JP3785782B2 - ガラスロッド延伸用加熱炉及びガラスロッドの延伸方法 - Google Patents

ガラスロッド延伸用加熱炉及びガラスロッドの延伸方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ファイバ用ガラス母材などのガラスロッドを延伸するためのガラスロッド延伸用加熱炉及びガラスロッドの延伸方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
光ファイバ用ガラス母材などのガラスロッドを延伸させる加熱炉として、図3に示されるように、ガラスロッド101を下端側から順次加熱軟化させて延伸させるものが一般に知られている。この加熱炉においては、ガラスロッド101の両端に結合されたダミーロッド102をチャック103A,103Bで把持し、下側のチャック103Bの速度が上側のチャック103Aよりも速くなるように、双方のチャック103A,103Bを下方に移動させる。このとき、ガラスロッド101は、その下端側からヒーター107により加熱され、チャック103A,103Bの速度差に起因して発生する引張力により延伸される。
【0003】
このような加熱炉において、上側のダミーロッド102や円筒部106Aは、ガラスロッド101の移動を全てカバーするだけの長さを有していなくてはならない。また、この円筒部106Aの上部に更にダミーロッド102を把持するチャック103Aの可動範囲を確保しなくてはならず、加熱炉全体が大型化してしまうという問題があった。そこで、特開平6-256034号公報、特開平2-51440号公報、特開昭61-191536号公報及び特開昭53-24429号公報などに記載されているように、ガラスロッドの移動に伴って伸縮する蛇腹を用いた加熱炉が採用されている。このような蛇腹を有する加熱炉の一例を、図4に示す。なお、図4における加熱炉において、図3に示す加熱炉と同一又は同等の構成部分については、同一の符号を付して示してある。
【0004】
また、加熱炉内部に酸素が侵入すると、加熱炉内部のヒーター107や炉心管109などのカーボン部品が酸化により劣化するのを防止するため、ガラスロッド101の延伸時に加熱炉の内部を不活性ガスでパージすることが通常行われている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、図4に示されるように、蛇腹106Bを用いた加熱炉においては、加熱炉全体の小型化を行うことができる反面、加熱炉内部を不活性ガスでパージしていても加熱炉内部への酸素の侵入を十分に阻止できないという問題があった。蛇腹106Bの取付部の気密性を十分確保しても、酸素の侵入を有効に阻止することはできなかった。このように、加熱炉内部のカーボン部品の劣化抑止と加熱炉全体の小型化とは充分に両立できていなかったため、更なる改良が望まれていた。
【0006】
発明者らは、鋭意研究の結果、蛇腹を用いた場合に加熱炉内部に酸素が侵入するのは、蛇腹自体の内部を酸素分子が透過することが原因であることを知見した。また、発明者らは、蛇腹を透過する酸素分子の量が蛇腹の両側の酸素濃度差に依存することも知見した。本発明は、上記知見に基づいてなされたもので、ガラスロッド延伸時の加熱炉内部のカーボン部品の劣化を抑止して耐久性を向上させると共に全体の大きさを小型化することのできるガラスロッド延伸用加熱炉、及びガラスロッドの延伸方法を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、ガラスロッドの一端を把持手段により把持し、把持手段をガラスロッドの長手方向に移動させてガラスロッドを他端側から順次加熱軟化させつつ、ガラスロッドに引張力を作用させてガラスロッドを延伸させるガラスロッド延伸用加熱炉において、ガラスロッドが挿通される管状部と、管状部の内部に配置固定され、ガラスロッドを加熱軟化させる加熱手段と、把持手段近傍に配置されて把持手段に追従して移動可能な移動部と、管状部から移動部にかけて延在され、移動部の移動に追従して伸縮する内側筒状伸縮体と、管状部から移動部にかけて延在され、内側筒状伸縮体の周囲に配置されて内側筒状伸縮体との間に隙間部を形成し、内側筒状伸縮体の伸縮に伴って伸縮する外側筒状伸縮体と、管状部及び内側筒状伸縮体の内方の炉内部並びに隙間部のそれぞれに不活性ガスを供給するガス供給手段とを備えていることを特徴としている。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、ガス供給手段が、炉内部への不活性ガスの供給と隙間部への不活性ガスの供給とを、それぞれ独立して制御することを特徴としている。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の発明において、ガス供給手段が、内側筒状伸縮体及び外側筒状伸縮体の伸縮に応じて、炉内部又は隙間部へのガス供給量を制御することを特徴としている。
