JP3847772B2 - 位相差フィルム付偏光板を備える液晶表示パネル - Google Patents

位相差フィルム付偏光板を備える液晶表示パネル Download PDF

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Description

本発明は位相差フィルム付偏光板及び液晶表示パネルに関する。
最近、捩じれネマチック効果を用いるTN液晶表示パネルが盛んに開発されている。TN液晶表示パネルは一対の基板の間にネマチック液晶を挟持し、基板の外側に偏光子及び検光子を配置したものである。基板の内面の配光膜にはラビング等の配向処理が行われる。
TN液晶表示パネルでは、画面を見る人の位置により視角特性が変わることが知られている。例えば、垂直に立てて配置された画面を正面から(画面の法線方向から)見る場合にはコントラストの良い画像が見えるが、同画面を法線方向よりも斜め上方向から見る場合には白っぽく見え、同じ画面を斜め下方向から見る場合には黒っぽく見えることがある。このような視角特性は配向膜のラビング方向、つまり液晶分子の配向方向に従って生じることが知られている。
このような視角特性を改善するために、配向分割が提案されている(例えば、特許文献1、及び特許文献2)。配向分割とは、画素に相当する微小な単位領域を2つのドメイン(領域)に分割し、一方のドメインの視角特性が、他方のドメインの視角特性と逆になるように配向処理することである。
本願の先願である特願平6─182409は、配向分割技術と、液晶のツイスト角を90°以下にした狭ツイスト化技術とを用いて、さらに視角特性を改善することができる液晶表示パネルを開示している。この液晶表示パネルにおいては、位相差板が光出射側基板と検光子との間に配置され、この位相差板は100nm以下の比較的に小さいリターデーション(Δnd)をもつのが好ましい。
図6に示されるように、従来の偏光板90は、ポリビニルアルコール(PVA)にヨウ素等を混合してなる偏光材料のフィルム91を保護膜92、93で覆った構成になっている。位相差板94は偏光板90に貼りつけて使用されることができる。
例えば、特許文献3は、偏光材料のフィルムをトリアセチルセルロースフィルム(TAC)の保護膜で挟んでなる偏光板に、位相差板を貼りつけることを開示している。
また、特許文献4は、偏光材料のフィルムをセルロースエステム系フィルムの保護膜で挟んでなる偏光板に、ポリビニルアルコールやポタカーボネイトからなる位相差板を貼りつけることを開示している。これらの公報には、種々の偏光材料が例示されている。
さらに、特許文献5は、ノルボルネン系ポリマーによって位相差板を作ることを開示している。
特開昭54─5754号公報 特開昭63─106624号公報 特開平6─167611号公報 特開平6─109922号公報 特開平6─59521号公報
上記したように、偏光板は偏光材料のフィルムの両面を保護膜で覆った構成になっている。位相差板は所定のリターデーションをもつように調整される。偏光板の保護膜は特別の延伸等はしていないが、それでも例えば10nm程度のリターデーションをもっている。従来の使用条件では位相差板のリターデーションはほとんど200〜300nm以上であり、特に問題はなかった。
しかし、上記した本願の先願で使用される位相差板は、100nm以下、より好ましくは50nm以下のリターデーションをもつのが望ましい。このように位相差板のリターデーションが小さくなると、偏光板の保護膜のリターデーションのために、位相差板のリターデーションの効果が減殺されることに気がついた。しかも、偏光板の保護膜のリターデーションは制御されていないので、面内で一様に分布していず、遅相軸の方向も一定していない。このために、画像のコントラストが乱れることになる。
本発明による位相差フィルム付偏光板1は、偏光性のあるフィルム2と、該偏光性のあるフィルムに直に貼りつけられ且つ所定の方向の遅相軸を有する位相差フィルム3とからなり、該位相差フィルムが該偏光性のあるフィルムの保護膜となっていることを特徴とするものである。
