JP3785318B2 - 車両運行情報収集装置及び車両運行情報収集装置の自己診断方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両運行情報収集装置及びこの装置の自己診断方法に関し、特に、誤操作がないように自己診断を行うことができる車両運行情報収集装置及びこの装置の自己診断方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、車両運行情報を収集する車両運行情報収集装置の自己診断は、車両運行情報収集装置の製造時に行なわれ、この装置を構成する内部回路の診断をするテスト診断、車両組立時に行われ、この装置に接続されるセンサ類との接続や動作の診断をするライン診断、及びこの装置の車両への組付及びシステム構成時に行われ、この装置に接続される周辺機器類に関する診断をするユーザ診断の3種類がある。しかしながら、これら3種類の診断の起動方法は同一であったので、工場やカーメーカで行われるべき診断項目が、ユーザ側でも実行できるようになっており、工場やカーメーカで設定されたデータや情報が、ユーザ側で書き替えられてしまう可能性もあった。このため装置運用時に思わぬ誤動作が発生してしまう可能性があった。
【0003】
以下に図8を用いてこの問題を説明する。図8は、従来の自己診断の方法を示す説明図である。
【0004】
図8に示すように、自己診断はテスト診断S91、ライン診断S92及びユーザ診断S93の3種類から構成されている。自己診断が起動されるとまずテスト診断S91が開始され、この診断では内部回路確認S911及びデバイス確認S912等、装置を構成する内部回路に関する診断が行なわれ、これを信号出力確認S913によって判定する。テスト診断S91が終了すると、ライン診断S92が開始され、この診断ではセンサ接続確認S921及びセンサ動作確認S922等、装置に接続されるセンサ類に関する診断が行なわれる。ライン診断S92が終了すると、ユーザ診断S93が開始され、この診断では周辺接続確認S931及びデータ確認S932等、装置に接続される周辺機器類に関する診断が行なわれる。これらの診断が完了すると、一連の自己診断が終了する。
【0005】
そして、上述のような各診断S91、S92及びS93の全て、或いは、そのうちのいずれかを行う場合も同一の起動方法で行えるようになっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上述したように3種類の診断の起動方法は、各診断S91、S92及びS93に応じた起動方法はなく、一旦、診断プログラムを起動してしまうと全ての診断S91、S92及びS93が行えるようになっている。例えば、ユーザ側でユーザ診断S93を行うために、自己診断を起動すると、工場やカーメーカで行われるべき診断S91、S92も実行できるようになっている。
【0007】
このため、工場やカーメーカで行われるべき重要な診断がユーザ側でも実行できるようになり、工場やカーメーカで設定されたデータや情報がユーザ側で書き替えられてしまう可能性もあり、装置運用時に思わぬ誤動作が発生してしまう可能性があった。
【0008】
よって本発明は、上述した現状に鑑み、それぞれの診断現場に応じた診断以外は実行できないようにすることにより診断時の誤操作を防止し、運用時の誤動作を防止した車両運行情報収集装置及び車両運行情報収集装置の自己診断方法を提供することを課題としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するためになされた請求項1記載の車両運行情報収集装置は、図1の基本構成図に示すように、車両運行情報収集装置の製造時に行なわれ、この装置を構成する内部回路の診断をするテスト診断、車両組立時に行われ、この装置に接続されるセンサ類に関する診断をするライン診断、及びこの装置の車両への組付及びシステム構成時に行われ、この装置に接続される周辺機器類に関する診断をするユーザ診断の機能を備えた車両運行情報収集装置であって、前記テスト診断を可能にする第1特殊コードを格納した第1メモリカード181Aと、前記ライン診断を可能にする第2特殊コードを格納した第2メモリカード181Bと、前記第1及び第2メモリカードから前記第1及び第2特殊コードを読み出す特殊コード読出手段12R2と、手動操作により前記ユーザ診断を可能にするユーザ診断指令を入力する入力スイッチSWと、読み出された前記第1及び第2特殊コード、並びに入力されたユーザ診断指令にそれぞれ応答して、前記テスト診断、ライン診断及びユーザ診断を実行する診断実行手段12Bとを有することを特徴とする。
【0012】
請求項1記載の発明によれば、自己診断を、車両運行情報収集装置の製造時に行なわれ、この装置を構成する内部回路の診断をするテスト診断、車両組立時に行われ、この装置に接続されるセンサ類に関する診断をするライン診断、及びこの装置の車両への組付及びシステム構成時に行われ、この装置に接続される周辺機器類に関する診断をするユーザ診断に分割し、より重要なテスト診断及びライン診断はそれぞれ特殊コードを格納した第1及び第2メモリカードがなければ実行できないようにした。したがって、ユーザ側の取り付け現場で間違えて上記テスト診断及びライン診断を行う可能性がなくなり、従来のように不用意な設定やデータ消失を防止できるようになる。また、ユーザ診断はスイッチ操作により実行できるようにしたので、この際の利便性は従来通り確保される。更に、テスト診断及びライン診断もそれぞれに対応したメモリカードがないと実行できないようにしたので、テスト診断及びライン診断間でも診断項目を間違えることがなくなる。
【0013】