【0010】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3の何れかに記載の発明において、内側筒状伸縮体が、200℃以上の耐熱性を有していることを特徴としている。
【0011】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4の何れかに記載の発明において、内側筒状伸縮体の内方に、内側筒状伸縮体の伸縮に伴って全長を変化させる伸縮炉心管を有していることを特徴としている。
【0012】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の発明において、伸縮炉心管の内部又は表面に冷却水が流される水路が形成され、この水路が冷却水を循環させる循環機構に接続されていることを特徴としている。
【0013】
また、請求項7に記載の発明は、ガラスロッドの一端を把持手段により把持し、把持手段をガラスロッドの長手方向に移動させてガラスロッドを他端側から順次加熱軟化させつつ、ガラスロッドに引張力を作用させてガラスロッドを延伸させるガラスロッドの延伸方法において、請求項1に記載のガラスロッド延伸用加熱炉を用いて、隙間部に不活性ガスを供給して隙間部の酸素濃度を2%以下に維持してガラスロッドを延伸することを特徴としている。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明に係るガラスロッド延伸用加熱炉の一実施形態について、図1を参照しつつ説明する。
【0015】
図1には、ガラスロッド1が延伸されている途中が示されている。ガラスロッド1の中央付近が加熱手段であるヒーター7により加熱軟化されており、この加熱軟化された部分で延伸され、その下方で自然冷却されて固化されている。ガラスロッド1は、その両端に結合されたダミーロッド2を介して把持されている。
【0016】
上側のダミーロッド2は、把持手段である上部チャック3Aにより把持され、下側のダミーロッド2は、下端が下部チャック3Bにより把持されている。上部チャック3A及び下部チャック3Bは、それぞれ図示されない駆動モーターに接続されており、この駆動モーターにより図1中上下方向に駆動される。駆動モーターは、図示されない制御ユニットに接続されており、制御ユニットからの信号に基づいて、上部チャック3A及び下部チャック3Bの速度を制御している。
【0017】
下部チャック3B及び上部チャック3Aの中間には、ガラスロッド1を挿通させる管状部5が配置されており、この管状部5の内部には、上述したヒーター7が配置固定されている。管状部5の上面には内側筒状伸縮体である内蛇腹6A及び外側筒状伸縮体である外蛇腹6Bが取り付けられており、管状部5の下面には開口部52が形成されている。
【0018】
ヒーター7は、円筒状の形態を有しており、その中央に挿通されるガラスロッド1を加熱軟化させる。ヒーター7の内側には、ヒーター7から飛散する微粒子をガラスロッド1に付着させないための炉心管9が配設されている。ヒーター7としては、電気抵抗により発熱するものや高周波誘導により加熱するものが用いられている。ガラスロッド1の外径にもよるが、ガラスロッド1を十分軟化させることができるのであれば、加熱手段としてのヒーター7に代えて、バーナーを用いることもできる。
【0019】
上部チャック3Aの下方近傍には、この上部チャック3Aの移動に追従して移動可能な移動部4が設けられている。移動部4は、ガラスロッド2を挿通させる挿通孔4Aを中央に有する円盤状の部材である。挿通孔4Aとガラスロッド2との間は気密性が確保されている。
【0020】
移動部4の下面から管状部5の上面にかけて、上述した内蛇腹6A及び外蛇腹6Bが延在されている。内蛇腹6A及び外蛇腹6Bの上端は、気密性を十分確保した状態で移動部4に取り付けられている。同様に、内蛇腹6A及び外蛇腹6Bの下端は、気密性を十分確保した状態で管状部5に取り付けられている。内蛇腹6A及び外蛇腹6Bは、シート状の部材が円筒状の蛇腹にされたものであり、図1中上下方向に伸縮可能である。内蛇腹6A及び外蛇腹6Bを形成するシート状の部材としては、例えば、合成樹脂製シートと金属シートとを多層ラミネートしたものを用いることができる。
【0021】
