JP3331112B2 - 車両診断方法および装置 - Google Patents

車両診断方法および装置

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JP3331112B2
JP3331112B2 JP04027996A JP4027996A JP3331112B2 JP 3331112 B2 JP3331112 B2 JP 3331112B2 JP 04027996 A JP04027996 A JP 04027996A JP 4027996 A JP4027996 A JP 4027996A JP 3331112 B2 JP3331112 B2 JP 3331112B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は車両診断方法および
装置に係り、特に、車両に搭載された車載用電子制御装
置(以下、ECUと表現する)と通信し、その通信結果
に基づいて車両診断を行う車両診断方法および装置に関
する。さらに具体的にいえば、各車両の診断結果をまと
めて管理できるようにした車両診断方法および装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】近年、エンジンの制御機能を向上させる
ために、自動車(以下、「車両」と表現する)における
エンジンの点火時期制御、バルブの開閉タイミング制
御、あるいは電子燃料噴射装置(EFI)による燃料噴
射制御等は、マイクロコンピュータを備えた車載用電子
制御装置(ECU)により行われるようになってきてい
る。ECUには、エンジン冷却水の温度を検出する温度
センサ、エンジン回転数を検出する回転センサ、車速を
検出する車速センサ、排気ガス中の酸素濃度を検出する
O2 センサ等の各種センサや、ブレーキペダルが踏まれ
たことを検出するブレーキスイッチ等の各種スイッチが
接続され、ECUは各種センサ等から出力される検出信
号に基づいて各種の制御を行う。
【0003】このようなECUを搭載した車両を製造す
る生産工程では、車両組み立て後の最終検査工程におい
て各センサ等あるいはECU自体が正常に機能している
か否かを診断する必要があり、例えば特公平3−593
72号公報では、マイクロコンピュータを搭載した診断
装置によって車両診断プログラムを実行し、所望の診断
項目に関する診断を予定のタイミングで行う診断方法が
提案されている。
【0004】また、複数の診断項目を対象とした故障診
断では、例えば特公昭61−25091号公報に記載さ
れているように、前記複数の診断項目が予定の順序で診
断され、各診断項目に関する合否判定の結果が表示装置
上に順次出力されていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記した従来の車両診
断では、診断結果を作業者が自ら診断カルテに書き込ま
なければならず、各車両の診断結果を集中管理する場合
には、上記診断カルテの内容を改めてコンピュータへ入
力しなければならないので車両診断に係る作業が煩雑で
あるという問題があった。
【0006】本発明の目的は、上記した従来技術の問題
点を解決し、各車両の診断結果が自動的に編集かつ管理
されるようにして、車両診断に係る作業効率の向上を可
能にした車両診断方法および装置を提供することにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ために、本発明では、車載用電子制御装置に外部から接
続して使用され、当該車載用電子制御装置から入手した
各種データに基づいて複数種類の診断項目に関する診断
を行なう車両診断方法および装置において、以下のよう
な手段を講じた点に特徴がある。 (1) 少なくとも各車両に固有の識別符号を検出する識別
符号検出手段と、各車両の診断結果を識別符号と対応付
けて記憶する診断結果記憶手段と、前記診断結果をその
識別符号と共に上位装置へ転送する転送手段とを具備し
た。 (2) 少なくとも診断対象の各車両に割り当てられた固有
の識別符号を検出する段階と、当該車両の診断結果を前
記識別符号と対応付けて記憶する段階と、予定の台数に
ついて前記各段階を繰り返す段階と、予定台数の診断結
果が記憶されると、各診断結果をそれぞれの識別符号と
対応付けて上位装置へ転送する段階とによって構成し、
上位装置は、複数回にわたって転送された各診断結果
を、それぞれの識別符号と対応付けて記憶媒体に記憶す
るようにした。
【0008】上記した各構成によれば、各車両の診断結
果が自動的に編集および管理されるので、作業者の作業
効率が向上するのみならず、診断結果の統計的な処理が
容易になり、診断結果の分析や生産工程への素早いフィ
ードバックが可能になる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明を詳
細に説明する。図1は診断対象車両に搭載されるECU
1および当該ECU1に接続されて使用される車両診断
装置2の一実施形態の構成を示したブロック図である。
図2〜5は図1に示した車両診断装置2に挿入されるR
OMカード7の記憶内容を模式的に表した図であり、図
6は表示部27に表示される診断結果の表示例を表した
図である。図7は本発明を適用した車両診断装置の機能
ブロック図である。図8は本発明による車両診断の概要
を示したフローチャートであり、図9〜16は当該車両
診断を構成する各診断処理の動作を具体的に表したフロ
ーチャートである。
【0010】図1において、ECU1は、CPU10、
ROM11、RAM12、ドライバ13、A/D変換器
14、および通信インタフェース15により構成されて