上記課題を解決するためになされた請求項2記載の車両運行情報収集装置は、請求項2記載の車両運行情報収集装置において、前記テスト診断ではメモリカードインターフェース及び記憶装置部のうちの少なくともいずれかに関する診断を行い、前記ユーザ診断ではこれらに関する診断は行なわないことを特徴とする。
【0014】
請求項2記載の発明によれば、テスト診断ではメモリカードインターフェース及び記憶装置部のうちの少なくともいずれかに関する診断が行なわれ、ユーザ診断ではこれらの診断は行われないようにしている。すなわち、重要なデータが格納される記憶手段に関する診断はテスト診断で行われ、ユーザ診断では行われないようにしている。したがって、工場側で書き込まれたデータがユーザ側で書換えられることがなくなる。
【0015】
上記課題を解決するためになされた請求項3記載の車両運行情報収集装置は、請求項1記載の車両運行情報収集装置において、前記ライン診断では、速度センサ及びエンジン回転センサに関する診断を行なうことを特徴とする。
【0016】
請求項3記載の発明によれば、ライン診断では、速度センサ及びエンジン回転センサに関する診断が行われる。すなわち、ライン診断は車両組立時にカーメーカーで行われるものであるので、このような速度センサ及びエンジン回転センサに関する診断をライン診断で行うことによって、診断結果がNGの際の原因調査や修理が容易に行えるようになる。
【0017】
上記課題を解決するためになされた請求項4記載の車両運行情報収集装置は、請求項1記載の車両運行情報収集装置において、前記ユーザ診断では、表示部、GPS部、電波時計部、外部チャネル部及びこの装置に接続されるハンディターミナルに関する診断を行なうことを特徴とする。
【0018】
請求項4記載の発明によれば、ユーザ診断では、表示部、GPS部、電波時計部、外部チャネル部及びこの装置に接続されるハンディターミナルに関する診断が行われる。すなわち、これらの診断は設定データを変更する可能性はほとんどないので、たとえ診断時に誤った操作をしても装置の誤動作を引き起こすことはない。また、このユーザ診断に関わるGPS部や電波時計部、外部チャネル部に接続される機器、及びハンディターミナルは本体装置の基本設定が完了した後に接続される外部装置なので、これらの診断を基本設定に基づきここで行うことは合理的である。
【0021】
上記課題を解決するためになされた請求項5記載の車両運行情報収集装置の自己診断方法は、図4〜図7に示すように、車両の運行状態を示す車両運行情報を収集する車両運行情報収集装置の自己診断方法であって、前記自己診断方法は、車両運行情報収集装置の製造時に行なわれ、この装置を構成する内部回路の診断をするテスト診断、この装置の車両への組付時に行われ、この装置に接続されるセンサ類に関する診断をするライン診断、及びシステム構成時に行われ、この装置に接続される周辺機器類に関する診断をするユーザ診断から構成されており、前記テスト診断を可能にする第1特殊コードを格納した第1メモリカードから前記第1特殊コードを読み出す第1読み出しステップS4と、前記ライン診断を可能にする第2特殊コードを格納した第2メモリカードから前記第2特殊コードを読み出す第2読み出しステップS4と、入力スイッチによる手動操作により前記ユーザ診断を可能にするユーザ診断指令を入力する入力ステップS5と、読み出された前記第1特殊コードに応答して、前記テスト診断を実行するテスト診断実行ステップS6と、読み出された前記第2特殊コードに応答して、前記ライン診断を実行するライン診断実行ステップS7と、入力されたユーザ診断指令に応答して、前記ユーザ診断を実行するユーザ診断実行ステップS8とを有することを特徴とする。
【0022】
請求項5記載の発明によれば、第1読み出しステップS4では、テスト診断を可能にする第1特殊コードを格納した第1メモリカードから第1特殊コードが読み出される。第2読み出しステップS4では、ライン診断を可能にする第2特殊コードを格納した第2メモリカードから第2特殊コードが読み出される。入力ステップS5では、入力スイッチによる手動操作によりユーザ診断を可能にするユーザ診断指令が入力される。そして、テスト診断実行ステップS6では、読み出された第1特殊コードに応答してテスト診断が実行され、ライン診断実行ステップS7では、読み出された第2特殊コードに応答してライン診断が実行され、ユーザ診断実行ステップS8では、入力されたユーザ診断指令に応答してユーザ診断が実行される。したがって、ユーザ側の取り付け現場で間違えて上記テスト診断及びライン診断を行う可能性がなくなり、従来のように不用意な設定やデータ消失を防止できるようになる。また、ステップS8で行われるユーザ診断ではスイッチ操作によりユーザ診断を実行することことができるので、この際の利便性は従来通り確保される。更に、ステップS6及びステップS7でそれぞれ行われるテスト診断及びライン診断もそれぞれに対応したメモリカードがないと実行できないようにしたので、テスト診断及びライン診断間でも診断項目を間違えることがなくなる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図2は、本発明に関わるの車両運行情報収集装置10を示すブロック図である。
【0024】
図2において、11は読み出し専用のメモリ(ROM)を示し、ROM11には所定のプログラムや固定データ、例えば、車両コードや機能設定情報等の車両個別の設定情報等が予め格納されると共に、後述する自己診断処理を行うプログラムも格納されている。このROM11は実際的には、通常のROMとFROM(フラッシュメモリ)とが用いられ、所定のメモリカード等を用いて車両運行情報収集用プログラムが予めロードされている。
