JP3784566B2 - 小型ポンプ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ダイアフラム型の小型ポンプに関し、特に、吐出安定性を向上させた小型ポンプに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のダイアフラム型の小型ポンプには、例えば、図8(a)に示すように圧電素子からなる振動子(以下、「圧電振動子」という)7を用いたものがある。圧電振動子7を用いたポンプは、ケーシング1の内周面に設けた固定用パッキンを介して圧電振動子7の外周部を密封支持し、この圧電振動子7に交流電圧を印加して上記圧電振動子7を振動させることにより、搬送流体を吸い込み流路2から吸い込み用逆止弁6を通して、ポンプ室13に吸い込み、このポンプ室13内に吸い込んだ流体を吐出用逆止弁12を通して吐出流路8から吐出する構成になっていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の小型ポンプの場合、1回あたりの搬送流体の吐出量が少量であり、例えば、直径25mmのバイモルフ型圧電振動子を駆動源として用い、交流100Vで駆動した場合には、吐出量は0.01ml/Hz程度であり、50Hz時に0.5ml/secとなる。このときに搬送流体が零速度から最大速度への流速変化を伴う激しい流れが、1秒間に50回も繰り返し行われるため、搬送流体による脈動が生じて流路抵抗が極めて大きくなるという問題がある。かかる流速、吐出圧変化による脈動により、ポンプ系全体として共振が生じるため、ポンプ姿勢や、配管長さが変化した場合に流量や吐出圧が変化するという問題点がある。なお、ポンプ姿勢とは、ポンプを設置する向きのことをいう。また、配管長さにより、流量、吐出圧が変化するのは、ケーシング1に搬送流体を供給する配管内には、脈動によって搬送流体の粗密波である定在波ができるが、配管長さを変えると、粗密波の腹及び節の位置が変わり、流量圧力が変動するためである。
【0004】
このため、吸入側においては逆止弁6の上流側に、吐出側においては逆止弁12の下流側に閉ざされた空間を有する液溜室3,9を設け、圧力変動を緩和させることが行われているが、前記のように例えば直径が25mm程度と小さな圧電素子を用いた小型ポンプの場合には十分な空間容積を確保するのが困難であり、小型化への障害となっていた。
【0005】
また、かかる液溜室3,9は、ポンプ姿勢の変化によって逆止弁との相対的な位置が変化するために、その容積が変動し、ポンプ性能も変化してしまうという問題点がある。具体的に、図8(a)、(b)にポンプ姿勢の変化状態を示すと、液溜室を、図中、吸込み側液溜室を3、吐出側液溜室を9とすると、ポンプを上向きに設置すると、液溜室3,9は上側に配設されるので、搬送流体吸入時にも、液溜室3,9は図中多数の点により表示された空気部分の空気室となる。しかしながら、ポンプを下向きに設置すると、液溜室3,9は下側に配設されるので、搬送流体吸入時には、液溜室3,9には搬送流体が充填されるために、空気室として液溜室3,9が作用しない。このように、ポンプ姿勢変化により、液溜室3,9の空気室としての容積が著しく変動するために、吐出安定性が得られない。
【0006】
そこで、本発明は、小型ポンプにおいて緩衝空間を設けることにより流速変動を緩和させて吐出安定性を向上した小型のポンプを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、ケーシング(1)と、ケーシング(1)内に搬送流体を流入する吸い込み流路(2)と、ケーシング(1)内から搬送流体を吐出する吐出流路(8)と、ケーシング(1)内に吸入口及び吐出口を有する隔室として配設され、駆動源により往復振動を行うダイヤフラムを内部に有して上記搬送流体の吸入及び吐出を行うポンプ室(13)と、ポンプ室(13)の吸込口に設けられ、吸い込み流路(2)に連通し上記搬送流体の逆流を防止する吸い込み側逆止弁(6)と、ポンプ室(13)の吐出口に設けられ、吐出流路(8)に連通し上記搬送流体の逆流を防止する吐出側逆止弁(12)とを有してなる小型ポンプにおいて、
ケーシング(1)内で、吸い込み側逆止弁(6)の上流側に設けられ、所定容量の上記搬送流体が貯溜可能な吸い込み側液溜室(3)と、
ケーシング(1)に、吸い込み側液溜室(3)が大気に連通するように開口形成された吸い込み側開放窓(5)と、
吸い込み側液溜室(3)の吸い込み側開放窓(5)側を、大気と遮断し且つ吸い込み側液溜室(3)が所定容量となるように区画する柔軟なシート材料からなる吸い込み側隔膜(4)と、
ケーシング(1)内で、吐出側逆止弁(12)の下流側に設けられ、所定容量の上記搬送流体が貯溜可能な吐出側液溜室(9)と、
