JP3785399B2 - 狭帯域デジタル通信方式テレメータ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、狭帯域デジタル通信方式テレメータ装置に関し、たとえば遠隔地の複数の観測局で得た観測データを無線で送信し、送信された観測データを監視局で受信して道路管理・河川管理等を行うテレメータシステムに適用して好適な狭帯域デジタル通信方式テレメータ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の無線テレメータシステムは、FM方式のアナログ無線機を使用し(非特許文献1参照)、変調方式はFSK(Frequency Shift Keying)系列が多く用いられているため(非特許文献2参照)、電力効率はよいものの、伝送速度が遅く(1200bps程度)、高い受信機入力電圧(16dBμV以上)を必要とするためサービスエリアが狭く、また周波数間隔(チャネルセパレーション)は12.5kHzで利用者への割り当て周波数が逼迫している等の問題点が指摘されている。
【0003】
この問題を解決するために、伝送信号のレベル変動やノイズ混入の影響を受けにくく、高速で大容量伝送に適したデジタル通信方式の採用が考えられる。
【0004】
狭帯域デジタル通信方式の中、π/4シフトQPSK(Quadrature Phase Shift Keying)はデジタル通信方式の中でも電力効率がよく、伝送速度も従来方式の8倍程度高速であるうえに、必要な受信機入力電圧も従来方式の1/5程度のため、サービスエリアを拡大できる。
【0005】
また、周波数間隔も従来方式の半分に抑えられるため周波数の有効利用においての相乗効果が期待できる。
【0006】
テレメータ局として運用するには1監視局に対して複数の観測局を収容しなければならないが、観測局は常時停波している状態から呼出制御信号により各局が送信開始するため、伝送信号受信時の同期確立の短縮が全体レスポンスの向上に寄与する。
【0007】
【非特許文献1】
建設省 電気通信室 建電通仕第23号「建設省400MHz帯無線装置(テレメータ・コントロール用)標準仕様書」平成2年10月22日制定
【非特許文献2】
建設省 電気通信室 建電通仕第21号「建設省テレメータ装置 標準仕様書」平成2年10月22日制定
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、内外ノイズやフェージング、マルチパスによる伝送信号の乱れにより同期確立が阻害される等の問題が発生するためその対策が必要である。
【0009】
また、従来のテレメータ装置においては、監視局は、観測局を呼出制御して、全ての観測局から無線で送信されてくる観測データを受信するため、所望の観測局以外の観測データも収集してしまうという非効率性もある。
【0010】
この発明はこのような課題を考慮してなされたものであり、テレメータ伝送における狭帯域デジタル通信方式(π/4シフトQPSK)の適用、通信における同期確立の短時間化と確実化、並びに効率的なデータ収集方式を実現することを可能とする狭帯域デジタル通信方式テレメータ装置を提供することを目的とする。
【0011】
また、この発明は、所望の観測局における観測データをタイムリー(所望の時刻)に取得することを可能とする狭帯域デジタル通信方式テレメータ装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
この発明の狭帯域デジタル通信方式テレメータ装置は、複数の観測局のそれぞれで観測されたデータが、前記複数の観測局からそれぞれ観測データとして送信され、監視局で受信されるテレメータ装置であって、前記監視局と前記複数の観測局には、それぞれ、π/4シフトQPSK方式の無線装置が配置され、前記監視局は、前記複数の観測局に対して呼出制御信号を送信し、前記複数の観測局は、自己宛の呼出制御信号を受信したとき、前記観測データを送信し、前記監視局は、前記観測データを受信することで前記観測データを収集することを特徴とする。
【0013】
この発明によれば、監視局は、複数の観測局に対して呼出制御信号を送信し、複数の観測局は、自己宛の呼出制御信号を受信したとき、観測データを送信し、監視局は、観測データを受信することで観測データを収集するようにしているので、データを効率的に収集することができ、かつ所望の観測局における観測データをタイムリーに取得することができる。
【0014】
この場合、監視局は、複数の観測局をデータ収集の周期別にグループ分けし、必要な時期に必要なグループの観測局に対して呼出制御信号を送信して必要な観測データを収集するようにすることで、データを一層効率よく収集することができる。
【0015】
また、観測局は、観測局内において観測データが予め設定した設定値外の観測値となったことが検出されたとき、監視局が定時観測期間中か否かを判断し、定時観測期間中でなければ監視局に対して自動通報信号を送信する自動通報機能を有し、監視局は、ある観測局からの自動通報信号を受信したとき、他の観測局の自動通報機能をロックするロック信号を他の観測局に送信するようにすることで、監視局は、自動通報信号を受信した観測局からの観測データを優先的に受信することができる。
【0016】
さらに、この発明では、呼出制御信号および観測データの送信信号等の伝送信号は、PN符号、プリアンブル、制御符号およびデータの順からなるフレーム構成とし、前記伝送信号を受信した観測局あるいは、監視局は、プリアンブルでシンボル同期を確立し、制御符号でフレーム同期を確立するようにしているので、受信の際の同期確立を容易化することができる。
【0017】
シンボル同期を確立する際、受信した伝送信号中、プリアンブルをオーバサンプルして、それぞれのサンプル値を平均し、サンプル値の平均の最小値が、検出基準値を超えたサンプル位置を基準にシンボル同期の確立処理に入るようにすることで、同期をより確実に確立することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