いる。このECU1はコネクタ16および17を介して
周辺機器と接続され、例えばコネクタ16には各種のア
クチュエータ3が接続され、コネクタ17には各種のセ
ンサ4およびスイッチ4が接続される。また、コネクタ
18には車両診断装置2の通信ケーブル5がコネクタ3
4を介して接続される。
【0011】各センサ等4からECU1に入力される信
号はA/D変換器14でデジタル信号に変換されてCP
U10に取込まれる。CPU10に取込まれた信号は、
ROM11およびRAM12に記憶されている制御用デ
ータ、ならびにROM11に書込まれている制御プログ
ラムに従って処理される。ドライバ13にはCPU10
の処理結果に応じた指示信号が入力され、ドライバ13
は、この指示信号に応答してアクチュエータ3に電力を
供給する。なお、ROM11にはプログラムの他、各E
CU1に固有の識別コードすなわちECUコードも登録
されている。
【0012】一方、本発明の車両診断装置2は、CPU
20、ROM21、RAM22、送信部24、通信イン
タフェース25および電源部29により構成されてい
る。電源部29は、当該車両診断装置2の電源として、
診断対象車両の車載バッテリ19および内蔵バッテリ2
3のいずれか一方を選択する。このほか、車両診断装置
2には、作業者による指示を入力するためのキーボート
26、CPU20による処理結果を表示する表示部27
と共に、バーコード表示された識別符号を読み取るため
のバーコードリーダ31およびバーコードインターフェ
ース32が設けられている。前記表示部27として、本
実施形態ではバックライト付の液晶表示パネル(LC
D)を採用している。キーボード26には、一般的なテ
ンキー、カーソル移動キー、およびファンクションキー
などが設けられている。
【0013】通信ケーブル5は信号ライン51および電
源ライン52を具備し、ECU1の通信インタフェース
15と車両診断装置2の通信インタフェース25とは通
信ケーブル5の信号ライン51を介して接続され、CP
U10およびCPU20間で双方向デジタル通信ができ
るように構成されている。通信ケーブル5がECU1に
接続されると、電源部29は電源ライン52を介して車
載バッテリ19から供給される電力を当該車両診断装置
2の電力源として利用すると共に、この電力によって内
蔵バッテリ23を充電する。
【0014】車両診断装置2の起動は、後に詳述するよ
うに、作業者がキーボート26に設けられた電源投入用
のキースイッチをオン操作をするか、あるいはキースイ
ッチを一切操作することなく、作業者が通信ケーブル5
のコネクタ34をECU1のコネクタ18に接続するこ
とによって行われ、いずれの方法で起動されたかによっ
て起動後の動作が異なる。
【0015】ROM21には、当該車両診断装置2の制
御に必要な基本プログラムや制御データが格納されてお
り、各診断において用いられる非標準データや車両診断
プログラムといった、新型車種の生産等に伴って追加や
変更され得る固有の情報はROMカード7に記憶されて
いる。このROMカード7のデータは、ROMカードイ
ンタフェース28を介してCPU20に取込まれる。
【0016】ECU1から取込まれた信号は、ROM2
1およびRAM22に記憶された基本データ、ならびに
ROMカード7に記憶されている車両診断プログラムや
制御用データに基づいて処理され、処理結果すなわち診
断結果はRAM22に一時記憶される。この診断結果
は、各車両の診断が終了するごとに表示部27に出力さ
れると共に、数台分の診断結果が作業者の指示に応答し
て送信部24からホストコンピュータ30等の上位装置
へまとめて送信され、ホストコンピュータ30および大
型記憶装置33によって集中管理および記憶される。ま
た、車両診断装置2を図示しないパーソナルコンピュー
タに接続し、このパーソナルコンピュータから当該車両
診断装置2に対して、必要な情報、例えば更新(バージ
ョンアップ)された故障診断プログラムを提供すること
もできる。
【0017】前記ROMカード7には、図2に示したよ
うに、診断項目をECUコードに基づいて選択するため
の診断項目管理テーブル71と、複数の診断項目に関す
る車両診断プログラムが記憶された車両診断プログラム
記憶領域72と、ECUにかかわらず各車両で共用され
る標準データの記憶された標準データ記憶領域73と、
各ECUに応じて異なる固有の非標準データが記憶され
た非標準データ記憶領域74とが確保されている。
【0018】図3は、前記診断項目管理テーブル71の
記憶内容の一例を示した図である。本発明の車両診断装
置2は多数の項目に関する診断が可能であり、各診断項
目に関するアルゴリズムを全て備えているが、全ての車
両に対して全ての診断が実行される訳ではなく、車両ご
とに実行すべき診断項目は異なる。そのため、当該管理
テーブル71には、各診断項目に関してECUコードご
とに“1”(選択)または“0”(非選択)が登録され
ており、例えば、ECUコードとして“○△×□”が登
録されている車両に対して選択実行される診断項目は
1、2、5、6…となり、その他の診断項目は実行され
ないことになる。
【0019】図4は、前記非標準データ記憶領域74の
記憶内容の一例を示した図であり、本実施形態ではEC
U(すなわち、ECUコード)ごとに異なる非標準デー
タとして、例えば固有アイドリング回転数NID-refが各
ECUコードと対応付けて登録されている。
【0020】固有アイドリング回転数NID-refとは、後
に詳述するように、ECUコードごとに規定されたアイ
ドリング時の基準回転数であり、アイドリング時のエン
ジン回転数が正常であるか否かの診断は、検出されたエ
