JP3784942B2 - 平均電気量算出装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電力系統または電気機器の電気量が急に変化をした後、動揺する電気量の平均値を求めるのに好適な平均電気量算出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、電力系統の送電線などにおける過負荷検出を行うためには、通電電流の大きさを正確に求める必要がある。
【0003】
すなわち、電力機器または送電線などにおいて、電気量の平均値を過負荷検出の判定対象とする場合、電力系統の保護対象を確実に保護するために、系統事故からごく短時間で電気量の平均値を求め過負荷判定し、必要であれば、遮断器の遮断、電気機器等へ制御指令を出す必要がある。また、誤動作、誤不動作を防止するためには、高精度に電気量の平均値を算出する必要がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、変動のある事前電気量の特定は容易ではなく、また、系統事故等の状変が発生した際、系統の電気量は事前電気量に比較して高いレベルであり、振動またはオーバーシュートを起こし、動揺の周期が様相により一律でない。更に、電気量の平均値の算出演算中の制御により、演算電気量の様相が変化する等、動揺初期の短時間で動揺する電気量の平均値を算出するのは困難であった。
【0005】
特に、動揺の第1波に比較して、第2波目以降の動揺が低レベルで、動揺の周期も一様でない場合、電気量、急変後の短時間に、動揺する電気量の平均値を算出することは極めて困難であった。
【0006】
そこで、本発明は電気量が変化した後、振動し収束が遅いような、電気量の平均値を算出することが困難な状況でも、比較的高精度に短時間で電気量の平均値を算出することが可能な平均電気量算出装置を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、電力系統、あるいは、電気設備機器の事故等の急変による動揺する電気量の平均値を算出する平均電気量算出装置において、電気量をディジタル量に変換した計測電気量の急変を検出すると急変直前の事前電気量の平均値と計測電気量との差である変化分電気量を求める第1手段と、変化分電流量の発生モデルのパラメータ及びゲインを求めて、これに基づいて動揺初期の短時間後の動揺する変化分電気量の平均値を第1平均電気量として求める第2手段と、長い観測窓により変化分電気量の平均値を第2平均電気量として第3手段と、第1平均電気量を演算結果として出力する一方、所定条件に従って、第2平均電気量を演算結果として出力するように切換える第4手段とを設けるようにしたものである。この手段によれば、第1に、電力系統等の電気量が取り込まれ計測電気量の急変が検出されると急変事前の事前電気量の平均値と実測の計測電気量との差である変化分電気量が求められる。第2に、変化分電気量について、発生モデルのパラメータ及びゲインが求められ、これに基づいて動揺初期の短時間の変化分電気量の平均値を求め、これを第1平均電気量として出力がされる。第3に、前記第2と平行して長い観測窓で変化分電気量について、平均値が求められ、これを平均電気量として出力がされる。第4に、第1平均電気量が平均電気量として出力され、次に所定の条件で第2平均電気量が平均電気量として出力されるように切換えられる。これによって、電気量が変化した後、振動し収束が遅く平均電気量の算出が困難な状況でも高精度で短時間に平均電気量の算出ができる。
【0008】
請求項2の発明は、電力系統、あるいは、電気設備機器の事故等の急変による動揺する電気量の平均値を算出する平均電気量算出装置において、電気量をディジタル量に変換して計測電気量として出力するアナログ/ディジタル変換部と、このアナログ/ディジタル変換部により変換された計測電気量に基づいて計測電気量の急変を検出する急変検出部と、この急変検出部により計測電気量の急変が検出されたとき、直前の計測電気量の平均値を事前電気量として求める事前電気量算出部と、この事前電気量算出部により得られた事前電気量の平均値と計測電気量とを比較して両量の差分を変化分電気量として算出する変化分電気量算出部と、変化分電気量算出部によって算出された変化分電気量に基づいて変化分電気量の発生モデルとパラメータとを算出するモデルパラメータ算出部と、このモデルパラメータ算出部によつて算出された発生モデルのパラメータのゲインを算出し急変後の動揺する初期の短時間での変化分電気量の平均値を第1平均電気量を算出するモデルゲイン算出部と、変化分電気量算出部によって算出された変化分電気量に基づいて変化分電気量の平均値を第2平均電気量としての比較的長い観測窓で求める長時間用平均電気量算出部と、モデルゲイン算出部によって算出される第1平均電気量と長時間用平均電気量算出部により算出される第2平均電気レベルといずれかの条件で切換え、演算結果として出力する演算結果切換部とを設けるようにしたものである。この手段によれば、計測電気量について所定時間の移動平均が行われ、急変直前の事前電気量が求められ、計測電気量から急変直前の事前電気量が求められて、変化分電気量が求められる。次に、変化分電気量に基づきが発生モデルのパラメータが算出され、動揺初期の比較的短時間に、動揺する第1平均電気量が求められる。これを並行して比較的長い観測窓における変化分電気量の平均値が算出され、第2平均電気量が求められる。そして、最初の電気量の急変検出後、先ず、前者による第1平均電気量を使用し、次に、後者による第2平均電気量に切り換える。これにより、電気量が変化した後、振動し収束が遅いような、電気量の平均値を算出することが困難な状況でも、比較的高精度に短時間で電気量の平均値を算出することができる。