内蛇腹6Aにはパイプ61Aが結合されており、このパイプ61Aがガス供給手段である第一ガス供給機10Aに接続されている。また、管状部5にはパイプ51が結合されており、このパイプ51も第一ガス供給機10Aに接続されている。第一ガス供給機10Aは、パイプ51,61Aを介して、管状部5及び内蛇腹6Aの内部の炉内部S1に、窒素ガスなどの不活性ガスをパージすることができる。
【0022】
内蛇腹6Aの周囲を囲むようにして外蛇腹6Bが配置されており、内蛇腹6Aと外蛇腹6Bとの間には、隙間部S2が形成されている。外蛇腹6Bにはパイプ61Bが結合されており、このパイプ61Bがガス供給手段である第二ガス供給機10Bに結合されている。第二ガス供給機10Bは、パイプ61Bを介して、隙間部S2に窒素ガスなどの不活性ガスをパージすることができる。
【0023】
上述したガス供給手段である第一ガス供給機10A及び第二ガス供給機10B(以下、両者を合わせてガス供給機10とも言う)は、図示されない制御ユニットに接続されている。ガス供給機10は、制御ユニットからの信号に基づいて、炉内部S1及び隙間部S2への不活性ガスの供給量を制御している。また、外蛇腹6Bには、隙間部S2から不活性ガスを排出させるためのパイプ62Bも結合されている。パイプ62Bは、図示されない排出機構に接続されている。
【0024】
上述した内蛇腹6Aの内側には、内蛇腹6Aの伸縮に伴ってその長さを変えることのできる伸縮炉心管8が配置されている。伸縮炉心管8は、外側炉心管8Aと内側炉心管8Bとからなっており、内側炉心管8Bが外側炉心管8Aの内部に挿入されることにより、その全長を変化させる。
【0025】
伸縮炉心管8の内部には、冷却水を循環させるための水路が形成されており、これらの水路は、パイプ81A,81B,82A,82Bを介して、循環機構であるポンプ11に接続されている。ポンプ11は、図示されない制御ユニットに接続されており、制御ユニットからの信号に基づいて駆動される。ポンプ11は、冷却水をパイプ81Aを介して外側炉心管8Aに供給すると共に、外側炉心管8Aからの冷却水をパイプ82Aを介して回収する。同様に、ポンプ11は、冷却水をパイプ81Bを介して内側炉心管8Bに供給すると共に、内側炉心管8Bからの冷却水をパイプ82Bを介して回収する。なお、パイプ81B,82Bは、内側炉心管8Bが下方に移動しても、冷却水を循環させられるように配管されている。
【0026】
次に、上述した加熱炉を用いた本発明に係るガラスロッドの延伸方法の実施態様について説明する。
【0027】
ガラスロッド1を延伸する際には、上部チャック3A及び下部チャック3Bがそれぞれ下方に移動される。このとき、下部チャック3Bの移動速度は上部チャック3Aの移動速度よりも速くされ、この速度差によってガラスロッド1に対して引張力が作用される。ガラスロッド1は、その下端側から順次ヒーター7及び炉心管9の内部に挿通され、ヒーター7により与えられた熱量により加熱軟化される。ガラスロッド1の加熱軟化された部分は、引張力により引き延ばされてテーパー状の形態とされながら延伸される。ガラスロッド1の延伸された部分は、ヒーター7及び炉心管9から出て自然冷却されて固化する。
【0028】
このガラスロッド1の延伸過程において、炉内部S1には、第一ガス供給機10Aにより不活性ガスがパージされる。第一ガス供給機10Aにより炉内部S1に供給される不活性ガスは、パイプ51,61Aを介して供給され、管状部5下方の開口部52からオーバーフローするようにされている。炉内部S1にパージされる不活性ガスの酸素濃度は、炉内部S1に配置されるカーボン部品の劣化を抑止するために数ppm(実質的に0%)とされている。炉内部S1の酸素濃度は、開口部52からの空気の巻き込みなどにより、パージされる不活性ガスの酸素濃度よりは若干多くなるが、数十ppm(実質的に0%)に維持される。
【0029】
また、炉内部S1への不活性ガスのパージに並行して、隙間部S2にも、第二ガス供給機10Bにより不活性ガスがパージされており、隙間部S2の酸素濃度が2%以下となるように維持されている。なお、ここで言う2%以下とは、体積分率で2%以下のことである。
【0030】
一方、ガラスロッド1の延伸過程において、ガラスロッド1の延伸が進行するにつれて上部チャック3Aが図1中下方に移動する。この上部チャック3Aの下方への移動に追従して移動部4も下方に移動し、内蛇腹6A及び外蛇腹6Bが縮められる。また、内蛇腹6A及び外蛇腹6Bが縮められるのに並行して、内側炉心管8Bが外側炉心管8A内に挿入され、伸縮炉心管8全体が縮められる。
【0031】