ケーシング(1)に、吐出側液溜室(9)が大気に連通するように開口形成された吐出側開放窓(11)と、
吐出側液溜室(9)の吐出側開放窓(11)側を、大気と遮断し且つ吐出側液溜室(9)が所定容量となるように区画する柔軟なシート材料からなる吐出側隔膜(10)と、
上記ポンプ室(13)内で、吸い込み側逆止弁(6)と吐出側逆止弁(12)に対向して配置され、上記ダイヤフラムの往復運動を行なわせる圧電振動子(7)と、
を備え、
上記吸い込み側液溜室(3)と上記吐出側液溜室(9)は、それぞれ上記吸い込み流路(2)及び上記吐出流路(8)に連通し、ポンプ室(13)と隔てられて形成されており、
吸い込み側液溜室(3)の上記ポンプ室(13)と反対側に上記吸い込み側開放窓(5)が形成されて、上記吸い込み側隔膜(4)が吸い込み側液溜室(3)の壁の一部分を構成するようにして、吸い込み側逆止弁(6)に対向しており、
吐出側液溜室(9)の上記ポンプ室(13)と反対側に上記吐出側開放窓(11)が形成されて、上記吐出側隔膜(10)が吐出側液溜室(9)の壁の一部分を構成するようにして、吐出側逆止弁(12)に対向しており、
吸い込み流路(2)は、吸い込み側逆止弁(6)の取り付け面とほぼ同一の面上に設けられ、
吐出流路(8)は、吐出側逆止弁(12)の取り付け面とほぼ同一の面上に設けられることを特徴とする。
【0008】
かかる構成では、吸入口及び吐出口に各々1対の逆止弁(6,12)を備えたポンプ室(13)内が、ポンプ室(13)内のダイアフラムの往復振動により圧縮膨張を繰り返し、搬送流体が吸い込み流路(2)から、吐出流路(8)に向かって流れるが、この際に生じる脈動が吸い込み側隔膜(4)及び吐出側隔膜(10)の振動によって緩和されるため、流速が平準化され、流動に伴う流路抵抗も平準化されて脈動に伴う配管の共振による流量変化も抑制されるので、流量および吐出圧力が安定化する。
【0009】
請求項2記載の発明は、上記圧電振動子(7)、交流電源によって駆動されることを特徴とする。
【0010】
かかる構成では、圧電振動子(7)が交流電源によって撓み変化し、電圧変化に応じた往復振動をすると、ケーシング(1)と一対の逆止弁(6,12)と圧電振動子(7)とによって構成された空間が圧縮膨張を繰り返し、搬送流体が吸い込み流路(2)から吐出流路(8)に向かって流れる。このため、簡易に、小型ポンプを構成することができる。
【0011】
請求項3記載の発明は、吸い込み側隔膜(4)及び吐出側隔膜(10)は、柔軟なゴム材料のシートからなり、シート厚さが0.2mm以上であることを特徴とする。
【0012】
かかる構成では、吸い込み側隔膜(4)及び吐出側隔膜(10)を柔軟な材料のシートで、0.2mm以上とすることにより、液溜室(3,9)の搬送液体は常に一定の流速変動緩和作用を得ることができる。
【0013】
請求項4記載の発明は、吸い込み側開放窓(5)及び吐出側開放窓(11)の大気と接する面積が、圧電振動子(7)が1回の往復振動において吐出される容積1cmに対して、各々約10cm以上となることを特徴とする。
【0014】
かかる構成では、吸い込み側開放窓(5)及び吐出側開放窓(11)の大気と接する面積をこの程度とすることにより、脈動に伴う流路抵抗も平準化され、脈動に伴う配管の共振による流量変化も抑制され、効果的に流量および吐出圧力を安定化させることができる。
また、従来の液溜室に閉ざされた空間を設ける方式とは異なって、ポンプの取り付け姿勢が変化しても振動吸収を行う吸い込み側隔膜(4)及び吐出側隔膜(10)の解放窓吸い込み側開放窓(5)及び吐出側開放窓(11)部分の面積は、常に一定であるので、脈動の緩衝作用効果が変化しないため流量および吐出圧力の変化も抑制される。
【0015】
請求項5記載の発明は、ケーシング(1)と、ケーシング(1)内に搬送流体を流入する吸い込み流路(2)と、ケーシング(1)内から搬送流体を吐出する吐出流路(8)と、ケーシング(1)内に吸入口及び吐出口を有する隔室として配設され、駆動源により往復振動を行うダイヤフラムを内部に有して上記搬送流体の吸入及び吐出を行うポンプ室(13)と、ポンプ室(13)の吸込口に設けられ、吸い込み流路(2)に連通し上記搬送流体の逆流を防止する吸い込み側逆止弁(6)と、ポンプ室(13)の吐出口に設けられ、吐出流路(8)に連通し上記搬送流体の逆流を防止する吐出側逆止弁(12)とを有し
てなる小型ポンプにおいて、
ケーシング(1)内で、吸い込み側逆止弁(6)の上流側に設けられ、所定容量の上記搬送流体が貯溜可能な吸い込み側液溜室(3)と、
吸い込み側液溜室(3)に、吸い込み側液溜室(3)の一部が所定容量の空気室(50)となるように区画するように設けられた柔軟なシート材料からなる吸い込み側隔膜(40)と、
