらか一方のみでもよい。)をクロスニコル配置の偏板の内側に配置することによって、液晶パネル10の光学特性の方位依存性が低減されるので、上記図1に示す液晶プロジェクタの各液晶ライトバルブに光学補償層を配置することによって、各画像成分のミラー反転による合成画像の色ムラが抑制される。
【0071】
ここで、上記光学補償層は独立したフィルム或いはシートとして構成されていても、上記のように基体フィルム上に形成されていても、或いは、パネル基板や偏光板の表面上に被着形成されていても構わない。また、光学補償層或いは光学補償フィルムを偏光板とともに液晶パネルに貼着しても、逆にプリズムユニットの表面に貼着してもよく、或いは、液晶パネルとプリズムユニットの間に独立させて配置してもよい。この場合、投射型表示装置としては、液晶パネルに対して、光学補償層(フィルム)及び偏光板を互いに僅かながらも離間配置することにより、放熱効果を高めることができ、しかも、液晶パネル以外の部材に微少な欠陥があったり表面に塵埃が付着していてもデフォーカス作用によりこれらが画質に影響しにくくなるという利点がある。
【0072】
この手法によれば、光学補償層によって液晶パネルの光学特性の方位角依存性を緩和してしまうため、液晶パネル自体に何ら変更を加えることなく、容易に合成画像の色ムラを低減することができるとともに、上記の複数の液晶ライトバルブについて相互に異なる構成を設ける必要がないため、工程管理の手間が省け、より容易に製造することができるという効果を奏する。
【0073】
[IPSモードの液晶パネル(第3の手段)]
次に、本願に記載された第3の手段に関する内容について説明する。画像成分の合成時におけるミラー反転に起因する色ムラを抑制する手法としては、液晶パネル自体の光学特性の方位依存性を低減させてしまうことが考えられる。この手法においては、本来的に光学特性の方位依存性が小さいパネル構造にすることによって、複数種類の液晶パネルを製造することも、或いは光学補償板を用意することも不要となる。
【0074】
図17及び図18には、上記液晶パネル10の代わりに用いることのできる液晶パネル60の拡大した平面構造及び断面構造を示す。この液晶パネル60は、素子基板61と対向基板62との間にネマチック液晶を配置し、共に素子基板61上に形成した画素電極65と対向電極67との間に所定の電界を形成して、液晶層内にパネル面と平行な方向の電界成分を発生させ、この電界によって液晶分子をパネル面と平行な面内で配向方向を変化させて光学的状態を切り替えようとするIPS(in-plain switching)モードの液晶パネルである。
【0075】
この液晶パネル60においては、図17に示すように、素子基板61の表面上において図示左右方向に伸びる走査線63と、図示上下方向に伸びるデータ線64とが形成されている。データ線64は画素毎に延長部64aを備え、走査線63の直上位置に図18に示す全面的に形成されたゲート絶縁膜63aを介して配置された部分に構成されるTFT(薄膜トランジスタ)68に接続されている。TFT68には延長部64aに対して図示しないゲート電極によって制御されるチャネル領域を介して対向する画素電極65の端部が接続されている。画素電極65は画素領域内においてコ字状に伸びる櫛歯状(図には2本の歯しかないものが示されている。)の平面形状を備えている。
【0076】
一方、図17の図示左右方向に伸びる対向線66が形成されており、この対向線66は上下左右方向に並列する各画素に共通の電位を供給するようになっている。対向線66には各画素領域毎に3本ずつ櫛歯状に突出する対向電極67が一体に形成されている。対向線66及び対向電極67の表面上には、(配線及び電極材料がAlであればアルミニウムの陽極酸化によって形成された)陽極酸化膜67a(図18参照)が全面的に形成されており、画素電極65やデータ線64との間の絶縁を確保している。さらに、図17に示す構造の表面には透明絶縁膜を介して配向膜69aが形成される。なお、図17に示す蓄積容量Cgは映像情報を長く保持するために画素電極と対向線との間に形成されたものである。
【0077】
対向基板62の内面には、図17に一転鎖線にて示す開口部を有するブラックマトリクス層62aが形成され、走査線63、データ線64及び対向線66からなる配線領域を隠している。このブラックマトリクス層62aの上には透明絶縁膜を介して上記と同様の配向膜69bが形成されている。
【0078】
この液晶パネルにおいては、液晶パネル60の表裏にクロスニコル配置に偏光板を設けるとともに、走査線63に走査信号を印加し、データ線64に画像信号を印加し、対向線66に適宜の対向電位を付与することによって、所定の画像を形成することができる。
【0079】