【0009】
請求項3の発明は、請求項2記載の平均電気量算出装置において、事前電気量算出部は、計測電気量の所定時間の移動平均の平滑化を行い得られる値を事前電気量とするものである。この手段によれば、計測電気量が所定時間の移動平均で平滑化されるので、急変直前の計測電気量が変動していても、妥当な急変直前の事前電気量が得られる。
【0010】
請求項4の発明は、請求項2記載の平均電気量算出装置において、長時間用平均電気量算出部は、変化分電気量をローパスフィルタで平滑処理を施した後、所定時間内の変化分電気量の最大値と最小値とが継続すれば更新し所定時間断続しなければ変化分電気量の最大値と最小値とを前値に保持し、保持した最大値と最小値とを加算、平均値を求めるようにしたものである。この手段によれば、計測電気量の急変を検出すると、変化分電気量をローバスフィルタで平滑化する。そして、フィルタ処理後の所定時間中の電気量の最大値と最小値とが所定時間継続すると電気量の最大値、最小値を更新し、所定時間継続しなけれは、電気量の最大値、最小値の前値を保持し、その平均を求めるので、比較的長い観測窓で変化分電気量の平均値を求めることのできる。
【0011】
請求項5の発明は、請求項2記載の平均電気量算出装置において、モデルパラメータ算出部は、変化分電気量に基づき、発生モデルを算出すると共に、発生モデルのパラメータを算出するようにしたものである。この手段によれば、計測電気量の急変が検出すると、変化分電気量について動揺する電気量の発生モデルを仮定し、変化分電気量の発生モデルのパラメータを算出することのできる。これにより、実現象に沿った動揺する変化分電気量の発生モデルのパラメータが求められ、比較的短時間に高精度に、変化分電気量の平均値を算出することができる。
【0012】
請求項6の発明は、請求項2記載の平均電気量算出装置において、モデルゲイン算出部は、変化分電気量の発生モデルのパラメータを取込み離散時間系の最終値の定理を適用して発生モデルのゲインを求め動揺初期の比較的短時間の変化分電気量の平均値を求めるようにしたものである。この手段によれば、動揺する変化分電気量の発生モデルのパラメータを用いて、離散時間系の最終値の定理を適用して発生モデルのゲインが求められ、動揺初期の比較的短時間の変化分電気量の平均値を算出することのできる。
【0013】
請求項7の発明は、請求項2記載の平均電気量算出装置において、長時間用平均電気量算出部は、推定された電気量の平均値の変化率が所定値以上であれば前回求めた電気量の平均値を保持するようにしたものである。この手段によれば、変化分電気量の平均値の変化率が所定値以上であれば、その変化分電気量の平均値を前値に保持される。これによって、変化分電気量の動揺の第1波が第2波目以降に対して大きすぎる場合、第1波の影響を軽減し、妥当な変化分電気量の平均値を算出することができる。
【0014】
請求項8の発明は、請求項5記載の平均電気量算出装置において、モデルパラメータ算出部は、変化分電気量の変化率が所定値以上であれば、前回の変化分電気量に基づいて発生モデルのパラメータを算出するようにしたものである。この手段によれば、変化分電気量の発生モデルのパラメータ算出の演算途中で、変化分電気量の変化率が所定値以上であれば、その計測電気量が前値に保持される。これにより、変化分電気量が、ノイズなどで、変化分電気量の発生モデルのパラメータ算出に悪影響を与えるような異常値を除去、その時点での妥当な変化分電気量の発生モデルのパラメータが算出され、より正確な変化分電気量の平均値を算出することができる。
【0015】
請求項9の発明は、請求項5記載の平均電気量算出装置において、モデルパラメータ算出部は、算出された発生モデルとパラメータとに基づいて変化分電気量を算出し得られる変化分電気量と実測された変化分電気量との差の絶対値の積分値が所定値以上であれば、算出に用いる変化分電気量をリセットするようにしたものである。この手段によれば、算出された動揺する変化分電気量の発生モデルのパラメータから、実測の変化分電気量に相当する電気量も算出し、その変化分電気量の実測値と算出値との差の絶対値の積分値が、ある所定期間中に所定値以上であれば、パラメータ算出に用いるデータがリセットされる。これにより、発生モデルのパラメータから求めた変化分電気量の算出値と実測値とが比較され、変化分電気量の発生モデルのパラメータが実現象に沿った妥当なものとされる。仮に、不適合なものであれば、演算に用いるデータをリセットして、多少応答時間が犠牲になっても、より正確な変化分電気量の発生モデルのパラメータを算出し、より高精度な変化分電気量の平均値を求めることができる。
【0016】
請求項10の発明は、請求項2記載の平均電気量算出装置において、演算結果切換部は、急変検出部によって急変検出がされてから所定時間未満、第1平均電気量を演算結果として出力するように切換え、所定時間後に第2平均電気量を演算結果として出力するように切換えるようにしたものである。この手段によれば、最初の急変検出から所定時間後に、第1平均電気量から第2平均電気量に切換え、計測電気量の変化後の電気量の平均値を求めて出力することができる。これにより、動揺初期の短時間での変化分電気量の平均値の算出に適した手段による第1平均電気量から比較的長時間の変化分電気量の平均値の算出に適した手段による第2平均電気量へ切換え、より高精度な電気量の平均値の算出ができる。