この位相差フィルム付偏光板を使用した液晶表示パネルは、一対の基板12、14の間に液晶10が挟持され、該基板にはそれぞれ配向膜24、28が設けられ、さらに、該一対の基板の外側には偏光子16及び検光子2が配置され、該偏光子16及び検光子2の少なくとも一方が上記位相差フィルム付偏光板1からなることを特徴とする。
この液晶表示パネルは、該一対の基板の配向膜には一方の基板から他方の基板に向かって液晶分子がツイストし且つ液晶分子の配向方向の異なる微小な領域(A、B)を含むように配向処理が行われており、液晶のツイスト角は0°以上90°未満となるように設定され、液晶の屈折率異方性(Δn)と液晶層の厚さ(d)との積(Δnd)は約0.5μm以下であり且つ液晶への入射直線偏光がほぼ90°回転して出射するように設定されている構成とすると好ましい。
以上説明したように、本発明によれば、一様で制御されたリターデーションをもった位相差フィルム付偏光板を得ることができ、また、そのような位相差フィルム付偏光板を使用することにより、コントラストが高く、且つ視角特性の優れた液晶表示パネルを得ることができる。
上記構成の位相差フィルム付偏光板においては、位相差フィルムは偏光性のある、すなわち偏光材料からなるフィルムに直に貼りつけられ、この位相差フィルムが偏光性のあるフィルムの保護膜を兼ねるように形成されている。この位相差フィルムは所定の方向の遅相軸を有し、且つ位相差フィルムとして調成されたリターデーションを有する。従って、例えば液晶表示パネルに使用されたときに、従来の偏光板の保護膜のように画像のコントラストを乱したりすることがなく、よりよいコントラストを得ることができるようになる。
この位相差フィルム付偏光板は、配向分割技術と、液晶のツイスト角を90°以下にした狭ツイスト化技術とを用いた液晶表示パネルに使用され、液晶表示パネルの視角特性をかなり改善することができる。
図1は本発明による位相差フィルム付偏光板1を示している。この位相差フィルム付偏光板1は、偏光性のあるフィルム2と、位相差フィルム3とからなる。位相差フィルム3は偏光性のあるフィルム2に直に貼りつけられている。偏光性のあるフィルム2と位相差フィルム3とは接着剤により貼り合わせられ、位相差フィルム3が偏光性のあるフィルム2の保護膜となっている。さらに、偏光性のあるフィルム2の位相差フィルム3とは反対側にも保護膜となるフィルム4が貼り付けられている。
偏光性のあるフィルム2は公知の偏光材料で作られる。液晶表示パネルで使用される偏光板の場合には、偏光性のあるフィルム2はヨウ素等を混合したポリビニルアルコーム(PVA)を延伸して得られるのが代表的である。例えばPVAは湿気に対して問題があるので、その両側を保護膜で覆う必要がある。偏光性のあるフィルム2として、他の偏光材料を使用することもできる。
位相差フィルム3及び保護膜となるフィルム4は例えばトリアセチルセルロースフィルム(TAC)で作られる。保護膜となるフィルム4は位相差に関して特別の処理をしてなく、通常はその表面に対して垂直なZ軸方向に負の屈折率異方性を有し、その表面内のX軸及びY軸方向の屈折率は概ね等しい。リターデーションはあっても10nm以下である。
位相差フィルム3は保護膜となるフィルム4と同じ材料で作られるけれども、位相差に関して特別の処理をされている。位相差フィルム3は図2に示されるように所定の遅相軸Qを有する。図2において、線P0 は偏光性のあるフィルム2(後で説明する検光子)の透過軸を示し、位相差フィルム3の遅相軸Qは偏光性のあるフィルム2(検光子)の透過軸P0 に対して角度φをなすように配置される。
図3に示されるように、位相差フィルム3はその表面内のX軸及びY軸方向の屈折率nX 、nY を有し、Δn=(nX −nY )>0の関係がある。リターデーション(Δnd)は100nm以下、好ましくは50nm以下の所望の値となるように処理される。そのような処理はフィルムをX軸方向に一軸延伸することである。このX軸方向が位相差フィルム3の遅相軸Qの方向と一致する。また、熱をかける等の他の条件を加えながら、延伸することもできる。