ケーシング(1)内で、吐出側逆止弁(12)の下流側に設けられ、所定容量の上記搬送流体が貯溜可能な吐出側液溜室(9)と、
吐出側液溜室(9)に、吐出側液溜室(9)の一部が所定容量の空気室(110)となるように区画するように設けられた柔軟なシート材料からなる吐出側隔膜(100)と、
上記ポンプ室(13)内で、吸い込み側逆止弁(6)と吐出側逆止弁(12)に対向して配置され、上記ダイヤフラムの往復運動を行なわせる圧電振動子(7)と、
を備え、
上記吸い込み側液溜室(3)と上記吐出側液溜室(9)は、それぞれ上記吸い込み流路(2)及び上記吐出流路(8)に連通し、ポンプ室(13)と隔てられて形成されており、
吸い込み側液溜室(3)の上記ポンプ室(13)と反対側に広がり閉じられた部分を区画するように上記吸い込み側隔膜(40)が設けられて、吸い込み側逆止弁(6)に対向しており、
吐出側液溜室(9)の上記ポンプ室(13)と反対側に広がり閉じられた部分を区画するように上記吐出側隔膜(100)が設けられて、吐出側逆止弁(12)に対向しており、
吸い込み流路(2)は、吸い込み側逆止弁(6)の取り付け面とほぼ同一の面上に設けられ、
吐出流路(8)は、吐出側逆止弁(12)の取り付け面とほぼ同一の面上に設けられることを特徴とする。
【0016】
かかる構成では、圧電振動子(7)が交流電源によって撓み変化し、往復振動すると、ケーシング(1)と1対の逆止弁(6,12)と圧電振動子(7)とによって構成された空間が圧縮膨張を繰り返し、搬送流体が吸い込み流路(2)から吐出流路(8)に向かって流れるが、この際に生じる脈動が空気室(50,110)によって緩和され、流速が平準化されるので、流動に伴う流路抵抗も平準化され、脈動に伴う配管の共振による流量変化も抑制され、流量および吐出圧力が安定化する。
また、吸い込み側隔膜(40)及び吐出側隔膜(100)によって空気室(50,110)の容積が殆ど一定に保たれるので、ポンプの取り付け姿勢が変化しても流量および吐出圧力の変化が抑制される。
【0017】
請求項6記載の発明は、上記圧電振動子(7)、交流電源によって駆動されることを特徴とする。
【0018】
かかる構成では、請求項5の効果に加えて、圧電振動子(7)が交流電源によって撓み変化し、電圧変化に応じた往復振動をすると、ケーシング(1)と1対の逆止弁(6,12)と圧電振動子(7)とによって構成された空間が圧縮膨張を繰り返し、搬送流体が吸い込み流路(2)から吐出流路(8)に向かって流れる。このため、簡易に、小型ポンプを構成することができる。
【0019】
請求項7記載の発明は、吸い込み側隔膜(40)及び吐出側隔膜(100)は、柔軟なゴム材料または樹脂材料のシートからなり、シート厚さが0.1mmから2mmの範囲にあることを特徴とする。
【0020】
かかる構成では、請求項5、6記載の発明の効果に加えて、吸い込み側隔膜(40)及び吐出側隔膜(100)を柔軟な材料のシートで、0.1〜2mmとすることにより、液溜室(3,9)の搬送液体は常に一定の流速変動緩和作用を得ることが可能になる。
【0021】
請求項8記載の発明は、吸い込み側空気室(50)及び吐出側空気室(110)の各々の容積が、圧電振動子(7)が1回に往復振動するに際して形成される容積の5倍以上100倍以内であることを特徴とする。
【0022】
かかる構成では、請求項5〜7記載の発明の効果に加えて、吸い込み側空気室(50)及び吐出側空気室(110)の各々の容積を、この程度とすることにより、効果的に脈動に伴う流路抵抗の平準化及び脈動に伴う配管の共振による流量変化を抑制し、流量および吐出圧力を安定化させることができる。
【0023】
請求項9記載の発明は、吸い込み側空気室(50)及び吐出側空気室(110)の各々の容積が、圧電振動子(7)が1回に往復振動するに際して形成される容積の10倍以上60倍以内であることを特徴とする。
【0024】
かかる構成では、請求項5〜7記載の発明の効果に加えて、吸い込み側空気室(50)及び吐出側空気室(110)の各々の容積を、この程度とすることにより、より効果的に脈動に伴う流路抵抗の平準化及び配管の共振による流量変化が抑制され、流量および吐出圧力を安定化させることができる。
【0025】
請求項10記載の発明は、吸い込み側隔膜(40)又は吐出側隔膜(100)において上記搬送流体と接する面積1cmに対して空間の容積が1cm以上5cm以内であることを特徴とする。
【0026】
かかる構成では、請求項5〜7記載の発明の効果に加えて、吸い込み側空気室(50)及び吐出側空気室(110)の各々の容積を、この程度とすることにより、より効果的に脈動に伴う流路抵抗の平準化及び配管の共振による流量変化が抑制され、流量および吐出圧力を安定化させることができる。