【0025】
12は中央演算処理装置(CPU)を示し、CPU12はROM11に予め格納された制御プログラムにしたがって動作する。すなわち、制御プログラムにしたがって後述する自己診断処理や車両運行情報収集処理等を行う。
【0026】
13は読み出し書き込み自在のメモリ(RAM)を示し、RAM13はCPU12の処理の過程で発生する各種のデータを格納するデータエリアと処理の際に使用するワークエリア等を有する。また、このROM11は実際的には、SRAMが用いられ、車両運行情報収集中のバックアップメモリとして使われることもある。このRAM13には、所定の格納エリアにシステム項目として車両番号、速度オーバー基準値、定時刻値等の各種の設定項目テーブルが設定されている。
【0027】
14は、各種の固有情報等を記憶する不揮発メモリ(NVM)である。このNVM14には累積走行距離等が記憶される。
【0028】
15aは、CPU12の制御のもとにLCD15bを駆動するLCDドライバである。LCD15bは、LCDドライバ15aに駆動されて時刻や累積走行距離等の表示内容をデジタル表示する。
【0029】
16は、GPS/電波時計を示し、GPS/電波時計16は衛星からのGPSデータや時刻情報を取得してCPU12に供給する。
【0030】
BZは、CPU12からの鳴動駆動信号に基づき鳴動するブザーである。このブザーBZは各診断開示及び終了時、診断異常時等に鳴動される。LEDは、CPU12から供給される発光駆動信号に応答して発光する。この例としては、OK(正常)、ALM(警報)、CARD(カード挿入)等を示すLEDが挙げられる。
【0031】
SWは、基本的に、本車両運行情報収集装置10の全面に配設されており、処理終了時に押下される終了スイッチ、ユーザ診断移行する際に押下されるAスイッチ(SW−A)、処理を移行する際に押下される切替スイッチ、電源スイッチ、LEDリセットスイッチ、ブザーリセットスイッチ等である。
【0032】
IGNは車両のイグニッションスイッチであり、CPU12に接続されて、エンジンスタート及び停止時にそれぞれ発するイグニッションON及びOFF信号を供給する。
【0033】
17は、ハンディターミナルインタフェース(I/F)部を示し、このI/F17は後述するハンディーターミナル171及びCPU12との間に介在して接続され、これらの電気的インタフェースを取る。このハンディターミナルI/F部17に接続されるハンディーターミナル171は、CPU、表示部、ブザー、各種スイッチ、及び各種データの入力時に利用されるテンキーを有している。
【0034】
18は、リーダライタインタフェース(I/F)部を示し、このI/F18はリーダライタ部R/W及びCPU12との間に介在して接続され、これらの電気的インタフェースを取る。このリーダライタ部R/Wは、メモリカード181が挿入されるカード挿入口を有する。
【0035】
上記メモリカード181は、ここには図示しないが、後述のテスト診断を可能にする第1特殊コードを格納した第1メモリカード181A、ライン診断を可能にする第2特殊コードを格納した第2メモリカード181B、及び車両運行情報を記憶するデータカード等である。これらのカードは、上記リーダライタ部R/Wのカード挿入口に挿入できる同一形状のメモリカードであるが、それらの使用目的によって記憶されるデータが異なる。
【0036】
19は、オプションユニットインタフェース(OPU I/F)部を示し、このI/F19には、CPU12に接続され、例えば、携帯電話等が本車両運行情報収集装置に接続される際に利用される。
【0037】
20は、速度センサインタフェース(I/F)部を示し、このI/F20はCPU12及び速度センサ201の間に介在して接続され、これらの電気的インタフェースを取る。この速度センサ21は走行速度を検出してそれに応じた速度パルスを生成し、これを速度センサI/F部20を介してCPU12に供給する。
【0038】
21は、エンジン回転センサインタフェース(I/F)部を示し、このI/F21はCPU12及びエンジン回転センサ201の間に介在して接続され、これらの電気的インタフェースを取る。このエンジン回転センサ201は車両が搭載するエンジンの回転数を検出してその回転数(単位はrpm)に応じたエンジン回転パルスを生成し、これを速度センサI/F部20を介してCPU12に供給する。
【0039】
22は、アナログチャネルインタフェース(I/F)部を示し、このI/F22はCPU12に接続され、例えば、車両の荷物室内の温度が閾値を越えたか否かを検出する温度センサ(図示せず)等が接続される際に利用される。
【0040】
23は、外部チャネルインタフェース(I/F)部を示し、このI/F24はCPU12に接続され、例えば、車両のブレーキ装置や安全装置(図示せず)等が接続される際に利用される。
【0041】
なお、24は電源部を示し、この電源部24は車両のバッテリ(図示せず)から供給される電力を、リーダライタ部R/W、及びCPU12等に分配して供給するもので、この電源部24には、上記車載バッテリからの電力供給が断たれた場合に、所定時間に亘りCPU12に電力を供給するバックアップ電池24aも接続されている。
【0042】
次に、図3を用いて各診断で行われる診断項目を例示する。図3は、本実施形態で行われるテスト診断、ライン診断及びユーザ診断における診断項目を例示する説明図である。
【0043】
図3において、本車両運行情報収集装置10の診断項目は、例えば、表示診断、カードインターフェース診断、スイッチ診断、イグニッション診断、SRAM診断、FROM診断、NVM診断、スピードパルス診断、エンジン回転パルス診断、アナログチャネル診断、外部チャネル診断、GPS接続診断、電波時計接続診断及びオプションユニット診断を含む。