ンジン回転数Ne を、その車両のECUコードに応じて
選択される固有アイドリング回転数NID-refと比較する
ことによって行われる。
【0021】このように、本実施形態ではECUコード
に応じて異なる診断内容、すなわち診断項目の組み合わ
せや非標準データが自動的に決定されるので、作業者は
診断項目を選択する作業や非標準データを決定する作業
から解放される。したがって、作業者の負担が軽減され
るのみならず、診断項目の選択ミスや非標準データの誤
認識等がなくなって正確な診断が可能になる。
【0022】図5は、前記標準データ記憶領域73の記
憶内容を表した図であり、診断プログラム中でECUコ
ードにかかわらず各診断において共用される標準データ
x1〜x5 が記憶されている。
【0023】図7は本発明の機能ブロック図である。本
発明では、各車両の診断結果が当該各車両に固有の識別
符号と関連付けて記憶され、まとめて上位装置へ転送さ
れて管理されるようにした点に特徴がある。なお、図7
の各ブロック内に付したステップ番号は、後に詳述する
フローチャート中の各ステップ番号と対応し、そのブロ
ックが当該ステップの処理を実行することを意味してい
る。また、同図において前記と同一の符号は同一または
同等部分を表している。
【0024】識別符号検出手段281は、例えば図9の
ステップS114の処理を実行する前記バーコードリー
ダ31およびバーコードインターフェース32の一機能
であり、各車両に固有の識別符号を検出する。この識別
符号は、各車両ごとに予め用意されている診断カルテ8
8上や車両本体の適所に取り付けられる札やシール上に
バーコード91として予め記録されており、前記バーコ
ードリーダ31によって読み取ることができるが、バー
コード91を用いる代わりに作業者が識別符号をキーボ
ードから直接入力するようにしても良い。
【0025】診断実行手段282は、例えば図8のステ
ップS200〜S700の各診断処理を実行する前記C
PU20の一機能であり、ECU1と通信し、ROMカ
ード7に記憶された診断プログラムに従って車両診断を
実行する。診断結果記憶手段284は前記RAM22の
一機能であり、各車両の診断結果を識別符号と共に記憶
する。診断結果転送手段283は、後述するステップS
118の処理を実行する送信部24の一機能であり、多
数の車両に関する診断結果を各車両の識別符号と共に上
位装置(ホストコンピュータ30)へまとめて転送す
る。転送された情報は大型記憶装置33に記憶されて集
中的に管理される。
【0026】次いで、フローチャートを参照して本実施
形態の動作例について詳細に説明する。図8は本発明の
車両診断装置による車両診断の概要を示したフローチャ
ートである。本発明の車両診断装置は、生産ライン上で
の車両診断や修理工場での車両診断等、あらゆる環境下
での車両診断において使用可能であるが、ここでは工場
の生産ラインにおける『検査工程』等で実施される“車
両診断”で使用する場合を例にしてその動作を説明す
る。
【0027】ステップS100では『初期処理』が実行
される。ステップS200では、診断項目1として登録
されている『車速センサ診断』が実行される。ステップ
S300では、診断項目2として登録されている『EG
R診断』が実行される。ステップS600では、診断項
目3として登録されている『Ne 診断』が実行される。
ステップS700では、診断項目4、5…等として登録
されている各スイッチ系の診断が実行される。ステップ
S800では『終了処理』が実行される。ステップS9
00では『待機モード処理』が実行される。その後、当
該処理はステップS200へ戻り、全ての診断が合格す
るまで上記各診断が繰り返される。
【0028】このように、本発明の車両診断装置は、多
数の項目に関する診断を自動的かつ循環的に繰り返し実
行するように構成されている。以下、各診断方法および
処理方法に関して詳細に説明する。
【0029】図9は、前記ステップS100として実行
される『初期処理』の動作を示したフローチャートであ
る。上記したように、本実施形態の車両診断装置2の起
動は、作業者がキーボート26に設けられた電源投入用
のキースイッチを操作をするか、あるいは作業者が通信
ケーブル5をECU1に接続することのいずれによって
も可能であり、当該初期処理では、初めに電源投入がい
ずれの方法で行われたのか判定される。
【0030】ステップS101では、車両診断装置2の
電源がスイッチのオン操作によって投入されたか否かが
判定され、投入されたと判定されると、ステップS10
4では電源投入手順を表すフラグFstに“0”がセット
される。このとき、車両診断装置2への給電は内蔵バッ
テリ23によって行われる。また、前記ステップS10
1でスイッチのオン操作による電源投入が検出されてい
ないと、ステップS102では、通信ケーブル5が車両
(ECU1)に接続されたか否かが判定され、接続され
たことが検出されると、ステップS103においてフラ
グFstに“1”がセットされる。このときの給電は車載
バッテリ19によって行われる。
【0031】前記スイッチのオン操作による電源投入ま
たはケーブル接続による電源投入のいずれかが検出され
ると、ステップS105では表示部27に初期画面が表
示され、ステップS106では、自身の異常や故障をチ
ェックするために自己診断が実行される。ステップS1
07において、この自己診断結果が良好と判定されると
当該処理はステップS108へ進み、不良と判定される
と、ステップS119において表示部27にエラーメッ
セージが表示される。
【0032】ステップS108では、これから実行すべ
き処理をメニュー画面上で作業者に選択させるのか、あ