【0027】
請求項11記載の発明は、 吸い込み側液溜室(3)内の吸い込み側の空気室(50)又は吐出側液溜室(9)内の吐出側の空気室(110)が、柔軟なゴムまたは樹脂の発泡体で充填されていることを特徴とする。
【0028】
かかる構成では、空気室(50,110)を柔軟な材料からなる発泡体で充填することによって、ポンプの圧力が増大した場合にも吸い込み側隔膜(40)又は吐出側隔膜(100)が極度に伸びきって作用効果が減少してしまうことを防止できるため、隔膜としての吸い込み側隔膜(40)又は吐出側隔膜(100)の効果を長期間保持することができる。
【0029】
【発明の実施の形態】
(第1の実施の形態)
以下、本発明の詳細を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の実施の形態を示す小型ポンプの縦断面構成図、図2は、図1の分解斜視図、図3は、圧電振動子の分解斜視図である。
【0030】
本発明の実施の形態の小型ポンプは、基本的には、ケーシング1と、ケーシング1内に搬送流体を流入する吸い込み流路2と、ケーシング1内から搬送流体を吐出する吐出流路8と、ケーシング1内に吸入口及び吐出口を有する隔室として配設され、駆動源により往復振動を行うダイヤフラムを内部に有して上記搬送流体の吸入及び吐出を行うポンプ室13と、ポンプ室13の吸込口に設けられ、吸い込み流路2に連通し上記搬送流体の逆流を防止する吸い込み側逆止弁6と、ポンプ室13の吐出口に設けられ、吐出流路8に連通し上記搬送流体の逆流を防止する吐出側逆止弁12とを有して構成される。図2に示すように、ケーシング1は、上側部1aと、下側部1bとからなり、その間に圧電振動子7の周縁を挟持させてなる。ケーシング1は、図中上側面1aに後述する吸込み側及び吐出側開放窓5,11を開口形成し、吸込み側及び吐出側開放窓5,11に各々対応して、一対の逆止弁6,12、隔膜4,10、一対のリング14、一対のワッシャ15を装着してなる。
【0031】
本発明の小型ダイヤフラム式ポンプでは、ダイヤフラムの往復運動は、圧電振動子7により行う。圧電振動子7は圧電体の撓み変化を応用するユニモルフ、バイモルフ等の素子が用いられ、交流電源によって駆動される。図3に示すように、圧電振動子7は、搬送流体と接する側から順に、接液シート7d、保護シート7c、圧電素子7b及び保護シート7aとから構成される。なお、図2に示すように、圧電振動子7には、交流電源と接続するための配線7eが取り付けられている。
【0032】
本願発明は、さらに、所定容量の搬送流体が貯溜可能な吸い込み側液溜室3を吸い込み側逆止弁6の上流側に設け、吸い込み側液溜室3が大気に連通するように吸い込み側開放窓5を開口形成し、吸い込み側液溜室3の吸い込み側開放窓5側に、吸い込み側隔膜4を設けて、吸い込み側液溜室3が大気と遮断され且つ吸い込み側液溜室3が所定容量となるように区画するものである。
また、吐出流路8側も同様に、所定容量の搬送流体が貯溜可能な吐出側液溜室9を吐出側逆止弁12の下流側に設け、吐出側液溜室9が大気に連通するように吐出側開放窓11を開口形成し、吐出側液溜室9の吐出側開放窓11側に、吐出側隔膜10を設けて、吐出側液溜室9が大気と遮断され且つ吐出側液溜室9が所定容量となるように区画するものである。
【0033】
吸い込み側隔膜4及び吐出側隔膜10は、薄く柔軟な材料で、吸い込み側液溜室3および吐出側液溜室9の隔壁の一部分を構成するように設けられる。吸い込み側隔膜4及び吐出側隔膜10は、例えばシリコンゴム、ブチルゴム、フッソゴム等の柔軟なゴム材料のシートとするのが良い。また、シート厚みは、0.2mm以上とするのが良い。厚さが0.2mmよりも薄くなると、隔膜4,10が圧力によって伸びきっていまうためにポンプ駆動に伴う液溜室3、9の容積変化に追従できなくなるので好ましくない。吸い込み側隔膜4及び吐出側隔膜10を、柔軟な材料で所定の厚みとすることにより、液溜室3,9の搬送液体は常に一定の流速変動緩和作用を得ることができる。
【0034】
吸い込み側開放窓5及び吐出側開放窓11の外部に解放され、大気と接する窓部分の面積は、圧電振動子7が1回の往復振動において吐出される容積1cmに対して、各々約10cm以上となるのが好ましい。吸い込み側開放窓5及び吐出側開放窓11の窓部分の面積が小さいと、圧電振動子7の駆動により生ずる容積変化を緩和するのに不十分となり、作用効果を十分に達成できないので好ましくない。
【0035】
上述の吸い込み側開放窓5及び吐出側開放窓11の外部に解放された窓部分の面積と、圧電振動子7の1回の往復振動において吐出される容積との関係について、具体的に説明する。