この実施形態では、図20の(a−1)及び(a−2)に示すように、液晶分子はパネル面とほぼ平行に配向されており、電界の有無や程度によってパネル面と平行な面内においてその配向方向が回転するため、光学特性の方位依存性は小さい。したがって、上記の液晶プロジェクタにおける液晶ライトバルブとして用いた場合、画像成分のミラー反転があっても、合成画像の色ムラを抑制することができる。
【0080】
しかしながら、この実施形態において、図20の(a−1)及び(a−2)に示すようにいずれの配向状態でもパネル面内に配列した液晶分子の方向はほぼ揃っており、その結果、液晶分子の揃った配列方向に対する角度関係により光学特性の方位依存性は完全にはなくならない。この実施形態のコントラスト特性を示すものが図13(a)のグラフである。方位依存性は通常のTN型の液晶パネルに比べて顕著に改善されているが、それでもコントラスト曲線の対称性は崩れており、投射型表示装置に用いる場合、ミラー反転によって色ムラが発生する余地がある。したがって、本実施形態では、この実施形態をさらに改良して、上述のように光学補償層を用いたり、或いは、マルチドメイン化によって方位依存性を改善することが好ましい。例えば、図17に示すように並列配置された画素電極65と対向電極67とを、それぞれ直線状であったものを「く」の字状に変更して、1ドット内に液晶分子の配列方向が異なる2つのドメインを形成することができる。このようにすると、図20の(a−1)と(a−2)のいずれの状態においてもパネル面に平行な面内ではあるが配向方向の異なる液晶分子がドット内に存在することとなるため、図13(b)に示すように光学特性の方位依存性における対称性が著しく改善される。
【0081】
[垂直配向構造の液晶パネル(第4の手段)]
次に、図20の(b−1)及び(b−2)を参照して垂直配向構造のVA(vertical aligned)モードの液晶パネルを用いた実施形態について説明する。垂直配向膜をパネル基板の内面上に形成することによって、無電解状態(初期状態)における液晶分子の配向方向を図20(b−1)に示すようにパネル面に対してほぼ垂直に設定することができる。もっとも、ほぼ垂直といっても垂線に対して傾斜角度が70度以上あればよい。ここに所定の電界を印加すると、図20(b−2)に示すように液晶分子は横倒しになる。
【0082】
この垂直配向構造の液晶パネルにおいては、液晶分子がパネル面に対してほぼ垂直な姿勢か或いはほぼ平行な姿勢のいずれかにあるため、従来のTN型液晶パネルに比べて光学特性の方位依存性が改善される。この垂直配向構造の液晶パネルにおける光学特性の方位依存性を図14(a)に示す。この実施形態の方位依存性は特に投射型表示装置として要求される視野角15度以内の特性は比較的良好である。
【0083】
しかしながら、この実施形態でも、図14(a)に示されるように厳密に見れば方位依存性の対称性は崩れていることから、ミラー反転した複数の液晶パネルを組み合わせる投射型表示装置において或る程度の色ムラの発生は避けられない。そのため、このわずかな方位依存性の対称性の崩れを補うために、上述の光学補償層(フィルム)やマルチドメイン化を組み合わせて対処することができる。この実施形態においてマルチドメインを形成した構造を示すものが図20(c−1)及び(c−2)である。この構造においては、電界無印加状態における僅かな傾斜を有する液晶分子の傾斜方向は電界印加状態における液晶の配向方向を決定するため、液晶層に接するパネル基板の内面に複数の傾斜面を形成することによって電界無印加状態における液晶の傾斜方向を制御して複数のドメインを形成し、これによって光学特性の対称性を向上させるようにしている。例えば、1ドット内に4つの傾斜面を有する略4角錐状の突起を形成することによって1ドット内に4つの異なる方向に傾斜した液晶分子を有するドメインを形成することができる。
【0084】
上記のように1ドット内に4つのドメインを形成した場合の垂直配向構造を備えた液晶パネルの光学特性(コントラスト特性)を図14(b)に示す。この場合には、上下左右について対称的な方位依存性が得られており、投射型表示装置に用いても色ムラを発生させることがない。
【0085】
[分割配向(マルチドメイン)構造の液晶パネル(第5の手段)]
最後に、上記とは異なる液晶パネル構造によって光学特性の方位依存性を低減する方法について説明する。この方法にて形成される液晶パネルは、いわゆる分割配向パネル構造を備えたものであり、例えば隣接画素間若しくは画素内においてパネル基板の内面上に施される配向処理の方向を変えたり、配向膜の配向処理の状態を変えて2枚の基板の液晶分子のプレチルト角を変えることにより制御される配向方向を部分的に変えたり、配向膜の表面に上述のような複数の傾斜面を形成したりして、異なる配向状態の領域を設けるものである。このような分割配向パネル構造を採用することによって、液晶パネルの光学特性の方位依存性が低減され、投射型表示装置における合成画像の色ムラが低減される。