伸縮炉心管8内部の水路には、ポンプ11によりパイプ81A,81Bを介して冷却水が供給され、冷却水はガラスロッド1から放射される輻射熱を吸収した後に、ポンプ11によりパイプ82A,82Bを介して回収される。回収された冷却水は、その温度が下げられた後、再度ポンプ11によりパイプ81A,81Bを介して伸縮炉心管8に供給され、ガラスロッド1から放射される輻射熱を吸収する。
【0032】
発明者らの鋭意研究の結果、蛇腹の内部を酸素が透過することが分かり、その透過量は蛇腹の両側の酸素濃度差が大きくなれば多くなることも分かった。上述した実施形態の加熱炉及び上述した実施態様の延伸方法においては、蛇腹を内蛇腹6A及び外蛇腹6Bの二重構造として隙間部S2を設け、この隙間部S2の酸素濃度を2%以下に維持している。このため、炉内部S1への酸素の透過量を減少させることにより、炉内部S1にあるカーボン部品の劣化を抑止して加熱炉の耐久性を向上させることができる。また、炉内部S1にあるカーボン部品の劣化を抑止することによって、カーボン部品の劣化の際に発生する微粒子がガラスロッド1の表面に付着して延伸後のガラスロッド1の品質を悪化させてしまうことも防止できる。
【0033】
また、上述した実施形態の加熱炉によれば、耐久性を向上させることができると共に、移動部4と管状部5との間に伸縮自在な内蛇腹6A及び外蛇腹6Bを延在させ、且つその内側の伸縮炉心管8を伸縮可能とすることにより、小型化と両立させることもできる。
【0034】
更に、上述した実施形態の加熱炉においては、ガス供給手段として第一ガス供給機10Aと第二ガス供給機10Bとが独立して設けられている。このため、炉内部S1と隙間部S2とに不活性ガスを独立してパージすることができ、炉内部S1と隙間部S2との酸素濃度をそれぞれ独立して制御することができる。この結果、炉内部S1と隙間部S2とをそれぞれ最適の酸素濃度となるように制御することができ、より効率的に隙間部S2から炉内部S1への酸素透過量を低減させることができる。
【0035】
例えば、隙間部S2の酸素濃度は低ければ低いほど好ましいが、内蛇腹6Aを酸素が透過するのを抑止するという観点からみれば、炉内部S1ほど酸素濃度を低くする必要はない。即ち、このように炉内部S1と隙間部S2との最適な酸素濃度が異なるような場合は、炉内部S1への不活性ガスのパージと隙間部S2への不活性ガスのパージが独立して制御できると都合がよい。また、炉内部S1への不活性ガスのパージと隙間部S2への不活性ガスのパージが独立して制御できると、不活性ガスの使用量を必要最小限にすることもでき、不活性ガスの有効利用を図ることもできる。
【0036】
また、上述した実施形態の加熱炉においては、ガス供給機10は、炉内部S1と隙間部S2とに送られるガス供給量を独立して制御できるだけでなく、内蛇腹6A及び外蛇腹6Bの伸縮に応じて、炉内部S1及び隙間部S2へのガス供給量を変えることもできる。内蛇腹6A及び外蛇腹6Bは、ガラスロッド1の延伸時には縮められ、延伸終了後の初期状態への復帰時には伸張され、炉内部S1及び隙間部S2の容積は刻々と変化する。内蛇腹6A及び外蛇腹6Bの伸縮(即ち、炉内部S1及び隙間部S2の容積変化)に応じて、炉内部S1へのガス供給量と隙間部S2へのガス供給量とを独立させて制御することができると、炉内部S1及び隙間部S2の容積が変化していても、炉内部S1及び隙間部S2の酸素濃度を最適な状態に維持することができる。
【0037】
また、ガラスロッド1を加熱溶融させるためにヒーター7により与えられる熱は、図1中矢印で示されるようにガラスロッド1の内部を伝わり、ガラスロッド1の周囲に輻射熱として放射される。特に、ガラスロッド1の端部に形成されるテーパー部近傍の周囲には局所的に大きな輻射熱が放射される。このため、内蛇腹6Aが十分な耐熱性を有していないと破損してしまい、炉内部S1及び隙間部S2の酸素濃度を最適な状態に維持することができなくなってしまう。上述した実施形態の加熱炉においては、内蛇腹6Aが200℃以上の耐熱性を有しているため、ガラスロッド1からの輻射熱による内蛇腹6Aの破損を防止でき、炉内部S1及び隙間部S2の酸素濃度を最適な状態に維持することができる。
【0038】
また、ガラスロッド1が小型のものであると、内蛇腹6Aの最高温部の温度は室温に対して100℃程度しか高くならない場合もある。このため、上述した実施形態の加熱炉における伸縮炉心管8が設けられなかったり、伸縮炉心管8が水冷されない構造となる場合もあり得る。このような場合は、ガラスロッド1から放射される輻射熱は、内蛇腹6Aによってのみ吸収されることになるが、内蛇腹6Aが200℃以上の耐熱性を有しておれば十分対応できる。言い換えれば、このような場合は、内蛇腹6Aが200℃以上の耐熱性を有していることが特に重要である。