(1)圧電振動子7の素子径50mmの場合
圧電振動子7の素子中央部の変位はAC100V印加時に300ミクロンで、吐出量が50Hz時に400ml/minとすると、1回あたりの吐出量は次式で求められる。
400ml/min/60/50=0.13ml
吸い込み側隔膜4及び吐出側隔膜10の窓部分の面積を、5.5cm/片側とすると、倍率=5.5/0.13=42倍となる。
【0036】
(2)圧電振動子7の素子径25mmの場合
圧電振動子7の素子中央部の変位はAC100V印加時に100ミクロンで、吐出量が50Hz時に30ml/minとすると、1回あたりの吐出量は次式で求められる。
30ml/min/60/50=0.01ml
吸い込み側隔膜4及び吐出側隔膜10の窓部分の面積を0.785cm/片側とすると、倍率=0.785/0.01=78.5倍となる。
【0037】
従って、上述の吸い込み側開放窓5及び吐出側開放窓11の外部に解放された窓部分の面積は、圧電振動子7が1回の往復振動において吐出される搬送流体の容積1cmに対して、各々約10cm以上というのは、0.01mlに対して10cmであるので、約100倍となるので、容積変化を緩和するのに十分な大きさとなり、作用効果を十分に達成することができる。
【0038】
(第2の実施の形態)
本発明の第2の実施の形態について説明する。図4は、本発明の他の実施の形態を示す小型ポンプの縦断面構成図、図5は、図4の分解斜視図である。
【0039】
本発明の第2の実施の形態の小型ポンプは、基本的な構成は、第1の実施の形態の小型ポンプと同様であり、図中同じ符号のものについては説明を省略する。尚、ケーシング1は図5のように、上側部1a、中間部1b、下側部1cとからなる。上側部1aには空気室50、110が形成されている。中間部1bは液溜室3、9及びポンプ室13の上側部分を形成してなり、下側部1cはポンプ室13の下側部分を形成してなる。中間部1b及び下側部1cにより圧電振動子7の周縁を挟持してポンプ室13を構成する。
【0040】
第2の実施の形態は、ケーシング1内で、吸い込み側逆止弁6の上流側に設けられ、所定容量の上記搬送流体が貯溜可能な吸い込み側液溜室3と、吸い込み側液溜室3に、吸い込み側液溜室3の一部が所定容量の空気室50となるように区画するように設けられた柔軟なシート材料からなる吸い込み側隔膜40と、ケーシング1内で、吐出側逆止弁12の下流側に設けられ、所定容量の上記搬送流体が貯溜可能な吐出側液溜室9と、吐出側液溜室9に、吐出側液溜室9の一部が所定容量の空気室110となるように区画するように設けられた柔軟なシート材料からなる吐出側隔膜100とを備えてなることを特徴とする。
【0041】
第1の実施の形態及び第2の実施の形態では、吸い込み側液溜室3、吐出側液溜室9を備え、吸い込み側隔膜4,40及び吐出側隔膜10,100を備えている点で共通している。また、第1の実施の形態では、大気に連通するように開口形成された吸い込み側開放窓5及び吐出側開放窓11であるのに対し、第2の実施の形態では、ケーシング1の吸い込み側液溜室3側は、大気に連通されておらず、閉鎖された隔室となっており、所定容量の吸い込み側空気室50及び吐出側空気室110となっている点が相違している。
【0042】
第2の実施の形態の小型ダイヤフラム式ポンプでは、第1の実施の形態と同様に、ダイヤフラムの往復運動は、圧電振動子7により行う。圧電振動子7は圧電体の撓み変化を応用するユニモルフ、バイモルフ等の素子が用いられ、交流電源によって駆動される。なお、圧電振動子7は図3のものと同様である。
【0043】
吸い込み側隔膜40又は吐出側隔膜100は、シリコンゴム、ブチルゴム、フッソゴム等の柔軟なゴム材料または樹脂材料のシートからなるのが好ましい。シート厚さが0.1mmから2mmの範囲にあるのが好ましい。厚さが0.1mmよりも薄くなると、吸い込み側隔膜40又は吐出側隔膜100が圧力によって伸びやすくなるために空気室50、110の容積変化が大きくなるので好ましくない。また、厚さが厚くなりすぎると圧電振動子7の駆動に伴う液溜室3,9の圧力変化に追従し難くなるので好ましくない。
【0044】
吸い込み側隔膜40又は吐出側隔膜100は、吸い込み側液溜室3および吐出側液溜室9において、各々逆止弁6,12と対向し、空気室50,110とを隔てるように設けられるが、構成上、図4に示したように吸い込み側液溜室3側の吸い込み側隔膜40と吐出側液溜室9側の吐出側隔膜100とを一体化して設けても、吸い込み側液溜室3と吐出側液溜室9とがケーシング1の一部によって分離されていれば差し支えない。吸い込み側隔膜40又は吐出側隔膜100は、液溜室3,9と空気室50,110とを仕切るように形成されている。かかる構成とすることにより、空気室50,110はケーシング1と吸い込み側隔膜40及び吐出側隔膜100によって隔壁が構成され、その容積が一定に保たれる。