トリアセチルセルロースフィルム(TAC)は、このような小さなリターデーションを制御性よく得ることができる材料であることが分かった。また、ノルボルネン系樹脂も、このような小さなリターデーションを制御性よく得ることができる材料である。従って、TACの代わりにノルボルネン系樹脂を使用することもできる。
図4はX軸方向に延伸したTACのシート3aからの位相差フィルム3の取りまわしを説明する図である。図2においては、位相差フィルム3の各辺が垂直V及び水平Hに対して平行になるように配置され、遅相軸Qは垂直V及び水平Hに対してある角度で配置されている。このような位相差フィルム3は、図4のTACのシート3aからX軸方向に対して斜めに切り取られる。このように、位相差フィルム3は保護膜となるフィルム4と同じ材料で作られるけれども、単に保護膜となるフィルム4とは明らかに異なったものである。
図5は位相差フィルム付偏光板1の変化例を示している。この位相差フィルム付偏光板1は、偏光性のあるフィルム2と、位相差フィルム3とからなる。この例では、図1の単に保護膜となるフィルム4の代わりに位相差フィルム5が使用されている。この場合には、位相差フィルム3、5は偏光性のあるフィルム2に直に貼りつけられ、偏光性のあるフィルム2の保護膜となっている。位相差フィルム5は位相差フィルム3と同じような特徴を有するが、単に保護膜となるフィルム4と異なることは明らかであろう。
以下位相差フィルム付偏光板1を用いた液晶表示パネルについて説明する。
図7及び図8は、配向分割技術と、狭ツイスト化技術とを採用した液晶表示パネルの実施例を示す図である。この液晶表示パネルは、液晶10を封入した一対の透明な基板12、14と、偏光子16及び検光子となる偏光性のフィルム2を含む位相差フィルム付偏光板1とからなる。カラーフィルタ20、透明電極22及び配向膜24が一方の基板12の内面に設けられ、透明電極26及び配向膜28がもう一方の基板14の内面に設けられる。
図2及び図8に示されるように、偏光子16の透過軸Piと偏光性のあるフィルム(検光子)2の透過軸Poとは互いに直交し、水平線Hに対して45°の角度で配置されている。
位相差フィルム3は一軸性のフィルムであり、その遅相軸Qが偏光性のあるフィルム(検光子)2の透過軸Poに対して角度φをつけて設置されている。好ましくは、位相差フィルム30の設置角度φは0から45°の範囲内にある。
配向膜24のラビング方向Riは垂直Vに対して22.5°であり、配向膜28のラビング方向Riは垂直Vに対して22.5°であり、ラビング方向Riとラビング方向Riとは互いに45°を形成する。従ってツイスト角tは45である。液晶10にはツイストを助けるカイラル材が挿入される。
図7及び図8は配向膜24、28の1画素分に相当する微小な領域を示しており、この微小な領域が視角特性の180度異なるドメインA、Bに分割されている。
ドメインAにおいては、配向膜24は、この配向膜24に接する液晶分子が基板面に対してプレチルトαをなすようにラビング処理が行われており、対向する配向膜28は、この配向膜28に接する液晶分子が基板面に対してプレチルトβをなすようにラビング処理が行われている。ここで、α>βの関係がある。すると、ドメインAにおいては、電圧不印加時には液晶分子は定められたプレチルトで基板面に対してほぼ平行に配向しているが、電圧印加時には液晶分子は基板面に対して垂直方向に立ち上がる。このとき、両基板16、18の間の中間部に位置する液晶分子は大きいプレチルトαをもった液晶分子に従って立ち上がる。