【0039】
しかし、ガラスロッド1が大径化すると、ガラスロッド1からの周囲に放射される輻射熱も大きくなり、内蛇腹6Aの最高温部の温度は室温に対して700℃程度も高くなる場合がある。このような場合は、内蛇腹6A自体の耐熱性を向上させるだけでは対応しにくい場合もあり得る。内蛇腹6Aの内側に伸縮炉心管8が設けられていれば、この伸縮炉心管8によりガラスロッド1からの輻射熱を受け止めて、輻射熱による内蛇腹6Aの破損を確実に防止して、炉内部S1及び隙間部S2の酸素濃度を最適な状態に維持することができる。
【0040】
更に、上述した実施形態の加熱炉においては、伸縮炉心管8の内部に冷却水が循環される水路を有しており、この水路がポンプ11に接続されている。このため、ガラスロッド1からより大きな輻射熱が放射されるような場合であっても十分に対応することができ、輻射熱による内蛇腹6Aの破損をより確実に防止して、炉内部S1及び隙間部S2の酸素濃度を最適な状態に維持することができる。なお、冷却水の水路は、伸縮炉心管8の内部ではなく、表面などに設けられても良いことは言うまでもない。
【0041】
発明者らは、酸素分子の透過現象について実際に調査・検証した。以下に、その調査・検証について説明する。
【0042】
加熱炉の蛇腹に実際に用いている材質及び大きさを有するシート材〔日本ジャバラ工業(株)社製:炉内部側から、厚さ0.5mmのGTX#1018(アルミコーティング超耐熱クロス)と、厚さ2.0mmのIGM#3000(ガラスクロス断熱材)と、厚さ0.5mmのSRCC(ノーメックスシリコンクロス)とを積層させたもの/表面積6.5m2〕を用いて、酸素の透過量を測定した。このシート材の外側の酸素濃度を20%(通常の空気の酸素濃度)、内側の酸素濃度を0%として酸素透過量を測定した結果、標準状態で0.025リットル/分の酸素ガスが蛇腹を透過することが分かった。この結果から、もし仮に不活性ガスである窒素ガスを炉内部に250リットル/分で供給すると、炉内部の酸素濃度は計算上、0.025[リットル/分]÷250[リットル/分]=100[ppm](式1)となるはずである。しかし、炉内部に供給する窒素ガス自体も7ppmの微量の酸素を含んでいることを考慮すると、炉内部の酸素濃度は計算上、100+7=107[ppm](式2)となるはずである。
【0043】
また、実際の加熱炉を用いて、炉内部に窒素ガスを250リットル/分で供給した場合の炉内部の酸素濃度を実際に測定した。測定した結果の実測値は110ppmであり、上述した計算値107ppmとほぼ一致した。また、窒素ガスの供給量を100,200,500[リットル/分]とした場合についても、同様に計算値と実測値との比較を行ったところ、両者はほぼ一致した。
【0044】
しかし、上述したような場合は単位時間当たりの窒素ガスの供給量を変化させたとしても、蛇腹の両側の酸素濃度差は変化しないため、常に毎分0.025リットルの酸素が蛇腹を透過する。この結果、透過した酸素と炉内部のカーボン部品とが反応して、カーボン部品が酸化により劣化する。このとき、標準状態における気体1mol当たりの体積が22.4リットルで、カーボン部品を構成する炭素1molの質量が12gであるとして、100時間当たりに消耗されるカーボン部品の質量を計算により求めると、0.025[リットル/分]÷22.4[リットル/mol]×12[g/mol]×60[分/時間]×100[時間]=80.4[g]となる。
【0045】
カーボン部品の消耗量が約80gというのは無視できない量であり、毎分0.025リットルもの酸素が蛇腹を透過するような上述した条件では、100時間毎にカーボン部品の交換が必要となる。ヒーター7や炉心管9などのカーボン部品の交換は、非常に手間がかかるだけでなく、交換にかかる費用も高い。また、交換後は、一定の品質のガラスロッド1を延伸できるまでに初期運転が必要となり、それにかかる費用や時間も必要となってしまう。
【0046】
一方、図1に示す装置のように、内蛇腹6A及び外蛇腹6Bを設けて蛇腹を二重にし、その間に形成される隙間部S2の酸素濃度を低減した場合について考える。炉内部S1への窒素ガスの供給量を250リットル/分に固定し、内蛇腹6Aと外蛇腹6Bとの間の隙間部S2の酸素濃度を種々変更した場合における炉内部S1の酸素濃度を、上述した(式1)及び(式2)と同様にして計算により求め、その計算値を図3におけるグラフに示す。
【0047】