るいは予め定められた特定の処理を自動的に起動するの
かを判定するために前記フラグFstがチェックされる。
そして、フラグFst=“1”すなわち電源投入がケーブ
ル接続によって行われていると、メニュー画面を表示部
27に表示することなく、予め定められた特定の処理と
して『車両診断』が直ちに起動され、当該処理はステッ
プS109へ進む。ステップS109では、ECU1に
登録されているECUコードが読み取られる。ステップ
S110では、読み取られたECUコードに基づいて、
前記図3に関して説明した診断項目管理テーブル71が
検索され、実行すべき診断項目が選択される。ステップ
S111では、選択された診断項目の診断選択フラグF
selc××(“××”は診断項目番号)に“1”(選択)
がセットされ、選択されなかった診断項目の診断選択フ
ラグFselc××には“0”(非選択)がセットされる。
【0033】ステップS112では、選択された診断項
目を表す診断項目番号が表示部27に一覧表示される。
図6(a) は、全ての診断項目が選択された場合の表示部
27の表示例を示した図であり、全ての診断項目番号
“01”、“02”、“03”…が表示されている。な
お、図中“00”表示は、後に詳述するように、診断項
目3の『Ne診断』に関する診断開始条件が成立して診
断が十分に行われた場合に消去される符号であり、続く
ステップS113において表示される。なお、当該符号
は“00”に限らず、他の診断項目番号と容易に区別で
きる符号であれば、例えば“X”等のアルファベットや
他の記号であっても良い。
【0034】ステップS114では、各車両に固有の識
別情報をバーコードで表した識別符号が前記バーコード
リーダ31によって読み取られ、RAM22に一時記憶
される。この識別符号は、各車両ごとに予め用意されて
いる診断カルテ上に予め印刷されている。なお、診断カ
ルテ上に印刷する代わりに、バーコードの印刷された札
やシールを車両本体の適所に取り付けるようにしても良
い。
【0035】一方、前記ステップS108において、フ
ラグFst=“0”すなわち電源投入が作業者によるスイ
ッチのオン操作によって行われたと判定されると、ステ
ップS115では、作業者に処理内容を選択させるため
のメニュー画面が表示部27に表示される。ステップS
116では、作業者がメニュー画面上で選択した処理内
容が判断され、例えば『車両診断』が選択されると前記
ステップS109へ進み、フラグFst=“1”の場合と
同様に診断処理が開始される。また、ステップS116
において、作業者が『車両診断』以外の処理を選択する
と、ステップS117において当該選択された処理が実
行される。
【0036】同様に、ステップS117では作業者がメ
ニュー画面で『診断結果の転送』を選択したか否かが判
定され、『診断結果の転送』が選択されると、続くステ
ップS118では、後述する図15のステップS501
においてRAM22に記憶される診断結果が、それぞれ
の車両に固有の識別符号と共にまとめてホストコンピュ
ータ30に転送される。すなわち、前記図7の機能ブロ
ック図に関して説明したように、各車両の識別符号およ
び診断結果が、複数台分づつホストコンピュータ30に
転送される。
【0037】なお、上記した車両診断装置2からホスト
コンピュータ30への診断結果のデータ転送は、車両診
断装置2に所定台数分の診断結果が蓄積された時点で自
動的に行われるようにしても良い。
【0038】一方、作業者が『車両診断』あるいは『診
断結果の転送』以外の処理をメニュー画面上で選択する
と、ステップS119において当該選択された処理が実
行される。ステップS120では、前記ステップS11
9において“終了”が選択されたか否かが判定され、
“終了”が選択されていると当該処理を終了する。
【0039】このように、本実施形態では車両診断装置
2の電源がスイッチのオン操作およびケーブル接続のい
ずれの手順で投入されたかに応じて電源投入後の処理を
異ならせ、電源投入がケーブル接続によって行われる
と、メニュー画面が表示されることなく直ちに診断処理
が開始される。したがって、検査ラインの作業者は、次
々と搬送される各診断対象車両に当該車両診断装置2の
ケーブル5を接続するだけで自動的に車両診断を開始さ
せることができるようになり、診断時の操作が簡単にな
る。また、車両診断装置2の起動が作業者によるスイッ
チのオン操作によって行われるとメニュー画面が表示さ
れるので、他の処理の選択も容易に行えるようになる。
【0040】図10は、前記図8のステップS200と
して実行される診断項目1の『車速センサ診断』の診断
方法を示したフローチャートである。『車速センサ診
断』とは、車速を検出するセンサが正常に機能している
か否かの診断であり、車速センサにより検出された車速
VSと基準値(基準車速VSref )との比較結果に基づ
いて適宜の手法で診断される。
【0041】ステップS201では、『車速センサ診
断』に関する診断選択フラグFselc1に基づいて、当該
車速センサ診断が選択されているか否か判定され、Fse
lc1=“0”であれば、選択されていないと判定されて
次の診断へ進み、Fselc1=“1”であれば、選択され
ていると判定されてステップS202へ進む。
【0042】ステップS202では、『車速センサ診
断』に関する合格フラグFpass1に基づいて当該診断が
既に合格しているか否かが判定される。このフラグ“F
pass××”は診断項目××が合格しているか否かを表
し、Fpass1=“1”であれば既に合格していると判定
されて次の診断へ進み、Fpass1=“0”であれば、未
だ合格していないと判定されてステップS203へ進
む。