【0044】
これらの診断について簡単に説明すると、表示診断では、LCD14b上に表示されるべきディジタル数字、コロン、ピリオド、シンボルマーク等の表示テストやOK、ALM、CARD用LEDの表示診断が行われる。カードインターフェース診断では、リーダライタ部R/Wに挿入されたメモリカードの読み込み及び書き込みの診断が行われる。スイッチ診断では、各スイッチの正常に押下できるかどうかが診断される。イグニッション診断では、イグニッションスイッチがON/OFF信号の正常受信が診断される。SRAM診断及びFROM診断では、それぞれの読み込み及び書き込みの診断が行われる。NVM診断では、イレース、読み込み及び書き込みの診断が行われる。
【0045】
また、スピードパルス診断では、正確に速度パルスの正常受信が診断される。エンジン回転パルス診断では、正確にエンジン回転パルス正常受信が診断される。アナログチャネル診断では、アナログCH I/F22に接続される機器からの送信信号の正常受信が診断される。外部チャネル診断では、外部CH I/F23に接続される機器からの送信信号の正常受信が診断される。GPS接続診断及び電波時計接続診断では、GPS装置からGPSデータ及び時刻情報の正常受信が診断される。ハンディーターミナル診断では、ハンディターミナルI/F17に接続されるハンディーターミナル171の通信端子及び接続端子の診断が行われる。オプションユニット診断では、OPU I/F19に接続される外部機器との正常通信が診断される。
【0046】
このような診断項目に対して、工場における車両運行情報収集装置の製造時に行なわれ、この装置を構成する内部回路の診断をするテスト診断の診断項目としては、図3に示すように、カードインターフェース診断、スイッチ診断、イグニッション診断、SRAM診断、FROM診断及びNVM診断が挙げられる。
【0047】
また、カーメーカーの車両組立時に行われ、この装置に接続されるセンサ類に関する診断をするライン診断の診断項目としては、図3に示すように、スピードパルス診断及びエンジン回転パルス診断が挙げられる。
【0048】
また、ユーザ側における装置の車両への組付及びシステム構成時に行われるユーザ診断の診断項目としては、図3に示すように、表示診断、スイッチ診断、イグニッション診断、スピードパルス診断、エンジン回転パルス診断、アナログチャネル診断、外部チャネル診断、GPS接続診断、電波時計接続診断及びオプションユニット診断が挙げられる。
【0049】
そして、このように3種類に分けた診断は、後述するが、所定のカードやスイッチ操作がないと行えないようになっている。
【0050】
上述のように、複数の診断の項目から構成される自己診断を、工場及びカーメーカーでそれぞれ行われるべき重要な診断項目で構成されたテスト診断及びライン診断、更に車両運行情報収集に誤動作を招くことのない診断項目で構成されたユーザ診断に分割している。そして、各診断は、所定のカードやスイッチ操作がないと行えないようすることにより、ユーザ側の取り付け現場でテスト診断及びライン診断に含まれる診断項目が行われる可能性がなくなり、従来のように不用意な設定やデータ消失を防止する。また、ユーザ診断は、車両運行情報収集に誤動作を招くことのない診断項目で構成されているので、万が一操作が間違っても車両運行情報収集に重大な影響を与えることはない。
【0051】
なお、上記テスト及び診断ライン診断は請求項1記載の納入前診断に相当する。
【0052】
更に、図4〜図7を用いて本発明に関わる処理フローついて説明する。
図4は、本実施形態の自己診断のメイン処理を示すフローチャートである。
【0053】
図4のステップS1において、入庫中であり、かつイグニッションIGNがONであることをCPU12が検知すると(ステップS1のY)初期画面を表示すべくステップS2に移行し、さもなければこのステップS1で入庫中、かつイグニッションONになるのを待機する(ステップS1のN)。
【0054】
ステップS2において、CPU12はLCDドライバ14aを制御して、LCD14bに初期画面を表示させ、ステップS3におけるメモリカードの挿入、又はステップS5における所定のスイッチ操作を待機する。
【0055】
ステップS3において、CPU12はテスト診断を可能にする第1メモリカード181A、又はライン診断を可能にする第2メモリカード181Bが、リーダライタ部R/Wに挿入されたかどうかの判断をする。ステップS3において、いずれかのカード181A又は181Bが挿入されたと判断するとカードの種別を判別すべくステップS4に処理を移行し(ステップS3のY)、さもなければ所定のスイッチ操作を待機すべくステップS5に移行する(ステップS3のN)。
【0056】
ステップS4においては、リーダライタ部R/Wに挿入されたカードから第1特殊コード又は第2特殊コードが読み出されて検知されることによりカードの種類が判別されて、それに応じた診断処理に分岐される。すなわち、CPU12は第1特殊コード又は第2特殊コードの検知により、挿入されたカードが第1メモリカードであればテスト診断を実行すべく処理をステップS6に移行し、挿入されたカードが第2メモリカードであればライン診断を実行すべく処理をステップS7に移行する。
なお、このステップS4及びリーダライタ部R/Wは、請求項1及び2の特殊コード読出手段に相当する。
【0057】
一方、ステップS3でいずれかのカードも挿入されないと判断されて移行したステップS5においては、CPU12は終了スイッチ及びAスイッチ(図中のSW−A)が所定時間押下されたかどうかを検出し、ここで例えば、終了スイッチが3秒間押下されたまま、Aスイッチが2秒以上押下されたことが検知されると、ユーザ診断を実行すべくステップS8に移行し(ステップS5のY)、さもなければカード挿入又はスイッチ操作を待機し続けるべくステップS2に戻る(ステップS5のN)。