【0017】
請求項11の発明は、請求項2記載の平均電気量算出装置において、演算結果切換部は、モデルパラメータ算出部により算出された発生モデルとパラメータとに基づいて変化分電気量を算出し得られる変化分電気量と実測された変化分電気量との差の絶対値の積分値が所定値以上であれば、第2平均電気量を演算結果として切替えて出力するようにしたものである。この手段によれば、変化分電気量の発生モデルのパラメータから求めた変化分電気量の算出値と実測値とを比較するので、算出した変化分電気量の平均値が実現象に沿った妥当なものであるか評価される。仮に、不適合なものであれば、第2平均電気量を出力するように切換えられる。これにより、電気量の平均値の演算中に電気量の動揺の様相が変化するような場合でも、高精度に電気量の平均値を求めることができる。
【0018】
請求項12の発明は、請求項2記載の平均電気量算出装置において、演算結果切換部は、モデルパラメータ算出部により算出された発生モデルのパラメータとに基づいて変化分電気量を算出し得られる変化分電気量に発散の傾向のあると判断したとき第2平均電気量を演算結果として出力するように切換えるようにしたものである。この手段によれば、第1平均電気量に発散の傾向がある場合、第2平均電気量に切換えて、その時点における電気量の平均値を比較的精度良く求めることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0020】
図1は、本発明の第1実施の形態に係る平均電気量算出装置を過負荷検出に適用した基本構成図である。
【0021】
電力系統から電気量が取り込まれ、入力変換器Aを経たアナログ電気量が、第1処理手段Bで次の処理をする。まず、(1)の処理でディジタル量に変換し、(2)の処理で電気量の急変検出後に、(1)の処理による計測電気量は常に変動している可能性があるので、(3)の処理で、所定時間の移動平均を行うことで、急変直前の事前電気量を求め、(4)の処理で(1)の処理の出力である計測電気量から(3)の処理による急変直前の事前電気量を引いて、変化分電気量を求める。
【0022】
そして、第2処理手段Cでは(5)の処理で、それぞれ、入力を単位ステップ関数、出力を実測の計測電気量とするモデル(離散時間系の伝達関数)を仮定し、最小二乗法または逐次最小二乗法でモデルのパラメータを算出し、(6)の処理で離散時間系の最終値の定理により、動揺初期の比較的短時間に、動揺する変化分電気量の平均値を求める。これを並行して第3処理手段Dでは、(7)の処理で(ローバスフィルタ処理した)動揺する電気量の最大値と最小値とから比較的長い観測窓における変化分電気量の平均値を算出する。
【0023】
次に、第4処理手段Eでは、(8)の処理において、(2)の処理による最初の電気量の急変検出後、先ず、(6)の処理による変化分電気量の平均値を使用し、次に、(7)の処理による変化分電気量の平均値に切り換え、(3)の処理による急変直前の事前電気量を用いて、電気量状変後の動揺する電気量の平均値を算出することができる。この結果を用いて、(9)において、短時間で高精度に過負荷検出を行うことを可能としている。
【0024】
図2は本発明の第2実施の形態を示す平均電気量算出装置の構成図である。
【0025】
第2実施の形態は、特に本発明に係わる平均電気量算出装置を送電線における過負荷検出を目的とするディジタル形送電線過負荷検出継電器に適用したものである。
【0026】
アナログ/ディジタル変換部1は、送電線から入力変換器10を経て入力される電流をディジタル量に変換してディジタル演算に適した計測電流量とする。
【0027】
急変検出部2は、図3に示すように定常時、アナログ/ディジタル変換部1による計測電流量の変化を監視しており、系統事故などにより計測電流量の変化率が所定のしきい値を越えると、事故が起きたと判定し、検出演算の開始指令を出力する。
【0028】
事前電流算出部3は、事故直前の計測電流量も変動している可能性があるので、所定時間の移動平均により、事故直前の事前電流量を算出する。
【0029】
変化分電流算出部4は、アナログ/ディジタル変換部1の出力である計測電流量から急変直前の事前電流算出部3による急変直前の事前電流量を引いて、変化分電流量を求める。
【0030】
長時間用平均電流算出部5は、変化分電流算出部4による変化分電流量をローバスフィルタで処理し平滑化した後、フィルタ処理後の所定時間中の変化分電流の最大値と最小値を次の最大値、最小値が所定時間継続するまで保持し、次の最大値、最小値が検出されると逐次更新し、その平均を求めて、比較的長い観測窓で変化分電流量の平均値を求める。
【0031】
モデルパラメータ算出部6は、長時間用平均電流算出部5と並行して算出を実行し、それぞれ、入力を単位ステップ関数、出力を変化分電流算出部4による実測の変化分電流とする変化分電流の各発生モデル(離散時間系の伝達関数)を仮定し、次に最小二乗法等を用いて変化分電流の発生モデルのパラメータを算出する。モデルゲイン算出部7は離散時間系の最終値の定理により変化分電流の発生モデルのゲインを求めて変化分電流量の平均値を算出する。
【0032】