【0043】ステップS203では、前記標準データの
一つとしてROMカード7の標準データ記憶領域73
(図5)に記憶されている基準車速VSref が読み出さ
れ、ステップS204では現在の車速VSがECU1を
介して検出される。ステップS205では前記基準車速
VSref および車速VSに基づいて車速センサ診断が実
行される。ステップS206では、前記ステップS20
5で実行された診断の合否が判定され、合格していれば
ステップS207において診断合格フラグFpass1に
“1”(合格)がセットされる。また、不合格であれば
次の診断へ進む。ステップS208では、表示部27に
表示されている診断項目番号“01”が消去される。図
6(b) は、当該『車速センサ診断』のみが合格した状態
での表示部27の表示例を示した図であり、診断項目番
号“01”のみが消去されている。
【0044】図11は、前記図8のステップS300と
して実行される診断項目2の『EGR診断』の診断方法
を示したフローチャートである。『EGR診断』とは、
排気ガスをエンジンの燃焼室に再循環させてNOx を減
少させる装置(EGR)が正常に機能しているか否かの
診断である。
【0045】ステップS301、S302では、『EG
R診断』に関する診断選択フラグFselc2および診断合
格フラグFpass2に基づいて、前記と同様に当該診断項
目の選択の有無および診断の合否が判定される。『EG
R診断』が選択され(Fselc2=“1”)かつ未だ合格
していない(Fpass2=“0”)と、ステップS303
ではEGRの診断が適宜の手法によって実行される。ス
テップS304において診断が合格したと判定される
と、ステップS305では診断合格フラグFpass2に
“1”がセットされ、ステップS306では、表示部2
7に表示されている診断項目番号“02”が消去され
る。また、診断が合格しないと当該処理はステップS3
04から次の診断へ進む。
【0046】図12、13は、前記図8のステップS6
00として実行される診断項目3の『Ne 診断』の診断
方法を示したフローチャートである。『Ne 診断』と
は、アイドリング時のエンジン回転数が正常であるか否
かの診断であり、アイドリング時のエンジン回転数Ne
と基準値(許容回転数公差NID-TRC)との比較結果に基
づいて診断される。
【0047】ステップS601では、診断項目3に関す
る選択フラグFselc3および合格フラグFpass3に基づ
いて前記と同様に当該診断項目の選択の有無および診断
の合否が判定され、選択され(Fselc3=“1”)かつ
未だ合格していない(Fpass3=“0”)とステップS
602へ進み、それ以外であれば次の診断へ進む。
【0048】ステップS602では、電装装置のスイッ
チがオン状態であったり、あるいはパワーステアリング
が操舵中である場合等に生じる負荷の有無が判定され
る。『Ne 診断』は、検出されたアイドリング回転数N
e と目標値との差が小さければ良好と判断されるが、エ
ンジン負荷や電装負荷等のエンジン回転数に影響を及ぼ
す負荷が加わっていると、これを補うためにアイドリン
グ回転数を常時よりも高めに設定するエンジン制御が行
われるためにアイドリング回転数の正確な診断が難しく
なる。そこで、本実施形態では『Ne 診断』に先立っ
て、予めステップS602において負荷の有無を検出
し、負荷が検出されると当該診断を行わず、ステップS
620へ進んで後述するタイマMID、積算回数Cmesu、
積算値ΣNe 等の変数をリセットした後に次の診断へ進
み、負荷が検出されなければステップS603へ進む。
ステップS603では、アイドリングが安定しているか
否かが判断され、安定していなければ前記ステップS6
20へ進み、安定していればステップS604へ進む。
【0049】以上のようにアイドリングが安定して診断
開始条件が成立すると、ステップS604ではタイマM
IDの動作状態が判定され、これがスタートしていなけれ
ばスタートされる。ステップS605では積算回数Cme
suがインクリメントされる。ステップS606ではEC
U1からエンジン回転数Ne を受け取り、ステップS6
07では、今回の『Ne 診断』のタイミングで検出され
たエンジン回転数Neと前回までの積算値ΣNe とが加
算される。この加算値は新たな積算値ΣNe として登録
される。
【0050】次いで、図13のステップS608では前
記タイマMIDが、前記標準データの一つである基準アイ
ドリング計測時間MID-refと比較される。タイマMIDの
カウント値が前記MID-refに達していると、『Ne 診
断』に必要な計測期間が既に経過したものと判断してス
テップS609へ進む。ステップS609では、アイド
リング診断回数CIDがその都度インクリメントされ、ス
テップS610では、診断回数CIDが前記標準データの
一つである基準アイドリング診断回数CID-refと比較さ
れる。
【0051】診断回数CIDが基準診断回数CID-refに達
していると、診断に十分な回数の計測が終了したと判定
され、ステップS611において表示部27上から“0
0”表示が消去される。ステップS612では、前記エ
ンジン回転数Ne の積算値ΣNe を前記積算回数Cmesu
で割って回転数Ne の平均値が算出される。
【0052】ステップS613では、回転数Ne の平均
値と非標準データNID-refとの差の絶対値が、前記標準
データの一つであるアイドリング公差NID-TRCと比較さ
れ、両者の差の絶対値が公差NID-TRC以下であれば、ア
イドリングが正常と診断されてステップS614へ進
む。また、両者の差の絶対値が公差NID-TRCを越えてい