隣接するドメインBにおいては、逆に、配向膜24は、この配向膜24に接する液晶分子が基板面に対してプレチルトβをなすようにラビング処理が行われており、対向する配向膜28は、この配向膜28に接する液晶分子が基板面に対してプレチルトαをなすようにラビング処理が行われている。この場合にも、α>βの関係がある。よって、ドメインBにおいても、電圧不印加時には液晶分子は定められたプレチルトで基板面に対してほぼ平行に配向しているが、電圧印加時には液晶分子は基板面に対して垂直方向に立ち上がり、両基板16、18の間の中間部に位置する液晶分子は大きいプレチルトαの液晶分子に従って立ち上がる。つまり、両基板16、18の間の中間部に位置する液晶分子に注目すると、ドメインAの液晶分子はドメインBの液晶分子とは逆方向に立ち上がることになる。そして、両基板16、18の間の中間部に位置する液晶分子の立ち上がり方が視角特性を左右することが知られている。
従って、ドメインAの視角特性はドメインBの視角特性と180度異なることになる。例えばドメインAについて、法線方向よりも上方向から見る場合には白っぽく見え、下方向から見る場合には黒っぽく見えるとすると、ドメインBについては逆に、法線方向よりも上方向から見る場合には黒っぽく見え、下方向から見る場合には白っぽく見えるようになる。このように、1画素に相当する微小な領域が視角特性の180度異なるドメインA、Bに分割されているので、この微小な単位領域は両方の視角特性を平均した視角特性を示すようになり、視角特性が改善される。
このような配向分割を行うためには、各配向膜24、28について、ドメインA、B毎に交互にプレチルトα、βが現れるように配向処理する必要がある。このような配向処理の一例は、配向膜24に図2及び図8の矢印Riの方向にラビングを行い、配向膜28に図2及び図8の矢印Roの方向にラビングを行い、それから、ドメインA又はBに相当する開口部を設けたマスクを使用して紫外線照射を行い、ドメインA又はBのプレチルト特性を変えることである。紫外線照射のために例えば低圧水銀灯を使用する。紫外線照射によりプレチルト特性を変えることができ、紫外線照射時間を調節することにより、ドメインA又はBに所望のプレチルト角度を設定することができる。
図9及び図10は配向処理の他の例を示している。この例は配向分割の基本形であり、表示画面のうちの1画素分に相当する微小な領域が視角特性の180度異なるドメインA、Bに分割されていることは前記実施例と同じである。前記実施例においては、配向膜24、28はそれぞれ一定の方向にラビングされ、ドメインA、Bに対応する微小な領域でプレチルトα、βを変化させ、そして配向膜24、26のプレチルトα、βの異なる微小な領域を対向させていた。
この実施例においては、配向膜24、28の各々がドメインA、Bに対応する微小な領域毎に逆方向にラビングされている。つまり、配向膜24のドメインAにおいてはRiaの方向にラビングが行われ、配向膜24のドメインBにおいてはRibの方向にラビングが行われる。同様に、配向膜28のドメインAにおいてはRoaの方向にラビングが行われ、配向膜28のドメインBにおいてはRobの方向にラビングが行われる。このような配向分割は例えばフォトリソ技術によるマスクを使用して一回目のラビングを行い、そして相補的な開口部を有する別のマスクを使用して二回目のラビングを行うことによって達成できる。
従って、図10に示されるように、液晶分子はドメインA及びドメインBにおいてはそれぞれ一定の方向に傾いて配向するが、ドメインAの傾き方向とドメインBの傾き方向とは逆であり、表示を見るときの視角特性は逆になる。例えばドメインAについて、法線方向よりも上方向から見る場合には白っぽく見え、下方向から見る場合には黒っぽく見えるとすると、逆にドメインBについては、法線方向よりも上方向から見る場合には黒っぽく見え、下方向から見る場合には白っぽく見えるようになる。配向分割により、この微小な単位領域は両方の視角特性を平均した視角特性を示すようになり、視角特性が改善される。
また、偏光子16の透過軸Piと偏光性のフィルム(検光子)2の透過軸Poは互いに直交し、ラビング方向Ria、Ribとラビング方向Roa、Robとは互いに45度の角度を形成する。従って、液晶のツイスト角は45°である。