【0058】
ステップS6のテスト診断処理、ステップS7のライン診断及びステップS8のユーザ診断については、図5、図6及び図7を用いて後述する。
【0059】
上述のように、より重要なステップS6のテスト診断及びステップS7のライン診断に対してはそれぞれ特殊コードを格納した第1及び第2メモリカード181A及び181Bがなければ行えないようにしている。したがって、取り付け現場で間違えて上記テスト診断及びライン診断を行う可能性がなくなり、従来のように不用意な設定やデータ消失を防止できるようになる。また、ステップS8のユーザ診断ではステップS5のスイッチ操作によりユーザ診断を可能にすることことができるので、この際の利便性は従来通り確保される。したがって、各診断における診断項目の間違いや運用時の装置動作に影響を与えるような診断時の誤操作を防止し、かつユーザ診断時の利便性を確保した診断機能を備えた車両運行情報収集装置が得られるようになる。
【0060】
なお、上述のテスト診断用の第1メモリカード181A及びライン診断用の第2メモリカード181Bは請求項1記載ではメモリカードに相当する。また、上記ステップS6、7及び8は、請求項1及び2の診断実行手段に相当する。
【0061】
図5は、テスト診断の処理例を示すフローチャートである。この図5の処理は、図4のステップS6のテスト診断処理に対応する。
【0062】
ステップS601において、CPU12はテスト診断の開始を報知すべくブザーBZを制御して、ブザー音を3回出力させ、処理をステップS602〜ステップS607の各診断項目からなるユーザ診断処理に移行する。
【0063】
ステップS602においては、カードインターフェース診断が行われる。ここでは、リーダライタ部R/Wに挿入されたメモリカードにCPU12側からテストデータを書き込み、この書き込んだデータを順次データカードから読み出すことによって、書き込んだデータと読み込んだデータが一致するかどうかがチェックされる。チェック結果が正常ならCPU12はLCD14b上にOKを表示させ、異常ならばNG表示をさせると共にブザーBZを所定時間鳴動させて異常を警報する。そして、診断結果がOKの場合自動的に、NGの場合例えば切替スイッチの押下により、処理はステップS603に移行する。
【0064】
ステップS603においては、スイッチ診断が行われる。ここでは、CPU12は各スイッチが押下される毎にLCD14b上に対応する結果表示をさせ、作業者はこの結果表示によりOK(正常)又はNG(異常)の判断をする。そして、例えば切替スイッチの押下により、処理はステップS604に移行する。
【0065】
ステップS604においては、イグニッション診断が行われる。ここでは、CPU12はイグニッションスイッチがON/OFFされたことに基づいて、LCD14b上に対応する結果表示をさせ、作業者はこの結果表示によりOK(正常)又はNG(異常)の判断をする。また、例えば所定時間内に、結果表示がない場合にはCPU12はブザーBZを鳴動させて異常を警報する。そして、診断結果がOKの場合自動的に、NGの場合例えば切替スイッチの押下により、処理はステップS605及びS606に移行する。
【0066】
ステップS605及びS606においては、SRAM診断及びFROM診断が行われる。ここでは、SRAM及びFROMにそれぞれCPU12側からテストデータを書き込み、この書き込んだデータを順次データカードから読み出すことによって、書き込んだデータと読み込んだデータが一致するかどうかがチェックされる。チェック結果が正常ならCPU12はLCD14b上にOKを表示させ、異常ならばNG表示をさせると共にブザーBZを所定時間鳴動させて異常を警報する。そして、診断結果がOKの場合自動的に、NGの場合例えば切替スイッチの押下により、処理は次のステップに移行する。
【0067】
ステップS607においては、NVM診断が行われる。ここでは、NVM14の内容をCPU12側から全てイレースした後、数回テストデータを書き込み、この書き込んだデータを順次データカードから読み出すことによって、書き込んだデータと読み込んだデータが一致するかどうかがチェックされる。チェック結果が正常ならCPU12はLCD14b上にOKを表示させ、異常ならばNG表示をさせると共にブザーBZを所定時間鳴動させて異常を警報する。そして、診断結果がOKの場合自動的に、NGの場合例えば切替スイッチの押下により、処理は次のステップ608に移行する。
【0068】
ステップS608及びステップS609においては、一連の自己診断処理が終了したことを示すために、CPU12はLCD14b上に例えば、「END」等の終了を示すをメッセージを表示させると共に、ブザーBZを共にブザーBZを所定時間鳴動させて診断終了を報知する。そして、処理はステップS610に移行する。
【0069】
ステップS610においては、CPU12は切替スイッチの押下を待機し(ステップS610のN)、押下があれば(S610のY)このテスト診断の一連の処理を終了してリターンする。
【0070】
このように、テスト診断では、重要なデータが格納されるメモリカード、記憶装置部に関する診断が主に行なわれる。そして、これらメモリカード、記憶装置部に関する診断は、後述のユーザ診断ではこれらの診断は行われないようになっている。したがって、工場側で書き込まれたデータがユーザ側で書換えられることがなくなり、装置運用時に誤動作を誘発させることがなくなる。
【0071】