れば、アイドリングが異常と診断されて前記ステップS
620へ進み、後述するタイマMID、積算回数Cmesu、
積算値ΣNe 等の変数をリセットした後に次の診断へ進
む。ステップS614では、当該『Ne 診断』に関する
診断合格フラグFpass3に“1”がセットされ、ステッ
プS615では、表示部27に表示されている診断項目
番号“03”(“00”が残っていれば“00”および
“03”)が消去される。
【0053】このように、本実施形態では『Ne 診断』
が繰り返し実行されるごとに検出されるエンジン回転数
Neが積算され、この積算値ΣNe に基づいてエンジン
回転数の平均値が算出される。そして、この平均値が基
準範囲内に収まっているか否かに基づいて診断が下され
るので、複数の診断をごく短い周期で循環的に繰り返す
診断方法を採用しても『Ne 診断』を効率良く行えるよ
うになる。
【0054】図14は、前記図8のステップS700と
して実行される診断項目4、5…等の各スイッチ系の診
断に関する診断方法を示したフローチャートであり、こ
こでは、診断対象となっている各スイッチのオン状態お
よびオフ状態のいずれもが検知されれば良好と診断され
る。
【0055】ステップS701では、前記診断項目4の
『ブレーキスイッチ診断』に関する診断選択フラグFse
lc4および診断合格フラグFpass4に基づいて、前記と
同様に当該診断項目の選択の有無および診断の合否が判
定される。『ブレーキスイッチ診断』が選択され(Fse
lc4=“1”)かつ未だ合格していない(Fpass4=
“0”)とステップS702へ進み、それ以外であれば
ステップS710へ進んで次のスイッチ診断(診断項目
5)を実行する。ステップS702では、スイッチオン
時およびスイッチオフ時に関する診断が実行される。ス
テップS703では、上記診断の合否が判定され、オン
時およびオフ時のいずれもが合格していれば、ステップ
S704では当該診断に関する診断合格フラグFpass4
に“1”がセットされ、ステップS705では、表示部
27に表示されている診断項目番号“04”が消去され
る。以下同様に、他のスイッチに関しても同様の診断が
実行され、合格した診断項目の番号が表示部27上から
順次消去される。
【0056】図15は、前記図8のステップS800と
して実行される『終了処理』の動作を示したフローチャ
ートである。ステップS501では、現時点での診断結
果として、例えば未だに診断が合格していない診断項目
の番号が、前記図9のステップS114で読み取られた
当該車両の識別符号と対応付けて前記RAM22に記憶
される。この診断結果は、当該ステップS501が実行
されるごとに、その時点での診断結果に応じて随時書き
換えられる。
【0057】また、図1に示したRAM22には複数台
分の診断結果をそれぞれの識別符号と対応付けて記憶す
ることができ、複数台分(例えば、50〜60台分)の
診断結果がまとまると、自動的または手動で作業者が前
記メニュー画面上の『転送機能』を選択することによ
り、診断結果が送信部24を介して前記ホストコンピュ
ータ30等の上位装置へ無線通信によりまとめて転送さ
れる。ホストコンピュータ30では、複数台分づつ転送
される診断結果をまとめて記憶装置33へ記憶し、予定
台数分(例えば、数百台分)のデータが蓄積されると、
これをICカードやフロッピーディスク等の可搬性記憶
媒体に記憶する。
【0058】このように、各車両の診断結果をまとめて
管理するようにすれば、作業者の作業効率が向上するの
みならず、診断結果の統計的な処理が容易になり、診断
結果の分析や生産工程への素早いフィードバックが可能
になる。
【0059】図15のステップS502では、全ての診
断合格フラグFpass××が参照され、全ての診断項目が
合格しているか否かが判定される。全ての診断合格フラ
グFpass××に“1”がセットされていると、ステップ
S503では、図6(f) に示したように表示部27に
“合格”の文字が大きく表示されて作業者に診断の終了
を知らせる。ステップS504では、通信ケーブル5が
ECU1から取り外されたか否かが判定され、取り外さ
れると、ステップS505においてオフ状態となる。ま
た、通信ケーブル5が取り外されていないと、ステップ
S508では、電源をオフにするためのキー操作が作業
者によって行われたか否がが判定され、当該キー操作が
行われるとステップS505へ進み、当該キー操作が行
われていないとステップS503へ戻る。
【0060】一方、前記ステップS502において、例
えば診断項目2が合格しないと判定されると当該処理は
ステップS506へ進む。このとき表示部27には、図
6(c) に示したように、表示“02”が残っているの
で、作業者は診断項目2のみが未だに合格していないこ
とを簡単に認識することができる。
【0061】さらに、図6(d),(e) に示したように、
『Ne診断』の診断項目番号“03”が残っている場合
には、表示“00”が残っているか否かに応じて診断項
目3の診断結果の正当性を判定する。すなわち、前記図
13のステップS610、S611に関して説明したよ
うに、表示“00”は、診断項目3の前提条件(例え
ば、エンジンが十分に暖まっており、かつ負荷がない
等)が成立してNe 診断が行われた回数(すなわちCI
D)が所定の回数を上回った(CID>CID-ref)ときに
消去される。したがって、同図(d) に示したように、表
示“00”も残っている場合には、診断項目3の前提条
件が成立しておらず診断自体が未だ開始されていないこ
とになる。したがって、作業者は当該診断項目3を直ぐ
には不良と判定せず、その後、再度Ne診断を行って表