【0086】
本実施形態では、特に、液晶プロジェクタなどの投射型表示装置に内蔵される小型の液晶パネルとして好適な製法について図15を参照して述べる。高精細な液晶パネルにおいて分割配向パネル構造を形成するには、ラビングローラやバフなどの接触により行うラビング処理は問題が多い。このため、配向膜に紫外線などを照射することによって行う光配向処理を行うことが好ましい。この光配向処理としては、例えば、パネル基板71の表面上に有機高分子等の配向膜材料を塗布した後、焼成して配向膜72を形成し、その後、配向膜72の物性を整えるための前処理露光を行う。この前処理露光においては、例えば、図15(a)に示すように、紙面と直交する方向に偏光した紫外線73を、パネル基板71の表面にほぼ垂直に照射する。次に、図15(b)に示すように、所定の光マスクを用いてパネル基板の表面の配向膜72に選択的に紫外線74を照射する。この紫外線74は前処理における紫外線の偏光方向に対して90度回転した方向(図示左右方向)に偏光したものである。この紫外線74は、パネル基板71のパネル面に対して所定方向に傾斜した方向から斜めに(例えば45度)照射する。次に、先ほどの光マスクとは異なる光マスクによって、図15(b)に示す露光領域の残りの配向膜72の表面領域に紫外線75を照射する。この紫外線75は紫外線74と同様の方向に偏光しているものであるが、図15(c)に示すように、紫外線74とは異なる方位角(例えば逆方向)から斜めに(例えば45度で)照射する。このようにして紫外線露光を行い、同様に処理した配向膜78を有する対向基板77とによって液晶パネル70を形成すると、図15(d)に示すように、紫外線の照射方向に向けて起き上がるプレチルト角が設定されるとともに、プレチルト角と同等の方位に液晶分子が配向し、互いに異なる方位に液晶分子が配向された配向領域79a,79bが形成される。ここで、光配向性を有する有機材料としては、例えば、PVCi(アルドリッチ社製)、s610(日産化学社製)などを用いることができる。
【0087】
なお、分割配向構造を形成するための他の方法については詳述しないが、配向処理の方法(ラビング、紫外線照射、イオン照射、表面形状の調整)に関わらず、画質に影響を与えない範囲(例えばドット内)において液晶分子の配向状態の異なる複数のドメインが結果的に形成されていればよい。
【0088】
この分割配向構造を備えた液晶パネル70では、2以上の異なる方位角に向けて配向した配向領域を形成することができ、その結果、例えば、図7及び図8に示すような明視方向に起因する画像成分の偏りを低減することができるので、上記のものと同様に、投射型表示装置の合成画像における色ムラを低減することが可能になる。
【0089】
なお、上記の分割配向構造を備えた液晶パネル70においては、分割配向構造を液晶パネルの光学特性の方位依存性を全方位に亘って均一化させるように構成するものとして説明したが、図1に示す液晶プロジェクタ20においては、液晶パネルの光学特性が左右対称になっていれば、合成画像の色ムラは問題とならない。したがって、液晶プロジェクタにおいては、画像成分間のミラー反転による合成によって問題が生じないように、ミラー反転の対称軸に対してほぼ対称な光学特性の方位依存性が得られるように、分割配向構造を構成すれば足りるものである。尚、上述の実施形態では、透明基板(素子基板)11及び透明基板12を用いた透過型液晶パネルを用いて説明したが、素子基板11をシリコン基板等で形成した反射型液晶パネルを用いた投射型表示装置にも適用可能である。
【0090】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、光学補償層を配置したり、配向方向を変えることによって明視方向をミラー反転させたり、液晶パネルの構造を変更することによって、液晶パネルの光学特性の方位依存性を低減させて、画像成分の画像分布の偏りを緩和させることによって、画像成分を合成する場合の光学系に依存することなく、液晶パネル自体の光学特性を変化させずに合成画像の色ムラを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る投射型表示装置の実施形態としての液晶プロジェクタの光学系の構造を示す概略平面一部断面図である。
【図2】同実施形態に内蔵する液晶パネルの平面構造を示す模式的な概略平面図である。
【図3】同実施形態に内蔵する液晶パネルの断面構造を示す模式的な概略断面図である。
【図4】同実施形態における液晶パネルの素子基板上の構造の等価回路を示す等価回路図である。
【図5】同実施形態における液晶パネルの素子基板上の構造の拡大した平面配置を示す拡大平面配置図である。
【図6】同実施形態における液晶パネルの素子基板上の構造の拡大した断面(図5のVI−VI線に沿って切断した状態)を示す概略断面図である。