図6は、ライン診断の処理例を示すフローチャートである。この図6の処理は、図4のステップS7のライン診断処理に対応する。
【0072】
ステップS701において、CPU12はラインの開始を報知すべくブザーBZを制御して、ブザー音を3回出力させ、処理をステップS702及びステップS703の各診断項目からなるライン診断処理に移行する。
【0073】
ステップS702においては、スピードパルス診断が行われる。ここでは、CPU12は速度センサ201から供給される速度パルスに基づいて、LCD14b上に対応する速度表示をさせ、作業者はこの結果表示によりOK(正常)又はNG(異常)の判断をする。そして、例えば切替スイッチの押下により、処理はステップS703に移行する。
【0074】
ステップS703においては、エンジン回転パルス診断が行われる。ここでは、CPU12はエンジン回転センサ211から供給されるエンジン回転パルスに基づいて、LCD14b上に対応するエンジン回転速度表示をさせ、作業者はこの結果表示によりOK(正常)又はNG(異常)の判断をする。そして、例えば切替スイッチの押下により、処理はステップS704に移行する。
【0075】
ステップS704及びステップS705においては、一連のライン診断処理が終了したことを示すために、CPU12はLCD14b上に例えば、「END」等の終了を示すをメッセージを表示させると共に、ブザーBZを共にブザーBZを所定時間鳴動させて診断終了を報知する。そして、処理はステップS706に移行する。
【0076】
ステップS706においては、CPU12は切替スイッチの押下を待機し(ステップS706のN)、押下があれば(ステップS706のY)このライン診断の一連の処理を終了してリターンする。
【0077】
このように、ライン診断では、速度センサ及びエンジン回転センサに関する診断が行われる。すなわち、このライン診断は車両組立時にカーメーカーで行われるものであるので、このような速度センサ及びエンジン回転センサに関する診断をライン診断で行うことによって、診断結果がNGの際の原因調査や修理が容易に行えるようになる。
【0078】
図7は、ユーザ診断の処理例を示すフローチャートである。この図7の処理は、図4のステップS8のユーザ診断処理に対応する。
【0079】
ステップS801において、CPU12はユーザ診断の開始を報知すべくブザーBZを制御して、ブザー音を3回出力させ、処理をステップS802〜ステップS812の各診断項目からなるユーザ診断処理に移行する。
【0080】
ステップS802においては、表示診断が行われる。ここでは、CPU12はLCD14b上にディジタル数字、コロン、ピリオド、シンボルマークを順次テスト表示させたり、上記OK、ALM、CARD用LEDを順次テスト表示させたりする。そして、これらのテスト表示が終了すると、処理はステップS803に移行する。
【0081】
ステップS803においては、スイッチ診断が行われる。ここでは、CPU12は各スイッチが押下される毎にLCD14b上に対応する結果表示をさせ、作業者はこの結果表示によりOK(正常)又はNG(異常)の判断をする。そして、例えば切替スイッチの押下により、処理はステップS804に移行する。
【0082】
ステップS804においては、イグニッション診断が行われる。ここでは、CPU12はイグニッションスイッチがON/OFFされたことに基づいて、LCD14b上に対応する結果表示をさせ、作業者はこの結果表示によりOK(正常)又はNG(異常)の判断をする。また、例えば所定時間内に、結果表示がない場合にはCPU12はブザーBZを鳴動させて異常を警報する。そして、診断結果がOKの場合自動的に、NGの場合例えば切替スイッチの押下により、処理はステップS805に移行する。
【0083】
ステップS805においては、スピードパルス診断が行われる。ここでは、CPU12は速度センサ201から供給される速度パルスに基づいて、LCD14b上に対応する速度表示をさせ、作業者はこの結果表示によりOK(正常)又はNG(異常)の判断をする。そして、例えば切替スイッチの押下により、処理はステップS806に移行する。
【0084】
ステップS806においては、エンジン回転パルス診断が行われる。ここでは、CPU12はエンジン回転センサ211から供給されるエンジン回転パルスに基づいて、LCD14b上に対応するエンジン回転速度表示をさせ、作業者はこの結果表示によりOK(正常)又はNG(異常)の判断をする。そして、例えば切替スイッチの押下により、処理はステップS807に移行する。
【0085】
ステップS807においては、アナログチャネル診断が行われる。ここでは、CPU12はアナログCH I/F22に接続される例えば、温度センサから供給される温度検出信号に基づいて、LCD14b上に対応する温度を表示させ、作業者はこの結果表示によりOK(正常)又はNG(異常)の判断をする。このチャネルが複数ある時、は切替スイッチ操作により順次診断していき、全てが終了すると、処理はステップS808に移行する。
【0086】
ステップS808においては、外部チャネル診断が行われる。ここでは、CPU12は外部CH I/F23に接続される例えば、ブレーキ装置のブレーキ操作に基づいて、LCD14b上に対応するコードを表示させ、作業者はこのコード表示によりOK(正常)又はNG(異常)の判断をする。この外部チャネルが複数ある時、は切替スイッチ操作により順次診断していき、全てが終了すると、処理はステップS809及びステップS810に移行する。
【0087】