また、実際の加熱炉を用いて、隙間部S2の酸素濃度を20,10,5,2,実質0[%]とした場合について、炉内部S2の酸素濃度を実際に測定した。測定した結果の実測値を図3に示すグラフ上に×印でプロットした。図3に示すグラフから明らかなように、計算値と実測値とは何れもほぼ一致しており、隙間部S2の酸素濃度が低くなれば炉内部S1の酸素濃度が低減することが分かる。即ち、蛇腹を二重化して隙間部S2の酸素濃度を低減すれば、炉内部S1への酸素の透過量を低減させることができる。
【0048】
カーボン部品の許容し得る消耗量から許容し得る酸素透過量を逆算すると、0.0025リットル/分以下となる。この条件を満たすための炉内部S1の酸素濃度を上述した(式1)及び(式2)と同様にして求めると、窒素ガスの供給量が250リットル/分のときには17ppm以下、窒素ガスの供給量が200リットル/分のときには19.5ppm以下となる。不活性ガス(窒素ガス)の一般的な供給量は250リットル/分であるので、このときの炉内部S1の酸素濃度が20ppm以下であればカーボン部品の消耗量は許容範囲内となる。不活性ガス(窒素ガス)の一般的な供給量が250リットル/分のときに炉内部S1の酸素濃度が20ppm以下となるような隙間部S2の酸素濃度を逆算すると、2%以下(図3のグラフ参照)ということになる。
【0049】
なお、炉内部S1に供給する不活性ガスとしては、安価な窒素ガスが用いられるのが一般的であるが、窒素ガス自体が7ppm程度の微量の酸素を含んでいることは先にも述べた。従って、窒素ガスの供給量を増やすと、微量ではあるが酸素を供給することにもなる。このため、窒素ガスの供給量を多くし過ぎると、窒素ガスに含まれる酸素によりカーボン部品の劣化が促進されてしまい逆効果となる。一方、窒素ガスの供給量を少なくし過ぎると、開口部52からの酸素の巻き込みが増加してしまい、カーボン部品の劣化が促進されてしまう。これらの弊害を発生させない最適な窒素ガスの供給量は、炉内部S1の容積や開口部52の開口面積にも依存するが、およそ50〜500リットル/分の範囲内にあり、250リットル/分程度が一般的である。
【0050】
発明者らは、本発明の効果を検証するために、いくつかの比較試験を行った。以下に、その比較試験について説明する。
【0051】
〔試験例1〕
図1に示される加熱炉を用いて、炉内部のカーボン部品の消耗量を測定した。炉内部S1には、250リットル/分で窒素ガスをパージし、隙間部S2には、その酸素濃度が0.2%以下となるように窒素ガスをパージした。この状態で昇温前の炉内部S1の酸素濃度は、10ppmであった。その後、ヒーター7による加熱を開始して昇温し、炉内部S1の温度を1900℃に維持して10時間放置した。その後、加熱炉を分解してカーボン部品の劣化状態を確認したところ、カーボン部品の劣化は認められず、カーボン部品の重量変化もなかった。
【0052】
〔比較例1〕
上述した〔試験例1〕において用いた加熱炉の蛇腹を一つにした加熱炉を用いて、〔試験例1〕と同様の比較試験を行った。この比較試験は、蛇腹を一つとした以外は、上述した〔試験例1〕の試験条件と全く等しい試験条件下で行われた。なお、蛇腹の外側は通常の空気であり、その酸素濃度は約20%である。この状態で昇温前の炉内部の酸素濃度は、110ppmであった。また、加熱炉を分解してカーボン部品の劣化状態を確認したところ、カーボン部品の表面がザラザラになっており、カーボン部品の重量は8g軽くなっていた。また、カーボン部品は、高温になる部分の蛇腹に近い位置の劣化が最も激しかった。
【0053】
この結果から、隙間部S2を設けて隙間部S2の酸素濃度を低くすることにより、炉内部S1のカーボン部品の劣化を抑止することができることが分かる。また、カーボン部品の劣化は、蛇腹を透過する酸素による影響が大きいことも分かる。
【0054】
〔比較例2〕
上述した〔比較例1〕の試験条件から、窒素ガスの炉内部への窒素ガスの供給量を500リットル/分とする変更のみを行って比較試験を行った。この比較試験は、窒素ガスの供給量を500リットル/分とした以外は、上述した〔比較例1〕の試験条件と全く等しい試験条件下で行われた。この状態で昇温前の炉内部の酸素濃度は、57ppmであった。また、加熱炉を分解してカーボン部品の劣化状態を確認したところ、カーボン部品の状態は〔比較例1〕の場合と同様であり、カーボン部品の重量は8g軽くなっていた。
【0055】
この結果から、カーボン部品の劣化は、炉内部の初期酸素濃度による影響よりも、蛇腹を透過する酸素による影響が大きいことが分かる。
【0056】
〔試験例2〕