図1は、この発明の狭帯域デジタル通信方式テレメータ装置の一実施形態に係るテレメータシステム20の構成を示している。このテレメータシステム20は、道路管理・河川管理等に使用される。
【0019】
図1に示すように、テレメータシステム20は、基本的には、各観測地点(1以上の地点)に設置してある1または複数の観測局24と、1または複数の観測局24を監視する1つの監視局28とから構成されている。監視局28と観測局24は、単信無線回線で単一周波数335.4−470[MHz]のうち一波を使用してデータ収集を行うようになっている。なお、発明の理解を容易化するためには、図示を省略しているが、必要に応じて、観測局24と監視局28との間に中継局を設けることができる。
【0020】
この実施形態において、複数の観測局24は、それぞれ、監視局28からグループ呼出(一括呼出ともいう。)可能なグループAに属する複数の観測局24と、グループ呼出可能なグループBに属する観測局24と、…グループ呼出可能なグループ*に分かれているが、観測局24のグループ分けは、監視局28側で任意に変更することができる。
【0021】
グループ分けは、たとえば、道路気象、水防、水質の各観測局24を同一グループとすることも可能であるし、道路気象、水防、水質のそれぞれの観測局種別毎にグループ分けすることも可能である。すなわち、グループ分けは、所望の分け方とすることができる。
【0022】
監視局28は、基本的には、本体部70と送受信アンテナを有するデジタル無線装置72とから構成され、各観測局24は、基本的には、本体部30と送受信アンテナを有するデジタル無線装置34と各種センサ・計測装置32とから構成される。
【0023】
監視局28には、他のシステムとの接続あるいは利用者にサービスを提供する等のためのLAN(Local Area Network)29が接続されている。
【0024】
そして、このテレメータシステム20は、基本的には、以下のように動作する。
【0025】
すなわち、まず、監視局28から所望の観測局24へ所望の時刻に所望の観測データの送信要求である個別呼出制御信号を送る、あるいは監視局28から所定のグループ、たとえばグループAを指定してグループ呼出制御信号を送る。
【0026】
個別呼出制御信号を受信した所定の観測局24は、この送信要求にリアルタイムに応答して、この送信要求で指定された所定の観測データを返送信号として監視局28宛に送信する。
【0027】
グループ呼出制御信号を受けたグループAを構成する各観測局24は、所定の順序で順次観測データを返送信号として監視局28宛に送信する。
【0028】
監視局28は、送信されてきた所定の返送信号を受信して分析し、観測データあるいはその分析データをLAN29で利用可能にする。
【0029】
このようにして監視局28は、必要なときに、換言すれば、所望の任意の時刻に、所望の観測データを得ることができ、LAN29に接続されている利用者の端末等は、それら観測データを利用してリアルタイムに雨量地図等を作成することができる。
【0030】
以上が図1例のテレメータシステム20の基本的な動作の説明である。
【0031】
図2は、観測局24の詳細なブロック図を示している。上記したように、観測局24は、観測局24の本体部30と、この本体部30に対して接続される各種センサ・計測装置32と、送受信アンテナを備えるデジタル無線装置34とから構成されている。
【0032】
本体部30を構成する基本制御部36は、マイクロコンピュータ等により構成され、CPU(中央処理装置)およびROM(読出専用メモリ)、メインメモリ等のRAM(ランダムアクセスメモリ)等のメモリ並びにタイマ等を含む。この基本制御部36は、観測局24の中枢となるものであって、各入出力制御部の制御および監視局28から送信されてきた受信符号等を含む観測データ送信要求フレームの内容の把握、判定等を行う。
【0033】
この基本制御部36に対して、バス38を通じて、無線接続部40、年月日時分を出力する時計部42、試験部46、デジタル入力部(デジタル入力部1−n)48、パルス入力部50、A/D変換部(analog to digital converter)52、および監視情報入力部54が接続されている。なお、無線接続部40は、詳細を後述するデジタル無線装置34に接続されている。
【0034】
さらに、各種センサ・計測装置32とA/D変換部52との間には、n個のアナログ入力部(アナログ入力部1−n)60とアナログ走査部58とが設けられている。
【0035】
さらにまた、本体部30には、各部へ必要な電源を供給する電源部62が設けられている。電源部62の入力側には、交流100[V]等の電源が供給される。
【0036】
上記の無線接続部40は、デジタル無線装置34で復調された直列符号(直列データと同意)を並列符号(並列データと同意)に変換してバス38に供給する一方、バス38からの並列符号を直列符号に変換してデジタル無線装置34に供給する。
【0037】
試験部46は、観測局24を自己診断する機能を有し、システム全体の監視および保守点検を行う。
【0038】
デジタル入力部48は、各種センサ・計測装置32中、BCD(binary-coded decimal)3桁出力またはBCD4桁出力のデータを取り込むインタフェースである。
【0039】
パルス入力部50は、各種センサ・計測装置32中、雨量計からの0.5[mm]または1[mm]パルス出力をBCD3桁として連続積算を行い、基本制御部36からの要求により、該雨量に係るBCD3桁をバス38に出力する。
【0040】
アナログ入力部60は、各種センサ・計測装置32中、アナログ出力の計測装置からの出力を導入し、アナログ走査部58との相互接続機能を有する。
【0041】