ステップS809及びステップS810においては、GPS接続診断及び電波時計接続診断がそれぞれ行われる。ここでは、CPU12は接続されるGPS装置から所定のGPSデータ及び時刻情報を受信できるかどうかを判断し、例えば4秒内に正確なデータを受信できればLCD14b上にOKを表示させ、受信できなければNG表示をさせると共にブザーBZを所定時間鳴動させて異常を警報する。そして、診断結果がOKの場合自動的に、NGの場合例えば切替スイッチの押下により、処理はステップS811に移行する。
【0088】
ステップS811においては、ハンディーターミナル診断が行われる。ここでは、CPU12はハンディターミナルI/F17に接続されるハンディーターミナル171の通信端子及び接続端子の診断を行う。例えば、CPU12はハンディーターミナル171にチェックコマンドを送信し、所定時間内に正常な応答信号が返ってくればLCD14b上にOKを表示させ、受信できなければNG表示をさせると共にブザーBZを所定時間鳴動させて異常を警報する。そして、診断結果がOKの場合自動的に、NGの場合例えば切替スイッチの押下により、処理はステップS812に移行する。
【0089】
ステップS812においては、オプションユニット診断が行われる。ここでは、CPU12はOPU I/F19に接続される外部機器に対してチェックコマンドを送信し、所定時間内に正常な応答信号が返ってくればLCD14b上にOKを表示させ、受信できなければNG表示をさせると共にブザーBZを所定時間鳴動させて異常を警報する。そして、診断結果がOKの場合自動的に、NGの場合例えば切替スイッチの押下により、処理はステップS813及びステップS814に移行する。
【0090】
ステップS813及びステップS814においては、一連の自己診断処理が終了したことを示すために、CPU12はLCD14b上に例えば、「END」等の終了を示すをメッセージを表示させると共に、ブザーBZを共にブザーBZを所定時間鳴動させて診断終了を報知する。そして、処理はステップS815に移行する。
【0091】
ステップS815においては、CPU12は切替スイッチの押下を待機し(ステップS815のN)、押下があれば(S815のY)このユーザ診断の一連の処理を終了してリターンする。
【0092】
このように、ユーザ診断では、ユーザ診断では、表示部、GPS部、電波時計部、外部チャネル部及びこの装置に接続されるハンディターミナルに関する診断が主に行われる。すなわち、これらの診断は設定データを変更する可能性はほとんどないので、たとえ診断時に誤操作をしても、それが運用時に誤動作を引き起こす可能性は少ない。また、このユーザ診断に関わるGPS/電波時計16、外部CH I/F23に接続される機器、及びハンディターミナル171は本体装置10の基本設定が完了した後に接続される外部装置なので、これらの診断を工場等で行われた基本設定に基づき、このユーザ診断で行うことは非常に合理的で、診断結果がNGの際にも容易に該当装置を交換できるメリットがある。
【0093】
なお、上述のような3種類の診断に含まれるそれぞれの診断項目は、上述したと同様の主旨の項目であれば新たに付加してもよいし、不要な診断項目は省くようにしてももよい。
【0094】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1記載の発明によれば、自己診断を、車両運行情報収集装置の製造時に行なわれ、この装置を構成する内部回路の診断をするテスト診断、車両組立時に行われ、この装置に接続されるセンサ類に関する診断をするライン診断、及びこの装置の車両への組付及びシステム構成時に行われ、この装置に接続される周辺機器類に関する診断をするユーザ診断に分割し、より重要なテスト診断及びライン診断はそれぞれ特殊コードを格納した第1及び第2メモリカードがなければ実行できないようにした。したがって、ユーザ側の取り付け現場で間違えて上記テスト診断及びライン診断を行う可能性がなくなり、従来のように不用意な設定やデータ消失を防止できるようになる。また、ユーザ診断はスイッチ操作により実行できるようにしたので、この際の利便性は従来通り確保される。更に、テスト診断及びライン診断もそれぞれに対応したメモリカードがないと実行できないようにしたので、テスト診断及びライン診断間でも診断項目を間違えることがなくなる。この結果、請求項2記載の発明によれば、各診断における診断項目の間違いや運用時の装置動作に影響を与えるような診断時の誤操作を防止し、かつユーザ診断時の利便性を確保した診断機能を備えた車両運行情報収集装置が得られる。
【0096】
請求項2記載の発明によれば、前記テスト診断ではメモリカードインターフェース及び記憶装置部のうちの少なくともいずれかに関する診断が行なわれ、前記ユーザ診断ではこれらの診断は行われない。すなわち、重要なデータが格納される記憶手段に関する診断はテスト診断で行われ、ユーザ診断では行われないようにしている。したがって、工場側で書き込まれたデータがユーザ側で書換えられることがなくなり、装置運用時に誤動作を誘発させることがなくなる。
【0097】
請求項3記載の発明によれば、ライン診断では、速度センサ及びエンジン回転センサに関する診断が行われる。すなわち、ライン診断は車両組立時にカーメーカーで行われるものであるので、このような速度センサ及びエンジン回転センサに関する診断をライン診断で行うことによって、診断結果がNGの際の原因調査や修理が容易に行えるようになる。
【0098】
請求項4記載の発明によれば、ユーザ診断では、表示部、GPS部、電波時計部、外部チャネル部及びこの装置に接続されるハンディターミナルに関する診断が行われる。すなわち、これらの診断は設定データを変更する可能性はほとんどないので、たとえ診断時に誤った操作をしても装置の誤動作を引き起こすことはない。また、このユーザ診断に関わるGPS部や電波時計部、外部チャネル部に接続される機器、及びハンディターミナルは本体装置の基本設定が完了した後に接続される外部装置なので、これらの診断を基本設定に基づきここで行うことは合理的で、診断結果がNGの際にも容易に該当装置を交換できるメリットがある。