図1に示される加熱炉を用いて、外径70mm、長さ1000mmのガラスロッド1を外径40mmとなるように延伸した。ただし、このとき伸縮炉心管8に対して冷却水の循環は行わなかった。その他の条件は、上述した〔試験例1〕と同様である。ガラスロッド1の延伸中に、ガラスロッド1の上側テーパー部近傍の内蛇腹6Aの温度を測定したところ120℃であった。内蛇腹6Aは200℃の耐熱性を有していたので損傷はなく、問題なくガラスロッド1を延伸することができた。
【0057】
〔試験例3〕
図1に示される加熱炉を用いて、外径165mm、長さ1000mmのガラスロッド1を外径120mmとなるように延伸した。このとき伸縮炉心管8に対して冷却水の循環を行った。その他の条件は、上述した〔試験例2〕と同様である。ガラスロッド1の延伸中に、ガラスロッド1の上側テーパー部近傍の内蛇腹6Aの温度を測定したところ30℃(室温)であった。伸縮炉心管8を設け、伸縮炉心管8に対して冷却水を循環させることは、内蛇腹6Aの温度を下げるのに効果があることが分かる。
【0058】
〔比較例3〕
図3に示される加熱炉を用いて、上述した〔試験例3〕と同様の試験を行った。図3に示される加熱炉は、上部チャック103Aの可動範囲が広く上側のダミーロッド102が長い点、内蛇腹6A及び外蛇腹6Bの代わりに円筒部106Aを有している点、伸縮炉心管8に相当する部品を有していない点でのみ図1に示される加熱炉と異なっている。その他の条件は、上述した〔試験例3〕と同様である。ガラスロッド1の延伸中に、ガラスロッド1の上側テーパー部近傍の円筒部106Aの温度を測定したところ500〜750℃にもなった。このような温度となるようでは、単純に円筒部106Aに代えて蛇腹を使用することはできない。
【0059】
本発明のガラスロッドの延伸用加熱炉及びガラスロッドの延伸方法は、上述した実施形態に限定されるものではない。例えば、上述した実施形態においては、ガス供給手段として第一ガス供給機10Aと第二ガス供給機10Bとが設けられたが、単一のガス供給機のみを設けて、バルブにより炉内部S1及び隙間部S2へのガス供給量を独立させて制御できるようにしても良い。また、上述した実施形態においては、上側チャック3Aと移動部4とが独立して設けられたが、これらが一体的に設けられても良い。
【0060】
また、上述した実施形態の加熱炉は、ガラスロッド1の両端をダミーロッド2を介して把持するものであったが、ガラスロッドの一端のみを把持し、他端側から光ファイバなどの線状体を直接線引きするように加熱炉を構成しても良い。また、上述した実施形態の加熱炉は、ガラスロッド1が上下方向に延伸されるものであったが、ガラスロッドが水平方向に延伸されるように加熱炉を構成しても良い。
【0061】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、管状部と移動部との間を伸縮自在な内側及び外側筒状伸縮体で連結し、内側筒状伸縮体及び外側筒状伸縮体把持手段の移動に追従させて伸縮させることができるため、加熱炉を小型化することができる。また、内側筒状伸縮体及び外側筒状伸縮体把持手段との間に隙間部を形成させ、この隙間部の酸素濃度を低減させて炉内部への酸素透過量を減少させることにより、炉内部のカーボン部品の劣化を抑止して加熱炉の耐久性を向上させることができる。また、カーボン部品の劣化の際に発生する微粒子などにより、延伸されるガラスロッドの品質を悪化させることも防止できる。
【0062】
請求項2に記載の発明によれば、炉内部及び隙間部への不活性ガスの供給をそれぞれ独立して行うことができ、炉内部及び隙間部をそれぞれ最適の酸素濃度となるように制御できる。この結果、より効率的に炉内部への酸素透過量を低減させることができる。また、不活性ガスの使用量を必要最小限にすることもでき、不活性ガスの有効利用を図ることができる。
【0063】
請求項3に記載の発明によれば、内側筒状伸縮体及び外側筒状伸縮体の伸縮に応じて、炉内部及び隙間部へのガス供給量を制御することにより、内側筒状伸縮体及び外側筒状伸縮体の伸縮に関わらず、炉内部及び隙間部の酸素濃度を最適な状態に維持することができる。
【0064】
請求項4に記載の発明によれば、内側筒状伸縮体が200℃以上の耐熱性を有しているため、ガラスロッドからの輻射熱による内側筒状伸縮体の破損を防止して、炉内部及び隙間部の酸素濃度を最適な状態に維持することができる。
【0065】
請求項5に記載の発明によれば、内側筒状伸縮体の伸縮に伴って全長を変化させる伸縮炉心管を配置させることにより、ガラスロッドからの輻射熱を伸縮炉心管で受け止めて内側筒状伸縮体に直接放射されるのを防止する。この結果、ガラスロッドからの輻射熱による内側筒状伸縮体の破損を防止して、炉内部及び隙間部の酸素濃度を最適な状態に維持することができる。
【0066】