アナログ走査部58は、各アナログ入力部60に接続されている計測装置の出力を指定された順序で走査し、A/D変換部52に出力するマルチプレクス機能を有する。
【0042】
A/D変換部52は、アナログ出力値(電流、電圧値等)をデジタル値のデジタルデータに変換してバス38に供給する。なお、デジタルデータは、一時的に基本制御部36のメインメモリ中に蓄積される。
【0043】
監視情報入力部54は、各種センサ・計測装置32あるいは他の装置からの電源電圧低下、凍結、降雪等の監視情報信号をビット情報で入力する機能を有する。
【0044】
各種センサ・計測装置32で計測される観測データとしては、観測局24が、たとえば道路気象の場合には、雨量、積雪深、気温、路面温度、風向、風速、視程等の複数の量目データであり、各種センサ・計測装置32では、これらが連続的に取り込まれ、デジタル入力部48、パルス入力部50、アナログ入力部60に最新の観測データが供給される。
【0045】
この観測データを基本制御部36のメインメモリあるいは図示していないハードディスク等のメモリに連続してログすることも可能であるが、この実施の形態では、24時間分の観測データのみが先入れ先出し方式でそれらメモリに格納されるようになっている。通信回線の障害等の原因で、監視局28でデータの欠測が判明した場合、欠測補填のため監視局28は観測局24と欠測データを指定して、そのメモリから呼出収集することができるようになっている。
【0046】
時計部42は、内部クロックで駆動され、西暦年データ、月日データ、時分データ、秒データを出力し、各部へ渡す。なお、より高精度を要する場合には、1日1回、観測局24の時計を監視局28からの時刻校正制御で校正する。
【0047】
図3は、監視局28の詳細なブロック図を示している。監視局28は、上記したように、基本的には、監視局28の本体部70と、この本体部70に対して接続され、送受信アンテナを備える詳細を後述するデジタル無線装置72とから構成されている。
【0048】
本体部70を構成する基本制御部80は、観測局24の基本制御部36と同様に、マイクロコンピュータ等により構成され、CPUおよびROM、メインメモリ等のRAM等のメモリ等を含む。この基本制御部80は、監視局28の中枢となるものであって、システムの総合監視機能を有する。
【0049】
この基本制御部80に対して、バス82を通じて、無線接続部84、観測局呼出制御部88、時計部90、操作制御部92、試験部94、データ蓄積部96、およびLANインタフェース98が接続されている。
【0050】
なお、本体部70には、交流100[V]等の電源が供給されて、各部へ必要な電源を供給する電源部93が設けられている。
【0051】
無線接続部84は、無線接続部40と同様に、デジタル無線装置72で復調された直列符号を並列符号に変換してバス82に供給する一方、バス82からの並列符号を直列符号に変換してデジタル無線装置72に供給する。
【0052】
時計部90は、内部クロックで駆動され、西暦年データ、月日データ、時分データ、秒データを出力し、各部へ渡す。なお、より高精度を要する場合には、外部の電波時計等の時計装置から定期的に時刻データを導入して時計部90の時刻を校正する。
【0053】
観測局呼出制御部88は、観測局24に関する呼出のシーケンス制御を行う。具体的には、各観測局24中、所定の観測局24、グループを構成する観測局24あるいは全部の観測局24に対して観測データの送信を要求する呼出符号である観測データ送信要求フレームを生成し、バス82、無線接続部84およびデジタル無線装置72のアンテナを通じて送信する。
【0054】
試験部94は、監視局28を自己診断する機能を有し、システム全体の監視および保守点検を行う。
【0055】
操作制御部92は、システム管理者用のインタフェースであり、観測データの欠測やデータ異常等のシステム異常の表示、観測データや処理データが設定値を超えているかどうかを示す警報状態の表示、現在のデータや過去のデータ等を画面を見ながら操作しての表示、観測局24を指定しての呼出制御、および観測間隔の設定変更等の種々の機能を有する。
【0056】
LANインタフェース98は、LAN29を通じてデータを外部装置と交換する機能等を有する。
【0057】
データ蓄積部96は、データベースであり、観測局24から得られた観測データをログして記録する。
【0058】
図4は、観測局24および監視局28に設けられたデジタル無線装置34(72)の概略的な構成を示している。
【0059】
図4に示すように、デジタル無線装置34(72)は、基本的には、無線接続部40(84)からの送信データを送信フレームに変換する送信制御部102と、送信フレームのデータをデジタル信号処理して変調データを作成するπ/4シフトQPSK変調部104と、変調データをアナログ信号(614.4[kHz]のIF信号)に変換するD/A変換器(Digital to Analogue Converter)106と、IF信号を400MHz帯のRF信号に周波数変換する送信ユニット108と、RF信号を電力増幅する電力増幅器(Power Amplifier)110と、電力増幅されたRF信号を無線信号で送信しかつ受信する送受信アンテナ112と、受信RF信号を455[kHz]のIF信号に周波数変換する受信ユニット114と、受信IF信号をデジタルデータに変換するA/D変換器116と、デジタルデータをデジタル信号処理して復調し受信フレームとするπ/4シフトQPSK復調部118と、受信フレームを受信データに変換して無線接続部40(84)に供給する受信制御部120とから構成される。
【0060】
この場合、送信ユニット108は、ローカル発振器122を有し、ローカル発振器122の出力とD/A変換器106の出力がミキサ124で混合され、送信RF信号がアンプ126で増幅され電力増幅器110に供給される。
【0061】