【0045】
空気室50,110の容積は、圧電振動子が1回に往復振動するに際して吐出される搬送流体の容積の5倍以上100倍以内が好ましい。更に、好ましくは、10倍以上60倍以内である。また、吸い込み側隔膜40又は吐出側隔膜100が搬送流体と接する面積1cmに対して各空気室50,110の容積が1cm以上5cm以内が好ましい。
空気室50,110の容積が小さいと、圧電振動子7の駆動により生ずる容積変化を緩和するのに不十分となり、また空気室50,110の容積が過大になると、ポンプの圧力増大によって吸い込み側隔膜40又は吐出側隔膜100が過度に変形して伸張しきってしまい、作用効果が減少するので好ましくない。
【0046】
上述の吸い込み側空気室50及び吐出側空気室110の容積と、圧電振動子7が1回の往復振動において吐出される搬送流体の容積との関係について、具体的に説明する。
(1)圧電振動子7の素子径50mmの場合
圧電振動子7の素子中央部の変位はAC100V印加時に300ミクロンで、吐出量が50Hz時に400ml/minとすると、1回あたりの吐出量は次式で求められる。1回あたりの吐出量=400cm/min/60/50=0.13cm
空気室の容積を1.4cm/片側とすると、倍率は1.4/0.13=11倍となる。
【0047】
(2)圧電振動子7の素子径25mmの場合
圧電振動子7の素子中央部の変位はAC100V印加時に100ミクロンで、吐出量が50Hz時に30ml/minとすると、1回あたりの吐出量は次式で求められる。1回あたりの吐出量=30cm/min/60/50=0.01cm
空気室の容積を0.4cm/片側とすると、倍率は、0.4/0.01=40倍となる。
【0048】
従って、上述の吸い込み側空気室50及び吐出側空気室110の容積は、吸い込み側隔膜40又は吐出側隔膜100が搬送流体と接する面積1cmに対して空気室の容積が1cm以上5cm以内というのは、搬送流体の吐出容量0.01mlに対して吸い込み側隔膜4又は吐出側隔膜10が搬送流体と接する面積が1cmであり、約10倍となるので、脈動の容積変化を緩和するのに十分な大きさとなり、作用効果を十分に達成することができる大きさであるといえる。
【0049】
さらに、図示していないが、吸い込み側空気室50又は吐出側空気室110が、柔軟なゴムまたは樹脂の発泡体で充填するようにしても良い。空気室50,110を柔軟な材料からなる発泡体で埋めることによって、ポンプの圧力が増大した場合にも吸い込み側隔膜40又は吐出側隔膜100隔膜が極度に伸びきって作用効果が減少してしまうことを防止でき、隔膜としての効果は一層保たれる。発泡体は、例えば、シリコンゴムやポリウレタン等が好ましい。
【0050】
次ぎに、図6に示すように、第2の実施の形態の小型ポンプの設置状態の影響による吐出圧変化を説明する。図中、斜め網目の棒グラフが隔膜である吸い込み側隔膜40又は吐出側隔膜100を有する小型ポンプ、白いグラフが隔膜がない小型ポンプを示す。図中、上向き又は下向きというのは、ケーシング1が上向き又は下向きとなっていることを示し、ケーブル上下というのは、圧電振動子7のケーブルが上向き又は下向きとなっていることを示し、INというのは、吸い込み流路2、OUTというのは、吐出流路8が各々上向きに設置されていることを示す。
【0051】
図からわかるように、吸い込み側隔膜40又は吐出側隔膜100を有さない小型ポンプ(白棒グラフ)は、INが上の状態の場合に特に、吐出圧が低く吐出安定性が低いことがわかる。
【0052】
また、具体的に、図7(a)、(b)にポンプ姿勢の変化状態を示すと、図中、ポンプを上向きに設置すると、液溜室は一部に空気が残留するものの、殆どは液体で満たされてしまうが、隔膜40,100で区画された空気室50,110は、図中多数の点により表示された空気部分たなり、その作用を維持できる。
また、ポンプを下向きにすると、液溜室3,9は液体で満たされてしまうが、隔膜40,100によって区画された空気室50,110は、空気部分となるためその作用を維持できる。
このように、ポンプ姿勢変化により、空気室50,110の容積が従来のように著しく変動することがないために、吐出安定性が得られる。
【0053】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のうち請求項1〜4記載の発明では、ポンプ室(13)内のダイアフラムの往復振動により、搬送流体が吸い込み流路(2)から、吐出流路(8)に向かって流れるが、この際に生じる脈動が吸い込み側隔膜(4)及び吐出側隔膜(10)の振動によって緩和されるため、流速が平準化され、流動に伴う流路抵抗も平準化されて脈動に伴う配管の共振による流量変化も抑制されるので、流量および吐出圧力が安定化する。