【0100】
請求項5記載の発明によれば、ユーザ側の取り付け現場で間違えて上記テスト診断及びライン診断を行う可能性がなくなり、従来のように不用意な設定やデータ消失を防止できるようになる。また、ステップS8で行われるユーザ診断ではスイッチ操作によりユーザ診断を実行することことができるので、この際の利便性は従来通り確保される。更に、ステップS6及びステップS7でそれぞれ行われるテスト診断及びライン診断もそれぞれに対応したメモリカードがないと実行できないようにしたので、テスト診断及びライン診断間でも診断項目を間違えることがなくなる。この結果、請求項7記載の発明によれば、各診断における診断項目の間違いや運用時の装置動作に影響を与えるような診断時の誤操作を防止し、かつユーザ診断時の利便性を確保することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の車両運行情報収集装置の基本構成を示すブロック図である。
【図2】本発明に関わるの車両運行情報収集装置を示すブロック図である。
【図3】本実施形態で行われるテスト診断、ライン診断及びユーザ診断における診断項目を例示する説明図である。
【図4】本実施形態の自己診断のメイン処理を示すフローチャートである。
【図5】テスト診断の処理を示すフローチャートである。
【図6】ライン診断の処理を示すフローチャートである。
【図7】ユーザ診断の処理を示すフローチャートである。
【図8】従来の自己診断の例を示す説明図である。
【符号の説明】
10 車両運行情報収集装置
11 ROM
12 CPU
12A、12B 診断実行手段
12R2 特殊コード読出手段
13 RAM
14 不揮発メモリ
15a LCDドライバ
15b LCD
16 GPS/電波時計
17 ハンディターミナルI/F
18 リーダライタI/F
19 OPU I/F
20 速度センサI/F
21 エンジン回転センサI/F
22 アナログCH I/F
23 外部CH I/F
24 電源部
171 ハンディーターミナル
181 メモリカード
181A 第1メモリカード
181B 第2メモリカード
201 速度センサ
211 エンジン回転センサ
BZ ブザー
SW スイッチ(入力スイッチ)
R/W リーダライタ部
IGN イグニッションスイッチ
Claims (5)
- 車両運行情報収集装置の製造時に行なわれ、この装置を構成する内部回路の診断をするテスト診断、車両組立時に行われ、この装置に接続されるセンサ類に関する診断をするライン診断、及びこの装置の車両への組付及びシステム構成時に行われ、この装置に接続される周辺機器類に関する診断をするユーザ診断の機能を備えた車両運行情報収集装置であって、
前記テスト診断を可能にする第1特殊コードを格納した第1メモリカードと、
前記ライン診断を可能にする第2特殊コードを格納した第2メモリカードと、
前記第1及び第2メモリカードから前記第1及び第2特殊コードを読み出す特殊コード読出手段と、
手動操作により前記ユーザ診断を可能にするユーザ診断指令を入力する入力スイッチと、
読み出された前記第1及び第2特殊コード、並びに入力されたユーザ診断指令にそれぞれ応答して、前記テスト診断、ライン診断及びユーザ診断を実行する診断実行手段と、
を有することを特徴とする車両運行情報収集装置。 - 請求項1記載の車両運行情報収集装置において、
前記テスト診断ではメモリカードインターフェース及び記憶装置部のうちの少なくともいずれかに関する診断を行い、前記ユーザ診断ではこれらに関する診断は行なわない
ことを特徴とする車両運行情報収集装置。 - 請求項1記載の車両運行情報収集装置において、
前記ライン診断では、速度センサ及びエンジン回転センサに関する診断を行なう
ことを特徴とする車両運行情報収集装置。 - 請求項1記載の車両運行情報収集装置において、
前記ユーザ診断では、表示部、GPS部、電波時計部、外部チャネル部及びこの装置に接続されるハンディターミナルに関する診断を行なう
ことを特徴とする車両運行情報収集装置。 - 車両の運行状態を示す車両運行情報を収集する車両運行情報収集装置の自己診断方法であって、
前記自己診断方法は、車両運行情報収集装置の製造時に行なわれ、この装置を構成する内部回路の診断をするテスト診断、この装置の車両への組付時に行われ、この装置に接続されるセンサ類に関する診断をするライン診断、及びシステム構成時に行われ、この装置に接続される周辺機器類に関する診断をするユーザ診断から構成されており、
前記テスト診断を可能にする第1特殊コードを格納した第1メモリカードから前記第1特殊コードを読み出す第1読み出しステップと、
前記ライン診断を可能にする第2特殊コードを格納した第2メモリカードから前記第2特殊コードを読み出す第2読み出しステップと、
入力スイッチによる手動操作により前記ユーザ診断を可能にするユーザ診断指令を入力する入力ステップと、
読み出された前記第1特殊コードに応答して、前記テスト診断を実行するテスト診断実行ステップと、
読み出された前記第2特殊コードに応答して、前記ライン診断を実行するライン診断実行ステップと、
入力されたユーザ診断指令に応答して、前記ユーザ診断を実行するユーザ診断実行ステップと、
を有することを特徴とする車両運行情報収集装置の自己診断方法。
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