電力増幅器110から出力される信号は、分岐回路130、スイッチ132の固定接点b、共通接点aを介してアンテナ112に供給される。
【0062】
分岐回路130の検出信号は、アンプ136に供給され、アンプ136の出力とローカル発振器122との出力がミキサ138で混合されフィードバックIF信号とされてA/D変換器140に供給される。A/D変換器140で変換されたデジタルフィードバックデータは、π/4シフトQPSK復調部142で復調処理され、歪み補正帰還部143へ送られる。歪み補正帰還部143では、送信RF信号の歪み成分を検出し、その歪み成分を打ち消すデータを作成し、π/4シフトQPSK変調部104へ送る。
【0063】
アンプ136、ミキサ138、A/D変換器140およびπ/4シフトQPSK復調部142、歪み補正帰還部143は、フィードバックユニット144を構成する。
【0064】
受信ユニット114は、ローカル発振器146、ミキサ148、アンプ150およびIF信号のレベルを検出するレベル検出器151とから構成されている。
【0065】
なお、実際上、送信ユニット108および受信ユニット114は、それぞれ、異なる周波数のローカル発振器をそれぞれ2つ有し、2段直列で周波数を増加しあるいは減少する周波数変換を行っているが、発明の理解を容易化するため1つのローカル発振器122、146のみを描いている。
【0066】
図5は、監視局28と観測局24との間で送受信される送受信フレーム200のフォーマットを示している。
【0067】
この送受信フレーム200は、リニアライザ用符号部201と、これに続くプリアンブル202と、これに続く制御符号203と、これに続くデータ204と、これに続くトレーラ205とから構成され、データ204以外の部分は、送信フレームと受信フレームに共通に使用される。
【0068】
この送受信フレーム200は、第1に、観測局24から観測データを収集するために監視局28から指令として送出される呼出制御信号として、第2に、この呼出制御信号を受けた観測局24が観測データを監視局28に送出するための観測データ応答フレームの返送信号として、第3に、観測局24内において各種センサ・計測装置32で得られた観測データが予め設定した設定値外の観測値となったことが検出されたとき観測局24から監視局28に対して通報する自動通報信号として、それぞれ使用される。
【0069】
ここで、リニアライザ用符号部201には、300[ms]で2880ビットのPN(Pseudo Noise)符号が用いられている。プリアンブル202には、600[ms]で5760ビットの「1001」の繰り返しパターンが用いられている。
【0070】
制御符号203は、64ビット分のビット「0」、「2F94D06B」の32ビットのバイト同期文字、16ビットの送出データ数、16ビットの送出データ数のビット反転列から構成されている。
【0071】
データ204は、データ長、地域番号、装置番号、グループ番号、コマンド、観測局番等を示す32バイトのデータヘッダと、観測データ等が含まれる可変長で最大224バイトのデータ部とから構成されている。
【0072】
ここで、グループ番号は、監視局28が、複数の観測局24をデータ収集の周期別にグループ分けするための番号であり2バイトの符号からなっている。コマンドは、個別収集を行うかグループ収集(一括収集)を行うかを区別するための2バイトの符号からなっている。観測局番は、各観測局24毎に固有の4バイトの符号からなっているが、グループを構成する全観測局24を一括で指定する場合には、一括呼出制御コード「FFFFh(hは16進数を表す。)」とされる。
【0073】
このようにしているので、監視局28は、観測局24中、予め定めたグループを構成する全ての観測局24の観測データを収集したいとき、指定したグループ番号と、グループ収集コマンドと、一括呼出制御コードを埋め込んだ呼出制御信号である観測データ送信要求フレームとしての送信フレーム200を送信することで、グループを構成する全ての観測局24の観測データを収集することができる。
【0074】
なお、データ204に続く、トレーラ205は、64ビット分のビット0からなる。
【0075】
次に、図4に示したデジタル無線装置34(72)のより詳しい動作について説明する。
【0076】
送信の際、無線接続部40(84)から、送信フレーム200中、データ204を構成するデータヘッダとデータ部が供給されると、送信制御部102では、送信フレーム200中、残りのリニアライザ用符号部201、プリアンブル202、制御符号203トレーラ205を付け、π/4シフトQPSK変調部104に送る。
【0077】
π/4シフトQPSK変調部104は、供給されたデータをもとにπ/4シフトQPSK変調の符号化規則に従ってI信号、Q信号に直交符号化し、さらに歪みを除くためのフィルタリング処理をする。このフィルタリング処理したデータに、フィードバックユニット144から出力される送信RF信号の歪みを打ち消すデータを反映してπ/4シフトQPSK変調データとしてD/A変換器106に送る。
【0078】
このとき、フィードバックユニット144では、送信RF信号を、分岐回路130、アンプ136、A/D変換器140およびπ/4シフトQPSK復調部142を介してフィードバックして復調し、歪み補正帰還部143で、復調信号から送信RF信号の歪み成分を検出し、その歪み成分を打ち消すデータを作成し、π/4シフトQPSK変調部104へ送る。
【0079】
なお、送受信フレーム200の最初にPN符号を用いるのは、最初にランダムな符号パターンのPN符号で歪み補正を掛けることで、一定符号パターンのプリアンブル符号で歪み補正を掛けるより、歪み補正の追従特性を良くするためである。
【0080】
次に、フレーム200を受信した観測局24および監視局28のπ/4シフトQPSK復調部118が、プリアンブル202でシンボル同期を確立し、制御符号203でフレーム同期を確立しデータを受信する動作について図6のフローチャートを参照して説明する。