図11は配向処理のさらに他の例を示している。液晶のプレチルトの関係は図7のものと同様である。つまり、ドメインAにおいては、配向膜24に接する液晶分子が基板面に対してプレチルトαをなし、配向膜28に接する液晶分子が基板面に対してプレチルトβをなす。また、隣接するドメインBにおいては、配向膜24に接する液晶分子が基板面に対してプレチルトβをなし、配向膜28に接する液晶分子が基板面に対してプレチルトαをなす。ここでも、α>βの関係がある。従って、ドメインAの液晶分子はドメインBの液晶分子とは逆方向に立ち上がることになる。
図7においてはラビング後に選択的な紫外線照射を行うことによってプレチルトに差ができるようにしていたが、図11においては、各配向膜24、28をそれぞれ2層の材料24a、24b、28a、28bで形成し、上方材料層24b、28bにドメインA又はBに相当する開口部を設けてある。各配向膜24、28をそれぞれ一定の方向に全体的にラビングしてある。そこで、上方材料層24b、28bは上方材料層の開口部から露出した下方材料層24a、28aの部分が同じ方向にラビングされるが、下方材料層24a、28aと上方材料層24b、28bはプレチルト角が異なりように選択してあり、よって上記したような配向分割が達成される。
本発明は、このような配向分割と、液晶のツイスト角を90°より小さくする狭ツイスト化との組合せにより、視角特性を向上させるものである。そして位相差フィルム3があることによりさらに視角特性を向上させるものである。 配向分割と、狭ツイスト角との組合せにおいては、選択されたツイスト角に応じて最適のΔndがあり、この最適のΔndを使用すれば、液晶のツイスト角は90°より小さいにもかかわらず、液晶への入射直線偏光がほぼ90°回転して出射する、という試験結果がある。
図12はツイスト角45°についての試験結果を示す図でする。図12は、偏光子16を固定し、偏光性のフィルム(検光子)2を回転させながら、透過光強度を測定した結果である。θ0 は偏光性のフィルム(検光子)2の回転角度であり、図2においてPO が垂直Vと平行となる位置からスタートし、反時計まわりに回転する。液晶10の層の厚さ(基板間のギャップ)を2.0μmから5.0μmまで0.3μmおきに変え、各液晶10の層の厚さについて透過光強度を測定した。青(波長420nm)、緑(波長550nm)、赤(波長610nm)のそれぞれの光について測定してある。
図12から、ツイスト角45°に対して、入射した直線偏光が偏光軸を90°回転して出射する最適の液晶層の厚さdがあることが分かる。すなわち、偏光性のフィルム(検光子)2の回転角度θoが偏光子16の角度θi=45°と同じになったときに、偏光子16の透過軸(又は吸収軸)と偏光性のフィルム(検光子)2の透過軸(又は吸収軸)が互いに平行になり、このときの透過光強度が0であれば、入射直線偏光は全く偏光性のフィルム(検光子)2を透過せず、これは液晶10に入射した直線偏光が偏光軸を90°回転して出射したことを意味する。
(A)においては、回転角度θoが45°のときに、透過光強度が0になるのは、液晶10の層の厚さdが約2.5μmのカーブである。よって、液晶10のΔn=0.094であるから、青色の光に対して最適のΔndは0.235になる。(B)においては、透過光強度が0になるのは、液晶10の層の厚さdが約3.2μmのカーブである。よって、緑色の光に対して最適のΔndは0.301になる。(C)においては、透過光強度が0になるのは、液晶10の層の厚さdが約3.5μmのカーブである。よって、赤色の光に対して最適のΔndは0.329になる。最適のΔndは選択したツイスト角毎に得ることができる。
理想的には色毎に液晶層の厚さが変わるように基板板間のギャップを変えるマルチギャップ構造を採用することが望ましい。この場合、例えばカラーフィルター20の厚さを変えることによりマルチギャップ構造を実現できる。ただし、現実的には、マルチギャップ構造にしなくても、ギャップ厚さを一定とし、中間の緑色の場合の厚さに合わせてもよい。