演算結果切換部8は、モデルゲイン算出部7からの変化分電流量の平均値である第1平均電流量と長時間用平均電流算出部5の変化分電流の平均値である第2平均電流量とを入力して、先ず、モデルゲイン算出部7からの第1平均電流量を使用するように切換え、次に、所定時間後の所定の条件で長時間用平均電流算出部5の第2平均電流量を使用するように切り換える。
【0033】
過負荷判定部9は、モデルゲイン算出部7からの変化分電流量の平均値と事前電流量と加算値あるいは、長時間用平均電流算出部5からの変化分電流量の平均値と事前電流量との加算値が所定値より大きいとき、過負荷判定の出力をする。
【0034】
このように第2実施の形態によれば、計測電流量について所定時間の移動平均が行われ、急変直前の事前電流量が求められ、計測電流量から急変直前の事前電流量が求められて、変化分電流量が求められる。次に、変化分電流量が発生モデルのパラメータが算出され、動揺初期の比較的短時間に、動揺する第1平均電流量が求められる。これを平均して比較的長い観測窓における変化分電流量の平均値が算出され、第2平均電流量が求められる。最初の電流量の急変検出後、先ず、前者による第1平均電流量を使用し、次に、後者による第2電流量に切り換える。これにより、電流量が変化した後、振動し収束が遅いような、電流量の平均値を算出することが困難な状況でも、比較的高精度に短時間で電流量の平均値を算出することができる。
【0035】
図4は、本発明の第3実施の形態を示す平均電気量算出装置に備える事前電流算出部の構成図である。
【0036】
事前電流算出部3は、急変検出部2で計測電流の急変を検出すると演算を開始し、計測電流量を所定時間の移動平均で平滑化して事前電流量を出力する。
【0037】
このように第3実施の形態によれば、計測電気量が所定時間の移動平均で平滑化されるので、急変直前の計測電気量が変動していても、妥当な急変直前の事前電気量が得られる。
【0038】
図5は本発明の第4実施の形態を示す平均電気量算出装置に備える長時間用平均電流算出部5の構成図である。
【0039】
長時間用平均電流算出部5は、変化分電流量算出部4による変化分電流量を時定数Tのローバスフィルタ(5a)で平滑化した後、フィルタ処理後の所定時間中の電流の最大値と最小値(5b,5c)が所定時間継続すると電流の最大値、最小値を更新し、所定時間継続しなければ、電流の最大値、最小値の前値を保持(5d,5e)し、次の式(1)より、その保持した最大値、最小値の平均(5f)を求めて、比較的長い観測窓で変化分電流量の平均値を求める。
【0040】
【数1】
【0041】
このように第4実施の形態によれば、計測電流量の急変を検出すると、変化分電流量をローバスフィルタで平滑化した後、フィルタ処理後の所定時間中の電流量の最大値と最小値とが所定時間継続すると電気量の最大値、最小値を更新し、所定時間継続しなけれは、電流量の最大値、最小値の前値を保持し、その平均を求めるので、比較的長い観測窓で変化分電流量の平均値を求めることのできる。
【0042】
図6及び図7は本発明の第5実施の形態を示す平均電気量算出装置に備えるモデルパラメータ算出部6の構成図である。
【0043】
図6は、モデルパラメータ算出部6における、入出力と離散時間系の伝達関数の関係を示し、また、図7はモデルパラメータ算出部6の動揺する変化分電流量の発生モデルのパラメータ算出において、算出に必要なデータが揃ってから一括で処理するバッチ処理の最小二乗法を適用したものを示している。
【0044】
まず、計測電流の急変後の変化分電流量ΔI(k)は次の式(2)で表わされる。
【0045】
ΔI(k)=I(k)−Io …(2)
ここで、 I(k):計測電流量
Io:事前電流量
【0046】
(1)モデル化
次に、上記式(2)による変化分電流ΔI(k)の発生モデルはパルス伝達関数の式(3)で表わされる。
【0047】
【数2】
【0048】
ここでのモデルは、連続時間系の2次の伝達関数に対応させている。モデルの次数は2次に限定することなく、動揺現象に応じて決定する必要がある。
【0049】
次に、上記式(3)で表されるパルス伝達関数と変化分電流ΔI(k)には次の式(4)が成立つ。
【0050】
【数3】
【0051】
ただし、入力値u(k)は次の式(5)で表されるような単位ステップ関数である。
【0052】
【数4】
【0053】
(2)パラメータの算出
まず、実測データから前記式(3)で表される伝達関数のパラメータを算出する。すなわち、前記式(3)を式(5)へ代入して次の式(6)及び(7)を得る。
【0054】
【数5】
【0055】
次に、前記式(7)は次の式(10)で表される。
【0056】
【数6】
【0057】
さらに、前記式(10)は次の式(11)〜(13)で表される。
【0058】
【数7】
【0059】
次に、最小二乗法の適用するために、前記式(11)に次の行列の式(14)をかけると次の式(15)及び(16)が得られる。
【0060】
【数8】
【0061】
次に、上記式(16)をベクトルで表すと次の式(17)のようになり、式(9)のパラメータベクトルが式(16)、あるいは、(17)から求められる。
【0062】
【数9】
【0063】
このように第5実施の形態によれば、計測電流量の急変が検出すると、変化分電流量について動揺する電流量の発生モデルを仮定し、その入出力データから変化分電流量の発生モデルのパラメータを算出することのできる。これにより、実現象に沿った動揺する変化分電流の発生モデルのパラメータを求められ、比較的短時間に高精度に、変化分電流の平均値を算出することができる。
【0064】