【0081】
なお、π/4シフトQPSK復調部118は、受信IF信号をA/D変換器116でデジタルデータに変換した信号を復調処理して、I信号、Q信号、大きさM(Magnitude)、および位相P(Phase)の4つの信号パラメータ(サンプルセット)を取り出し、シンボル同期を確立する際に、詳細を後述するように、プリアンブル202のサンプルセット中の大きさMを平均し、大きさMの平均が、検出基準値を超えたときのサンプリング位置からシンボル同期の確立処理に入るようにしている。
【0082】
図7は、π/4シフトQPSK復調部118の基本的な構成を示している。このπ/4シフトQPSK復調部118は、A/D変換器116からのIF信号を受けてサンプルセットを出力するDDC(Digital Down Converter)301と、サンプルセットを入力しシンボル同期を確立するDSP(Digital Signal Processor)302と、DDC301とDSP302を制御するとともに、フレーム同期処理およびデータ受信処理を行って復調データを出力するCPU303とから構成される。なお、実際上、CPU303の機能の一部をFPGA(Field Programmable Gate Array)に行わせているが、発明の理解を容易化するため、CPU303の機能として説明する。
【0083】
ステップS51において、アンテナ112を通じて通過帯域のフレームの無線信号を受信すると、受信ユニット114のレベル検出器151から信号受信を示すスケルチ開信号がπ/4シフトQPSK復調部118を構成するCPU303に検知され、CPU303は受信制御に入る。
【0084】
ステップS52において、CPU303は、DSP302のリセットを解除し、DSP302を立ち上げる。これによって、DSP302は自己のプログラムをブートし、DDC301の立ち上がり安定動作時間である約200[ms]待ってからDSP302内部の初期化処理を行う。次に外部デバイスであるDDC301の初期化処理を行う。それからDSP302は、CPU303からの受信開始指示で、DDC301からのデータ入力を開始する。DDC301は、A/D変換器116でA/D変換されたデジタルデータをフィルタリング処理してノイズを除去し、サンプリングしてサンプルセット(I,Q,M,P)を出力する。サンプリング周期は、シンボル周期(4800[Hz]:約0.21[ms])の4倍としているので、シンボル周期あたり、4つのサンプルセットを取得する。
【0085】
ステップS53において、DSP302は、サンプルセットを順次DDC301から入力し、シンボル同期の確立処理を行う。
【0086】
このシンボル同期の確立処理において、ステップS53aの処理では、DSP302は、最初の約300[ms]は、制御が不能な非制御期間としてサンプルセットを廃棄する。DDC301の初期化時間(約200[ms])を合わせると受信フレーム200の先頭から約500[ms]の受信信号が廃棄されることとなる。
【0087】
次に、ステップS53bにおいて、廃棄された後にDSP302に入力されるサンプルセットの大きさMから受信中のフレームがノイズかどうかを判定する。
【0088】
正常な受信フレーム200であれば、約500[ms]経過後は、プリアンブル202の「1001」の繰り返しパターンが発生しているので、ノイズとは判定されない。
【0089】
ステップS53bにおいて、ノイズではなく正規の受信フレーム200であると判定した場合、ステップS53cにおいて、適正なサンプリング位置を探す抽出処理を行う。
【0090】
この適正なサンプリング位置を探す抽出処理について、図8のπ/4シフトQPSKにおけるIQ信号空間配置と位相遷移図、および図9の大きさMの変化状態の遷移を示す図を参照して説明する。
【0091】
π/4シフトQPSK方式では、「1001」パターンからなる繰り返しのプリアンブル202は、信号[10]と信号[01]の信号伝送となり、IQ信号空間配置と位相遷移は図8に示すようになる。この図8において、IQ軸空間上の白丸は偶数シンボルを示し、黒丸は奇数シンボルを示している。信号は、偶数シンボル→奇数シンボル→偶数シンボル…と遷移するが、このとき、[10]は、短い矢印の遷移(−π/4)となり、[01]は、長い矢印の遷移(3π/4)となる。
【0092】
このように、π/4シフトQPSKでは、180度(π)の位相遷移がないので、シンボル遷移は原点を通ることがなく、図8,図9に示すように、「1001」の繰り返しパターンのプリアンブル202の大きさ(原点からの距離)Mは、正常あれば、最小値でも一定レベル以上になる。
【0093】
「1001」の繰り返しパターンは、2つのシンボル[10]と[01]を含むのでサンプルセットは8個となる。
【0094】
この8個のサンプルセットを1周期とみなし、曲線で表されている大きさMの最小値が判定値である検出基準値Vrを超える、この場合、大きさMの最小値が検出基準値Vrを下回る、プリアンブル202の周期のサンプルセットが複数回続いたとき、DDC301でのサンプル位置が適正であると判定する。
【0095】
内外ノイズやフェージング等により、受信信号が乱れてサンプルセットの大きさMが乱れると、間違ったサンプル位置を適正と判断する場合があるので、プリアンブル202の周期で存在するサンプルセットの大きさMの最小値について、10周期(シンボル周期では20周期)の平均を取り、その最小値の平均値が検出基準値以下であれば、内外ノイズやフェージングによる誤差成分が排除され、適正なサンプル位置が得られる。なお、平均周期は、10周期以上が好ましいが、用途により5−20周期程度の間に設定することができる。
【0096】