【0054】
本発明のうち請求項5〜10記載の発明では、ポンプ室(13)内のダイアフラムの往復振動により、搬送流体が吸い込み流路(2)から、吐出流路(8)に向かって流れるが、この際に生じる脈動が空気室(50,110)によって緩和され、流速が平準化され且つ流動に伴う流路抵抗も平準化され、脈動に伴う配管の共振による流量変化も抑制されるため、流量および吐出圧力が安定化する。
【0055】
本発明のうち請求項11記載の発明では、空気室(50,110)を柔軟な材料からなる発泡体で充填することによって、ポンプの圧力が増大した場合にも吸い込み側隔膜(40)又は吐出側隔膜(100)が極度に伸びきって作用効果が減少してしまうことを防止できるため、吸い込み側隔膜(4)又は吐出側隔膜(10)の効果を長期間保持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示す小型ポンプの縦断面構成図である。
【図2】図1の分解斜視図である。
【図3】圧電振動子の分解斜視図である。
【図4】本発明の他の実施の形態を示す小型ポンプの縦断面構成図である。
【図5】図4の分解斜視図である。
【図6】設置状態の影響による吐出圧変化を示した図である。
【図7】本発明の小型ポンプの姿勢を変化させた状態を示す図であり、(a)は、上向きに設置した状態、(b)は、下向きに設置した状態を示す。
【図8】従来の小型ポンプの姿勢を変化させた状態を示す図であり、(a)は、上向きに設置した状態、(b)は、下向きに設置した状態を示す。
【符号の説明】
1 ケーシング
2 吸い込み流路
3 吸い込み側液溜室
4,40 吸い込み側隔膜
5 吸い込み側開放窓
6 吸い込み側逆止弁
7 圧電振動子
8 吐出流路
9 吐出側液溜室
10,100 吐出側隔膜
11 吐出側開放窓
12 吐出側逆止弁
13 ポンプ室
50 吸い込み側空気室
110 吐出側空気室

Claims (11)

  1. ケーシング(1)と、ケーシング(1)内に搬送流体を流入する吸い込み流路(2)と、ケーシング(1)内から搬送流体を吐出する吐出流路(8)と、ケーシング(1)内に吸入口及び吐出口を有する隔室として配設され、駆動源により往復振動を行うダイヤフラムを内部に有して上記搬送流体の吸入及び吐出を行うポンプ室(13)と、ポンプ室(13)の吸込口に設けられ、吸い込み流路(2)に連通し上記搬送流体の逆流を防止する吸い込み側逆止弁(6)と、ポンプ室(13)の吐出口に設けられ、吐出流路(8)に連通し上記搬送流体の逆流を防止する吐出側逆止弁(12)とを有してなる小型ポンプにおいて、
    ケーシング(1)内で、吸い込み側逆止弁(6)の上流側に設けられ、所定容量の上記搬送流体が貯溜可能な吸い込み側液溜室(3)と、
    ケーシング(1)に、吸い込み側液溜室(3)が大気に連通するように開口形成された吸い込み側開放窓(5)と、
    吸い込み側液溜室(3)の吸い込み側開放窓(5)側を、大気と遮断し且つ吸い込み側液溜室(3)が所定容量となるように区画する柔軟なシート材料からなる吸い込み側隔膜(4)と、
    ケーシング(1)内で、吐出側逆止弁(12)の下流側に設けられ、所定容量の上記搬送流体が貯溜可能な吐出側液溜室(9)と、
    ケーシング(1)に、吐出側液溜室(9)が大気に連通するように開口形成された吐出側開放窓(11)と、
    吐出側液溜室(9)の吐出側開放窓(11)側を、大気と遮断し且つ吐出側液溜室(9)が所定容量となるように区画する柔軟なシート材料からなる吐出側隔膜(10)と、
    上記ポンプ室(13)内で、吸い込み側逆止弁(6)と吐出側逆止弁(12)に対向して配置され、上記ダイヤフラムの往復運動を行なわせる圧電振動子(7)と、
    を備え、
    上記吸い込み側液溜室(3)と上記吐出側液溜室(9)は、それぞれ上記吸い込み流路(2)及び上記吐出流路(8)に連通し、ポンプ室(13)と隔てられて形成されており、
    吸い込み側液溜室(3)の上記ポンプ室(13)と反対側に上記吸い込み側開放窓(5)が形成されて、上記吸い込み側隔膜(4)が吸い込み側液溜室(3)の壁の一部分を構成するようにして、吸い込み側逆止弁(6)に対向しており、
    吐出側液溜室(9)の上記ポンプ室(13)と反対側に上記吐出側開放窓(11)が形成されて、上記吐出側隔膜(10)が吐出側液溜室(9)の壁の一部分を構成するようにして、吐出側逆止弁(12)に対向しており、
    吸い込み流路(2)は、吸い込み側逆止弁(6)の取り付け面とほぼ同一の面上に設けられ、