示“00”および“03”が消去されれば良好と判定す
る。
【0062】また、表示“00”が消えていれば、診断
項目3の前提条件が成立して十分な回数(すなわち、C
ID)の診断が行われているにもかかわらず合格していな
いことになるので、作業者は当該診断項目3を直ちに不
良と判定する。
【0063】このように、本実施形態では、診断に先立
って前提条件を満足する必要がある診断項目に関して
は、この前提条件が成立しているか否かを表す不成立符
号“00”が表示されるので、当該診断項目の診断が合
格していない場合であっても、これが前提条件の不成立
に起因していることを容易に認識することができ、必ず
しも不良ではない診断項目を不良と誤判定してしまうこ
とがない。
【0064】ステップS506では、電源をオフにする
ためのスイッチ操作が作業者によって行われたか否がが
判定され、当該スイッチ操作が行われると、前記ステッ
プS505へ進んでオフ状態となり、当該スイッチ操作
が行われていないと、ステップS507では、通信ケー
ブル5がECU1から取り外されたか否かが判定され
る。通信ケーブル5が取り外されると、前記ステップS
505へ進んでオフ状態となり、取り外されていなけれ
ば診断を継続するために次の診断へ進む。
【0065】図16は、前記図8のステップS900と
して実行される『待機モード処理』の動作を示したフロ
ーチャートである。ステップS901では、待機モード
中か否かが判定され、初めは診断モードなのでステップ
S902へ進む。ステップS902では、前回検出され
たエンジン回転数Ne-pre と今回検出されたエンジン回
転数Ne とが比較される。ここで、診断作業中すなわち
エンジンが回転中であると、たとえアイドリング状態で
あってもエンジン回転数は微妙に変化しているので、両
者は不一致と判定されてステップS903へ進む。ステ
ップS903では、待機モードタイマTssがリセットさ
れ、続くステップS904では、今回検出されたエンジ
ン回転数Ne が前回のエンジン回転数Ne-pre として新
たに登録されて次の診断へ進む。
【0066】その後、例えば休憩時間等に診断作業を中
断してエンジンを停止させると、前記ステップS902
において、前回エンジン回転数Ne-pre と今回エンジン
回転数Ne とが一致していると判定されるので当該処理
はステップS905へ進む。ステップS905では、タ
イマTssがスタート済が否かが判定され、初めはスター
ト済ではないと判定されるのでステップS906へ進
み、ここでタイマTssがスタートする。
【0067】以上のようにして待機モードタイマTssが
スタートすると、その後は前記ステップS905の判定
が肯定となるので、当該処理はステップS905からス
テップS907へ進む。ステップS907では、タイマ
Tssのカウント値が前記標準データの一つである待機モ
ード始動条件Tss-refと比較される。タイマTssのカウ
ント値が始動条件Tss-refを超えると、ステップS90
8では、当該処理の動作モードが診断モードから待機モ
ードに移行し、表示部27のバックライトおよびその液
晶駆動がいずれもオフ状態となる。また、これまでの診
断経過はRAM22に一時記憶される。
【0068】待機モードが始動されると、次回の処理は
ステップS901からステップS909へ進み、前回エ
ンジン回転数Ne-pre と今回エンジン回転数Ne とが比
較される。休憩時間の間、両者は常に一致してステップ
S909の判定が肯定となるので待機モードは維持され
るが、休憩時間が終了してエンジンを再始動させると、
ステップS909の判定が否定となってステップS91
0へ進む。ステップS910では、当該処理の動作モー
ドが待機モードから診断モードへ移行し、表示部27の
バックライトおよび液晶駆動がいずれもオン状態とな
る。これと同時に、待機モードが開始されるまでの診断
経過が前記RAM22から読み出され、表示部27には
待機モード開始直前の表示内容が再現される。ステップ
S911では、今回検出されたエンジン回転数Ne が前
回のエンジン回転数Ne-pre として新たに登録され、そ
の後、当該処理は図10に関して説明した『車速センサ
診断』へ戻り、上記した各診断処理が図8に示したよう
に循環的に繰り返される。
【0069】このように、本実施形態では診断モードか
ら待機モードへの移行はエンジン回転数の変動が検知さ
れなくなれば自動的に行われ、待機モードから診断モー
ドへの移行はエンジン回転数の変動が検知されれば自動
的に行われる。したがって、作業者は休憩時間が始まっ
て診断を中断する場合にエンジンを停止させ、休憩時間
が終了して診断を再開する場合にエンジンを再始動する
だけで良く、他に特別な操作は要求されない。このた
め、診断モードから待機モードへの移行、および待機モ
ードから診断モードへの移行にあたって作業者は余計な
負担を強いられることがない。
【0070】なお、本実施形態では作業者が各診断のた
めの一の操作を開始してから終了するまでの間、例えば
前記『ブレーキスイッチ診断』であれば、作業者がブレ
ーキペダルを操作する(踏み込む)間に当該『ブレーキ
スイッチ診断』が実行される必要がある。したがって、
各診断項目の診断は、作業者が一の操作を開始してから
終了するまでの間に全ての診断項目に関する診断が少な
くとも1回は実行されるような速度で循環的に繰り返し
実行されることが望ましい。
【0071】以上、このような診断方法によれば、作業
者は各診断対象項目ごとに予め定められた操作を行う際
に、その順序やタイミングに関して拘束されることがな
い。したがって、操作の順序やタイミングに関する自由
度が広がり、短時間で効率の良い車両診断が可能にな
る。