サンプル位置が適正と判断したときには、ステップS53cにおいて、DSP302でのAFC(Automatic Frequency Control)制御およびDPLL(デジタル化PLL)ロック制御が行われ、シンボル同期が確立する。
【0097】
シンボル同期が確立した後、CPU303は、ステップS54においてフレーム同期検出処理を行う。すなわち、プリアンブル202の後に続く制御符号203でビット「0」が16ビット連続する部分を検出したとき、その後にフレーム同期ワード、すなわちバイト同期文字「2F94D06B」があるかどうか判定し、フレーム同期ワードを検出する。
【0098】
誤り訂正符号化したフレームの場合は、誤り訂正復号した後で、フレーム同期検出処理を行う。
【0099】
次に、ステップS55において、CPU303は、フレーム同期ワードを検出した後、その直後にある送出データ数、すなわち、データビット数の情報を入力してデータ204の送受信ビット数を計算し、制御符号203の後のデータ204の受信を続けて計算した送受信ビット数に達したら受信を終了する。
【0100】
以上の説明が、フレーム200を受信した観測局24および監視局28のπ/4シフトQPSK復調部118が、プリアンブル202でシンボル同期を確立し、制御符号203でフレーム同期を確立しデータを受信する動作についての説明である。
【0101】
このように、たとえば、呼出制御信号の受信フレーム200を受信した観測局24が、PN符号のリニアライザ用符号部201、プリアンブル202、制御符号203およびデータ204の順からなるフレーム200構成の返送信号を送信し、返送信号を受信した監視局28は、プリアンブル202でシンボル同期を確立し、制御符号203でフレーム同期を確立するようにしているので、同期を容易に確立することができる。
【0102】
そして、シンボル同期を確立する際、受信した返送信号のフレーム200中、プリアンブル202のサンプル値を平均し、サンプル値の平均が、検出基準値Vrを超えたときのサンプル位置からシンボル同期の確立処理に入るようにしているので、内外ノイズおよびフェージングの影響を軽減乃至除去して同期を短時間で確実に確立することができる。
【0103】
次に、テレメータシステム20の図6に示した受信処理以外の動作について、図10に示すタイムチャートおよび図11−図13のフローチャートを利用して説明する。
【0104】
なお、図11に示すフローチャートは観測局24の全グループの呼出制御に関し、図12に示すフローチャートは観測局24の指定グループ呼出制御に関し、図13に示すフローチャートは自動通報機能に係わるフローチャートに関する。これらのフローチャートにおいて、制御の主体は、監視局28の基本制御部36(単に、監視局28ともいう。)あるいは観測局24の基本制御部80(単に、観測局24)である。
【0105】
(全グループ呼出制御:図11)この場合、まず、ステップS1において、監視局28は、時計部42を参照して定時観測時刻になったかどうかを判断する。定時観測時刻になった場合には、ステップS2において、定時観測開始ルーチンを起動する。
【0106】
これにより、ステップS3において、所定の観測局グループを呼び出すために、指定グループ呼出制御信号の送信フレーム200を送出する。
【0107】
ステップS103において、指定グループ呼出制御信号を受信した全ての各観測局24は、ステップS104−S105において、全ての観測局24中、その指定グループに属する各観測局24(図11例では、No.1−No.n)が、所定の順番に従い、各種センサ・計測装置32で観測したデータを観測局返送信号として監視局28に順次送信する。
【0108】
送信信号は、ステップS4−S5において監視局28において順次受信される。
【0109】
以降、この送受信のステップS3→S103→S104→S4→…→S105→S5を、グループ呼出・データ収集ステップS200という。
【0110】
図10は、グループ呼出・データ収集ステップS200に対応するタイムチャートである。
【0111】
時点t1において、監視局28から指定グループ呼出制御信号が送信されると、その時点t1から僅かに遅れた時刻に全ての観測局24で同時に指定グループ呼出制御信号が受信される。
【0112】
次に、時点t2で、所定の順番(この順番は、指定グループ呼出制御信号で指定することができ、また、観測局24からの送信間隔も指定することができる。)で、まず、指定グループ内の最初の観測局24−1が観測データを返送信号として時点t2で送信すると、この返送信号が監視局28で受信される。以下、同様に、指定グループ内の最後の観測局24−nが観測データを返送信号として時点tnで送信すると、この返送信号が監視局28で受信され、グループ呼出に係る全観測局24のデータが監視局28で収集される。
【0113】
次いで、図11のステップS6において、全グループ(図1例では、グループAとグループB)の呼出が終了したかどうかが確認され、全グループの呼出が終了するまで、ステップS200のグループ呼出・データ収集処理が繰り返される。
【0114】
ステップS6の判断が成立すると、ステップS7において取得した観測データがデータ蓄積部96に保存される。
【0115】
次いで、ステップS8において、観測データがLANインタフェース98を介して外部装置に供給され、外部装置での利用に供される。
【0116】
このように図11例では、グループ毎に観測局24の観測データが収集され、全グループ、すなわち全観測局24の観測データが収集される。
【0117】
(指定グループ呼出制御:図12)この図12のフローチャートの各処理は、図11のフローチャートの各処理と比較してステップS16の処理のみが異なるので、ステップS16以外の処理は簡単に説明乃至省略する。
【0118】
ステップS11において、監視局28は、時計部42を参照して定時観測時刻になったかどうかを判断する。定時観測時刻になった場合には、ステップS12において、定時観測開始ルーチンを起動する。
【0119】