図8は、本発明の第5実施の形態の他の実施の形態を示す平均電気量算出装置に備えるモデルパラメータ算出部6の構成図である。
【0065】
本実施の形態は、モデルパラメータ算出部6による動揺する変化分電流量の発生モデルのパラメータ算出の演算において、ある時点で演算に必要なデータが取得されると、パラメータ算出に用いるデータを逐次更新する逐次最小二乗法を適用するものである。逐次最適なパラメータを求める逐次最小二乗法は、次の式(18)〜式(20)によって式(17)の相関行列の逆行列が得られる。
【0066】
【数10】
【0067】
この構成により、データを逐次更新し、1時点前の変化分電流量の発生モデルのパラメータをフィードバックするので、最小二乗算出演算における相関行列の逆行列を求める必要がなくなり、より安定した変化分電流量の発生モデルのパラメータの算出結果が得られる。
【0068】
図9は本発明の第6実施の形態を示す平均電気量算出装置に備えるモデルゲイン算出部7の構成図である。
【0069】
モデルゲイン算出部7は、モデルパラメータ算出部6によって算出した変化分電流量の発生モデルのパラメータを用いて離散時間系の最終値の定理を用いて、動揺する変化分電流量の発生モデルのゲインを求めて、動揺初期の比較的短時間に変化分電流量の平均値を算出する。
【0070】
平均変化分電流量ΔIo(k)は、動揺する変化分電流量の発生モデルである式(3)のパルス伝達関数に関する最終値の定理を用いて、次の式(21)によって求められる。
【0071】
【数11】
【0072】
このように、第6実施の形態によれば、実現象に沿った動揺する変化分電流量の発生モデルのパラメータを求めるので、比較的短時間に高精度で、電流の平均値を算出することができる。
【0073】
図10は本発明の第7実施の形態を示す平均電気量算出装置に備える長時間用平均電流算出部の構成図である。
【0074】
長時間用平均電流算出部5は、第4実施の形態の図5に急変検出機能5gと前値保持機能5hを設けて、変化分電流量の平均値の変化率が所定値以上であれば、算出値(変化分電流量の平均値)を前値保持するものである。
【0075】
このように第7実施の形態によれば、長時間用平均電流算出部5の変化分電流量の平均値算出時、変化分電流量の動揺の第1波が第2波目以降に対して極端に大きい場合、第1波の影響を軽減し、的確な変化分電流量の平均値を算出することができる。
【0076】
図11は本発明の第8実施の形態を示す平均電気量算出装置に備えるモデルパラメータ算出部6の構成図である。
【0077】
モデルパラメータ算出部6は、変化分電流量の変化率が所定値以上であれば、変化分電流量を前値保持する機能を追加した構成としたものである。
【0078】
このように、第8実施の形態によれば、変化分電流量が、系統の制御、ノイズなどで、変化分電流量発生モデルのパラメータ算出に悪影響を与えるような異常値となった場合でも、異常値を除去する。モデルパラメータ算出部6において、その時点での妥当な変化分電流量の発生モデルのパラメータを算出し、上り正確な変化分電流量の平均値を算出することができる。
【0079】
図12は、本発明の第9実施の形態を示す平均電気量算出装置に備えるモデルパラメータ算出部6の構成図である。
【0080】
モデルパラメータ算出部6は、変化分電流の量発生モデルのパラメータから、動揺する変化分電流量算出部4による変化分電流量に相当する変化分電流量も算出し、所定時間中における変化分電流量の実測値と算出値の差の絶対値の積分値が所定値以上であれば、モデルパラメータ算出部6の変化分電流量の発生モデルのパラメータの算出に用いるデータをリセットするものである。
【0081】
このように第9実施の形態によれば、変化分電流量の発生モデルのパラメータから求めた変化分電流量の算出値と実測値とが比較され、比較時点におけるモデルパラメータ算出部6の変化分電流量の発生モデルのパラメータが実現象に沿ったものであるか評価がされ、仮に不適合なものであれば、データがリセットされる。これにより、多少応答時間は擬制になっても、より正確な変化分電流量の発生モデルのパラメータを算出し、モデルゲイン算出部7で変化分電流量の平均値を求めることができる。
【0082】
図13は、本発明の第10実施の形態を示す平均電気量算出装置に備える演算結果切換部8の構成図である。
【0083】
演算結果切換部8は、最初の電流の急変検出から、所定時間後にモデルゲイン算出部7による変化分電流量の平均値から、長時間用平均電流算出部5による変化分電流量の平均値に切換える。
【0084】
このように第10実施の形態によれば、最初の急変検出から所定時間後に、第1平均電流量から第2平均電流量に切換え、急変直前の事前電流量を用いて、電流量の変化後の電流量の平均値を求めて出力することができる。これにより、動揺初期の短時間での変化分電流量の平均値の算出に適した手段による第1平均電流量から比較的長時間の変化分電流量の平均値の算出に適した手段による第2平均電流量へ切換え、より高精度な変化分電流量の平均値の算出ができる。
【0085】
図14は、本発明の第11実施の形態を示す平均電気量算出装置に備える演算結果切換部の構成図である。
【0086】
演算結果切換部8は、モデルパラメータ算出部6によって算出したパラメータから、動揺する実測の変化分電流量に相当する変化分電流量も算出し、所定時間中における変化分電流量の実測値と算出値の差の絶対値の積分値が所定値以上であれば、モデルゲイン算出部7による変化分電流量の平均値から、長時間用平均電流算出部5による変化分電流量の平均値に切換えるものである。