【0072】また、上記した実施形態では、始めに診断
項目番号の全てを一覧表示し、合格した診断項目の番号
を順次消去し、最後まで残った番号の診断項目を不良と
判断するものとして説明したが、これとは逆に、合格し
た診断項目の番号を順次表示し、最後まで表示されない
番号の診断項目を不良と判断するようにしても良い。同
様に、表示“00”も診断項目3の診断が十分に行われ
たときに消去されるものとして説明したが、これとは逆
に、診断項目3の診断が十分に行われたときに始めて表
示されるようにしても良い。
【0073】さらに、ここでは本発明の車両診断方法お
よび装置を工場の生産ラインにおける『検査工程』等で
用いる場合を例にして説明したが、本発明はこれのみに
限定されず、修理工場や他の環境下で用いられる車両診
断方法および装置にも同様に適用することもできる。
【0074】
【発明の効果】上記したように、本発明によれば、各車
両の診断結果が自動的に編集および管理されるので、作
業者の作業効率が向上するのみならず、診断結果の統計
的な処理が容易になり、診断結果の分析や生産工程への
素早いフィードバックが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 診断対象の車両に搭載されるECU1および
本発明の車両診断装置2の構成を示したブロック図であ
る。
【図2】 ROMカード7の記憶内容を模式的に表現し
た図である。
【図3】 診断項目管理テーブル71の記憶内容を示し
た図である。
【図4】 非標準データ記憶領域74の記憶内容を示し
た図である。
【図5】 標準データ記憶領域73の記憶内容を示した
図である。
【図6】 表示部27における表示例を示した図であ
る。
【図7】 本発明の第1実施形態である車両診断装置の
機能ブロック図である。
【図8】 本発明による車両診断の概要を示したフロー
チャートである。
【図9】 初期処理の動作を示したフローチャートであ
る。
【図10】 車速センサ診断の動作を示したフローチャ
ートである。
【図11】 EGR診断の動作を示したフローチャート
である。
【図12】 Ne 診断の動作を示したフローチャートで
ある。
【図13】 Ne 診断の動作(続き)を示したフローチ
ャートである。
【図14】 各スイッチ診断の動作を示したフローチャ
ートである。
【図15】 終了処理の動作を示したフローチャートで
ある。
【図16】 待機モード処理の動作を示したフローチャ
ートである。
【符号の説明】
1…ECU、2…車両診断装置、3…アクチュエータ、
4…センサ、5…通信ケーブル、7…ROMカード、1
6、17、18…コネクタ、20…CPU、24…送信
部、27…表示部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−241853(JP,A) 特開 平6−102148(JP,A) 実開 平4−46927(JP,U) 特公 平3−59372(JP,B2) 特公 昭61−25091(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01M 17/007

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車載用電子制御装置に外部から接続して
    使用され、当該車載用電子制御装置から入手した各種デ
    ータに基づいて複数種類の診断項目に関する診断を行な
    う車両診断装置において、 少なくとも各車両に固有の識別符号を検出する識別符号
    検出手段と、 各車両の診断結果を識別符号と対応付けて記憶する診断
    結果記憶手段と、 前記診断結果をその識別符号と共に上位装置へ転送する
    転送手段とを具備したことを特徴とする車両診断装置。
  2. 【請求項2】 前記識別符号検出手段は、バーコードで
    表示された識別符号を読み取るバーコードリーダである
    ことを特徴とする請求項1に記載の車両診断装置。
  3. 【請求項3】 前記診断結果記憶手段には、複数車両分
    の診断結果がそれぞれその識別符号と対応付けて記憶さ
    れ、転送手段はこれらをまとめて上位装置へ転送するこ
    とを特徴とする請求項1または2に記載の車両診断装
    置。
  4. 【請求項4】 車載用電子制御装置に外部から接続して
    使用され、当該車載用電子制御装置から入手した各種デ
    ータに基づいて複数の診断項目に関する診断を行なう車
    両診断方法において、 少なくとも診断対象の各車両に割り当てられた固有の識
    別符号を検出する段階と、 当該車両の診断結果を前記識別符号と対応付けて記憶す
    る段階と、 予定の台数について前記各段階を繰り返す段階と、 予定台数の診断結果が記憶されると、各診断結果をそれ
    ぞれの識別符号と対応付けて上位装置へ転送する段階と
    からなり、 上位装置は、複数回にわたって転送された各診断結果
    を、それぞれの識別符号と対応付けて記憶するようにし
    たことを特徴とする車両診断方法。
  5. 【請求項5】 前記識別符号はバーコードで表示されて
    いることを特徴とする請求項4に記載の車両診断方法。
  6. 【請求項6】 前記バーコードは、車両に取り付けられ
    ていることを特徴とする請求項5に記載の車両診断方
    法。
  7. 【請求項7】 前記バーコードは、車両ごとに用意され
    た診断カルテ上に記録されていることを特徴とする請求
    項5に記載の車両診断方法。
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