請求項6に記載の発明によれば、伸縮炉心管自体の耐熱性を更に向上させることができ、より大きな輻射熱が放射されるような場合であっても、十分に対応することができる。この結果、ガラスロッドからの輻射熱による内側筒状伸縮体の破損をより確実に防止して、炉内部及び隙間部の酸素濃度を最適な状態に維持することができる。
【0067】
また、請求項7に記載の発明によれば、内側筒状伸縮体及び外側筒状伸縮体把持手段との間に形成された隙間部の酸素濃度を2%以下に維持して炉内部への酸素透過量を減少させることにより、炉内部のカーボン部品の劣化を抑止して加熱炉の耐久性を向上させることができる。また、カーボン部品の劣化の際に発生する微粒子などにより、延伸されるガラスロッドの品質を悪化させてしまうことも防止できる。
【0068】
なお、ここで、隙間部の酸素濃度が2%を超えると、隙間部と炉内部との酸素濃度差が大きくなって隙間部から炉内部への酸素透過量が多くなるため、炉内部のカーボン部品の劣化を充分に抑止できなくなってしまう。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るガラスロッド延伸用加熱炉の一実施形態を示す断面図である。
【図2】隙間部の酸素濃度と炉内部の酸素濃度との関係を示すグラフである。
【図3】従来のガラスロッド延伸用加熱炉(蛇腹を用いていない方式)の断面図である。
【図4】従来のガラスロッド延伸用加熱炉(蛇腹を用いた方式)の断面図である。
【符号の説明】
1…ガラスロッド、2…ダミーロッド、3A…上側チャック(把持手段)、3B…下側チャック、4…移動部、5…管状部、6A…内蛇腹(内側筒状伸縮体)、6B…外蛇腹(外側筒状伸縮体)、7…ヒーター(加熱手段)、8…伸縮炉心管、10…ガス供給機(ガス供給手段)。

Claims (7)

  1. ガラスロッドの一端を把持手段により把持し、前記把持手段を前記ガラスロッドの長手方向に移動させて前記ガラスロッドを他端側から順次加熱軟化させつつ、前記ガラスロッドに引張力を作用させて前記ガラスロッドを延伸させるガラスロッド延伸用加熱炉において、
    前記ガラスロッドが挿通される管状部と、
    前記管状部の内部に配置固定され、前記ガラスロッドを加熱軟化させる加熱手段と、
    前記把持手段近傍に配置されて前記把持手段に追従して移動可能な移動部と、
    前記管状部から前記移動部にかけて延在され、前記移動部の移動に追従して伸縮する内側筒状伸縮体と、
    前記管状部から前記移動部にかけて延在され、前記内側筒状伸縮体の周囲に配置されて前記内側筒状伸縮体との間に隙間部を形成し、前記内側筒状伸縮体の伸縮に伴って伸縮する外側筒状伸縮体と、
    前記管状部及び前記内側筒状伸縮体の内方の炉内部並びに前記隙間部のそれぞれに不活性ガスを供給するガス供給手段とを備えていることを特徴とするガラスロッド延伸用加熱炉。
  2. 前記ガス供給手段が、前記炉内部への不活性ガスの供給と前記隙間部への不活性ガスの供給とを、それぞれ独立して制御することを特徴とする請求項1に記載のガラスロッド延伸用加熱炉。
  3. 前記ガス供給手段が、前記内側筒状伸縮体及び前記外側筒状伸縮体の伸縮に応じて、前記炉内部又は前記隙間部へのガス供給量を制御することを特徴とする請求項1又は2に記載のガラスロッド延伸用加熱炉。
  4. 前記内側筒状伸縮体が、200℃以上の耐熱性を有していることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のガラスロッド延伸用加熱炉。
  5. 前記内側筒状伸縮体の内方に、前記内側筒状伸縮体の伸縮に伴って全長を変化させる伸縮炉心管を有していることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載のガラスロッド延伸用加熱炉。
  6. 前記伸縮炉心管の内部又は表面に冷却水が流される水路が形成され、前記水路が前記冷却水を循環させる循環機構に接続されていることを特徴とする請求項5に記載のガラスロッド延伸用加熱炉。
  7. ガラスロッドの一端を把持手段により把持し、前記把持手段を前記ガラスロッドの長手方向に移動させて前記ガラスロッドを他端側から順次加熱軟化させつつ、前記ガラスロッドに引張力を作用させて前記ガラスロッドを延伸させるガラスロッドの延伸方法において、
    請求項1に記載のガラスロッド延伸用加熱炉を用いて、前記隙間部に不活性ガスを供給して前記隙間部の酸素濃度を2%以下に維持して前記ガラスロッドを延伸することを特徴とするガラスロッドの延伸方法。
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