【0087】
この第12実施の形態によれば、パラメータから求めた変化分電流量の推定値と実測値とが比較され、モデルゲイン算出部7で算出した変化分電流量の平均値が実現象に沿って妥当なものとされる。この場合に、もし不適合なものであれば、長時間用平均電流算出部5で算出した変化分電流量の平均値に切換える。
【0088】
図15は、本発明の第11実施の形態を示す平均電気量算出装置に備える演算結果切換部の構成図である。
【0089】
演算結果切換部8は、モデルパラメータ算出部6で算出した変化分電流量の発生モデルのパラメータから、変化分電流量算出部4による変化分電流量の収束、発散を判定し、発散の傾向があると判定したときモデルゲイン算出部7による算出値(変化分電流量の平均値)から長時間用平均電流算出部5による算出値(変化分電流量の平均値)に切換えるものである。
【0090】
例えば、変化分電流量の収束、発散の傾向は、下記のようにして検出することができる。すなわち、モデルパラメータ算出部6の変化分電流量発生モデルである式(3)の離散時間系の伝達関数を変形すると、次の式(22)が得られる。
【0091】
【数12】
ここで、離散時間系の伝達関数は次数2に限定するものではない。
【0092】
上記式(22)式の伝達関数の極であるα,βを用いて、変化分電流量の収束、発散判定を次の式(23)で実行する。
【0093】
【数13】
【0094】
以上のように上記伝達関数の極のうち、1つでも絶対値がより大きいものがあれば、変化分電流量は発散する。
【0095】
以上の例で示すように、動揺する変化分電流量の比較的長い観測窓での算出用または動揺初期の短時間での算出用と、特徴の異なる2手段をお互いの欠点を補う形で併用し、系統の現象に連合した変化分電流量の平均値を算出、選択するので、事故除去後の平均電気量を短時間で高精度に算出することができる。
【0096】
この第12実施の形態によれば、変化分電流量算出部4で求めた変化分電流量に発散の傾向がある場合、モデルゲイン算出部7による変化分電流量の平均値は、その時点の変化分電流量の平均値として適切な算出値を得ることができない。このため、変化分電流量の分散の傾向を早期に検出して、長時間用平均電流算出部5による変化分電流量の平均値に切り換え、その時点における変化分電流量の平均値を比較的に精度良く求めることができる。
【0097】
次に、第1実施の形態乃至第12による応答波形例について図16乃至図18に基づいて説明する。
【0098】
まず、図16では、計測電流値である(イ)の測定値(入力波形)が約2秒後のt1に急変してPU値での(ロ)の値となり、第9実施の形態による波形が(ハ)の近くまで上昇している。この状態が急変検出部2によつて検出され、急変検出部2で変化分電流量が算出される。さらに、長時間用平均電流算出部5とモデルパラメータ算出部6へ通知される。モデルパラメータ算出部6とモデルゲイン算出部7では、変化分電流量に基づいて、変化分電流量の平均値が算出される。この(ニ)の状態が第9実施の形態によってデータがリセットされ(ホ)の状態とされる。これに対して、測定値(入力波形)は(へ)で表される。
【0099】
この結果、モデルゲイン算出部7からの出力が徐々に収束する方向となって、6秒後の図には、測定値より小さくなっている。一方、(ト)の第4実施の形態によるモデルパラメータ算出部6の演算結果は、6秒後にPU値2.8程度のピークから穏やかに低下している。
【0100】
また、図17の場合も図16と同様であり、測定値(入力波形)(イ)が2秒後の時刻t1に急変したとする。この状態で、(ロ)で第6実施の形態または第9実施の形態によるモデルゲイン算出部7の演算結果が略同波形となっている。
【0101】
しかし、(ハ)では第6と第9実施の形態との波形に差ができ、(ニ)のように第6実施の形態の場合に実情にそぐわないようになる。(ホ)では、第9実施の場合、リセットがされ、モデルゲイン算出部7の演算結果が(ヘ)のように測定値の(ト)より小さく収束へ向かっている。一方、第4実施の形態による波形は、(チ)のように結果が出力されPV約2.5をピークに緩やかに変化したいる。
【0102】
また、図18は、(イ)(ロ)の如く、測定値が過大に急変したとき第8実施の形態によるモデルパラメータ算出部6によって、前値保持した波形を示しており、その後は、第8実施の形態から第9実施の形態が適用されている。その他は図16と図17とほぼ同様に推移している。すなわち、(ハ)は測定値、(ニ)は第9実施の形態、(ホ)は第4実施の形態をそれぞれの波形を示している。
【0103】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1の発明によれば、急変直前の事前電気量の平均値と実測の計測電気量との差である変化分電気量を求め発生モデルのパラメータ及びゲインが求めて動揺初期の短時間の第1平均電気量を求め、これと並行して変化分電気量によって長い観測窓で第2平均電気量を求め、第1平均電気量が平均電気量として出力をし、次に所定の条件で第2平均電気量が平均電気量として出力されるように切換えるので、計測電気量が変化した後、振動し収束が遅く平均電気量の算出が困難な状況でも高精度で短時間に平均電気量の算出することができる。
【0104】