    吐出流路(8)は、吐出側逆止弁(12)の取り付け面とほぼ同一の面上に設けられることを特徴とする小型ポンプ。
  2. 上記圧電振動子(7)は、交流電源によって駆動されることを特徴とする請求項1記載の小型ポンプ。
  3. 上記吸い込み側隔膜(4)及び上記吐出側隔膜(10)は、柔軟なゴム材料のシートからなり、シート厚さが0.2mm以上であることを特徴とする請求項1又は2記載の小型ポンプ。
  4. 上記吸い込み側開放窓(5)及び上記吐出側開放窓(11)の外部に解放された部分の面積が、振動子(7)が1回の往復振動において吐出される容積1cm3 に対して、各々約10cm2 以上となることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の小型ポンプ。
  5. ケーシング(1)と、ケーシング(1)内に搬送流体を流入する吸い込み流路(2)と、ケーシング(1)内から搬送流体を吐出する吐出流路(8)と、ケーシング(1)内に吸入口及び吐出口を有する隔室として配設され、駆動源により往復振動を行うダイヤフラムを内部に有して上記搬送流体の吸入及び吐出を行うポンプ室(13)と、ポンプ室(13)の吸込口に設けられ、吸い込み流路(2)に連通し上記搬送流体の逆流を防止する吸い込み側逆止弁(6)と、ポンプ室(13)の吐出口に設けられ、吐出流路(8)に連通し上記搬送流体の逆流を防止する吐出側逆止弁(12)とを有してなる小型ポンプにおいて、
    ケーシング(1)内で、吸い込み側逆止弁(6)の上流側に設けられ、所定容量の上記搬送流体が貯溜可能な吸い込み側液溜室(3)と、
    吸い込み側液溜室(3)に、吸い込み側液溜室(3)の一部が所定容量の空気室(50)となるように区画するように設けられた柔軟なシート材料からなる吸い込み側隔膜(40)と、
    ケーシング(1)内で、吐出側逆止弁(12)の下流側に設けられ、所定容量の上記搬送流体が貯溜可能な吐出側液溜室(9)と、
    吐出側液溜室(9)に、吐出側液溜室(9)の一部が所定容量の空気室(110)となるように区画するように設けられた柔軟なシート材料からなる吐出側隔膜(100)と、
    上記ポンプ室(13)内で、吸い込み側逆止弁(6)と吐出側逆止弁(12)に対向して配置され、上記ダイヤフラムの往復運動を行なわせる圧電振動子(7)と、
    を備え、
    上記吸い込み側液溜室(3)と上記吐出側液溜室(9)は、それぞれ上記吸い込み流路(2)及び上記吐出流路(8)に連通し、ポンプ室(13)と隔てられて形成されており、
    吸い込み側液溜室(3)の上記ポンプ室(13)と反対側に広がり閉じられた部分を区画するように上記吸い込み側隔膜(40)が設けられて、吸い込み側逆止弁(6)に対向しており、
    吐出側液溜室(9)の上記ポンプ室(13)と反対側に広がり閉じられた部分を区画するように上記吐出側隔膜(100)が設けられて、吐出側逆止弁(12)に対向しており、
    吸い込み流路(2)は、吸い込み側逆止弁(6)の取り付け面とほぼ同一の面上に設けられ、
    吐出流路(8)は、吐出側逆止弁(12)の取り付け面とほぼ同一の面上に設けられる
    ことを特徴とする小型ポンプ。
  6. 上記圧電振動子(7)は、交流電源によって駆動されることを特徴とする請求項5記載の小型ポンプ。
  7. 上記吸い込み側隔膜(40)及び上記吐出側隔膜(100)は、柔軟なゴム材料または樹脂材料のシートからなり、シート厚さが0.1mmから2mmの範囲にあることを特徴とする請求項5又は6記載の小型ポンプ。
  8. 上記吸い込み側空気室(50)及び上記吐出側空気室(110)の各々の容積が、圧電振動子(7)が1回に往復振動するに際して吐出される搬送流体の容積の5倍以上100倍以内であることを特徴とする請求項5〜7の何れかに記載の小型ポンプ。
  9. 上記吸い込み側空気室(50)及び上記吐出側空気室(110)の各々の容積が、圧電振動子(7)が1回に往復振動するに際して吐出される搬送流体の容積の10倍以上60倍以内であることを特徴とする請求項5〜7の何れかに記載の小型ポンプ。
  10. 上記吸い込み側隔膜(40)又は上記吐出側隔膜(100)において上記搬送流体と接する面積1cm2 に対して空間の容積が1cm3 以上5cm3 以内であることを特徴とする請求項5〜7の何れかに記載の小型ポンプ。
  11. 上記吸い込み側液溜室(3)内の吸い込み側空気室(50)又は上記吐出側液溜室(9)内の吐出側空気室(110)が、柔軟なゴムまたは樹脂の発泡体で充填されていることを特徴とする請求項5〜10の何れかに記載の小型ポンプ。
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