図13及び図14は、ツイスト角が90°で、配向分割した液晶表示パネルの視角特性を示す図である。電圧が上昇すると光透過率が低下し(ノーマリホワイトモードの場合)、そこで例えば電圧0Vで白表示を行い、電圧4〜5Vで黒表示を行う。
図13の各曲線は上下方向の視角0°、10°、20°、30°、40°についてプロットしたものであり、図14の各曲線は左右方向の視角0°、10°、20°、30°、40°についてプロットしたものである。配向分割を行わない場合よりも視角特性はよくなるが、それでも視角が大きくなるとコントラスが変化することが分かる。
図15及び図16は、ツイスト角が45°で、配向分割した液晶表示パネルの視角特性を示す図である。これらの図から分かるように、視角によるコントラストの差が小さくなることが分かる。
図17はツイスト角が45°で、配向分割ありの液晶表示パネルの等コントラスト曲線を示す図である。等コントラスト曲線は上下、左右で均等に分布し、視角特性がよくなっている。このように、配向分割を行い、ツイスト角を90°未満、好ましくは約0°から60°の範囲内とすると、視角特性を大幅に改善できる。
以上の結果は位相差フィルム3がない場合のものである。図17では、図の中心部にある高い等コントラスト曲線の範囲が上下方向で狭い。
図18はツイスト角が45°で、配向分割ありで、さらに位相差フィルム3を挿入した液晶表示パネルの等コントラスト曲線を示す図である。図13の液晶表示パネルでは、中心部における高い等コントラスト曲線の範囲がさらに広がっている。
これによって、よりコントラストの高い画像をより広い視角で見ることができる。つまり、ツイスト角を小さくすることによって液晶分子の立ち上がりが不十分となり、Y軸方向にリターデーションが残るのを、位相差フィルム3によってX軸方向に相当分のリターデーションを加え、Y軸方向にリターデーションを補償するものである。位相差フィルム3のリターデーション(Δnd)はY軸方向に残るリターデーションの値に相当したものがよいが、100nm以下であれば有効であり、50nm以下であればより有効である。
図19はツイスト角と正面コントラスト比との関係を調べた実験結果である。ツイスト角が小さくなるに従ってコントラスト比は低下する傾向にある。ただし、ツイスト角を小さくすることによるコントラスト比の低下は、液晶の駆動電圧を高くすることによって補償することができる。ツイスト角を小さくすると、例えば図14に示されるような輝度反転が生じる場合に、輝度反転が生じる視角を引き上げることができる。
図20は偏光性のフィルム(検光子)2の透過軸Poに対する位相差フィルム3の遅相軸Qの設置角度φと、コントラスト比との関係を示す図である。図20の各曲線は、ツイスト角が0°、22.5°、45°、67.5°のものである。この図から、位相差フィルム3が設置角度φをつけて設置されているとコントラスト比が高くなることが分かる。設置角度φは0から25°の範囲内にあると好ましい。
図21はツイスト角45°のものについて、位相差フィルム3の位相差を22、61、76、109、222nmと変えた場合のコントラスト比を示す図である。図21の61nmの曲線が図20のツイスト角45°の曲線と対応する。 図22は位相差フィルム3がないときの液晶表示パネルの輝度を100として位相差フィルム3があるときの相対輝度を測定した結果を示す図である。位相差フィルム3を設けることによって多少の輝度低下はあるが、ツイスト角が45°でも、ツイスト角が0°でも大きな差はなかった。通常の位相差フィルムの配置は正面での輝度低下を防ぐ意味で設置角度φを0にすることが多い。設置角度φをつけることによって多少の輝度低下はあるが、それよりもコントラスト比の向上のほうが大きい。
図23は液晶表示装置の0°から70°の範囲で見た横方向色度変化を示す図である。従来と書いた曲線は図6の偏光板90と位相差フィルム94とを使用したときのもの、本発明Aは図1のTACからなる位相差フィルム3付偏光板1を使用したときのもの、本発明Bはノルボンネン系樹脂からなる位相差フィルム3付偏光板1を使用したときのものである。本発明によれば、横方向色度変化も小さくなる。