次いで、ステップS200において、所定の観測局グループを呼び出すために、指定グループ呼出制御信号の送信フレーム200を送出し、指定グループ内の全ての観測局24からの観測データを返送信号として受ける。
【0120】
次いで、ステップS16において、指定グループの呼出が終了したかどうかが確認され、指定グループの呼出が終了するまで、ステップS200のグループ呼出・データ収集処理が繰り返される。
【0121】
なお、図12例では、1時間、30分、10分、5分の各周期で定時呼び出しされるグループが異なるようになっている。
【0122】
ステップS16の判断が成立すると、ステップS17において取得した観測データがデータ蓄積部96に保存され、ステップS18において、観測データがLANインタフェース98を介して外部装置に供給され、外部装置での利用に供される。
【0123】
このように図12例では、指定グループを構成する観測局24のみの観測データが収集される。
【0124】
(自動通報制御:図13)この図13のフローチャートの各処理中、図11、図12に示した処理と対応する処理は、簡単に説明乃至省略する。
【0125】
まず、ステップS301において、観測局24は、監視局28の最短観測周期と自己の時計部90を参照して、監視局28が定時観測時刻の1分前になったかどうかを確認する。定時観測時刻の1分前になったときには、ステップS302において、観測局24自身で定時観測中の自動通報機能をロックする。
【0126】
次に、ステップS31において、監視局28は、時計部42を参照して定時観測時刻になったかどうかを判断する。定時観測時刻になった場合には、ステップS32において、定時観測開始ルーチンを起動する。
【0127】
次いで、ステップS200Aにおいて、所定の観測局グループを呼び出すために、指定グループ呼出制御信号の送信フレーム200Aを送出し、指定グループ内の全ての観測局24からの観測データを返送信号として受ける。
【0128】
次いで、ステップS36において、指定グループの呼出が終了したかどうかが確認され、指定グループの呼出が終了するまで、ステップS200Aのグループ呼出・データ収集処理が繰り返される。
【0129】
ステップS36の判断が成立すると、ステップS37において取得した観測データがデータ蓄積部96に保存され、ステップS38において、観測データがLANインタフェース98を介して外部装置に供給され、外部装置での利用に供される。
【0130】
その一方、観測局24においては、定時観測時刻経過したとき、ステップS303において、定時観測中の自動通報機能をロックした各観測局24は、自身で定時観測中の自動通報機能のロックを解除する。これにより、各観測局24は、再び自動通報可能な状態となる。
【0131】
ステップS301における定時観測時刻の1分前になっていないとき、あるいはステップS303で自動通報機能のロックが解除されたとき、ステップS304において、各観測局24は、観測値が自動通報観測値を超えたかどうかを判断する。
【0132】
すなわち、各観測局24は、各観測局24内において、観測データが予め設定した設定値を超える観測値となったことが検出されたかどうかを監視する。
【0133】
そして、予め設定した設定値を超える観測値となったとき、ステップS305において、その旨を自動通報信号の送信フレーム200で監視局28に自動通報する。
【0134】
一方、監視局28は、定時観測時刻の前あるいは定時観測の終了後のステップ39において、自動通報信号を受信したかどうかを確認する。
【0135】
自動通報信号を受信していない場合にはステップS45へ進み、その一方、自動通報信号を受信していた場合には次のステップS40において、全観測局24に対して自動通報機能のロック信号を送る。
【0136】
ステップS306において、この自動通報機能のロック信号を受信した全観測局24は、自身の自動通報機能をロックする。
【0137】
次に、ステップS41において、監視局28は、自動通報観測処理を開始する。
【0138】
すなわち、ステップS200Bにおいて、ステップS39で自動通報信号を受信した観測局24を含むグループを指定して指定グループ呼出制御信号を送信する。
【0139】
そして、ステップS200Bにおいて、自動通報信号を送信してきた観測局24を含む指定グループ内の全ての観測局24からの観測データを返送信号として受ける。
【0140】
次いで、ステップS42において、必要な指定グループの呼出が終了したかどうかが確認され、指定グループ内の全ての観測局24の呼出が終了するまで、ステップS200Bのグループ呼出・データ収集処理が繰り返される。
【0141】
ステップS42の判断が成立すると、ステップS43において取得した観測データがデータ蓄積部96に保存され、ステップS44において、観測データがLANインタフェース98を介して外部装置に供給され、外部装置での利用に供される。
【0142】
次に、ステップS45において、観測データの内容から自動通報のロックを解除してよいかどうかを判断する。たとえば、観測値が予め設定した設定値以内の値となって一定時間を経過していた場合には、解除すると判断する。
【0143】
解除すると判断した場合には、ステップS46において、全ての観測局24に対してロック解除信号を送信する。
【0144】
ステップS307において、ロック解除信号を受信した全ての観測局24は、ステップS308において、自身の自動通報機能のロック機能を解除する。
【0145】
なお、ステップS45で自動通報ロックが解除されていないとき{もともと自動通報信号が受信されないで(ステップS39否定)、自動通報ロックが解除されていないときも含む。}には、ステップS31に進む。そして、自動通報の信号の受信があった場合には定時観測時刻になるまで、ステップS39以降の自動通報信号受信に係わる処理を続行し、自動通報の信号の受信がもともとなかった場合には、ステップS31以降の処理を行う。