請求項2の発明によれば、変化分電気量について発生モデルのパラメータを算出して動揺初期の比較的短時間に、動揺する第1平均電気量を求め、並行して比較的長い観測窓における変化分電気量の平均値である第2平均電気量を求めて、最初の電気量の急変検出後、先ず、前者による第1平均電気量を使用し、次に、後者による第2電気量に切り換える。これにより、電気量が変化した後、振動し収束が遅いような、電気量の平均値を算出することが困難な状況でも、比較的高精度に短時間で電気量の平均値を算出することができる。
【0105】
請求項3の発明によれば、計測電気量が所定時間の移動平均で平滑化されるので、急変直前の計測電気量が変動していても、妥当な急変直前の事前電気量が得られる。
【0106】
請求項4の発明によれば、変化分電気量をローバスフィルタで平滑化した後、フィルタ処理後の所定時間中の電気量の最大値と最小値とが所定時間継続すると電気量の最大値、最小値を更新し、所定時間継続しなけれは、電気量の最大値、最小値の前値を保持し、その平均を求めるので、比較的長い観測窓で変化分電気量の平均値を求めることのできる。
【0107】
請求項5の発明によれば、変化分電気量について動揺する変化分電気量の発生モデルのパラメータを算出するので、実現象に沿った動揺する変化分電気量の発生モデルのパラメータが求められ、比較的短時間に高精度に、変化分電流の平均値を算出することができる。
【0108】
請求項6の発明によれば、動揺する変化分電気量の発生モデルの算出されたパラメータを用いて、離散時間系の最終値の定理を適用して発生モデルのゲインが求められ、動揺初期の比較的短時間の変化分電気量の平均値が算出することのできる。
【0109】
請求項7の発明によれば、変化分電気量の平均値の変化率が、所定値以上であれば、その変化分電気量の平均値を前値に保持するので、変化分電気量の動揺の第1波が第2波目以降に対して大きすぎる場合、第1波の影響を軽減し、妥当な変化分電気量の平均値を算出することができる。
【0110】
請求項8の発明によれば、発生モデルのパラメータ算出の演算途中で、変化分電気量の変化率が所定値以上であれば、その計測電気量が前値に保持するので、変化分電気量が、ノイズなどで、変化分電気量の発生モデルのパラメータ算出に悪影響を与えるような異常値を除去し、除去した変化分電気量で発生モデルのパラメータが算出され、より正確な変化分電気量の平均値を算出することができる。
【0111】
請求項9の発明によれば、発生モデルのパラメータから、実測の変化分電気量に相当する電気量も算出し、その変化分電気量の実測値と算出値の差の絶対値の積分値が、所定期間中に所定値以上であれば、パラメータ算出に用いるデータをリセットするので、実現象に沿ったより正確な変化分電気量の発生モデルのパラメータが算出でき、より高精度な変化分電気量の平均値を求めることができる。
【0112】
請求項10の発明によれば、急変検出から所定時間後に、第1平均電気量から第2平均電気量に切換えるので、動揺初期の短時間での変化分電気量の平均値の算出に適した手段による第1平均電気量から比較的長時間の変化分電気量の平均値の算出に適した手段による第2平均電気量へ切換えられ高精度な変化分電気量の平均値の算出をすることができる。
【0113】
請求項11の発明によれば、発生モデルのパラメータから求めた変化分電気量の算出値と実測値とを比較するので実現象に沿った妥当なものであるか評価がされ第2平均電気量を出力するように切換えられ、電気量の平均値の演算中に電気量の動揺の様相が変化するような場合でも、高精度に電気量の平均値を求めることができる。
【0114】
請求項12の発明によれば、第1平均電気量に発散の傾向がある場合、第2平均電気量に切換えて、その時点における電気量の平均値を比較的精度良く求めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施の形態を示す平均電気量算出装置の基本構成図である。
【図2】本発明の第2実施の形態を示す平均電気量算出装置の構成図である。
【図3】図2の平均電気量算出装置に備える急変検出部の構成図である。
【図4】本発明の第3実施の形態を示す平均電気量算出装置に備える事前電流算出部の構成図である。
【図5】本発明の第4実施の形態を示す平均電気量算出装置に備える長時間用平均電流算出部の構成図である。
【図6】本発明の第5実施の形態を示す平均電気量算出装置に備えるモデルパラメータ算出部の発生モデルを示す図である。
【図7】本発明の第5実施の形態を示す平均電気量算出装置に備えるモデルパラメータ算出部の構成図である。
【図8】本発明の第5実施の形態の他の実施の形態を示す図である。
【図9】本発明の第6実施の形態を示す平均電気量算出装置に備えるモデルゲイン算出部の構成図である。
【図10】本発明の第7実施の形態を示す平均電気量算出装置に備える長時間用平均電流算出部の構成図である。
【図11】本発明の第8実施の形態を示す平均電気量算出装置に備えるモデルパラメータ算出部の構成図である。
【図12】本発明の第9実施の形態を示す平均電気量算出装置に備えるモデルパラメータ算出部の構成図である。
【図13】本発明の第10実施の形態を示す平均電気量算出装置の構成図である。
【図14】本発明の第11実施の形態を示す平均電気量算出装置に備える演算結果切換部の構成図である。
【図15】本発明の第12実施の形態を示す平均電気量算出装置に備える演算結果切換部の構成図である。
【図16】本発明の実施の形態による第1波形例である。
【図17】本発明の実施の形態による第2波形例である。