本発明によると、視野角特性の優れた液晶表示パネルが提供される。
本発明の実施例の位相差フィルム付偏光板を示す断面図である。 図1の偏光板の透過軸と位相差フィルムの遅相軸との関係並びにラビング方向等を示す図である。 図1の位相差フィルムを説明する図である。 位相差フィルムの取りまわしを説明する図である。 位相差フィルム付偏光板の変化例を示す断面図である。 従来の偏光板と位相差フィルムとを示す断面図である。 本発明の実施例による液晶表示パネルを示す断面図である。 図7の液晶表示パネルのラビング方向及び偏光板の透過軸の方向を示す図である。 図8の配向処理の他の例を示す図である。 図9の配向処理をした液晶の配向状態を示す図である。 配向処理の他の例を示す図である。 ツイスト角45°の場合の透過光強度を示す図である。 ツイスト角90°で配向分割した液晶表示パネルの上下方向の視角特性を示す図である。 ツイスト角90°で配向分割した液晶表示パネルの左右方向の視角特性を示す図である。 ツイスト角45°で配向分割した液晶表示パネルの上下方向の視角特性を示す図である。 ツイスト角45°で配向分割した液晶表示パネルの左右方向の視角特性を示す図である。 ツイスト角45°で配向分割ありの場合で、位相差フィルムがない場合の等コントラスト曲線を示す図である。 位相差フィルムを付加した場合の等コントラスト曲線を示す図である。 ツイスト角とコントラスト比との関係を示す図である。 ツイスト角を変えたときのコントラスト比を示す図である。 ツイスト角45°のときの位相差フィルムの厚さを変えた場合のコントラスト比を示す図である。 位相差フィルムを挿入したときの相対輝度を示す図である。 パネルの横方向色度変化を示す図である。
符号の説明
1 位相差フィルム付偏光板
2 偏光性のあるフィルム
3 位相差フィルム
4 保護膜となるフィルム
10 液晶
12、14 基板
24、28 配光膜
16 偏光子

Claims (8)

  1. 一対の基板と、該一対の基板の間に設けられた液晶層と、該一対の基板の外側に配置された偏光子及び検光子を有する液晶表示パネルであって、
    該偏光子及び検光子の少なくとも一方は、偏光性のあるフィルムと、該偏光性のあるフィルムに直に貼りつけられ、遅相軸が該偏光性のあるフィルムの透過軸と0°の角をなすように配置された位相差フィルムとを有し、該位相差フィルムが該偏光性のあるフィルムの保護膜となっており、前記位相差フィルムの厚さをdとすると、前記位相差フィルムのリタデーションΔndは100nm以下であり、
    該液晶層は、1画素分に相当する微小な領域内に、配向方向が異なる複数のドメインを有し、該微小な領域内の液晶層のツイスト角が0°である、液晶表示パネル。
  2. 異なる色を表示する画素を含み、前記液晶層の厚さは色ごとに異なっている、請求項に記載の液晶表示パネル。
  3. カラーフィルタをさらに備え、
    前記カラーフィルタの厚さは色ごとに異なっている、請求項に記載の液晶表示パネル。
  4. 前記位相差フィルムの厚さをdとすると、前記位相差フィルムのリタデーションΔndは50nm以下である、請求項1からのいずれかに記載の液晶表示パネル。
  5. 前記位相差フィルムの厚さをdとすると、前記位相差フィルムのリタデーションΔndは22nm以上である、請求項1からのいずれかに記載の液晶表示パネル。
  6. 前記位相差フィルム付偏光板は、前記偏光性のあるフィルムの前記位相差フィルムとは反対側に貼り付けられた、保護膜となるフィルムをさらに備えている、請求項1からのいずれかに記載の液晶表示パネル。
  7. 前記保護膜となるフィルムが所定の方向の遅相軸を有する位相差フィルムからなる、請求項に記載の液晶表示パネル。
  8. 前記位相差フィルムがトリアセチルセルロース及びノルボルネン系樹脂の一つからなることを特徴とする請求項1からのいずれかに記載の液晶表示パネル。
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