【0146】
以上説明したように、上述した実施形態によれば、監視局28は、複数の観測局24をデータ収集の周期別にグループ分けし、必要な時期に必要なグループの観測局24に対して一括して呼び出すグループ呼出制御信号を送信し、複数の観測局24は、自グループ宛の呼出制御信号を受信したとき、所定の順序で順次観測データを返送信号として送信することで、監視局28は、所望の時刻に、所望の観測局から必要な観測データを効率よく収集することができる。
【0147】
また、観測局24は、観測局24内において観測データが予め設定した設定値外の観測値となったことが検出されたとき、監視局28に対して通報する自動通報機能を有し、監視局28は、あるグループのある観測局24からの自動通報信号を受信したとき、他のグループの全ての観測局24の自動通報機能をロックするロック信号を他の観測局24に送信するようにしているので、監視局28は、自動通報信号を受信した観測局24のグループからの観測データを優先的に受信することができる。
【0148】
さらにまた、観測局24は、監視局28の定時観測前に、自身で自動通報機能をロックし、定時観測終了後、自身で自動通報機能のロックを解除するため、監視局28は定時観測前における観測局24の自動通報機能のロックおよび定時観測終了後の自動通報機能のロック解除制御を行う必要がないので、観測データを効率よく収集することができる。
【0149】
なお、この発明は、上述の実施の形態に限らず、この発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得ることはもちろんである。
【0150】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、テレメータ装置において、狭帯域デジタル通信方式(π/4シフトQPSK)の同期確立の短時間化と確実化、並びに効率的なデータ収集方式を実現できる。
【0151】
また、この発明は、所望の観測局における観測データをタイムリー(所望の時刻)に取得することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態のテレメータシステムの構成を示すブロック図である。
【図2】観測局の機能ブロック図である。
【図3】監視局の機能ブロック図である。
【図4】観測局および監視局におけるデジタル無線装置のブロック図である。
【図5】送受信フレームのデータ構造図である。
【図6】受信処理の動作説明に供されるフローチャートである。
【図7】π/4シフトQPSK復調部の構成を示す概略ブロック図である。
【図8】IQ信号空間配置と位相遷移を示す説明図である。
【図9】サンプルセット中、大きさの変化状態の遷移を示す説明図である。
【図10】グループ呼出制御の動作説明に供されるタイムチャートである。
【図11】観測局の全グループの呼出制御の動作説明に供されるフローチャートである。
【図12】指定グループの観測局の呼出制御の動作説明に供されるフローチャートである。
【図13】自動通報機能とそのロックの動作説明に供されるフローチャートである。
【符号の説明】
20…テレメータシステム 24…観測局
28…監視局 29…LAN
30、70…本体部 32…各種センサ・計測装置
34、72…デジタル無線装置 102…送信制御部
104…π/4シフトQPSK変調部 106…D/A変換器
108…送信ユニット 114…受信ユニット
118…π/4シフトQPSK復調部 120…受信制御部
143…歪み補正帰還部 144…フィードバックユニット
200…送受信フレーム(送信フレーム、受信フレーム)
301…DDC 302…DSP
303…CPU
Claims (4)
- 複数の観測局のそれぞれで観測されたデータが、前記複数の観測局からそれぞれ観測データとして送信され、監視局で受信されるテレメータ装置であって、
前記監視局と前記複数の観測局には、それぞれ、π/4シフトQPSK方式の無線装置が配置され、
前記監視局は、前記複数の観測局をデータ収集の周期別にグループ分けし、必要な時期に必要なグループの観測局に対して呼出制御信号を送信し、
前記必要なグループの観測局は、自己宛の呼出制御信号を受信したとき、前記観測データを送信し、
前記監視局は、前記観測データを受信することで必要な観測データを収集する
ことを特徴とする狭帯域デジタル通信方式テレメータ装置。 - 請求項1記載の狭帯域デジタル通信方式テレメータ装置において、
前記観測局は、前記観測局内において前記観測データが予め設定した設定値外の観測値となったことが検出されたとき、前記監視局が定時観測期間中か否かを判断し、定時観測期間中でなければ前記監視局に対して自動通報信号を送信する自動通報機能を有し、
前記監視局は、ある観測局からの自動通報信号を受信したとき、他の観測局の自動通報機能をロックするロック信号を前記他の観測局に送信する
ことを特徴とする狭帯域デジタル通信方式テレメータ装置。 - 請求項1記載の狭帯域デジタル通信方式テレメータ装置において、
前記呼出制御信号および前記観測データの送信信号は、PN符号、プリアンブル、制御符号およびデータの順からなるフレーム構成の伝送信号とし、
前記伝送信号を受信した観測局あるいは監視局は、前記プリアンブルでシンボル同期を確立し、前記制御符号でフレーム同期を確立する
ことを特徴とする狭帯域デジタル通信方式テレメータ装置。 - 請求項3記載の狭帯域デジタル通信方式テレメータ装置において、
前記シンボル同期を確立する際、受信した前記伝送信号中、前記プリアンブルのサンプル値を平均し、サンプル値の平均が、検出基準値を超えたときのサンプル位置からシンボル同期の確立処理に入る
ことを特徴とする狭帯域デジタル通信方式テレメータ装置。
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