【図18】本発明の実施の形態による第3波形例である。
【符号の説明】
1 アナログ/ディジタル変換部
2 急変検出部
3 事前電流算出部
4 変化分電流算出部
5 長時間用平均電流算出部
6 モデルパラメータ算出部
7 モデルゲイン算出部
8 演算結果切換部
9 過負荷判定部
10 入力変換器
Claims (12)
- 電力系統、あるいは、電気設備機器の事故等の急変による動揺する電気量の平均値を算出する平均電気量算出装置において、
前記電気量をディジタル量に変換した計測電気量の急変を検出すると急変直前の事前電気量の平均値と前記計測電気量との差である変化分電気量を求める第1手段と、
前記変化分電流量の発生モデルのパラメータ及びゲインを求めて、これに基づいて動揺初期の短時間後の動揺する変化分電気量の平均値を第1平均電気量として求める第2手段と、
長い観測窓により前記変化分電気量の平均値を第2平均電気量として求める第3手段と、
前記第1平均電気量を演算結果として出力する一方、所定条件に従って、前記第2平均電気量を演算結果として出力するように切換える第4手段とを備えることを特徴とする平均電気量算出装置。 - 電力系統、あるいは、電気設備機器の事故等の急変による動揺する電気量の平均値を算出する平均電気量算出装置において、
前記電気量をディジタル量に変換して計測電気量として出力するアナログ/ディジタル変換部と、
このアナログ/ディジタル変換部により変換された計測電気量に基づいて計測電気量の急変を検出する急変検出部と、
この急変検出部により計測電気量の急変が検出されたとき、直前の計測電気量の平均値を事前電気量として求める事前電気量算出部と、
この事前電気量算出部により得られた事前電気量の平均値と前記計測電気量とを比較して両量の差分を変化分電気量として算出する変化分電気量算出部と、
前記変化分電気量算出部によって算出された変化分電気量に基づいて変化分電気量の発生モデルとパラメータとを算出するモデルパラメータ算出部と、
このモデルパラメータ算出部によつて算出された発生モデルのパラメータのゲインを算出し急変後の動揺する初期の短時間での変化分電気量の平均値を第1平均電気量を算出するモデルゲイン算出部と、
前記変化分電気量算出部によって算出された変化分電気量に基づいて変化分電気量の平均値を第2平均電気量としての比較的長い観測窓で求める長時間用平均電気量算出部と、
前記モデルゲイン算出部によって算出される第1平均電気量と前記長時間用平均電気量算出部により算出される前記第2平均電気レベルといずれかの条件で切換え、演算結果として出力する演算結果切換部とを備えることを特徴とする平均電気量算出装置。 - 前記事前電気量算出部は、前記計測電気量の所定時間の移動平均の平滑化を行い得られる値を事前電気量とすることを特徴とする請求項2記載の平均電気量算出装置。
- 前記長時間用平均電気量算出部は、前記変化分電気量をローパスフィルタで平滑処理を施した後、所定時間内の変化分電気量の最大値と最小値とが継続すれば更新し所定時間断続しなければ前記変化分電気量の最大値と最小値とを前値に保持し、保持した最大値と最小値とを加算、平均値を求めることを特徴とする請求項2記載の平均電気量算出装置。
- 前記モデルパラメータ算出部は、前記変化分電気量に基づき、発生モデルを算出すると共に、発生モデルのパラメータを算出することを特徴とする請求項2記載の平均電気量算出装置。
- 前記モデルゲイン算出部は、変化分電気量の発生モデルのパラメータを取込み離散時間系の最終値の定理を適用して発生モデルのゲインを求め動揺初期の比較的短時間の変化分電気量の平均値を求めることを特徴する請求項2記載の平均電気量算出装置。
- 前記長時間用平均電気量算出部は、推定された電気量の平均値の変化率が所定値以上であれば前回求めた電気量の平均値を保持することを特徴とする請求項2 記載の平均電気量算出装置。
- 前記モデルパラメータ算出部は、前記変化分電気量の変化率が所定値以上であれば、前回の変化分電気量に基づいて発生モデルのパラメータを算出することを特徴とする請求項5記載の平均電気量算出装置。
- 前記モデルパラメータ算出部は、前記算出された発生モデルとパラメータとに基づいて変化分電気量を算出し得られる変化分電気量と実測された変化分電気量との差の絶対値の積分値が所定値以上であれば、前記算出に用いる変化分電気量をリセットすることを特徴とする請求項5記載の平均電気量算出装置。
- 前記演算結果切換部は、前記急変検出部によって急変検出がされてから所定時間未満、前記第1平均電気量を演算結果として出力するように切換え、前記所定時間後に前記第2平均電気量を演算結果として出力するように切換えることを特徴とする請求項2記載の平均電気量算出装置。
- 前記演算結果切換部は、前記モデルパラメータ算出部により算出された発生モデルとパラメータとに基づいて変化分電気量を算出し得られる変化分電気量と実測された変化分電気量との差の絶対値の積分値が所定値以上であれば、前記第2平均電気量を演算結果として切替えて出力することを特徴とする請求項2記載の平均電気量算出装置。
- 前記演算結果切換部は、前記モデルパラメータ算出部により算出された発生モデルのパラメータとに基づいて変化分電気量を算出し得られる変化分電気量に発散の傾向のあると判断したとき前記第2平均電気量を演算結果として出力するように切換えることを特徴とする請求項2記載の平均電気量算出装置。
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