【図7】同液晶パネルの斜め方向に設定されたラビング方向と明視方向との関係を示す説明図である。
【図8】同液晶パネルの配線方向に設定されたラビング方向と明視方向との関係を示す説明図である。
【図9】図7に示すものと同様に明視方向を変える際に、両パネル基板のラビング方向のみによって行う場合を示す説明図である。
【図10】図8に示すものと同様に明視方向を変える際に、両パネル基板のラビング方向のみによって行う場合を示す説明図である。
【図11】同実施形態における光学補償層の基本的補償原理を示す説明図(a)及び(b)である。
【図12】従来のTN型液晶パネルにおける視野角及び方位角とコントラストとの関係を示すグラフ(a)、並びに、同実施形態の液晶パネルにおける光学補償層の効果を示すための、視野角及び方位角とコントラストとの関係を示すグラフ(b)である。
【図13】IPSモードの液晶パネルにおける視野角及び方位角とコントラストとの関係を示すグラフ(a)、並びに、IPSモードの液晶パネルのドット内に2つの配向領域を形成してマルチドメイン化したものにおける視野角及び方位角とコントラストとの関係を示すグラフ(b)である。
【図14】VAモードの液晶パネルにおける視野角及び方位角とコントラストとの関係を示すグラフ(a)、並びに、VAモードの液晶パネルのドット内に4つの配向領域を形成してマルチドメイン化したものにおける視野角及び方位角とコントラストとの関係を示すグラフ(b)である。
【図15】同実施形態における斜め方向ラビング処理により形成された液晶パネルを光学補償層とともに用いる場合の配置を示す光学配置図である。
【図16】同実施形態における配線方向ラビング処理により形成された液晶パネルを光学補償層とともに用いる場合の配置を示す光学配置図である。
【図17】同実施形態における液晶パネルとしてのIPSモードの液晶パネルの構造を示すための素子基板上の拡大平面配置図である。
【図18】IPSモードの液晶パネルの構造を示すための(図13のIV−IV線に沿って切断した状態を示す)拡大断面図である。
【図19】同実施形態における液晶パネルとしての分割配向構造を備えた液晶パネルの製造方法及び構造を示す模式的な概略工程図(a)〜(d)である。
【図20】IPSモードの液晶パネルの表示の切り替え状態を示す模式図(a−1)及び(a−2)、VAモードの液晶パネルの表示の切り替え状態を示す模式図(b−1)及び(b−2)、並びに、VAモードの液晶パネルをマルチドメイン化した場合の表示の切り替え状態を示す模式図(c−1)及び(c−2)である。
【符号の説明】
10,60,70 液晶パネル
11,61,71 透明基板(素子基板)
12,62,77 透明基板(対向基板)
20 液晶プロジェクタ
36,37,38 液晶ライトバルブ
40 プリズムユニット(ダイクロイックプリズム)
51,52 光学補償層
R(11),R(12),AR(11),AR(12) ラビング方向
R(51),R(52) 配向方向
S,AS 液晶のねじれ方向

Claims (4)

  1. 複数の液晶パネルを備え、各液晶パネルによって光変調された複数の画像成分を合成してなる合成画像を投射するように構成され、少なくとも一の前記画像成分が他の前記画像成分に対して前記液晶パネルの明視方向とは異なる方向に伸びる対称軸に対してミラー反転した状態で合成されるように構成された投射型表示装置において、一の前記画像成分を形成する前記液晶パネルと、他の前記画像成分を形成する前記液晶パネルとが、互いに明視方向を前記画像成分のミラー反転と同じ対称軸に対してミラー反転させた状態に構成され、
    前記液晶パネル間の明視方向をミラー反転させた構成は、前記液晶パネルを構成するパネル基板のラビング方向及び/又は液晶のねじれ方向の相違によって形成されていることを特徴とする投射型表示装置。
  2. 前記液晶パネルの一方のパネル基板に対するラビング方向を当該パネル基板の表面上の一種の配線に沿った同一方向とし、前記液晶パネルの他方のパネル基板に対するラビング方向を逆方向とするとともに、液晶のねじれ方向を逆方向とすることによって、前記液晶パネル間の明視方向をミラー反転させることを特徴とする請求項1に記載の投射型表示装置。
  3. 請求項1又は2のいずれか1項において、前記液晶パネルの光学特性における方位依存性を緩和させる光学補償層を光路中に配置したことを特徴とする投射型表示装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項において、前記液晶パネルのラビング方向は、前記液晶パネルを構成するパネル基板における少なくとも1種の配線方向に沿った方向に行われていることを特徴とする投射型表示装置。
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